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小説には、連続作品と一話完結作品があります。連続作品は、左「カテゴリ」の各作品名より一話から順番に読むことができます。また「目次」には、各作品の概要などをまとめた記事が集められています。

■連続作品
◆長編作品
「子宝混浴『湯けむ輪』~美肌効姦~」

◆中編作品
「大輪動会~友母姦戦記~」
「青き山、揺れる」 ▼「師匠のお筆」

◆オムニバス
「母を犯されて」

◆短編作品
「育てる夫」  ▼「最後の願い」  ▼「ママの枕」  ▼「ブラック&ワイフ」
「夏のおばさん」  ▼「二回り三回り年下男」  ▼「兄と妻」

■一話完結
「ふんどし締めて」
「旧居出し納め・新居出し初め」  ▼「牛方と嫁っこ」  ▼「ガンカケ」
「祭りの声にまぎれて」  ▼「シーコイコイコイ!」  ▼「サルオナ」  ▼「母の独白」
「童貞卒業式」 ▼「お昼寝おばさん」  ▼「上手くやりたい」 ▼「珍休さんと水あめ女」
「栗の花匂う人」「乳搾りの手コキ」 ▼「妻つき餅」 ▼「いたずらの入り口」
「学食のおばさん便器」 ▼「山姥今様」 ▼「おしっこ、ついてきて。」

作品一覧

湯けむ輪(21) 20:47

子宝混浴
『湯けむ
~美肌効


こだからこんよく
ゆけむりん
びはだこうかん






――午後八時四十七分


少年たちは、まんじりともしないで倫子の痴態を見つめていた。そんな彼らに宇川が尋ねる。

「自分ら、童貞か?」

品のないことをあけすけに聞くものである。

三人は困ってしまって、互いに顔を見合わせた。そういうことについて、ちょうどデリケートになりだす時期である。仲間内でも、あまり打ち解けた話はしていないのだった。

「恥ずかしがることないがな。自分らぐらいの歳やったら、そら童貞でもおかしないわ」

宇川はこう言って、告白のハードルを下げてやる。どうあっても答えなければならないらしい。

三人は渋々告白した。三人とも童貞だった。

「おっちゃんかて、その頃まだ童貞やったわ」

湊山が明るく言う。恥じ入る少年たちに加勢するつもりのようだ。

ところが牛滝は、

「ワシ、その頃もう彼女おったけどなあ」

と、せっかくまとまりそうな輪を乱すようなことを言う。これをとりなすのは宇川の役目。

「まあまあ、人それぞれや」

彼は持ち前の柔らかな物腰で、既に少年たちから一定の信頼を勝ち得ていた。

「そやけど、今日はほんまラッキーやで」

感慨を込めて宇川が言う。すると、これには牛滝も大賛成で、

「そや! こんなボインとオメコできんねやからな! 中々ないでぇ、それもタダで」

湊山も笑顔で、

「うらやましいなぁ君ら。こんなベッピンさんとやでぇ?」

中年男達の煽りに、少年たちの興奮も高まらざるをえない。場は和やかなムード一色となっていった。そんなムードを象徴するように、宇川が皆を笑わせる。

「ただ、ちょっとトウはたってるけどな」

すかさず牛滝も口を挟む。

「ひょっとしたら、自分らのお母さんよりも年上か分からんで」

倫子の正確な年齢のことを男たちは誰も知らないわけだが、ただ少なくとも二十代前半までの若い感じではないとの判断から、男性によくありがちな女性の年齢に対する揶揄を行ったものであった。

倫子はいわゆる美人の部類に属していい容姿だったが、実年齢と比較して殊更に若く見えるというタイプではない。ふくよかな胸のせいもあるだろう、母親的な雰囲気が前面に出るからである。

もっとも、少年たちとの歳の差が親子ほどもあるのは事実だった。倫子はぼんやりしていたが、平常なら即座に判断していたはずである、自分の娘と彼らが同年代であると。

宇川との伸び伸びとしたトークによって、少年たちの素性は次第に明らかとなっていった。

彼らはいずれも中学三年生で、この温泉にはクラブ活動の合宿としてやって来たということだった。

「卓球部か! そら温泉にはぴったりやわな」

牛滝らは茶々を入れたが、実際には部の監督とのつながりでここの宿泊施設が選ばれたのである。ちなみに、倫子らも一員の伝手でここに来ることになったのであり、結局そういう知り合い筋しか客が来ない所なのであろう。

少年らの名は、それぞれ、赤石、栃尾、別所といった。

赤石(あかいし)は利発そうな外見で、三人の中ではリーダー格のようだった。聞けば部長ということであり、それも頷けるほど頼りがいのありそうな雰囲気だった。

ほかの二人は、彼に比べればおっとりとしており、栃尾(とちお)は横幅の広いぽっちゃりとした丸い体型、別所(べっしょ)は背が一番高くひょろりとした体型だった。

三人は同級生ということで一緒にいることが多いらしい。ほかにも部員はいるが、彼らだけが抜け出してきたのだという。

「まあ、とりあえずラッキーやったなぁ。こんなチャンス滅多にないで」

牛滝は言った。これを受けて、湊山が言う。

「よっしゃ! もうちょっと待ってや。おっちゃんももうすぐ終わるさかいな」

彼は言いながら、倫子の尻により強く腰を打ちつけ始めた。宇川がそれを指さし、

「お手本や思て、よう見とき」

と、赤石らに促す。


<つづく>



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