おことわり
このブログには、エッチなことがたくさん書いてあります。まだ18歳になっていない人が見ていい所ではありません。今からこんな所を見ていると、将来ダメ人間になってしまいます。早くほかのページへ移動してください。 >googleでほかのページを検索する< なお、掲載している小説はすべて虚構であり、実在の人物・団体等とは一切の関係がございません。 |
お知らせ
「オナこもりの小説」は、エロ小説を気ままにアップしていくブログです。たまに、AV女優や、TVで見た巨乳のことなども書いています。左サイドにある「カテゴリ」から、それっぽい項目を選んでご覧ください。
小説には、連続作品と一話完結作品があります。連続作品は、左「カテゴリ」の各作品名より一話から順番に読むことができます。また「目次」には、各作品の概要などをまとめた記事が集められています。 ■連続作品 ◆長編作品 ▼「子宝混浴『湯けむ輪』~美肌効姦~」 ◆中編作品 ▼「大輪動会~友母姦戦記~」 ▼「青き山、揺れる」 ▼「師匠のお筆」 ◆オムニバス ▼「母を犯されて」 ◆短編作品 ▼「育てる夫」 ▼「最後の願い」 ▼「ママの枕」 ▼「ブラック&ワイフ」 ▼「夏のおばさん」 ▼「二回り三回り年下男」 ▼「兄と妻」 ■一話完結 ▼「ふんどし締めて」 ▼「旧居出し納め・新居出し初め」 ▼「牛方と嫁っこ」 ▼「ガンカケ」 ▼「祭りの声にまぎれて」 ▼「シーコイコイコイ!」 ▼「サルオナ」 ▼「母の独白」 ▼「童貞卒業式」 ▼「お昼寝おばさん」 ▼「上手くやりたい」 ▼「珍休さんと水あめ女」 ▼「栗の花匂う人」 ▼「乳搾りの手コキ」 ▼「妻つき餅」 ▼「いたずらの入り口」 ▼「学食のおばさん便器」 ▼「山姥今様」 ▼「おしっこ、ついてきて。」 ★作品一覧 |
「いやあ、二人のおかげで、ホント捗るな」 啓成(ひろしげ)は隆々と筋肉の盛り上がった前腕で、日光にきらめく額の汗を拭った。褒められた二人は「いやいや」などと謙遜している。彼らもまたいずれ劣らぬ筋肉の持ち主だ。三人は学生時代のラグビー仲間で、啓成の一学年先輩が次郎(じろう)、一学年後輩が義就(よしなり)。今日は啓成の引っ越しを手伝いに来ていた。 「ほぉんと。たった三人でもう片付いちゃった」 荷物をすっかり運び出した旧居から、セミロングの外はね茶髪を揺らしながら啓成の妻・厚子が出てくる。目鼻立ちのはっきりとした顔に派手なメイクを施した上、いかにも気の強そうな目力を湛えた、一種の美人である。ちなみに彼女と夫は元同級生で、次郎と義就を含め皆同じ学校に通っていた。 「恭章(やすあき)来い。新しいおうちに行くぞぉ!」 啓成は今日の為に借りたトラックの運転席に向かいながら、あと数か月で六歳になる息子・恭章を手招きした。息子は素直に駆けていき、父の太い腕にひょいっと抱え上げられて真ん中の席に納まる。助手席には次郎が乗り込んだ。トラックは定員の都合で全員一遍に乗ることが出来ない。大人の男三人は二人ずつ交代でこれまで二往復し家具を運搬してきた。運び出す荷物はこの便が最後である。 「出発進行!」 「オー!」 親子の元気な号令で、三人を乗せた車は走り出す。それを見送って、厚子と義就が屋内へ戻った。 「もう大体は掃除し終わったんだけど。あとさ、こういう……」 ガランとした家の中で、厚子はフローリングに這いつくばる。後から続く義就は、そのタイトジーンズの尻を絡みつくような視線でじっとりと眺めた。はち切れそうな程ピチピチに張った尻の表面には、くっきりとV字形の曲線が浮き出ている。彼はおもむろにそれへ近づくと、戯れに己の股間をピッタリとその谷間へ押し付けてみた。 「ちょっと、何してんの!」 驚いた厚子が咄嗟に腰を引いて逃れ、振り返る。その緩い胸元を、義就はじっと見つめた。厚子はその意味に気付いてTシャツの襟を押さえる。主張の強いGカップが深く黒い谷を覗かせていたのだ。 「相変わらず、でっけえな」 心の声をそのまま声に出す義就。あえてズケズケと品評するのも昔馴染みの気安さからだ。かつて一度は我が手中に収めた物。厚子と義就は学生当時に恋人同士であった。まだ啓成と付き合う前の話だ。 彼は今日一日ずっとムラムラしていた。久しぶりに昔の女と会ってみれば、驚く程その体型が変わっていないばかりか、年輪を重ね、人妻となりまた母親となって、むしろ当時より強烈な色香がムンムンと肌から立ち上っている。作業をして汗ばんでくればなおさらの色気だ。 朝からじっくりと盗み見てきて、義就はもう我慢の限界だった。 「あっちゃん!」 言うが早いか組み付いて、またぞろ股間を尻に押し付ける。 「キャッ!」 厚子は逃げる。床板に指を立て、這いつくばって前進する。男はそれへ覆いかぶさると、ある秘技を使った。 「ちょっと、やめて!」 たちまち苦悶の表情を浮かべ、女の口元が緩む。それは義就の得意技、押し倒しながらの全身くすぐりであった。あらかじめ弱点は心得ているのでツボを押さえるのは造作もない。甘え上手な後輩カレシは、よくこれを使ってじゃれたものだ。彼女の身もだえようは、ウィークポイントが年を経ても変わらないことを証明していた。 「ちょ、ムリムリ、ほんっと無理ってば」 多少の懐かしさも覚えつつ、厚子は苦しそうに笑いながら身をよじって逃れようとする。義就はもちろん逃すまいと押さえ、巧みに服を脱がそうとする。まずジーンズに手を掛ける。と、厚子がそこをガードしにくるので、今度はシャツをたくし上げにかかる。慌てて厚子がそちらに向かえば、改めてジーンズを。こうして、厚子の肌は徐々に剥き出しになっていった。 さあここまでくると後は簡単だ。確かに昔馴染みの油断もある。大体レ○プというのは知人によって行われるものだ。厚子も無論抵抗し続けたがそこは女の細腕。所詮男の、しかも剛腕な彼には敵いようもなかった。床に突っ伏して抑え込まれ、 「ちょぉっとぉ!」 非難も虚しく義就の勃起が厚子の背後からぶっ刺さって消える。下着を肉棒そのものでずらし、汗まみれの素肌を滑って、熱く蒸れた肉穴の奥へと、深く深く。 「スッゲ! 寝バックのマ○コ気持ちいい!」 家具もないガランとした部屋の中で重なり合う男女。強引にブラジャーごとめくり上げられ、露出した乳房がひんやりとしたフローリングの上にひしゃげる。横にはみ出たスライムのようなそれを、義就は倒れ込んだまま撫でまわした。手の平にポチャポチャした柔らかさが心地よい。そうしながら、じっとりと汗ばんだ後ろ髪の生え際に唇を寄せる。 ゾワゾワと総毛だたせて、厚子は歯を食いしばった。過去の男に情愛など無く、今は純粋に友人として見ている。夫が助っ人に彼を連れてきたのには驚いたが、吹っ切れている分素直に受け入れられたものだ。だからこそ、この仕打ちは悔しかった。何より己の脇の甘さに腹が立った。 とはいえ、事ここに至りなばもう終わるまで耐えるほかない。新居まで片道ニ十分。これまでの経験上、大体トータル一時間前後で行き来するはずだ。それまでになんとか! 夫も子 供も悲しませたくない彼女である。 ゴリゴリに固まり切った怒張が、パチュンプチュンと小さなあぶくを弾かせながら、入り口の肉壁を両脇へこんもりと盛り上げつつ、しっかりとくっ付いたまま激しく出入りする。 「たまんねえよ厚子。お前も久しぶりのチ○ポ気持ちいいだろう」 勝手な男は一人悦に入っている。黙りこくっている女にもお構いなしに、密着して腰をくねらせる。男の腹と女の背中。裸の体温が互いに伝わり合う。それが男には心地よく、女には不快に受け取られた。 「旦那のチ○ポよりいいだろ。なあ、お前オレのチ○ポ大好きだったもんな」 「(そんなわけあるか!)」 厚子はどちらの問いも一蹴したが言葉には出さなかった。ただただムカムカした。入室を許可していない男は、しかし強引に居座って室内を荒らしまわっている。例えば天井を叩き、例えば床を踏み鳴らし、その上壁に汁気を撒き散らす。 「あの頃は生でヤらせてくれなかったけど、やっぱ生気持ちいいわ」 そう言われて厚子はハッとする。案の定、彼の台詞は次の通り続いた。 「なあ、このまま中出ししていい?」 「は? テメェ、ふっざけんな!」 これには遂に厚子も声を荒らげざるを得なかった。それも若い頃のようなお里の知れる口ぶりに戻って。冷静に言えば、避妊せずに交わりだした時点で危険なのだが、それよりもコイツの吐き散らかしが体内に注がれることこそ不愉快だったのだ。 「いいじゃん、いいじゃん」 義就は笑いながら言って上体を起こした。うつ伏せの女体に騎乗するような格好となる。その体勢で尻の両肉を広げると、肉棒をくわえている膣がパックリと開いてよく見えた。フニャフニャとした尻肉を両手で持って水面のように揺らすと、汗のたまった肛門までパクパクと開閉する。彼は上からその光景を見下ろしつつ、自身を出し入れして愉しむ。挿入当初は湿り気程度だったのが、いつしか穴の内部までヌルヌルと濡れそぼっている。 「エー、ダメ?」 「外に……ていうか、早くして!」 急かしたのは終わりを促す意味だったが、相手には伝わらなかった。むしろ気分が乗ってきたと捉えたものだ。義就は厚子の腰を持ち上げると、そのまま四つん這いにさせて後ろからガシガシと腰を叩きつけた。 「ちょ……早く(終わって)」 「なんだ、まだ早く? そっか、激しく突かれるの好きだもんな」 「ちが……」 パンパン、パンパンと空の室内に響き渡る、男と女の肌がぶつかり合う音、それから豊満な乳房同士が弾け合う音。厚子の鼻腔から刹那的に甘い吐息が漏れる。女とは経験を積むほどに男が恋しくなる生き物。まして日頃は夫婦という許された関係の中でのみ体を重ねていたら、その反動でどうしてもその場に臨んで慣れた反応を示してしまうもの。恥部が濡れるのも声が漏れるのもそういう理屈だ。 義就は義就で、この久しぶりに手に入れた肉体を我が手に取り返すべく、まさに男を見せつけるべく奮闘したものだから中々に粘った。元々性には強い方だ。厚子が彼をフッたのも、実は彼の求めるしつこさとその態度の軽薄さの故である。 男女はくんずほぐれつ揉み合い、ほかに誰もいない住居で恥知らずな営みを続ける。綺麗にした床を汗まみれで転がり、二人でハアハア言いながら、我が物顔でこの家を占拠している。本来主人夫婦がするべき営み。しかし夫は既に去り、残った妻だけが頑張っている。この家で最後に作られる命は、妻と間男による婚外子となってしまうのか。 時間は刻々と流れる。体位は後背位から正常位へと移っていた。厚子は間男の手で大股開きさせられ、揺れ回る乳房も全部さらけ出している。ドスドスと上から下へ杭のように打ち付けられる男根。まだイかない。 「ンッンッ……!」 向かい合う相手の体を突き放そうともできず、厚子はしおらしく手の甲を口元に当てて眉根を寄せた。目は開けない。一つには男を見ないためで、もう一つには自分との闘いだ。女故に体が返してしまう反応を認めたくない。 そんな中、遂に恐れていた時が訪れた。外に車のエンジン音が聞こえだす。それほど長く交わっていたのか、あるいは想定より早く戻ってきたのか。とにかく厚子にはすぐに危機が分かった。義就の胸をドンドンと叩き首を横に振る。 「ムリ! もうムリ!」 「あとちょっと、もうちょっとでイくから」 「ムリだって! 終わって! 早く!」 「中で、中でいい?」 厚子は遂にヤケクソでブンブンと頷いた。 「いいから、早く終わってぇ……!」 義就はラストスパートを掛けた。玄関の外ではもう話し声がする。ひと際高く聞こえるのは恭章の可愛い声だ。それを聞きながら、父ならぬ余所者男は全部の種汁を膣内に流し込んだ。そうしながら倒れ込み、厚子に唇を重ね、無理やりそれを開くと舌をねじ込む。ネロネロと舌を絡め、最後のとどめとばかりねぶり倒す。厚子はされるがままだ。 気が気ではないスリルの中、痴穴を収縮させる厚子。肉体は桜色に染まり、少し前とは違った発汗で全身を濡らしながら肩で息をする。しかしその後の行動は速かった。彼女はすぐさま起き直って身支度を整える。 「おう、どうだ片付いたか」 息子を伴って啓成が入って来る。 「うん、まあ、大体」 そう言いかけて、厚子は慌てて手元の雑巾を取り寄せ床をさっと拭いた。先程自分が付けた背中の汗が跡になっているのを見つけたからである。彼女はそれを気取られないように早口で続けた。 「まあ、残ったとことか、あっち片付けてからまた来てやろっかな。後でまた思い出すこととかあるかもしれないし」 「そうか」 夫は特に気にすることもなく、 「しっかし、暑いな、この部屋」 と、室内に漂う独特の熱気に辟易し、シャツをつまんでパタパタとやった。その後ろで義就は涼しい顔をしていた。 |
* 前原はタクシーの車内にいた。佳彦を送り届けた浪岡に拾われたのだ。固辞したが親切を押し売りされた。どのみち線路沿いを歩いてもどこまでいけるかは自信がない。ままよ、とやけ気味になって乗車した。これが前原にとって、今日唯一の好判断となった。車は町を出ていった。 * 大広間での大輪姦はグルグルとまだ続いている。三つの穴は常に満室。膣は松倉から沼尻、尻は浩樹から森岳、口は小林から雅也へと連なっていき、さらに右手と左手にも男根を握らされ、両の乳房は手すきの者によってそれぞれ玩具にされている。 男達は口々に「気持ちいい」「たまらん」「最高」などと言い合い、その内に「かわいい」とか「イイ女だ」などという称賛も増えていった。彼らの率直な欲望は、居並ぶ勃起群が証明している。そしてとうとう「有紀」という彼女の名前を呼ぶ声が出始めた。これまで“金光の嫁”でしかなかったのが、ようやく彼女そのものを認めだしたのだ。 ピクンッと体が反応する。心の敏感な部分に触れられたようなこそばゆい感じ。有紀はまるでつきものが落ちたように無垢な表情で、ピクンピクンとしなやかに体を跳ねさせた。 「有紀」「有紀さん」「有紀ちゃん」…… 老若ないまぜの男らが自分を求めている。性欲の器として自分を欲している。林立する男根の狭間、そこに己の居場所がある。社会も倫理もない。ここにはセックスする為だけに一人の女と無数の男がいるだけ。慰み者となっては自由も利かず、ただいいように消費されるが、返って責任を負わされず、何も決めなくて良い。そして、ここで彼女は絶対的に主役だ。 「これは……?」 有紀はなんだか分からなくなってきた。集団で強 姦されているはずではなかったか。それを飽きもせず、日が暮れても続けられている、もはや人間扱いもされていないような、異様な境遇ではなかったのか。それは間違いではないし、そんなことは分かっている。それなのに……? 「アア……ッ!」 のけ反って両穴に射精を受ける。 「気持ちいい……有紀……マンコ……」 誰かが囁いた。 「マンコ……? わたし……マンコ……」 そうかもしれない、自分は女と思っていたが、もはや“マンコ”そのものかもしれない。正気なら愚にも付かない説だが、今は言い得て妙な気がした。人格ではないのだ。この居心地はもう性器ゆえなのだとでもいうような実に馬鹿々々しい境地。 誰かが耳たぶを亀頭で弾いている。そうかと思えば振り返らされ、別の陰茎をしゃぶらされる。 「有紀ちゃん、チンポ食べて」 待ちきれないとばかり差し出された三本目に彼女は吸い付く。いつしか右には島田、左には鎌先、そして正面には高橋がいて、彼女は渡り鳥のように三本を交互にしゃぶらされた。 「いい子だ」 そう言って島田が髪を撫でれば、鎌先、 「素直に仕上がったね」 高橋は、 「かわいい顔にぶっかけてやろう」 と、毒気の無い笑顔で言った。 尻の森岳が射精すると体を前に倒され、新しく矢板を迎えやすくする。逆に膣の沼尻が済めば今度は後ろに倒され、新たに比嘉を受け入れていく。ギッコンバッタンと前後に忙しなく動いてはペニスの為に尽くすのだ。これが性の器なりの役目。誰でも当たり前にこなせるものではない。 だからこそ男達がやる気を失わない。どうしてここまで彼女一人にこだわって、その身をむさぼり尽くそうとするのか。尋常ではない。彼らが継続することこそが有紀の非凡さを証明していた。 鎌先がかつて評したように、輪姦向きの肉体という特質。故障もせず、使い減りもしないばかりか、時を経て益々艶を増し、男達の血を熱くたぎらせる。そうでなければとっくに使い捨てられていてもおかしくないのだ。今なお酔ったように男らは女肉をむさぼろうとするではないか。 花村が再合流して口腔に射精した。諸々の用事を片付けてきた袋田が尻穴に収まった。チンポは続々と列をなしている。沢山あるので充電も余裕だ。人がしている間にまたやりたくなる。 「ゾーン入ったな」 竜二の一言がしっくりきて、周りの若者が笑った。やがて、彼を膣に、薮塚を尻に挿して担がれ、マンコは宙を泳ぎながら次の会場へと場所を移していく。その周りをブラブラとチンポが続いた。 夜は更けて早日付を跨いだ。金光は既に就寝している。もっとも、彼のことなど皆忘れていた。妻である有紀さえも。 〈つづく〉 〈現在の位置関係〉 ▼大広間 有紀、藪塚、鎌先、高橋、矢板、慶介、浩樹、竜二、羽根沢、森岳、沼尻、松倉、七里川、服部、祥吾、雅也、小林、鈴木、島田、比嘉、花村、袋田 ▼客室 金光 ▼車中 浪岡、前原 ▼帰宅 俊之、克弘、恵太、優斗、豊、聡、翼、清美、瑞穂、佳彦、村本、猪瀬、舛添 〈輪姦記録〉 挿入男根:35本 射精回数:119発 (膣62・口21・尻23・乳7・顔4・髪1・外1) |
「ずりいよ、島田のおっちゃん」 「アハハ、まあそう言うなって。あの人こそ長年の恨みがあるんだから」 唇を尖らせて袖から舞台を覗く竜二を、高橋が笑ってなだめた。マスクはもうかぶっていない。島田に渡したのだ。 「復讐する権利があるってことさ」 彼はそうつぶやくと、服を着に控え室へ下がった。自分はもうそれが達成出来て満足だった。 一方、舞台に出た島田は、はじめの内そこの明るさや熱に面食らったが、ぎこちない歩みながらもなんとか中央まで進み出た。客席の方などとても見られたものではない。余興でも裸踊りなぞしたことがない堅物である。人前でよくこんな格好が出来るものだと思い、また、出てきてしまったことをこの期に及んで後悔した程だ。 だが、先に出番を迎えている二人は、当たり前のようにその役を務めている。慶介の振る舞いたるや堂々としたもので、無人の境を行くが如くに平然と公開セックスしていた。若々しい腕が柔らかな女尻を抱え、そこへ向けて性欲の赴くままに腰をぶつけている。そこにはなんの迷いも感じられない。 大人ぶってはいるが、まだ十七になりなんとする若者だ。ついこの間まで、“おじちゃん、おじちゃん”と自分の後を付いてきていたような子なのに、今はすっかり男の顔で、いつの間に会得したものか、男女の営みを当たり前にやってのけている。 その熟練ぶりが証拠に、 「オッ、オゴッフ……!」 と、一回りも年上の人妻がメス啼きだ。その身に突き立てられる赤黒い怒張が生々しかった。あんなものでゴリゴリ削られたら、それはたまらんだろうとは、たとえ顔を隠していても傍目に想像するもの。有紀の本心は窺い知れないが、事実として間男の陰茎を受け入れ、それをまた他人に見せている。なんのことはない、これはそういうショーであった。 「何をバカな」 最初に企画を聞いた時、島田は言下に否定した。これ以上自ら危ない橋を渡りに行く必要はないと思った。だが、予期に反して他の者はやる気になっている。 そんな中で、高橋に囁かれた。 「島田さんもやりましょうよ。憎たらしいアイツに一泡吹かせてやりましょうよ」 「な、何をバカな」 するわけがない、と即座に思った。 やがて、企画は実行段階に入り、いよいよ宴会場前まで来た。そこでまたも高橋に言われた。 「やりましょうよ」 島田は首を振った。が、切羽詰まった状況もあり、言葉は口にしなかった。そう、この時までは迷いもなかった、はずだった。 高橋が肛門へ、慶介が膣へ、二人掛かりで有紀を犯す。それを間近に見、あまつさえ交尾汁を金光が顔面に浴びた顛末は既述の通りだ。島田はそれを袖から見ていた。心配で身をこわばらせながら、まんじりともせずに見守っていた。その時だ、何かが心で弾けたのは。 慶介が目配せし、女の尻たぶを左右に開いている。そこへ挿せ、というのである。 ただ立ち尽くしている場合ではない。島田は軽く頷き進み出る。これをする為に出てきたのだから。その下半身には、ガチガチに凝固した海綿体。もう袖に居る時からずっとだ。今だけは若い慶介と五分で渡り合える程のその硬さ。 「交代ですよ」 戻ってきた時、高橋はそれだけ言って、マスクを島田へ託した。 島田はもう何も言わず、服を脱ぎ、それをかぶった。スタンバイしていた竜二が不平を述べたが、気にも留めなかった。 「(俺は……)」 見下ろす先に黒い穴ぼこがある。そこが排出口ではなく挿入口であることは、誰の目にも明らかだった。 しかし、生憎彼の身長では、立ったままでそこにはめるのは困難だった。そこで慶介が一計を案じ、合体したままで舞台上に寝転んだ。 「おお~」 観客がこの体位変更を好意的に受け入れる。結果的に結合部が見やすくなったからだ。その目の前で、再び二本挿しが始まる。 島田は後ろからまたがるような形で、有紀の尻の穴へ男根を埋めていった。ズル、ズルズルズル……と、予想以上に一気に飲まれていく。まさにそう、飲まれていく。 「(おお、これは……!)」 歯を食いしばって、彼は耐えた。油断していると、根本はおろか、全身まで吸い込まれていきそうだった。注意深く観察すると、彼の足の指がギュッと閉じているのが確認出来ただろうが、そこに着目する者は一人もいなかった。 「ングァ……ッ!」 愁眉を寄せて、隣人を腹に迎える有紀。ダラダラと垂れる唾液が、慶介の首元に落ちた。 隣家へ島田は上がったことがないが、家より先にその家の夫人の肛門へ邪魔することになったわけだ、などと下らない思い付きをしつつ、ただ彼女のもてなしぶりには大いに満足であった。腸内の熱が、寸分の隙間なく分身を握りしめる。壁がネバネバと密着する。 彼は日頃の高飛車な彼女を一瞬思い出そうとしたが、それは既に叶わなかった。目の前にいるのは、夫の前で寝取られ輪姦される、ただの憐れな夫人だった。その可哀想な女を…… 「オッ、オッ、オッ……!」 太いものが交互に出し入れされ、女は目を白黒させた。殊に尻に入ったものは、なおも膨らみを増したようだった。 島田には確かに金光への恨みがある。それは彼の祖父まで遡る深いものだ。彼の家は元々村の名主で、代々当地に暮らしてきたが、そこへ当代金光の祖父――当時はまだ本名のキムと名乗っていた――が流れてきて、その困窮ぶりを憐れに思った島田の祖父が、離れを貸してやったのがそもそもの因縁。結論から言えば、島田家は土地を奪われ、まさに軒先を貸したら母屋まで乗っ取られたような形となった。 だから、この宿敵を憎むのは理の当然だ、が、今彼の欲棒を逞しくしている根拠が、果たして復讐心なのであろうか。 一旦気持ちを落ち着かせて、金光の方を見やる。彼は顧問弁護士を相手に酒盛りをしていた。呑気なものだ、自分の妻が輪姦されるショーを肴に笑っている。 「(すごいことをしている)」 島田は改めて思った。隣の家の奥さんとアナルファックしている、それも旦那の前で。しかも、金光からしたって憎たらしいはずの自分がだ。逆の立場だったらどうだろうと、ちょっと考えてみる。発狂するかもしれない。ただ、あまりに突飛な想像過ぎて、具体的には考えられなかった。あるいは金光もそれで安心していられるのだろうか。あるはずのない出来事だから。 劣情棒がまた一層いきり立つ。こんなになったのは何年ぶりだろうか。妻とはほとんど交渉のない彼。ひょっとしたら、彼女に見せたことのない程の勃起かもしれない。まるで思春期の頃のような勢いだ。 「いいねえ、おっさんの方もビンビンじゃない」 客席の舛添が手を叩いて讃える。彼らから見て、慶介と島田の年齢差は肉体から明らかだったが、その年長の方が勢いを増している様は意外であり、面白味があった。 その様子を横目で追いながら、村本が司会者へと近づいた。先程までかぶりつきでショーに見入っていた彼だが、にわかに別方面へ動いたものだ。 「あの奥さんってさ、この町の人なの?」 鎌先はごく単純に“ええ、そうですよ”と答えた。そこにはなんの警戒心もなかった。 「いや、あんなすごい体の人妻が、この町にいたかな、と思って」 村本は親しげにそんな会話を交わしつつ、ふとその目を怪しく光らせた。 〈つづく〉 〈現在の位置関係〉 ▼大広間 有紀、金光、花村、猪瀬、舛添、村本、藪塚、前原、鎌先、高橋、慶介 ▼舞台袖 島田、浩樹 ▼控室 竜二、鈴木、小林 ▼廊下 佳彦、比嘉、服部、祥吾、雅也、矢板、羽根沢、森岳、沼尻、浪岡、松倉、七里川、袋田 ▼帰宅 俊之、克弘、恵太、優斗、豊、聡、翼、清美、瑞穂 〈輪姦記録〉 挿入男根:30本 射精回数:90発 (膣53・口16・尻13・乳5・顔1・髪1・外1) |
「ンヴォオアー……ッ!」 有紀は呻く、口かせである球体の隙間からダラダラ、ダラダラと唾を垂らして。身をよじってみるが、思い通りに体を制御できない。今更ながらに、彼女は両手を拘束されていることを意識した。 縄目が手首に食い込んで肌を赤く染める。突き出さざるをえない乳房が肩を揺する度にプルンプルンと弾み、その稜線へ落ちたよだれを、突端からツーッと滴らせた。それが何滴にも及び、足元の床を濡らす。フラフラと不安定な足は、そのぬめりを何度も踏みしめた。 金光がこちらを見ている。己の妻が全裸で縛られ、衆人の好奇の目にさらされているのを見ている。マスクのおかげでこちらの表情までは悟られないが、黒目をギョロリと覗かせれば、確かに彼の姿を捉えられた。彼女の目はまるでいきり立った暴れ馬のように粗野な印象を鑑賞者に与えるものだった。 そういった印象は、彼と初めて会った時、それは見合いの席だったが、むしろ有紀の方が感じたものだ。当時四十を超えたばかりだったはずの彼だが、酒太りの出っ腹、黒ずんだ顔色、脂ぎった頭髪のせいで、実年齢以上に老けて見えた。おまけに無遠慮に大声で話す。威圧感。 結婚前はОL勤めをしていた有紀。勤め先である会社の部長は、その頃五十代だったが、ちょうどそれ位な貫禄はあった。ただその上司と異なったのは、金光の方が自信に満ち満ちていた点である。 それが何に裏打ちされたものかは、程なくして分かった。ひとえに財産だ。権力者としてこの町を支配し、幼少期からわがまま放題に育ってきた。彼の言い分が通らなかったことはなく、有紀の身も何らの支障なく手に入れた。見合いとは形式上のこと、実際には“指名”だったのである。 「さあ、御開帳です」 がっしりと両脇から抑えつけられ、床に尻もちをつかされてМ字型に開脚させられる。傍目には抵抗らしい抵抗もせずに従ったかに見えた。それ程彼女の腕力が弱まり、彼我の差が圧倒的だったからである。 「ほお」 じっとりと粘っこい目線を局部へ注ぐ客の中に、もちろん金光もいた。こんな対面の仕方を、あの見合いの席で一体誰が想像しえただろうか。花嫁がいずれ舞台上で股間の割れ目を見せびらかすようになるなんて。もし知っていたら、婚約は取りやめになったろうか。 グッ、グッと一層の力が込められ、両腿がほとんど百八十度に近く広げられていく。いまや縮れ毛の茂みはおろか、それに守られるべき秘所も白日の下にさらされていく。 「フゥー……フゴォー……!」 このまま出産でもしそうな程に鼻息を荒げ、必死に視線だけは逃す有紀。正体がバレるのも時間の問題だ、そう思った。 しかし、予期に反し、夫から異議の申し立ては出ない。まるでオークションに出品された商品の品定めでもするかのように、ただじっくりと肉体を凝視するのみだ。 「(ああ、そういえば、そういう人だった)」 心の片隅で有紀は思い出していた。初対面の時からそうだったと。相手に与える自分の印象には頓着せず、ただ一方的に相手だけを批評するような態度。それは、ただ相手の外観を値踏みするものであり、ちょうど今みたようなことで、彼の目線は、例えば檻の外から動物を眺めるようなデリカシーの無さであり、第一印象で直ちに嫌悪感を抱いたものだ。 後に分かったことであるが、金光は有紀にというよりも、その肉体に興味があったのである。その意味で、実は有紀が結婚相手でなくてもよかった。彼女が眼鏡に適う容姿をしていたからたまたま合格だったのだ。 無論、金光の当主に相応しい、最低限度の氏素性は必要とされる。有紀は、その点問題なかった。彼女の実家、高輪家は、かつてこの町を含む周辺一帯に影響を及ぼす程の名家であった。しかし、時代の流れには逆らえず、また事業の失敗も重なって没落の一途をたどっていた。そこへ救いの手を差し伸べたのが金光家で、その対価として彼女はいわば買われたのである。 一方で、金光家は歴史が浅い。金光の初代、すなわち現当主の祖父は元々この国の生まれではなく、それが戦後のどさくさに紛れて居座り、ならず者を集めては徒党を組んで、闇市、賭博、違法薬物の売買などの裏稼業で荒稼ぎして闇のシンジケートを形成、いつの間にか地域で隠然たる勢力を築くに至った。その後は帰化し、一子は政界に進出。さらにその子が当代、すなわち三代目というわけである。要するに成り上がりだ。 だからこそ地場の旧家と結びつきを強めて、という見立てが成り立たないではないが、潤沢に資金があり、地位も固めた今となってはその必要性は低い。よって、有紀を選んだのは、若さと美貌、なかんずくその豊満な乳房という、純粋に金光の趣味によるものである。 「おや、なんだい、もうビショビショじゃないか」 客席から目ざとい指摘が飛ぶ。開かれた股間はパックリと殻を開いた浜焼きのハマグリの如くにみずみずしかった。塩気と汁気をふんだんに湛え、ふっくらと盛り上がった身もジューシーで。そこへ舞台照明がテラテラと反射するものだから、なおさら湿り気が目立つ。湯気すら上がっていそうだ。 「おやおや、ほんとですねえ。マゾッ気があり過ぎて、感じちゃったのかな?」 司会者は一旦そう受けたが、男優の指によって貝の身の中まで押し広げられれば、さすがに不自然な程の汁が溢れ出たので誤魔化し切れず、 「いやあ、実はですね、ヒカルちゃん、今日も朝からお店に出ておりまして、つい先程までもサービスをしておりましたので――」 と、とうとう言い訳に出た。 それを聞いた金光は皮肉ったらしく笑う。 「ガハハ、とんだ人妻だな、朝から風俗とは。旦那は何やってる」 取り巻きの舛添と猪瀬も、“ほんとだ”と、手を打って同調した。 事情を知っている者らは、別の意味でほくそ笑む。舞台上では高橋が、 「(旦那はオメーだよ、バーカ)」 と、勝ち誇って唇を歪めた。そうして、彼の妻の恥部を、その緩んだ恥肉のひだをさらに拡張するが如く引っ張って、グチョグチョと派手な音を鳴らして聞かせた。ほんの十分も経たぬ前に中出しされた精液が、その音の主たる成分なのは言うまでもない。 ライトに照らされて、内部まであからさまにさらされた恥穴は、ジリジリと焼けるような熱を持つ。縮れ毛も焦げるかという程に。それは舞台照明のせいばかりではない。産婦人科でもあるまいに、ここまでまじまじと性器が他人に見つめられることはないわけだ。本来なら夫や恋人しか知らない部分なのである。 ちなみに、金光はクンニリングスをしたことがないし、出産にも立ち会っていないから、妻のそこをここまで確認したのは初めてであった。 「当店きっての大人気嬢ヒカルちゃん。今夜はお客様達だけに特別サービスで急遽駆け付けたのでございます」 開き直った司会者が、逆に恩着せがましくアピールしだす。かかる“大人気”の実態は、真相を知らぬ者には到底想像し得ない内容だ。 すると、その一端を垣間見せるが如く、高橋はさらに有紀をそっくり返した。股を開いたままで後ろへ倒れる姿勢となり、陰唇の下、すなわち尻の方まで見えるようになる。 「んん?」 客らはすぐにその部分の異変に気付いた。暗に想定していた形と違っていたからである、肛門が。それもそのはず、そこはもはや排泄口ではなく、精液の注入口に変貌しているのだ。かれこれ十本以上もの太い肉棒を突っ込まれれば、もう元の形には戻らない。 「フホオォ……」 尻性器の人妻は、観念してため息をついた。のけ反ったことで視線が天井を向く。顔を客席へ向けないだけ、心理的に楽だった。だが、その安堵を見透かしたように、高橋の手が後ろから頭を持ち上げる。結局、尻穴を見せながら顔も見せないといけなくなった。“これがわたしの犯され肛門です”とばかりに。 「なんとなんと、どスケベな奥様はお尻の方もイケる口でございまして――」 鎌先の解説を聞いて、驚きとも呆れともつかぬ感嘆の声が巻き起こる。 そんな中、高橋が己の下着をずらしにかかった。たちまち隆々とした勃起が露わになる。彼には羞恥も遠慮もない。覆面の下でニヤニヤと笑っている。 客からすれば男のヌードなどに興味はないが、この場合特別な展開があろうことは明らかなだけに、皆固唾を飲んで見守っていた。一瞬はシンと静まり返った程だ。 覆面男高橋は女の背後からその両腿に手をかけて抱え上げた。ちょうど、いきり立った男根が彼女の股間下に位置する高さまで。後は彼の先端がどちらの穴に収まるか、それだけが問題だった。 〈つづく〉 〈現在の位置関係〉 ▼大広間 有紀、金光、花村、猪瀬、舛添、村本、藪塚、前原、鎌先、高橋、慶介 ▼舞台袖 島田、浩樹 ▼控室 竜二、鈴木、小林 ▼廊下 佳彦、比嘉、服部、祥吾、雅也、矢板、羽根沢、森岳、沼尻、浪岡、松倉、七里川、袋田 ▼帰宅 俊之、克弘、恵太、優斗、豊、聡、翼、清美、瑞穂 〈輪姦記録〉 挿入男根:30本 射精回数:89発 (膣53・口16・尻12・乳5・顔1・髪1・外1) |
ミナミの日常は忙しい。炊事・掃除・洗濯など家事一般はもちろん、コウの幼稚園への送り迎え、そしてその間の"営業活動"。母として、あるいはステージママとして多忙を極めた。そこに"妻"としての務めが介在する余地などなかった。 そんな彼女へ、ある日ふいに夫が声を掛けてきた。 「何か出来ることがあったら代わろうか」 それは、いつものように批判的でなく、自ら折れて相手を立てるような調子だった。 妻は、しかし一瞥もくれずに返した。 「別に……」 彼女は今、インターネットでコウの評判を検索するので手一杯だった。例のドラマに出た効果は上々。"かわいい"という声、"名前が知りたい"という声が多数だ。 だが一方で、"へたくそ""むかつく"といった心無いコメントも見られた。ミナミはその一々に一喜一憂しながら今後の方策を練る。つい先程、コウが眠る直前までも、セリフの言い回しを指導していた。 「(これからは……)」 考えながら、ふとカレンダーを見る。明日の予定は―― 「――うおぉ、また出るぅ……!」 興奮で鼻を鳴らしながら男が叫んだ。太って、生白くて、汗だくで、髪はボサボサのずんぐりむっくり。ゴミ屋敷のような、足の踏み場もない部屋は、まさしく彼にこそ相応しい。 ミナミはそこにいた。今日も"営業"だ。 「(営業? これも?)」 相手は女気の微塵もない、そして何より、権力に全く縁のない男! 彼女はそいつに後ろから交尾されていた。 そのさらに後ろから、タイガが笑う。 「またイくの、ヌマちゃん」 魔少年は今日も冷酷な表情で、二人のまぐわいを見つめている。"ヌマちゃん"ことヌマタは、それへ見せつけるように軽く膣内へ射精した。 「(なんでこんな男に……)」 そう歯噛みしながら、本日五発目となる彼の中出し精液を受ける。その太い海綿体の跳躍も、不本意ながら慣れっこになってしまった。そしてそれとシンクロしてオーガズムの波が揺れる。 「クッ……ウゥ……」 悔しいが肉体の反応は制御できない。視界にタイガの股間が入る。彼もまたむき出しだ。ミナミはその日、二人から輪姦されていた。 「見なよヌマちゃん。ヌマちゃんのチンポで、ミナミまたイッてるよ」 十八も年上の男に対しても偉そうに言うタイガ。そもそもヌマタを引き入れたのも彼だった。 ヌマタと初めて会ったのは、例のスタジオの秘密基地。タイガと交わっている最中に、いきなりぬっと現れたものだ。ミナミは心臓の止まりそうな程驚いた。 片やタイガは落ち着いたものである。ミナミに覆いかぶさったまま、ちょっと首を回しただけで話しかける。 「あ、来た来た。こっち来なよ」 ヌマタはおずおずと、しかしギラギラした目で二人の結合部を見つめながら入ってきた。 「ちょ、ちょっと……!」 ミナミは焦って起き上がろうとする。すると、タイガは巧みに彼女の内壁の、それも一際感じる筋を芯棒でこすり上げた。 「ンンッ!」 ミナミはのけ反り、また力を入れられなくなる。見物人を前に、一部始終を見せつけてのアクメ。タイガは腕力でなく、ペニスで彼女を従えたのだった。しかもその上で、悠々と言い放つ。 「悪い、ちょっと待ってて。すぐ済むから」 言うが早いか、ペタペタと小さな尻を振り振り、やがてそいつを引き抜くと、あっという間にミナミの口に持って行った。そして迸る汁をその中へ流し込む。 「ンンブッ!」 むせ返るミナミ。ピクピク痙攣してひっくり返ったまま、股も開けっ広げなままで、そこに空いた使用後の穴がヒクヒクしているのも、傍観者から丸見えだ。 「ヌマちゃん童貞だからさ。ミナミ筆おろししてやってよ」 全部出し終わって残り汁まで舐め取らせた後、立ち上がりながらタイガは言った。曰く、ヌマタにはこのスペースの見張りをさせていたのだという。その見返りとして、ミナミに彼とセックスしろというのだ。 ヌマタも端からそのつもりで来たらしく、早くもカチャカチャとベルトを緩めだしている。 「イヤ……」 ミナミは裸の尻で後ずさった。なんのメリットもないセックス。拒否するのが当然だ。だが一方で、拒否できないことも知っていた。 眼前に童貞が迫る。いつから履きっぱなしかも分からない泥だらけの作業ズボン、そして黄色い染みつきのよれよれなブリーフが続々と下ろされる。その下から現れたのは、ずず黒い皮かむり。すっかり勃起しているのに、先端の数センチしか顔を出していない。 ミナミは顔をしかめた。鼻が曲がりそうだった。一体に彼は風呂の存在を知っているのか。包皮をめくると、そこにチーズのようなかすが溜まっていた。とても一日で付いた汚れではなかった。 これをしゃぶれという。ミナミは涙を流した。嫌だからだけではない。刺激臭のようなものを感じたからだ。それでも結果は変わらない。彼女は、まださっきの精液が残っているネチャネチャした口を大きく開き、彼の汚物棒を震える舌に乗せた。 「オッ……ゴッ……!」 途端に吐きそうになる。唇も閉じられない。だがそれで許されるわけもなかった。 「ほら、チンカス舐めてきれいにしてあげて」 横からタイガの厳しい指示が飛ぶ。そのくせミナミがそれをやり出すと、 「うわ、そんな汚いやつよくしゃぶれるよね」 と言ってバカにした。 それでもミナミはやるしかなかった。そもそも枕営業をやること自体我慢の連続なのだ。もはや開き直るしかない。彼女は鼻からの息を止めて、思い切って舌を滑らせた。舌先、舌の平で亀頭の輪郭をペロペロなぞり、唇をすぼめてチュパチュパ吸う。自分を殺せばどうということはない。 だが、その麻痺感覚も、ヌマタの一言で一瞬にして消し飛んだ。 「すげ、イきそう……」 それを聞くと、ミナミは反射的に肉棒を吐き出していた。精液も彼の場合汚らしいものに思われた。この上それを口内に充満させられるなんて真っ平だった。一種恐怖ですらある。 すると、彼女の対応には別に頓着せず、タイガがヌマタに向けてアドバイスした。 「駄目だよヌマちゃん、まだイッちゃ。ちゃんとマンコに出して童貞卒業しないと」 ヌマタは下卑た笑いを浮かべながら、しゃがんでミナミの腿を引き寄せた。仰向けの彼女が背中をズルズルと滑らせて引っ張られる。 ミナミはもはや抵抗しなかった。ただ、"膣もまた汚くされるのだ"と、諦めの中で考えていた。口の周りからは恥垢の臭いがまだ離れない。 ヌマタはしばらくもたもたやっていて、タイガから指導を受けたりしてから、やっと入ってきた。 「ンフゥ……ッ!」 瞬間、ミナミは唸った。当たり前のことながら、大人である彼のものは、先程入っていたものよりずっと大きかった。決して大きければいいというものではない。が、連続してやると、そのコントラストが独特な脈動を生むのだ。 「ンッグ……ッ! ンフーッ、ンフーッ!」」 ミナミは歯噛みした。そして鼻腔を広げる。悔しいが既に温まってしまっていた体だ。耐えようとしても抗しがたい。 「(こんなキモい男に……こんな……こんな……)」 三十年近くも女性経験のなかったような、そしてそれも十分納得できる不潔な野郎に犯されて、まさか絶頂するなんて自分が許せなかった。そんなに性に飢えているかと思うと情けなかった。 だがこうも思った。これは先にタイガのテクニックにさらされていた所為なのだと。決して、この気持ち悪い男の手柄ではないのだと。しかしそれは、自分で自分の首を絞めるような理屈だった。なぜなら、子供相手にアクメしたこと自体が情けないことなのだから。いずれにせよ、彼女に楽な道は開けていなかった。 「ああ、オマンコ気持ちいいよお」 ブヒブヒ鼻を鳴らしながら出っ腹を揺らし、ヌマタの一本調子な摩擦が産道をえぐる。 タイガは二人の交わりを見てケタケタ笑っていた。まるで犬同士の交尾を見ているような態だった。 「イヤァ……ッ」 大波の予感に言いようのない恐怖を感じて、ミナミはズンズンと頭上へ逃げようとする。 「イ、イきそうだよお」 ヌマタは言い、タイガを見た。すると、タイガが答えた。 「ハハ、もうイくの? いいよ、そのまま中に出しな」 それを聞き、嬉しそうにスパートをかけるヌマタ。 「溜めてきたんだろ? ヌマちゃん」 「うん、三日間ヌいてない」 二人の会話をよそに、既に波に飲まれ出しているミナミ。 「イヤァー……ッ、イヤイヤイヤ……!」 夢中で頭を振り乱しながら、己との闘いだ。 その口を、ヌマタの口が乱暴に塞ぐ。それと同時だった、絶頂汁が漏れ出したのは。 「ウゥ……ッ!」 恍惚とした表情で唇を吸いながら、ヌマタは人妻にたっぷりと子種汁を注ぎ込む。前言通り溜まりに溜まった濃い精子が、それはもう大量に、ヌマタの玉袋からミナミの胎内へとドクドク移動していく。彼はこの瞬間を少しでも長く愉しまんと、腕の中の美人妻をギュウギュウ抱きしめ、未練がましくヘコヘコと尻を振り続けた。 それを見たタイガが、いかにも寛容な風で飼い主よろしく許可を与えてやる。 「時間あるからさ、もう一回ヤんなよ」 それを聞いたオス犬は、ハアハア息を吐いて肯いた。結局その日、犬妻は彼の三番搾りまで種付けされた。 ヌマタにしてみれば、結婚して夫や息子と裕福な家庭を持つ美人妻なんて、精々オナペットにするのがやっとである。それと子作りまでできるだなんて、想像だにしないことだった。 ミナミにとってはなおさらのこと、営業相手にとっても大いに役不足な、単なる制作会社のアシスタントディレクター風情、加えて夫より年収が低いことだって間違いない奴に抱かれるなんて、狂気の沙汰と思われた。 それなのに、彼とのセックスはその日一度で終わらなかった。タイガに呼び出され、わざわざ男の家を尋ねてまで輪姦されている今日である。互いに交わるはずのなかった日常とは裏腹に、この日だけで六度目ともなる交尾に現に勤しむ二人。休日の朝から男の部屋でセックスなんて、まるで恋人同士だ。 「ウッ、ンッ、ンン~ッ!」 早焦点の定まらぬ目を天井に泳がせるミナミ。朝からヤられ通しで、はや4時間経過。すっかり正体もなくなっていた。常にでっぷりした腹で一部の隙もなく組み付かれ、いつしか体中が相手の汗にまみれ、体臭まで男と同じにうつされてしまった。局部に至ってはなおさらだ。恥垢と精液を中にたっぷり塗り込まれて、悪臭極まる穴となっている。そこに、母としての姿も、妻としての体もなかった。 「(出来ることがあったら代わろうか)」 昨夜の夫の言葉が白々しく思い出される。彼女は今、膣に一本、そして口にもう一本の陰茎を挿されていた。一人で二人の性処理を一度にだ。人生初の体験だった。 「(じゃあ、代わってくれる?)」 昨日出なかった言葉が冷笑と共に過ぎ去る。 「今度、ヌマちゃん家でミナミをマワすから」 先日、いきなりそう申し渡された。全ては今日オフであるタイガの発案である。ミナミはいわば彼にとって、ヌマタと遊ぶ時のおもちゃだった。 二人は代わる代わる何度も何度もミナミを犯して笑い合った。どちらも性欲旺盛。ミナミは夫が一晩で二発以上射精するところをいまだかつて見たことがない。 「オゥブッ、ま、待っでぇ~……っ!」 絶え間なく発情させられた結果、憎らしいはずの相手の、贅肉だらけの背に腕を回す。めくれ上がった肉びらはまだ精飲を欲している。 「ミ、ミナミ、またイくのか?」 口元を歪めて、得意げにヌマタが言った。半日タイガから指導を受けて、彼もいくらかスキルアップしていた。その自信が、他人妻を呼び捨てにする。 「ヒ、ぐ……イヤァ~……イッぐぅ……!」 二人の年下男に見下されながら、ミナミは恥のかき通しである。 「(なんで、こんなことに……)」 理不尽な思いは消えない、たとえどんなに快楽に飲まれようとも。だが、逃れることはできないのだ。少なくとも自力では。 間もなく、彼女は失神した。はっとして気が付いた時には、もう日が傾いていた。寝ている間にも輪姦されていたことは明らかだった。動かない彼女は、もはや本物のダッチワイフである。また、彼女が気を失っている間に、二人だけはカップラーメンで食事を済ませていたらしい。時間の経過が彼女を愕然とさせた。 ヌマタからは“泊まっていけ”と言われた。もし彼の言う通りにしていたら、間違いなく一晩中種付けされていただろう。そして、もしその後コウを幼稚園に迎えに行く予定がなかったら、このまま力づくで引き留められていたかもしれない。だが、そこは母親としての強さがある。結果、それが二人を圧倒した。 ミナミは強気で二人を振り払ったが、その様はまるで生まれたての仔馬のようだった。最後は情けないことに、犯された相手に支えられて部屋を出た。それでも使命は果たす。携帯を見ると幼稚園から何度も着信がある。遅刻だった。彼女は輪姦された挙句に、園から苦情を言われる羽目になった。しかし、最も傷ついたのは、そのことではない。それは息子から初めて、"ママ、臭い"と言われたことだった。 地獄だった。もうこれ以上はないと思われた。が、この日はまだ始まりに過ぎなかった。別な日には、局の男子便所で二人からマワされた。あれだけバカにしているヌマタから、"精液便所"という蔑称で呼ばれながら。 「飲め、ミナミ……」 洋式便座に座ったタイガが、その前にしゃがむミナミにペニスをくわえさせる。そしてその口の中へ放尿を始める。彼は以前胸の谷間でして以来、彼女に小便することに味を占めていた。 その脇にはヌマタが立っており、上向き加減の彼女の頬に、相変わらず恥垢の付いた陰茎を乗っけている。既に射精も済ませ、彼の吐き散らかしは彼女の目頭の窪みと眉にかけて溜まっていた。 「ングッ……ングッ……」 少年の尿が喉に流れ込む。溢れ出て、洋服を汚す。ミナミは逃げ出せず、怒れず、ひたすらに耐えている。 「(コウ……)」 息子の為の試練はさらに重なる。タイガに触発され、なんとヌマタの先からも薄黄色い温水が出始めたのだ。それを見て、タイガが手を叩いて大笑いする。 「アハハ、ヌマちゃん、鬼。熟女は厚化粧が命なのにさ」 ヌマタの小便はあっという間に額から、髪の毛の中にまで飛散した。化粧も無論剥げていく。タイガまで面白がって、口から陰茎を抜き出した。二人一緒になって、熟女の顔面に小便をぶっかける。 ミナミは、まだ耐えるのか。耐えられるのか。 「(ほんとにこんなことまでしなきゃならないの……?)」 これは必要な犠牲なのか。ただただ涙がとめどなく頬を伝った。が、それは浴びせられる温水に混じって流れたので、男共には気づかれなかった。 「ギャハハ、きったねえ!」 やっと出し終わると、タイガはそう言い捨てて出て行った。ヌマタも続いて去る。 すると、トイレからちょうど出た廊下で、タイガはある男に呼び止められた。 「よお、タイガ」 タイガの顔から一気に笑みが消える。 全身ずぶ濡れのミナミがドアから出てきたのは、ちょうどその時だった。それを見た瞬間、男のキリリと冷ややかな眼光が、鋭くタイガの目を射た。 「おい、お前ら、何してる」 タイガは、震える口を開いた。が、声を発するまでには至らなかった。 ドサッ――三人の目の前で、ミナミが気を失って倒れた。 〈つづく〉 |
二か月余りが過ぎて、ようやくロクンは戻ってきた。遂に彼は、長期休暇のほとんどを故郷で費やしたのである。すると、出立前のあの知性の萌芽はどこへやら、改めて獣のような野蛮さを醸し出していた。 「なんだかしばらく見ない内に逞しくなったなあ」 夫はロクンの雰囲気をそう評価した。しかし、中学生でもあるまいし、たかが二か月でそう急成長することもあるまい。これは、元の彼に回帰したのである。陽子はすぐさまそう分析した。 彼女は冷静だった。二か月という時間は、彼女にとってそれ程長かったのである。この間、ようやくにして元の自分を取り戻していた。ひと月前の逆上せ方が嘘のようである。 反省はまだ十分でない。そこはまだ観念的の範疇を出ない。つまりは、自分を信じ切れていない部分がある。だが、体はすっかり冷えた。だから、最初の頃のように自然に応対することは出来る。それはまるで、リセットされたような具合に。 ロクンもまた等しく距離を置いているようだった。あるいは、再び獲物を狙う段階から始めているのかもしれない。とはいえ、いずれにしろ彼が何かしようとしても、それは難しかった。 「ロッくん、ロッくん!」 はしゃぎ回る静志。ロクンが帰ってきてからずっとだ。ずっと傍にくっついて離れない。ロクンは一人になる暇がない。 「おいおい。セー君はロッくん大好きだな」 頬を緩める夫。和気あいあいとしたムード。これこそ留学生とホストファミリーの理想的な交流であった。陽子も共に笑い、食卓は和やかに過ぎた。 しかし、本当のリセットなどありはしない。陽子は再び見た。 「あっ、ママだ」 慌てて取り繕う息子。それは、二人の風呂から上がるのがあまりに遅いので脱衣所を覗いた時だ。まるであの日の再現か。眼前に屹立する男根。陽子の心臓が"ドキン"と大きく打った。 恐らくはまた叱られると思ったのであろう、何もしていなかったかのような素振りの静志だが、彼がまた戯れていたことは明らかだった。あの巨大な黒棒とだ。 母は、しかし何も言わなかった。 「風邪引いちゃうわよ」 そう言いながら、息子の体をタオルで拭いてやった。その間も、背後にゆらりと大きなペニス。 「"逞しくなったな"」 あの評価は確かだったかもしれない。久々に見ると、ただでさえ大きかったものが、よもやこれ程までと驚く位の迫力を備えていた。赤と黒のコントラストも仰々しい。息子はきっと、またこの図太い幹にぶら下がって遊んでいたのだろう。 男が女の裸を見るのと違って、女が陰茎を見たって欲情などしはしない。この前同じ状況になった時の陽子もまさにそうだった。それなのに、今は……。 タオルを握る手に力がこもる。 「(来る……!)」 敵に後ろを向けたまま、彼女は覚悟を決めた。背後からだ。間違いなくまた一撃で落とされる。キュウッと菊穴がすぼむ。肉ビラに汗をかく。 だが、彼は来なかった。黙って出ていく。 「あ……」 脱力して背中を見送る陽子。その足元から、 「待ってよぉ」 と静志が駆けて行った。陽子は微かに頬を染めた。取り戻したはずの冷静がメッキだったと、彼女は自覚せざるを得なかった。 動揺しだすと脆い。ロクンの真意を測りかねる。静志の寝室での出来事。いつかと同じように陽子とロクン、二人で静志を寝かしつけることになった折も、やはり彼女は覚悟をした。が、彼は何もしでかさなかった。肩透かしを食らった、そう感じる自分に気付く。 次第に陽子は落ち着かなくなった。寝付かれもしない。単純に考えれば、獣のロクンのこと、欲すれば奪い、要らざれば捨て置くだけだと分かるのだが、彼女にはもうそれが見えていなかった。今は終始、かの人の顔色を窺うのみである。 ある朝、彼女はスカートを履いた。ひと月以上履いていなかったものだ。それは彼女にとりたまたまのことだった。そして、早起きした静志と共にロクンの部屋へ彼を起こしに行った。それもたまたまのことだった。 「ロッくん!」 戸を開けるなり、ベッドへ向かってダッシュする静志。苦笑しながら陽子は後から付いていった。そして、にわかにハッとした。 ロクンの胸板にまたがる幼子の背後に、それと並行して立っている影がある。暑いので布団を払いのけたものか、スウェットの前が高く盛り上がっているのが一目瞭然だった。 「あ……」 目が離せない。刹那より、陽子の足は独りでに歩んだ。吸い寄せられるように進む。そこは約束の地。そこは優しく、また頼りがいのある安息の地だと、そんな確信が急速に広がっていく。全くいきなり得た確信、急転直下の悟り。もはや理屈ではなかった。 「(何をしようと、わたし……)」 理性の判断が追いつかない。そんなに性に飢えているのか、そんなつもりはないのである。そうではなくて、何かすがりつきたいような、救いを求めているような感覚だ。 ズボンをめくる。途端に弾け出るペニス。ロクンは抗わない。彼と面と向かって無邪気に遊ぶ静志。全く気付いていない。陽子はそれに悟られぬよう、彼の後ろに並行して、ロクンの下腹部に静かにまたがった。 恐ろしいという気持ちは不思議と無かった。あるいは、それを上回っているのが、もはや人倫の地平で常識を見通さず、それから解脱して救われんと欲する悟り。まるで極楽に咲く蓮の葉のように、ロクンの股間は眩かった。 陽子は思考の決断より先に動いていた。スカートに手を入れて陰裂を覆う布地を脇へめくる。肉茎を握る。そして、その位置を定め、その上へ一思いに座った! 「ンフゥッ!」 途端に口を覆い、悲鳴をかみ殺す。加減をするつもりが奥までいってしまった。ズブズブズブっと、重力に任せて一気に滑り落ちる。体もよくしたもの、完全にくわえた。直ちに脳天へ電撃が直撃。芯棒は子宮の奥壁まで。今や女体をそれのみで支える。もちろん、絶頂した。 「あっ、ママも来た!」 背後に気付いた息子がそう言って嬉しそうにのけ反るのを、母はその頭上に顎を乗せつつ、思い切り抱きすくめた。愛ゆえの抱擁でも戯れでもない。息子は知るまいが、母はそれを息子ではなく、もはや手すりか何かの物体としてしか認識していなかった。 「ンッ! ンンン……ッ!」 歯を食いしばって耐えるその表情は、一種おどろおどろしい程の凄みをたたえている。目をひん剥き、眉間に深い皺をつくり、耳まで真っ赤にした様は、丸っきり狂気に満ちていた。こんな母を、息子は知らない。見たら泣き出すかもしれなかった。 その表情の裏では、今しも天国と地獄が一遍に蘇っている。何もかも思い出したのだ。元通りに、二か月の空白などなかったかのように。 「(しまった!)」 とっさにそう思う。忘れていたわけではないが甘く見ていた。ここは極楽でもなんでもない、そんな疑いも湧いてくる。 だが一方で、解脱のいざないは強固でもあった。後悔は過程として、しておかなければならないもの。過程は女に必要な儀式である。そしてまた、"もう済んでしまったことは仕方がない"のでもある。 "手すり"にしがみついて、女は小刻みに震えた。口辺から垂れた涎が、それの柔らかな髪の毛の上に落ちる。かの小さき背に、凝り固まった乳首が刺さる。 ロクンは腰を使い始めた。たちまち起こる地盤の起伏に、静志は大声上げて喜ぶ。 「地震だ、地震だ!」 それに同調して尻肉をプルプル震わせる陽子。貪欲な海溝は、たとえ大ナマズだろうとたらふくくわえ込む。震源地は性のダイナミズム。たちの悪い地震だ、一向に止まない。 と、そこへ、 「おいなんだ。朝から賑やかだな」 子供の声を聞きつけ、夫が起きてきた。あくびをしながら部屋を覗き込む。ビクリ、と陽子の肩がいかった。この世とのつながりは、まだ絶たれていない。彼女は呼び戻されたのだ。 しかし、子はかすがい。母は紙一重で命を繋いだ。 「あっ、パパも!」 静志がたちまち忙しく手招きして、近寄った父を手繰り寄せる。 「おっとっと!」 父は全体を確認する間もなく、よろめきながら妻の肩にすがった。その手の下で、妻は今まさにアクメに達している。我が子を抱きしめながら、黒人青年との交尾でイき続けている。 夫は疑いもしない、今触れている妻の体の中に留学生のペニスが入っているなんて。彼女の体温が、オーガズムの所為で熱くなっているなんて。常識から考えて、我が子と並んで騎乗位セックスする母親なんているわけがないのだ。起き抜けにそんなバカげた空想をする程、彼は妻と違って猟奇的な人間ではなかった。 そんな父に、静志は同じく後ろにまたがるようにと指示する。 「いや、さすがのロッくんも無理だろう」 困り顔で夫は妻へ視線を向けた。すると、彼女は、 「大丈夫よ」 と、力強く答えた。不思議なもので、この期に及んで難なく受け答えができた。これを魔性と言うのだろうか。彼女はそんなことすら考えた。 「よおし、じゃあロッくん、覚悟しろよ」 夫はおどけながら、息子と妻の間に腰を下ろした。大はしゃぎの静志。彼の腋を抱えて戯れる父。それに、さっき息子にしたのと同じようにしがみつく母。家族三人仲良く乗る、バナナボートだ。 ボートはよく揺れる。三人乗せてもまだ揺れる。 「おうおう、ロッくん、やるな!」 夫はロクンを讃えた。さすがに頑丈だ。ロクンは強き男である。その強さで人妻を獲得した。妻を犯す彼を夫は楽しげに褒める。 その陽気な背中へ、陽子はすがりつく。だが真実頼っているのは、もちろん下半身の方。旧主は体の支えに利用するのみである。真実の主との交尾で、狂い倒れてしまわないようにと。 「イヤァ……!」 時折漏れる女の悲鳴。激しい揺れの故家族は疑わない。が、夫と息子の上げるそれとは意味が違う。彼らの感じている楽しみと、母と留学生が感じている愉しみが全然別種だということは、世界で二人のみが知ることである。 ボートごっこと生交尾。ロクンの強さは、いわば一つの家族全員を同時に喜ばせることに成功していた。 「ハアァ……!」 夫の背中を涎で濡らしながら、陽子は悦楽にむせんだ。二人の背中を前にしても、淫肉の収縮が止まらない。二か月のお預けを喰らった後でのいきなりの一発だ。この衝撃は大きかった。たとえそれが家族と一緒の騎乗位セックスであろうともう腰が止まらない。白く泡立つ愛液をほとばしらせ、めくれた柔肉は極太の黒棒を一心不乱に摩擦する。家族の知らぬところで二人は大盛り上がりだ。 陽子はいよいよ正体を失って、最前列の息子にまで手を伸ばして引き寄せた。彼はそれを、母親がふざけていると思って、これまた大喜びで歓迎する。 「キャハハ、ママー!」 息子、父親、母親、と三人並んで座る光景は、横から見ると何と微笑ましく幸せそうな光景だろう。その輪に遠国からの留学生も加わって、これほど理想的な交流はない。ただ母親の膣に、留学生の陰茎さえ入っていなければ。 「"ママはボートごっこしているんじゃないよ。お腹の中にロッくんのおチンチンを入れて、気持ちよくなっているんだよ"」 もしそう耳打ちされても、幼子にはまだ分かるまい。他方、夫はどうか。逆上して引き剥がすか。 だがもはや遅きに失する。これから妻の胎内への子種発射まで、もう幾何の猶予もないのだ。静志にプレゼントされる弟か妹は、お父さんではなく、ロッくんに似て、肌の黒い子になるだろう。 「おいおい、そんなにくっつくなよ」 噴き出す夫。それ位、陽子の腕の締め付けはきつかった。それと同時に、彼女は膣肉も締め付けていた。 「ウフ……ッ!」 涙を流して、彼女は吐息を漏らす。それは喜悦の涙だ。胎内に熱が広がりだす。射精が始まった。陽子は家族を抱きしめながら、膣内射精されたのである。 その後、頃合いで切り上げて夫が立ち、それを引きとめた息子もいずれ飽きて去り、最後に男女だけが残ると、女は犬のように這いつくばってもう一発、今度は思い切りの腰振りから精液を子宮へとたらふく注いで貰い、ようやく朝の家事に立った。 〈つづく〉 |