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小説には、連続作品と一話完結作品があります。連続作品は、左「カテゴリ」の各作品名より一話から順番に読むことができます。また「目次」には、各作品の概要などをまとめた記事が集められています。

■連続作品
◆長編作品
「子宝混浴『湯けむ輪』~美肌効姦~」

◆中編作品
「大輪動会~友母姦戦記~」
「青き山、揺れる」 ▼「師匠のお筆」

◆オムニバス
「母を犯されて」

◆短編作品
「育てる夫」  ▼「最後の願い」  ▼「ママの枕」  ▼「ブラック&ワイフ」
「夏のおばさん」  ▼「二回り三回り年下男」  ▼「兄と妻」

■一話完結
「ふんどし締めて」
「旧居出し納め・新居出し初め」  ▼「牛方と嫁っこ」  ▼「ガンカケ」
「祭りの声にまぎれて」  ▼「シーコイコイコイ!」  ▼「サルオナ」  ▼「母の独白」
「童貞卒業式」 ▼「お昼寝おばさん」  ▼「上手くやりたい」 ▼「珍休さんと水あめ女」
「栗の花匂う人」「乳搾りの手コキ」 ▼「妻つき餅」 ▼「いたずらの入り口」
「学食のおばさん便器」 ▼「山姥今様」 ▼「おしっこ、ついてきて。」

作品一覧

湯けむ輪(99) 05:39

子宝混浴
『湯けむ
~美肌効


こだからこんよく
ゆけむりん
びはだこうかん






――午前五時三十九分


「旅行楽しかったね」

娘が言っている。その周囲で笑いあう人達。思い出話に花が咲いていた。

(そっか、もう帰るんだっけ)

倫子はぼんやりと思った。走って彼らに追いつく。否、追いつこうとしたが、なぜか距離が縮まらない。

(あっ、待って!)

呼び止めようとしたが声も出ない。

「忘れ物はないか?」

バスの前で夫が尋ねた。娘が振り返る。そして、こちらを確かに見た。

倫子は手を振った。満面の笑みで手を振った。しかし、娘は言った。

「うん、ないよ」

そうして未練もなく車中に消えようとする。

(うそ? 待ってよ!)

倫子は必死で訴えた。すると夫の方がそれに気づいて言った。ただ、その言葉は無情だった。

「ん? あの人……誰だ? 知り合いか」

娘はもう一度こちらを見る。そして答えた。

「え? 誰? 知らない」

すると、別の女の声が言った。

「ちょっと待って、あの人裸じゃない?」

その言葉に、はっとして倫子は我が身を顧みる。すると、確かに全裸だった。つま先まで何も身に着けていない。

たちまちバスの窓に無数の顔が浮かんだ。そして口々に批難する。

「うそ、ヤダ! 信じらんない!」

「何考えてんのあの人」

また一人の母親は我が子二人にきつく言いつけた。

「駄目よ、見ちゃ」

そう言われて、顔を引っ込ませられたのは翔太と修次であった。

「なんか言ってるぞ。え? 『おチンポ大好き』? 『おチンポ入れて』?」

そう鶴巻が言えば、

「ちょっとやめなさいよ変なこと言うの」

とその妻がたしなめる。

倫子は頭を振った。

(言ってない! そんなこと言ってない!)

だが、事実は違った。鶴巻の聞いたというセリフを、確かに彼女は叫び、あろうことか連呼しさえしていた。

「入れたろやないか」

宇川が現れて前の穴に入る。

「しゃあないな」

後ろの穴には牛滝が入った。

そのままユッサユッサと担がれてバスの方に移動していく。

(いやっ、見ないでっ!)

倫子は心で泣いた。しかし、その表情は快楽に啼いていた。

「アンッアンッアンッアンッ……気持ちいいっ! おチンポ入ってるの見てぇ! マンコもケツ穴も一遍に入れてもらってるのぉ!」

亀山が指さして言った。

「あの人、お腹大きいんじゃない?」

その指摘は正しく、倫子はいつの間にか妊娠していた。

「よく見ると結構おばさんだよね」

とは肇。

「いい歳こいて、妊娠中もハードセックスかよ」

そう評したのは新木である。

彼らの辛辣な評価にもめげず、倫子はうるさくわめき続ける。

「おチンポ最高! もう家族なんてどうでもいいの! お母さん、おチンポさえあれば何もいらないから! お母さん、一生ここでおチンポ漬けで暮らしていくから!」

いつの間にか周囲には沢山の勃起男達の輪ができていた。

心の倫子も、遂には折れた。

(お母さんね、輪姦されちゃった。今夜だけで何回も何回も。そして多分これからもずっと。ずぅっと男の人達とセックスし続けて、そのためだけに生きていかなければならないの。だから……だから、ね……もう前みたいにはいられない。――ごめんね……)

やがてバスは走り去った。娘の捨て台詞だけを残して。

「キモッ――」


<つづく>




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