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妄想の座敷牢羞恥の風ましゅまろくらぶ



小説には、連続作品と一話完結作品があります。連続作品は、左「カテゴリ」の各作品名より一話から順番に読むことができます。また「目次」には、各作品の概要などをまとめた記事が集められています。

■連続作品
◆長編作品
「子宝混浴『湯けむ輪』~美肌効姦~」

◆中編作品
「大輪動会~友母姦戦記~」
「青き山、揺れる」 ▼「師匠のお筆」

◆オムニバス
「母を犯されて」

◆短編作品
「育てる夫」  ▼「最後の願い」  ▼「ママの枕」  ▼「ブラック&ワイフ」
「夏のおばさん」  ▼「二回り三回り年下男」  ▼「兄と妻」

■一話完結
「ふんどし締めて」
「旧居出し納め・新居出し初め」  ▼「牛方と嫁っこ」  ▼「ガンカケ」
「祭りの声にまぎれて」  ▼「シーコイコイコイ!」  ▼「サルオナ」  ▼「母の独白」
「童貞卒業式」 ▼「お昼寝おばさん」  ▼「上手くやりたい」 ▼「珍休さんと水あめ女」
「栗の花匂う人」「乳搾りの手コキ」 ▼「妻つき餅」 ▼「いたずらの入り口」
「学食のおばさん便器」 ▼「山姥今様」 ▼「おしっこ、ついてきて。」

作品一覧

湯けむ輪(105) 06:24

子宝混浴
『湯けむ
~美肌効


こだからこんよく
ゆけむりん
びはだこうかん






――午前六時二十四分


「次誰? 自分しいな」

渡瀬は榊原に声を掛けた。

「え、どうしようかなあ……」

榊原はいつになく腰が重い。そういう者は、ほかにもいた。女性客の加入は、少なからず現場の空気を変えていた。

そんな中、浪岡と松倉のタクシー運転手組が、そろそろ退散すると言い出した。が、しかし、

「そやったら最後にヤッていったら?」

などと渡瀬から誘われると、一転覚悟が揺らぎだす。実のところ、地元の三老婆の登場に二人は若干動揺していた。なまじっかなことをして、他日顔を指されないとも限らぬ身分だと。

それでも、結局は性欲に勝てないのが男のサガだ。

「じゃあ、最後に一発だけ……」

頭をかきかき、まずは浪岡が挿した。

これを見て、さすがの豪胆婆どもも驚いた。夫と別の男が、夫の目の前で、しかも夫の指示によって妻と交わりだしたからだ。これにはいささかの説明を要した。

「わしら知り合いで。仲良うやっとるんですわ」

などと渡瀬が出まかせを言えば、浪岡もひとまず現設定を尊重して、

「奥さんお借りします」

と、話に乗っかる。

「へえ~、だから混浴なのね」

物好きな高齢婦人どもはこれにもたじろがない。筋の通らない内容ながら、なるほどと納得して、眼前で行われる後背位の交尾を鑑賞する。

さらには渡瀬が、

「いや実はこの奥さんがどスケベでね――」

と、折角の夫婦関係をあっさり解消し、これまでの経緯を誇張を交えながら有体に話し出しても、

「まあそうなの、イヒヒ」

などと素直に感心しては卑しい笑顔を浮かべて聞いている。恐るべき柔軟的思考の女達である。

倫子は頭が痛くなってきた。覚醒した彼女の脳みそをまたしても混乱が襲う。羞恥の熱とも相まって、体中がだるい。そこへきて、浪岡から松倉へのバトンタッチがあった。

「あらあらまあ、お盛んねえ」

目の前の交代劇に三人は喝采を浴びせた。立て続けに種付けされる女を目にしてこの反応だ。その上何気ない下品な言葉で彼女を辱める。

「若いっていいわねえ」

「ねえ、お乳だってあんなに張ってるじゃないの」

「ほんと、すごいお乳だこと。どれどれ……」

ついには倫子の乳房にまで手を伸ばす始末。

「まあ大きい! すごいわよ、ほら」

先に触った一人が後の者に感想を述べる。残りの者どもも次々に手を出していった。後背位でまぐわい中の倫子の乳房が垂れ下がっている所を、まるで乳牛のそれのように搾ったり持ち上げたりする。同性にとっても豊満な乳房というのは面白味のある素材だ。

その様を見て、宇川は、

「どえらいごっついおばはんらやなあ」

と、傍の者にコソコソと囁いて苦笑した。

「アッ、ヤッ……!」

倫子は拒否の姿勢を示したが、周囲の誰にも通じない。というより、本人にしてからが今後の方策について懐疑的なのである。もはやどうしていいのだか、どうしたいのかも分からなくなってきた。体内の熱はいや増すばかりで、脳天までしびれが広がっていく。

「ヤッ、アァ……」

垂れ下がった脂肪の塊をブラブラ揺らしながら、倫子は衆人環視の中で無限セックスに苛まれ続ける。終わらない。終わらせられない。どこまでもオス達は群がってくる。

「混浴ってすごいわねえ」

常連の癖に今更ながらの感想を述べる老婆の一人。すると、連れも同調して言った。

「ほんとねえ、あたし達も気を付けないと」

一体何に対する警戒なのか、それが誠からの言葉でないにしても、この場では空々しかった。折しも、松倉が役割を終えると、運転手組の両名が予告通りに退散したこともあり、三婆も急に湯船から上がり始めた。元より習慣での入浴であり、長風呂するつもりもないのだ。

三人は体を洗いに立つ。この瞬間、倫子は久しぶりに一人の体となった。残り九人の男達も、この期に至ってしばし手を出してこない。ようやくにして疲れが彼らを包みだしていた。

そこへ、パラパラと新しい客が入ってくる。いずれも老人の、今度は宿泊客である。昨夜の宴に加わらなかった客も、幾組かは泊まっていたのだ。

年を取ると、朝が早くなる。朝風呂は彼らにとって娯楽だ。男性の彼らの内には、全裸の女を見ていささか気を取られた者もあったが、いかんせん年が年である。これまでの男らのような、ギラついた劣情を体現するには至らなかった。

その意味では、この輪の最年長である吉野の活躍は特筆に値した。老人と呼ぶには早いにしても、既に老境に片足を突っ込んではいる彼なのである。とはいえ、さすがの彼もここまでが限界であった。部屋に戻ると言い出したのである。これに須賀谷も付いていった。こちらは、単に十分な満足を得たためであった。

これで、メスが一に対し、オスは七となった。そしてこの時程、倫子が脱出するのに相応しい機会はなかったのである。惜しむらくは、既に彼女の足腰が自前で立たなかった点である。もし逃げ出せていたならば、今次最悪の地獄を見ることもなかったろうに。

――時既に遅し。次に来た客は、懐かしいあの顔であった。

「あっ! お母さん!」

洗い場の老婆も振り向くほどに、浴場内に驚きの声が響いた。


<つづく>




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コメント
読みました!
すごい展開になってきましたね!バレてしまうのか。それとも、なんとかしのぎきるのか。ドキドキワクワクです!ここまで読んでくると、頑張れ倫子さんと思ってしまう自分が不思議です。
ホント楽しみです!
続き楽しみにしてます!
[2013/02/24 17:26] URL | ぱんだ #- [ 編集 ]
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