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R18
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妄想の座敷牢羞恥の風ましゅまろくらぶ



小説には、連続作品と一話完結作品があります。連続作品は、左「カテゴリ」の各作品名より一話から順番に読むことができます。また「目次」には、各作品の概要などをまとめた記事が集められています。

■連続作品
◆長編作品
「子宝混浴『湯けむ輪』~美肌効姦~」

◆中編作品
「大輪動会~友母姦戦記~」
「青き山、揺れる」 ▼「師匠のお筆」

◆オムニバス
「母を犯されて」

◆短編作品
「育てる夫」  ▼「最後の願い」  ▼「ママの枕」  ▼「ブラック&ワイフ」
「夏のおばさん」  ▼「二回り三回り年下男」  ▼「兄と妻」

■一話完結
「ふんどし締めて」
「旧居出し納め・新居出し初め」  ▼「牛方と嫁っこ」  ▼「ガンカケ」
「祭りの声にまぎれて」  ▼「シーコイコイコイ!」  ▼「サルオナ」  ▼「母の独白」
「童貞卒業式」 ▼「お昼寝おばさん」  ▼「上手くやりたい」 ▼「珍休さんと水あめ女」
「栗の花匂う人」「乳搾りの手コキ」 ▼「妻つき餅」 ▼「いたずらの入り口」
「学食のおばさん便器」 ▼「山姥今様」 ▼「おしっこ、ついてきて。」

作品一覧

育てる夫(7)育ての熟女


十二歳



 ひとみは地域の剣道大会に来ていた。理生の応援である。彼の親も来ていないのに、隣人だけ来るのは妙なものだ。完全に育ての親のような顔で席に座っていた。

 理生は運良く勝ち進み、遂に決勝まで来た。が、そこで惜敗。試合前に先生から、

「よくここまで頑張った。負けることを気にせず楽に行け」

などと声を掛けられ、これは肩の力を抜いてやろうという配慮だったのだが、そういう甘いことを言われると、

「あ、負けてもいいんだ」

と受け取ってしまうのが彼なのである。とことん楽な方へ流れようとする。

 こうして試合では空振りだったが、寝所での竹刀は冴えに冴えて、勇猛果敢に相手へ攻め込んでいく。

「スゴい! ああ、スゴいわ、リオ君」

鋭い切っ先に懐深く突きまくられて、ひとみは立て続けに一本を取られた。

 それまでは専ら正常位だったのが、使える体位を増やし、今はバックで挿入している。ベッドへ四つん這いにならせた相手の大きな尻を掴み、上手に腰を叩きつける。性具には毛も生え、貫禄すら窺えた。

 精通を経て以降も、彼の訪問が絶えることはなかった。何のためらいもなく、何となれば次の日には普通に来ていた。理生にとって、ひとみの家は、彼にとってのいわゆる楽な方だったのである。何の不安もなく、ただ優しい気持ちで居られることが出来た。

 悩んだのはひとみの方である。一人前となった男性を相手にする以上、これまで同様の自由奔放な交わりを続けるわけにはいかない。そこでまずは、精子や性交の意味などを改めて説明した。男児にとってそれは、学校より早い性教育であった。

 理生はまず驚いた、これまでしてきたことが子作りだったことに。しかし、それ以上に、ひとみとそれを出来ていることに感動していた。彼女に自分の子を産ませたいとまでは、自分が子供だから現実的に思いも付かない。ただ、大人として対等の立場になれた気がして、それが嬉しかったのだ。これはもう恋人とか、いっそ夫婦と呼ぶべき関係ではないのか。

「気持ちいいだけじゃないのよ」

ひとみは諭すように、且つはまた寂しそうに語る。この結果、彼との関係を解消することになっても致し方ないことだ。ただ、自分から突き放すことはしなかった。

「もう出来ないの?」

すがるような目で、理生が問う。それを見ると、ひとみの心は一層揺れ動いた。体の欲を満たすばかりでなく、彼と過ごす時間そのものが、既に彼女の中で大きな意味を持っていたから。

「そうねえ……」

避妊という手段を取ればいい。ことセックスに限れば答えは簡単だ。それは最初から目の前にちらついているが、それへ安易に飛びついて良いものか。これまで散々、ありのままに言えば、若い性を食い物にしてきたくせに、ここまできて今さら彼女は真剣に悩みだしていた。

「イヤやっ!」

理生はいきなり飛びついてきた。そのまま相手を押し倒そうとする。

「待って! ダメ。今日は、ダメ」

ひとみは、まだ結論も出ないままに、とりあえずそれを押しとどめる。見れば、理生は薄っすらと目に涙を溜めていた。彼女は励ますように明るく笑う。

「別に、もう会えないわけじゃないんだから」

この子に判断を委ねるのは酷だ。何より卑怯だ。そう思った。

「今日はお口で我慢して。お口でしてあげるから、ね?」

ひとみはそう言うと、彼のブリーフを脱がし、既に半勃起状態のペニスへ唇を寄せていった。

「今日も精子出るのかな?」

わざと冗談めかして言い、上目遣いに相手を窺う。理生はいつになく落ち着かない様子だったが、口淫が始まると次第にそちらへ気を取られていった。

「ンフ……」

今までより男らしい匂いを感じるのは先入観の所為だろうか。男根をしゃぶり上げながら、ひとみは思った。舐める程に先端から汁が溢れ出す。確実に成長の跡が見られる。

 亀頭回りを段差に沿ってベロベロと舌で転がし、そこをすっかり濡らしてテカテカに光らせる。性に供する道具にしては美し過ぎる、無垢で鮮烈なピンクである。裏へ回って、縫い目から筋に沿って下降。竿は血管も浮いていず、これも清純なたたずまいだった。

 精嚢はどうか。溌溂とした弾力があり、今は引き締まった状態。玉を口に含んで舌上に転がせば、本格的に稼働を始めた為か、心なしか重たく感じられた。

 ひとみはさらに股の奥へ顔を突っ込んで、玉袋の付け根、肛門の手前辺りを味わう。

「ああ……」

焦らされているようで、理生はもどかしかった。早く肉竿をくわえてほしい。やはり気持ちいいのはそこである。

 散々外周を散策して、ようやく上に帰ってきた。唇をすぼめて、ひとみは亀頭から根元まで、ゆっくりゆっくり隙間なくずり下がる。ビクビクッと震える相手の反応が愉しい。あとは上がり下がりを繰り返し、口をまるっきり膣に見立てて、男根と交尾した。

「ハア、ハア……」

男児の呼吸が荒くなる。絶頂というより、出したいという感じ。精通以前とは明らかに違う、射精欲求ともいうべき感覚が、彼のフィニッシュを急に早めていった。

「ン、ンッ!」

前触れもなく、突如として口中に熱いものが迸る。一撃は喉にぶち当たって、ひとみは悶絶した。

「すごい」

とめどもない量が次から次へと放出されてくる。射出砲はビクンビクンと暴れ、それ自体が口を圧迫するのに、その度に発射されるザーメンで、たちまち内室は満杯になった。

「ンン……!」

たまらずに、ひとみは勢いのまま飲み下していく。形の崩れにくい塊が、ドロリと喉を通る。精液を飲まされたのは、夫が死んで以来早九年ぶり程になる。懐かしい。

 彼女はたっぷりと時間をかけて子種汁を味わうと、うっとりして彼が治まるまでそのままくわえっぱなしでいた。そうして、最後にストローのイメージで、尿道に残った分をチュッと吸い出してからようやく離してやった。

「ビックリした」

事後、ニッコリ笑って言う。

「もう、イく時はイくって言ってよ」

「ごめん」

反省する男児を見て、ひとみはまた笑顔を向けた。

 そんな日があった後に、彼女の姿はあるクリニックの中で見られた。避妊について相談する為である。ひとみはまだ、月のものがあった。

 そういう所に顔を出すのは気が引けたが、女性医師は別段詮索することもなく、心安く応じてくれた。先方とて仕事である。検査を受け、経口避妊薬を処方されて帰った。

 これが、ひとみにとっての覚悟だった。あの子に責任は取らせられない。そしてまた、引き込んだのは自分である。彼はただ、手近な快楽に溺れているだけだろう。今から将来を考えられる年でもあるまい。いつかは自然と離れていく。その時まで準備だけはしておこうと。残りの時間は、そう長くもないだろうから……

 避妊の方法としてコンドームも考えたが、いくら成長しているといっても当時はまだ小さく、着けてもブカブカで彼の用には足らなかった。それが合うようになってきたのは、ここ最近である。四年生になって性毛が生えだした時点でも、まだ使えなかったのである。

 理生の性欲は年々、いや日を増すごとに激しくなっていった。性の、いわばエリート教育を受けてきた彼。ましてや、性的好奇心もぼつぼつ強まっていく年頃だ。もっとも彼の場合、周囲より遥かに早熟ではあったが。

 ひとみの生理周期についても、自然とわきまえるようになっていった。何しろ、サンプルが身近にあるのだ。実践による理解が一番早い。いわゆる安全日などという概念も自ずと知るようになった。休みの日に安全日だと分かると、もう歯止めが利かない。

 四年生以降、理生は週二回、進学塾へ通うようになっていた。母親の意向で中学受験を課せられたからである。それでも寸暇を惜しんで、ひとみの家へ駆け付ける。

 夏休みに入るとそれは顕著で、ラジオ体操へ行ってから一発、プールへ行ってから一発、友達と遊んでから一発、などと一日中種付けを挟んで行動した。おかげで、ひとみは日に何度もシャワーを浴びねばならず、ただでさえ潤いの少なくなってきた肌をケアするのが大変だった。男性はその場だけ考えておればよいが、女性は何かと気を遣うものだ。

 もっとも、肉体の欲求が充実している所為か、女としての色香は衰えを見せなかった。若さに触れ、そのエネルギーを吸い、あるいは彼に見合うようにと気を張っていることが功を奏しているのかもしれない。

 もう五十路に入っており、理生はとっくに興味を失うものと思っていたが、どうしてどうして、彼の慕い方は強まる一方。五十歳が、男性一般の性の対象から外れる指標だと考えていた頃も遠い昔で、彼はひとみという女を、とことんまで研究し尽くしたいようだった。

 理生はある時、家から一本のビデオテープを持ってきた。父親が隠し持っていた物だという。それは、無修正のアダルトビデオだった。

「イヤらしいわね、こんなもの見て」

ひとみは揶揄した。ちらりと隣を盗み見たのは、彼がこれを使って、一人でしている姿を疑ったからである。しかし、実際には、理生はまだ一度もオナニーをしたことがなく、製造する精液は全て、ひとみに提出していた。

 二人してキャッキャと画面を見る。熟年夫婦でもあるまいし、無論こんな猥褻な映像を見ずとも気分は盛り上がるわけで、実際二人は、まだ作品の途中からイチャイチャとし始めた。元よりそのつもりで集っている。

 ひとみは理生の薄い胸板を撫でまわし、勃起した乳首を甘噛みした。すっかり背の伸びた彼で、その身長は彼女に迫る勢いだが、骨格がまだまだ未熟の為、全体としては小さく見える。まさに少年という形容こそ相応しい。痩せ型で、贅肉など一切ない体は羨ましくもあった。彼女も、理生に言わせれば、十分痩せているのであったが、二十代の時に比べると何となく丸みを帯びている。

 その特に丸く膨らんだ双丘を、理生は下から支えるようにして揉み回した。ひとみがリードする一辺倒だったのに、この頃は彼も能動的となり、今では主導権の奪い合いだ。程なくして、互いの性器を舐め合う形となった。

 陰茎は大きくなり、もう陰嚢と同時に頬張ることが出来ない。代わってくわえごたえの出てきた竿が、むしろ正統な満足を与えてくれる。ひとみは溢れるよだれをベトベトにまぶして、逞しい怒張を頬張った。

腹側から見る角度こそ、いつも彼が見ている光景なのだろう。そう思うと、女だけが見られる裏側からの視点とはまた一味違った趣きがある。

「ステキ」

彼女はくわえながら顔を横に寝かし、腿の上につけた。ポコリと亀頭の形が頬に浮き出る。

 一方理生も、正対するのと天地逆転した女陰を、これはもう見慣れた形なのだが、いまだに飽きることなく愛でていた。いたずら心を起こして、丸見えのアナルをペロッと舐める。

「イヤン、そこ違うでしょ」

即座に叱るひとみの、この反応が可愛くて好きだ。恥ずかしそうに紅潮したおちょぼ口も愛しく見える。その穴が汚いこととはどうしても結びつかなかった。彼女の尻は引き締まってこそいないがあざもなく、少年は当たり前に見ているが、かなり綺麗な白い肌である。

その白さの中だから、陰部の色素は相対的に目立つ。目印のようなその凹みの内部は、まるで洪水のように愛液で浸水していた。こちらが舐める前からである。その貪欲な洞穴は、今でも難なくフィストを受け入れるが、理生も緩急を覚えてきて、闇雲にはやらない。

彼は、彼女の股の間から、テレビ画面へちらりと目をやった。彼にとってそれはオナニーの道具ではない。セックスの教材だ。これで学んだことを、ひとみで実践するのである。

中指と薬指を下向きに挿し込んで、中で折り曲げる。そして、そこにある壁を、連続して刺激した。腕が疲れるのも厭わずに、細かく細かく動かす。クチャクチャと水音が轟いた。

「アアン」

足元から嬌声が聞こえる。感じているのだ。彼は自信を持って、一層壁面をこそばした。

「ダメ、来ちゃう!」

程なくして叫んだ瞬間、ひとみは盛大に噴き上げた。潮である。理生は顔中にそれをかぶった。

「ヤだぁん」

体位を崩した彼女は、己のぶっかけた汁でグショグショに濡れている彼の顔を見て恥じた。相手はそれでも得意げに笑っている。

 理生はコンドームを準備した。六年生になった今では手慣れたものだ。初めて装着法を教えてもらった時、それはひとみの手ずからであったが、着けてもらっている最中に射精してしまったのもいい思い出である。その時彼女は、ペシリと彼を叩いて大笑いしていた。

 潮まみれの痴穴に狙いを定め、ゆったりと男根を挿入していく。

「アアン!」

と女の喘ぎ声が響くが、これはビデオの中のこと。女優らしく作り込んだ声で派手に騒いでいる。だが、ひとみも負けてはいない。こちらは心からの悦楽で淫らに鳴く。

「アッ、ア、ア……アアッ!」

女と女の声が交錯する中、実際の方がやはり実力は上である。

 ひとみは、挿入後間もなくイッていた。といっても、男と女では態様に相違があるから、イき始めたといった方が適切かもしれない。あえて男的な感性で言えば、女は何度でも昇天出来るといったところであろうか。男には羨ましいコストパフォーマンスである。

「イくぅ、イッてるぅ!」

蕩けた瞳で少年を探して、彼女はペタペタと相手の腕や腋に触った。

 理生は女を支配する悦びに震えながら、グッと耳元へ近づいて言った。

「ねえ、顔に出していい?」

「え……?」

よく分からないといった様子のひとみ。重ねて理生は言った。

「顔に……お顔に、出し……精子、かけてもいい?」

彼は如実に教材の影響を受けていた。

「ええ……?」

ひとみは戸惑った。彼女は家に居ても、きちんと化粧を絶やさない女性だ。化粧自体得意で、その美貌もこれによって倍化されている面は否めない。理生と逢う時はなおさら気を遣って念入りにやってきた。

 だから、それを台無しにするというのは、些か不本意である。これも若さ故の好奇心だろうか。そういえば、遠い昔に夫からされたこともある。あの時は自分も若かったが……

 彼女は迷ったが、切なく懇願してくる少年の希望を、冷徹に退けることは出来なかった。現に今愛されている彼の顔を見ていると、何でも許してやりたくなる。

「……いいわよ」

一度位は、という気持ちで、彼女は受け入れた。

「顔に……いいの?」

ウンと頷いてみせる。理生は喜んで男根を抜くと、手早くゴムを外して、ひとみの顔の上へ寄っていった。

 ひとみはギュッと目を閉じる。近くに熱気を感じる。ちょっとした緊張感があった。

「ンッ!」

白濁汁が迸る。狙った以上に正確で、それはピューッと顔の上に筋を作った。先頭は額左寄りの生え際に落ち、そこから斜めに顔面を横断して落ちた。そこから何本も何本も、次第に距離を短くしながら、ある線は眉間から唇へ、またある線は右目蓋から頬の下部へ、ほかにも両唇を跨いだり、こめかみに沈んだりしていった。最後の方は鼻回りに掛かり、さらに搾られると、一滴がボタッと鼻の頭に落ちて終わった。

 理生にとって、それはお漏らしのような解放感だった。出してはいけない所で出してしまう感覚。それに似ていた。女の人の顔に精液を排泄することは、物を知らない彼でも、背徳的な気がしたのである。

「終わった……の?」

目を開けられないから、ひとみには状況が分からない。喋ると、唇を伝って粘液が流れ込んできた。それはあぶくとなって、会話を妨げる。鼻の穴にも入ってきて、呼吸がしづらい。汁は元の場所にとどまっていないで、次々と耳の方や首の方、髪の中まで流れ落ちてくる。総じて、顔中が熱い。

 口内に射精された時を思い出す。あの時も、何しろ沢山出たイメージだ。あれと同様か、あるいはそれ以上の量がぶっかけられたことになろう。言いようのない落ち着かなさがあって、彼女は早く拭き取りたかったが、理生はまだ見ているようで動かない。

 小鼻の左右や目蓋の窪みに、白濁した水たまりが出来ている。見慣れた顔が一面汁だらけに汚れている。理生はじっくりと観察した。何度も間近に見て、その度に見とれることも多かったが、今はゾクゾクする程、芸術的な造形美に感じる。加えて、やっと彼女を我が物に出来たような感動もある。

「ねえ、もういい? ティッシュ取ってくれる?」

女の声がその感慨を破ったが、彼は答える代わりにペニスをその口へ持っていった。

「ン、あ、ちょっと……」

頼みと噛み合っていなかったが、ひとみはすぐ意図を察し、差し出されたものを素直に口へ収める。射精後にフェラチオしてやるのは、大抵いつもやっていることだ。唇周りのザーメンも一緒に流れ込み、口の中で肉竿にまぶさる。いつものように、まだ硬さを保ったままだ。

 やっと終わったと思ったら、理生はガバッと覆いかぶさってきた。股の間に戻っている。

「ねえ、もう一回」

「え? え?」

ひとみが戸惑うのをよそに、言うが早いか彼は再び挿入を開始していた。

「もう一回って、ちょっと……ン、ね、ねえ、ちょっと……」

乳房を鷲掴みにしながら、ゴリゴリと男根を摩擦する。

顔射……顔はもう、ダメだからね」

聞こえているのかいないのか、理生はひたすら腰を振る。数分後、また絶頂の波にたゆたっている頃、結局ひとみはまた、したたかに顔面シャワーを浴びせられるのだった。





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[2023/03/25 22:00] | 「育てる夫」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
育てる夫(5)学習


七歳



 小学校に進学した理生は、無邪気で活発というより温和で大人しい子という雰囲気に成長した。新しい環境の影響と、元からの性質もある。クラスでは目立たない方で、他方知識の吸収が早く、相対的に頭の良いイメージが付いていった。四月生まれで、学年でも年長な点が、多少有利に働いた面はある。そして、同級生にはない経験も。

 ひとみの家には相変わらず訪れていた。世間では口数が少なく見られていた彼だが、ここではまだ元のあどけなさが健在であり、たとえ家族の前でも表さない幼さを、有りのままに発揮してみせる。それ程家主に心を許していたわけだ。

「新しいお友達は出来た?」

「ウーン……」

たまにそんな質問を投げかけてみても、理生は言葉を濁すばかり。彼の内気な性格は、ひとみもとうに察していた。彼女は外向的で友人も多くいたから、そういう悩みには疎かったが、一方で男故の孤独さには惹かれる部分もあった。

 ともあれ、理生はここへ人生相談に来ているわけではない。いわゆる鍵っ子で学校から帰ると一人で夜まで過ごさなければならず、且つ親の放任気味な主義もあったから、ひとみが半ば保護者的な役割も担っていたが、それにとどまるものではない。

 彼のひとみへの懐きようは尋常でなかった。それはそうであろう、何せ既にただならぬ男と女の関係になっていたのだから。

 二年前の春以来、二人は何度も混浴を重ねた。そしてその度に、理生はおばちゃんの股で快楽を得た。彼はもう性の快感を自覚している。自ら求めてもいる。今では逢瀬の場がベッドの上にまで発展していた。

「おばちゃん」

子犬みたいに鼻を鳴らさんばかりの甘ったるい声で寄り掛かりながら、理生は欲棒を陰裂に挿す。股の間でこするのではなく、穴の中に入れることを彼は既に知っていた。風呂で何度も交わる内には、さすがに真実を視認したのである。

「入ってる!」

初めての時は、見てもどういう状況かはピンとこなかった。オチンチンはどこに入っているのか。入っていいものなのか。疑問だらけだ。ましてや、これが子供を作る方法だとは夢にも思わない。それはもっと不思議な奇跡で、いつの間にか母の胎内に宿っているものだと、彼は何となく信じていた。

 理解力には限界がある。それでも、例えば子供の見る特撮番組で、最近の話は昔と比べて複雑過ぎるなどと批判する向きが久しくあるが、彼らが子供の頃に見ていたものを大人になって見直した時、果たして内容の全てを当時から理解出来ていたかというとそうでもなく、結局子供はいつの時代も自分の分かる範囲を自然と絞って、その中から勝手に楽しみを見つけていることに気が付く。

 この場合の理生がまさにそれで、おばちゃんの凹んでいる所にオチンチンを入れると気持ちいいという、この事実を覚えたことだけがとりあえず重要なのだった。精々、女の人はオチンチンが無い代わりにそこが凹んでいて、そこへちょうどオチンチンが入る、位に認識出来きたのは、この年頃で上々と言えよう。

 とにかく欲望に素直な男児は、日を置かずに訪ねては快楽穴にペニスを突っ込みズボズボとやる、それを繰り返すばかりだった。

 片や、ひとみはというと、もちろん分別のある大人であるから、ひと度社会に出れば常識人を装うのであるが、この家という閉鎖空間で一対一になると、理生への愛着も相まってつい体面を等閑にし、劣情のまま状況に甘んじてしまう。そうして夏を生き、秋を過ぎ、冬を越して、一年が経ち、と日々をただ重ねていったのだ。元来楽観的な性格もある。

 彼女にとって理生は不思議な存在だった。年齢差が大きいだけに恋愛対象なわけはないし、いまだに子供に欲情する趣味もない。色気はあるが誰彼構わず発情する女ではないのだ。それがどうした訳か特別な関係へと進んだ。単に勃起を見せられただけで、ここまで深みにはまりはしない。その後のこちらのいたずら心から、あちらのそれの受け入れ方、互いの性格、距離、時期、あらゆる展開が見事にしっくりきたのである。

「ねえ、もっといいことしてあげようか」

ニヤニヤと悪だくみする目で、ひとみはさらなる淫靡な世界へといざなう。ベッドに横たえた理生の下半身から、舌なめずりして上目遣いする。屹立した怒張が、潤んだ瞳に映った。

「お、おばちゃん」

その行為を初めて目の当たりにした時、理生は驚愕した。オチンチンがおばちゃんに食べられたのだ。

「汚いよ」

第一に懸念した。想像だにしない遊戯だった。

「大丈夫。男の子のオチンチンはキレイなのよ」

そう説明されても実感がない。オチンチンはあくまでもオシッコを出す所だ。セックス経験者ながら自覚が無い、そこはそんな絶妙な立場だからこそ抱けた感想である。

「女の人は、オチンポ舐めたいの。舐めるのが仕事なのよ」

フフンと鼻で笑って、ひとみは半分冗談、半分本気で言った。無知な者に独善的知識を授けるのは大いに面白い。理生はまだ半信半疑ながらも、とりあえず納得することにした。

「気持ちよくない?」

意地悪い質問も正直に受け止める。ペニスの上を舌に這いずり回られて、気持ちよくないわけがない。

「嫌かしら?」

理生はブンブンと首を振った。その反応を予め確信していたくせに、ひとみはあえて謙虚に出る。

「ちょっとだけ、させてね」

その面長な輪郭をさらに長くし、鼻の下を伸ばして、ズズズッと小さな雄しべを吸い上げる。垂れ目がちな目の形は普段から親し気な印象を与えているが、細めたそれはこの時もいと楽しそうに見せる演出に一役買っていた。軽口の多い気さくな日頃とも相まって、まるっきり遊んでいるように見える。

理生は、股間にある大きな顔をそわそわしながら見守った。平均より余程小顔な彼女であるが、大人と子供では比較にならない。女の人の仕事だというのなら、ママもこんなことをするのだろうか。ふと思ったが、あの険しい顔が股間にうずまる姿をどうしても想像出来なかった。

左目尻の泣きぼくろは、ひとみの昔からのチャームポイントである。理生は好奇心でそこを押したこともあるが、それが今は上がり下がりしているのをじっとりと見つめた。動きにつれ、ジュッ、ジュッと粘ついた唾液の音が鳴る。

「ハァ……」

時折口から吐きだして、うっとりと肉棒を見つめるひとみ。それを頬に摺り寄せ、愛し気にため息をつく。また下部に潜って、玉袋の皺を舌先でねぶる。あるいは舌の腹で睾丸の形をベロベロと捕捉する。

「すごい」

これは両者が同時に抱いた感想であった。片や行為の意外さとめくるめく快感に、片や健気な雄々しさとこちらを悦ばせる食感に。二人して恍惚となりながら、口唇遊戯に興じた。

 ひとみはフェラチオが好きである。男を喜ばせたい思いやりもあるが、それよりも自身愉しみでやっている。おしゃべりらしく大きな口は、男根を頬張る時にこそ使いたいものだ。その威力を遺憾なく発揮し、例によって竿と袋の丸呑みを実行する。

「あ……あ……!」

理生は細い首をコクコク動かして、たちまち腰を跳ね上げた。その膝をひとみがやんわりと抑えつける。

「ああん、もっとしてあげたいのに」

そんな風に思っても始まらない。理生は果てていた。ひとみは得意満面で彼の顔を窺いつつ、名残惜しそうに、しばらくはじっとして口の中の肉塊を吐き出さなかった。

「イッちゃったのね」

ツヤツヤに濡れた唇で、ひとみは微笑む。コチョコチョと陰嚢をこそばしても、彼はうっとりと呆けていた。理生はこの時点で既に、イくという現象を知らされていた。だからもういつかのように怖がったりはしない。

 とにかく、ひとみからもたらされる知識と経験は多かった。偏ったジャンルのものが、ほとんどまっさらな素地へ雑多に積み上がっていく。

「ここは何ていう名前?」

ヴァギナを指さして、理生は問うた。男の子がオチンチンであるなら、女の子はどう呼べばいいのか。素朴な疑問だった。

 ひとみは、自分に卑猥な単語を言わせたいのかと勘繰ったが、これは大人びた発想である。いずれにせよ、答えてやるしか選択はなかった。

「オマンコ」

「オマ……?」

「オ・マ・ン・コ」

口の動きを見せつつ復唱させる。まさに言語学習である。案外これ程正式に俗語を伝授される例も世の中少ないのではないか。

「マンコに“お”を付けて、オマンコよ」

彼女にはちょっとしたこだわりがあって、“お”という接頭語を付けるのは相手の物と決めている。従って、自分のを指すときは単に“マンコ”という。逆に相手のを呼ぶときは“オチンポ”である。“チンポ”という呼び方は夫から仕込まれたものだ。今は子供の目線に合わせて“オチンチン”と言うことが多いが、本性が出ると“オチンポ”呼びが出てしまうこともあった。

「関西ではなんて言うんだっけ」

相手の方言に合わせて教えてやった方が良いのだろうかと、彼女は余計なことまで思案したが、“オメコ”という呼び名をこの時は思い出せなかった。

「でも、普段人前で言っちゃダメよ」

物静かな彼のことだからさほど心配はなかったが、念を押しておくに越したことはない。

「分かった」

物分かりの良い男児は素直に聞き入れる。さすがの彼も何となく憚るべき事柄をわきまえていた。ひとみとの逢瀬の中で、この快楽に伴う淫靡な影を薄々悟る内、それは以前から彼女との特別な関係について、二人だけの秘密にしておかなければいけないと教えられてから備えた処世である。

 理生は興味津々で股の間を覗き込み、遠慮なく次々と疑問を質す。ひとみは脚をМの字に開いたまま股間をさらけ出し、一々解説してやった。といっても、細かいことを説明するのは面倒だし、何より恥ずかしかったので、曖昧に濁す部分も多かった。

「ここが、クリちゃん」

「クリちゃん?」

「女の人の、オチンチン」

「え? 女の人にもオチンチンがあるの?」

「ウーン……」

人体進化の歴史めいた話を聞いたことがあるが、そんなあやふやな知識をひけらかして、この子に伝わるとは思えない。余計なことを付け加えると面倒なことになる。これは子供と対する時にままあることだ。

 教えながら、ひとみはいつしか顔を真っ赤にしていた。自分の発言がひどく馬鹿々々しいものに思えてくる。おまけに一々聞き返される度、それが助長されるようだった。

 そんなこととは露知らず、理生は無邪気に教えを請う。女の股間は謎だらけ。この際よく調べたいわけである。次から次へと疑問が湧いてくる中、特に思いついて彼は訊いた。

「ねえ、男の人はここを舐めるの?」

「え……」

女がオチンチンを舐めるならばと、自然に湧き出した仮説である。ひとみはどう答えていいか一瞬戸惑った。舐めてほしい本心が後ろめたい。自分から言い出すことは恥ずかしいし、それに、この子にそれを強いるのは申し訳ない気がした。

「ねえ、舐めちゃいけないの?」

「えっと……ねえ……」

逡巡する間にもジワジワと蜜の溢れるのが分かる。

「舐めて……みる?」

「いいの?」

言うが早いか、理生は唇を陰唇へ近づけていった。フーッと息が吹きかかり、薄い陰毛がそよぐ。

 ひとみはコクリと頷いた。

「舐めて……」

そのまま後ろに倒れる。舐められるところを見るのも恥ずかしかった。

「ここ? ここ?」

理生は一々尋ねてくる。それが非常にもどかしい。される方とする方では勝手が違うし、何分にも初めてだから正解を知らない。それで彼が指示を仰ぐのは当然であったが、気持ちは分かっていても訊かないでほしかった。試したことはないが、物言わぬ犬ならば本能だけでペロペロとやるのだろうから、今はその方がいいと彼女は思った。

 大人が曖昧に濁すので、理生は結局実践で学ぶしかなくなった。とりあえず、女のオチンチンと教えられたクリトリスを中心にしゃぶってみる。それは自分の陰茎と似ても似つかぬ形に見えたが確かに突起はしているので、ひとみがしてくれたように、それをペロペロと舌で弾いたり、唇の間に挟んでくわえるような格好を試みた。

「ハッ、アァ……」

ひとみは顔を赤らめて見悶える。久しぶりのクンニリングスを、まさか小学生にされるとは思わなかった。それでも体は正直で、恥も外聞もなく愛液を分泌する。

 理生は夢中になって舐めしゃぶる内、知らず知らず陰核の包皮を剥いていた。

「アアッ!」

直接の刺激を受け、ひとみは思わず声を上げる。その反応に驚きつつ、彼は生まれて初めて女に問うた。

「気持ちいい?」

それはひとみの受け売りであったが、期せずして彼女にやり返す結果となったわけだ。

 うんうんと頷くひとみ。目を手の平で覆っている。やり場のない恥ずかしさである。

 理生は勢いに乗って夢中で口唇愛撫を続けた。そういえば彼女が玉袋も舐めてくれたことを思い出し、陰核から下の方へ下りていく。こちらの方こそどう扱っていいのか分からない。それでも相手の反応を見つつ、大陰唇のひだから順番に舌を這わせていった。

「イヤァ……」

狂いそうになりながら、ひとみが囁く。それは羞恥から出た声だったが、理生は嫌がっているのかと勘違いして、大陰唇から一旦口を離した。実のところ、間違ったことをして怒られるのを恐れている彼である。代わりに、より内側の方へ向き、小陰唇の粘膜へと唇を滑らせた。

 返って感度の高い部分を責められ、ひとみの興奮は一挙に高まった。小さな顔が鼻まで女陰に埋めて奉仕してくれている。

「気持ちいい?」

「き、気持ちいい」

今度は言葉に出して答える。彼女は刹那的に我を忘れて、その頭を掴み自らの股間へ押し付けた。

「フゴッ!」

ヴァギナの粘膜で鼻も口も塞がれ、息が出来なくなって、理生は横向きに逃げる。すると、彼女の濡れた土手が頬に温かかった。そこでまた、ひとみがペニスに頬ずりしていた光景を思い出す。男児は今や顔中愛液まみれでベトベトになりながら、淫乱穴の入り口でズリズリと顔面をこすった。抜けた縮れ毛がその幼い肌に貼り付く。

 そうだ、竿も玉も丸呑みにするのだった。ほかに手本を知らないものだから、それが当たり前だと信じて、理生はクリトリスと陰唇を一口にカバーすることに挑戦しだした。しかし、それは困難というものだ。小さな口を目一杯に広げ、上唇を突起に引っ掛けると、辛うじて小陰唇の上部まで覆う。もがいている内に、舌は膣口をコチョコチョとほじった。

「イッ……アア……イく……!」

ひとみはとうとう降参して、小学生のクンニに屈服した。小さな頭を抑えつけたまま、さながらマスターベーションを愉しむが如き格好で、奔放に絶頂する。

 理生はキョトンとした顔でアクメした彼女を見ていた。まだ女もイくことを知らない彼であった。






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[2023/03/23 22:00] | 「育てる夫」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
育てる夫(2)丸呑み
 日を置かずに、理生はひとみの家を訪れた。相変わらず服に泥を付けている。

「ねえねえ、お風呂入らへんの?」

その一言で、年長者は意図を察した。幼いながらも快楽の味を占めたと見える。

「今日は入りません。おうちで入ってきなさい」

ひとみはきっぱりと断る。この間のことで少々懲りていた。

「エー、入ろうよ」

理生は庭から上がってきて廊下を駆け出すと、一目散に浴室へと向かった。勝手知ったる他人の家である。

「ぼくもう脱いじゃうよ」

付いてこない相手に向かって大声で呼びかける。ひとみは廊下の角から、

「じゃあ一人で入りなさいよ」

と呆れたように返事した。

「エー、いやや、おばちゃんも一緒に入ろ」

ひょっこりと顔だけ出して理生が食い下がる。ひとみは別の手に出た。

「ママに言おっかなあ、リオ君が裸になって、おばちゃんとお風呂に入りたいって我儘言ってますって、言っちゃおっかなあ」

すると、理生はタタタッとこちらに駆けてきた。半ズボンは本当にもう脱いでいる。

「今日ママいないもん」

「じゃあパパは?」

「パパもいない」

勝ち誇ったように言う。共働きとは聞いているが、こんな幼い子一人家に残して不安ではないのだろうかと、ひとみは訝しんだ。

「ねえ入ろうよ」

改めてねだり出した彼に、

「入りませんよだ」

と言いながら、ひとみは逃げ出した。後を追う理生。こうして追いかけっこが始まった。一階の中、キッチンとリビングを行ったり来たりしながら、二人はキャッキャと走り回る。理生の興味もいつしかこの戯れに比重を移していた。

 子供の体力は無尽蔵である。おまけに一つ楽しみを見つけるとしつこい。四十五の大人にはきつく、先にギブアップしたのは仕掛けた方のひとみだった。

 呼吸を整えて、別の提案をする。

「ホットケーキ食べる?」

「うん!」

風呂のことも忘れて、理生は無邪気に頷く。ひとみはいそいそと手際よく調理してそれを振る舞うと、嬉しそうに食べる彼を見て、自らも目を細めた。

 腹が膨れると、理生はウトウトとし始めた。昼寝の時間というわけである。しばらくソファーの上でまどろんでいた彼は、その内本格的に横になった。スヤスヤと寝息を立てだしたのを見ると、ひとみはその頬を愛し気に撫でた。

「そうだ」

見ればシャツも結構汚れているので、この間に洗濯しておいてやろうと思いつく。どうせならと、彼女は下着も含めて全部剥ぎ取ってしまう。心配せずとも、理生はすっかり眠りこけて起きなかった。風邪を引かぬように毛布を掛けてやる。

 洗濯機から戻ってくると、幼い下半身がこぼれ出ていた。

「あらあら」

ひとみは苦笑すると、毛布を掛け直してやる。と、その視線がふいに一点で止まった。例の利かん坊が今日は大人しく鎮座している。彼女の中で、またよこしまな好奇心がむくむくと頭をもたげてきた。

 何気ない体で、ちょこんとした出っ張りを指で弾いてみる。バネ仕掛け程の反発はないが、新感覚の確かな手応えがある。手慰みに弄ぶには適当と思われた。ひとみは面白くなって、チョンチョンと何度もそれを突っつき、跳ねまわる様子を楽しんだ。彼女にとって、それは玩具であった。

 だが、しばらく経つと様子が違ってきた。玩具は自ら意思を持つかのように起動し始めたのである。あっと思う間に、それは過日のような有り様へ変貌した。

 ひとみはこの際よく観察してみようと、理生がやはり起きぬのをいいことに、そっと顔を近づけてみた。竿は健気に直立し、袋はさっきより吊り上がったようである。彼女は、そこに陰毛の一本も生えていないことが、生々しさを感じさせない原因だと知った。色の沈着もなく、他所と変わらぬ明るい肌色である。

 息を吹きかけてみる。匂いは無く、ただ湿った生ぬるい風が漂い返ってきた。さらに顔を近づけてみる。精巧に刻まれた皺は、しかし大人より遥かに少ないようで、竿部分のツルリとした皮は亀頭先端まですっかり覆いかぶさっている。息子のいない彼女には何もかも新鮮だった。

「キレイ……」

思わずそう嘆じた。そして、吸い寄せられるように頬に肉竿を押し戴いた。生温かさが肌にしっとりと馴染む。ひとみは両手で大事そうに捧げ持つと、もう片方の頬にも押し当てた。硬さの中に尊さを感じる。彼女は、まるで御利益を念ずるかのように、順番に顔面の上へ勃起を当てていった。

「ああ……」

生命の根源みたいなものを感じる。それは神秘的で、畏敬の念に値するものだった。両手で抱いたペニスに、うっとりと頬ずりする。それにつれて包皮が伸び縮みした。

 顔中に押し当てていく中には、当然唇の上も滑った。彼女はその一瞬だけ、ふいにハッとして離れた。だが、僅かの逡巡の後にはあっさりと翻意して、唇を近づける。かつて愛する人へしたように、ひとみは久しぶりで男性器に口づけをした。

 一旦始めると一度では済まなくなる。初めは竿と袋の間位に口づけたものが、竿の裏表、袋回り、内腿、陰部の付け根の下腹部など、遠慮なくキスの雨を降らせていった。キスの最中も、竿の先がこめかみや額の生え際に潜り込むのが心地よい。

「ステキ……」

そんなことを思う頃には、もう好奇心というより下心に近かった。子供ではなく、そこに居るのは一本の男根なのである。

 ひとみは、それを頬と手でシコシコと揉みつつ、唇をスライドさせて、その間に軽く挟んだ。もしもこの時の己を俯瞰で見られたら、男子児童の股間に顔をうずめる熟女の、そのおぞましい光景に寒気がしただろう。しかし、今眼前は発情した男性器で埋め尽くされていた。

「ちょ、ちょっとだけ……」

彼女は理生が起きぬように願いながら、唇の間からチロリと舌を出し、肉竿に触れた。たちまちゾクゾクとした刺激が身中を焦がす。懐かしい熱! 止まらなくなって、舌でチロチロと弾いていく。後から後から唾液が湧いてきて、動かす度にヌチャヌチャと唾が鳴る。何と言う神々しい味だろうか。

 こうなると、もう辛抱堪らぬ。先端まで伸び上がると、ひとみは吸い込むように竿ごと口内へ飲み込んだ。

「ンンフゥ……」

開いた鼻腔から官能的な息が漏れる。目を閉じて、久しぶりの食感を味わう。恍惚となって、彼女はしばらく動かずにいた。

 だが、久々に愉しむにしては、それはあまりにも小さかった。舌の半分も満たさない。口の中でモゴモゴとしてみたって、もうそれ以上大きくはならない。それでも諦めきれず、ひとみは恨めしそうに舌先を陰嚢の方へ伸ばした。竿を口にくわえたままである。

 夫は、ひとみの口を愛してくれた。野太いものを口いっぱいに頬張らされ、彼女は目を白黒させながら、そのままよくアクメを迎えたものだ。

「もっと……」

ここにきて、彼女の欲求は爆発した。上あごに男根を押し付けながら、舌と下唇を使って、器用にも玉袋を吸い込んだのである。なんと、ひとみは陰茎も陰嚢も、一息に丸呑みしてしまったのだ。

「フォゴ……ッ」

子供のものとはいえ、さすがに窮屈ではある。今や彼女の唇は根元の繋ぎ目まで達し、大きくカパッと開いた口が寸分の隙もなく下腹部に貼り付いていた。まるで、男児の股間という果樹に彼女の頭が実ったようである。

「すごい……」

自身の思い付きもまた興奮の糧にしながら、口中を満たす息苦しさに、むしろひとみは幸福感を覚えていた。秘芯がカーッと熱くなり、ゴクリと生唾を飲み込む。口腔で、もはや形もよく分からない肉塊を、舌で輪郭を舐め回しながら捕食。存分に出汁を抽出する。

 思うように動きづらいながらも、少しずつ上下に頭を揺さぶってみる。これはもう、相手を喜ばせるというよりも、自身の欲求を満たす為だけの技だ。もしも理生が起きていたなら、確かにこの前以上の刺激的快楽を知ったのであるが、生憎と夢の中。それでも肉体の現象は休んでいない。

 またしても、彼女はやり過ぎた。理生は例によって、突発的に痙攣を始めたのだ。

「あっ……」

ブハッと丸呑みを一気に吐き出して、ひとみは顔を上げる。

「イッた……の……ね?」

先日の経験から、前より焦りはなかった。やはり精液は出ていず、ただただ唾液でベトベトに濡れた陰茎が残るのみ。自分のしでかした残骸だった。

「ごめんね……」

ひとみは心から恥じ入って、ティッシュペーパーを手に取った。そうして陰部を丁寧に拭き清めながら、しかし最後に、しつこくも名残惜しそうに、陰茎をチュッと吸うことを忘れなかった。






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[2023/03/18 22:00] | 「育てる夫」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
ママの枕 ~ステージ12~


 その日は間もなく訪れた。いつものように母とスタジオ入りしたコウ。先日の約束を期待し、母と繋いだ手にも力がこもる。一方、母はというと、平生と何ら変わらぬ態で、これからするであろうことにも別段思い入れはないようである。

 一体どんなことをするのか、コウはワクワクしながら母と別れ、タイガの指示通りの場所へ先回りすると、そこの物陰にこっそりと身をひそめた。大道具・小道具が折り重なったその一角は人通りも絶え、また薄暗い。幼い者には大変心細かったが、真実を知りたい彼は頑張ってかくれんぼに耐えた。

 どれ位待ったろう。先程の母の態度を思い出すにつけ、本当にこれからそれが行われるのかどうかを疑い出した頃、ようやっと件の二人がやって来た。コウの緊張が一気に高まる。

「早く済ませてちょうだい……」

ミナミが言った。それは紛れもなくコウの母親だった。彼女は言うが早いか、ブラウスのボタンを外し始めた。

 それを見たコウは、途端に胸騒ぎを感じだした。なぜかは分からないが、心臓の鼓動が早くなって、急に恐ろしくなってきたのだ。

 そんな息子の前で、母はみるみる服を脱いでいった。たちまちの内に、豊満な胸まで露わになる。さらにタイガの指示で、下半身の被服まで瞬く間に脱ぎ去った。

 他方のタイガはタイガで、自分も下半身を露出していた。但し彼の方はズボンとパンツを足元まで下ろしただけで、ほかの服は脱がない。

「じゃあ、しゃぶってよ」

タイガが言った。その時、確かにコウと目が合った。そして彼はニヤリとした。

 途端にコウは背筋に寒いものが走った気がして、視線を脇へ逸らした。ちょうどミナミが行動を起こし、そちらに気を取られた為もある。母はタイガの足元にしゃがみ込んだ。そこから先の行為は、息子の想像を遥かに超えたものだった。

「あっ……!」

コウは息を飲んだ。母がタイガの“おちんちん”を食べ始めたのである。彼はギクリとして固まった。訳が分からなかった。

 そんな彼を尻目に、タイガは気持ちよさそうである。

「相変わらずフェラ上手いね、おばさん。ひょっとしてこのままイかせるつもり?」

少年は笑いながら、後輩の母の頭を撫でる。自分の母親と同い年の女だ。そして、勝ち誇ったように彼女の息子を見やる。

 コウは益々困惑し、タイガとミナミをせわしなく交互に見比べながら、この先の成り行きをただ見守ることしかできなかった。果たして見て良かったのだろうかという思いが、この時生まれた。覗きという行為が、名状出来ない背徳感を助長したものだ。

 ミナミは左手を地につき、それで己の体を支えながら、右手で少年のペニスを持ち上げ、それをひたすら舐めしゃぶる。背の低い相手のこと故、正座の姿勢からさらに腰を折って前屈みになり、髪をぐしゃぐしゃにされながら実にみっともない格好だ。

 タイガのペニスは最初しぼんでいたものが、急速に立ち上がって大きくなっていった。赤黒いそれは、ミナミの唾液によって全身を照り輝かせている。その存在感は薄暗い中でも強烈な印象を放っていた。

 コウは、自分のペニスも硬くなることを知ってはいる。だが何故だか、タイガのそれとは随分違う気がした。そしてもっと言えば、どうして硬くなったのか、また母が何をしているのかに至っては全く理解できなかった。

 さらにミナミは、陰茎にぶら下がった玉袋へと唇を移動させる。その際は主の指令によって右手を離し、口だけでの奉仕を強いられた。すると自然、勃起が顔に乗っかる形となる。

「いい眺め。おばさん、今日も顔エロいよ」

タイガのにやけた表情の下、勃起を鼻に乗せたミナミは、睾丸を舐め、あるいは吸う。時には主の方を見上げる。

「こっち見ながらしゃぶって」

と、彼に求められるからだ。それに絶対逆らわないミナミである。さらに所望は続く。

「じゃ、今度は挟んでよ」

それによって、ミナミは両の乳房を抱え上げた。そして、その見事な量の脂肪球で、すっかりとタイガの陰部を覆い尽くした。

 この目まぐるしい未知の展開を、コウはまんじりともせずに見つめ続けた。とにかくこれが“セックス”というものなんだ、今はただそう片付けるしかない。どうやら“おちんちん”と“おっぱい”がセックスには必要らしく、また“エロい”状態が関係するらしい。少しずつこれまで聞いた単語が線で繋がってはいく。

 それにしても、どうして自分にはしてくれなかったんだろう。コウはふと思った。一緒に風呂に入っても、タイガみたいに舐められたり、胸で挟まれたりしたことがない。その時、ふいにタイガの言葉が思い出された。

『セックスしたことない奴のことだよ』

「そっか……」

ここにきて、コウは肌で理解した。これをする意義はいまだに分からない。しかし、自分は間違いなく“童貞”ではあると。そう実感すると同時に、激しい落胆と、そしてまた嫉妬を感じ始めた。タイガに、且つはまた、ミナミにもだ。

 彼の知らない光景は続く。タイガはミナミを四つん這いにさせると、彼女の恥部を息子の方へと向けさせたのだ。おかげでコウからは、我が母の陰唇が丸見えになった。そこが己の生れ出てきた穴だとは、まだ知らない。

「なんだよ、おばさん。やっぱりもう濡れてるじゃん」

タイガはゲラゲラ笑いながら、今やもうあからさまに見物人の方を見ながら、彼によく見えるように陰門を大きく広げてみせた。縮れ毛に縁取られた肉は、サーモンピンクの具を潤わせ、見物の凝視に耐えている。

 コウは初めて知った。そこに穴があって、そしてそれがそんなに広がるなんて。さらに度肝を抜かれることが起きた。タイガがその中へ、指を、ひいては拳までねじ込んだのだ。

「あ~あ、おばさんのマンコ、ガバガバだから、手が全部入っちゃったよ」

その言葉通り、ミナミの膣には少年の手がすっぽりと隠れ、まるでそこから腕が生えているような状態になった。

「マンコ……ガバガバ……」

実体験によって、少しずつ知識を会得していくコウ。だがどうしてか素直に喜べない。むしろ喪失感こそ強くなる。今思えば、事前にタイガが、

『いいんだな?』

と、念押ししたのも肯ける。今のこの刺激的な不安感は、後悔と呼んで差し支えないものかもしれなかった。

 そんな幼子の懊悩をよそに、母親は次第に女の顔で喘ぎ始める。

「ヒャッ、ア、アア、アアアァァー……ッ!」

タイガに膣をかき回され、淫汁を撒き散らして。

 コウは震えた、見たことのない顔、聞いたことのない声に接して。彼女は本当に自分の母親だろうか。いつも厳しく自分を叱り、また時には抱きしめてくれる優しい母なのだろうか。もはや彼は根本的なことさえ疑い出した。その境地に至りなば、恐怖はピークに達し、じんわりと涙がにじみ出た。

 片や、母の方も別なピークを迎えていた。

「イッ、アッ、ンンンー……ッ!」

女の鳴き声を発するや、ブルブルと尻肉を震わし、瞬間、手を滑らせてその場に伸びた。

「なに、もうイッたのかよ、おばさん」

タイガは笑いつつ、ちょっと緩めた手を、またすぐに容赦なく動かしだした。

 堪りかねて、ミナミがストップをかける。

「も、アッ! もも、もういいから……早く、シ、シなさい、よ」

「あ? うるせえ」

タイガは構わずにかき回す。と、そこからジャージャーと小水が漏れた。コウは言葉を失って、母の失禁を見守った。

「は、早く、もう戻らないと……ねえ、早く終わらせて」

恥をさらしきったミナミは、気だるそうに言った。

「どうせ、スることスるんでしょ? だったら早く」

「早くなんだよ。入れてほしいのかよ、おばさん」

タイガは彼女の口元へペニスを持って行った。すると、ミナミは黙ってそれを頬張った。

「欲しいんだったら欲しいって言いなよ、“チンポ欲しい”って」

「……うるさいわね。入れたいんだったら、とっとと入れなさいよ」

どこまでも平行線な議論に、タイガは別の手を講じた。

「あっそ。別にオレいいわ。代わりにさ、コウの奴呼んできて入れさせようか」

それを聞き、縮み上がったのはコウだ。変な昂揚感が胸に迫ってきて、これ以上ない位に心臓の拍動が速まる。覚悟も何もなかったが、唐突に今から童貞でなくなるかもしれないのだ。タイガと同じように、母と、セックスを!

 が、彼の心は母の言葉によって一瞬で凍りつかせられた。

「嫌よ! やめて!」

「え……」

この時、コウの全てが止まった。それこそ、心臓すら止まったように感じた。彼は自分が母に拒絶されたと思ったのである。

 ミナミは実際に立ちあがってみせるタイガの足にすがって、彼を制止した。

「チンポ入れて。ねえ、チンポ欲しい!」

彼女は必死だった。それを受け、タイガも思い直し、

「分かってんじゃん」

と薄ら笑いを浮かべて言い放つと、ミナミの尻の方へ回り、コウから見えるようにと気を遣いながら、彼女の淫肉を再びよく広げた。

 暗澹たる気持ちに沈むコウ。彼の目に、また驚くべき光景が飛び込んできた。これ以上ないと思っていたところへ、まだ新鮮な驚きがあったのである。

 彼は見た、母の割れ目に“おちんちん”が入っていくのを。

「え……!」

そこにそれが入るなんて、あまりに突飛なことで、もはや付いていけなかった。彼の脳みそはもうとっくに飽和状態だ。

 タイガはその小柄さ故、相手の巨大な尻に乗っかかって腰を振る。まるで小兵力士の相撲を見ているようである。敵との体格差は歴然だ。ところがどうだ、弱っているのはむしろ大きな方で、

「……ア、ア、アッ!」

と、次第にまた喘ぎ始めたのである。若くして戦上手な少年は、硬化した肉棒で彼女のスイートスポットを絶妙にほじくるのだ。

 これには、たとえ彼の三倍以上生きているメスとて脱帽である。彼をオスと認め、性悦に浸るを得ない。心を置き去りにしても、体が悦んでしまうのだ。折しも、既に高潮した肉体である。

「イッ、イ、ヒィ……オオォー……ッ!」

「ハハ、またイくんだ。おばさん、すぐイくね」

男は得意気に笑った。そしてまた、意地悪く言った。

「こんなにエロかったらさ、コウのチンポでも興奮するでしょ? 実は家でヤッてたりして」

再び耳をそばだてるコウ。そこへ、ミナミがダメを押した。

「バ、バカなこと言わないで。するわけないでしょ」

 これでコウは確信した、自分は母とセックスできないのだと。彼は寂しさのあまり涙を流した。もう嫉妬すらも薄らいできた。生まれて初めて知った孤独。

 彼の前で、仲の良い両人はそろそろ共同作業に締めを迎えようとしていた。

中出しするよ」

そう言うと、タイガはにわかにブルブル痙攣し、一層強くミナミにしがみついた。今、息子の眼前で、母は父以外の男の精子を注ぎ込まれていた。

 終わると、白濁した陰茎を、タイガはまたミナミにしゃぶらせた。相変わらず従順な彼女。その膣内から、白い汁がスーッと滴り落ちた。

 コウは膝を抱いて固まったまま動けなかった。と、そこへ別の方面から事件が訪れた。それも一度に二つだ。

「おお、遅かったじゃん、ヌマちゃん」

と、タイガが呼びかける方から一人のむさくるしい男が現れた。知らない大人の登場に驚かされたのは、どうやらコウだけらしい。タイガも、いやミナミすらも見知っているようだ。

 これが衝撃の一つ目。そして、二つ目はコウの背後からやって来た。

「よっ! 何してんの?」

小声でささやく男の声。コウが危うく声を出しそうにするのを、その端正な口元に人差し指を添えて止める。

「シー!」

どうやら積み上げられた機材の下をほふく前進でくぐり抜けてきたらしい。それなん、ジンであった。


〈つづく〉


world200*40




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[2015/02/14 22:00] | 「ママの枕」 | トラックバック(0) | コメント(1) | page top
ママの枕 ~ステージ7~

 灯りのともった看板が車窓の外を流れていく。ミナミはそれらを瞳に映しながら、心では先程までの邂逅をずっと思い出していた。

 運転席のヒサキは終始無言である。ジンの手配によって、彼のマンションまで迎えに来てくれた彼女。着替えまで用意してくれていた。その際かけた礼の一言以来、会話は途切れている。

 もっとも、今日あったことは話せるはずもない。誰とも共有できない経験だ。が、話したい気持ちは山ほどある。この胸の高鳴りは今なお冷めやらない。

「また逢える?」

別れ際、そう彼は聞いてくれた。さっきからもう何度も思い返しているシーンだ。その問いに、ミナミはただ素直に、極めて素直に頷き返した。何らの懊悩も、逡巡も差し挟むことなく。

「ン……」

官能的疼きに襲われて、彼女は運転席に気付かれぬようにそっと目を閉じた。サイクルは長くなってきたが、先程来何度もやって来ている。もう事後随分経っているのにだ。こんなことは初めてだった。

 思えば、ジンとの交わりは初めて尽くしだった。始まりのキスからしてそうだ。抱き締められ、そのまま唇を重ねられて、それから長い長い唇と唇の触れ合い。頭の中が蕩けてしまった。立ち尽くす足から力が抜けて、彼女は何度も崩れ落ちた。その度にジンに助けられた。そしてミナミは、軽くイッた。キスだけでイッた。これがまず初めてのこと。

 総じて、ジンの手際は鮮やかに丁寧だった。といって、これまでの業界人らの如く、経験の豊かさをまざまざと見せつけるような力ずくないやらしさが全く感じられない。とにかく優しく、女性の体をじんわりと温め、その性感を着実に高めていく、いわば施術である。全身隅々まで指の這わされぬ所はなかった。愛されている実感が体内に満ち満ちてゆく。ミナミは二の腕をちょっと掴まれただけで、またしてもイッた。

 本当に、何度エクスタシーを味わったか分からない。いくらミナミが感じやすい性質だからといって、性器に触れられる前からそこまでの境地に至ったことはない。まして、彼は乳房すらを後回しにしたのである。ミナミのシンボルとも言える、過去の男性がまず飛びついて確保した部分をだ。なんという離れ技であろうか。おかげで、その舌が乳頭を捉えた時には、彼女の絶頂は既に目盛を振り切っていた。

「アッ……ゥフゥ~……ッ!」

快楽の大海原に漂い全身に波を受けて、ミナミには早くも疲労が襲い来ていた。オーガズムと共に寄せる、あのぐったりとする感覚だ。彼女の理性を辛うじて保ったものは、ジンの優しい笑顔だった。

 彼に誘われ、彼の分身に挨拶する。それは、本人と同様に悠然とブレもせずに立っており、何より美しく映った。ミナミはそっと手を伸ばし、柔らかい毛と共に根元を握った。

「あぁ……」

うっとりとため息が漏れる。指先からどんどんと生命力が伝わってくる。それに女性自身が激しく反応する。

「(信じられない、持っているだけで!)」

彼女はもう片方の手も添えた。もっと感じたいという思いと、両手でしがみつかなければ耐えられないという思いで。実際そうしているだけでアクメが止まらない。秘園は土砂降りで、花びらは大輪を開き切って生命を謳歌している。

「(いつまでもこうしていたい)」

ミナミはそう願った。だが、ただしがみついているだけで相手が満足するとは思えない。彼女は何より、ジンに喜んでほしかった。かつはまた、己の欲求だって当然にある。ミナミは、陰唇と同様に濡れそぼった唇を開き、唾液で溢れかえった口中へバラ色の三角錐を招じ入れた。

「ン、ンンフゥ……ッ!」

途端に走る電流のような強烈極まる刺激。感涙を浮かべてオーガズム。ミナミは幸せだった。幸せ過ぎて恍惚となった。こうなるともう止まらない。後から後から湧いてくる唾液をかき混ぜながら、肉竿に夢中でむしゃぶりつく。そして絶え間なくイく。

「(どうしてこんなに……美味しいの!)」

信じられないことだった。今までどちらかと言えば嫌々やってきた行為、少なくとも自分の何の得にもならないと思ってきたことが、今全く逆の結果を生んでいる。フェラチオだけで昇天できた。甘美な味は彼女の幸福感そのものだ。

 しかし、その幸せも一旦打ち切られた。彼の指示であった。

「(もっとしてあげたいのに……)」

遠ざかる肉棒を恨めしそうに見送るミナミ。それはたっぷり濡れて輝いていた。ジンはそこへコンドームをかぶせる。そうして、先に寝かせたミナミの横へ寝そべると、彼女の割れ目を確かめるように軽くいじった。

「ンッ!」

ミナミは不安に身構えた。快楽への興味は尽きない、が、快感に我を忘れてしまうことが怖いのである。彼女はぐっと歯を噛んだ。

 しかし、そんな付け焼刃が通用するはずもなかった。ジンはペニスをあてがい、その愛液の海へとゆっくり沈めていく。

「ンンアアァ~……ッ!」

入った瞬間、ミナミは高らかに啼いていた。慌てて口を覆うも、時既に遅し。そんな彼女へ覆いかぶさりながら、ジンはニッコリとほほ笑んで言った。

「結構おっきい声出すんだね」

 ミナミは耳まで赤くなった。恐れていた通りだと。一方、ジンはこうも言った。

「すごく興奮する。もっと聞かせて」

 それを聞いて救われたというでもないが、確かに少しだけ気が楽になったミナミだった。もっとも、彼女に元々こらえられる余裕などないのだが。

「アッ、ンッ、ンッ……!」

許しは得たものの、やはり気を使って控えめに声を漏らす。男の欲しがる喘ぎ声など、所詮は可愛げのあるレベルだろうと彼女は思っている。そして、自分のそれは限りなく下品なものであるとも。だから結局は歯を食いしばって耐えなければならない。

 それともう一つ、重大な問題。

「(ああっ、ダメ、見ないで!)」

ミナミは出来るだけのけ反ったり横を向いたりして顔を逸らした。感じている時の醜い顔を見られたくなかった。化粧すらしていない年増女が性に狂う顔。この期に及んで失うものもなかろうと言うは易し、当事者にとってはやはりやり切れないものである。

 すると、またぞろそんな女心を見透かしたかのように優男が囁いた。

「かわいいよ、感じてるミナミ」

 彼の眼はしっかりとミナミのアクメ面を見据えていた。たちまち堰を切ったように溢れ出す女の声。

「ア、アア、アアア~……ッ!」

人間楽な方に流れるもので、彼女の場合もそうだった。免罪符を得て、彼女の理性は飛んだ。

「アッ、アガッ、ガアハナァ~……ッ!」

 正気を失えば、むしろ楽である。こんな声を出してはいけない、こんな顔を見せてはいけないと気張れば気張る程、その行為の虚しさを知らしめられるばかり。片や、快楽に己を解放してしまえば後は愉しむだけである。許しだって出ているのだ。

 ジンは粘っこい動きから次第に速めていき、やがて一定スピードを維持しながらペニスの出し入れを行った。そうかと思うと、突然それをやめて、横の回転を入れ出す。腰使い一つとっても、実に巧みであった。が、果たしてそこまでの技量が今の場合に必要であっただろうか。ミナミはただ一突きごとに絶頂していたのだから。

「アグッ、ダメ、アアッイ……イギヒィー……ッ!」

我を忘れて啼きながら、彼女は今度こそ、"今が永遠に続けばいい"と願った。ペニスが、セックスが、これほど気持ちいいと素直に思えたことがあっただろうか。今更ながらに、セックスのセックスたる意味を悟った気がする。やはり相手あっての行為なのだと。相手こそ重要なのであると。これはもはや、営業ではなかった。

――事後、散々気をやってヘトヘトになって、ただただ幸福そうにベッドに横たわる人妻をしっかりと抱きしめながら、ジンはそっと囁いた。

「大丈夫。コウ君のことも、ぼくに任せて。ね?」

 何もかも許されたような、胸のつかえがスーッと取れるような救いの言葉。ミナミの目から、温かい水が零れ落ちる。そのまま彼の胸に甘えると、彼はより深く抱きしめてくれた。


〈つづく〉


ひとみの内緒話



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[2014/08/15 22:00] | 「ママの枕」 | トラックバック(0) | コメント(1) | page top
ママの枕 ~ステージ5~


 ミナミの日常は忙しい。炊事・掃除・洗濯など家事一般はもちろん、コウの幼稚園への送り迎え、そしてその間の"営業活動"。母として、あるいはステージママとして多忙を極めた。そこに"妻"としての務めが介在する余地などなかった。

 そんな彼女へ、ある日ふいに夫が声を掛けてきた。

「何か出来ることがあったら代わろうか」

それは、いつものように批判的でなく、自ら折れて相手を立てるような調子だった。

 妻は、しかし一瞥もくれずに返した。

「別に……」

彼女は今、インターネットでコウの評判を検索するので手一杯だった。例のドラマに出た効果は上々。"かわいい"という声、"名前が知りたい"という声が多数だ。

 だが一方で、"へたくそ""むかつく"といった心無いコメントも見られた。ミナミはその一々に一喜一憂しながら今後の方策を練る。つい先程、コウが眠る直前までも、セリフの言い回しを指導していた。

「(これからは……)」

考えながら、ふとカレンダーを見る。明日の予定は――

「――うおぉ、また出るぅ……!」

興奮で鼻を鳴らしながら男が叫んだ。太って、生白くて、汗だくで、髪はボサボサのずんぐりむっくり。ゴミ屋敷のような、足の踏み場もない部屋は、まさしく彼にこそ相応しい。

 ミナミはそこにいた。今日も"営業"だ。

「(営業? これも?)」

相手は女気の微塵もない、そして何より、権力に全く縁のない男! 彼女はそいつに後ろから交尾されていた。

 そのさらに後ろから、タイガが笑う。

「またイくの、ヌマちゃん」

魔少年は今日も冷酷な表情で、二人のまぐわいを見つめている。"ヌマちゃん"ことヌマタは、それへ見せつけるように軽く膣内へ射精した。

「(なんでこんな男に……)」

そう歯噛みしながら、本日五発目となる彼の中出し精液を受ける。その太い海綿体の跳躍も、不本意ながら慣れっこになってしまった。そしてそれとシンクロしてオーガズムの波が揺れる。

「クッ……ウゥ……」

悔しいが肉体の反応は制御できない。視界にタイガの股間が入る。彼もまたむき出しだ。ミナミはその日、二人から輪姦されていた。

「見なよヌマちゃん。ヌマちゃんのチンポで、ミナミまたイッてるよ」

十八も年上の男に対しても偉そうに言うタイガ。そもそもヌマタを引き入れたのも彼だった。

 ヌマタと初めて会ったのは、例のスタジオの秘密基地。タイガと交わっている最中に、いきなりぬっと現れたものだ。ミナミは心臓の止まりそうな程驚いた。

 片やタイガは落ち着いたものである。ミナミに覆いかぶさったまま、ちょっと首を回しただけで話しかける。

「あ、来た来た。こっち来なよ」

 ヌマタはおずおずと、しかしギラギラした目で二人の結合部を見つめながら入ってきた。

「ちょ、ちょっと……!」

ミナミは焦って起き上がろうとする。すると、タイガは巧みに彼女の内壁の、それも一際感じる筋を芯棒でこすり上げた。

「ンンッ!」

ミナミはのけ反り、また力を入れられなくなる。見物人を前に、一部始終を見せつけてのアクメ。タイガは腕力でなく、ペニスで彼女を従えたのだった。しかもその上で、悠々と言い放つ。

「悪い、ちょっと待ってて。すぐ済むから」

言うが早いか、ペタペタと小さな尻を振り振り、やがてそいつを引き抜くと、あっという間にミナミの口に持って行った。そして迸る汁をその中へ流し込む。

「ンンブッ!」

むせ返るミナミ。ピクピク痙攣してひっくり返ったまま、股も開けっ広げなままで、そこに空いた使用後の穴がヒクヒクしているのも、傍観者から丸見えだ。

「ヌマちゃん童貞だからさ。ミナミ筆おろししてやってよ」

全部出し終わって残り汁まで舐め取らせた後、立ち上がりながらタイガは言った。曰く、ヌマタにはこのスペースの見張りをさせていたのだという。その見返りとして、ミナミに彼とセックスしろというのだ。

 ヌマタも端からそのつもりで来たらしく、早くもカチャカチャとベルトを緩めだしている。

「イヤ……」

ミナミは裸の尻で後ずさった。なんのメリットもないセックス。拒否するのが当然だ。だが一方で、拒否できないことも知っていた。

 眼前に童貞が迫る。いつから履きっぱなしかも分からない泥だらけの作業ズボン、そして黄色い染みつきのよれよれなブリーフが続々と下ろされる。その下から現れたのは、ずず黒い皮かむり。すっかり勃起しているのに、先端の数センチしか顔を出していない。

 ミナミは顔をしかめた。鼻が曲がりそうだった。一体に彼は風呂の存在を知っているのか。包皮をめくると、そこにチーズのようなかすが溜まっていた。とても一日で付いた汚れではなかった。

 これをしゃぶれという。ミナミは涙を流した。嫌だからだけではない。刺激臭のようなものを感じたからだ。それでも結果は変わらない。彼女は、まださっきの精液が残っているネチャネチャした口を大きく開き、彼の汚物棒を震える舌に乗せた。

「オッ……ゴッ……!」

途端に吐きそうになる。唇も閉じられない。だがそれで許されるわけもなかった。

「ほら、チンカス舐めてきれいにしてあげて」

横からタイガの厳しい指示が飛ぶ。そのくせミナミがそれをやり出すと、

「うわ、そんな汚いやつよくしゃぶれるよね」

と言ってバカにした。

 それでもミナミはやるしかなかった。そもそも枕営業をやること自体我慢の連続なのだ。もはや開き直るしかない。彼女は鼻からの息を止めて、思い切って舌を滑らせた。舌先、舌の平で亀頭の輪郭をペロペロなぞり、唇をすぼめてチュパチュパ吸う。自分を殺せばどうということはない。

 だが、その麻痺感覚も、ヌマタの一言で一瞬にして消し飛んだ。

「すげ、イきそう……」

それを聞くと、ミナミは反射的に肉棒を吐き出していた。精液も彼の場合汚らしいものに思われた。この上それを口内に充満させられるなんて真っ平だった。一種恐怖ですらある。
 
 すると、彼女の対応には別に頓着せず、タイガがヌマタに向けてアドバイスした。

「駄目だよヌマちゃん、まだイッちゃ。ちゃんとマンコに出して童貞卒業しないと」

 ヌマタは下卑た笑いを浮かべながら、しゃがんでミナミの腿を引き寄せた。仰向けの彼女が背中をズルズルと滑らせて引っ張られる。

 ミナミはもはや抵抗しなかった。ただ、"膣もまた汚くされるのだ"と、諦めの中で考えていた。口の周りからは恥垢の臭いがまだ離れない。

 ヌマタはしばらくもたもたやっていて、タイガから指導を受けたりしてから、やっと入ってきた。

「ンフゥ……ッ!」

瞬間、ミナミは唸った。当たり前のことながら、大人である彼のものは、先程入っていたものよりずっと大きかった。決して大きければいいというものではない。が、連続してやると、そのコントラストが独特な脈動を生むのだ。

「ンッグ……ッ! ンフーッ、ンフーッ!」」

ミナミは歯噛みした。そして鼻腔を広げる。悔しいが既に温まってしまっていた体だ。耐えようとしても抗しがたい。

「(こんなキモい男に……こんな……こんな……)」

三十年近くも女性経験のなかったような、そしてそれも十分納得できる不潔な野郎に犯されて、まさか絶頂するなんて自分が許せなかった。そんなに性に飢えているかと思うと情けなかった。

 だがこうも思った。これは先にタイガのテクニックにさらされていた所為なのだと。決して、この気持ち悪い男の手柄ではないのだと。しかしそれは、自分で自分の首を絞めるような理屈だった。なぜなら、子供相手にアクメしたこと自体が情けないことなのだから。いずれにせよ、彼女に楽な道は開けていなかった。

「ああ、オマンコ気持ちいいよお」

ブヒブヒ鼻を鳴らしながら出っ腹を揺らし、ヌマタの一本調子な摩擦が産道をえぐる。

 タイガは二人の交わりを見てケタケタ笑っていた。まるで犬同士の交尾を見ているような態だった。

「イヤァ……ッ」

大波の予感に言いようのない恐怖を感じて、ミナミはズンズンと頭上へ逃げようとする。

「イ、イきそうだよお」

ヌマタは言い、タイガを見た。すると、タイガが答えた。

「ハハ、もうイくの? いいよ、そのまま中に出しな」

それを聞き、嬉しそうにスパートをかけるヌマタ。

「溜めてきたんだろ? ヌマちゃん」

「うん、三日間ヌいてない」

二人の会話をよそに、既に波に飲まれ出しているミナミ。

「イヤァー……ッ、イヤイヤイヤ……!」

夢中で頭を振り乱しながら、己との闘いだ。

 その口を、ヌマタの口が乱暴に塞ぐ。それと同時だった、絶頂汁が漏れ出したのは。

「ウゥ……ッ!」

恍惚とした表情で唇を吸いながら、ヌマタは人妻にたっぷりと子種汁を注ぎ込む。前言通り溜まりに溜まった濃い精子が、それはもう大量に、ヌマタの玉袋からミナミの胎内へとドクドク移動していく。彼はこの瞬間を少しでも長く愉しまんと、腕の中の美人妻をギュウギュウ抱きしめ、未練がましくヘコヘコと尻を振り続けた。

 それを見たタイガが、いかにも寛容な風で飼い主よろしく許可を与えてやる。

「時間あるからさ、もう一回ヤんなよ」

それを聞いたオス犬は、ハアハア息を吐いて肯いた。結局その日、犬妻は彼の三番搾りまで種付けされた。

 ヌマタにしてみれば、結婚して夫や息子と裕福な家庭を持つ美人妻なんて、精々オナペットにするのがやっとである。それと子作りまでできるだなんて、想像だにしないことだった。

 ミナミにとってはなおさらのこと、営業相手にとっても大いに役不足な、単なる制作会社のアシスタントディレクター風情、加えて夫より年収が低いことだって間違いない奴に抱かれるなんて、狂気の沙汰と思われた。

 それなのに、彼とのセックスはその日一度で終わらなかった。タイガに呼び出され、わざわざ男の家を尋ねてまで輪姦されている今日である。互いに交わるはずのなかった日常とは裏腹に、この日だけで六度目ともなる交尾に現に勤しむ二人。休日の朝から男の部屋でセックスなんて、まるで恋人同士だ。

「ウッ、ンッ、ンン~ッ!」

早焦点の定まらぬ目を天井に泳がせるミナミ。朝からヤられ通しで、はや4時間経過。すっかり正体もなくなっていた。常にでっぷりした腹で一部の隙もなく組み付かれ、いつしか体中が相手の汗にまみれ、体臭まで男と同じにうつされてしまった。局部に至ってはなおさらだ。恥垢と精液を中にたっぷり塗り込まれて、悪臭極まる穴となっている。そこに、母としての姿も、妻としての体もなかった。

「(出来ることがあったら代わろうか)」

昨夜の夫の言葉が白々しく思い出される。彼女は今、膣に一本、そして口にもう一本の陰茎を挿されていた。一人で二人の性処理を一度にだ。人生初の体験だった。

「(じゃあ、代わってくれる?)」

昨日出なかった言葉が冷笑と共に過ぎ去る。

「今度、ヌマちゃん家でミナミをマワすから」

先日、いきなりそう申し渡された。全ては今日オフであるタイガの発案である。ミナミはいわば彼にとって、ヌマタと遊ぶ時のおもちゃだった。

 二人は代わる代わる何度も何度もミナミを犯して笑い合った。どちらも性欲旺盛。ミナミは夫が一晩で二発以上射精するところをいまだかつて見たことがない。

「オゥブッ、ま、待っでぇ~……っ!」

絶え間なく発情させられた結果、憎らしいはずの相手の、贅肉だらけの背に腕を回す。めくれ上がった肉びらはまだ精飲を欲している。

「ミ、ミナミ、またイくのか?」

口元を歪めて、得意げにヌマタが言った。半日タイガから指導を受けて、彼もいくらかスキルアップしていた。その自信が、他人妻を呼び捨てにする。

「ヒ、ぐ……イヤァ~……イッぐぅ……!」

二人の年下男に見下されながら、ミナミは恥のかき通しである。

「(なんで、こんなことに……)」

理不尽な思いは消えない、たとえどんなに快楽に飲まれようとも。だが、逃れることはできないのだ。少なくとも自力では。

 間もなく、彼女は失神した。はっとして気が付いた時には、もう日が傾いていた。寝ている間にも輪姦されていたことは明らかだった。動かない彼女は、もはや本物のダッチワイフである。また、彼女が気を失っている間に、二人だけはカップラーメンで食事を済ませていたらしい。時間の経過が彼女を愕然とさせた。

 ヌマタからは“泊まっていけ”と言われた。もし彼の言う通りにしていたら、間違いなく一晩中種付けされていただろう。そして、もしその後コウを幼稚園に迎えに行く予定がなかったら、このまま力づくで引き留められていたかもしれない。だが、そこは母親としての強さがある。結果、それが二人を圧倒した。

 ミナミは強気で二人を振り払ったが、その様はまるで生まれたての仔馬のようだった。最後は情けないことに、犯された相手に支えられて部屋を出た。それでも使命は果たす。携帯を見ると幼稚園から何度も着信がある。遅刻だった。彼女は輪姦された挙句に、園から苦情を言われる羽目になった。しかし、最も傷ついたのは、そのことではない。それは息子から初めて、"ママ、臭い"と言われたことだった。

 地獄だった。もうこれ以上はないと思われた。が、この日はまだ始まりに過ぎなかった。別な日には、局の男子便所で二人からマワされた。あれだけバカにしているヌマタから、"精液便所"という蔑称で呼ばれながら。

「飲め、ミナミ……」

洋式便座に座ったタイガが、その前にしゃがむミナミにペニスをくわえさせる。そしてその口の中へ放尿を始める。彼は以前胸の谷間でして以来、彼女に小便することに味を占めていた。

 その脇にはヌマタが立っており、上向き加減の彼女の頬に、相変わらず恥垢の付いた陰茎を乗っけている。既に射精も済ませ、彼の吐き散らかしは彼女の目頭の窪みと眉にかけて溜まっていた。

「ングッ……ングッ……」

少年の尿が喉に流れ込む。溢れ出て、洋服を汚す。ミナミは逃げ出せず、怒れず、ひたすらに耐えている。

「(コウ……)」

 息子の為の試練はさらに重なる。タイガに触発され、なんとヌマタの先からも薄黄色い温水が出始めたのだ。それを見て、タイガが手を叩いて大笑いする。

「アハハ、ヌマちゃん、鬼。熟女は厚化粧が命なのにさ」

 ヌマタの小便はあっという間に額から、髪の毛の中にまで飛散した。化粧も無論剥げていく。タイガまで面白がって、口から陰茎を抜き出した。二人一緒になって、熟女の顔面に小便をぶっかける。

 ミナミは、まだ耐えるのか。耐えられるのか。

「(ほんとにこんなことまでしなきゃならないの……?)」

これは必要な犠牲なのか。ただただ涙がとめどなく頬を伝った。が、それは浴びせられる温水に混じって流れたので、男共には気づかれなかった。

「ギャハハ、きったねえ!」

やっと出し終わると、タイガはそう言い捨てて出て行った。ヌマタも続いて去る。

 すると、トイレからちょうど出た廊下で、タイガはある男に呼び止められた。

「よお、タイガ」

タイガの顔から一気に笑みが消える。

 全身ずぶ濡れのミナミがドアから出てきたのは、ちょうどその時だった。それを見た瞬間、男のキリリと冷ややかな眼光が、鋭くタイガの目を射た。

「おい、お前ら、何してる」

 タイガは、震える口を開いた。が、声を発するまでには至らなかった。

 ドサッ――三人の目の前で、ミナミが気を失って倒れた。


〈つづく〉


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[2014/06/19 22:00] | 「ママの枕」 | トラックバック(0) | コメント(1) | page top
ママの枕 ~ステージ・デビュー~


 しっぽりと濡れた男女が、ホテルの一室で蜜月である。その秘めやかな逢瀬を、二つの影が艶めかしく映し出した。

「ンハア……ッ」

 溜め息と共に海綿体を吐き出して、ミナミは上目づかいを投げた。そしてそのまま玉袋の底部に鼻を潜り込ませる。舌先は肛門の寸前まで至り、その間陰茎が額を押さえている。カトウの好きな格好だ。彼は陰茎を手で支えるのを拒む。

 今しも仁王立ちの彼は、女を見下ろして満足そうにその脂ぎった頬を緩めていた。ミナミは正座し、両手は膝の上。その姿勢で男の股間に、どっぷりと顔をうずめている。二人は時折目を合わせながら、共同して一本の男根に快楽を与える。
 
 肉棒は再び口中に戻る。粘った汁でヌルヌルのそれは、溢れる唾液と混ざり合いながら、柔らかな粘膜の上で踊る。ミナミはそれをさらに奥へと送り込んだ。

「大丈夫?」

 一瞬眉根を寄せた彼女を、上からカトウが慮った。それへ軽く顎をしゃくって応えたミナミの喉に、先刻のアルコールがこみ上げる。

「(コウはもう家に着いたかしら)」

 まるで言い訳のように思いつきを心に発しながら、彼女は酒の残り香を鼻腔から抜いた。その眼前に、先程のきらびやかな光景がちらつく。

――約二時間前。ミナミはカトウと同席し、ギンザの高級クラブにいた。息子はパーティーの後、ヒサキに送らせてある。

「営業熱心なお母様で助かりますけど」

 ヒサキはそう言い残してコウと共に会場を出た。この無表情な女マネージャーはいつも捨て台詞めいた言葉を吐く。皮肉のようでもあり、事実だけを単に述べているようでもある。ともあれ、仕事が出来る人であることは確かだ。

 ミナミは安心して我が子を託すと、自らは次の"仕事場"に向かった。以前から懇意のカトウのほか、所属事務所社長のワダも一緒だ。子役の母にとって、接待は立派な仕事である。誘われて断る理由がない。

 一向は社長らが行きつけのクラブに移動した。いち主婦には縁のない場所である。ミナミはまず、好奇心を刺激された。初めて入る高級クラブ。豪華な調度品と着飾った女達が、まるでテレビドラマの世界を思わせた。おまけに、今宵の彼女に対する扱いは賓客に対するそれであった。

「あらまあ、あの子のお母さん?」

 席に着いたクラブのママは、盛んにミナミを持て囃す。玄人女にとっては、客が女であろうともその接客に不得手はないのである。

「よく見てるわよ、あのCМ。可愛いわよねえ」

 グラスの水滴を拭いながら、ママは饒舌に語った。

「うちの子達とも噂してたのよ。そう、あの子、ワダさんのとこの」

 それに連れて、他のホステスも盛んにコウを褒めそやす。当然母親として悪い気はしない。むしろ自然に出る笑いを押さえきれないでいる。

「今度、ドラマも決まってね。それはカトウさんとこがスポンサーになってる――」

 ワダも結託してミナミを持ち上げにかかった。自分の所のタレントの話なのに、まるで主役はミナミで、彼女を立てるような口ぶりである。

「すごい!」

 ホステスらは大げさに騒ぐ。カトウはカトウで、ミナミの息子がいかに優秀かを語って聞かせる。彼はそのスポンサーの一社の社長なのである。

「コウ君ね。覚えておかないと」

「今の内にサインもらっとかなきゃ。将来プレミアが付くわ」

「賢そうでお上品な所がお母さんそっくり」

 口々に話す女らのどの発言も、ステージママを歓喜させるのに十分だった。客観的に見て、単に酒の肴にされたに過ぎないのであったが、そうと分かっているつもりでも、親バカと上昇志向は無反応でいられない。ミナミはほとんど有頂天であった。

 高揚した気分のまま、店を出る。帰りはカトウが送っていくことになった。ミナミを先へ行かせながら、彼はそっとワダに目配せする。二人の間ではもう話がついているのだ。

 タクシーの車中で、ミナミは夫へ電話した。

「打ち合わせで、もう少し遅くなるわ」

 言いながら、カトウの肩にもたれ、彼の腿の上で互いに指を絡ませる。“少し休憩していこうか”という誘いに応じたものだ。もとよりそのつもりで付いてきている。なんとなれば、自ら甘えにいく腹積もりですらあった。

 電話を切った後、夫と話をしたその唇を今宵のパートナーのそれに重ねる。カトウは腿の上の彼女の手を、盛り上がった股間の上に乗せた。

「ヤダ……」

 含み笑いしながら、ミナミがしなを作る。決して営業でやっているのではないとのあざといアピールが、そこにはあった。二人はなおも唾液を交換し、しまいには露出された男根を彼女は握らされもした。運転手が気づかないわけもなく、少々苦い顔をしていた。

 部屋に入るや、すぐにことが始まる。シャワーはしない。いつものことである。ミナミは洗いもしないそれをいきなりしゃぶらされる。一日仕事にまみれた男の中枢は、情け容赦もなく女の嗅覚と味覚を打ちのめした。うっすら付いた恥垢が舌先でよれ、抜けた陰毛が口の周りに張り付く。まさに"シモの世話"をさせられる感覚だ。

「うん。いいよ」

 成功者の鷹揚さと経験の豊かさから、カトウが優しくつぶやく。ミナミは自分だけ先に全裸にならされ、仁王立ちする彼の前に正座して、汗と残尿にまみれたペニスを従順としゃぶる。

 自分より一回り以上、夫と比べても十以上年上の男ながら、隆々とした生殖器の現役感は、年齢に比例して"夫以上"の印象を与えた。年の甲でもあり地位の甲でもあろう、自信に満ち満ちている。また、遊び巧者ならではの余裕も漂わせている。今日のクラブのように、ミナミには眩い世界の話だ。

 彼女は何も拒まない。無論、力関係の故ではある。我が子を出世させたい母の弱みである。だが、果たしてそれで説明が足りるのか。

「アアンッ!」

 ベッドへ移動して貫かれ、母は媚びた声で鳴いた。

「(ママ、コウの為に頑張ってるからね)」

 息子にはそんなことを堂々と語るつもりだ、その頑張りの内容は説明できないまでも。割り切った行動は、"母は強し"その一環と信じている。少なくとも、度を越した過保護並のことと。

 勝ち組らしきバイタリティーが、濡れそぼった鋼の肉棒から迸り出る。上昇志向の女は、その圧倒的強さにただただ追随するのみ。彼の黒光りする肉厚な背に腕を回し、開いた股を相手の腿に引っ掛けて印を結んでは、充実した命を実感するのだ。

「アアッ! イイッ!」

 ミナミは恍惚として、華々しい世界に所属する昂揚感に酔った。

 彼女のステージは幕を開けた、コウを介して、彼女自身のステージこそ、今。


〈つづく〉


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[2014/05/06 22:00] | 「ママの枕」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
湯けむ輪(113) 07:26

子宝混浴
『湯けむ
~美肌効


こだからこんよく
ゆけむりん
びはだこうかん






――午前七時二十六分


しかし次の瞬間には、一転して大爆笑が巻き起こっていた。

「倫子さんが? 倫子さんが?」

「カップル? 旦那さんと?」

二人は倫子をダシにして笑いあった。それはちょっと小馬鹿にしているようでもあったが、同時に揺るぎない信頼を表すものとも取れた。

「でもさ――」

新木の妻が話題を広げる。

「昨日は倫子さん、結構羽伸ばしたらしいよ」

妙な方向に話が進むものだ。倫子は気が気でない。肉棒はいよいよいきり立ち、体の芯をえぐる。こちらにも気が気でない。彼女はべったりと棚にもたれかかりながら、一心に耳を澄ました。

「え! 浮気ですか?」

「んなわけないじゃん。じゃなくて、こっちの方」

「あ、お酒。強いですもんね、倫子さん」

「そうそう。なんか、お店の人が言ってた」

「あ、昨日の。そっか、あの後行ったんだ、倫子さん」

どうやら矢板が何かを吹き込んだものらしい。一種の情報攪乱である。おかげで、昨夜の秘密は辛くも守られた。

しかし、ほっとする間もなく、倫子は依然災難の渦中だ。

「イくね。中に出すね、倫子さん」

藪塚は赤い耳に唇を付けてそれを震わすと、つま先立ちで剛直を突っ張った。その強引な勢いで、女体は思い切り棚に押し付けられる。乳房はつぶれ、その柔肌に板の角が食い込んだ。

「……ンッ、ヒィ……ッ!」

棚の面が熱気で曇り、そこへよだれが滴り落ちる。倫子は半開きの目で許しを請うた。

(ごめんなさい……)

女の恥をかかされる惨めさ、そして未だに抜け出せない昨夜来の奴隷気質が彼女に謝罪を要求する。一度堕ちた女が社会復帰することなどありえないと、運命が嘲笑っているかのようだ。

向こうの二人は早くも堕落女のことなど忘れて、新たな話題に花を咲かせだしていた。その声を後ろに、倫子は地べたに座って三方からくる陰茎を代わる代わる口淫していく。股から漏れ出た粘っこい汁によって、床と尻の接着時にヌチャヌチャという音が鳴る。

宇川も牛滝も湊山も仁王立ちになってしゃぶらせながら、各々タオルで頭や体を拭きだした。やがて彼らが浴衣を羽織ると、この場で裸は倫子一人になった。

「お母さん、タオルあったのかなあ」

向こう側の脱衣場には、どうやら娘が合流したらしい。かわいそうに、また母の心配をしている。だが生憎母は忙しいのである。我が子に構っていられない位、やらねばならぬ仕事が待ったなしなのである。だからまだ裸一貫でがんばっている。男性達の性欲の暴走を、その細腕で全て受け止めなければならぬが故に、服を着ている暇もない。母親とは家族の知らぬ所で苦労をしているものなのである。

「ン、ンブェア……」

娘の声は聞こえている。だが手が離せない。唾液まみれの口で陰茎三本を舐めしゃぶる大仕事だ。熱っぽい肉棒を頬や額に押し付けられ、顔中汁だらけにして縮れ毛を随所に張り付けて……。家族の目の届かぬギリギリの場所で、今朝も早朝から男根様に無償で体を捧げる。食事より先にペニスを頬張る。実に優秀なボランティアなのである。

「気持ちええわ、お母ちゃん」

ゲラゲラ笑いながら牛滝が奉仕者の濡れ髪を撫でる。娘は想像だにしまい、が、母はフェラチオが上手い。一晩中みっちり仕込まれて、今では無意識にすらしゃぶれるようになっていた。

「そない美味しいか、んん?」

宇川が尋ねる。しかし、味を好んで彼女が奉仕を買って出ているわけではない。ペニスを覚え尽くした口はひとりでに動くものだ。口腔そのものが陰茎型に象られたかのようで、もはや性器である。

「おおう、そんな所まで」

陰茎から陰嚢へと舌を這わせ、そのまま股の下に潜って肛門までも舐めほじる倫子に、宇川はこそばゆそうに喘いだ。とっかえひっかえこんなことをやる彼女だ。こういう身分なのだ。決してやりたいわけではないのに、この場ではもうこうするしかないのだ。

だから仕方がない、たとえ愛娘の傍であっても、男性器の傍にいるのだとしたら。どちらを優先すべきかなんて、自明の理であるから。

「どスケベママはチンポ大好きやもんな」

湊山が下を見て目を細める。その肉竿はいち早く膨張を取り戻しつつあった。それは、口性器によって万遍なくとろみのある粘液に覆われて光っている。

そのまま彼に暖簾の外へと引きずり出される。裸のままでだ。が、"約束が違う"だなんて口にしない。さっきの肉棒刻印が、己の身分を再確認させていた。これからも輪姦されるだけの玩具なのに、いっぱしに着る物など必要ないではないか、という風に。

だが全く諦めたわけではない。プルプルと震えながら、涙目で訴えかける。性も根も尽きて、これがやっとの意思表示だった。

「大丈夫大丈夫。ちょっとだけ」

湊山はあっけらかんと言い放った。期待はしていなかったが、案の定の答えに倫子は俯いた。廊下に引き出された奴隷女は、大浴場の入り口の暖簾に対面して後ろから犯されようとしていた。中から出てくる者があれば、即対面、即破滅である。

(仕方がないのだ。仕方がない。男の腕力から逃げられるものではないし、それに本を糺せば自分に非のあることで……)

いくら考えても納得できるものではない。それでも納得せざるを得ない力が圧し掛かってくる。

湊山が入ってきた。不敵に勃起している。暖簾の向こうからはキャッキャキャッキャと楽しげな笑い声が間近に。倫子は歯を食いしばった。

「ンッ……フンッ……ン……」

入られて反応する体が憎らしい。それが本当なのかどうか、自分でも分からない。

「ヘヘエ、えらい大胆やな、自分」

額に汗を流して、牛滝が湊山に声をかける。宇川も藪塚も横に立って見ている。藪塚は下品に笑っているが、宇川は無言である。

「ここでバラしてまうんか?」

何気なく垂れ乳を揉みながら、牛滝が尋ねた。湊山はそれには曖昧に応じながら、

「どうしても、ここでヤッときたかってん」

と鼻息荒く言った。混浴風呂を後にするに際し、さらには娘を中に置いて、どうしてもここで彼女を孕ませたいという意向なのである。彼のこだわりであった。

勢い込んで、一歩前に出る。倫子の鼻の頭が暖簾をこする。彼女の全身から汗が噴き出した。心臓に急激な負担を感じる。次第に視界が揺らぎ始め、気分も悪くなってきた。ここまでの重圧に苛まれたことはない。

他方、それと同時に、

「おおっ、ものすご締まる!」

との湊山の評にある通り、膣肉は異様な収縮を繰り返していた。そこに女肉による快感追求心はまだあったのである。

「ヘー……やっぱりスリルがあると興奮するか」

それまで黙っていた宇川がふと気のない風につぶやいた。彼の面持ちはやや緊張に包まれていた。牛滝も少々表情をこわばらせている。一方、藪塚だけは相も変らず無責任な笑みを浮かべていた。


<つづく>




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[2013/05/23 07:26] | 「湯けむ輪」 | トラックバック(0) | コメント(1) | page top
「青き山、揺れる」(63)

と、そこへ、

「あらあら、三人で楽しそうね」

との軽やかな声が割って入ってきた。見れば、いづ美である。彼女は一糸まとわぬ姿であった。黄本と目的は同じということだろう。

さらに、後ろから白木も裸体で入ってくる。共に入浴するつもりだったようだ。

祐子はもはや動じなかった。ありのまま尻穴で愉しむことに全力を傾けていたし、二人が続々と現れる最中も、赤井の指示に従って湯船の中にバシャバシャと進み、煮え切らない黄本の股間を強引にまさぐりだしていた位である。

しかし、白木に続いて入ってきた者を目にした時には、あっと驚かざるを得なかった。

「早く入って来なさいよ!」

いづ美に強い語気で呼ばれ、渋々な様子ながら彼は現れた。緑川である。但し、いつも祐子と相対する時の、あの傍若無人で不遜な態度とは似ても似つかないほどに委縮していた。

彼は両手両足を荒縄で拘束されていた。いやそれだけではない。陰茎や陰嚢までも縛りあげられていたのである。陰嚢の皮が引っ張られ、球体の輪郭がくっきりと際立っている辺りは、いかにも痛々しかった。陰茎もがんじがらめにされていて、普段雄々しいはずのそれが見る影もない。しかもなぜか勃起しており、それが返って無残な印象を強くしていた。

「か、勘弁して下さい……」

蚊の鳴くような弱々しい声で、彼は懇願した。

だがいづ美は取り合わない。

「さっさとそこに座りなさいよ」

彼女の指図で、緑川は入り口付近の床の上へ正座させられることになった。

その様子を見ていた祐子の顔が、あまりにも不思議そうに見えたからであろう、何も問わぬ前にいづ美は言って聞かせた。

「罰よ。今日も祐子さんの前でエラソーにしてたでしょ? それの罰」

赤井もややあきれ顔で、それに付言する。

「あいつさあ、ああいう奴なんだよ」

その“ああいう奴”というのの実態を証明するように、いづ美が思い切った行動に出た。なんと、緑川の股間めがけて踵を振り落としたのである。

「うぅっ! うおうぅ……!」

悶絶して彼は床に額を付ける。

祐子は思わず顔をしかめた。

「大丈夫よ。これでもほら、勃起してるのこの子。ね?」

言いながら、いづ美は彼の髪の毛を掴んで無理やり上体を起こさせた。すると、確かに陰茎は屹立していた。縄が食い込んで、真っ赤に充血している。

恥をさらされて、緑川は観念したように目をつぶっている。この場には後輩の白木までおり、彼にはいつも偉そうに接している分、この醜態を見せるのは相当屈辱的な仕打ちに相違ない。

他方、その白木は、先輩が大変なことになっている横で手持無沙汰に立ちつくしていたが、いづ美の、

「こっちいらっしゃい。こんな恥ずかしいお兄さん放っておいて」

の一声で、ようやく祐子達の方へとやって来た、途中からは、いづ美に陰茎を、まるで手を引かれるように持ってもらいながら。

その陰茎は見事に隆起していた。それを見ていづ美が言う。

「あら偉いわねえ、こんなに立派におチンポ勃起して。ほら、見て祐子さん」

「え、ええ……」

祐子としてはまだ緑川の様子が気にかかるところであったが、まったく意に介さない調子のいづ美を見て、彼女も同調することにした。それに、確かに白木のモノは立派になっているのだ、今日も既に複数回精を吐いたというのに。

それを言えば、黄本の方だってそうだ。今祐子の手の中でもみくちゃにされながらも、しっかりと芯は通っている。

「あら、こっちのおチンポ君も立派だわ。みんないい子ねえ」

いづ美もそれを目ざとく見つけて、悪戯っぽく微笑みかける。本当にこの人は、普段はバリバリと仕事のできる風のいい女のくせして、突拍子もなく卑猥な表現をするものだと、祐子は改めて感嘆した。しかし、現に弟子たちを見ていると、それも当然だという気がしてくる。

(こんな人たちを相手にしてるんですもんね)

力士の性欲が旺盛であるとは聞いていたが、そんな彼らの日常の性を、部屋の女将は一手に引き受けて処理しているのだ。並大抵のことではない。それでも努素毛部屋はまだ人数が少ないからいいが、ほかの部屋だったらもっと大変だ。ほとんど一日中ペニスを入れていなければならないだろうと思う。

そう思うと、祐子は女将を尊敬もし、そして羨ましいとも思う。気持ちが昂ってきた彼女は、その勢いで眼前のペニスにパクついた。二人の力士に挟まれての夢のセックス。女将にはなれないが、今日だけは逞しい彼らの慰み者になりたかった。

その横で、いづ美が囁く。

「さすがだわ祐子さん、みんなのおチンポこんなに固くさせて。祐子さんがスケベだからこんなスケベチンポばっかりになるのよ。みんな、祐子マンコが大好きなの」

嬉しい言葉に祐子は照れた。お世辞だろうとは思ったが、褒めてもらえて嬉しい。そして、眼前の肉棒がもっともっと愛おしくなる。彼女はより丹念にむしゃぶりついた。

「こっちの子も」

言われて、白木の方も可愛がる。二本の肉棒をそれぞれの手に握る幸福、こんな幸せはちょっとない。祐子は今の自分を、誰よりも恵まれた女だと感じた。


<つづく>




<目次>
(1)~(10)(11)~(20)(21)~(30)(31)~(40)(41)~(50)
(51)~(60)



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[2011/05/20 21:00] | 「青き山、揺れる」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
「青き山、揺れる」(11)

祐子がイッた後も、黄本はまだしばらく彼女の淫唇をこねくり回していた。彼は、祐子が達したことにまるっきり気づいていなかった。決して性の機微に通じている彼ではないのである。ただひたすらなぶり倒すことによって、たまたま興奮していた祐子が勝手に気をやってしまっただけなのだ。

しばらくそうした後、ようやくそこを解放した彼は、次いでおずおずと遠慮がちに祐子の顔の方へと寄って来た。

「祐子さん、あの……僕も……」

彼の要求は、皆まで聞かずともすぐに祐子には分かった。さすがにもう何度も肌を重ねているからである。それにしても、あれほど思い切りよく女体を弄んだ男が、この期に及んでまだ遠慮をするということを、祐子はいつもながら不思議に感じていた。

彼女はまだアクメの余韻も冷めやらぬ中、ハアハアと肩で息をして黄本の股間の方へ起き直る。そして、胸一杯の情熱を込めて、その繁みにそそり立つ高木へと手を伸ばした。

(ああっ! 固くなってる!)

握るよりも前に、目に飛び込んでくる凛々しい立ち姿でそれが分かる。青筋を浮かせてピクピクと脈動しながら、それは、生命の息吹を体いっぱいに発散していた。

手に取ればなお一層強烈な生のダイナミズムが伝わってくる。祐子は、その力強さをもっと直接体の内に受け入れたくて、唇をぽっかり輪っかに開き、その先端へ一気にかぶせていった。餌を吸い込む鯉のように。

(おぉ……美味しいっ!)

口腔で味わうペニスは、祐子にとってたまらなく美味である。世界中のどの珍味もこれにはかなわないと思う。何しろ、生きたままのオスを食べられるのである。女として生まれて、これほどの幸せはないとすら感じる。

“食べる”と言ったが、祐子にとってこの行為の目的は、実際ほとんど食欲と同化していた。ペニスのことを“肉棒”とはよく言ったもので、彼女にはまさしく肉を喰らう感覚なのである。

肉を食べ、そのエキスを奪う、性欲とは祐子の中で、究極的には男を喰らって満足することなのだ。それを体現するかのように、今しも祐子は口から率先してペニスを飲みこんでいく。

「ンウ……ング……」

前戯には倦怠を覚える祐子だが、フェラチオは全く面倒ではない。時間を忘れて懸命に舐めしゃぶる。

もっとも、その技術は大して上等でなく、彼女の性格そのままにいささか大味ではあった。乱暴なまでに竿を唇でこする前後運動を、髪を振り乱して行うのがほとんどである。

時折は、陰嚢と幹部のつなぎ目辺りに両手でしがみついて、目を閉じ、同時に口をすぼめて、亀頭を吸い上げたりもする。オスのエナジーを、肉ごと吸いこもうとでもするかのように。

それ以外は、玉袋から肛門までをベロベロと大きな動きで舐め回したりもするが、舌を使ったとりわけテクニカルな技が別にあるわけではない。性的好奇心旺盛な彼女ではあるが、こういったことは実地に教わらなければ会得できるものではないわけで、その意味で彼女に不足しているのは経験であった。

とは言うものの、元来女として男に仕えることを良しとしている祐子は、男への奉仕ならば喜んで、むしろ当然のこととして行うものであり、口淫愛撫などはその最たる行為として熱心にやるのだった。自分自身の欲求のみならず、そういった脈絡でも、祐子はフェラチオが好きなのである。

他方、相手の黄本にとっても、祐子のフェラチオには何の不満もなかった。というのも、彼にしてみれば、祐子に陰茎をくわえてもらえるだけでいまだに嬉しいのである。

初めての時などは、よっぽど感激したのだろう、わざわざ口に出して言ったものだ。

「あ、あの祐子さんが、ぼ、僕のチンポ、口に入れてる……っ!」

彼女のファンである彼には、感動もひとしおだったのだろう。もっとも、彼でなくとも、こういう場合に喜悦を感じる男性は多いと思われる。

何しろ、昨晩テレビで見たキャスターが、その時はニュースをしゃべっていたその口で、その同じ口で今日はペニスをしゃぶっているのだから。画面ではあんなに真面目腐った口ぶりをしていたのに、今はその口を無様に歪めて、モゴモゴとペニスをくわえるという淫乱極まることをやっているのである。

そういう事実を目の当たりにした時、彼女のアナウンサーにとっての仕事道具である口を自身の肉茎で塞ぐごとの、何と贅沢で且つ破廉恥なことかと、少なからぬ諸兄が劣情を催されるに相違ない。

テレビの女も目の前の女も同じ女、やはり女、普段どんなに取り澄ましていようとも、ひとたび男の前で裸になれば、誰しもにやけた面で陰茎をくわえるという所業を難なくやってのけているものなのである。

祐子が、そうして肉棒をむさぼり食っていると、黄本は体を屈めて手を伸ばしだした。祐子はいち早くそれに気づき、視界の端で追う。黄本が手に取ったのは、さっきいづ美が枕元に置いていった箱だった。

(いよいよ……)

祐子の頬がポーッと朱に染まる。

黄本は箱から正方形の薄い小袋を取り出し、その端っこを上辺のギザギザから下へ破いた。中からピンク色の平べったい円盤を取り出す。

祐子はそれを見て、さっとペニスから口を離した。


<つづく>




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[2010/10/16 22:00] | 「青き山、揺れる」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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