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小説には、連続作品と一話完結作品があります。連続作品は、左「カテゴリ」の各作品名より一話から順番に読むことができます。また「目次」には、各作品の概要などをまとめた記事が集められています。

■連続作品
◆長編作品
「子宝混浴『湯けむ輪』~美肌効姦~」

◆中編作品
「大輪動会~友母姦戦記~」
「青き山、揺れる」 ▼「師匠のお筆」

◆オムニバス
「母を犯されて」

◆短編作品
「育てる夫」  ▼「最後の願い」  ▼「ママの枕」  ▼「ブラック&ワイフ」
「夏のおばさん」  ▼「二回り三回り年下男」  ▼「兄と妻」

■一話完結
「ふんどし締めて」
「旧居出し納め・新居出し初め」  ▼「牛方と嫁っこ」  ▼「ガンカケ」
「祭りの声にまぎれて」  ▼「シーコイコイコイ!」  ▼「サルオナ」  ▼「母の独白」
「童貞卒業式」 ▼「お昼寝おばさん」  ▼「上手くやりたい」 ▼「珍休さんと水あめ女」
「栗の花匂う人」「乳搾りの手コキ」 ▼「妻つき餅」 ▼「いたずらの入り口」
「学食のおばさん便器」 ▼「山姥今様」 ▼「おしっこ、ついてきて。」

作品一覧

湯けむ輪(82) 01:59

子宝混浴
『湯けむ
~美肌効


こだからこんよく
ゆけむりん
びはだこうかん






――午前一時五十九分


パンパンパンパンパン……――

途切れることのない音の響き、何となれば以前にも増して大音量で街の中に響き渡る。

「おおっ、気持ちいい!」

「乳でけえな!」

「あっ、イくイくっ! 中に出すぞっ! うっ!」

いつもいつも似たり寄ったりのセリフを発しながら、しかし人格は異なる男達が、続々と連なっては一人の妻と繋がっていく。やむことのない男女の営みが道路の真ん中で繰り広げられる。初めて会ったばかりの男達によって今夜一晩の内に幾度も子種を植えられてきた彼女だが、またぞろこのわずか十数分の内に、新人五人もと立て続けに性を交わしていったものだ。

「アアーッン! アヒィーッン!」

虚ろな目でいななきのけぞり、髪を振り乱して絶頂を極める狂乱妻。目も口も、さらには陰門も菊門も開きっぱなしで、皆々一丸となって性欲一辺倒である。

彼女にとっては、我が孕むべき子の父親が誰であるかなどもはや判別する必要もないようで、松倉・鎌先に次いで急遽参戦してきた男達三人の個性にも、一切目をくれようとしなかった。まるで性玩具ともいうべき無人格な人形を相手にしているような、そんな感じである。

だがそれは、男性側にこそ言えることだった。相手を人形と言うならば、この目の前にいる、誰にでも股を開くこの女こそが、肉人形と呼ぶべきだろうと思われた。

「いやあ、ほんとにいるもんすねえ、痴女って」

新人の一人が屈託のない笑顔で言った。羽根沢(はねさわ)という男だ。いかに倫子が関心なかろうとも、男らには男らで素性があるもので。

新入り三人は矢板の知り合いで、この土地の人間だった。いずれも大層酒に酔っている。

「たまんねえよな、こんな変態女がいるなんて」

同じく森岳(もりたけ)という男、ヘラヘラ笑いながら続く。

「結構いい女なのに、すごいよね」

最後の一人は沼尻(ぬまじり)という男だ。彼らを含めいずれの男も確かに倫子を好ましい女と、さらには犯したいという願望の対象たりえるものと認めてはいたが、だからといって特別な情熱を注ぐ相手ほどには到底なりえないのが実情である。そもそも、出会ってまだ五分とは経っていない相手なのだ。

それでも、女は性悦を謳歌しうる。

「アンッ! アイィッ、アヘェッ、ウヒィッ……!」

“痴女”呼ばわりされても、昇天しきった蕩け顔でよがり啼く女・倫子。出会いがしらの男とのセックスももう慣れっこになってしまって、テレビ番組のドッキリ企画としても不成立な程である。快楽の最高峰に登りつめたら最後、そこから下ることは許されず、ずっとその頂きに乗ったままだ。だから酩酊よりも甚だしく、狂酔の体で我をも忘れている。

普通、女ならば“量より質”、すなわち繁殖の相手には殊更こだわって吟味するものだが、その本能すら全うできないでいる。一度に我が身で孕みうるのは一人の子種のみというのに、その辺りの判断が完全につかないでいるのである。

「アンッ、イくっぅ、イきまっひゅ……っ!」

ひたすら性の快楽のみ追求するその姿からは、自身が本来受け入れるべき男が誰なのかという基準を彼女が完全に見失っている様子が、傍目にもありありと認められた。

男はただ己が性の捌け口として相応しき女を求め、女はただ肉棒を求める。その構図がまるでこの天地に唯一の真実とでもいうように、夜のしじまに浮き彫りである。

倫子は引き続きタクシーのボンネットに寝かされ、次々と襲いくる男どもに肉チューブを接続されていった。羽根沢、森岳、沼尻、皆一様に管から肉汁を送り込んでいった。それは排泄に等しかった。いかに“いい女”でも恋の相手とは見なしえないのが、男根で思考する男という生き物だ。

片や倫子、そうと知ってか知らずか、一々男の腿に足を絡めてがっしりと相手を引き寄せる。おかげでその猥口は、ずっぽりと含んだ肉棒の、その根元からさえ溜まった汁を搾り出す。

「ううっ、吸い込まれる!」

羽根沢はその時、尻を痙攣させながらつぶやいた。同様の感想は同行二人も抱いていた。

倫子は彼らの背に腕さえ回しながら、その熱いたぎりを抱きとめていった。硬く熱い男性器からほとばしるものが、淫穴深く叩き付けられるのだ。

「イィアハェアェアヘエェ……」

三連発の膣奥ぶっかけが、彼女を頂きから下ろそうとしない。どちらも人倫を見失っていた男女だったが、やはりここは多勢に無勢、意思の制御を保った男側に比して、女はそうはいかなかった。

果ては、彼女の股間から生温かい液が溢れ出す。それはまるで、彼女の敗北の証のようだった。


<つづく>




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