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小説には、連続作品と一話完結作品があります。連続作品は、左「カテゴリ」の各作品名より一話から順番に読むことができます。また「目次」には、各作品の概要などをまとめた記事が集められています。

■連続作品
◆長編作品
「子宝混浴『湯けむ輪』~美肌効姦~」

◆中編作品
「大輪動会~友母姦戦記~」
「青き山、揺れる」 ▼「師匠のお筆」

◆オムニバス
「母を犯されて」

◆短編作品
「育てる夫」  ▼「最後の願い」  ▼「ママの枕」  ▼「ブラック&ワイフ」
「夏のおばさん」  ▼「二回り三回り年下男」  ▼「兄と妻」

■一話完結
「ふんどし締めて」
「旧居出し納め・新居出し初め」  ▼「牛方と嫁っこ」  ▼「ガンカケ」
「祭りの声にまぎれて」  ▼「シーコイコイコイ!」  ▼「サルオナ」  ▼「母の独白」
「童貞卒業式」 ▼「お昼寝おばさん」  ▼「上手くやりたい」 ▼「珍休さんと水あめ女」
「栗の花匂う人」「乳搾りの手コキ」 ▼「妻つき餅」 ▼「いたずらの入り口」
「学食のおばさん便器」 ▼「山姥今様」 ▼「おしっこ、ついてきて。」

作品一覧

湯けむ輪(103) 06:09

子宝混浴
『湯けむ
~美肌効


こだからこんよく
ゆけむりん
びはだこうかん






――午前六時九分


「合宿で来てるたら言うとったけど、仰山おったなああれ。みんなヤりまくっていきよった」

調子づいた渡瀬の口から、とめどなく教え子の情報が飛び出す。紛れもなくそれは我が卓球部の生徒達だと、顧問と監督はドギマギしながら確信した。

「みんな童貞だったんでしょ? それが今晩で全員童貞卒業ですよ。みんなこのおばさん一人の体で」

いかにも愉快そうに鎌先も同調する。宮浜と奥津には色々と聞きたいことがあったが、わざわざ問いただすまでもなく、興に乗った男達は勝手に情報を与えてくれた。おかげで、今晩これまで何があったのか、この大浴場に来る以前にも既に一波乱あったことまで知ることができた。

こんな時、少年らの引率者である二人はどういう行動を取るべきだっただろうか。憤慨して男らの下劣を糾弾するべきだっただろうか。たとえ自分達もまた過ちを犯した身だとしても……。

あるいはそうかもしれない。自ら深く反省し、仮に現在の職を失っても、一生をかけて償っていく覚悟が必要だったのかもしれない。だが、そういうことのできる人間ならば、そもそもレイプ後の状況に乗ずるような真似はしなかっただろう。もしかしたら、部員達の非行さえもっと以前に阻止することができたかもしれないのだ。

彼らは心の弱い人間だった。

「どうでっか。気持ちよろしいか」

傍から宇川に尋ねられて、生殖器の全身を肉穴に沈めた宮浜は、浮わついた笑顔でうなずき返した。彼らは負けた。あっさりと流された。それが自分の幼い教え子達の犯した過ちの穴と知ってなお、そこに劣情を流し込んだ。

「二穴挿しのご経験は?」

裏側の矢板に聞かれて、宮浜は首を振る。それと同じ行為を、彼よりも先に一年坊主らが既に経験済みだということを知る由もない。また実際問題として、少年らがここにいない今、彼らの行いを想像することすら難しかった。だから罪悪感が希薄だった、というのはあくまで彼らの方便ではあるが。

「今朝練に行ってまんねん」

牛滝が親切にもよくしゃべる。それに奥津は素知らぬ体で、

「へえ~」

などとしらばっくれて相槌を打っている。自分達だってこの後その練習に合流する予定なのに。

「帰ってきたらまたヤりたい言うとったなあ。――なあ、奥さん」

牛滝はそう言うと、ペシンと倫子の腋腹を叩いた。彼女にしてみればその痛みよりも、その提案の方が衝撃的だ。

「ンン! ンフン……ッ!」

寝耳に水のことを聞かされて、倫子は慌てて首を振る。しかし、新参者の登場の所為で、いささか前より気おくれを感じていた。彼女にも宮浜・奥津の記憶はあるが、それは微かなもので、あの階段での一件は現実と言われれば現実、夢と言われれば夢であったかのようなあやふやな感じなのだ。何しろ、その以前に信じられない目に散々遭ってきていたものだから。

とはいえ、夢としても禍々しいものではあり、そのよくない印象が彼女を怖気づかせていた。そうとは知らぬ男達、気楽にこの後のプランを話して聞かせる。

「朝飯の後でまたヤらしたってえな。食後の運動や。奥さんかて運動した方がええで」

「そうや。今更また十発も二十発も一緒やろ。朝飯前やろ」

「いや、朝飯前なんか、朝飯後なんかはっきりせえよ」

榊原、牛滝、須賀谷が畳み掛けるように勝手を言う。倫子は以前にも増して空恐ろしくなってきた。彼らの朗らかな様子が余計に不気味である。明るさの広がる部屋の中で彼女の絶望もまた心に広がっていった。このままでは本当に一生輪姦され続けなければならない、と。

(あの夢のように……)

倫子は思った。家族から見放され、一人置いてけぼりになった自分は、この小さな温泉宿で、これからも見知らぬ男どもによって休みなく犯され続けるのだ。一分一秒間断なく、常に体の中にはペニスを入れられ、男の性の捌け口となる以外には何もできない日々。もはやこれを人間と呼べるだろうか。自分は果たして人間である必要があるのだろうか、と。

彼女が暗く沈む間も、男根達は彼女の肉体を蹂躙し続ける。矢板の後には鎌先が、宮浜の後には奥津が入った。

「アイツらの性欲はえげつないからなあ」

渡瀬がまだ少年らの事を言っている。

「あんだけヤりまくってまだヤり足りんちゅうとったからなあ。ほんまサルみたいに腰振っとった」

「ヤりたい盛りなんだからしょうがないですよ」

そう受けたのは矢板。

「若いうちは、頭の中まで精液が詰まってるんだから。なんだったらまだ少ない方ですよ」

と、彼らの発射数をそう評価した。すると牛滝が、

「せやなあ。女が一人やからしゃあないわなあ」

と、いかにもかわいそうだという調子で同情してみせる。本当にかわいそうなのは誰かという話だが、それは論点にすら挙がらない。

(女一人……わたし一人で、また……)

役を命じられた女の脳裏に、猛々しい肉塊の群れが山のような影となって襲いかかる。輪姦の予約が確定したのだ。彼女は今も現に犯されているのに、来たるべきその予約にすっかり心を占拠されてしまった。だから、鎌先が果てたのにも奥津の精液が注入されたのにも気づかなかった。

「エー、もう一回ぐらヤりなはれや。今度はケツの方どうです?」

奥津が終わるのを待って退散を宣言した宮浜に渡瀬が食い下がる。自分は膣の方を受け持つつもりで動き始めている。

「いやいや、まあ、ちょっと早出の予定も立ててますんで……」

宮浜は言葉を濁しながら、満面の作り笑いで後ずさっていった。まさか自分達も朝練に行くのだとは言えない。

「それじゃあごゆっくり」

奥津も挨拶して共に去る。その声は来た時よりも明るかった。昨夜来の懸念が一つ払拭された思いだ。これは事故みたいなようなもんだ、だから仕方がない、そんな風に彼らは考えていた。その上、生徒達も気持ちいい思いをしただけで、一体誰が損をしたというんだ、とまで息巻いた。彼らもまた、大事な点を見落としていた。

「えらいあっさりしたはるなあ。そないに急がんでも」

そう呟きながら、渡瀬は倫子に入った。人間としての存在意義は、いよいよ彼女から消えようとしていた。

ところが、人と生まれたこの世において、そう易々と人の人たる正体を奪わしめぬと繋ぎ止めるが、ほかならぬ世間である。ここは公衆浴場。世間のただ中にあるのだ。

やがて賑やかに談笑しながら、三人連れの老婆が現れた。


<つづく>




(001)19:53~(010)20:15(011)20:18~(020)20:44
(021)20:47~(030)21:07(031)21:09~(040)22:03
(041)22:22~(050)23:53(051)23:54~(060)00:20
(061)00:24~(070)00:50(071)00:24~(080)01:36
(081)01:45~(090)03:59(091)04:12~(100)05:46
(101)05:52~(110)07:07(111)07:15~(120)08:35

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コメント
読みました!
お疲れ様です。

どんどん新展開になってきましたね!

老婆がどんな役どころなのかワクワクします!

続き楽しみにしてます!
[2013/02/11 08:17] URL | ぱんだ #- [ 編集 ]
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このコメントは管理人のみ閲覧できます
[2013/02/15 17:38] | # [ 編集 ]
Re: 読みました!
> ぱんだ様

いつもありがとうございます。
遅々として進まない小説ですけれど、最後まで全うするつもりではおりますので、またちょくちょく覗きに来て下されば幸いです。
[2013/02/24 01:46] URL | ジーズリー #- [ 編集 ]
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