おことわり
R18
このブログには、エッチなことがたくさん書いてあります。まだ18歳になっていない人が見ていい所ではありません。今からこんな所を見ていると、将来ダメ人間になってしまいます。早くほかのページへ移動してください。

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なお、掲載している小説はすべて虚構であり、実在の人物・団体等とは一切の関係がございません。

    
お知らせ
「オナこもりの小説」は、エロ小説を気ままにアップしていくブログです。たまに、AV女優や、TVで見た巨乳のことなども書いています。左サイドにある「カテゴリ」から、それっぽい項目を選んでご覧ください。



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妄想の座敷牢羞恥の風ましゅまろくらぶ



小説には、連続作品と一話完結作品があります。連続作品は、左「カテゴリ」の各作品名より一話から順番に読むことができます。また「目次」には、各作品の概要などをまとめた記事が集められています。

■連続作品
◆長編作品
「子宝混浴『湯けむ輪』~美肌効姦~」

◆中編作品
「大輪動会~友母姦戦記~」
「青き山、揺れる」 ▼「師匠のお筆」

◆オムニバス
「母を犯されて」

◆短編作品
「育てる夫」  ▼「最後の願い」  ▼「ママの枕」  ▼「ブラック&ワイフ」
「夏のおばさん」  ▼「二回り三回り年下男」  ▼「兄と妻」

■一話完結
「ふんどし締めて」
「旧居出し納め・新居出し初め」  ▼「牛方と嫁っこ」  ▼「ガンカケ」
「祭りの声にまぎれて」  ▼「シーコイコイコイ!」  ▼「サルオナ」  ▼「母の独白」
「童貞卒業式」 ▼「お昼寝おばさん」  ▼「上手くやりたい」 ▼「珍休さんと水あめ女」
「栗の花匂う人」「乳搾りの手コキ」 ▼「妻つき餅」 ▼「いたずらの入り口」
「学食のおばさん便器」 ▼「山姥今様」 ▼「おしっこ、ついてきて。」

作品一覧

大輪動会-プログラム#58-

 有紀はまた例の運搬方法で輸送されていく。後ろに矢板、前に比嘉。二穴結合でガッチリ固定され、盤石の態勢で廊下から玄関へと至る。当たり前に全裸だ。外へ出る時も、靴さえ履かせてもらえない。一方の男達は服を着る。ただ一部、慶介、浩樹、竜二のトリオを除いて。開放的な気分の三人は屋外へ出ても素っ裸で、役割を終えた前任者達から引き継ぎ、浩樹が膣、慶介が尻に入れて大空の下豪快に挟み撃ちした。

「ア~最高!」

慶介の歓喜が澄み切った空気に吸い込まれていく。同時に鳴りやまない肉ひだのさざめきもまた静かな木立ちの揺らめきに消えた。振り仰げば朝日を浴びてきらめく建物の窓々。その一つにはかの夫もいようが見られたらアウトだ。開けたロータリーに集団が屯し、女一人を公然と輪姦である。

 終わって服を着る二人に代わって、男でただ一人まだ裸の竜二、しかし恥ずかしがりもせず膣に組み付く。向かい合う相方は七里川。

「いやあ、今日はよく働いたよ」

重労働でもこなしたかのように言う。実は先程来帰宅する者が出る度に運転手達は交代で車を出していたのであり、その点で確かに働いてはいた。もっとも、彼の意味するところは別にあるのだったが。とまれ、これから最後の奉仕が残っている。

「チェッ、もう終わりか~」

全行程を終え、あれだけヤッたのにまだ足りたい風で後ろ髪を引かれている竜二と友人二人を乗せて、七里川のタクシーが発車していった。これが最終第一便。歩いて下りられない距離でもないがサービスである。松倉と浪岡もそのつもりで待機中だ。

「これが最後だよ」

鈴木に念を押されて、祥吾と雅也が周囲の顔色を窺った。若さ故どうしてもヤりたい。そのことは重々承知で大人達は彼らに次を促した。残った大人は、残り時間が少ない事も勘案し、余裕の精神で遠慮を決めている。ただ一人、バス送迎を終えた薮塚だけがいきり立っていたが。

 寛容に勧められた二人は、しかしか細い体躯故に立位でサンドイッチできず、やむなく一人ひとり順番に済ませることになった。いよいよ最終種目リレー。バトンは友人母の産道だ。地べたに背中を付かせるのは忍びなく、必然的に後背位を選んでのスタート。それも女が膝を地につかんばかりに腰を下げ、バスの下部にやっと掴まる体勢での合体だ。裸足が冷たいアスファルトを踏みしめ、息子の同級生の最後の頑張りに耐える。

 まずは祥吾、続いて雅也。万感の思いを込めて腰を繰り出す。いびられた過去などもう遠い昔。こうやってただ気持ちよくしてもらうだけの肉の穴だ。今となってはモンスターペアレンツや問題児の影さえちらつかない。彼らは幸福に包まれながら種付けした。

「もう満足した?」

鈴木に訊かれて、少年達ははにかみながら素直に頷いた。

 他方、当然のように次を始めようと進み出たのが薮塚だ。助平と呑兵衛は元来往生際が悪い。

「おい、いい加減にしないか」

袋田にたしなめられるも両手を合わせて頼み込み、半ば強引にぶち込んだ。バスの側面に手をつかせ、足を広げさせて後ろから太い物をガシガシと突っ込む。彼の腰のグラインドのせいで車体がゆさゆさと揺れた。

 それを背景に祥吾と雅也は浪岡の、鎌先は松倉の車に乗って帰っていった。矢板は自分の店に戻る。袋田は鈴木らに申し訳なさそうに愛想笑いしていたが、同僚が望みをかなえて戻ってくるとこれを蹴飛ばして叱責した。

「さあ奥さん、帰りますよ」

鈴木が声を掛けた時、有紀はタイヤに額をもたせてうずくまっていた。彼女を使い終わった薮塚がそのまま手を放して放置したからである。比嘉がこれに肩を貸して起き上がらせ運ぶ。乗るのは彼女の家のワゴン車である。彼が裸体の女を後部座席に積み込む頃、運転席の鈴木がエンジンを掛けた。袋田と薮塚が去り行く車を見送る。

 それと入れ違いで一台の黒塗りの車が入ってきて玄関に横付けした。金光を迎えにきた車だった。

「先生はまだ?」

車から出てきたスーツ姿の男は開口一番尋ねる。

「さあ……まだお休みかと思いますよ」

袋田は答えたが男は一瞥もくれず、黙って携帯電話を操作しだした。

「ああ、もしもし先生、着きました」


  *


 有紀を乗せたワゴン車は自宅に到着した。外で待ち構えていた島田がもどかしそうに駆け寄る。

「遅いじゃないか」

 そうして三人で有紀を助け下ろすと彼女の自宅へと運び込む。途中門扉の脇に裸の佳彦が座っていて一団を睨んだ。この少年はとうとう一晩中素っ裸で屋外にいたのである。男らは荷物――かつてこの家の女主人だった物を、屋内に入って一番近くの部屋にあったソファーへ投げ出した。

 有紀は呆然と天井を見ている。満たされた疲労と反比例な空虚が体内に渦巻いてクラクラする。帰宅したのは分かっているが思考は随分と遅れてくるようだ。いざ何から手をつけて良いか判断がつかない。

「ぼ、ぼく、お母さんを頼んだよ」

後から付いてきていた佳彦に対し、手持無沙汰だった鈴木がとりあえず声を掛けた。当然のように相手は無視である。そして彼は真っ直ぐに母のもとへ歩んでいった。大人達の胸には、

「この子に任せて大丈夫か?」

という不安が一斉によぎったが、これ以上打つ手はなかった。三人はそそくさと退散した。

〈つづく〉




〈現在の位置関係〉
▼自宅
有紀、佳彦、清美、瑞穂
▼大輪館
袋田、藪塚、金光、枝野
▼電車移動
前原
▼帰宅
恵太、優斗、豊、聡、翼、村本、猪瀬、舛添、島田、服部、花村、羽根沢、森岳、沼尻、高橋、小林、俊之、克弘、慶介、浩樹、竜二、七里川、祥吾、雅也、浪岡、鎌先、松倉、矢板、鈴木、比嘉


輪姦記録〉
挿入男根:37本
射精回数:170発
(膣86・口23・尻44・乳7・顔8・髪1・外1)


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[2022/03/14 22:00] | 「大輪動会」 | トラックバック(0) | page top
大輪動会-プログラム#23-


 *

 部屋を出ながら、慶介は服部に聞いた。

「でも、こんなんで上手くいくんすかね」

「いくさ。いかせる」

服部は短く答えた。その横顔はこれまでの大らかさから一転、冷たい無表情だったので、さしもの不良少年もゾッとする程だった。この町の連帯意識は、その規模の狭さ故もあって強く、それはある種の閉鎖的闇にも通ずるもので、慶介は大人達が作るその深淵を垣間見たような気がした。

 見張り役の比嘉が顎を引いて合図する。服部は頷き返すと、一人で部屋に入った。不良ら三人は外で待つ。比嘉は別の用事を済ませに立ち去った。

 *

「ほおら、奥さん、残ってるやつも全部ひり出しなよ」

根元まで入った沼尻の中指がグリングリンと、右回転、左回転を繰り返す。しかし、中からはシャバシャバの液体が少し漏れ出た程度だった。

「さっきブリブリと、かなりやったからなあ。もう出尽くしたか」

鎌先がほくそ笑んで自分も指を立てる。これは沼尻に、代われ、という意図で出したものだったが、彼が引かないので、脇から無理矢理ねじ込んだものである。男二人の指が、すぼんだ皺の芯でうごめく。

「ハッアッウッ!」

のけ反った目の前に火花が散ったようで、有紀は中空に熱気を逃がした。その開いた口からよだれ、否や胃液が垂れて滴る。吐き気を催しても、今は何も出ぬようだ。

「もうスッカラカンみたいだな」

彼女の横顔を見て、鎌先は目を細めた。望み通りの具合に仕上がったものだ、と。

 果たして、その穴は完全に人手に渡っていた。かつては肉棒にてくり貫かれ、今は二人から指でほじくり回されている。もはや排泄すら自分の意思では許されず、ひたすら性交の用に供するべく、いや男共の一方的性のはけ口の為に開発された穴だ。ここに男らが性を吐き出す、いわば排泄する穴ではなく排泄される穴になったわけだ。

 と、その時、入り口から声が掛かった。

「金光さん、大丈夫?」

それは、先程の女教師だった。彼女がまた義務としての博愛精神を発揮して、有紀の身を案じに来たのだ。

「電気位点けなさいよ」

口の中でゴニョゴニョ言いながら灯りを点ける。

 鎌先と沼尻は目を見合わせた。しかし、指の作業は止めない。事ここに至りなば、露見まで待ったなしである。ある種の諦めと、一方でヒリヒリするような緊張感が彼らを焚き付けていた。有紀がただ一言助けを求めれば事態は収束に向かい得る。だが彼女には今どうしていいかが分からなかった。

 ブ、ブブブ……返事の代わりに、尻穴が空気を漏らす。

「う……」

女教師は眉間に縦皺を寄せた。彼女はまさか夢にも思わない、肘や肩のぶつかり合う狭いシャワー室で、一人の全裸女が、着衣の男二人に挟まれ、肛門をほじくられているとは。ただ腹の具合が悪い女がそこにいるだけとしか。

 男らの指は、肉棒経験後もなお慎ましいおちょぼ口を左右に引っ張り広げる。淵に引っかかる指は、いつしか各二本になった。計四本の節くれだった指が、グニグニと柔穴をほぐす。

 沼尻はもう片方の手で尻たぶを撫で揺すった。電灯を反射する白い脂肪から、ピチャピチャ音を鳴らして水滴が彼の足元に落ちる。男らはジャージの長ズボンを裾からまくり上げて脛を出し、足元は裸足であった。

 それら六本の足を、ちょっと覗けば外からも見ることが出来る。だがしかし、教師はそれが見える位置まで近寄らなかった。さっき耳にした“ブブブ”が、彼女の足を止めさせたのである。

「着替え、ここに置いておきますからね」

そう言って、部屋の入り口に置き場を求める。さしもの博愛精神もここまでの介護サービスがやっとだった。それでも尽くした方だと思っている、日頃の印象も良くない、その上大それた粗相をした保護者に対してなら。これが生徒なら別なのだが。

 とは言え、全くの放置というわけにもいかない。

「ほんとに大丈夫ですか」

一応の用事は済んだが、去り際にもう一度聞く。まだ返事を聞いていないのだ。シャワーは止まっているし、聞こえないこともあるまい。彼女は耳をそばだてた。すると、何やらピチャピチャ、あるいはクチュクチュいうような音が聞こえる。体を洗っているのか。それと同時に、

「ハ……」

と、微かながら有紀の声がした。これが返事か、とても明瞭ではない。だが女教師は、もうこれ以上追及しようとは思わなかった。思えば、あれだけの恥をかいた後なのだ、通常の神経ならいたたまれないだろう。これ以上の会話は、苛めのような気がした。

「着てらした物、ここにビニール袋置いておきますから入れて下さい。わたし、職員室に居ますから、終わったら声掛けて下さいね」

最低限の連絡事項を伝える。ちょうどそのタイミングで、

「ン……イ……!」

と、声が聞こえた。苦しそうではある。女教師は、しかし、もうこれを返答と受け取ることにした。実のところ、これ以上かかずらいたくない気分もあった。なんとなくながら、この人と関わることは得策でないと、何か不穏なものを感じたのだ。

 果たして、その勘は正しかった。実はその間、有紀の尻性器には男根が突き挿さっていたのである。指のみに飽き足らず、沼尻がとうとう本格的に性交を始めたのだ。挿入の瞬間、声にこそ出さないが、彼はうっとりと、まるで湯にでも浸かるかのように恍惚の表情を浮かべた。相棒へのアピールである。

 鎌先もまたニヤニヤと笑って、彼の方は前の穴をまさぐり出した。縮れ毛の茂みに割れ目を見つけると、肉びらをめくって中身を引き出さんばかりに内部を掻く。クチャクチャ、ヌチャヌチャと音が鳴って、性毛を伝い水滴が垂れた。

 そんな彼が、指に換えて自身の抜き身を挿すのに時間は掛からなかった。個室内で立ったまま、前後からの挟み撃ち。なんのことはない、女教師が心配して話しかけていたのは、膣と肛門に男根を入れられた、犯され保護者だったのである。彼女が聞いたのは、輪姦中の荒々しい吐息だったのだ。

 そうと知らない彼女は、

「もし体調が悪いんだったら、保健室で横になってもいいんですからね」

憐みの気持ちで、去り際にそう言った。すると、またしても、ブブブ、ブーという返事。彼女は顔をしかめて立ち去った。

「行ったか」

クスクスと笑いながら、沼尻が囁く。その手には、背中越しにがっしりと乳房が握られていた。隙間からは乳汁が流れている。

 危機が去ったと見るや、彼はたがが外れたように激しく腰を打ち付け出した。皺の収縮が伸びて、おちょぼ口が彼をむっちりと包み込みしゃぶり上げる。

「これこれ! このケツマンコがたまんねえ」

ヌメヌメした汁が光って、出たり入ったりする。

「完全にマンコになったよ。てか、マンコより締まりいいし」

「ハハ……でも、アナルぶっ込まれてると、前も締まっていいよ」

鎌先も笑顔で言い返した。彼曰く、

「やっぱり女は、前後の穴を塞いでやってからが本物だね」

とのことである。

二人が押したり引いたりを巧みに繰り返す内、気が気でない輪姦女はとうとう気をやり、激しく嗚咽した。

「ヒ、ア、ヤァー……ッ!」

その高音は、既に立ち去った女教師の耳にも辛うじて届いていた。ちょっとギョッとして彼女は振り返る。だが、改めて取って返そうとまでは思い至らなかった。


〈つづく〉




〈現在の位置関係〉
▼シャワー室
有紀、鎌先、沼尻
▼教室A
俊之、克弘、祥吾、雅也、恵太、優斗、袋田、藪塚、矢板、小林、羽根沢、森岳
▼教室B
前原
▼廊下(教室Bの外)
慶介、浩樹、竜二、服部
▼職員室
比嘉
▼廊下
佳彦
▼打ち上げ会場
花村、島田、鈴木、金光
▼帰宅
高橋、豊、聡、翼、清美、瑞穂


world200*40




テーマ:官能小説 - ジャンル:アダルト

[2017/07/20 22:00] | 「大輪動会」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
大輪動会-プログラム#15-


 *

 母親が人前で失禁していた時、長女清美・次女瑞穂は我が事に没頭して、もはや運動会など一顧だにしていなかったから幸いであった。今までと何ら変わらぬ日常を過ごしていられた。

 災難は、長男佳彦である。彼は、まんじりともせずに見てしまっていた。我が母がグラウンドのど真ん中、高校生らの肩の上で小便を漏らしている場面を。

 咄嗟に父を見る。しかし、父はいまだ酩酊の中、またしてもうつらうつらと船を漕いでいた。ほんの少しほっとし、改めて前を見る。観衆が騒ぐ通り、もはや見紛うはずもない。母は漏らしたのだ。

「(……そんなことって)」

信じられなかった。あの格好つけの、少なくとも息子の目にはいつも隙の無かった母が、こんな大それた粗相をするなんて。

 佳彦は、素早く周囲に気配を走らせた。幸い、自分を見て噂している者はいないらしい。彼がまず気にしたのは、なんと言っても己への中傷である。今や小便を漏らした母の子になってしまったのだから。

 思えば、母は今日一日様子がおかしくはあった。開会当初こそいつも通りだったものの、その後程なくして姿を消すし、そうかと思えばやたらと競技に出るし、果ては、あのムカデ競争で……

「(……お母さん?)」

ついぞ考えたことのなかった程、彼は今母親を意識していた。これまで思慕の情さえなかったのに、突如として違和感を感じ出したのだ。この感情は一体なんなのか。その答えを探し、彼は朱に染まった頬を俯かせながら、微熱を帯びていた。

 そんな時だった。有無を言わせぬ鉄槌が、彼の脳天に振り下ろされたのは。

“ゴクリ”と生唾を飲み込む。迷いに沈んでいた彼の心が、ある方向へ傾き転がり出した。

 *

 その馬は、怒涛の如く突っ込んできた。狙うは敵軍の将、有紀その人。ほかの敵には目もくれず、号砲一下突撃を決め込んできたものだ。

「落ちるなよお」

馬の“ハナ”、土産物屋の店主こと羽根沢が馬上に声を掛ける。彼と組む左後ろには喫茶店の森岳、右後ろには駅員の沼尻、三人は同級生の飲み仲間である。

「大丈夫っす。手はず通り頼んます」

騎手の藪塚は言った。馬達より年下だが、ある種の絆を有する彼らは親しい同志であった。

“手はず”とは、競技の直前にした打ち合わせに基づくもの。事前に、藪塚の勤め先、温泉宿泊施設の上司・袋田から指示を受けてのことである。馬達より筋骨逞しい彼が、あえて羽根沢と位置を交代したのもその為であった。

「上手くやれよ」

「思いっきりやってやろうぜ」

森岳・沼尻も口々に励ます。果たして、この四人のやる気が何に向けられたものか、やはり勝敗以外のものなのである。

 ドドドッと突っ込む。人馬一体の体当たりだ。ちょうど失禁騒ぎのあった直後である。彼らは騒ぎを見ていなかった。ただただ自分達の目標一筋である。その勢いに、審判員の女性もひるんで後ずさる。

「ワアッ!」

ぶつかられ、バランスを崩して竜二が叫ぶ。それ以上に悲鳴を上げたのは有紀だ。彼女は馬上ながらうずくまるようにして身を守った。思いがけぬ速攻に防戦一方である。

 藪塚はそれへ容赦なく攻撃を仕掛けた。本来、相手の帽子を取るか落馬させてしまえば勝ちであるが、彼はそれ以上のことを望んだ。すなわち、有紀の帽子のみならず、体操服にまで手を掛けたのだ。

「それそれ!」

「脱がせ脱がせ!」

羽根沢らが下から囃し立てる。すると、勘の冴えた慶介がすぐに企みに気付いた。慶介らとて否やはない戯れだ。要は、公衆の面前で白昼堂々有紀を裸にしてやろうというのだ。

「やれやれ!」

彼は隣の相棒にも語らって、積極的に協力を始めた。脱がしやすいように有紀の腿を固定し、さらに彼女の体を藪塚とは逆の方向へ引っ張ってみたりもした。

 しかし、元々サイズの小さい体操服を着ていたもの、ただでさえ密着度の高いシャツは脱ぎにくいところ、着衣が脇から上へ容易に上がらない。もちろん、脇を閉めて固まる有紀もいる。

「ちょっ、おい、ヤバいって!」

竜二が緊急事態を訴える。四方八方から伸びた手ともがき回る騎手の所為で、自身に掛かる体重があまりにも負担となった為だ。結果、彼の膝が崩れるのは時間の問題だった。

「あっ!」

その場の皆が叫ぶ中、とうとう有紀号は倒れた。たちまち上がる砂ぼこり。戦場ゆえ、周囲の武者の足元から舞う煙も常にある。その渦中にあって、男達はいつしか敵味方団結して事に当たっていた。藪塚も既に自ら下馬している。あくまでも目的は一つ。

「イヤァーッ!」

当人の悲鳴も虚しく、その被服は無理矢理剥ぎ取られていった。藪塚組が上半身を剥けば、下半身は慶介らの担当。完全に地べたに引きずられながら、有紀は為す術もなくひん剥かれていった。折しも、好天に恵まれた空から、今日最大の陽光が力いっぱい降り注ぐ。それが汗と何かに濡れた白い肌へ反射し、この校内で一人だけの全裸女を際立たせた。

 いや、正確には完全なる裸ではない。ご丁寧に靴まで脱がせてはいるが、他方で残されたものもあった。帽子である。それは、彼女の競技続行を企図したものだった。

「ギャハハ、ヤベえ!」

こらえ切れずに笑う慶介。裸の女一人を取り囲んで見下ろし、男六人の下品な笑いが止まらない。しかも、いたずらはこれにとどまらないのである。

 たちまち場内が悲鳴に包まれた。砂煙と男達の輪が解けると、その中から有紀が素っ裸で高々と掲げられ現れたのである。なんと、彼女は肌も露わに再び騎乗の人にされたのだ。それを担ぐのは、慶介、浩樹、それに竜二に代わって藪塚の混成軍。もう所属など目茶苦茶である。

 当然に近くの審判が警告を発する。何しろ一旦馬から落ちているわ、それ以前に騎乗者が裸だわ、到底競技の続行は不可である。だが、気後れした審判女性がか細い声でいくら注意しても、それに耳を貸す人間は生憎いなかった。仕方なしに助けを呼びに行く彼女。その隙を幸いと、有紀を乗せた馬は、まるで市中引き回しのように馬上を観衆に見せびらかし始めた。

「キャアーッ! キャーッ!」

観客の、殊に女性らは一様に不愉快極まるという表情でそれを非難した。もはや狂気の沙汰と言うほかないと。それらに見えやすいように、グラウンドのトラック外周まで行く人馬。近くを通ると、白日の下にさらされた女体の肌が艶めかしく濡れて光っている所や、荒い息に合わせて腹がうねる所、そして溢れる豊乳がしっかりと衆人に環視出来た。

 それから目を逸らす者も少なからずいた。主として女性である。彼女らは苦々しい顔で、あるいは憤慨して、中にはその場から離れる者もいた。特に子供連れの場合は、先を争って客席から離脱した。これらの動きで一時騒然となり、会場はさながらパニックの様相を呈した。

 会場と同じく、有紀の心中もパニックだ。今まで経験したことのない類の汗が全身から吹き出し、膝が覚えのない震えに苛まれている。ここまで追い詰められると、もはや思考も停止。ただただ固く閉じた腕を交差して、胸を覆い隠すしかできなかった。もっとも、彼女の乳房は豊満過ぎるが故に、その合間からこんもりとした肉をはみ出させてしまう。

 父兄らはそこを見逃さなかった。婦女子らと違って興がる彼らは、あるいは遠慮がちに、あるいはまじまじと女体を目で追った。中には密かにカメラを向ける猛者もいた。そういう者共にとって、標的の腕の位置こそもどかしい。

 すると、客の期待に応えるかのように障害物をどける手が横から伸びた。いつの間にか再建し追随してきた竜二らの馬である。騎手に竜二、馬に年配者三名の編成で挑みかかってきたものだ。彼らにとって、あくまで“競技”は続いている体である。帽子を狙ってたまたま相手の腕を掴んだだけだ。

 プルンッ! と、まるでマンガの擬音が聞こえそうな程に分かりやすく天から地へと弾んで脂肪球は露わになった。屹立した乳首は、まるで巨大プリンの上に盛られたアメリカンチェリーのよう。揺れる土台の上で硬くなっている。よく観察する者は、そこにわずかにミルクのまぶさっているのが見えたはずだ。また、表面に塗り込まれた何かの汁が、乾いてバリバリに張り付いることにも。張り付くといえば、背中や腋腹、それにうなじにも、何かの縮れ毛が付いてなびいている。開会当初あんなに決め込んでいたのに、いつの間にか随分野暮になったものだ。

「やだあっ!」

観客の女性らから口々に不平の声が上がる。顔を手で覆いつつも、その隙間からこの期に及んでなお観察を続ける彼女らは、もはや状況を愉しんでいると言うべきである。他人の不幸は蜜の味というやつだ。

 そういう好事家にとっての関心は有紀その人に向かう。就中批判の矛先もだ。第一に糾弾されるべきは担いでいる男共であるにもかかわらずである。

「あの露出狂、まだやる気?」

そんな風に舌鋒鋭く罵る者もいた。何しろ、有紀にはそもそも薄着で登場したという“前科”があるわけだ。もちろん、

「あいつら、絶対ヤッてるよな」

などと、慶介らを含めて噂する者もいたが。いずれにせよ、自分達に利害のないことだから、いくら言っても心は痛まない。

 ところが、ここに我が事として看過できない面々も居た。清美と瑞穂である。失禁騒ぎの時は気づかずに過ぎた二人だが、今度の騒がしさはさすがに放置できなかった。そうして前に来てみると、自分達の母が裸で担がれていたわけだ。

 とはいえ、二人には咄嗟に意味が分からなかった。裸だという異常さすら、そうと認識できなかったと言ってよい。姉妹はまるで有紀並に思考停止して、ただ漫然と母の乳房が人前で揺れ動くのを見送った。ただ、目撃したことは確かだった。なお、瑞穂は乳を見て口寂しく、チュパチュパと指を吸っていた。

 娘らの存在を忘れて、大人達は身勝手に有紀を嘲る。ちなみに彼女達の面倒を見るべき家政婦もまた野次馬となって雇用主の婦人の痴態を隠し撮りし、後で彼氏に報告するつもりでいる。

「上手くやりやがったなあ、あいつ」

身勝手な大人の一人、この計画の発案者の一人というべき鎌先が袋田に言った。すると、袋田が返事をするより先に、

「いやあ、期待以上でしょう」

と、右隣に立つ矢板が相槌を打った。矢板は袋田の勤務する宿泊所の傍で、「ベル」という喫茶店兼バーを営んでおり、また鎌先はあまり大っぴらには言わないが、ピンクサロン「リング」の店長である。彼らは、先程まで藪塚と組んでいた羽根沢らも含めて、卑猥な結託同盟だ。

「にしても、すごいねえ、あの奥さんのおっぱい」

矢板が目を細めて評した。直接の交流はないが、町議金光の妻であることを彼らは皆知っている。

「藪塚のヤツ、勃起しとるんじゃないか」

袋田が額に手をかざしてつぶやいた。

「ありゃあ勃ってるね。――あ、今乳揉んだ」

鎌先が指摘すると、

「あ、ほんとだ、揉んだ揉んだ。あの野郎どさくさ紛れに」

と他の二人も手を打って笑い合った。この三人、実はムカデ競争の時から密かに有紀に目を付けていた。その様子にただならぬ気配を感じたのは、彼らに特有の経験が培った勘の所為である。

「これ以上暴走しなきゃいいけど」

袋田がそう部下を心配すると、鎌先がニヤニヤして、

「ま、その前に俺達が暴走するかもね」

と、冗談とも本気ともつかぬ態で言えば、

「ちょっと愉しませてもらいたいもんだね」

と、矢板も口を挟んだ。それ以上この場でははっきり言わなかったが、三人の胸には、これからの方針がなんとなく定まっていた。

 さて、上司に心配されていた藪塚は、まさにその見立て通り、猥褻な気分満々であった。股間の隆起は隠すべくもない。

「ああ~、ヤりてえよ」

そう口に出しさえした。そのあまりの率直さに、浩樹が笑う。

「おっさん、心の声漏れてるよ」

「おっさんじゃねえ、オレはまだお兄さんだ」

三十路の藪塚は唇を尖がらせつつ後輩をたしなめると、

「お前ら、もうヤッたのか? なあ、正直に言えよ。ヤッただろ」

などと気さくに問い詰めた。女という共通のおもちゃを得て、一気に距離を縮めた感じだ。それには直接答えないで、慶介が言う。

「そんなにヤりたいんだったらさ、後で一緒にヤる?」

「お? マジか。マワしか~、久しぶりだな」

藪塚は嬉しそうに応じて、以前にも一人の女を大人数で一晩掛かって犯したと打ち明けた。二人は興味を引かれたが、まずはこれからの段取りをつけることが先決と、打ち合わせに興じだした。

 この間、話の中心になるべき主役は一切ないがしろだ。一度も意見を聞かれることなく、交尾相手達の予定を勝手に決められていく。彼女は家畜か、はたまた精液を回収する試験管か。もはや意思能力もないものか。人の親である面影をその身に見出すことは難しかった。

 現に息子の目に映っていたのは、いつもの母親ではない何かだった。それが、朝から休みなく子作りされ続け、父以外のペニスを何本も何本も、時には自分の同級生や息子である自分より年下の子のものまでねじ込まれてきたことを彼は知らない。風にそよぐアンダーヘアーの割れ目から、下腹がよじれる度に白濁液の垂れ出ている様までは見えていない。それでも感じ取る処が確かにあるのだろう。

 彼は今、呆れる位眠りこけている父の下を少し離れた所で、携帯ゲーム機を掲げて立っていた。ゲームをプレイしているのではない。画面に映っているのは、ほかならぬ母の現状である。撮影しているのだ、羞恥する母の裸体を。

 共に風呂に入ったこともない彼は、母親の裸をほとんど初めて見たと言ってよい。母の乳輪の大きさや色、母の性毛の整えられ方、そして母の生尻。その尻の乗っている青年の肩が肉に食い込んでいる。彼はその柔らかさを知らない。と、見ている間に誰かの手が母の豊乳を揉んだ。その瞬間、彼はビクリと痙攣し、腰を引いた。

 息子の見ていたもの、それは母親ではなく一人の女、いやメスだった。精子の匂いをプンプン振り撒く、種付け盛りの犯されたがり。股間の膨張がもう止まらない。


〈つづく〉


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[2017/03/14 22:00] | 「大輪動会」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
大輪動会-プログラム#6-

  *

 前原は、誰も居なくなった教室でモゾモゾと動き出した。頭を打ってはいるが、意識に支障はない。実の所、これまでも気を失ってなぞいなかった。むしろ、本当に失神していたかったのだが。

 音だけで聞いた地獄絵図はあまりに壮絶だった。もし自分を騙す為だけの芝居であったなら、どんなに幸せだったろうかと思う。現に静かになった教室には、惨状の形跡など微塵もなく、ただ己の精液がこぼれているのみである。

 彼はその証拠を拭きとると、足音を忍ばせて廊下へ出た。今となっては、誰にも会わないようにと願いながら。

  *

 汗を振り撒いて男同士が引っ張り合う。但し、引いているのは綱でなく女だ。すなわち、男二人による女体の綱引きである。その内“後ろ側”からさっきまで引いていた小林が、自身の番を終えて一服しながら言った。

「体育館裏でタバコとか、昔を思い出すな」

 それを聞いて慶介が自分も吸おうとし、島田からたしなめられる。また、火の始末はきちんとするようにと、小林も注意される。集団レ イ プはお咎めなしなのに。ここには、先程教室にいた面々が再集結していた。

「オラオラ、チ ン ポ気持ちいいだろ、オバサン」

小林の跡を継いで女陰に肉棒を刺す花村が乱暴に言った。人の親とはいえまだ若く、有紀の一回り年下ではあるが、大仰に彼女を年寄扱いだ。

「見られて興奮したか、この淫乱女」

こちらは口腔を犯す高橋、同じく女をぞんざいに扱いながら、先の出場レースのことを揶揄した。

 有紀は久々に憤った。これまで絶望に駆られて深く落ち込んでいたものが、再び感情を取り戻した格好だ。衆目にさらされての自意識の過剰なる復活は、確かに彼女に影響を与えていた。

 とはいえ、差し当たり何が出来るわけでもない。多勢に無勢だ。いつか逃げ出そうと強く誓い直しつつも、今は男達の罵声を無視するのがやっとだった。

 そんな有紀を、花村が一層いじめにかかる。

「マワされまくって、もう何回もイッてんだろ」

彼は硬いモノで尻側の膣壁をズリズリと大きくこすりながら詰め寄った。二人の密着部には、トロトロの粘液が溢れ返っている。

 もちろん有紀はだんまりだ。仮に口をきくにしても、花村の指摘を認めるはずはない。男ならではの独りよがりと、嘲笑でもって応酬するだろう。

「イキッぱなしか、おい。こんなにチ ン ポハめられんの初めてだろう」

そう花村が問うと、高橋は、

「いや、この女変態だから、どうせヤりまくってるぜ」

と憎々しげに笑った。まだまだ金光夫人を貶め足りない彼である。さらに高橋は、口から抜いたペニスで彼女の鼻柱をしたたかに打ちもした。

 一方の花村は一旦合体を解くと、二本の指をそれに代えてねじ込み、

「派手にイッてみせろや」

と、激しく小刻みに動かした。それに高橋も同調し、

「オラ、イき顔見せろ」

と、犯され女の顎をグイッと持ち上げる。それを横手から覗き込んで不良少年らが面白がった。

「ほらオバサン、イく時は“イく”って教えてよ」

浩樹が言うと、その場の数人が“そうだ、そうだ”と手を打った。それでも有紀が黙っていると、とうとう高橋が言い放った。

「おいコラ、このままグラウンド引きずり出すぞ」

 それまで表情を変えなかった有紀だが、この一言には不用意にも動揺した。

  *

 比嘉は体育館の方へ歩いていた。実は彼一人、群衆の視線がほかへ移りゆく中で有紀の姿を最後まで目で追っていたのだ。彼女は一位でゴールを通過した後、パートナーの父兄達に連れられて運動場を密かに出て行った。そもそもその出走前の様子もあり不審感を覚えた彼は、自身の出場を終えた足で彼女らの足跡をたどり出したのである。

 元々比嘉もまた、有紀に快い感情を抱いていなかった。自身の受け持つクラスに彼女の息子佳彦がいるが、この息子の身勝手もさることながら、それに輪をかけて母親の言い分がひどい。

 佳彦は日常的に指導に従わないことが多く、時には奇声を発し続けてこちらの言葉を遮ったり、試験中に堂々と不正を行ったりし、とかく自分の気に食わないことは受け入れようとしない。それもまた、教師が体罰等の強硬処置に出られないことを知っての上である。

 母有紀はその事実を一切認めないばかりか、ことごとく息子の肩を持ち、そればかりか全てが教師側の責任であると豪語する。やれ依怙贔屓だの、やれいじめだなどと騒ぎ立てる。いわば、モンスターペアレンツとモンスターチルドレンの親子なのだ。強気の裏には、無論町議金光の存在がある。

 比嘉にとっての救いは、校内の同僚をはじめ、他の生徒達までもが彼に同情してくれることであった。それ位金光親子の異常性が際立っていたわけで、周囲はとにかく問題に巻き込まれないようにと、彼らを避ける方針に一決していた。

 体育館の傍まで来る。ここに至るや、もう人気はなかった。後は裏へ回るばかりであるが、果たして何やらそちらが騒がしいようではある。

 と、その時、その角から猛スピードで後ずさって来た男とぶつかった。

「あっ、すみません」

反射的に謝る比嘉。ぶつかった相手は、明らかに狼狽した態で、言葉もなく立ち尽くしている。知らない顔だった。

 だが、素性以上に気にかかったのは、その背後、角の向こうの騒がしさである。比嘉は妙な胸のざわつきを覚えて、好奇の目をそちらに向けた。途端に、

「あっ!」

と、思わず出そうになった声を、すんでのところで飲み込む。裸の女が一人、大勢の男に囲まれているのが目に入ったからだ。

 すぐに顔を引っ込めて、思わずさっきの男を見る。すると男の方でも、丸くした目を真っ直ぐに見返していた。彼もまた、自分と同じ状況なのだろうと思われた。

 比嘉は、もう一度足を踏み出した。男との相談よりも何よりも、真っ先に解消しなければならない疑問がある。それは、もはや確信的な事実ではあったが。

 ちらり、と見て、また首を引っ込める。

「やっぱり……」

もう間違いなかった。あのふてぶてしい口元、濃厚な口紅、若づくりな厚化粧、ケバケバしい髪の色、遠目にも明らかだ。何より、あのたっぷりと肥えた乳玉は、当人でしか考えられなかった。

「金光君のお母さん……」

我知らずそうつぶやいていた。すると、それを聞いた傍の男がビクッと肩を怒らせた。つられて比嘉まで驚いた位に。彼は男に問いかけてみた。

「か、金光さん、ですよね」

相手は小刻みに肯き返す。そして、思い切った風に返事をした。

「ご主人に、知らせた方がいいですよね……」

 比嘉は答えかねた。この場合、夫が受ける衝撃は確実な訳で。彼は、もし自分がその立場だったらと思うと、逡巡せずにはいられなかった。

 すると、男は比嘉の返事を待たず、

「とにかく、誰か応援を呼んできます」

と言い捨てるや、焦った態で走り去って行った。随分動揺しているようだが、やたらに行動は早い。

 比嘉は待つしかなかった。別に見張っていろとは言われていないが、また有紀を見る。心臓の動悸が否応なしに高まる。今にあの男が帰ってきて大騒ぎになるだろう。

 すると、そう思った刹那、彼の視線の先で、件のモンスターママが叫んだ。

「イく、イきますぅ! イきますってば!」

  *

「おう、なんだ君は。こんな所へ来ていたのか!」

金光は前原を見て、驚いて声を掛けた。便所に立った帰りにばったりと出くわしたものである。

「妻には会ったのか?」

「ええまあ……」

前原は必死の作り笑いで答えた。会ったも何も、つい今しがた輪姦される彼女を見てきた。比嘉は知るまいが、さっき助けを呼びに立った男こそ、前原だったのである。

「そうか、いや、今日声を掛けたとは聞いていたんだがね。まさか本当に来てくれるとは。――それにしても、あいつはどこ行ったんだか」

金光は言いながら、傍の椅子を勧めた。酒が入って上機嫌である。前原としては一刻も早く立ち去りたかったが、ここは仕方なしに座った。火遊びのツケが回ったものかよくよく運がなく、人気のない道を抜けて出ようと思えば輪姦現場に出くわし、人に顔も見られるし、挙句不倫相手の夫にはつかまるしと散々だった。

 それにしても、彼女は一体これからどうなるものか。目撃者も待機していることだから、遅かれ早かれ事が露見するには違いない。そうなれば町は大騒動だ。目の前の町議も大変な目に遭うこととなろう。と、前原はいたたまれなかった。


〈つづく〉


人妻官能小説【蕩蕩】




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[2014/11/28 22:00] | 「大輪動会」 | トラックバック(0) | コメント(1) | page top
湯けむ輪(118) 08:04

子宝混浴
『湯けむ
~美肌効


こだからこんよく
ゆけむりん
びはだこうかん






――午前八時四分


東郷は間もなく持ち場を明け渡した。関はそれに取って代わるべく早速動いたが、玉造の指示を受けて倫子の体を背中から受け止めて挿入することになった。

「悪いな。もうちょっとで終わるから」

大牧を振り返ってそう言いながら、玉造は倫子に覆いかぶさってガンガンと腰を振り落とす。

「う、重っ……」

関は誰にも聞こえない位小さくつぶやいた。熟女の背中は彼にとってとても重かった。それは非常に温かく、かつまた汗でじっとりと濡れていた。おかげでティーシャツにベッタリとそれが染み込んでしまう。

男子達の誰もが、下半身の被服は迅速に脱ぎ捨てたものの上半身は脱がないままでいた。相変わらず全裸なのは倫子ただ一人である。昨晩以来ずっと裸の彼女、こんなに長い間服を着なかったことはない。まるで裸族である。

だが"使う者と使われる者"という関係軸の中で、これは決して不自然な状況でなかった。女はただ体を使われているだけで良かったし、青少年達にとっても射精の為に使わせてくれさえすれば良かったから、女性がずっと裸でいても、彼女に限っては何ら不思議なことと思われなかった。

今しも、彼女を使って玉造が快楽の絶頂を得る。

「おお、イくイく……」

それはもはや本当に子作りの用を成したものではなかったが、とにもかくにも彼の中での一つのフィニッシュではあった。

他方、関もそれと同着位で終わっていた。彼の感じた重さが実は股間を刺激していたのである。彼は股間を突っ張らせつつむしろ相手の肩を手前に引き、密着した鼻腔から熟女の汗の匂いをいっぱいに吸い込んだ。

「じゃあな」

「後よろしく」

先輩達が口々に別れを告げて去る中、関は熟女の体重の下でまだ交合を続ける振りをしていた。そこからようやっと這い出したのは、すっかり硬直が鎮まった後である。

それと相前後して、玉造の跡を継いだ大牧もすぐに精を吐く。

「もう出ちゃった……」

照れ笑いを浮かべながら自虐的に言う大牧。関はそれに同意して素直に言った。

「うん、すぐに出ちゃうよね」

二人は事後の気だるさを感じつつ、左右から女体に絡みついた。腿、腹、乳房と、そこら中をベタベタ撫でる。互いに恐る恐る倫子の顔を窺ってみるが、彼女は死んだように無反応だった。少年相手にすら屈服し奉仕する熟母性奴隷である。

「大丈夫かな、この人……」

関がつぶやく。その陰茎が、彼女の腿の上に残り汁を垂れ流す。

「すごいおばさんだよね。ずっとセックスしっぱなしだもんね」

大牧は言いながら、倫子の乳房を餅のようにこね回す。

そこへ、彼らの同級生が到着した。

「もうヤった?」

そう尋ねながら足早に飛び込んできた三国は、対象の穴が開いていると見るや答えも待たずに、

「オレ、マンコー!」

と元気に宣言し、一気にズボンを脱ぎ捨てて目的の場所へペニスを押し込んだ。後から来た白峰は、先を越されて手持無沙汰である。しかし時間もないということと、関の、

「お尻も気持ちよかったよ」

との勧めに従って、彼は第二の希望地へ赴くことになった。すぐに下半身をむき出しにして、尻を引き寄せる。これで下から、三国、倫子、白峰のサンドイッチの出来上がりである。

一方、関はまだ名残惜しげに、倫子におしゃぶりをさせていた。そんな彼を三国が急かす。

「ヤバいって、早く行かないと」

彼曰く、自分達はトイレに行く振りをして席を立ってきたのだという。片や関らは、朝食会場へまだ一歩も入ることなくこちらに回ってきていた。いずれも自由の利かぬ身である。だがそうまでしても性欲を満たしたかった。

大牧は早靴を履き、ドアノブに手をかけている。関も慌ててそちらに向かった。ただ別れ際に、呆けた女の唇をきつく吸っていった。

それを見ていた三国は、彼が走り去るや否や言った。

「ウゲ……アイツよくチューなんかできんな。ケツに入れてたチンポ舐めさせた後でさ」

彼と関とでは、倫子に対する評価のベクトルがやや異なるようだ。

「ハハ……けど、意外ときれいだよ」

自身が最中ということもあって、白峰がやんわりと関をフォローする。"きれい"というのは倫子の顔ではなく、彼女のアヌスの評である。それを聞くと、三国はあっさりと納得した。

「ああ、そういえばそうかも。後でまたそっちもヤろっと」

そうして仲睦まじく女を犯す二人。いとも現実離れした会話を、彼らの容姿がさらに突飛なものへと高める。二人とも、犯す女よりまだ背が低い。それは先ほどの関、大牧からしてそうだった。さらには、性毛だってまだ生え揃っていない。三国がやっとこさ薄っすら生えた程度、白峰、関は産毛位、大牧に至ってはツルツルである。

「ヤッベ、久々だからもうイきそ……」

大人びた口調で三国が言う。この輪姦に関して、少年らはもうベテランだ。

と、そこへ、赤石と栃尾がやって来た。

「あ、お前らまだヤッてんの?」

そう尋ねる赤石は、部屋に入るまでの間に早くも下着まで脱ぎ去った。そうして、"二発目か"と聞き、そうでないことを知ると、早く済ませるようにと迫った。

彼よりはのんびりしながらも、栃尾も服を脱ぎだす。彼だけは上のシャツまで脱いで素っ裸になった。

先輩らに囲まれ、焦る三国、白峰。彼らのすぐ横で、肉茎達がそそり立って手ぐすね引いている。それらに気を使いながら、三国が遠慮気味に告知した。

「あっ……イきます……」

「あ、ぼくも……」

白峰もそれに続く。二人はほぼ同時に射精した。そして、まだ敏感なままの亀頭から粘液の糸を引きながら、すぐさま女体から離れた。そして、濡れたままの陰茎を下着の中に押し込む。

代わって、赤石が白峰の跡へ、栃尾が三国の跡へ入る。三国、白峰は去る。そしてまた、赤石、栃尾も射精する。スケジュール化された輪姦を、ベテラン少年達は実に手際よくこなした。

続いて現れたのは、最年少コンビ西浦と伊東。子供達のセックス遊びから、倫子はまだまだ抜け出せそうにない。


<つづく>




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[2013/06/10 08:04] | 「湯けむ輪」 | トラックバック(0) | コメント(1) | page top
湯けむ輪(85) 02:42

子宝混浴
『湯けむ
~美肌効


こだからこんよく
ゆけむりん
びはだこうかん






――午前二時四十二分


屋内に入ると、そこは玄関ホールと呼ぶにはあまりにも安っぽい、しかしながら一応は応接用らしきソファーは置いてある広間があって、その周囲の壁面をなんら統一性のない調度品、すなわち妙に大きい動物の置物や、埃をかぶった民芸品、さらには曇って中が見えない水槽などが取り巻いている。流行らない店には流行らないだけの理由があるもので、その雑然とした情景たるや、とても客を迎えようという気概など見えないのであった。

ペニスによって運ばれてきた倫子は、そこのソファーの上に放り出された。そうして、顔面からもんどりうって突っ伏す。

一方、放り出した方はそのまま後をも見ずに奥へ立ち去っていく。まったくもって、客に対する態度ではない。しかし、そのことを誰一人として注意する者などいないのである。倫子が突っ込んだ席の隣には、榊原が座ってスポーツ新聞を広げていたが、ちょっと見て微笑んだだけで、さしたる反応をすら示さなかった。

向かい側の席には、さっき表へ出ていた宇川と吉野が腰を下ろした。彼らの手には、マムシの絵のラベルのついた茶色いビンが握られている。

「これから頑張らなあかんさかいな」

にっこりとして宇川が言う。テーブルの上には同じ柄のビンがいずれも開栓済みで置いてあった。

程なくして、奥からやはり同じビンを抱えた藪塚が戻ってくる。彼は袋田に命じられてこれを取りに行っていたのであった。

「おっ、用意ええやん」

牛滝が嬉しそうに言って、それを受け取る。その上一気に飲み干して言うよう、

「どや、元気になったやろ」

と、前をはだけて倫子に近づくと、ソファーのへりから彼女の腰を引っ張り起こして、そのままドッキングした。身をもって“中で”確認しろというのである。

「ンァ……ン……!」

倫子は満足げに鳴いた。彼のものは“元気”のようである。

「わしのもどうや」

今度は吉野が牛滝にとって代わり、倫子に“確認”を命ずる。

「アァン……!」

倫子は鳴く。これもOKであった。

続いて、俺も俺もと次々に男たちが彼女の穴に挿していく。まるでこれが通過儀礼ででもあるかのように。

最後は松倉が挿した。タクシー運転手の彼だが、送ってきた後もそのまま居残り、儀式への参加を表明したものである。結果は、皆々合格であった。

こうして倫子は、またも複数本の男根を、しかも玄関フロアという公共の場において挿入されたのである。

さらにその上、玄関扉の真ん前まで引っ張り出されて、

「明日からこないしてお客さん迎えたらええねん」

と、牛滝の指示でそこの地べたで開脚させられた。開ききった淫門から、ダラダラと粘液が流れる。そこは度重なる酷使にもくたびれた色を見せず、いよいよみずみずしく艶めいては、この宿屋で唯一客人のもてなしをわきまえた情を示していた。

その入り口とともに、倫子の口が開く。

「いらっしゃいませぇ」

前で構える須賀谷のカメラが、ばっちりとその様を撮った。旅館のPRビデオの出来上がりと言わんばかりに。

客人達はゲラゲラと笑った。そしてその笑いに包まれて、一行は大浴場へと向かった。

ただ、倫子の歩みだけは牛並に遅かった。なぜなら途中彼女は四つ足で這わされ、後ろから男に操縦されながら進まなければならなかったからである。しかも道々立ち止まっては激しいピストン運動にさらされた。休止中の売店に踏み込んだり、自動販売機に手をつかされたり、わざわざトイレに立ち入ったり……。まるで随所にマーキングでもするように、数々の位置で交配を繰り返した。

「おいおい、はよしいや。主役が来な始まらへんで」

先に入っていた宇川が暖簾をめくって顔を出す。

「すまんすまん」

牛滝が頭をかいて小走りに急ぐ。これに、藪塚、矢板、鎌先、松倉も続き、彼らに伴われて、ようやっと倫子は風呂場に着くことができた。

脱衣所は全員男の方に入った。女の倫子も男の方に入らされた。もっとも、彼女には脱衣するものが何もない。そこで、入り口からそのまま浴場へと直行した。先に着いて真っ裸になっていた宇川に肩を抱かれて。

――ガラガラと扉を開ける。と、そこで目に飛び込んできた光景は、改めて倫子を圧倒した。

浴槽の縁にズラリと居並ぶのは、いずれも雄々しき男々、男々……。今到着した者達を加え、総勢二十八名の男が彼女を出迎えたものだ。

彼らは一斉に倫子に視線を向けた。否、向けたのは視線だけではない。気合十分とばかりに勢い込む男性シンボルも同様である。すなわち、総数二十八本の男根がたった一つの女体に向いていた。

「さあ、頑張ろか」

隣で宇川がささやく。彼のモノもまた持ち上がり、ピクピクと動いてはよだれを垂らしていた。


<つづく>




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[2012/11/18 02:42] | 「湯けむ輪」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
湯けむ輪(70) 00:50

子宝混浴
『湯けむ
~美肌効


こだからこんよく
ゆけむりん
びはだこうかん






――午前零時五十分


一方、彼は何の頓着もなくアナウンスを続ける。“素人”“人妻”“痴女”などといった、卑猥な煽り文句がその口から並べたてられていった。どれも、本日の“挑戦者”を表す単語である。

倫子の顔面から、一瞬に血の気が引いていく。耳朶を通過するどんなあざけりの言葉も、彼女は黙認することができた。しかし、名前は、名前だけは聞き逃すことができない。鎌先は、今確かに“リン”と言ったのだ!

彼女は眼を見開いて、正面を見た。そこには、授業参観よろしく部屋の後方にいならぶ男達の姿があった。父兄ならぬ、性の亡者どもである。ちらちら飛び散る妖しげな淡い光線にまだらに照らし出されて、彼らの顔一つ一つがスローモーションのように浮かんで消えていった。すると、それらはいずれもニヤニヤとほくそ笑んでいるではないか。

(知っている? わたしの名前を!)

そう見なすのも無理からぬことだ。偶然にしても、“リン”などという名をたまたま思いつくとは話が上手すぎる。夫、ないしその仲間から聞き出したと考えるのが妥当である。

(ああ……!)

倫子は絶望の淵でめまいによろめいた。夫、仲間、そう、みんないるではないか。ここにみんな揃っている! 右手前に鶴巻(つるまき)、肇の父である。その後方に新木(あらき)、翔太と修次の父。その左側には亀山(かめやま)、まだ幼い娘がいる父親だ。いずれも知りぬいた仲。日頃から同業の誼で、家族ぐるみの付き合いをしている父親達であり、今回の旅行にも共にやってきた。

妻達はいない。ここに来て、その理由は質すまでもなかった。いわゆる、“そういう店”なのだ。妻には分からない、男だけの享楽の間。それが証拠に、見よ、彼らのあの堕落した態度を。誓って言うが、彼らの内誰もが、日頃は良き夫、良き父親なのである。それがどうだ、公衆の面前で下半身を露出しては、どこの誰とも知れぬ女どもに、金で口唇愛撫を強いているのである。

倫子は視線をそらした。正視に堪えなかった。今日は散々男どもの野獣にも勝る本性に触れてきたというのに、こと知っている人間となると桁違いの不快感があった。彼女は、彼らを軽蔑し、一方で憐みもしながら、体を震えさせた。衆人環視の中、マスク一丁のほかに全てをさらけ出した裸体を。

(なんてこと……)

ここは地獄である。ここには絶望しかない。人の世に地獄はあったのだ。母として、妻としての倫子の終焉、それを目の当たりにする夫達の、よりにもよって退廃的なふしだらな態度。それらがぶつかって生まれた、これはもう奇跡だった。

鎌先にエスコートされ、倫子は白痴のようにふらふらと覚束ない足取りで、前方の席に進み出た。鎌先が何か言っているが、もう何も聞き取れない。混乱が板に付いていた彼女をさえ、さらに新たな、そして大きな衝撃で驚かせる男達の鬼謀に、倫子は完敗だった。笑いたくなる位だ。

「いいの? ほんとに?」

前面の男が、何か問うている。倫子は彼によって、力無く抱き寄せられた。彼の裸の腿にまたがる格好で。

「――生本番オーケーでございます。衛生面も心配ございません。本日だけのシークレット・マッチ! 本日だけの完全未経験の素人奥さまと、お客様方だけのサービスです――」

鎌先はほかの者にも聞こえるように、マイクを通して返答した。その後は場を移動して客席から離れながらも、また時折不鮮明なトーンで何か煽っていた。

「――奥さん素人だって? ――まだ入ったばっかり? ――この辺の人?」

男は倫子の腰を抱きながら、立て続けに質問を浴びせかけた。倫子は一つも答えないが、それでも彼はめげずに、むんずとそれぞれの乳房を鷲づかみにしながら、下卑たトークに余念がない。

「――顔が見えないのが残念だけど……いい体してるねえ」

既に劣情は高揚しきっているらしく、その手さばきには勢いがあった。ほとんど乱暴ともいえる位に、乳房を激しく揉みしだいていく。思い切り握り締めたり、そのまま縦横にぶんまわしたり……。

「リンさん……だっけ? おっぱい大きいねえ」

彼の声は聞きなじみのある、低くて渋みのある声だった。倫子はふいにはっとして顔を上げた。まるで今初めて気がついたかのような感覚である。だが、これは夢ではないのだ、そこにいた人が急に入れ替わるなどということはありえない。そうだ、彼は鶴巻、肇の父親にして、今回の団体の中で最も付き合いの長い人だ。

思わず直視した彼の目と、こちらの目が合う。鶴巻はそれを興味の表れと前向きにとらまえて、現行の話題を続けた。

「ねえ、おっぱい大きくていやらしいねえ。こんなでっかいおっぱいしてたら、そりゃあスケベにもなるよねえ。ねえ? スケベなんでしょ? リンちゃんは」

その発言は、先ほどの鎌先のマイク・パフォーマンスを踏まえたものだった。その中で倫子は、“淫乱”だとか“スケベ”だとか言われていたわけである。

倫子は鳥肌立てて顔をそむけた。こんな彼を見たくなかった。それは確かに一男性として自然な態度ではあるだろう。だが、肉欲を満々に漲らせて、それを露骨に露わにする彼の姿は幻滅ものだった。しかも、親しい知人の妻である自分に向かって……。

「アッ……!」

鶴巻の指が秘所をまさぐって、倫子は反射的にあえいだ。そして気づいた、相手が決して自分を、すなわち板橋(いたばし)の妻、倫子を対象としているわけではないことに。あくまでも、素人ホステスのリンに欲情しているらしいことに。

「ああっ、リンちゃん、ビショビショじゃないかぁ。やっぱりスケベなんだなあ」

嬉しそうに言って、鶴巻はさらに彼女の尻を近くに抱き寄せた。その柔らかいたわみに、屹立した肉棒が接触する。

ありえないことだ、と、倫子は動揺した、こんなマスクのおかげでまだ正体がバレていないなんて。いや、それよりもっと切実な問題は、鶴巻と性交してしまいそうなことだった。


<つづく>




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湯けむ輪(69) 00:48

子宝混浴
『湯けむ
~美肌効


こだからこんよく
ゆけむりん
びはだこうかん






――午前零時四十八分


さて、車を降りた一行は、次なる戦場へと向かう。“リング”という名の店だ。ピンクの看板に枠ぶちの豆球が寂しげである。知る人ぞ知る、といった所だろうか。宿泊所よりも駅に近い場所ながら、少し奥まった場所にあって、土地勘がないと探し当てられそうもない。大方は、やはり矢板らの手配客によって成り立つ仕組みであろう。

そこへ倫子は、藪塚と渡瀬に伴われて入っていく。この間も、無論全裸である。その姿はまるで、護送される囚人どころか、運搬される家畜同然であった。己の意思も何もあったものではない。

店に入ると、中はひと際暗かった。街灯の下にいた方がまだ見通しがきく位だ。そして、けたたましい音楽が鳴り響いている。曲は、かれこれ二十年程も前のヒットソングだ。その中に、時折男の声でアナウンスが入る。一種のマイクパフォーマンスのようだが、何を言っているのか倫子にはさっぱり聞き取れない。

そのマイクの男が、間もなくこちらへとやって来た。蝶ネクタイ、吊りバンド、ズボン、靴と、カッターシャツ以外はすべて黒で統一したいで立ち。店の制服らしい。

さらにその後ろから見知った顔も現れる。宇川だ。

「遅かったやないかぁ」

満面の笑みで新参の客達を迎え入れる。その上で、

「これが言うてた人、本日の主演女優様や」

と、さっきの制服の男に向かって倫子を紹介した。

紹介された方は、興味津津と相手の体を上から下まで舐めるように眺めまわす。

その彼に向かって、脇から矢板が挨拶する。

「鎌先(かまさき)さん、どうも――」

「ああ! どうもどうも――」

呼びかけられた男、愛想笑いを浮かべながら応対した。

「今日はすごいことになりますよ! わたしもびっくりしまして――」

矢板が話し始める。

すると、それを引き取って宇川が言う。鎌先と呼ばれた、この店の人間に対してだ。

「――そういうことやねん。ほんで、さっきも言うたように頼むわな」

この一言で、倫子は鎌先へと引き渡された。彼の背へ向けて、宇川が見送りの言葉をかける。

「すまんな、無理言うて」

何が“無理”なのか、その内容を倫子が知る由もなかったが、それはつまり、普段の店の営みとは違うことをやるという意味なのであった。

「――じゃあ、これをかぶってもらえますか」

そう言いながら、鎌先はある物を取り出した。それは、いわゆるプロレスラーがかぶるようなマスクであった。目、鼻の穴、口がそれぞれ開いており、後は側面に何やら飾りがついているようであったが、一瞬のこととてよく確認はできなかった。ほとんど無理やりに、倫子はそれを着けさせられる。

「よお、似合うやないか」

横から出てきた牛滝が、そんな彼女に声をかける。なるほど、先発した一団は確かに皆ここへ来ているようだった。店内は狭い。先ほどいた入り口、その続きのわずかな空間、見れば、そこいらに見知った男らの姿が揃っている。

「わしら、もう退散や。ちょっと見してもうたら、先帰るわ」

誰かが言っている。それに応えて、

「奥さんで散々満足さしてもうたさかいな。ほんで、この後もあるし……」

「ちょっと充電やな」

などと口々にしゃべる声が聞こえる。いずれも、もはや倫子にとり、他人ではない男達である。そういう声は不思議と聞こえるものだ。

「じゃあ、行きますよ」

どぎまぎしている倫子の背を、鎌先が押した。途端に視界が開ける。二人は狭い足場を縫って、真向かいの壁まで移動した。

「レディース・エン・ジェントルメン!」

スピーカーから声が響く。角度の所為か、今度は聞き取れる。

「皆様お待ちかね、本日のメインタイトルマッチ! 挑戦者はこちら――」

倫子は皆まで聞く耳を持たなかった。眼下の光景に言葉を失っていた。サイコロのような背の低いソファー、それが五つ六つひしめきあっていて、それらの前にひざまずいている女性が三人ある。彼女らは皆一様に、椅子に掛ける男性陣の股間に顔をうずめていた。情を知らない女にとって、初めて見るその状況は異様そのものである。

しかし、真の問題はそこではなかった。椅子の上にいたのが、なんと揃いも揃って確かに“見知った”男達の顔ぶれだったのである。それも、ある種今日肉欲を交わした男達以上に恐ろしき面々だ……。

そこへ、マイクの声が高らかに宣する。

「――リンさんです!」

耳をつんざくその名前に、倫子は思わず司会者の顔を見た。


<つづく>




(001)19:53~(010)20:15(011)20:18~(020)20:44
(021)20:47~(030)21:07(031)21:09~(040)22:03
(041)22:22~(050)23:53(051)23:54~(060)00:20
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[2011/12/28 00:48] | 「湯けむ輪」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
湯けむ輪(68) 00:42

子宝混浴
『湯けむ
~美肌効


こだからこんよく
ゆけむりん
びはだこうかん






――午前零時四十二分


間髪入れず、二人は男女の仲となった。浪岡に断る選択肢は用意されていなかった。

「どや、エエ具合やろ」

渡瀬が背もたれの後ろからささやきかける。

「あ、ええ……」

浪岡は少し声を震わせながら答えた。ピクリ、ピクリと尻を痙攣させながら。

倫子にはその震えが体の内側から直接感じられていた。彼女は今、運転席にいる彼の股間の上にまたがっているのである。

ふいに話し声が聞こえて、彼女は横目で窓の外を窺った。やや離れた所を、榊原、矢板、そして夫が談笑して通り過ぎて行く。少し身を低くして彼らをやり過ごす。そんなことをしても結果に大差はないのだが。

「料金分、しっかりサービスしぃや、奥さん」

渡瀬はそう言いながら、煙草に火をつける。“料金分”といっても、ワンメーター。深夜の割増し料金でも、紙幣を必要としない金額である。随分安い額で売られた体だ。

もっとも、彼女にとって額面の多寡はこの際問題でない。ただ犯されるという事実が存在するだけだ。どういう状況であろうと、この期に及んで関係ないのである。

倫子は、相手の肩に手を引っかけつつ肘をそのシャツにくっつけて体を密着させ、べったりと彼に覆いかぶさっていた。無論男は仕事着のままであるので、一つ行為に共に励んでいても、傍目には素っ裸の彼女だけが恥ずべきことをしているように見える。もっとも、彼も我慢できなくなったのか、中途から下半身の被服をずり下ろしはしたが。

浪岡はいざことが始まると積極的であった。つかんだ尻を揉みくちゃにした上、ペッタンペッタンと餅つきのようにその肉を弄んだ。そうして結合部の摩擦を激しくするのである。一種の開き直りであろう。元来が規範意識の低い人物であったのだ。初めから性的好奇心を隠しおおせていなかった。そこへ来て吹っ切れたようである。

彼にせがまれて、倫子は口づけを交わした。端から拒む意思はなかった。肩に置いていた手を、徐々に首の後ろに回していく。自然とそうなった。互いの唇の膨らみが、こすれる度にツヤツヤと濡れそぼっていく。それもそのはず、二人の唾液や、先ほど吸着した浪岡のペニスの汁が盛んに混ぜ合わされているからである。クッチャクッチャと、食事中に立てれば眉をひそめられるような下品極まりない音が口辺から漏れる。濃厚という表現がまさに適切なベーゼだった。

「妬けるなあ、おい」

二人の様を見た渡瀬が、隣に向かって話す。すると、藪塚がそれに答えようとした時だった。

“コンコン”と、窓を叩く音がした。車中の皆が見れば、そこにいたのは榊原と矢板である。渡瀬は窓を開けた。

「中々来ぇへんから見に来たら……そういうことかいな」

榊原は言った。

「はよしぃや。今さっき電話あってな、ウーちゃんから。“まだか”いうて――」

彼の話では、先発隊の同志から催促の連絡があったということである。先方はこれから行く店に入っているらしい。しかも、そこに何やら趣向が用意されているということだ。それはやはり、倫子抜きには語りえないというからには、彼女にとっては喜ばしくない趣向に違いなかった。

この辺の事情には、既に渡瀬も矢板も通じているようだ。だがそれを踏まえた上で、渡瀬は言った。

「ちょっとだけ待ってぇな。今この女にタクシー代清算させてるから」

この言葉に車外の二人が興味を示す。渡瀬は事情を説明した。それを受けて矢板、

「だったら、こっちの運転手にもそうすりゃよかったな」

と、悪びれもせずに意見を述べる。

「そやな。そやけど今時間ないから、帰りにそうしょうか」

榊原もうなずいて、ちらりと後ろを見た。連られて他の者もそちらを見る。すると、慌てて目をそらすドライバーの姿が見えた。彼はその場に停車したまま、前方の様子を密かに窺っていたものである。

そこから思いついて、榊原が言った。

「しかしこれ、丸見えやで自分ら」

彼の指摘を受け、渡瀬も外に出てみる。見れば、確かにガラス越しに倫子の背中がよく見えた。何せ裸であるものだから、暗がりでも特にその白い肌が確認しやすい。しかもそれが妙に揺れ動いているのだから、現場での違和感は隠しようもなかった。

「自分ら、走ってる最中もヤッとったやろ。あれも丸バレやったで」

それを聞いて少し照れた振りをしながら、当事者であった藪塚も外に出てきた。彼はつい今しがたまで、自身の肉竿を密かにしごいていた。もし時間がないと言われなければ、次にまたやるつもりだったのである。

「でも、当の“本人”は気づきませんでしたよね」

矢板が横から口を挟む。榊原、それを聞いて笑いながら言った。

「そうや。ちょうどそん時や、今言うた電話があってやなぁ――」

「ついさっきも横を素通りでしたし――」

「なあ! 奥さんには悪いけど、あんたの旦那、あれちょっとアホやで」

二人は笑いながら倫子の夫を愚弄した。当の倫子はその会話をBGMに、浪岡の股間で裸踊りである。それを見つつ、榊原は言葉を続ける。

「ほんで奥さん、あんたまたわざわざこっち見ながら腰振ってたやん。ようやるでほんま――」

と、そこまで言って、彼はもっとすごいことを思いついたらしく、パチンと手を叩いた。

「そや! ほんであんた、途中で車停めて外出てきたやん! あれにはびっくりしたわ。無茶苦茶するでほんま」

これには渡瀬が応じた。

「この女もアホや。夫婦揃って、どうしようもないアホやわ」

男達は嬉々としてその時の感想を言い合った。後ろの車からも、当然に倫子の行動は確認できていた。但し、夫のみは気づかなかったという。いくら電話に気を取られていたといっても、また矢板が気を使ったといっても、いささか鈍感が過ぎはしないだろうか。倫子の頭の中で“アホ”という単語がグルグル渦巻いて、彼女はめまいを覚えた。

と、そこへ、下にいる浪岡からかすかな声が届く。

「ウゥ……ッ、出る……」

たちまちほとばしる熱いエキス。浪岡は彼女の尻を力いっぱい引きよせて、根本までしっかり埋め込んだ状態で射精した。その上で、引き続き濃厚なキスをお見舞いする。

「ンッ! ンンフッ!」

倫子は、目まいの中で脳天からしびれて啼いた。太りきった海綿体で押し広げられた内壁にその青筋の脈動が直接伝わったかと思うと、突き当たりに引っ付いた射出口から勢いのよい子種があふれ出てそこに跳ね返っていく。しかもそうされながら、隙間ない接吻で口を塞がれるのだ。

こんな強烈な子作りはいつぶりだろうか。もし日頃だったら、絶対に子供ができたと直感するレベルであると彼女は考えた。要するに、メスとして究極に満足を得られた状態、女体が喜んでしまう境遇に持っていかれたのである。いや確かに、今日は何度も膣内に注ぎ込まれてきた。だが、先ほどの袋田の時といい、ここへ来てさらに壁を越えたような、何かが取っ払われたような心境になってきたのである。そしてこのことは、倫子の精神にもはっきりと自覚できる段階にまで至っていた。

「ンフゥー……ンフンー……」

彼女は鼻息荒く、腰を微動させた。最後のご奉公だった。浪岡の尻はこそばそうに痙攣していたが、倫子の尻肉も細かく揺れていた。こうして彼女は、きっちりと清算を終えた。


<つづく>


現在時刻0:48(4時間55分経過)
挿入された男根=26本
発射された精液=58発(膣31・尻12・口6・胸5・顔2・手2)



(001)19:53~(010)20:15(011)20:18~(020)20:44
(021)20:47~(030)21:07(031)21:09~(040)22:03
(041)22:22~(050)23:53(051)23:54~(060)00:20
(061)00:24~(070)00:50(071)00:24~(080)01:36
(081)01:45~(090)03:59(091)04:12~(100)05:46

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[2011/12/17 00:42] | 「湯けむ輪」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
湯けむ輪(49) 23:49

子宝混浴
『湯けむ
~美肌効


こだからこんよく
ゆけむりん
びはだこうかん






――午後十一時四十九分


「それでその、お連れさん方はあちらに行っておられるんですか」

ちらりと暖簾の向こうを見やりながら、袋田が聞く。

「うん、まあ、若干また状況が変わってはきてるんやけども」

渡瀬はそう答えると、早速先へと歩き始めた。男二人もやむなくつき従う。倫子は脇を彼らに固められ、意思とは無関係に運ばれていく。

外に出ると、途端に夜の冷気が身にしみた。浴衣でもひんやりとするのに、全裸の身にはなおさらである。その冷たさが、素肌の上に背徳感と不安感を募らせる。たとえ酔ったような諦観の構えを見せても、やはり一糸まとわずの外出は落ち着かないものだ。

闇を行くのは彼らのみ、人っ子一人歩いていない、が、倫子は無性に嫌な予感がしていた。それはちょうど、大浴場を出てから、エレベーターで娘に呼び止められるまでの、あの瞬間に覚えた感じに似ていた。おそらく、すっとするような外気が、狂った心と体を癒やすためであろう。

「ここ、温泉、混浴やんか。それで、この奥さんと知りおうたんやけどな――」

渡瀬がこれまでのいきさつを説明している。薮塚の問いかけに答えたものだ。従業員らにすれば、聞きたいことが山ほどあるのである。寝静まった世界に、彼らの会話のみが響く。

「この奥さんがどえらいスケベでなあ、ほんまに。チンポが欲しいてたまらんちゅうて――」

渡瀬は大笑いしながら言った。思わず釣り込まれて、薮塚と袋田もにやける。それで渡瀬はいよいよ興に乗って、一段と声を響かせて話した。

「それでもう、手当たり次第にヤりまくり、ヤられまくりや! わしかてこの人とおうたん今日が初めてやねんけどな、もう二発も中出ししたわ!」

「ヤ、ヤリマンなんですね」

調子に乗って、薮塚も倫子のことを軽んじだす。彼は、膨らんだ股間をもう誤魔化そうとすらしなかった。その盛り上がりは、地面にも影となって現れている。

その影の続きには、もっと巨大な盛り上がりが、こちらは地震に揺られるように大きな振動を見せている。倫子の乳房の影である。街灯の光に照らされて、地面のスクリーンに映し出されているのだ。無論、尻も乳房同様に揺れ動いている。豊満な彼女の脂肪は、実に躍動的な影絵を見せていた。

それに反し、当の倫子は終始無言である。客でありながら薮田にないがしろにされて、それでも反論せずに黙っている。これも性奴隷根性の故であろう。裸で外に連れ出され、黙って付いていかされて、その様子はまるでペットか家畜のようでもあった。

「いや、変態やねん、もう。すごいわ、ほんま」

渡瀬は好き勝手に言っている。

ただ、倫子としても、もはやあながち間違いではないような気がしだしていた。このように自覚しだすと、いよいよもって奴隷である。陰毛が風に揺れ、その奥の割れ目に冷たさが入り込むと、倫子はゾクゾクと感じて身震いした。

「でも、“奥さん”なんですよね?」

薮塚は素朴な疑問を口にした。

「さあ、そこや。人妻のくせに、知らん男のチンポ欲しがって、中出しされまくり。旦那はどこで何しとんねんと」

渡瀬がそう言った時、ちょうど一行は目的の店の前に着いていた。灯りの入った四角い看板が表に出してあって、営業中であることを知らせている。

倫子はまた急激に不安な気持ちに襲われた。が、引き返すことは叶わず、彼女は担がれたままで店内へと入っていった。


<つづく>



(001)19:53~(010)20:15(011)20:18~(020)20:44
(021)20:47~(030)21:07(031)21:09~(040)22:03
(041)22:22~(050)23:53

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[2011/10/01 23:49] | 「湯けむ輪」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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