「あの人、誰? あの、黒い服の」
俺はさりげなく連れに訊いた。目線の先には黒い細身のワンピースを着た女が立っている。ずっと気になっていた。祭りの本番である今夜は浴衣姿の女が多い中で、我が道を行く洋装。また、凡庸な主婦連中が並ぶ列にあって、明らかにヤンキーちっくな、あるいは水商売的な雰囲気が浮いて見えた。
「高木の母親だろ」
それは後輩の名だった。後輩といっても年はずっと離れているし、ほとんど口をきいたこともない。祭りに関わっている奴なので、かろうじて知っている程度だ。確か、聖也とかいう名前だったと思うが、それすらあやふやである。ぽっちゃりした、比較的大柄な奴で、今確か中坊だったか。
「ああ、アイツの……」
俺は口の中で言って、それ以上興味がない風を装った。高木の家は商店を営んでおり、通りに面した大型店舗はよく目にしている。そこの跡取り息子の嫁ということだろう。これまで見かけない顔だったが、今年から手伝いに出だしたのだろうか。
それにしても、ケバい女だ。化粧を塗りたくった白い顔にかかる、ほとんど金髪に近い明るさの髪が夜目にも際立っている。おまけに昼間近くを通った時に見たが、薔薇の刺繍の入ったタイトなワンピースの背中はシースルーになっており、ブラジャーの紐がすっかり透けていた。欲求不満なのか。こんな晴れの場で自分を売り込もうとする魂胆が分からない。バッチリとオシャレを決めて、一体誰に対するアピールなのか。
続いてその肢体を確認する。細い体のようだが、二の腕はムチムチして丸いし、ケツの肉づきもいい。胸は、Dってところか。それなりにある。そういうラインがよく分かる服だ。彼女の術中にハまったと言うべきか、まんまと俺は劣情を覚えだした。
二十代後半……いや、息子の年からいってそれはないか。であれば、三十代。俺より一回り位上か。いずれにせよ、見た目からして抱くのに問題はない。そんなことを考えながら、俺は動き出した行列に歩調を合わせていった。掛け声と鳴り物が喧しく響きだす。
ガキの頃は大真面目に祭りに参加していた。将来は主要な役をやるんだと決めていた。だが冷める時は一気だ。もうすっかり飽きて惰性で関わっている。今はそんなことより、女の方が一番だった。なんとかしてヤりたい、そう妄想しながら俺は股引の中を固く膨らませた。
出発してすぐは走って進まない。俺は周りの奴と声を合わせながら、ノロノロと歩き、未練がましくも例の女の方を振り返った。すると、高木の母は早くも見物の列を離れて、後ろの路地へ入ってゆく。大方順路をショートカットし、路地の先の旧街道へ抜けて先回りするつもりだろう。そこへ行列がたどり着くのは、まだずっと先なのだが。
と、ここで不意に企てを閃いた。旧街道は古い町屋が軒を連ねる細い道だが、その中に旧会所がある。今は使われていないが、ガキの頃から出入りしていた俺は入り方を知っている。小塚のババアがまだ鍵を管理しているはずだ。それを拝借して入れば、誰もいない空き家で……実は、以前にもそこへ女を連れ込む妄想をしたことがあった。
一旦ムラムラしだすと止められない。俺は勢いで計画を立てた。もはやこの機会を逃すと次はないかもしれない。俺はのぼせた頭を自覚しながら、角を曲がるタイミングで密かに仲間から離れた。沿道の人垣に混ざり、路地の闇へと紛れる。そのまま小走りに小塚の駄菓子屋へと向かった。ほぼ開店休業状態の店だが、今日は祭りなので灯りを煌々と点けている。運よくババアは見物に行ったらしくいなかったので、俺は堂々と表から入り、上がり框から座敷に身を乗り出すと、入り口裏の壁に掛けてある鍵を首尾よく持ち出した。
あとは偶然を装って女と合流すればいい。彼女の通ってきた道に出ると、果たして五メートル程先にその姿を見つけた。俺は旧街道に出た所で追いつくと、いかにも困った風を装って声を掛けた。
「あの、すいません」
「はい!?」
急に声を掛けられて面食らっている女。それはそうであろう、暗がりから出てきた男からいきなりだから。だが、装束を見れば祭り関係者だとは一目瞭然なわけで、怪しい人という程の印象もないことは表情の変化から見て取れた。
「いや、中のさらしがね、破けちゃって。ちょっと直すの手伝ってもらえません?」
「あ、ああ、はい。でも、あたし、縫ったりとか分かんないんですけど」
「いや、大丈夫っす。ちょっと、押さえててもらうだけでいいんで。一人じゃ出来ないもんで」
「あ、それなら」
「ほんと、すんません」
「いいえ、いいえ、全然」
本当はさらしなど破れていないし、仮に破れていたとしてもどうということはないが、そんなことは素人の相手に判断できないであろうことは察しがついていた。実は袢纏の紐を直してほしいと言おうか迷っていたのだが、裁縫が出来ないと聞いて結果的にラッキーだった。我ながら好判断である。
「そこに前の会所があるんで……」
俺は、明るい所で且つ新しいさらしがあると理由を付けて、旧会所へと誘導した。彼女も疑う様子なく付いてくる。その途上で俺は、今の会所へ戻るには遠いこと、こちら側へ来た方が行列に合流しやすいことなどを念の為説明した。すると相手は、自分も行列を先回りして待っていようとしていたのだと、分かり切ったことを言う。
「あの、高木……くんのお母さんですよね」
「ああ、はい」
短い会話の中でさらに距離を詰めていく。おそらくだが、彼女は地元の人間とあまり交流がないようで、俺と話すことで初めて祭りの関係者に近づけたと感じているらしい。それを察して、息子の話などを向けると、喜んでペラペラとしゃべる。自分が手伝いに出るのは今年が初めてだということ。まだ祭りのことがよく分かっていないこと。来年には次男も参加予定だということなど。
「聖也を宜しくお願いします」
その媚びたような目じりを提灯の灯りが照らし出す。やがて俺達は目的の家に着いた。
鍵を開けて入れば、当然中は真っ暗である。本来なら電気を点けるところだが、そうはせず、俺は後ろ手に引き戸を閉めると、玄関入ってすぐの表座敷へ、やにわに高木の母を突き飛ばした。
「な、何を!?」
悲鳴を上げる女の腹に馬乗りになり、両腕を掴んでバタンと畳へ抑えつける。手の平に伝わる柔らかい肌と細い骨の感触が、女を感じさせた。俺はたまらずに覆いかぶさり、強引に唇を奪いにいく。女は嫌々をして顔をそむけるが、左右何処までも付いていって、あくまでも唇を奪う。その時辺りに広がった柑橘系の香水が鼻腔をくすぐった。
「ンンンッ!」
固く結んだ唇の端から頬、顎にかけて、俺は自分の唇を押し付けた。と同時に、股間の塊を相手の柔らかい下腹部へと押し付ける。こいつだ、こいつでこれから犯してやると知らしめる為に。
そこからは一進一退の攻防である。何とか乳を拝みたい俺は服をめくり上げようとするが、ジタバタ暴れる女はそれをさせない。仕方なしにとりあえずは服の上から揉むにとどめる。両腕を頭の上まで伸ばさせて、左手のみでそれらを押さえつつ、右手で胸を鷲掴みにする。予想通りの手ごたえ。ブラジャーが邪魔だが、弾力は分かる。やはりDクラスはある。ひょっとしたらそれ以上も。俺は谷間辺りに顔面をこすり付けた。芳香剤の香りだろうか。いい匂いがする。頭上でギャーギャーわめいているが気にしない。どうせ表までは聞こえないのだ。
格子越しに通りの灯りが差し込んでくる。その縞々の光が、眼下の女体を部分的に照らし出した。目元は影だが、口元は明るい。そこが嘆きを訴えているのを見ると、俺は辛抱たまらなくなって、スカートの中へ右手を突っ込んだ。両足が床をドンドンと叩くも、マウントポジションの俺に効果はない。もはや勝敗は決していた。
一気に下着の中へ手を入れる。そこで小さな驚きがあった。毛が、ない。パイパンだった。夫の趣味か、浮気相手の趣味か。どっちでもいいが、考えてみればイメージ通りである。やはりこの女、ケバい。貞淑な妻の訳がない。
筋に中指を添わせ、無毛の両ひだを指の間で挟んでみる。ツルツルのマ○コは、なんだかオモチャのようにちっぽけだ。目で確認していないからというのもあるだろう。俺はその手の形をぴったり保ったままで、円を描いてみた。柔らかい肉を弄ぶのだ。股間は意外と蒸れていない。ただ、割れ目の下からアナルにかけて、じんわりと温かい。
ビラビラは表に出ておらず、この女にしては慎ましやかなおちょぼ口のよう。では中身はどうか。割れ目を開き、指先を内部へ。いつしか女は黙っていた。やはり誘っていたんだろう。淫乱な奴だ。だが、中はまだ潤っていなかった。
「ウウ……ッ!」
指を突き立てる時、微かに呻く。二人以上子 供を産んでおいて、今更処女みたいに痛がるんじゃねえ! そんな風に心で嗤いながら、俺は中指と薬指をわずかに屈折させつつ、穴の筋道を念入りに点検していった。やはり濡れてはいないが、よくほぐれている。そんな風に思った。クンニはしない。そんな余裕はない。
俺は焦る手つきで勃起を取り出した。その間、また女は暴れたが、一体どこまで本気なのだろうか。股を広げてやれば、結局挿入まで難なく完遂出来たのだから。ちょっと態勢がズレた時、光の下に現れた目が真っ直ぐに俺のと合った。動じていないように見えた。あるいは負け惜しみかもしれないが、少し気に食わない。
正常位でチ○ポをハめていく。ためらわずに奥まで。さすがに子持ち、抵抗感なく入る。いやむしろこれは緩い方じゃないか。濡れていないのが返ってよかったかもしれない。とはいえ、腹が減っている時の飯はなんでも美味いもの。この時の俺には最高の料理に違いなかった。
フーフー息を吐いて、高木母がこらえている。鳴かせてみたいが、どこまで粘れるか。ずっといきり立ってきたムスコは、あとちょっとの刺激で暴発しそう。仕方なしに休み休みこすり付ける。ああこの感じ、先っぽから全部飲まれている感じ、生でヤッてこその実感。これがセックス。これがマ○コ。
俺は女を抱き寄せ、背中に手を回した。あった、ファスナーだ。乳を見たい、この女の乳を。例のシースルーを脱がせる。下着も黒。それは当然か。ペロリとめくる。多分、少し窮屈だったのだろう、肌にはきつくブラジャーの跡が刻まれていた。肝心の乳だが、まあ予想を超えたものではない。そこそこ大きさはあるが、あまり柔らかさは感じられないというか、型崩れしない椀型を保っている感じ。美乳という部類に入れていいかもしれない。乳輪の大きさや色は、暗くて分かりづらかった。
問題は、胸を露出した、という俺の中の意識だ。直に素肌を揉みしだくのと同時に、ボルテージが一気に上がっていく。もうダメだ、と思ったら、俺は諦めてチ○ポの出し入れを加速し続けた。そして、そのまま一気に射精まで。いや射精後まで。
「ンハ、アッ!」
なんだか悲鳴とも言葉ともつかない音を女は吐いたような気がする。中出しに対するリアクションだと受け止めておく。見下ろすと、桜色に染まった頬があった。俺はそこに唇を寄せ、次いで相変わらず閉じている相手の唇をペロペロと舐め、口紅を剥ぎ取ってやった。
チ○ポを抜く。光が反射する。同じように、高木の穴もキラリと光る。こぼれたザーメンが畳に染みを作るだろうな、とふいに考えた。そういえば、この家は時々何かに使われているのか掃除が行き届いており、全く埃っぽくない。
高木は動かず横たわっていた。事が済んだ今、暴れても仕方ないと思っているのだろう。そう、こいつはもう高木の母ではない、俺の女だ。女はそういうところ潔い。せいぜい力ずくで支配してやることだ。
外を見る。近所の人間が表に出だしたようだが、まだ行列は来ていない。これはまだ、もう一戦いけるな、そう思った瞬間、俺の体はすぐに動いていた。ムスコはビンビンで申し分ない。そうだ、ケツをまだ堪能していない。二回戦はバックだ。俺は高木に組み付いた。若干抵抗したが支障はない。いっそのことと思い、服を全部ひん剥いて、すっぽんぽんにしてやった。いいザマだ、TPOをわきまえないヤンママには、こっちの方がお似合いだ。
俺はひとりで面白がりながらケツを引き寄せた。綺麗な丸尻だ。明かりの方へ近づけてみる。すると、薄っすらと水着の跡が見えた。顔を白塗りしていたのも、ひょっとしたら日焼け隠しかもしれない。俺はますますおかしがりつつ、割れ目にチ○ポを埋めていく。つい数分ぶりの帰還だ。
女は最初四つん這いだったが、意外とこらえ性がなく、間もなく手を前に滑らせて、バタンと伸びてしまった。やむを得ず、そのまま寝バックに持ち込む。だが、結果的にこれが当たりだった。この女は乳よりもケツだ。適度に引き締まりつつも脂肪量の豊かな肉は、煮て良し焼いて良し。モチモチとした弾力が、視覚も触覚も愉しませてくれる。尻たぶをめくり開けば、まさに鶏姦。ツルマンのパックリ割れ目がチ○ポをよだれまみれでしゃぶり、アナルはパクパク過呼吸状態。
「ン……オォ……」
おっと、こいつもよがっているのか。やはりバックで主人から仕込まれているのか。女の鳴き声を聞き逃しはしない。今度こそもっと確実に鳴かせてやる。
マ○コからはブチュブチュ音が鳴る。ザーメンか愛液か、とにかく今はビチョビチョになっているので滑りがよく、油断すると、チ○ポが抜けてしまう。その度に手で押さえつけてハめ直す。背中越しに手を回して、また乳を揉みしだく。コリコリに育った乳首を挟んで、かなり強めに掴んで引き寄せる。
「ウ……ウ、ウ、ウゥ……」
痛いのか、また呻いている。これも鳴き声のうちだ。俺はさらにズボズボヤッて、どの角度が一番反応するか色々試した。二回目だから、さっきよりもつ。
そうする内、喚声が聞こえだした。来たか。行列がこの前を通るのだ。俺は思い切って、高木の腰ごと立ち上がった。
「ヤ……アァ……」
窓の方へ、高木の顔を近づける。見物しなきゃな、その為に出てきたんだから。俺はわざわざ世話を焼いてやり、ヘニャヘニャとして自立しようとしない彼女を無理やりに立たせ、後ろからガンガン突いた。
「イヤ……ア、ア、ア……」
ようやく女も乗ってきたようだ。おまけに下の方へ向けてガリガリ削った方が感じるらしいことも発見した。
男達の声が急速に大きくなる。むさくるしい男達の集団だ。その中には聖也もいる。俺は母親の顎を掴んで外へ向け、息子がよく見えるように気を使ってやった。生憎息子の方は気づかなかったようだ。そもそもアイツは、母親がパイパンなのも知らないんだろうなあ。まあ、仮に俺の母親がそうだとしても俺が気付くはずないから当然か。
「ハ、ア、アァ、ワ、アー……!」
男共の掛け声の中に女の悦びの声が混ざる。この時、確かな鳴き声を聞いた。女はよがっていた。こいつはやっぱり欲求不満で、男が欲しかったに違いない。
一団が過ぎ去ると、また一気に静かになる。俺達は再び床に崩れ、しばらくもつれ合った。やがて二発目を注ぎ、合体を解く。
その時だった、表の戸がいきなり開いたのは。
「そこで何してんだい!」
パッと電気が点く。俺は目を細めた。小塚のババアだ。今日ばかりは妙に勘が鋭く、鍵のないことに気付いてやってきたらしい。
棒立ちだった俺の亀頭からは白濁汁がボタリと流れ落ち、その横でぐったりしていた高木の割れ目からはブクブク白い泡が吹きだした。
*
結論から言うと、今度の一件はバレてしまった。高木の旦那は激怒して、俺をボコボコに殴った。そういえば思い出したが、若い時にラグビーをやっていたとかで、やたらとガタイのいい奴だった。嫁は抑え込めた俺だが、こいつにはちょっと敵わない。
だが、刑事告発はされないで終わった。先方も事を荒立てるのが得策でないと考えたらしい。一応奴の暴力による制裁もあったわけだし。で、示談。女の治療費と慰謝料諸々。
それでも噂は密かに広まった。あくまでも噂は噂。真偽不明なわけで、俺も連れから直接訊かれたが、一応否定しておいた。どこまで信用されたか知らないが。
うちの家族は、一族の恥だとか言いやがり、親からは勘当を突き付けられた。そんなこんなで地元にはいられなくなり、村を出ることに。こんなだから過疎が進むっていうのに、何にこだわっているんだか。
昔聞いた話じゃ、ジジイ共が若い頃は、夜這いとか乱交とか平気でヤりまくっていたらしい。たかだか中古女をレ○プした位で、今は大袈裟過ぎるんだよな。
〈おわり〉
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