おことわり
このブログには、エッチなことがたくさん書いてあります。まだ18歳になっていない人が見ていい所ではありません。今からこんな所を見ていると、将来ダメ人間になってしまいます。早くほかのページへ移動してください。 >googleでほかのページを検索する< なお、掲載している小説はすべて虚構であり、実在の人物・団体等とは一切の関係がございません。 |
お知らせ
「オナこもりの小説」は、エロ小説を気ままにアップしていくブログです。たまに、AV女優や、TVで見た巨乳のことなども書いています。左サイドにある「カテゴリ」から、それっぽい項目を選んでご覧ください。
小説には、連続作品と一話完結作品があります。連続作品は、左「カテゴリ」の各作品名より一話から順番に読むことができます。また「目次」には、各作品の概要などをまとめた記事が集められています。 ■連続作品 ◆長編作品 ▼「子宝混浴『湯けむ輪』~美肌効姦~」 ◆中編作品 ▼「大輪動会~友母姦戦記~」 ▼「青き山、揺れる」 ▼「師匠のお筆」 ◆オムニバス ▼「母を犯されて」 ◆短編作品 ▼「育てる夫」 ▼「最後の願い」 ▼「ママの枕」 ▼「ブラック&ワイフ」 ▼「夏のおばさん」 ▼「二回り三回り年下男」 ▼「兄と妻」 ■一話完結 ▼「ふんどし締めて」 ▼「旧居出し納め・新居出し初め」 ▼「牛方と嫁っこ」 ▼「ガンカケ」 ▼「祭りの声にまぎれて」 ▼「シーコイコイコイ!」 ▼「サルオナ」 ▼「母の独白」 ▼「童貞卒業式」 ▼「お昼寝おばさん」 ▼「上手くやりたい」 ▼「珍休さんと水あめ女」 ▼「栗の花匂う人」 ▼「乳搾りの手コキ」 ▼「妻つき餅」 ▼「いたずらの入り口」 ▼「学食のおばさん便器」 ▼「山姥今様」 ▼「おしっこ、ついてきて。」 ★作品一覧 |
この企画は高橋と鎌先が立ち上げたものである。金光への憤懣いまだやるかたなき高橋は、なんとかしてこの憎き仇にもう一泡吹かせようと企んでいた。夫と同じ館内にて妻を寝取る、それだけでは飽き足らなかったのである。そこでまず考え付いたのが、金光のごく近くまで、例えば部屋の扉の前まで行って妻を犯すというものだった。 この考えを聞いて、 「それだったら、こういうのはどうです?」 と更なる提案をしたのが鎌先である。彼が以前にローションを取り出したポシェットには、そのほかの遊び道具乃至は仕事道具が入っていたが、その中から、今度はレスラー向けのマスクを取り出したのだ。 また、彼はオレンジ色のロープも取り出した。それが今、舞台上の女の腕を後ろ手に縛っているものである。 「おいおい、そんなことをして……」 トントン拍子に計画が進んでいくことに焦る島田。普通自分の妻が目の前に出てきて気づかないなんてことがあるだろうか、と。 「いやあ、意外と分からないもんですよ」 とは鎌先。酔っていればなおさらのこと、顔が見えないだけで同定出来ないものだと、何やら経験則から導き出した答えらしく言い切った。確かに、妻がそんなことになっているなんて、社会通念上予見し得る可能性はなさそうだが。 他方、露見しても構わないじゃないか、というのが高橋の意見で、彼としては、その場合に金光がどう出るか見ものだという。むしろ、事実を知らしめてこそ復讐の完了だとの見解だ。 「そんな無茶苦茶な……」 島田はなおも戸惑ったが、彼に同調する者は生憎いなかった。腹心と思われた鈴木ですら高橋の意見に傾いている様子だ。長丁場に及び、さらには有紀に対する感情も変化していく中で、皆の思考が飽和状態になっていた為もあったろう。島田自体、何に拘って悩んでいるのか、段々分からなくなってきた。 「ヤベえ、それスゲーじゃん」 楽観論者の不良少年らには元より否やはない。計画が固まっていくに従って、どんどんと興奮の度を増していった。 結局、松倉、七里川、浪岡がそれぞれの番を終えた段階で輪姦は一時休止となり、慰み女は件の覆面をかぶせられ、ボール状の口枷をはめられることとなった。口枷は万が一彼女が余計なことを口走った場合の保険であり、且つ鎌先のSM嗜好を満たす装置である。 有紀はそのまま囚人よろしく護送されていく。この間、彼女の意見が聴取された機会は一度もない。今まで通り当然に、可否の権限はなかった。人格を顧みられないというその意味で、囚人というよりはむしろ家畜といった方が適切かもしれない。縄で引っ張られ、歩かされる様子は、実際競りに引き出される雌牛のようだった。その豊満な乳が余計にその見立てを助長する。 一行は、先行した鎌先、それに呼び出された袋田の手引きで、ゾロゾロと揃って宴会場の外まで移動した。大広間はせいぜい五十名程が入れる規模のものだが、一丁前に舞台を備えており、下手のみとはいえ袖もある。さらには、その袖の奥に控室を想定した小部屋も付属していた。まずはそこへ入る。 「狭いなあ」 思わず高橋がそう呟いた程、小部屋は狭かった。本来の部屋の規模もさることながら、段ボール箱やら何やらが積み上げられている為、余計である。折角壁面に取り付けてある鏡も、その荷物の影となって覗き見ることが出来ない。 「全然使わないんでねえ」 袋田が小声で言い訳した。元々は先代オーナーの趣味でしつらえられた舞台だが、その存命中こそ素人芝居やカラオケ大会に利用されたものの、いつしか利用者もなくなり、控室に至っては今やすっかり物置と化していた。 ここまで付いてきた者達も、到底全員入れないので、主役の有紀、司会進行の鎌先、そして高橋だけが入った。それでもギュウギュウ詰めである。他の者らは手持無沙汰に廊下に屯する。 と、そこを割って、矢板が入って行った。入れ替わる形で高橋が押し出される。矢板はどこからか持ってきた濡れタオルで有紀の体を拭いていった。一応客前に出るのだから、と気を回したものだ。もっとも、あくまで簡略にであり、使い込まれた排泄穴なぞは奥まで綺麗に出来なかった。だから、直前に注がれた七里川や松倉の吐き散らかしは股間の奥に満たしたままで出演しなければならなかった。 間もなくして、鎌先の呼び込みに続き、有紀は千鳥足で舞台へ上がった。ただ連れられるがまま、訳も分からずである。実のところ、舞台の上に乗せられてもまだ何が起こっているのか理解出来ないでいた。 「――さあ、まずは身体測定と参りましょう」 鎌先の進行に応じ、渡されたメジャーを高橋が助手らしく有紀の体にあてがっていく。 「ええ……バストが……101センチ!」 “おお~!”と感嘆とも呆れともとれるどよめきが客席で起こる。続けざまに、“ウエスト57センチ”“ヒップ99センチ”と発表されたが、やはり最初の反応が一番大きかった。 「AV女優かよ」 花村が例えると、周囲から笑いが漏れた。先程鎌先はグラビアアイドルを引き合いに出したが、裸で人前に立つ様を表現するには、花村の方がより現実に即していた。 鎌先はアンダーバストも計測。その値は66センチであった為、形式的計算で“Kカップ”であると発表した。その時は再び客席がどよめいた。 「“K”っていうとなんだい、そんなサイズがあるのかい」 と猪瀬が口走れば、 「いやあ、でも実際あの大きさはただ事じゃありませんよ」 と舛添が応じる。二人に共通しているのは、その鼻の下がすっかり伸びている点だった。 「ほんとにAVみたいな体型ですよ、ねえ?」 手を打って、花村が金光に笑いかける。 「ああ」 金光はそれへ曖昧に応じながら、隣で藪塚が、“A、B、C……”と歌いながら指を折って数えているのを苦笑しながら見ていた。金光がさほど驚嘆しないのは、いつも身近に見ているものがあるからだった…… 「なんとご立派なボディをお持ちの奥様でしょうか」 鎌先がそう語る中、高橋は“奥様”の背後に回って、その出っ張った塊をむんずと鷲掴んで持ち上げる。 「ああ、しかもなんということでしょう。Kカップの先から白いお汁が漏れております!」 「んん~?」 実況の声を聞き、金光が眉間に皺寄せて首を前に出す。 「母乳です! ミルクです! これは驚きました。ミルクの出そうなお乳と言おうとしていたら、本当に出てしまいました」 確かに乳首からは母乳が出ていた。ただ、勢いよく前に飛んだというよりは、乳房の輪郭に沿って真下へ滴り落ちたと言った方が良く、その線もか細かったので客席からは見えづらかった。 それを鋭敏に察知した司会者が、客へ呼びかける。 「さあさあ、どうぞ、皆様もっと前へいらして下さい。どうぞ、もっと近くで見て頂いて構いませんよ」 誘いを受けて、皆膳を離れて舞台に近づく。中でも村本がいち早く動いた。彼はこのショーが始まってからというもの、それ以前とは一転して口数が少なくなっている。いつもなら、権力者を最優先で盛り立てる彼なのに。 客が近づいてきたので、見えてはまずいと焦った島田が袖から控室まで下がった。それが急だったので、後ろにいた連中がもう少しで声を上げそうになる。出演者が舞台に出た後、後続の者らが順次控室から舞台袖へと進んでいたのである。 高橋はそれに気づかず、マスクの中では別の意味でニヤニヤ笑いながら、夫へ妻の乳搾りを見せつけた。かなり力を込めて揉んだので、呆けた女も痛がる程だった。 「ウッ、ウウッ……」 辛そうにする覆面女。だがその声は空間に広がらず、ボールギャグの隙間からよだれを垂らすだけだった。 「おおっと、奥さん見られて興奮しているんでしょうか。乳首がビンビンに起っております」 鎌先は当人の本心を知ってか知らずか、勝手な実況を続ける。それは高橋が金光を横目で見ながら、乳頭を口いっぱい吸い込んだ際にも同様だった。 「“ボインは赤ちゃんの為にある”と先人は申しました。それがどうでしょう。今や、赤ちゃんの為のミルクが、よその男に吸われております。なんと破廉恥なママさんでしょうか」 客達はくさいセリフに苦笑いしながらも、男に乳房をなぶられる覆面母を身を乗り出して凝視した。 と、ここで下手からもう一人の覆面男が登場した。覆面は三枚セットで用意されていたのである。今度の男も、やはりパンツ一丁。その正体は慶介だった。 「さあ、ここでタッグマッチです。いや競争でしょうか。Kカップの爆乳大玉転がしです」 今日の運動会が頭に残っていたのであろう、鎌先の口からとっさにそんな例えが出た。これは他の者にもイメージしやすいものだった。 「上手い事言うねえ」 「こんな大玉転がしだったらやりたいねえ」 と、概ね好評である。 二人の頭を胸にぶら下げる有紀。まさに自分が“金光有紀”であるという自覚を取り戻したのはその時だった。彼女は心まで覆面をかぶったが如く、正体不明の境地だったのである。 「(これは……何?)」 ゆっくりと意識が頭をもたげてくる。ちょうど昂りの波が下降していくのと反比例していた。 「(何を……?)」 両の瞳が見知った顔を捉えて離さない。さっきから視界に収めてはいたし、それが誰かも認識はしていた。 「(これは……おかしい……)」 彼女はようやっと現実の異常さに気が付いた。さながらメモリを使い過ぎたコンピュータの如く、計算処理が遅くなっているのが今の彼女なのだ。 「(これは、おかしい!)」 遂に処理が追いついた。彼女は確信した。 〈つづく〉 〈現在の位置関係〉 ▼大広間 有紀、金光、花村、猪瀬、舛添、村本、藪塚、前原、鎌先、高橋、慶介 ▼舞台袖 島田、浩樹 ▼控室 竜二、鈴木、小林 ▼廊下 佳彦、比嘉、服部、祥吾、雅也、矢板、羽根沢、森岳、沼尻、浪岡、松倉、七里川、袋田 ▼帰宅 俊之、克弘、恵太、優斗、豊、聡、翼、清美、瑞穂 〈輪姦記録〉 挿入男根:30本 射精回数:89発 (膣53・口16・尻12・乳5・顔1・髪1・外1) |
* 「おい、よそ見すんじゃねえ。とっととしゃぶれよ」 口腔を占める花村が、有紀の髪を引っつかんで前後に揺すった。“しゃぶれ”とは命じているが、これはもはやイラマチオだった。陰茎をくわえさせ、ひたすらに自らの手で相手の頭を動かして勝手に口と交尾している。 有紀はすっかり全裸だが、そのように被服を剥いだのが花村である。そもそも、体育館に入る寸前から彼は上下もろとも脱がせていた。そうして彼女を抱え上げ、すぐさま挿入に及んだのである。彼もまた、高橋の挑戦を見て奮い立ったのだ。 「オ、オゲ……」 白目を剥いて正体もなく、有紀はされるがままだ。床板へ直に尻をつく慶介の腿の上に半身を起こし、両の乳房を祥吾と雅也に弄ばれ、一つ体で四人相手の組体操である。一団は、もはや舞台の上に引っ込むことさえやめ、体育館に入ってすぐ横の床でおっ始めていた。 「――家族の後ろにいるのに、グチョグチョに濡らしてんだよ、コイツ」 高橋は武勇伝を続けている。相槌を打つのは浩樹だ。 「ていうか、家族の後ろでヤられるから、興奮してたんじゃないっすか」 「そういや、前に居てたの息子? だよな」 竜二が剛直をさすりながら、後輩に問うた。 「そ、そうっす」 応じたのは克弘。その“息子”佳彦の一学年先輩だ。彼は今、同級の俊之と共に、祥吾と雅也の後釜として乳遊戯に興じていた。底なしのミルクが、彼らのペニスにもまぶさっている。 二人もまた、佳彦とは日頃からの付き合いがある関係上、その母親を辱めることには特別な感情があった。先程は、彼女と肉体関係を結んだ後、わざわざ息子に会いに行った程、青い性的趣向ながら一種の傾向を有している。それ故に、目の前の会話には独特の興奮を禁じ得なかった。勃起が益々隆々となる。 「うわぁ、息子の後ろでマンコかよ」 浩樹が呆れ顔で笑った。高橋がどんどんと調子に乗ってそれへ付け加えていく。 「しかも、そいつの背中にデカパイ押し付けてよお。思いっきりイきまくってやんの」 「マジで変態じゃん。最低っすね、この母ちゃん」 「そいで、なんか言ってたな。『お母さん、チンポ好きだから運動会中でも我慢できないの』とか、『あなたの背中で、お母さん今、ザーメン中出しされているの』とか」 「げえ……ヒくわ。ヤだわ、そんな母ちゃん」 言いながら、浩樹は慶介と交代した。 「どスケベっすね、この女。こんなマゾ、ほんとに居るんだ」 立ち上がった慶介は、会話に加わりつつ、使い終わった肉棒を花村同様口で清めさせる。有紀の口角から白いあぶくが垂れた。 両乳房にも、新しいあぶくが白く粘だつ。乳交尾による精液が母乳と混濁したものだ。友母に射精しながら当人達は思った。 「(アイツ、背中越しに自分の母親が犯されてんのに気付かなかったのかよ)」 「(後でまた顔見に行ってやろ)」 そんなことを考えると、劣情汁がどんどん込み上げてくる。二人はプルプル震えながら、後輩の母にそれをぶっかけた。 オートメーションで順繰り使用されていく肉便器女。克弘・俊之が終わった所へ、恵太・優斗が収まる。いずれ浩樹が済めば、竜二が引き継ぐだろう。当たり前のことだ、輪姦だから。 しかし、その既定路線には時折修正が加えられる。もっとも、精液便女にとって結末が変わる話ではなく、なんとなれば更に悪い状況となるのであるが。 * 「あ~運動した。運動したら疲れたなあ。なあ? 佳彦」 金光は自分の定位置であるテントに帰るや大きく伸びをした。彼の後を追って息子が来ている。 「う、うん……」 佳彦は全く同感せずに、曖昧に相槌を打った。頭の中では、先程の競技中に母が呪文のように詠じていたセリフが巡っている。 「――好き」 あの時、確かにそう聞いた。なぜ急に告白したのだろうか。いやいや、果たして自分のことだろうか、そうではないのではないか。改めて彼は考え込む。 佳彦は母が嫌いではない。というより、彼女の存在を深く考えたことがなかった。叱られたことはない。勉強しろとも言われない。ただ、母自身の邪魔をしたり、彼女に恥をかかせるようなことをすると烈火のごとく怒られはしたが、欲しいと願ったものは何でも買ってくれたし、自分の部屋を始め、テリトリーには全然干渉されなかったから、まず都合のいい存在ではあった。 母は、料理をしない。洗濯も掃除もしない。それらは全て外注に任せている。そもそも、子育てというものをしないと言っても過言ではない。母親の仕事は、三者面談と参観日に顔を出して文句を言う位だと思っている。そしてそれは、佳彦にとっても違和感のないことだった。 母は、毎日のようにスポーツジムに通っている。いや、その内の何日かは別の習い事だったかもしれない。月に何回かは東京へも行く。何しに行っているのかは知らない。聞いてみようとも思わない。家に居る時は、通販で買った健康器具で運動している。器具は大量にある。小さい頃、興味本位でその一つに触れ、こっぴどく怒鳴られた。理由は分からなかったが、ともかく母の物に触ってはいけないことを学んだ。 彼女が居ようが居まいが、佳彦としてはテレビゲームで遊べれば文句はない。自動的に供給される料理を食べていれば、餓えることもないわけで。余談だが、その料理は家政婦の誰かが作っているものだと思っていたが、つい最近になって、どこからか配達されてくるものだと知った。 「んん? なんだ? なんだか騒がしいな」 寝落ちする寸前だった金光が、寝ぼけ眼をこすって唐突に辺りを見回しだした。確かに、人垣が妙にざわめいている。 「ん? どうしたどうした」 面倒くさそうに彼は、パイプ椅子の上で背筋を伸ばした。佳彦はまだぼんやりとしたまま、その父を見た。 父は多忙であり、家に居ない時間が長かった。家に居ても、来客を迎えていることが多い。そう言えば、その応対に出ていくのが母の主な仕事であった。 父はたまに暇がある時だけ子供を構う。と言っても、三人いるから、特に年長である息子は後回しだ。気まぐれに、この本を読め、とか、明日どこそこへ来い、などと命じられる。命令は絶対だ。佳彦は、父の大声且つだみ声が怖かった。その声で、これまた気まぐれに、理不尽に怒鳴られるから尚更だった。 「あ……お母さん……?」 佳彦は、金光と同じ方に視線を向けて、ようやくその先に有紀がいることに気が付いた。彼女は、今誰かの肩に担ぎあげられようとしていた。 その身には、さっき現れた時よりも一層小さなサイズのティーシャツを着ているようで、遠目にもそのピチピチと体に張り付いているのが見て取れた。運動の成果と見えて、体型はいい。我が母の容姿を他の女と比べたことはなかった息子は、この時初めてそれに好印象を持った。 と、同時になんだか心がざらつくような、不可解な感情に彼は包まれていた。 * 「騎馬戦に出る!?」 高橋の提案に、さすがの小林もひっくり返った。 ムカデ競争で味を占めた高橋は、更なるスリルを求めた。すなわち、有紀を騎馬戦に担ぎ出すことである。 「おもしろそうっすね」 すぐさま慶介が賛同した。 「けど、騎馬戦じゃ、さすがにヤれないでしょ」 浩樹が問うと、 「ヤる? ああ、ヤんのは無理だけど、このマワされたマンコさらしもんには出来るだろ」 と、高橋はあっけらかんと答える。ここへ来て、とことん鬼畜と化した彼である。そこへ行くと、花村はまだ控えめだった。 「う~ん、すげえこと考えるな……」 賞賛とも批難とも取れる言い方で、結論にワンクッション置く。彼も妻子ある身。あまり露骨な形で人前に出るのは気が引けた。その点は、小林も同様で、卑猥な遊びに付き合いたい気持ちはありながらも、自らを危険にさらすまでの冒険心はなかった。 「なんだよ、煮え切らないなあ」 高橋が膨れる。すると、慶介が望み出た。 「俺らヤるっすよ。なあ?」 彼をリーダー格として、仲間二人も進み出る。竜二は浩樹の後を受け、五発目を発射したかったが、とりあえず後回しにして従った。 「おおっ、そうか。じゃあ、お前らに任せてみるか」 高橋は不敵な笑みで三人を馬に任命した。実際の所、彼にも花村らと同じ懸念が頭をよぎらなかったわけではないから好都合だった。 「けど、服どうします?」 有紀に着せる服のことを、浩樹は尋ねた。 「ワりぃ、どっかいっちゃったな、あれ」 花村が頭を掻く。それを受け、思案顔の高橋が、 「そうだな……おい、お前、ちょっと上脱げ」 と、突然豊かに命じた。その意図が明らかになるにつれ、慶介と浩樹が口々に驚きの声を上げる。 「え、マジっすか!? こんなガキのやつ入んないでしょ」 「このデカ乳は無理ですって」 しかし、高橋は卑劣な笑みで返す。 「大丈夫だって。体操服は伸びるから。これ位がちょうどいいんだよ」 この議題の中心人物でありながら議論に全く参加させてもらえなかった有紀は、今しも口と胸と股間からブクブクと白濁泡を吹いていたが、着せ替え人形よろしく、男共の手によって勝手に着替えさせられるのだった。 * 「エー!? ウソでしょ。見てあれ」 それを見た女が驚愕して叫んだ。彼女の仲間達とて、言われるまでもなく目を見張っていた。 ざわめく人々の視線の先には、今日何度目かにグラウンドに帰ってきた噂のモンスター、有紀の姿があった。衆人が驚いたのは彼女がただ戻ってきたからではない。 「なに……あの格好……」 ある女は息を飲んだ。それは、有紀がピチピチの体操着に身を包んで、あろうことかへそを丸出しにしていたからである。へそだけではない。半ズボンもかなり小さく、あぶれた尻肉は垂れ漏れ、さらには割れ目の上部までもが背中続きに見えているのだ。ローライズどころではないし、大体体操服にローライズなどない。 「ちょっ……あれ、ダメでしょ」 ある者は出場の中止を検討すべきだと思ったが、果たしてそうはならなかった。何事もなかったかのように、競技は開始される見込みだ。 噂は瞬く間に広まりゆく。それにつれ、群衆の視線はただ一か所に集中していった。“露出狂”“変態”“キチガイ”そう言った声が口々に漏れる。もちろん、女性からの非難が圧倒的だ。 その内の一人は、 「信じられない」 と、半ば悲しげに口を手で覆った。それこそ、有紀が今着用し、衆目を一身に集めているあの体操着の本来の主、豊の母であった。彼女は無論知る由もない、我が子の服が露出プレイに利用され、あまつさえ我が子を含む十九人もの男から凌辱された女の恥部に密着しているとは。その布地には、下着をつけていないが故にダイレクトに、大量の輪姦汁が染み込んでおり、やがて豊の母が洗濯する際に、その顔をしかめさせることとなるのである。 〈つづく〉 |
* 「ほら、お父さん、早く早く!」 娘に急かされて、慌てふためく父。 「おっ、おお!」 彼はウトウトといつしか眠っていたのだ。今は借り物競争の最中。親を連れてくるようにとの指示で、清美が金光の許へ駆け寄ったのである。もっとも、本当なら母を連れて行きたかった彼女であった。 その様子を遥かに見下ろしていた鈴木は呆れかえった。島田を探して、とうとう例の教室までたどり着いた彼である。そこで現場を見て驚きかえったのは勿論であるが、どこか的外れな感性もあり、 「金光さんの奥さんには、まだ出てもらわなきゃいけないプログラムがあったんだけどなあ」 と、変な懸念を表明した。役目熱心ではある。 「まあ仕方がないじゃない。お母さんは、こっちが借り物してるんだから」 小林は自分で言って自分で大笑いし、周囲の同意を誘う。アルコールでも入っているような興奮状態である。 彼のみならず、男共は異様に昂揚した表情をしていた。薄ら闇が覆う休日の教室は、屈折した劣情の不穏な空気に満たされていた。 鈴木はその空気に僅かに肝を冷やしながら、さっきまで健全に運動会の進行をしていた同僚島田が、リビドー丸出しで女を抱いている姿を非現実的な構図として見ていた。 それは女の方にも言えた。つい先日のことだ。鈴木が駐車場の交通整理をしていた際、無茶なクレームを譲らず自分の車を禁止区画に止めさせたのが有紀だった。その理不尽な権勢には、ほとほと嫌気がさしたものである。 あの女とこの女が同じであるとは到底信じられない。いつも人の言うことに耳を貸さない女が無理矢理に体で言うことをきかせられているとは、なんという皮肉であろうか。 「そうだな」 自分の番を終えて、それまでの行為の卑劣さをすっかり忘れたかのように取り澄ました島田が口を開いた。鈴木のつぶやきを受けてである。 「運動会には参加してもらわないと」 * 「あっ、金光君のお母さん……」 教え子の母親と鉢合わせて、比嘉は挨拶した。が、“探してたんですよ”という二の句は思わず飲み込んだ。彼女の姿に、ただならぬ卑猥さを見たからである。 有紀は白いティーシャツと赤いホットパンツに身を包んでおり、朝のジャージ姿ではなかった。さらにそのシャツにピチピチの胸部が突っ張って輪郭も露わになっている。その上どうだ、先端は濡れて被服の下の赤茶色を透けさせているではないか。言うまでもなく、下着はつけられていない。 「が、頑張って下さい」 彼はそう言うのがやっとだった。有紀はどこか虚ろな目で会釈すると、いつになく黙りこくって去って行った。思わず後ろ姿を目で追えば、ホットパンツの裾から垂れた尻肉が見え隠れしていた。 彼女の両脇には父兄の男が付き添っている。花村と小林。これから三人四脚に揃って出場するのである。三人は素知らぬ体で列に紛れた。彼女の帰還に気付いたのは、比嘉のほか周囲の数人程度である。 出場は、もちろん有紀の望んだことではない。弱々しくはあったが、レイプの時と同様に断固拒絶した。だが、事の露見を防ぐ最良の手段と脅され、それに他の男達も納得して、狂気の圧力の中、一行はグラウンドへと降りてきたのだった。 提案者の島田を始め、姦通者達も彼女を取り巻き見守っている。とはいえ、逃げ出すなら今しかなかった。なりふり構わずに、今度こそ助けを求めればいい。 そう思い迷う有紀の耳に、後方からヒソヒソと話す声が聞こえてきた。 「ねえ、あれ、金光さんの奥さんじゃない?」 「ほんとだ。今までどこ行ってたのかしら」 それは、有紀を知るらしい女同士の会話だった。この好機を逃さぬ手はない。有紀は両隣の男を振り払うべく、腹に力を込めた。が、彼女らの話題が、すんでのところで行動を思いとどまらせた。 「やだ、何あの格好」 一人が指摘すると、もう一人も同調した。 「わざわざ着替えてきたのかしら。どんだけ目立ちたいのよ」 「それにしたって、あの短いズボン何?」 二人は有紀の後ろ姿を見て、ホットパンツの丈を批判した。それは、高橋がどこかから調達してきたものだった。有紀は訳も分からぬままに、素肌にこれを身に着けていたのだ。すなわち下着も履かずに。 「ちょっと場違いよねえ」 「ほんとほんと、こんなとこで男受け狙ってさ」 「いい歳してやぁねえ」 「子供に恥ずかしくないのかしら」 女達は好き勝手に陰口を叩いて、クスクスと笑った。これを聞き、ハッとしたのは有紀である。遅まきながら、今やっと自分の衣装が異様なことに気が付いたのだ。閉鎖空間から公の場へ、その環境の変化にのみ囚われていた彼女は、自身の格好の与える印象にまでつい思い至らなかったのである。 こうして時機を逸した彼女、すぐに発走の番となった。 「位置について――ヨーイ……」 足を縛られ、がっしりと肩を抱かれ、その為に余計に乳房がせり出して、その先から母乳がにじみ出て…… 「ドン!」 三人は駆け出した。徒競走とは違う躍動が、不規則に乳肉を暴れ回らせる。その暴威に釘づけとなり、鼻の下を伸ばした男性観覧者が少なからずいた。 その内の一人、自分の夫にいち早く気付いたある妻が、眉根を寄せてたしなめる。 「あんた、どこ見てんのよ」 夫はドキリとしながら誤魔化す。彼は、有紀と同じ町内の服部だった。その誼で彼女らを見ていてもおかしくはないのであるが、後ろめたさは否めない。しかし懲りずに、 「でも……でっけえよな」 と、冗談めかして言って、妻から肩をはたかれた。もっとも、彼女にもすぐにその意が通じる位、有紀の乳房は存在感があったのである。さすがに客席からの一瞬では、彼女の透けた乳輪までは確認できなかったが。 有紀は、暖かい日差しと群衆の喚声を浴びて、クラクラと目まいを感じた。もはや自分の足で立っているという自覚がない。頭の中では、さっき聞こえた、 『子供に恥ずかしくないのか』 という文句が渦巻いていた。この一言が一番こたえた。子供と夫は彼女のステータスであり、その意味で現実感があった。 彼女は内腿をすり合わせ、にわかに恥じらいだした。胸も尻も衆目にさらし、嗤われている気持ちになる。過剰な自意識は抑制のしようがなく、とにかく体中に視線が突き刺さるようで、カーッと全身が熱くなる。 そんな有り様だから、ゴールと同時に物陰へ連れ込まれたのは、返って好都合だった。そして彼女はそこで、今しがたの伴走者らにそのままの勢いで犯された。 〈つづく〉 |
* 学校中に運動会お馴染みの、あの焦燥感を煽る音楽が大音量で響き渡る。それを背景に、運動場では年代ごとの徒競走が続いていた。 元より不真面目な金光、自分の身内が出る内はまだしも、それ以外を真面目に見る気はないし、まして応援する気もない。誰かに電話を掛けたり、近くの人間を無理やり無駄話に巻き込んだり、あからさまに退屈そうにしている。 もっとも、すべての父兄が前のめりに参加しているわけでもなく、休日の朝から引っ張り出されて欠伸をしている者もあった。 そんな父兄の一人、小林は自分の子供が走り終わった後から眠い目をこすっていたが、ふと校舎の方を見上げた後、何を思ったのかとうとう自分の席を立ってしまった。 * 「ちょいじっとしててよ、入れにくいじゃん」 「嫌だってば! いい加減にしてよ」 有紀は相変わらず手向かったが、もはや建前の域に近いことを慶介は悟っていた。この女はそろそろ諦めているのだと。彼は相手を窓にへばりつかせると、豊満な尻肉をかき分け、スウェットズボンから取り出したペニスを割れ目にあてがった。 「じゃあ、入れま~す」 軽やかな宣言と共に、いきり立った肉棒がすんなりと濡れ穴に沈んでいく。 途端に前原が声を限りに叫ぶ。 「おい! 待て! 待ちなさい!」 「うるせえっての!」 すかさず竜二が前原のみぞおちにパンチを喰らわした。 「人が来たらアンタがマズいだろって、さっきペー助も言ってたろ?」 前原は無言だった。目を閉じてぐったりしている。 「あれ、ガチで死んだんじゃね?」 傍にいた浩樹が不審そうに覗き込む。 「すっちゃん、ちょいやり過ぎ」 「え、軽くやっただけなんだけど」 竜二はさして焦る風もなく、前原の頬をペチペチと叩いた。が、なんの反応もない。完全に伸びていた。 浩樹は彼の息と脈をちょっと見て、 「うん、大丈夫大丈夫。生きてるわ」 と軽く太鼓判を押した。竜二はそれに軽い反省を込めて、 「わりぃ。入っちゃったみたい」 と笑いながら応じた。 一方、慶介はそちらのやり取りなど一切気に掛けることもなく、入った肉棒を女穴の中でゴシゴシとこするのに夢中だ。有紀は彼によって押さえつけられ、露出した乳肉をべったりと窓ガラスに吸着させていた。柔らかい塊が胸板とガラスの間でつぶされる。 この教室は、校舎の端寄りの最上階にある為、運動場の真正面ではなかったが、競技中の様子は一部とはいえ見える位置にあり、こちらから見えるということは、逆もまた然りである。 「ヤバいんじゃね? これ。見えてんじゃね? ヤッてるとこ」 そんなことを言いながら、慶介は止めずに腰を振る。有紀は無言だ。前原の時みたいに、演技して気分を出すこともしない。 慶介はなおしつこく、 「オバサンの子供も見てんじゃねえの? その辺で」 と煽ったが、やはり彼女は沈黙を守っていた。 だが、続けて彼が、 「なんなら窓開けてやろっか」 と提案した時は、さすがに拒絶の声を上げた。 「ふざけないでよ!」 気の強い女らしく、鋭い目で中空を睨み付ける。 慶介は彼女のリアクションにニヤニヤしつつ、今度は押し付けていた乳房を窓から浮かして鷲掴みにした。 「うお、すっげ! 柔らけ~っ!」 目一杯広げた手で、握力込めてグニャグニャと脂肪球を揉みしだく。 「ちょ、痛い」 有紀は抗議したが、慶介は頓着せずに、その姿勢のままクルリと向きを変え、仲間にその手の中のものを見せつけた。 「見ろよ! 手の中に入んねえ」 そのレポート通り、確かに広げ切った指の端から端をもってしても、彼女の乳房はそこに収まりきらなかった。余った柔肉が垂れこぼれている。 「マジか」 「デケーな」 仲間達も口々に感嘆した。次いで彼らは、自分達もそれに触り始めた。 「は? ちょ、やっ、痛い」 有紀は眉間に皺寄せて肩を左右に振るが、それにつれて豊かな塊が地盤からタプリタプリ揺れると、返って面々を面白がらせ、益々いたずらをエスカレートさせた。浩樹は人差し指を柔肌に際限なくめり込ませ、竜二は乳首を延々と引っ張る。豊乳はそのいずれをも、圧倒的な対応力で許容した。 「なあ、これ、吸っていい?」 誰に許可を求めるでもなく、だが少なくとも有紀本人にではなく竜二が言い、彼は乳輪をきつくつまむと口をあんぐり開けて近づけていった。 すると、次の一瞬、一同を驚きが襲った。 * 「ねえ、お母さんは? お母さんは?」 有紀の下の娘、幼い瑞穂が舌足らずに言って姉のシャツを引っ張る。姉の清美はそれをうるさそうに払った。 「知らないわよ。お母さん忙しいんだから、大人しくしてなさい」 マせた口調で言って、母親代わりのつもりである。だがその実、自分は同級生との砂遊びに夢中だ。その同級生、本当はその幼稚な遊びに飽きているのだが、清美のしつこさに渋々付き合わされていた。 妹はすごすごと引き下がり、チュパチュパ指を吸って不足をやり過ごす。 * 「わっ、なんだこれ!?」 顔面に温かい汁が掛かって、竜二は面食らった。それは母乳だった。 「マジか!?」 「母乳出んの、オバサン!?」 少年らには初めて接する光景だった。悪ぶっているとはいえ、比較的モテる慶介を含めても、つい最近になってやっと性交の味を知ったような連中だ。この時初めて、母体としての女体の役割を肌で実感したようなものである。 よく見れば、その乳輪は赤黒く、周囲とのコントラストが鮮明であり、また乳首のくっきりとした陰影もまた、授乳に適した状態であったのだが、乳幼児の本能を忘却したオス達には、ただの卑猥な造形でしかなかった。 「なに、オバサンって赤ちゃんいんの?」 浩樹は問うたが、有紀は答えなかった。実際には、もう赤ん坊という年でもなく、口もきけば歩きもする幼児がいるばかりだが、有紀の乳の出は三年越しでもまだ止まらないのである。 「うお、母乳ウッマ!」 「なんだこれ、こんなんあり?」 竜二と浩樹は左右の乳首にそれぞれ吸い付いて、思い思いにミルクを飲んだ。 「イヤッ! キモい、この変態!」 母親としての強烈な不快感に苛まれ、しきりに罵る有紀。二十以上も年下で、確かに法律上もまだ子供とはいう相手なれど、この状況下において母性愛など微塵も感じるはずがない。 「おお、オレも吸いてえ! おおっ、もうイくわ!」 慶介は羨ましそうに叫ぶと、腰の回転を一際激しくした。それは、まさしく種付けの合図であった。 「おっ、ペー助、中出しかよ」 浩樹の煽りに、その以前からそれと察していた有紀、大いに異議を唱える。 「はっ? ちょっ、ふざけんな」 「ああ、そういえばオッサンは外に出してたっけ」 竜二が床を見れば、今でも前原の出した粘液が机の下に広がっていた。慶介は言った。 「オレさあ、潔癖だから床汚すとかできないんだよね。やっぱさ、教室はキレイに使わなきゃ」 彼の芝居じみた言い方に同調して、仲間も好き勝手を言う。 「どうせ中も外も一緒だって」 浩樹は言ったが、たとえそうだとしても、女としては無理矢理犯された男の汁が体の中に入ることこそがそもそも嫌だった。 「やめて! 離して!」 事の前にも増して激しく抵抗する有紀。だがこれはもはや逃れられない定めであった。 「あ、あ、イく! ……ああ、出る……出てる……ヤベ……チョー気持ちいい……」 若いエキスが言葉通りにたっぷりと迸る。注がれる身は知ろうまいが、それは彼女の母乳が如き白さで、且つそれよりずっと粘っこいものだった。 * 「いました?」 「いいえ、やっぱりもう帰っちゃったんじゃないかしら」 校舎の入り口で中年の男女が出会い頭に挨拶を交わす。相変わらず有紀を探していた。次の競技にも彼女はエントリーしていたのである。 「まさか、校舎の中にいるなんてことは……」 男が暗がりに目を凝らす。すると、タイミング良く、そこから父兄の花村が出てきた。また、校舎前の植え込みの方からは、同じく父兄の小林が現れた。 「いや、こっちには誰もいないみたいですよ」 花村は有紀を見ていないと言う。小林も同調した。二人は余人にはそうと分からぬ程度にちょっと目を見交わした、何か通じ合うものを感じて。 捜索隊の二人はそれを聞き、またそれぞれに散っていく。うち女の方は別の女と合流してブツブツ言った。 「ていうか、金光さんエントリーし過ぎじゃない? 出る気もない癖にさ――」 〈つづく〉 |
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