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R18
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「オナこもりの小説」は、エロ小説を気ままにアップしていくブログです。たまに、AV女優や、TVで見た巨乳のことなども書いています。左サイドにある「カテゴリ」から、それっぽい項目を選んでご覧ください。



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妄想の座敷牢羞恥の風ましゅまろくらぶ



小説には、連続作品と一話完結作品があります。連続作品は、左「カテゴリ」の各作品名より一話から順番に読むことができます。また「目次」には、各作品の概要などをまとめた記事が集められています。

■連続作品
◆長編作品
「子宝混浴『湯けむ輪』~美肌効姦~」

◆中編作品
「大輪動会~友母姦戦記~」
「青き山、揺れる」 ▼「師匠のお筆」

◆オムニバス
「母を犯されて」

◆短編作品
「育てる夫」  ▼「最後の願い」  ▼「ママの枕」  ▼「ブラック&ワイフ」
「夏のおばさん」  ▼「二回り三回り年下男」  ▼「兄と妻」

■一話完結
「ふんどし締めて」
「旧居出し納め・新居出し初め」  ▼「牛方と嫁っこ」  ▼「ガンカケ」
「祭りの声にまぎれて」  ▼「シーコイコイコイ!」  ▼「サルオナ」  ▼「母の独白」
「童貞卒業式」 ▼「お昼寝おばさん」  ▼「上手くやりたい」 ▼「珍休さんと水あめ女」
「栗の花匂う人」「乳搾りの手コキ」 ▼「妻つき餅」 ▼「いたずらの入り口」
「学食のおばさん便器」 ▼「山姥今様」 ▼「おしっこ、ついてきて。」

作品一覧

育てる夫(7)育ての熟女


十二歳



 ひとみは地域の剣道大会に来ていた。理生の応援である。彼の親も来ていないのに、隣人だけ来るのは妙なものだ。完全に育ての親のような顔で席に座っていた。

 理生は運良く勝ち進み、遂に決勝まで来た。が、そこで惜敗。試合前に先生から、

「よくここまで頑張った。負けることを気にせず楽に行け」

などと声を掛けられ、これは肩の力を抜いてやろうという配慮だったのだが、そういう甘いことを言われると、

「あ、負けてもいいんだ」

と受け取ってしまうのが彼なのである。とことん楽な方へ流れようとする。

 こうして試合では空振りだったが、寝所での竹刀は冴えに冴えて、勇猛果敢に相手へ攻め込んでいく。

「スゴい! ああ、スゴいわ、リオ君」

鋭い切っ先に懐深く突きまくられて、ひとみは立て続けに一本を取られた。

 それまでは専ら正常位だったのが、使える体位を増やし、今はバックで挿入している。ベッドへ四つん這いにならせた相手の大きな尻を掴み、上手に腰を叩きつける。性具には毛も生え、貫禄すら窺えた。

 精通を経て以降も、彼の訪問が絶えることはなかった。何のためらいもなく、何となれば次の日には普通に来ていた。理生にとって、ひとみの家は、彼にとってのいわゆる楽な方だったのである。何の不安もなく、ただ優しい気持ちで居られることが出来た。

 悩んだのはひとみの方である。一人前となった男性を相手にする以上、これまで同様の自由奔放な交わりを続けるわけにはいかない。そこでまずは、精子や性交の意味などを改めて説明した。男児にとってそれは、学校より早い性教育であった。

 理生はまず驚いた、これまでしてきたことが子作りだったことに。しかし、それ以上に、ひとみとそれを出来ていることに感動していた。彼女に自分の子を産ませたいとまでは、自分が子供だから現実的に思いも付かない。ただ、大人として対等の立場になれた気がして、それが嬉しかったのだ。これはもう恋人とか、いっそ夫婦と呼ぶべき関係ではないのか。

「気持ちいいだけじゃないのよ」

ひとみは諭すように、且つはまた寂しそうに語る。この結果、彼との関係を解消することになっても致し方ないことだ。ただ、自分から突き放すことはしなかった。

「もう出来ないの?」

すがるような目で、理生が問う。それを見ると、ひとみの心は一層揺れ動いた。体の欲を満たすばかりでなく、彼と過ごす時間そのものが、既に彼女の中で大きな意味を持っていたから。

「そうねえ……」

避妊という手段を取ればいい。ことセックスに限れば答えは簡単だ。それは最初から目の前にちらついているが、それへ安易に飛びついて良いものか。これまで散々、ありのままに言えば、若い性を食い物にしてきたくせに、ここまできて今さら彼女は真剣に悩みだしていた。

「イヤやっ!」

理生はいきなり飛びついてきた。そのまま相手を押し倒そうとする。

「待って! ダメ。今日は、ダメ」

ひとみは、まだ結論も出ないままに、とりあえずそれを押しとどめる。見れば、理生は薄っすらと目に涙を溜めていた。彼女は励ますように明るく笑う。

「別に、もう会えないわけじゃないんだから」

この子に判断を委ねるのは酷だ。何より卑怯だ。そう思った。

「今日はお口で我慢して。お口でしてあげるから、ね?」

ひとみはそう言うと、彼のブリーフを脱がし、既に半勃起状態のペニスへ唇を寄せていった。

「今日も精子出るのかな?」

わざと冗談めかして言い、上目遣いに相手を窺う。理生はいつになく落ち着かない様子だったが、口淫が始まると次第にそちらへ気を取られていった。

「ンフ……」

今までより男らしい匂いを感じるのは先入観の所為だろうか。男根をしゃぶり上げながら、ひとみは思った。舐める程に先端から汁が溢れ出す。確実に成長の跡が見られる。

 亀頭回りを段差に沿ってベロベロと舌で転がし、そこをすっかり濡らしてテカテカに光らせる。性に供する道具にしては美し過ぎる、無垢で鮮烈なピンクである。裏へ回って、縫い目から筋に沿って下降。竿は血管も浮いていず、これも清純なたたずまいだった。

 精嚢はどうか。溌溂とした弾力があり、今は引き締まった状態。玉を口に含んで舌上に転がせば、本格的に稼働を始めた為か、心なしか重たく感じられた。

 ひとみはさらに股の奥へ顔を突っ込んで、玉袋の付け根、肛門の手前辺りを味わう。

「ああ……」

焦らされているようで、理生はもどかしかった。早く肉竿をくわえてほしい。やはり気持ちいいのはそこである。

 散々外周を散策して、ようやく上に帰ってきた。唇をすぼめて、ひとみは亀頭から根元まで、ゆっくりゆっくり隙間なくずり下がる。ビクビクッと震える相手の反応が愉しい。あとは上がり下がりを繰り返し、口をまるっきり膣に見立てて、男根と交尾した。

「ハア、ハア……」

男児の呼吸が荒くなる。絶頂というより、出したいという感じ。精通以前とは明らかに違う、射精欲求ともいうべき感覚が、彼のフィニッシュを急に早めていった。

「ン、ンッ!」

前触れもなく、突如として口中に熱いものが迸る。一撃は喉にぶち当たって、ひとみは悶絶した。

「すごい」

とめどもない量が次から次へと放出されてくる。射出砲はビクンビクンと暴れ、それ自体が口を圧迫するのに、その度に発射されるザーメンで、たちまち内室は満杯になった。

「ンン……!」

たまらずに、ひとみは勢いのまま飲み下していく。形の崩れにくい塊が、ドロリと喉を通る。精液を飲まされたのは、夫が死んで以来早九年ぶり程になる。懐かしい。

 彼女はたっぷりと時間をかけて子種汁を味わうと、うっとりして彼が治まるまでそのままくわえっぱなしでいた。そうして、最後にストローのイメージで、尿道に残った分をチュッと吸い出してからようやく離してやった。

「ビックリした」

事後、ニッコリ笑って言う。

「もう、イく時はイくって言ってよ」

「ごめん」

反省する男児を見て、ひとみはまた笑顔を向けた。

 そんな日があった後に、彼女の姿はあるクリニックの中で見られた。避妊について相談する為である。ひとみはまだ、月のものがあった。

 そういう所に顔を出すのは気が引けたが、女性医師は別段詮索することもなく、心安く応じてくれた。先方とて仕事である。検査を受け、経口避妊薬を処方されて帰った。

 これが、ひとみにとっての覚悟だった。あの子に責任は取らせられない。そしてまた、引き込んだのは自分である。彼はただ、手近な快楽に溺れているだけだろう。今から将来を考えられる年でもあるまい。いつかは自然と離れていく。その時まで準備だけはしておこうと。残りの時間は、そう長くもないだろうから……

 避妊の方法としてコンドームも考えたが、いくら成長しているといっても当時はまだ小さく、着けてもブカブカで彼の用には足らなかった。それが合うようになってきたのは、ここ最近である。四年生になって性毛が生えだした時点でも、まだ使えなかったのである。

 理生の性欲は年々、いや日を増すごとに激しくなっていった。性の、いわばエリート教育を受けてきた彼。ましてや、性的好奇心もぼつぼつ強まっていく年頃だ。もっとも彼の場合、周囲より遥かに早熟ではあったが。

 ひとみの生理周期についても、自然とわきまえるようになっていった。何しろ、サンプルが身近にあるのだ。実践による理解が一番早い。いわゆる安全日などという概念も自ずと知るようになった。休みの日に安全日だと分かると、もう歯止めが利かない。

 四年生以降、理生は週二回、進学塾へ通うようになっていた。母親の意向で中学受験を課せられたからである。それでも寸暇を惜しんで、ひとみの家へ駆け付ける。

 夏休みに入るとそれは顕著で、ラジオ体操へ行ってから一発、プールへ行ってから一発、友達と遊んでから一発、などと一日中種付けを挟んで行動した。おかげで、ひとみは日に何度もシャワーを浴びねばならず、ただでさえ潤いの少なくなってきた肌をケアするのが大変だった。男性はその場だけ考えておればよいが、女性は何かと気を遣うものだ。

 もっとも、肉体の欲求が充実している所為か、女としての色香は衰えを見せなかった。若さに触れ、そのエネルギーを吸い、あるいは彼に見合うようにと気を張っていることが功を奏しているのかもしれない。

 もう五十路に入っており、理生はとっくに興味を失うものと思っていたが、どうしてどうして、彼の慕い方は強まる一方。五十歳が、男性一般の性の対象から外れる指標だと考えていた頃も遠い昔で、彼はひとみという女を、とことんまで研究し尽くしたいようだった。

 理生はある時、家から一本のビデオテープを持ってきた。父親が隠し持っていた物だという。それは、無修正のアダルトビデオだった。

「イヤらしいわね、こんなもの見て」

ひとみは揶揄した。ちらりと隣を盗み見たのは、彼がこれを使って、一人でしている姿を疑ったからである。しかし、実際には、理生はまだ一度もオナニーをしたことがなく、製造する精液は全て、ひとみに提出していた。

 二人してキャッキャと画面を見る。熟年夫婦でもあるまいし、無論こんな猥褻な映像を見ずとも気分は盛り上がるわけで、実際二人は、まだ作品の途中からイチャイチャとし始めた。元よりそのつもりで集っている。

 ひとみは理生の薄い胸板を撫でまわし、勃起した乳首を甘噛みした。すっかり背の伸びた彼で、その身長は彼女に迫る勢いだが、骨格がまだまだ未熟の為、全体としては小さく見える。まさに少年という形容こそ相応しい。痩せ型で、贅肉など一切ない体は羨ましくもあった。彼女も、理生に言わせれば、十分痩せているのであったが、二十代の時に比べると何となく丸みを帯びている。

 その特に丸く膨らんだ双丘を、理生は下から支えるようにして揉み回した。ひとみがリードする一辺倒だったのに、この頃は彼も能動的となり、今では主導権の奪い合いだ。程なくして、互いの性器を舐め合う形となった。

 陰茎は大きくなり、もう陰嚢と同時に頬張ることが出来ない。代わってくわえごたえの出てきた竿が、むしろ正統な満足を与えてくれる。ひとみは溢れるよだれをベトベトにまぶして、逞しい怒張を頬張った。

腹側から見る角度こそ、いつも彼が見ている光景なのだろう。そう思うと、女だけが見られる裏側からの視点とはまた一味違った趣きがある。

「ステキ」

彼女はくわえながら顔を横に寝かし、腿の上につけた。ポコリと亀頭の形が頬に浮き出る。

 一方理生も、正対するのと天地逆転した女陰を、これはもう見慣れた形なのだが、いまだに飽きることなく愛でていた。いたずら心を起こして、丸見えのアナルをペロッと舐める。

「イヤン、そこ違うでしょ」

即座に叱るひとみの、この反応が可愛くて好きだ。恥ずかしそうに紅潮したおちょぼ口も愛しく見える。その穴が汚いこととはどうしても結びつかなかった。彼女の尻は引き締まってこそいないがあざもなく、少年は当たり前に見ているが、かなり綺麗な白い肌である。

その白さの中だから、陰部の色素は相対的に目立つ。目印のようなその凹みの内部は、まるで洪水のように愛液で浸水していた。こちらが舐める前からである。その貪欲な洞穴は、今でも難なくフィストを受け入れるが、理生も緩急を覚えてきて、闇雲にはやらない。

彼は、彼女の股の間から、テレビ画面へちらりと目をやった。彼にとってそれはオナニーの道具ではない。セックスの教材だ。これで学んだことを、ひとみで実践するのである。

中指と薬指を下向きに挿し込んで、中で折り曲げる。そして、そこにある壁を、連続して刺激した。腕が疲れるのも厭わずに、細かく細かく動かす。クチャクチャと水音が轟いた。

「アアン」

足元から嬌声が聞こえる。感じているのだ。彼は自信を持って、一層壁面をこそばした。

「ダメ、来ちゃう!」

程なくして叫んだ瞬間、ひとみは盛大に噴き上げた。潮である。理生は顔中にそれをかぶった。

「ヤだぁん」

体位を崩した彼女は、己のぶっかけた汁でグショグショに濡れている彼の顔を見て恥じた。相手はそれでも得意げに笑っている。

 理生はコンドームを準備した。六年生になった今では手慣れたものだ。初めて装着法を教えてもらった時、それはひとみの手ずからであったが、着けてもらっている最中に射精してしまったのもいい思い出である。その時彼女は、ペシリと彼を叩いて大笑いしていた。

 潮まみれの痴穴に狙いを定め、ゆったりと男根を挿入していく。

「アアン!」

と女の喘ぎ声が響くが、これはビデオの中のこと。女優らしく作り込んだ声で派手に騒いでいる。だが、ひとみも負けてはいない。こちらは心からの悦楽で淫らに鳴く。

「アッ、ア、ア……アアッ!」

女と女の声が交錯する中、実際の方がやはり実力は上である。

 ひとみは、挿入後間もなくイッていた。といっても、男と女では態様に相違があるから、イき始めたといった方が適切かもしれない。あえて男的な感性で言えば、女は何度でも昇天出来るといったところであろうか。男には羨ましいコストパフォーマンスである。

「イくぅ、イッてるぅ!」

蕩けた瞳で少年を探して、彼女はペタペタと相手の腕や腋に触った。

 理生は女を支配する悦びに震えながら、グッと耳元へ近づいて言った。

「ねえ、顔に出していい?」

「え……?」

よく分からないといった様子のひとみ。重ねて理生は言った。

「顔に……お顔に、出し……精子、かけてもいい?」

彼は如実に教材の影響を受けていた。

「ええ……?」

ひとみは戸惑った。彼女は家に居ても、きちんと化粧を絶やさない女性だ。化粧自体得意で、その美貌もこれによって倍化されている面は否めない。理生と逢う時はなおさら気を遣って念入りにやってきた。

 だから、それを台無しにするというのは、些か不本意である。これも若さ故の好奇心だろうか。そういえば、遠い昔に夫からされたこともある。あの時は自分も若かったが……

 彼女は迷ったが、切なく懇願してくる少年の希望を、冷徹に退けることは出来なかった。現に今愛されている彼の顔を見ていると、何でも許してやりたくなる。

「……いいわよ」

一度位は、という気持ちで、彼女は受け入れた。

「顔に……いいの?」

ウンと頷いてみせる。理生は喜んで男根を抜くと、手早くゴムを外して、ひとみの顔の上へ寄っていった。

 ひとみはギュッと目を閉じる。近くに熱気を感じる。ちょっとした緊張感があった。

「ンッ!」

白濁汁が迸る。狙った以上に正確で、それはピューッと顔の上に筋を作った。先頭は額左寄りの生え際に落ち、そこから斜めに顔面を横断して落ちた。そこから何本も何本も、次第に距離を短くしながら、ある線は眉間から唇へ、またある線は右目蓋から頬の下部へ、ほかにも両唇を跨いだり、こめかみに沈んだりしていった。最後の方は鼻回りに掛かり、さらに搾られると、一滴がボタッと鼻の頭に落ちて終わった。

 理生にとって、それはお漏らしのような解放感だった。出してはいけない所で出してしまう感覚。それに似ていた。女の人の顔に精液を排泄することは、物を知らない彼でも、背徳的な気がしたのである。

「終わった……の?」

目を開けられないから、ひとみには状況が分からない。喋ると、唇を伝って粘液が流れ込んできた。それはあぶくとなって、会話を妨げる。鼻の穴にも入ってきて、呼吸がしづらい。汁は元の場所にとどまっていないで、次々と耳の方や首の方、髪の中まで流れ落ちてくる。総じて、顔中が熱い。

 口内に射精された時を思い出す。あの時も、何しろ沢山出たイメージだ。あれと同様か、あるいはそれ以上の量がぶっかけられたことになろう。言いようのない落ち着かなさがあって、彼女は早く拭き取りたかったが、理生はまだ見ているようで動かない。

 小鼻の左右や目蓋の窪みに、白濁した水たまりが出来ている。見慣れた顔が一面汁だらけに汚れている。理生はじっくりと観察した。何度も間近に見て、その度に見とれることも多かったが、今はゾクゾクする程、芸術的な造形美に感じる。加えて、やっと彼女を我が物に出来たような感動もある。

「ねえ、もういい? ティッシュ取ってくれる?」

女の声がその感慨を破ったが、彼は答える代わりにペニスをその口へ持っていった。

「ン、あ、ちょっと……」

頼みと噛み合っていなかったが、ひとみはすぐ意図を察し、差し出されたものを素直に口へ収める。射精後にフェラチオしてやるのは、大抵いつもやっていることだ。唇周りのザーメンも一緒に流れ込み、口の中で肉竿にまぶさる。いつものように、まだ硬さを保ったままだ。

 やっと終わったと思ったら、理生はガバッと覆いかぶさってきた。股の間に戻っている。

「ねえ、もう一回」

「え? え?」

ひとみが戸惑うのをよそに、言うが早いか彼は再び挿入を開始していた。

「もう一回って、ちょっと……ン、ね、ねえ、ちょっと……」

乳房を鷲掴みにしながら、ゴリゴリと男根を摩擦する。

顔射……顔はもう、ダメだからね」

聞こえているのかいないのか、理生はひたすら腰を振る。数分後、また絶頂の波にたゆたっている頃、結局ひとみはまた、したたかに顔面シャワーを浴びせられるのだった。





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[2023/03/25 22:00] | 「育てる夫」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
戯曲 「童貞卒業式」


凸凹30年度 童貞卒業式





式次第

一、開式の辞
二、肉便器入場
三、性交試技披露
四、筆おろし之儀
五、清拭口淫之儀
六、肉便器式辞
七、後見女子祝辞
八、保護者会祝辞
九、非童貞答辞
十、閉式の辞





童貞
大澤 竜心(おおさわ りゅうしん)中 学 2年 生 1 4 歳
向 鐘鳥(むかい かねと)中 学 2年 生 1 4 歳
久家 健斗(くいえ けんと)中 学 1年 生 1 3 歳
辻 晴義(つじ はるよし)小 学 6年 生 1 2 歳
冨士野 生(ふじの いく)小 学 6年 生 1 1 歳
柿川 仁誠(かきがわ にま)小 学 5年 生 1 1 歳
齋藤 泰然(さいとう たいぜん)小 学 5年 生 1 1 歳



肉便器
馬場 梨里杏(ばば りりあ) 24歳



後見女子
原山 明莉(はらやま あかり) 中 学 3年 生 1 5 歳
皆口 寧々(みなぐち ねね)中 学 2年 生 1 4 歳
黒川 桃実(くろかわ ももみ) 中 学 1年 生 1 3 歳
玉城 美空(たまき みそら)中 学 1年 生 1 3 歳
堰沢 結季(せきざわ ゆき)小 学 6年 生 1 2 歳
代々木 ゆら(よよぎ ゆら)小 学 6年 生 1 1 歳
梅木 芹奈(うめき せりな)小 学 6年 生 1 1 歳
船岡 夏子(ふなおか なつこ)小 学 5年 生 1 1 歳
稲本 芽生(いなもと めい)小 学 5年 生 1 1 歳
ギュスターブ 月美(ぎゅすたあぶ らあら)小 学 4年 生 9 歳



見届人 何某







一、開式の辞


会場は体育館。奥に舞台があり、背景に「凹凸30年度 童貞卒業式」の看板が下がる。舞台中央にはベッドマットレス。その下手に演台を前にして見届人が全裸で立っている。上手には斜めに並んだ空席が七つ。ベッドを真ん中にして演台と空席が“ハ”の字形に配置されている状況。
舞台下、三メートル程距離を置き、後見女子達の席が横一列。既に女子達は全裸で着席している。その後ろに保護者並びに関係者の席が並び、中央の通路によって、それらは二つの島に分けられている。なお、保護者及び関係者は着衣である。

見届人「ただいまより、凸凹30年度 英才電子学院 童貞卒業式を開式致します」

見届人「それでは、童貞の皆様、御入場下さい」

七人の全裸童貞が会場後方より中央の通路を通って入場。一同、拍手で迎える。童貞は舞台上に上がり、上手空席を背にして並んで客席へ一礼。一同再び拍手。

見届人「ご着席下さい」

童貞着席。

見届人「申し遅れましたが、私、非童貞を代表致しまして、僭越ながら本日筆おろしの見届人を務めさせて頂きます、何某と申します。宜しくお願い致します」




二、肉便器入場


見届人「続きまして、本日の筆おろしをお引き受け頂きました、肉便器の入場です」

馬場梨里杏、全裸で会場後方より中央通路を通って入場。一同、拍手で迎える。

見届人「この度の肉便器は、英才電子学院 学級主任、馬場梨里杏様、24歳です。スリーサイズはバスト79センチ・ウエスト58センチ・ヒップ83センチ。童貞卒業式での肉便器役は今回が初めてでございますが、かねてより小 児性愛嗜好を公言しており、自ら志願の上お引き受け下さいました。また、華奢な肉体ながら激しいアクションにも耐える床上手であると、立花学園長はじめ皆様の推挙も頂いております。童貞達とは日々に接する間柄で、その気さくな性格からお姉さん的存在として慕われるオナペットです」

梨里杏、ベッドの前に到着すると、見届人の紹介が終わるのを待って、客席へ一礼。一同、再び拍手。

見届人「では、馬場主任、着座の上、ご開帳下さい」

梨里杏、ベッドの上に座ってM字型に開脚し、両手で大陰唇を広げ、以下のように宣誓する。

梨里杏「わたくし馬場梨里杏は、膣、口腔をはじめ、いずれの箇所も病に侵されておらず、この日の為に体調と体型を慎重に且つ万全に整えて参りました。この体全てを供し、童貞の皆様を筆おろしすると誓います」

一同、大きな拍手。なお、梨里杏のプロフィールと医師による健康証明は配布されたプログラムに掲載されている。




三、性交試技披露


見届人「続きまして、性交試技披露に参ります。恐縮ではございますが、見届人として、私がこれより童貞に手本を見せ、併せて肉便器の地ならしをさせて頂きます。なお、慣例と致しまして、膣の中を、本日卒業する童貞の初出し精液のみで充満させる為、私は射精せず、形だけにとどめさせて頂きますことを予めご承知おき下さい」

見届人「それでは、始めさせて頂きます」

見届人、ベッドへ移り、梨里杏に対して一礼。梨里杏もM字開脚のまま礼を返す。見届人は、キス、舌や手を使った全身愛撫、クンニリングスと、一連の前戯の型を披露していく。梨里杏はフェラチオを返し、やがて両者シックスナインの体勢となる。梨里杏の息が荒くなり、頬に赤みが差してきたら、濡れ始めた陰裂に、見届人は勃起している陰茎をあてがい、マイクを通さず、以下のように宣言する。

見届人「わたくし、何某は、僭越ながら非童貞を代表し、手本披露の型に則って、これより馬場梨里杏の膣に陰茎を挿入致します」

梨里杏、それを受け、同じく宣言する。

梨里杏「どうぞ、お入り下さい。わたくし、馬場梨里杏は、童貞に範を示す為、並びに筆おろしの用に耐えうる道具であることを証する為に、これより何某様の陰茎を膣に挿入して頂きます」

見届人、正常位で梨里杏の膣に陰茎を挿入。一気に奥まで沈めた後、ゆっくりと大きく出し入れをして見せる。やがて、次第に加速し、規則的に腰を振りだす。それを一定時間続けた後、交差位、後背位、後背座位、後背騎乗位、騎乗位、対面座位、と体位変更を披露し、それぞれで同じように規則的腰振りを一定時間繰り返す。最後に正常位に戻る。

見届人「射精します」

見届人は宣言し、射精したふりをした後、梨里杏を抱きしめ、しばらくして合体を解く。

見届人「わたくし、何某は、無事馬場梨里杏と性交を終えることが出来ました。この膣は誠に具合が良く、筆おろしの用にも大いに耐えうることを、ここに証明致します」

梨里杏「ありがとうございます」

一同、拍手。見届人、客席へ向き、ベッドの前に立つ。後見人席から立ちあがった夏子、舞台へ上がりその足元へ寄って控える。梨里杏はベッドの上で、元通りのM字開脚に戻る。

夏子「これより、お役目を果たされた何某様の陰茎を、わたくし、船岡夏子の口にてお清めさせて頂きます」

夏子、見届人の陰茎をフェラチオし始める。慣例として射精させなければならないが、慣れないせいで時間が掛かった為、見届人は夏子の頭を掴み、ややイラマチオ風にする。

見届人「射精します」

見届人、夏子の口内に射精する。夏子、緊張と驚きから涙を流し、むせ返りながらも精液を飲み下す。その後もフェラチオをもうしばらく続けてから、口を離して客席に向き直る。

夏子「お清めを終わりました。何某様は性交直後にもかかわらず再び射精をなさいました。まさに見届人に相応しい健全な陰茎をお持ちでございます。また、口の中にお出し頂いた精液は、残らず飲ませて頂いたことをご報告申し上げます」

一同、拍手。夏子、元の席へ戻る。見届人も演台へ戻る。

見届人「これにて、性交試技披露を終わります」


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[2018/08/01 22:00] | 一話完結 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
大輪動会-プログラム#10-

  *

 ムカデ競争――。

 それは、複数人が縦一列に結合して走り、他の隊列と勝敗を決する競技である。一般に足首を前後の者と結わえる形が多いが、本大会では数年前に怪我人の出たことが問題となり、腰を縛る形式が採用されることになった。つまり、一つの輪っかの中でぎゅうぎゅう詰めになって並ぶわけで、あるいは“電車ごっこ”と形容した方がイメージしやすいかもしれない。

 実際の所名称の変更も検討されたが、当地の風物詩ともいうべき代表的種目であるが故に、愛着を込めて“ムカデ”と相変わらず称している。というのも、これには原則として全員が参加し、出ないのは、乳幼児や足腰の弱った老人ほか体の不自由な者などごくわずかなのである。

「うん、分かった分かった」

係員から縄の先端を渡され、金光は隊列の先頭に収まった。本日唯一の出場競技である。酒臭い息で後ろを振り返れば、そこには清美がいる、佳彦がいる。そして有紀がいる。金光家が一チームに集合だ。

「お前、どこ行ってたんだ」

妻がひょっこり現れた時、金光は問うたものだ。当然であろう。人から行方は訊かれるし、電話を掛けても出ないしで。

「いたわよ、ずっと」

半ば呆れた風を作って、うるさそうに有紀は答えた。

 そう言われてしまうと、つい“そうかもしれん”という気になる酔っぱらい。実際あの後すぐに見つかったのかもしれないし、競技に出ていれば電話も取れないだろう。何より、相手は現に汗だくではないか。余程運動をしていたものとも見える。

 そこで質問を変えた。

「飯は食ったのか」

「ええ」

と、有紀は答えたものの、これには子供達が疑問を呈した。

「エー、お母さんどこで食べたの」

「なんでお弁当食べなかったの?」

 迂闊なことは言えないものである。夫も改めて怪訝な顔になる。もしここで係員からスタンバイを促されなかったら、ちょっと面倒なやり取りになっていただろう。

 話を中断して、前述の通り列を作る一家。その背後から、そっと有紀の耳元へ囁く者があった。

「大好物のフランクフルト沢山食べてたよなあ」

クスクスと笑いながら、男は彼女の後ろにぴったりとくっついた。

  *

「お母さん達、見えないよお」

椅子の上で背伸びしながら唇を尖らせる瑞穂。幼すぎる彼女は家政婦と見学だ。家政婦は相変わらずの無関心ぶりで、スマートホンばかりいじっている。

 観覧者より出場者の方が多いグラウンドはごった返しており、とても目当ての人物を見つけられそうにない。それでもしばらくはキョロキョロしていたが、見えないと知るや早々に諦めて、瑞穂は砂いじりを始めた。それでなくても、この運動会への興味はとっくに失われているのである。

 午後の部開始一番のお遊戯の発表。これが彼女の今日の仕事の九割だった。これ以外に年代別徒競走もあったが、それも午前の早い時間に終わっているし、後はやることがない。自分と関係ないことに対する好奇心など持ち合わせてはいない彼女である。それはたとえ、身内が出る種目だとしてもだ。

 姉の清美が組体操に出た時もそうだった。すごいなどという感動は全くない。

 組体操には、清美のほか、豊、聡、翼も出ていた。そう、彼女ら姉妹の母親とさっきまでくんずほぐれつしていた連中である。それが今度は娘と組み合う。とりわけ同級生の翼は、清美と体を接する位置にいた。もっとも、性的想像力の欠如した彼らには、娘――あまつさえ魅力的な容姿とは到底言い難い彼女と接しようが、日頃と同様特別な感慨はなかった。

 彼らは何食わぬ顔で決められた段取りをこなした。彼らに罪悪感は微塵もなく、その意味で純粋無垢に見える彼らの外観は一面真実であった。彼らはその行いの意味すら、いまだにはっきりとは理解していなかったのだから。

「がんばってね」

近くを通る時に、我が子・豊へ声援を送った母親。無論想像だにしない、このいたいけな男児が、母である自分よりも年上の女と子作りしただなんて。そして、集団レ○プをしてきたその足で、再び運動会に参加しているだなんて。

 彼女が特別ではない。ほかの子の親も、ひいては会場中の大人達だってそうだ。一体誰がそんな突飛な考えをするだろうか。それでも事実として、その小さな短パンの中には既にオスの務めを果たした生殖器が収まっているのである。

「お母さん!」

その生殖器を抱えて、競技後に母の下へと駆け寄る聡。その頭を撫でて活躍を讃える母。親の知らないところで子供は成長すると言うが、彼の場合、既にして彼自身が人の親になり得る肉体を有していた。

 それでも年の割に幼い所のある彼は、母の腿に跨って甘えた。布地越しにではあるが、膣内射精をした陰茎が己の母の体に触れる。

「あら甘えんぼさん。みんな笑ってるわよ」

そう言って彼女がたしなめると、聡は顔を赤くして離れた。と、そこへ豊がやってくる。

「なあ、もっかいヤりにいこうぜ」

彼はそう言って友人を誘った。翼も一緒だ。親達は無邪気な遊びの相談だと思って、なんの気なしに見送った、輪姦に行く我が子達を。

 その横、――母を犯しに行く同級生らの横を清美が通る。相変わらず愛されない彼女は、誰からも声を掛けられることなく、妹の下へ直行した。

「――お父さん出るって、ムカデ。あたしも行ってくる。お母さんも出るかな」

そう話す姉の言葉を聞き、出たいと駄々をこねる次女。しかし彼女は年齢上出場できないのである。

 結局妹を残し、姉はグラウンドに向かった。豊らの親達も出場する。そしてまた、有紀も。

  *

「瑞穂ったらさ、我がまま言って――」

振り返って清美が先程のことを報告する。弁当の件はさておき、久しぶりの母なのである。続けて彼女は、自身の活躍ぶりをかなり誇張して伝えた。それを、間に居る兄が遮る。

「おい、前向けよ。もう始まるんだからさ」

彼が不機嫌なのは、運動よりも、もっと携帯ゲームをしていたかったからだ。

 有紀はそんな我が子達の会話に曖昧な笑みを浮かべていた。その目はどこか虚ろで、かつはまた以前にも増して汗をかいている。

「アッ、ハッ……!」

急に痙攣して、前に居る佳彦に胸を押し付ける。

「押すなよお」

「ごめんごめん」

息子に怒られ、謝る母。だが、彼女の腿はまだ震えていた。閉じようとしても閉じられない。いや、閉じさせない何かがある。

 背後の男の右肩が僅かに上下していた。もしこの場が静寂に包まれていたなら、クチャクチャという音が聞こえただろう。それは、今日だけで二十八発も注がれた精液の音。それが聞こえるのは有紀の股の間からだ。

 最後に注がれたのは竜二のだった。つい今しがたまで彼に抱えられ精液を注入されていた。このグラウンドに出る直前まで。

「オラオラ、駅弁だぜオバサン」

彼はそう言って、宙に持ち上げた女体へと腰を打ちつけた。それが有紀にとっての“弁当”だったわけだ。具といえば“フランクフルト”という名の男根ばかり。家族との時間も惜しんで食し続けてきた。とんだ大飯喰らいではある。

 唇からは、雅也の“ミルク”が零れ落ちた。先程飲まされたものだ。新鮮なそれは粘っこく上下の唇の間で糸を引いた。その白い口から満腹の訴えが漏れる。

「ヒィ……イヤアァ~……!」

もう食べられないというのに、聞き入れられない。竜二は当たり前のようにまたミルクを下の口へ飲ませた。そこの唇もやはり間に糸を引く。有紀は彼の首にしがみついた。不安定な体位の為に仕方なかった。それを捉え違えて彼は、

「オバサン、そんなにしがみつくなよ。危ねえじゃんか」

とニヤニヤ笑いながら苦情を述べれば、横からは、

「中出し大好きなんだよな、奥さん」

「ようやく素直になってきたじゃん」

と花村と慶介が口々に囃し立て、皆で下品に笑い合う。

 竜二は、密着の心地よさをさらに強めるべく、抱え上げたままの有紀の背を壁に押し付け、そのまま最後の一滴まで彼女の肉唇の奥へと送り込んだ。さらに、それが済んで壁伝いにズルズルと落下した彼女の顔がちょうど自分の股間の前に来ると、汁まみれの肉棒をその口へとねじ込んだ。

「やっべ、今日何発でもイけるわ」

彼は恍惚となりながら独り言を言う。その言葉通り、確かに続きでもう一回やりそうな雰囲気だった。

 しかし、それは実現しなかった。急に島田が入ってきたのだ。

「こんな所に居たのか」

その後ろから比嘉も顔を見せる。彼の案内だった。島田は言う。

「もうすぐムカデだぞ」

 全員参加のムカデ競争。当然ここにいる連中もだった。組体操参加者は既に抜けている。残っているのは、それを除く男十人と女一人。そのいずれもがエントリーしている。

「なんだよ、出なくてもいいじゃん」

竜二が不平を言って、島田から叱られる。高橋、花村も、戻らざるを得ない点で一致していた。つまり、男達全員が去ることになる。

 有紀は光明を見出した。しかしそれは、たった一瞬でかき消された。

「金光さん、あんたもだよ」

島田が宣告したのだ。

「ご家族がお待ちですよ」

後から現れた鈴木もうそぶく。

 それからは、先刻の三人四脚と同じだ。有紀はまた白のティーシャツと赤いホットパンツを着させられ、ご丁寧に両脇から護送されて運動場に出た。

「(逃げられない……)」

トラウマ的絶望が彼女を覆う。もう何をしても助からないのだと。

 運動場には既に人が溢れていた。その中を一直線に進んで、自分の組へ向かう。家族の待つ組へ。

「どこ行ってたんだよ」

開口一番、夫も子供らも口々に母をなじった。彼女は、暗澹たる想いで誤魔化す。正直な所、取り繕うのも億劫だった。それでも真相は明かせない。そのジレンマに苛立ちを覚える。

「(人の気も知らないで)」

家族と言えど、他の者と同じだった。ここに居る大多数の連中と同じように、普通に運動会に参加し、半ば気だるく、半ば楽しみもし、今日というありふれた一日を過ごしている。有紀とは明確な温度差があった。かつはまた、彼らは自分のことばかり考えている。

「(わたしが何されてたと思ってんの)」

彼女は静かな怒りに震えた。

「(何されてたか教えてあげましょうか)」

今度は自嘲的に笑う。

「(輪姦よ、輪姦。お母さん輪姦されてたのよ!)」

そう言い切ってしまうと、返って清々しくもあった。もはや恥も外聞もなく全てをさらけ出して助けを求めよう。ここには数多の人間がいるではないか。そう思いつく。

 まずは家族。前方に並ぶ三人。夫は千鳥足、娘は自慢話、息子は不機嫌。母の悲劇に思い至らないのは当然としても、その姿を見ても、彼らは一様に何も感じないらしい。朝と服装が違うことや、そのほか何かと変化が見られるであろうに。

「(助けてよ!)」

 背後を見ると、前原が居た。金光から誘われて、同じ組にねじ込まれたのだ。彼と目が合う。すると彼はちょっと憐れむような表情になって、視線を落とした。有紀はたちまち不愉快になる。この時、恋慕の情は一気に吹き飛んだと言っていい。

 では誰が、一体誰が助けてくれるだろう。大会委員の中には実行犯がいる。教師も共犯。じゃあ女は。同性なら同情も。そう考えた時、かつて耳にした陰口が脳裏をよぎる。

『わざわざ着替えてきたのかしら。どんだけ目立ちたいのよ』

『それにしたって、あの短いズボン何?』

 有紀は今も履いているホットパンツの裾をギュッと引っ張った。信用は遠かった。

「(誰か……)」

頼るべき者などいない、ようやくそのことに気が付き始める。一緒にPTAをやっている保護者。それも望み薄だ。いつも邪険にしてきたし見下してきた。そもそも顔と名前すらほとんど一致しないではないか。もはや四面楚歌の心境である。

 と、そこへ後ろから声を掛けてくる者があった。

「どうした、キョロキョロして」

救世主、……などいるはずがない。振り返るまでもなく敵だと分かる。それは高橋だった。彼は有紀と前原の間に入り込む。そして、

「ここが寂しいか」

と囁くや、ホットパンツの隙間から陰唇の中まで躊躇うことなく中指と薬指を潜り込ませた。有紀の身に屈辱的な不快と、近頃慣れ親しんだ切なさがこみ上げる。

「言ったのかよ、旦那や子供らに。“レ○プされました”って」

高橋は問いかける、が、有紀は無反応だ。構わずに、高橋は続ける、相変わらず膣穴をほじくりながら。

「言ってやれよ、“朝から中出しされ放題です”って。“チンポ大好きお母さんなの”って」

人差し指が加わって、中の指は三本になった。ポタリポタリと粘液が地面に滴り落ちる。

“もう何もかも終わりだ”と有紀は思った。ここで全て白日の下にさらされて、自分から打ち明けなくても悲劇は結末を迎えるのだと。考えてみれば、子供らに自分の境遇を説明できるわけがない。だが遅かれ早かれ、彼らは知ることになるわけだ。彼女はまるで死に際したように、去私の境地を錯覚した。もはやなるようにしかならないのだと。


〈つづく〉


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[2015/11/04 22:00] | 「大輪動会」 | トラックバック(0) | コメント(1) | page top
大輪動会-プログラム#8-

  *

 上の口からも下の口からもブクブク白いあぶくを噴いて、有紀はもう尊厳もなく敗者の役割を全うしていた。時折身内から切なさが込み上げ眉間に皺寄せる時、刹那的に心が戻るが、喉奥へペニスをぶち込まれれば、すぐにまた木偶の坊に返る。

 口腔を支配しているのは射精して間もない比嘉。彼にとり、かの女の面を歪ませながら己の性具をしゃぶらせるというのは、ゾクゾクする程嗜虐心を煽られた。

 彼の跡を継いで女穴に収まったのは、どさくさ紛れにこの日一発目の鈴木である。彼は比嘉の出し残しを押し戻して肉壁に塗り込んだ。

「いやあ、奥さん、運動会は疲れるね」

小林がのんびりと、彼女の顔へタバコの煙を吹きかける。

 一行は今、体育館の裏からその中へと場所を移していた。一連の競技は皆グラウンドで行われる。体育館の中は人々にとって盲点だ。そう進言し、鍵を開けたのは比嘉。

「(これで、あの男が助けを呼んできても大丈夫だ)」

彼は暗にそう考えていた。加害者らしくすっかり打算的になっている。もっとも、助けを呼びに行ったのは前原だったので、戻ってくる心配はなかったが。

 体育館の入り口には竜二が立っている。交代で見張るルールだ。彼は、ただどちらかというと中の方を気にしながら、チラチラとせわしなく視線を動かしていた。自分もまたやりたいのである。なにしろ、鈴木の後を受けて次に挿入をするのは仲間の慶介だ。それが羨ましい。但し、彼の位置からは現場が見えない。

 輪姦は今、幕の下りた舞台の中で行われていた。昼間とはいえ、ひっそりと暗い体育館の内部。その中で、舞台の上だけ電灯が点いている。外には裾から灯りが漏れる程度。これならすぐには見つかるまいというのが、彼らの判断である。

「しっかし、暑いな」

花村が言った。幕を閉じた閉鎖空間には風の通り道がない。最初はひんやりと涼しかったが、何しろ八人も中にこもると熱気が出てきた。しかもある種の運動をしているのだから。

 彼は舞台袖へ引っ込むと、そこに一つだけあった窓を開けた。下手にだけ窓があった。

「開けて大丈夫?」

小林が聞いた。

「大丈夫っしょ、ここなら」

花村はシャツをパタパタさせながら軽く答えた。元より尋ねた方もバれるとは考えていない。ここは彼らにとって格好の隠れ家と思われた。

 しかし、どんな時であれ、その想定を簡単に覆す存在があるものだ。その存在、それは子 供である。彼らは時に大人の常識を飛び越えて行動する。今しも、縁の下にある道具搬入口から、そんな者達が侵入しようとしていた。

  *

 グラウンドでは、ようやく午前のプログラムが終了していた。結局有紀は、四つエントリーしていた内の一つしか出場しなかった。そもそもが、口さがない女達が言うところの“エントリーし過ぎ”である。逆になぜか飛び入り参加が一つ。なんにせよ、その気まぐれさに人々は呆れかえった。おまけにまた行方不明。

「チョー迷惑なんですけど」

運営を手伝っている若い女が言った。実際に彼女が損害を被ったという程でもないが、身勝手な人間にイライラさせられているのは事実だ。

「ホントホント」

「マジ意味分かんないよね」

彼女の友人らも調子を合わせる。自分達に利害の関係ない人間をやり玉に挙げるのは気楽だ。彼女らは有紀を会話のネタにしながら、弁当をつついた。

 今は昼食の時間である。彼女らの傍では、その幼い子供達が仲良く弁当を食べていた。それがはしゃぎ過ぎるのを軽く注意しながら、うち一人の母親が言った。

「で、まだどっか行ってるわけ?」

 その発言を受け、皆それとなく金光家の陣地を見やる。その陣地は広大だった。しかも最前列の特等席だ。普通は町組ごとに集合しているものだが、金光家だけは特別だった。

 今その広いシートの上に、三人の子供達、そして一人の無愛想な家政婦がポツリと座っていた。家政婦はスマートホンを熱心にいじくって、子守をしている風は微塵もない。弁当は彼らが昼食時間よりずっと前に食べてしまったので、もう残っていなかった。

「――でさあ、勝手にうちの弁当開けてるわけ。ゾッとしたわよ、あたし」

別の集団では、ある女が怒っていた。金光の長男・佳彦が、その女が持ってきた弁当箱を断りもなく開けていたというのだ。

「ウッソ、信じらんない」

聞いている方も同調して怒りを露わにする。

「どういうしつけしてんのって感じ」

「それでどうしたの?」

「さすがにブチ切れて追っ払ってやった。でもさあ、全然分かってないんだよね、なんで怒られたか。なんにも言わずにスッて」

「え、無視して行っちゃったの?」

「ヤダ、怖い」

女らは話しながら、食べ物を頬張る。

 また別の一人が言った。午前中に金光の長女・清美と組になって二人三脚に出走した女だ。

「あの子さあ、ちょっと」

彼女は頭の横で手をクルクル回してからパーを作った。

「“こっちの足から動かすの”って何回言っても分かんないわけ。おまけにいっつもキョロキョロして、誰にか分かんないけどずっと手振って」

「で、ちょっとニヤニヤしてない?」

「そうそう」

「あ、なんか分かる。あたしも前に――」

共通の敵を得て、女達の話は尽きない。これがコミュニティーで浮いてしまった一家の末路だ。これまで有紀は母親らとまともな付き合いをしてこなかった。その必要を感じなかったからだ。その結果がこれである。

 そんな悪評もつゆ知らず、当主の金光は我が子らの所へはいかずに、相変わらず委員席で前原を相手に自慢話を続けていた。簡易机の上には、空のワンカップ酒が三本並んでいる。

 と、そこへ島田が通りかかり、普段ならしない挨拶をしていった。島田はさっきまで輪姦現場にいたが、ちょっと中座して表に出てきたものである。大会委員である立場上、ずっと姿を消しているわけにもいかないからだ。その際、わざわざ金光の傍を通ったものである。無論含むものあってのことだ。

「あんたの奥さん、寝取りましたよ」

と。

「フン」

島田を見送って、金光は不愉快そうに鼻を鳴らした。隣家の彼とは犬猿の仲である。そいつがよりにもよって我が妻を犯していようとは、無論想像だにしない。

 同席している前原も、今の男があの当事者に含まれていたとは気づかなかった。彼は主人の不機嫌を察し、気を使って話題を変えた。まだまだ抜け出せそうにない。何しろ嫌われ者の事ゆえ、人が寄り付かないのだ。癒着関係にある業者なども、ちょっとご機嫌伺いをするとすぐ立ち去ってしまう。この場で運動会がらみの用事がないのは前原ぐらいであった。

 その彼をちょっと見返してから、島田は別の場所へ移動した。彼の方では前原を覚えていた。

「間男が、よくも抜け抜けと旦那に顔を会わせられたものだ」

と、自分のことを棚に上げて、彼は思った。そこへ比嘉が通りかかって、二人は視線を交わして行き過ぎる。比嘉もまた表に帰ってきていた。

 彼は有紀の子供らがいるシートの方へ行った。別にどうという意図があったわけではないが、いわば偵察である。

 そこには、息子の佳彦と一人の家政婦がいた。娘らはちょうど便所に行っていて居ない。佳彦は大人しそうな同級生を捕まえて、携帯ゲーム機の画面を見せていたが、その同級生の友人がやってきて彼を連れて行ったので、後に一人残された。

 と見ている間に、今度は別の少年らがやってきて佳彦に声を掛ける。

「案外交流があるんだな」

比嘉はちょっと不思議に思った。普段の佳彦は、周りから避けられている印象があったからだ。

 少年らは佳彦より一学年上の二人連れ。走ってきたものか、上気した顔をして笑いながら、ゲームの画面を指さしていた。

  *

 小さき者達は列を作って並んでいた。その先頭にいる者は、種付け中である。彼らは交尾の順番待ちなのだ。

「オッ、ゴオッ……!」

小さな突起に突きまくられて、有紀はよだれを垂らしながら啼いた。これでも初めは恐れ、拒んだのだ。だが今は、またアクメのるつぼに落ちてしまった。たとえサイズは小さくても、若い、いや若すぎるエナジーの鮮烈さは、女をしてハッとさせるものがあった。

「気持ちいいか?」

小林が侵犯者に尋ねた。訊かれた方は、ブンブン頷きながらか細い腰を振る。その様は、まるで小型犬が牛を相手に交尾しているようだった。それでも一人前にやることはやれる。

 有紀から見れば二回り以上も年下の彼。というより、もはや自分の息子を基準に数えた方が計算しやすいだろう。かつてこの列の初めにいたのは、息子より一つ年上だった。その後、同い年が現れ、そして今や、とうとう一歳年下まできた。我が子の後輩と彼女は性交し、あろうことか気をやっているのである。

「アッ、ヤッ、アガハァ……」

のけ反って突きに耐える。破廉恥極まる母親だ。まるっきり大人としての分別がない。

 大体からして、この狂気の顛末を支持する男達も異常ではあった。僅かでもそれを阻止する可能性のあった比嘉や島田がちょうど離れた隙を突いての出来事である。

 事の起こりは、道具搬入口から忍び込み、覗き見をしていた子らだった。彼ら三人組は、うち一人を除いて自慰経験すらなく、残り二人に至っては何が起こっているのかすら分かっていなかった。

 だからこそ、安易に人にしゃべった。相手は、三人の動きに気付いた、彼らより少し年上の少年らだった。通う学校の小・中は異なるが、年齢の上下に関係なく昔から遊んでいる仲だ。皆は揃って覗き見をした。新たに加わった連中は、さすがに年の功で状況の意味を飲み込んでいた。と、そこで、大人達に見つかったのである。

 第一に気付いたのは、大人、というよりこれまたまだ法律上そう扱われない年齢の、慶介である。彼ですらまだ子 供なのだ。いわんや追加の者達をやである。

 新人らは計八人もいた。その後の展開は、花村曰く、“完全な悪ノリ”であった。

「お前ら、セックスしたことあるのか?」

まずはニヤニヤ笑って、小林が訊いたものだ。八人の内、誰もが否やと答えた。

「今やってんのがセックスだよ」

「ていうか、マワしだけど」

竜二と慶介が口々に先輩らしく説明する。島田に続いて出て行った鈴木、現在見張りに立っている浩樹を除き、その場にいた男五人に囲まれ、新人らは縮こまっている。

「ヤッてみたいか?」

小林が面々を眺め廻しながら尋ねた。その質問に、高橋が驚きの声を上げる。

「おいおい、マジか」

彼は侵入者の到来に、端から眉をひそめていたものだ。彼にも息子があるが、明らかにそれより年下の男子達にこういう行為をさせることは気が咎めた。人の正義にはそれぞれバランスがある。高橋は有紀を憎み犯しはしたが、それと別な倫理も有しているのだ。

 そのバランスを他の者が揺らしにかかる。

「ここまでバれたらしょうがない、か」

と、花村が言えば、小林も、

「そうそう、口封じ口封じ。お仲間になってもらいましょう」

とダメを押す。分けても高橋に効いたのは、花村が発した次のセリフだった。

「まあ、どうせこんなどスケベ女だし、もうオナホール使うみたいなもんか」

 それで高橋の心は決まった。この恨むべき女が年端もいかない者達からさえ慰み者にされる。そういう場面を想像し、昂揚感を覚えたからだ。おかげで、少年らを巻き込む罪悪感は雲散霧消した。

「誰にもしゃべるんじゃないぞ」

彼はそう念押しし、事態を許容した。


〈つづく〉


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[2015/10/10 22:00] | 「大輪動会」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
ママの枕 ~ステージ4~

「いやあ、タイガ君とコウ君、仲いいねえ」

 傍に寄ってきたプロデューサーのキジマが言った。周囲にいた幾人かも頷いている。皆の視線の先には、撮影の合間に戯れる二人の子役の姿があった。

 キジマは続ける。

「前にね、タイガ君と"どうしても合わない"ってことで、結局使えない子があったんだけど。コウ君は大丈夫そうだね」

 ミナミは曖昧に笑って聞いていた。本来なら"それこそコウの実力だ"と誇りたいところなのだが……。今はただ、ニヤニヤと媚びた笑いを浮かべるキジマに愛想笑いを返すばかりだった。

「(うちの子とあの子の仲がいい?)」

 ミナミは鼻で笑った。コウはそう信じているだろう。しかし、その白々しい実態を、彼女は知っているのである――。

「――ア……ア……ア……」

 母体に抜き差しされる肉茎。この現場でも、彼女の仕事はあった。子役の母として我が子のみならず、ほかの"ムスコ"の世話もしなければならなかった。

 昔使ったセットだとか大道具類が雑然と置かれた場所に、まるで秘密基地みたいな空きスペースがある。ミナミはそこに連れ込まれ全裸にさせられて、四つん這いとなり濡れ膣を差し出しては、それを男の性欲の用に供するのだ。

 男とはたとえ仕事の現場であっても劣情を抑えきれないもの。少なくとも彼はそうだった。こんないつ誰が来るともしれない場所でも性の誘惑から逃れられないでいる。それにつき合わされ、まんまと性欲処理機と化したミナミ。

「ン……ンア……」

 音量は控えているが、途切れ途切れの喘ぎは漏れる。このペニスもまた上手かった。ワダやカトウと比肩する程である。初対面ながら彼女の感じる筋を巧みに刺激する。

 ミナミはいつもと違い、この乗り気でない営業について、まさか気をやるとは思ってもみなかった。むしろ耐えようとしていた。だが……

「アッ! ンンン……ッ!」

唇を噛み締め、彼女は唸った。我慢しようとすればする程、返って意識してしまうもの。結局今日も盛大に快楽の門を開放していた。

 やがて男も達し、彼女の搾精器に勢いある子種汁をどっぷりと吸い込ませた。ハアハアと息をつき、男が言う。

「良かったよ。おばさん」

 滑舌よく聞き取りやすい明瞭な発音、小声ながらよく通る声は、場数を踏んだ名優さながら。ただその声音はまだ声変わり前のウブなものだった。もしそうでなければ、誰も彼が少年だとは疑わなかったろう。

 しかし、その溌剌とした笑顔と幼い容貌を見れば見紛うはずもない。彼こそれっきとした当代一の人気子役、タイガその人であった。そう、共演する子役の母親を犯し、膣内射精の上アクメにまで至らせていたセックス巧者は、二十四も年下の少年だったのである。

「(まさか、こんな子供と……)」

 それは、最中からずっと考えてきたことだ。そんな呆然とする熟母の陰唇との間に受精液のつららを架ける彼の亀頭。既に使い込まれた風格を漂わせ、男としても経験豊富なことを匂わせていた。

「しゃぶってよ」

 彼の指令によって、その男くさいのを口に含むミナミ。背の低い相手のこと故、かなり背中を丸めてのフェラチオになる。なにしろ、ミナミが膝立ちをしてやっと同じ位の身長だ。そんな小人のなりでありながら偉そうに仁王立ちし、母親と見紛う女に精液を舐めとらせるタイガ。

 さっき彼が、

「中に出すから」

そう宣言した時、ミナミは彼の年齢で本当にそれが出来るのかどうか半信半疑だった。すると、それを見透かしたように、続けてタイガは言ったものだ。

「オレ、もう精子出せるぜ」

 ハッとしたミナミ。だがもう遅かった。そもそもコンドームの持ち合わせなどない。彼女はされるがまま、この年端もいかぬ子供と子作りをしたのである。つまり、彼の体は早くもその資格を有していたわけだ。

 なんという早熟であろうか。女を知っているどころではない。この年にして、一体どれ程の女を喰ってきたのだろう。これが芸能界というものか。

 枕営業を求めてきたのも、彼からだった。

「おばさん、ヤらしてよ」

 屈託のない顔をして、ぬけぬけと言ったものである。最初、ミナミは聞き間違いかと思った。しかし、そうではないわけで。

「なんかさあ、あのコウって子、絡みにくいんだよね」

 タイガは、広告塔にもなっている愛くるしい顔に、急に大人びた表情を浮かべて意地悪く言った。ミナミの背筋にゾクゾクとうすら寒いものが走る。彼の進言がきっかけで、既に番組を下ろされた子があることを彼女は聞いていた。

 彼はこうも言った。

「どうせおばさんが寝て取った仕事でしょ?」

 これにはさすがにミナミも激昂した。するとどうだ。気色ばんだ彼女を見て、少年は急に素っ頓狂な声で悲鳴を上げたのである。その声は、離れた所にいる大人達を振り向かせるのに十分だった。

「どうしたの」

 真っ先に駆け寄ってきたのはタイガの母親、サオリである。彼女はカズエとは違い男に媚を売ることなく、今もスタッフ達と仕事のことを真面目に話し合っていた。

 ミナミは一気に窮地に立たされた。

「(こんなことで……)」

 今までの苦労も全てパーである。なんのために体を売ってきたのか分からない。このドラマに出れば知名度は飛躍的にアップするはずだ。スターダムにのし上がるのも夢ではない。それなのに……

 気づくと、ミナミはタイガの袖をつかんでいた。まさに藁をもつかむ思いだった。すると、ニヤリと口辺を上げて、タイガは母に向き直った。

「ううん、なんでもない。コウ君のお母さんと、ちょっとゲームしてたんだよ」

 サオリが去ると、二人は申し合わせて移動した。なんのことはない。彼自身が既に枕営業をかけられる側の人間だったのである。片や、こちらの母はこれからが本番だ。

「(まさか、こんな子供と……)」

 まだ現実に感じられない。これまでの対象はキャリアの豊富な、彼女が陰で呼ぶ所のいわば"おっさん"ばかりであった。営業の相手を選ぶ時にも、漠然とそれらしい男から探してきた。

 ところがどうだ。タイガはこの年にして、彼らより下劣な方法を当たり前のようにやってみせるではないか。しかも、いかにも慣れた態で。ミナミが相手を子供として話しかける口ぶりにも、まどろっこしそうに横柄に応じるだけだった。もはや子供が調子に乗って大人の真似をしているといったレベルではない。

「わたし、あなたのお母さんと同い年なんだけど」

いよいよという間際になって、ミナミは最後の手に出た。正直な所、これを言うかどうかは迷った。嫌われた場合、結局コウが下ろされてしまうことにもなりかねないからだ。だから、これを言ったのは、それでも大丈夫だろうという読みが多少はあったからである。

 案の定、タイガは関心を示さなかった。

「フーン、そう。それ位だと思ってた」

 このやり取りが、結果的に合意の合図になった。ミナミは卑屈にも、かつての同級生の息子に媚びて抱かれることとなったのである――。

 白濁液にまみれた生殖器を、チューチューと吸う。彼のものはまだ小さい。成人男性とは比べるべくもない。だがこれで、現にミナミはイかされた。決して、おままごとではなかった。正直な所、最初は高をくくっていた。彼の股間には、縮れ毛一本まだ生えていなかったのだから。これで女を抱くなどと、滑稽な話だと思っていた。

 事が終わって、残されたミナミは一人、散乱した服を拾った。先程自らストリップした衣服。薄暗闇の中、ひんやりとした床に伸びる下着が痛々しい。

 撮影現場に戻る。と、キジマの向こうからタイガがこちらを見てニヤついていた。魔少年とも評すべき悪どさだ。ミナミは生まれて初めて、小学生に対して恐怖を感じた。果たしてその恐怖たるや、決して誇大なことではなかったのである。

 コウとタイガの撮影は、その日の後日も続いた。驚くべきことに、台本にないシーンまで追加された。それというのも、コウとの仲睦まじさが画になるという雰囲気を、タイガが醸成するよう仕向けたからである。

 最初のきっかけは、出番を終えたコウをタイガがわざわざ現場に招いたことだった。単純に友人として、遊び相手として呼んだのである。コウもすっかり"タイガ兄ちゃん"に懐いており、喜んで遊びに行った。そうする内、予定にはない場面にも"ちょっと出てみないか"と現場判断で勧められるようになったわけである。

 まさに営業の甲斐があったというものだ。だがもちろん、一度きりの代償で全て上手くゆくわけがない。

「ねえ、早く済ませて」

「何おばさん、そんなにチンポ欲しいの?」

「違うわよ。早くシないと人が来ちゃうから」

まるでセックスフレンドのように対等に会話する二人。ミナミはコウに付き添いで来る度に体を求められた。そもそも、タイガの狙いはこっちにあったわけで。

「オレさあ、子役の母親犯すのにハマってるんだよね」

彼はそう語った。若い女でも抱けるが、あえて母親クラスを選ぶのだと。

「母親とヤッた後でそいつの子供と共演してさ、"お前の産まれてきた穴に、さっきチンポ入れてきたぜ"とかさ、思う訳」

その下劣な発想には呆れるばかりである。しかし彼はこたえない。

「ま、役作りだよ役作り。"芸のコヤシ"ってやつ?」

誰かの口真似なのか、悪びれる風もなくあっけらかんと言う。幼くして大人の世界で揉まれると、こういう風になるのだろうか。少年の心の闇を覗いた気がして、ミナミはぞっとした。しかし彼女自身、その闇に引き込まれることを拒絶はできないのである。

 彼の命令によって、胸で肉竿を挟む。タイガは当たり前のように"パイズリ"を知っており、また経験があった。

「スゲー上手いじゃん! さすがおっさんらとヤりまくってるだけのことはあるよね」

 彼は憎まれ口を叩きながら、熟女の谷間膣を愉しんだ。

「(こんな子供に……)」

屈辱的な思いが、玉の汗と共ににじみ出る。ワダによって仕込まれた技術を、こんな年端もいかない悪童に披露することになるとは思わなかった。それでも律儀に奉仕は続ける。

 ミナミの巨大な乳房に対して、少年のモノは余りに小さすぎた。陰茎はもちろんのこと、ギューギュー引っ張られて、睾丸まで谷間にすっぽりと埋もれてしまう。手で男根を固定する必要もない。ミナミはやけくそじみて、それら竿と玉をこれでもかという位、脂肪で圧迫してやる。

「うお、締まる。マンコより締まるよ、おばさん」

ませた口をきくタイガ。その先端からトロトロの粘液が先走り出る。それと女の汗とが混ざり、クチャクチャと鳴った。柔肉の全方位マッサージですっかり決行の良くなった肉棒は、筋という筋を伸びきらせていきり立っている。それが胸の中でビクビク痙攣しているのがミナミには分かった。

「(出すのね、このまま)」

 折しもタイガが腰を使いだした。相手の肩をつかみ、コリコリした突起を精一杯に出し入れする。

 女陰の奥から、事前に中出しされた精液が押し出されてきた。体の反応に合わせ、中の蠢動と分泌液が後押ししたものだ。ミナミは、屈んだ姿勢のまま一層尻を突き出した。フェラチオの時程ではないにしても、やはり低い位置にあるものへの愛撫は不恰好だ。とても冷静な気分では取り組めない行為である。

 だが今は真面目にやる。"どうぞ"とばかりに双丘を捧げ持つ。くねらせた尻の奥で、ジュンと子種穴が濡れそぼった。その日も彼女はイかされていた。

「イくっ! ……ミナミ!」

 やがて、タイガは胸と胸の間で、自分の性器がすっかり隠れた中で射精した。その見えなさ加減といえば、まるで本当に膣内に出したかのようであった。

「(出てる……)」

見えなくとも、受ける方には分かる。熱いものが広がり、その熱とそれを送り出す脈動が心臓を打つようだ。ミナミは、いささか達成感めいたものを感じた。ワダ相手にも経験のあることだが、実によく働く彼女の乳間膣であった。

 一方、タイガは腰振りをなおもやめなかった。そんな時、遠くから、

「タイガ君どこ行ったのかな」

といった話し声がした。

 それが聞こえてもタイガはやめない。それどころか、浮ついた顔でこんなことを口走ったものだ。

「ねえ、おしっこしてもいい? おっぱいの中で」

それまでと違い、ややつきものが落ちたような優しい口調だったが、その内容は到底首肯しがたいものだった。

「え? え?」

人の近づくことに焦りもあり、ミナミは狼狽した。それへ、少年は宣言通りの無茶をやり出す。すなわち、女の胸の間への放尿であった。

「ちょっ、やめなさ……!」

慌てて制止しようとするミナミ。すると、その顔面へ小便が直撃した。ちょっと手を離した瞬間に陰茎が飛び出たものだ。彼女は急いでもう一度パイズリ姿勢になった。といっても、いくら彼女の乳圧がすごいとはいえ、あふれ出る放尿を止められるものではない。

「もう……」

眉根を寄せて耐えるほかなかった。それが動揺した彼女の下した最善の判断だった。タイガが小便を終えるまでの僅かな間、ミナミは彼のペニスを乳で挟んで、尿が飛び散らないようにするというのである。

 さっきとは違う熱いものは、さっき以上の勢いで迸り出る。みぞおちから下ったものは縮れ毛を濡らして床に落ち、また別な流れは、胸の上部を伝って乳首より零れ落ちた。次第に広がる水たまりは、近くに落ちていたインナーシャツまで侵食する。

「あっ……!」

それをどかそうとするが、姿勢を崩すとまた大惨事だ。結局耐えるしかなかった、ジャージャーと水が管を通る振動を肌で感じながら。ここに至りなば、ミナミの乳は生殖器どころか小便器であった。

「ふう……」

やっと終わってブルブルとタイガが下半身を震わせると、それにつられてミナミの乳肉もプルプル揺れた。彼はその残尿を熟母の舌で舐めとらせると、さっさと去って行った。

「どこ行ってたんだ」

「すいません、ちょっとおしっこしてました」

遠くでそんな会話が聞こえた。

 ミナミはそれを聞きながら、濡れた膝頭で立ち上がると、例によって脱ぎ散らかした衣服を着始めた。シャツのみならず、ブラジャーもぐっしょり濡れていた。彼女はしかし拭いている暇もなく、乳房、いや小便器にそれを着ける。

 そんな体でコウの前に戻った時は、さすがに心苦しかった。ママはついさっきまで便所になっていたのだ、コウの大好きなタイガ兄ちゃんの。

『お前の産まれてきた穴に、さっきチンポ入れてきたぜ』

彼は今もそんなことを思っているのだろうか。コウと遊ぶタイガは、何の屈託もなく笑っていた。


〈つづく〉


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[2014/06/07 22:00] | 「ママの枕」 | トラックバック(0) | コメント(1) | page top
ママの枕 ~ステージ3~


 チョコレートの板の上で白いマシュマロを転がすように、ミナミはワダの背中の上で豊乳を滑らせた。つぶれた脂肪の間から無数の泡が弾ける。彼女の体は石鹸まみれ。その肌でワダの体を洗う。彼は悠然と腰掛けに座ったままだ。ミナミは彼によって、ソープ嬢さながらの技術を仕込まれていた。今日もファッションホテルの浴室で、専業主婦が真昼間からソープ不倫である。

 腰から手を回して、陰茎をなぶる。彼のものは、早くも硬みを帯びていた。だが、それも彼女の乳頭ほどではない。男の肌で摩擦され続けたそれはいずれも尖りきり、思い思いの方を向いて首や腋などへ流れて行った。

 後ろが洗えたら次は前である。

「失礼します」

 ミナミはそう言って彼の前方へ回ると、その腿の上に尻を落ち着けた。

「ン……」

 陰核が接着して、彼女はわずかに感じた。少し調節しながら、陰唇をこすり付けだす。ワダの体毛がジョリジョリと鳴る。ミナミの縮れ毛がそれと混ざり合った。ワダとの関係を覚悟してから整えるようになった下の毛である。ちょうど独身の頃のように。

 ワダは腿で泡踊り中の女に手を回し、その肛門にズブリと右手薬指をねじ入れた。

「ヤッ、アアン……!」

 ミナミは眉根を寄せた。が、拒むことまではしない。もぞもぞとする気持ち悪さに耐えるだけだ。しかし、やられているだけでは済まぬと、彼女もまた手を使って敵の股間を攻撃した。

 指先で青筋をなぞって降りてゆき、そのまま玉袋、さらにその裏へと侵入する。このホテルの腰掛けは、股間の下にちょうど腕が入る位の窪みが彫ってある。ミナミはそこから手を入れ、思い切って尻の穴に中指を突き立てた。

「フフン」

 別に嫌がりもせず、ワダは鼻で笑った。ただその黒光りする肉棒が一段と反りを増す。彼はそれを、彼女の空いている方の手でしごかせた。自ら更なる攻撃を受けようというのである。

 困ったのはむしろミナミの方だ。両手を下の方に取られて安定が悪い。そんな中、ワダの左手は彼女の膣穴までほじくり出した。いつの間にやらアヌスには小指も増えている。ここで、勝敗は呆気なく決した。

「ア、ウゥン……!」

 尻の脂肪をプルプル振動させて、彼女はアクメに達した。折しも、ダメ押しのように接吻をされた時だ。ミナミは自分から口を開き、舌を出して相手の舌を探した。頭が朦朧としてきた。

 しかし、休む暇は与えられない。ペニスは相変わらずしごかされ続けるし、ヴァギナの指しゃぶりもやめさせられない。互いの肉と肉が擦れあって、浴室にネチャネチャとした音が響いた。既に石鹸の中へ男と女から湧いた粘り汁が多分に混じっている。二人はお互いの肛門をほじくり、また生殖器をこね回し合いながら、一部の隙もなく唇を重ね合った。

「(あああ……これ、すごい……)」

 女体の快楽に素直な感動を覚えるミナミ。ワダとの邂逅まで久しく忘れていた。

 ふと彼女は、シズカのことを思い出した――。

「――ああっ、なんでもないんです」

 シズカは優しい笑顔で答えた。ワダの部屋から泣いて出てきた件について、ミナミがやんわりと尋ねた時だ。

「トモのことで相談している内に、なんだかこみ上げてきちゃって……」

 それを聞いて、ミナミは正直拍子抜けした。が、一方で"どうせそんなことだろう"とも思った。ミナミがワダに相談を持ちかけていたのは、なんとか彼の気を引こうという意図であったが、シズカの場合は、紛れもなく文字通りの"相談"なのである。この素朴なステージママは、計算高さと無縁の所で生きていた。

 はっきり言って、芸能界に似合わない純粋さであったが、どうしてここにいるのかと問えば、

「わたし、アイドルになりたかったんですよね」

と、いかにも無邪気な調子で答える。その調子で、家でも大真面目で息子と特訓に励んでいるのだとか。表情を豊かにする練習や滑舌を良くする練習などなど。

 ミナミは笑って話を合わせながらも、内心では舌を出していた。その程度の努力でスターになれるなら安いものだし、第一その程度のことは努力にすら当てはまらないと。一歩抜け出そうとするなら、何かを失ってまで仲間を出しぬかないといけないのだ。

 彼女の大学の同窓に我が子を役者に育てた母親がいる。息子はコウよりも五つ年上だが、既に業界から一目置かれる存在感を示していた。国民的大型ドラマにも出演経験がある。実力派という触れ込みで、とある劇団の中で幼くして大人に交じって活動していた。

 その子、タイガは、ミナミから見ても確かに芝居が上手かった。仮に、彼の母親がミナミのような営業をしていないと言われても、そうかもしれないとすら思う。計算高い彼女は、正直な所、我が子がその点で敵わないことを前提に今日のような工作をしている部分があった。

 こんな心は、母として失格だろうか。否、彼女はそう思わない。なぜなら我が子の為にその身をさえ犠牲にしているのだから。

 そんなミナミの哲学をよそに、シズカはのんびりと語る。

「あんまり熱心に特訓するものだから、旦那に怒られるんですよ。"学校の勉強の方が大事だぞ"って。ちょっと嫉妬も入ってるんですよね」

 要するに彼女の感覚では、子役業も習い事の一つといった所なのだ。それであわよくばスターに、と。

 以前、少しだけ枕営業の話題が二人の間で交わされたことがある。シズカは端から夢物語だと笑った。

「それに、それって浮気じゃないですか。旦那さんを裏切ってまで子供の仕事を取るなんて、目茶苦茶ですよ」

 どこまでも本気度の低い女である。ミナミは知っていた。タイガの母が仮に枕をしていないとしても、彼女の家が某大企業の創業家一族であることを。それに比して、ミナミやシズカのいかに何も持たざるかを。金もない、コネもない。あるなら、そう、この身一つ、女の武器だけだ。

「アアッ! アハァ~ン!」

 例によって大げさに悦楽の声を上げる。あの社長室での一件以来、ミナミの痴女ぶりは新たな境地へと踏み出していた。実地によって舞台度胸を向上させていったわけである。彼女はワダの膝の上でのけ反った。彼の首に手を巻き付け、自ら腰を上げ下げしては膣内の男根を摩擦する。泡だった白い愛液が、睾丸を伝って床に流れ落ちた。

「(旦那が、旦那がって……)」

 ミナミは劣情の狭間で思考した。コウに入れ込むのに比例して、夫婦仲は冷え込んでいった。今では会話もない。当然セックスレスだ。もうすぐ二年になる、最後に肌を重ねてから。

 しかし、彼女の肉体がさび付いたわけではない。むしろ、女体としては成熟度を増すばかりだ。子種を宿せる最後の年齢を目がけて、女体と性欲は右上がりに増進していくのである。

「アアッ、アアッ、アヒィッ……」

 熟れていたのに放置されていた肉体は、まるで水を得た魚のように生き生きとしていく。本人も驚く位の過剰反応だ。

 もちろん息子の為に抱かれているのだ。ワダもカトウも好きではないし、コウのことがなければなんでセックスなぞしようか。イヤらしい声で鳴くのも、男好きする娼婦を演じているのだ。

「アアッ、イヤァン、アァ~……」

 全ては演技だ。女はセックスを演じる生き物だ。さっきから延々と続くオーガズムも全部嘘だ。とめどなく溢れ続ける愛液も偽物だ。びっくりする位簡単にイッてしまうのも、近頃乳の張りが良くなったのも、みんな……

「イ、イ、グゥ~……! ンンン……」

 子宮を突き上げる熱のエナジーが広がった時、ミナミはワダに頼り切ってその体にしがみついた。アクメが終わらない。

「(き、気持ちいい……)」

 思わぬ落とし穴だった。経験豊富な人間のセックスの上手さは想像以上。今までの夫婦の営みが児戯に等しい程だ。そして何より、思っていた以上に、ミナミの体は性に飢えていた。

 ミナミはよろめきながら四つん這いとなって、事後のペニスに口淫奉仕した。時に手を滑らせて、亀頭で鼻柱をしたたか打ちもした。もうクタクタである。みっともなくも、ワダの前で放尿さえ我慢できなかった。小便を垂れ流しつつ、淫母は白濁液まみれの勃起ペニスを舐めしゃぶる。営業と称しながら、母ミナミはいつしかセックスレスの穴埋めに溺れていたのである。

 とはいえ、枕営業の成果は確実に上がっていた。ドラマ出演が決まったのである。作品はタイガの主演だ。


〈つづく〉


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[2014/05/25 22:00] | 「ママの枕」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
湯けむ輪(62) 00:30

子宝混浴
『湯けむ
~美肌効


こだからこんよく
ゆけむりん
びはだこうかん






――午前零時三十分


ほどなくして、その身から出ていく汁と入れ替わるように、彼の汁が入ってきた。熱いほとばしりが、同じく熱い洞穴にじわっと広がっていく。

(あなたぁ……)

倫子は心に呟いたが、それはただ夫がトイレに立つということを聞いて反射的に思いついたもので、もはや謝罪や後悔の意図なぞ微塵もないものだった。夫らしい者の足音は、次第に遠ざかっていく。

一方、射精を終えた袋田は立ち上がって、矢板同様に事後のものを倫子に世話させ始めた。但し、今度が前と違ったのは、イラマチオではなくフェラチオだった点だ。

彼女は最初こそ股間に導かれたものの、その趣旨を理解するや、任意で口を動かすようになった。優しく丁寧に亀頭を舌で丸めこんでその穢れを清めつつ、皺を寄せながら唇をすぼめ、尿道に残った精液を絞り出して嚥下していく。まるで仕事疲れを労わるような、実にまめまめしい世話である。女は偽りの多い生き物と自任しているが、実際には迂闊な素直さをも同時に持ち合わせているもので、彼女は袋田の手並みに降参するや、女の誠でもってそれに応じたのだった。

その様を見て渡瀬が言う。

「おう、よう吸いついとんなあ」

それは、トイレのドアが閉まるか閉まらないかの時だった。実はこの時、夫が席を立つや否や、その場にいる者全員が倫子の口淫ぶりを見守っていたのである。

それに気がついた倫子はまた赤面したが、もはや誠意の慣性は止めようもなかった。命じられるがままに袋田の玉袋まで舐め清めていく。舌先で球体の輪郭をなぞり、唾液で満遍なくベトベトにする。その際額に乗っけていた亀頭の先からは白濁汁がしつこくにじみ出て、彼女の眉頭をしっとりと濡らした。

「ええ顔でしゃぶるようになったやないか。いよいよ本領発揮やな?」

渡瀬はからかったが、倫子にはもうどうしようもなかった。それで、

「もっと広いとこ来てしいや」

と榊原に言われて、袋田がカウンター裏から出て行った時も、まるで餌に誘われる犬のように、ブラブラ揺れる肉棒に惹かれてそのまま付いていった。但し、その身はかすかに、傍目にはそれと分からぬほどかすかに震えていた。

(ああ……破滅する……)

終末の予感は刻々と迫っていたが、もう自分が何をしようとしているのか分からない。ただ、それでいて不思議な心地よさは否めないのである。

倫子は、袋田に続いて藪塚の陰茎もしゃぶった。彼のものは早くも復活していて、それをまた露出しては、我慢できないという風に近づけてきたのである。彼の加入に伴って、袋田は離れていく。

他方、背後からは榊原が寄ってきていた。

「もう一回位やっとこかな」

彼はまるで、仕方がないなとでもいう風に言って、これから固くなっていくであろう海綿体を、ボッテリと倫子の肩甲骨辺りに乗せた。それは、うなじから裾の毛の生え際を経て、後ろ髪の中で完全に勃起する。彼はしばしそこで、ペニスに毛髪をからめて遊んだ後、再び位置を下げ、背骨を通ってさらに下降。

「ええやろ奥さん、ケツの穴」

と、両方の親指を引っかけて強引に肛門を広げつつ、自身のわだかまりをその上にあてがった。洞穴は呼吸するようにヒクヒクしている。まるで返事しているようでもある。そしてその返事は、新装されたその穴の使い道を肯定するものに違いなかった。

間もなく榊原はそこへ入っていく。その上で藪塚まで誘う。

「兄ちゃん、挟み撃ちや」

それを聞いた藪塚、嬉しげに寄ってきて倫子の片腿を持ち上げた。そうして性毛を一旦ジャリジャリいわせながら、その中にある柔らかな膨らみの割れ目へと勃起を押し込みゆく。

「スゲ! 狭い」

入るなり感想を述べる彼。こうしてまた鮮やかに三人が一心同体となった。大の大人が揃いも揃って、いずれも分別なくして劣情一直線。皆々汗をかき肩寄せ合って、性の悦び一筋にまい進する。藪塚だけならばいざ知らず、他の二人は今さら情熱だけで動くでもないいい歳の大人である。それが稚拙にもセックスに没頭し、成熟した体を快楽のみに捧げているのだ。まさに淫乱極まれりである。

だがそれでもまだ、倫子にはぬぐい切れぬ恐怖心があった。藪塚の肩越しに便所の扉が見え隠れする度、胸の奥が締め付けられるような痛みを感じる。今に扉が開き、中から出てきた夫が自分を目の当たりにするであろう。男二人に挟まれて前後同時に男根を挿入され、その間でよがり狂う変わり果てた妻の姿を。

「イヤ……ッ!」

倫子は首を振った。まだそう易々とは人生を捨てきれない。

「あれマジで旦那さんなんですよね?」

藪塚が後ろのドアを指して尋ねる。それは倫子を通り越して榊原に向けられた問いだった。

榊原、ニヤッと笑って、

「さあ、どうなんや?」

と倫子に質しつつ、盛んな腰振りで彼女を煽りだす。

「もっと声出しいな奥さん。愛する旦那にスケベな声聞かしたれ」

「イヤァ……!」

ビクンビクンと二度三度熟れた体を痙攣させ、何とか意志の力で持ちこたえる倫子。しかし、彼らの太い存在感が、その腰を甘えさせる。いきおい、“スケベな声”にも近くなる。

榊原は、“ほんまの声”とも言いなおした。それはつまり、“本当に気持ちいい時の声”という意味であった。今晩に至って初めて思い知らされた性の深奥、そこで見た性的快楽の極み、その時に心の底から自然ににじみ出てきた声。夫には聞かせたことのなかった、すなわち彼には出させることのできなかった声、本当にセックスで感じた時にだけ出す声である。彼女はまさに今日、セックスの本当の気持ちよさを知ったのであった。

それでも、いざ意識してその声を出せと言われると、この場ではまだ思い切れなかった。もしも便所に誰もいなければ、すんなりと流されていたかもしれないが。

そんな彼女の逡巡を知って、榊原はなおも無理強いをする。

「ほら奥さん、“チンポ気持ちいい”て言うてみ」

「そうっすよ。ご主人に報告しなきゃ。“今チンポ二本入ってます”って」

藪塚も調子に乗って煽り立てる。

しかし、倫子は取り合わない。ただ局部に精神を集中し、必死の葛藤を繰り返すだけだ。

すると、渡瀬が気を利かせて、とんでもない暴挙に出た。便所のドアに近づくやいな、“コンコンコン”とノックしたのである。


<つづく>



(001)19:53~(010)20:15(011)20:18~(020)20:44
(021)20:47~(030)21:07(031)21:09~(040)22:03
(041)22:22~(050)23:53(051)23:54~(060)00:20
(061)00:24~(070)00:50(071)00:24~(080)01:36
(081)01:45~(090)03:59(091)04:12~(100)05:46

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[2011/11/15 00:30] | 「湯けむ輪」 | トラックバック(0) | コメント(1) | page top
湯けむ輪(60) 00:20

子宝混浴
『湯けむ
~美肌効


こだからこんよく
ゆけむりん
びはだこうかん






――午前零時二十分


「大丈夫ですよ、奥さん。向こうからは見えませんから」

矢板はそう囁きながら、倫子の股の間に割って入る。普通ならば抗うはずの倫子であったが、ここでもやはり何もできなかった。そんな彼女を押さえつけて、矢板の男根がヌルリと侵入する。

「ほおら入った」

彼は倫子を正面から見つめながら言ったが、彼女は決してそちらを見なかった。せめてもの抵抗のつもりである。だが、そうやって視線をずらしたことで中空を見てしまい、慌ててまた眼を脇へとそらす。中空、すなわちテーブルの上には、ここから見えないとはいえ夫がいるのである。倫子はそのテーブルの淵を眺めることすら気が引けた。

「ご主人が寝てはったから店仕舞いが遅れたんですよ。ねえ、マスター」

頭上では、榊原がからかい気味に夫を責めている。

それを受け、夫は、

「すいませんね、どうも」

と、矢板に向かって謝った。ここでも軽々しい平謝りだ。しかも妻を犯している男に向かって。

だがさらに驚くべきは、これへの矢板の応対である。

「いやいや、いいんですよ。仕事ですから」

彼は倫子にペニスを突き刺しながら、彼女の夫に答えたのである。なんという大胆不敵だろうか。彼の場合、たとえ合体の最中であろうと、その冷静な会話術に変化はないのであった。

その上で彼は、倫子の唇を奪った。もうこれで、夫がなすべきことはすべて代理したというかのように。

途中、藪塚がカウンターの入り口から回り込んできたが、矢板はこれを手を振って退けた。しかしこれで、今何がなされているか、外の連中に確認されることとなる。

その間も倫子は、力無く股をおっ開げたままひたすら耐え忍び続けた。魔物の猛威は、初めゆるゆると、やがてじわじわと股間をすり寄せ回転するように動いて、次第に強い挿入で襲いくるようになった。その剛直はいよいよいきり立ち、まるでさっき入れたよりも膨張を増したかのようである。

一方で、その当人はこんなことを言った。

「あれ? 奥さん、さっきより締まりがいいんじゃない?」

相手の耳にだけ聞こえる声で囁く。

「もしかして、旦那さんの近くでヤることに興奮してるんですか?」

(そ、そんなことあるわけ……)

倫子は、その囁き声と共に耳元に吹き寄せる息にゾクゾクと総毛立ちながら、必死に唇を噛んだ。その時、かの膨張物が彼女の中の弱い部分を劇的にかすめる。

「ン……ッ!」

倫子は思わず呻いていた。

その表情を、ニヤニヤしながら矢板が見下ろしている。

「気持ちいいの? いいですよ、声出しても」

そうけしかけてもくる。

無論そう言われて、はいそうですかと開き直れるものでもなく、倫子は引き続き沈黙を守った。とはいえ、このまま倫子が黙って耐え続けても、ビデオの方は早晩素性が露見するかもしれない。これまでばれていないのがむしろ奇跡なのである。

『アッ、アッ、アンッ!』

映像の彼女は、相変わらず恥ずかしげもなく喘ぎ続けていた。その様子は、半ばやけくそ気味にも見える。彼女はいまだに、これが自分の姿だとは信じきれずにいた。

彼女自身がそうなのだから、夫にはなおさらなのかもしれない。彼は悪党どもと談笑しながら、再び酒を酌み交わしていた。いっそこのまま酔いつぶれてしまえばいいと、倫子は心ひそかに願う。それが最も現実的な助かる道ではないだろうかと。

「ああ、奥さん、奥さん……!」

矢板の腰の動きは、急速に激しくなっていった。男の道具と女の道具、二つの道具が隙間なく密着したままこすれ合って、そこに粘ついた泡を生み出す。もしビデオが流れていなかったら、その泡立つ音が夫の耳に入ったかもしれない。

こうなってくると、いよいよ最高潮である。そして、もちろん最後は……

「旦那さんには悪いけど……」

こう言いざま、彼のわだかまりは噴射していた。これでとうとう夫の役を全うした彼である。

その瞬間、倫子はわずかに腰を浮かし、キュッと尻を締め、下唇を震わせていた。彼女の中に、熱々の子種汁が大量に流れ込んでくる。また一人、彼女の上を男が通り過ぎて行ったわけだ。受け身の倫子は仰臥したまま、男の種付けの終わるのを待つ。

だが彼は三波ほど脈打たせたら、すぐに立ち上がった。但し、起きる時には倫子の手を引いて。それでどうするかというと、再び彼女の頭をホールドし、その口へ向け事後のイラマチオである。

「いやあ、ハハ。腰が疲れますよ」

矢板はそう言って、爽やかに夫に笑いかけた。

「終わった?」

渡瀬が彼に問いかける。

「いや、まだ……」

矢板は答えた。

倫子はその時、喉の入り口に注ぎ込まれる残り汁を、懸命に飲み下していた。確かにまだ、彼女の仕事は終わっていない。

だが、矢板がまだだと言ったのは、実はそのことではなかった。ほどなくして彼女は解放されたが、代わりに袋田に押し倒されてしまう。矢板のセリフに従って。

「悪いけど、袋田さん、続きヤッてくれる?」

袋田のものはすぐに入ってきた。硬さは先ほど口で確かめた通り、完全な臨戦態勢である。

あっという間の矢板から袋田への交代。しかも二人とも初めての相手。それを当たり前に受け入れていく倫子。今夜の彼女の使命である。

「すいませんねえ」

また何か言われたのか、今度は袋田にも誤っている夫。一体どんな作業をしていると思っているのだろうか。

それに対して、袋田もまた、

「いえいえ……」

と軽く返事をしつつ、問題の作業に精を出す。


<つづく>



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[2011/11/11 00:20] | 「湯けむ輪」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
「青き山、揺れる」(64)

いづ美は白木を勧めておいて、自身は彼の肛門を舐めている。

「こうされるともっと固くなるでしょ?」

などと言いながら。今は裏方に回って、完全に祐子に華を持たせてくれるつもりのようだ。

その様子を見ていた赤井が言う。

「女将さん、俺のも舐めてよ」

それに対し、いづ美は白木の尻の下から言った。

「あら、熟女には興味がないんじゃなくて? 今日もお店でたっぷりしてもらったんでしょ?」

拗ねたような口ぶりである。

「いや、まあそうだけどさ、たまにはおばちゃんのお肉も食べたいなあなんて」

赤井は悪びれる様子もない。

「ま、失礼ねえ!」

いづ美は強い口調で言ったが、決して怒ってはいなかった。それが証拠に、赤井の後ろに回って、彼のリクエストにこそ応えなかったものの、その睾丸をいたずらめかして揉みほぐし始めたのである。

「そういういけない子は、とっとと出しちゃいなさい!」

さらには、なぜか祐子にまで、

「クリちゃんもヨシヨシしてあげるわね」

と、彼女の陰核をいじくりだしたのだ。

これには両者、参ったを宣言せざるを得なかった。

「ああっ! ヤバい! ヤバいって女将さん、イくイく!」

「アアンッ! ヤッ……アッ、ダメッ! ダメダメダメ、アッ、ヤダ、イ、イィ……くっ……!」

一気にヒートアップした二人は、そのまま天まで駆け上がっていった。

(ああ……入ってくる……!)

ブルブル震える肉の管から、熱い迸りが腸内に逆流してくるのが分かり、祐子は目を裏返さんばかりに恍惚の表情を浮かべた。

「おお……アナルにどっぷり出た」

赤井も満足そうである。

だが、引き抜こうとすると、いづ美が押しとどめて言うよう、

「最後のお汁まで注いであげなさい」

そうして、彼の精嚢や陰茎をマッサージして、溜まっている汁を全て吐き出させる手伝いをする。

それが終わったら、今度はお披露目だ。

「ほらほら、祐子さんのお尻の穴からミルクが出てくるわよ」

祐子は、肛門からザーメンというミルクの出てくる様子を、皆に見せなければならなかった。

「アア……ヤダァ……」

恥ずかしくてたまらないことだったが、不思議と快感もあった。白濁液は、特に気張らなくてもダラダラと勝手に穴からこぼれ出ていく。

「祐子さん」

口元に、赤井が使用済みの肉棒を突きつける。

祐子は何も言わず、素直にそれをくわえ清めた。今しがたまで尻に入れていたものだ。だが汚いとは思わなかった。むしろ愛おしいばかりだった。アヌスから彼の吐き散らかしを垂れ流しながら、その残り汁を彼女は口から吸収していくのだった。

と、ここで、そのミルクの流出口に栓をした者がある。黄本だ。彼はもはや迷ってなぞいなかった。真っ直ぐに、祐子の菊門にペニスを挿入していた。

「ンンッ! ンフンウゥ~……ッ!」

祐子はときめく。男たちが持ち場を交代して自分を犯すという、素晴らしい状況なのだ。

「どうだ、アナルきついだろ?」

「そうっすね」

男二人も興奮気味に話している。祐子のアナルは好評だ。

こうして、彼らは和気あいあいと淫猥な輪を楽しんでいた。浴場は広く、それはかつて努素毛部屋が隆盛を誇った頃の遺産であったが、こうして男女乱れての遊技場にはうってつけであった。片や祐子が赤井と黄本に挟まれ、片やいづ美は白木の体を股間中心に愛撫してやり、と今ここは乱交円舞真っ盛りである。

ところが、この輪にたった一人だけ加われないのが緑川であった。彼は相変わらず両手両足を拘束されたまま正座をし、目の前の状況に虚ろな視線を向けていた。ただその肉茎だけは常時勃起し、孤軍奮闘の自己主張を続けていた。彼は、確かに闘っていた。

「んんっ……んんっ……!」

それと悟られぬくらい小さく、しかし激しく鼻息を吐いていた。わずかだが腰も微動している。

最初にそれに気づいたのはいづ美だった。いや、というより、あらかじめ分かっていて放置していたというのが事実に則するのであるが。

「あら見て、あの子イくみたいよ」

皆に聞こえるように彼女は言った。

「全然触ってないのに、彼、一人で勝手にイけるのよ。どうしてか分かる?」

彼女は後ろから回した手で白木の肉棒をゆっくりしごきながら問うた。白木と緑川とはちょうど対面する位置関係だ。一方は女に弄られてだが、もう一方はひとりでに射精寸前の状態になっている。二人の姿は好対照であった。

白木は質問の答えが分からない。それどころか、いづ美の絶妙な力加減のせいで骨抜き状態である。そんな彼の肛門に、いづ美はゆっくりと石鹸まみれの人差し指をねじ込んでいき、その上で言った。

「お尻にね、ふっとぉいオモチャが入ってるの」

そう、緑川の尻穴には、アナルバイブが挿入され固定されていたのだ。

その説明を聞きながら、白木はもぞもぞと落ち着かない様子で震えていた。緑川の境遇よりも、自分がこれからどうされてしまうのかの方が気にかかり、かつ肛門をほじくられるのは独特の感じでじっとしていられないのだった。

それを肌で感じ、少し刺激が強すぎたか、といづ美は反省したらしい。付け加えて言った。

「いい子にはしないから大丈夫よ。悪いお兄ちゃんだけのお仕置き」

さらに冷たい視線を緑川に向けながら、こうも言った。

「それにあの人、人前でおカマ掘られてイッちゃう変態なのよ。可哀想な人よねえ」

緑川はそれに対し、何も言い返せない。

「うぅ……うぅ……」

と、ただただ呻きながら、少しずつ尻を振るのみである。


<つづく>




<目次>
(1)~(10)(11)~(20)(21)~(30)(31)~(40)(41)~(50)
(51)~(60)



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[2011/05/21 22:00] | 「青き山、揺れる」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
「青き山、揺れる」(59)

やがて水流は弱まっていき、ついには途絶えた。一呼吸置いて、祐子は口を離す。

すると、彼女があっと思う間もなく、横合いから伸びたいづ美の首が、今の今まで祐子のいた場所に素早く陣取ってしまった。そこで何をしだしたかというと、彼女も陰茎をくわえ、さらにその根元やその下の玉袋を手でグニグニと揉みほぐし始めたのである。

「まだ残っているのよ」

尿道から吸い上げるらしく頬をへこませていた彼女は、プッと管を吐きだしてからそう説明してみせた。

慌てて祐子もそれに倣い、放り出された肉管に吸い付いていく。あくまでも今日の仕事は譲りたくない彼女だ。なるほどやってみると、確かに残尿が、それも結構なまとまりをもって飛び出して来る。

「歳でしょう? だから、一遍に出ないのよ」

いづ美はそう言いつつ、黒岩の下腹部辺りを押さえたりもした。その上、まだ何か言い足りなさそうに、祐子に頬を寄せんばかりにして近づいてくる。

その圧力を察し、渋々祐子は位置を譲った。

「後はこうやって、きれいに……」

再び失地を回復したいづ美は、尿道口からその続きの縫い目を舌先で軽くほじって滴を切り、その後タオルで優しく押さえて湿り気を取った。これが、作法というものらしい。

しかし、その程度の段取りならば言われなくとも分かっていると、祐子はじりじりしながらそれを見ていた。そして、いづ美が退きかけるとまるで奪い返すように肉茎を引っつかみ、もう十分であるのにもかかわらず、さらに尿道口周辺を舐めまわし始めた。ただ彼女の場合、亀頭全体にかけて舌を絡めたので、それはもはや事後処理というよりも口唇愛撫であった。

すると、それに負けん気を触発されたのであろうか、いづ美までが何も言わずに肉竿の方へと唇を寄せてきたのである。結果、黒岩の股間に、二人の女が頬摺り合せてひしめく格好になった。

はじめ、祐子が亀頭に唇をかぶせ、いづ美が陰嚢をついばんでいたが、祐子が口を離した一瞬の隙をついていづ美が竿を奪うと、今度は祐子が袋を吸う番となる。こうして入れ替わり立ち替わり、女達はフェラチオに勤しんだ。

この二人がかりの愛撫に対し、男根の方もやはり黙ってはいられない。たちまちむくむくと頭をもたげ始める。

こうなると、ますますヒートアップするのが女達の動きだ。肉竿を中心として目まぐるしく舌と唇が行き交うことになる。

中でも、きらりと光るのはいづ美の技量、やはり一枚上手である。彼女の攻撃範囲は、時に祐子にまで及んだものだ。隙をつき、同志の唇をも奪ったのである。

これには祐子もドキリとさせられ、途端に心奪われた。競争心も一気に忘れ、ただただ久しぶりのいづ美との接吻に胸躍らせる。柔らかな反撥を優しい髪の香りが後押しして、絶妙な心地よさを演出する、ああこれがいづ美の唇だと、そう思い出すのにつけ、祐子の蜜壷はますます潤いを増した。

いづ美の、今日もきりりと整った眉の下、顎からうなじに至るまで油断なくきれいに形作られた容姿は、片や泥まみれの祐子とは大違いだ。祐子ときたら、まるで公園の便所に比すのが相応しい位の汚さなのである。

「じゃあ、祐子ちゃん」

ここで、唐突に黒岩が言いだした。それは、決して便所の清掃を申し出たのではなかった。

祐子は彼の命令の下、再び土俵へ戻ることになった。

彼女のいなくなった場所を一人占めして、いづ美はこちらを見向きもせずに淡々と連続吸引を行っている。夫と指をからめ合い、首だけをカクカク前後させて肉棒を口から出し入れしている。ジュッポジュッポと盛大な音が鳴り響くところ、相当に強烈な吸着がなされているのだろう。

その音に後ろ髪を引かれる思いで、しかし逆らうことはできずに、祐子は再びフラフラと土の上に立った。

今度は本格的な相撲をやれという。といっても、先程のぶつかり稽古とどこが違うというのでもないが、一応一線を区切って星取りをやってみろということである。

「ほい、青き山、前へ」

安直なしこ名を付けて、黒岩は祐子に土俵入りを促した。“青き山”というのは、彼女の姓をもじったものだ。

青き山は言われた通りに土俵中央に進み出る。対戦相手は黄本だ。号令一下、勝負は始まった。とはいえ、土台敵うわけがない。相撲の体すら成さないで、青き山は転ばされた。

すると、それを見かねた黒岩が、つと立って彼女の後ろにつけた。そして、助太刀とばかり、彼女の腰ら辺を持って支えたのである。

「もう一回」

彼は双方に再戦を申し渡した。

黄本は戸惑いながらも構えをとる。

祐子も虚ろな返事でそれに応えた。彼女は気が気でなかった。尻の間に、さっきいづ美と一緒に育て上げた剛直が、ブラブラと揺れながら当たっていたからである。それがこの後どう収まるのか、まさに期待と不安の入り交じった心境である。

果たして、事が起こったのは、ちょうど黄本と祐子がぶつかった瞬間であった。

「ウ、ウウゥ……ッ!」

祐子は悶絶した、それは決して取り組みからくる痛みのせいではなく、当惑と焦燥と、そして決定的な快楽のもたらす結果であった。

眼前に火花が散る。そしてその後ろから、まぶたに焼き付いて離れない、あのシルエットが浮かび上がる。太くてごつごつとした、あの雄々しさ極まる男性の像。見なくても分かる。いや、見るよりもより正確に認識できる気さえする。

黄本とがっぷり四つに組む青き山の尻穴に、黒岩の男根がすっぽりと刺さっていた。


<つづく>




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