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小説には、連続作品と一話完結作品があります。連続作品は、左「カテゴリ」の各作品名より一話から順番に読むことができます。また「目次」には、各作品の概要などをまとめた記事が集められています。

■連続作品
◆長編作品
「子宝混浴『湯けむ輪』~美肌効姦~」

◆中編作品
「大輪動会~友母姦戦記~」
「青き山、揺れる」 ▼「師匠のお筆」

◆オムニバス
「母を犯されて」

◆短編作品
「育てる夫」  ▼「最後の願い」  ▼「ママの枕」  ▼「ブラック&ワイフ」
「夏のおばさん」  ▼「二回り三回り年下男」  ▼「兄と妻」

■一話完結
「ふんどし締めて」
「旧居出し納め・新居出し初め」  ▼「牛方と嫁っこ」  ▼「ガンカケ」
「祭りの声にまぎれて」  ▼「シーコイコイコイ!」  ▼「サルオナ」  ▼「母の独白」
「童貞卒業式」 ▼「お昼寝おばさん」  ▼「上手くやりたい」 ▼「珍休さんと水あめ女」
「栗の花匂う人」「乳搾りの手コキ」 ▼「妻つき餅」 ▼「いたずらの入り口」
「学食のおばさん便器」 ▼「山姥今様」 ▼「おしっこ、ついてきて。」

作品一覧

湯けむ輪(2) 19:55

子宝混浴
『湯けむ
~美肌効


こだからこんよく
ゆけむりん
びはだこうかん






――午後七時五十五分


しかし、相手が誰であるかが分かると、一瞬にして子供たちの顔はほころんだ。

「あっ、肇(はじめ)兄ちゃん!」

それは、一緒に旅行に来た少年であった。

今回の旅行は、日頃から家族ぐるみの付き合いをしている仕事仲間の親睦会だったが、参加した四家族のうち一組の夫婦の息子として彼も来たのであった。

「あら、肇君も来たの?」

倫子は、入ってきたのが身内と分かってほっとしつつ言った。ここの風呂は混浴であるが、やはり知らない男性がやってくるかもしれないと思うと緊張するものである。

「はい。――ほかに誰もいないんですね」

腰回りをタオルで隠しながら、肇は湯船に入ってきた。

それを見て、倫子も前を隠すタオルを上げる。さっき遊んでいた時は、タオルの行方になど気を配らなかったが、

(さすがに、高校生の前じゃあね)

彼の体格が少年というよりもう男性のそれであるのを見て、倫子は節度を取り戻していた。

一方、テンションの上がった子供たちは、急に態度を改めるはずもなく、それどころか彼が加わったことでいよいよ勢いを増して、

「肇兄ちゃん!」

と叫びながら、彼に飛びつくわ、湯を跳ねあげるわと、縦横無人に暴れまわった。もちろん、彼らに先ほど油を注いでしまった倫子が、その標的から外されるはずもなく、

「おばちゃんも!」

と、彼女も容赦なく巻き込まれてしまい、せっかく気にしたタオルもはだけ、いつしか胸元まであらわになってしまった。

「やったわね!」

こうなると、倫子も子供だ。彼ら三人のどの母親よりも年上の大人のくせして、一番無邪気に騒ぎまわる。

ブルルン、バルルン――、そんな漫画じみた擬音がしっくりくるほど、彼女が動く度その乳房が大げさに跳ねまわる。人一倍豊かな乳房である。その重量の故、四十の峠を越えてはさすがに垂れ気味であったが、下辺から頂きにかけてのふっくら丸い曲線はなお美しくあった。また、先端の大輪はバラ色と呼ぶに相応しい華やかさで、かつ少し膨み出ている様子も特徴的であった。

他方、極端な胸の出っ張りのせいで目立たないが、実は豊かなのは胸ばかりでなく、二の腕や腰、尻などの膨らみもそれなりにあり、要するに彼女は全体に豊満な体型をしていた。もっとも、彼女自身が自認している通り、決して太っているほどではない。本人に言わせれば、四十路ともなれば垂みもしよう、という所である。

それでも普段なら、あえて人の目に触れさせようとは考えないが、今の相手は子供だ。真っ裸でいても、殊更気にはならなかった。そればかりか、恥じらいのかけらもなく、積極的に子供たちと戯れていく。

「あっ! おっぱい触ったな! 翔太(しょうた)君のエッチエッチ!」

ふざけて組み付いてくる子を倫子はからかう。

言われた子はちょっとひるむのだが、すぐに仕返しを試みてくる。ボディータッチなどは当たり前、タオルを奪い合ったり、湯に引きずり込もうとしたり、やりたい放題だ。

「肇兄ちゃんも触ったよ!」

今度はさっきの子が肇を攻撃する。

指摘されるまでもなく、倫子もそのことは察知していた。

(どさくさまぎれにぃ、こいつめっ!)

悪童の悪戯位で別に腹は立たなかったが、ちょっと懲らしめてやろうとは考えた。そこで、わざと大袈裟な調子を装って彼女は言った。

「うん、触られた!」

すると、大慌てで肇が首を振る。

「さ、触ってない! 触ってない!」

顔を真っ赤にしたその様子が、倫子にはほほ笑ましかった。

今の彼女には、はっきり自覚はないものの、少しばかり気分がウキウキとする所があった。男子の遊びの輪に、紅一点加わる楽しさといった所であろうか。

しかし、そうそう牧歌的なやり取りばかりが、いつまでも続くわけではなかった。


<つづく>



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(021)20:47~(030)21:07(031)21:09~(040)22:03
(041)22:22~(050)23:53

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