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小説には、連続作品と一話完結作品があります。連続作品は、左「カテゴリ」の各作品名より一話から順番に読むことができます。また「目次」には、各作品の概要などをまとめた記事が集められています。

■連続作品
◆長編作品
「子宝混浴『湯けむ輪』~美肌効姦~」

◆中編作品
「大輪動会~友母姦戦記~」
「青き山、揺れる」 ▼「師匠のお筆」

◆オムニバス
「母を犯されて」

◆短編作品
「育てる夫」  ▼「最後の願い」  ▼「ママの枕」  ▼「ブラック&ワイフ」
「夏のおばさん」  ▼「二回り三回り年下男」  ▼「兄と妻」

■一話完結
「ふんどし締めて」
「旧居出し納め・新居出し初め」  ▼「牛方と嫁っこ」  ▼「ガンカケ」
「祭りの声にまぎれて」  ▼「シーコイコイコイ!」  ▼「サルオナ」  ▼「母の独白」
「童貞卒業式」 ▼「お昼寝おばさん」  ▼「上手くやりたい」 ▼「珍休さんと水あめ女」
「栗の花匂う人」「乳搾りの手コキ」 ▼「妻つき餅」 ▼「いたずらの入り口」
「学食のおばさん便器」 ▼「山姥今様」 ▼「おしっこ、ついてきて。」

作品一覧

湯けむ輪(62) 00:30

子宝混浴
『湯けむ
~美肌効


こだからこんよく
ゆけむりん
びはだこうかん






――午前零時三十分


ほどなくして、その身から出ていく汁と入れ替わるように、彼の汁が入ってきた。熱いほとばしりが、同じく熱い洞穴にじわっと広がっていく。

(あなたぁ……)

倫子は心に呟いたが、それはただ夫がトイレに立つということを聞いて反射的に思いついたもので、もはや謝罪や後悔の意図なぞ微塵もないものだった。夫らしい者の足音は、次第に遠ざかっていく。

一方、射精を終えた袋田は立ち上がって、矢板同様に事後のものを倫子に世話させ始めた。但し、今度が前と違ったのは、イラマチオではなくフェラチオだった点だ。

彼女は最初こそ股間に導かれたものの、その趣旨を理解するや、任意で口を動かすようになった。優しく丁寧に亀頭を舌で丸めこんでその穢れを清めつつ、皺を寄せながら唇をすぼめ、尿道に残った精液を絞り出して嚥下していく。まるで仕事疲れを労わるような、実にまめまめしい世話である。女は偽りの多い生き物と自任しているが、実際には迂闊な素直さをも同時に持ち合わせているもので、彼女は袋田の手並みに降参するや、女の誠でもってそれに応じたのだった。

その様を見て渡瀬が言う。

「おう、よう吸いついとんなあ」

それは、トイレのドアが閉まるか閉まらないかの時だった。実はこの時、夫が席を立つや否や、その場にいる者全員が倫子の口淫ぶりを見守っていたのである。

それに気がついた倫子はまた赤面したが、もはや誠意の慣性は止めようもなかった。命じられるがままに袋田の玉袋まで舐め清めていく。舌先で球体の輪郭をなぞり、唾液で満遍なくベトベトにする。その際額に乗っけていた亀頭の先からは白濁汁がしつこくにじみ出て、彼女の眉頭をしっとりと濡らした。

「ええ顔でしゃぶるようになったやないか。いよいよ本領発揮やな?」

渡瀬はからかったが、倫子にはもうどうしようもなかった。それで、

「もっと広いとこ来てしいや」

と榊原に言われて、袋田がカウンター裏から出て行った時も、まるで餌に誘われる犬のように、ブラブラ揺れる肉棒に惹かれてそのまま付いていった。但し、その身はかすかに、傍目にはそれと分からぬほどかすかに震えていた。

(ああ……破滅する……)

終末の予感は刻々と迫っていたが、もう自分が何をしようとしているのか分からない。ただ、それでいて不思議な心地よさは否めないのである。

倫子は、袋田に続いて藪塚の陰茎もしゃぶった。彼のものは早くも復活していて、それをまた露出しては、我慢できないという風に近づけてきたのである。彼の加入に伴って、袋田は離れていく。

他方、背後からは榊原が寄ってきていた。

「もう一回位やっとこかな」

彼はまるで、仕方がないなとでもいう風に言って、これから固くなっていくであろう海綿体を、ボッテリと倫子の肩甲骨辺りに乗せた。それは、うなじから裾の毛の生え際を経て、後ろ髪の中で完全に勃起する。彼はしばしそこで、ペニスに毛髪をからめて遊んだ後、再び位置を下げ、背骨を通ってさらに下降。

「ええやろ奥さん、ケツの穴」

と、両方の親指を引っかけて強引に肛門を広げつつ、自身のわだかまりをその上にあてがった。洞穴は呼吸するようにヒクヒクしている。まるで返事しているようでもある。そしてその返事は、新装されたその穴の使い道を肯定するものに違いなかった。

間もなく榊原はそこへ入っていく。その上で藪塚まで誘う。

「兄ちゃん、挟み撃ちや」

それを聞いた藪塚、嬉しげに寄ってきて倫子の片腿を持ち上げた。そうして性毛を一旦ジャリジャリいわせながら、その中にある柔らかな膨らみの割れ目へと勃起を押し込みゆく。

「スゲ! 狭い」

入るなり感想を述べる彼。こうしてまた鮮やかに三人が一心同体となった。大の大人が揃いも揃って、いずれも分別なくして劣情一直線。皆々汗をかき肩寄せ合って、性の悦び一筋にまい進する。藪塚だけならばいざ知らず、他の二人は今さら情熱だけで動くでもないいい歳の大人である。それが稚拙にもセックスに没頭し、成熟した体を快楽のみに捧げているのだ。まさに淫乱極まれりである。

だがそれでもまだ、倫子にはぬぐい切れぬ恐怖心があった。藪塚の肩越しに便所の扉が見え隠れする度、胸の奥が締め付けられるような痛みを感じる。今に扉が開き、中から出てきた夫が自分を目の当たりにするであろう。男二人に挟まれて前後同時に男根を挿入され、その間でよがり狂う変わり果てた妻の姿を。

「イヤ……ッ!」

倫子は首を振った。まだそう易々とは人生を捨てきれない。

「あれマジで旦那さんなんですよね?」

藪塚が後ろのドアを指して尋ねる。それは倫子を通り越して榊原に向けられた問いだった。

榊原、ニヤッと笑って、

「さあ、どうなんや?」

と倫子に質しつつ、盛んな腰振りで彼女を煽りだす。

「もっと声出しいな奥さん。愛する旦那にスケベな声聞かしたれ」

「イヤァ……!」

ビクンビクンと二度三度熟れた体を痙攣させ、何とか意志の力で持ちこたえる倫子。しかし、彼らの太い存在感が、その腰を甘えさせる。いきおい、“スケベな声”にも近くなる。

榊原は、“ほんまの声”とも言いなおした。それはつまり、“本当に気持ちいい時の声”という意味であった。今晩に至って初めて思い知らされた性の深奥、そこで見た性的快楽の極み、その時に心の底から自然ににじみ出てきた声。夫には聞かせたことのなかった、すなわち彼には出させることのできなかった声、本当にセックスで感じた時にだけ出す声である。彼女はまさに今日、セックスの本当の気持ちよさを知ったのであった。

それでも、いざ意識してその声を出せと言われると、この場ではまだ思い切れなかった。もしも便所に誰もいなければ、すんなりと流されていたかもしれないが。

そんな彼女の逡巡を知って、榊原はなおも無理強いをする。

「ほら奥さん、“チンポ気持ちいい”て言うてみ」

「そうっすよ。ご主人に報告しなきゃ。“今チンポ二本入ってます”って」

藪塚も調子に乗って煽り立てる。

しかし、倫子は取り合わない。ただ局部に精神を集中し、必死の葛藤を繰り返すだけだ。

すると、渡瀬が気を利かせて、とんでもない暴挙に出た。便所のドアに近づくやいな、“コンコンコン”とノックしたのである。


<つづく>



(001)19:53~(010)20:15(011)20:18~(020)20:44
(021)20:47~(030)21:07(031)21:09~(040)22:03
(041)22:22~(050)23:53(051)23:54~(060)00:20
(061)00:24~(070)00:50(071)00:24~(080)01:36
(081)01:45~(090)03:59(091)04:12~(100)05:46

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