おことわり
R18
このブログには、エッチなことがたくさん書いてあります。まだ18歳になっていない人が見ていい所ではありません。今からこんな所を見ていると、将来ダメ人間になってしまいます。早くほかのページへ移動してください。

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「オナこもりの小説」は、エロ小説を気ままにアップしていくブログです。たまに、AV女優や、TVで見た巨乳のことなども書いています。左サイドにある「カテゴリ」から、それっぽい項目を選んでご覧ください。



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妄想の座敷牢羞恥の風ましゅまろくらぶ



小説には、連続作品と一話完結作品があります。連続作品は、左「カテゴリ」の各作品名より一話から順番に読むことができます。また「目次」には、各作品の概要などをまとめた記事が集められています。

■連続作品
◆長編作品
「子宝混浴『湯けむ輪』~美肌効姦~」

◆中編作品
「大輪動会~友母姦戦記~」
「青き山、揺れる」 ▼「師匠のお筆」

◆オムニバス
「母を犯されて」

◆短編作品
「育てる夫」  ▼「最後の願い」  ▼「ママの枕」  ▼「ブラック&ワイフ」
「夏のおばさん」  ▼「二回り三回り年下男」  ▼「兄と妻」

■一話完結
「ふんどし締めて」
「旧居出し納め・新居出し初め」  ▼「牛方と嫁っこ」  ▼「ガンカケ」
「祭りの声にまぎれて」  ▼「シーコイコイコイ!」  ▼「サルオナ」  ▼「母の独白」
「童貞卒業式」 ▼「お昼寝おばさん」  ▼「上手くやりたい」 ▼「珍休さんと水あめ女」
「栗の花匂う人」「乳搾りの手コキ」 ▼「妻つき餅」 ▼「いたずらの入り口」
「学食のおばさん便器」 ▼「山姥今様」 ▼「おしっこ、ついてきて。」

作品一覧

湯けむ輪(9) 20:14

子宝混浴
『湯けむ
~美肌効


こだからこんよく
ゆけむりん
びはだこうかん





――午後八時十四分


「なあ……しょうか……」

首筋の辺りに口を近づけて、男は生温かい息を吹きかける。

「ダメ……もういい加減にして……」

まるで旧知の愛人のような艶っぽさで彼を拒む倫子。

「ええやん……なあ、ちょっとだけしょうな……」

今しがた初めて会ったばかりの男女とは、到底思えぬやり取りだ。

「誰も来えへんしな? な? 黙っとくさかいに」

男は、乳房の手をずらし、下腹部へと移動させる。

「イヤッ……! ダメだったらぁ……」

彼の指が陰裂に伸びるのを察知して、そうはさせじと倫子はなんとか肘を張って頑張る。だが、手で押し返しても、結局彼の手は陰毛の上をサワサワとまさぐるのだった。

「バレへんがな。誰もおらん、大丈夫や。二人だけの秘密」

(ああ……ダメ、負けそう……)

通常なら考えられない誘惑なのに、今の倫子の心は簡単にぐらついていた。まだ出会って五分と経っていないのに。相手の名前さえ知らないのに……。

「袖触れ合うも多生の縁、言うやないか。せっかく出おうたんやさかい。お願い! ちょっとだけ!」

ここぞとばかり、男は畳みかける。

「ちょっとだけや。絶対旦那にはバレへん! な? なあて」

言いながら、男は、親指とその他の指の間を縮めたり開いたりして乳房を挟み、その地盤をグルグルと回転させる。

(イヤァ……ほんとに負ける……ダメだってば……)

許されないこととは分かっている。だが、正直なところ、負かされたい気持ちもある。いっそこのまま押し切られてしまえば、と……。

倫子が彼を拒みきれない背景には、やはり弱味を握られていることからの暗黙の強制力があった。それはまた一方で、全てを知られているという諦めから、返って気安く心を許せる部分にも繋がっていた。

男は、倫子の片方の腿を抱え上げた。そうして、

「今晩だけのお愉しみと思たらええがな。せっかく温泉来て、羽伸ばしてるんやさかい」

そう言い、彼女の股の間に割って入る。さっき肇が居たポジションだ。

倫子は、この危機的状況にさらされながらも、彼を拒みきれず、彼の今しがた言った台詞を頭に反芻していた。

彼が言わんとしている意味は、彼女にも十分理解できた。いわゆる、旅先での解放感というやつである。そもそも、それがあったが故にここまで猥褻な戯れを受け入れられたのである。

「無理やりとは違たんやろ? さっきの子とは。もう一本ちょっと入れてみたかて一緒やがな」

既に一度は間男の侵入を受け入れてしまったことからの気の緩み・体の火照り、男の指摘はそういう所を的確に衝いてくる。彼の言うように、もう一人の侵入を追加しても、罪の重さには変わりがないような気になる。

そういう考えに賛意を示すかのように、倫子の秘所の熱は異常に上昇していった。彼女がどう迷おうとも、そこはもう男を迎え入れることに一決しているのだった。

(これは事故だから……仕方ないんだから……)

女らしく言い訳の用意を始める倫子。そんな考えが閃くことからして、彼女の本音が見え透くというものだ。

「高校生とは一味違うで」

男は言い、顔をぐっと近づける。そうして、そのまま彼女の唇を奪った。

これが決定打となった。倫子の中に、一つの決心がスーッと浸透していく。

彼の唇は酒臭く、普段なら不快感を催すはずだったが、今はむしろ溜飲が下がるのだった。彼の言うとおり、彼は肇とは確かに違う。

「エエねんな? 入れるでぇ?」

男は、倫子の肉ビラを広げ、肉茎をそこへあてがいながら聞いた。

(ああ、聞かないで……)

聞かれなくとも、倫子の態度は明白である。仰向いておとなしくなり、肉茎の接触にも焦りを見せない。しおらしく股を開き、女の役割としてただ犯されるのを待ちわびるだけだ。

その様子を見た男は、いよいよ肉茎を彼女の秘花にうずめていった。


<つづく>



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[2010/07/04 20:14] | 「湯けむ輪」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
湯けむ輪(8) 20:14

子宝混浴
『湯けむ
~美肌効


こだからこんよく
ゆけむりん
びはだこうかん






――午後八時十四分


突然、男は倫子の乳房を揉んできた。

「こないして、こないして……」

それは、いきなりにもかかわらず自然で、何の引っかかりもない流れだった。乳房がブニブニと形を変えられる様自体、もう丸っきり冗談のようなのである。

倫子の心に、緊張感と安堵感が同時に広がっていく。一つには、やはり胸に触れられたことからくる緊張であり、もう一つには、それを幼稚な発想と看破したことからくる安堵である。

「あ、ちょっと、やめて下さいよ」

無邪気な彼のセクハラに、さっきまでの子供たちとの遊戯よろしく、ついついやんわりとした拒み方をする倫子。あからさまな痴漢なのに、不思議と驚きもない。なぜか許せてしまうのである。こんな行動に出るような彼の思考回路は、どうやら肇とそんなに違わないようだ、結局男とは、皆そういう猥褻な興味を持って女と接したい生き物らしい、そう思えてくる。

「こんなんして……、ほんで、“チンポしゃぶらして~”言うたはりましたやん」

「言ってません!」

こうなってくるともう完全に彼のペースだ。まるで商売女とじゃれ合うかのように、自由かつ卑猥に倫子に甘える。

倫子も倫子だ。確かに混乱と不安に乗じられたきらいはあったが、急転直下の展開にもかかわらず、つい彼に釣り込まれて猥談に乗ってしまう。

「ボクのも、ほれ、こんななってんねん」

男は立ち上がる。すると男根が、でん、と倫子の顔の真ん前にそそり立つ。

「いやぁだ」

手で顔を覆い、倫子は今やもう本来の中年女らしく大仰に笑いながら恥じらってみせた。手の隙間から、しっかりとそれを確認はしつつ。

男の肉茎は、全体にずず黒かった。これと比べれば、肇のそれがいかにきれいだったかということに思い至る。とはいえ、目の前のそれの方が、彼女が知っているそれのイメージに近くはあり、違和感はなかった。

(ただのスケベおやじだわ)

倫子はそう思うと同時に、もうかなり平常心を取り戻していた。元来の明るい性格に加え、酒も入っていたし、歳も歳であり、今さらそうバカに奥手でもない。だから、たとえ見ず知らずの男のペニスを目の当たりにしたからといって、それほど動揺したりはしなかった。むしろ呆れたりして、男に対し一種の情けを感じるほどである。

倫子がそんな風に、怒ったり嫌ったりしないでいると、男はどんどん調子に乗っていく。

「奥さん、ほら、ボクのも触ってぇな。好きなんやろ、触んの」

「ちょっとちょっと!」

ずかずかと勃起を顔へ近付けてくるのを、倫子は避けて後ずさる。しかし、男に腕をつかまれているため、どうしても逃げ切れない。

「やだもう! ちょっと!」

苦笑しながら、倫子はイヤイヤと首を振る。

「構へんがな、さっき触ってたやん。……あ、なんやったら、お口でつかまえてくれてもエエで」

男は、実際に倫子の頬へ肉竿の先端を突き立てる。

「キャアッ!」

嬌声を上げて、倫子はとっさに水しぶきを彼に浴びせた。

「熱っ! あっつう……」

しぶきは見事に彼の顔にかかる。だが、それしきで引き下がる男ではない。

「なあ……」

彼は、今度はしゃがみ込んで、倫子の肩に手を回した。そうして、もう片方の手で乳房を揉み回す。さっきとは違って、妙に卑猥な手つき、それはもう愛撫だった。

「アゥ……ちょ……っと……」

乳首に指の腹が触れた時、思わずゾクゾクと彼女は体を震わせた。子供たちに呼び覚まされた、あの快感が蘇る。彼女の体の熱は、まだ冷めきっていなかったのだ。


<つづく>



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[2010/07/03 20:14] | 「湯けむ輪」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
湯けむ輪(7) 20:13

子宝混浴
『湯けむ
~美肌効


こだからこんよく
ゆけむりん
びはだこうかん






――午後八時十三分


――と、ここで男がそれまでの表情から一転、急に真顔になって言う。

「そや奥さん」

しかし、言った尻から、すぐにせっかく作った相好を崩す。

「あ、“奥さん”でよろしいか? ご結婚は?」

「してます……」

緊張の合間に、唐突にもそれを緩和する彼の独特の間――。倫子もつい釣り込まれてしまう。恐ろしく凄まれるのかと思いきや、どうやらそうでもないような、何とも不思議な間。

男は、その三枚目風な外見の印象に違いなく、どうもシリアスに徹しきれない性質らしい。それでも、もとい、という感じで、改めて真顔に戻って言う。

「ひょっとして奥さん、さっきのん……無理やり?」

「あ、あの、いえ……」

「あきまへん! あきまへんでそれは!」

男は急に大きな声で、大袈裟に言った。彼女の腕に手を回して立ち上がろうともする。冗談とも真面目とも判然としない態度だ。

「無理やり! それやったら警察行かなあかん!」

「け、警察!?」

彼の極端な振る舞いに、呆気にとられる倫子。

(何なの? この人。……面倒な人に関わってしまった)

それが今の率直な気持ちだった。今もって、彼の狙いが分からない。脅しているのかと思えば、茶化しているようでもある。見た目からしてひょうきんではあるが、それを信じてよいものか……。ただ何となく倫子は、彼の滑稽な雰囲気に呑まれて、いつしか恐れを失い、急速に快活な気分に立ち戻りつつあった。今もって困惑は隠せないものの、彼と対峙できる位の胆力は、どうやら持てそうなのである。

それにしても、彼が指摘したのは実際問題として悩ましい点であった。無理やり、といえばそうなのだが、肇を憎んではいないし、まだ年若い彼を許す気持ちもある。男が本当に警察に行く気かどうかはさすがに疑わしかったが、一応それなりの姿勢は示しているので、ともかくも倫子は説明を試みて彼を落ち着かせることにした。

「あの……あの、違うんです」

義憤に燃える男に向かって、倫子は言った。とりあえずここは、肇を、そしてもちろん自分を守らねばならぬと。

「ちゃう?」

「ええ、その……無理やりでは……」

言いにくいことである。

だが、それを男はいともあっさりと言ってのけた。

「ちゃうちゅうたら、ほな、ヤらせたったと?」

「いや、まあ、そんな……」

説明しようとする倫子を、男はこれ見よがしのため息で遮った。

「フー……」

それからややあって、落ち着いたトーンで言う。

「……まあ、そうやろうとは思てましたけどね。あこから見てた感じでは」

このざっくばらんな一言は、彼女の負担を急激に軽くした。

(あっ、なんだ、……そうだ、見てたんじゃない!)

一転腹を立てだす倫子。何だか真面目に話をするのが馬鹿らしくなってきた。

(ただの酔っ払いなんじゃないの?)

そんな気がしてくる。

男は、またニコニコと笑いだした。もしもこんな状況で出会ったのでなければ、親しみやすいキャラクターのおじさんだ、などと好意的に見ていたであろう角のない雰囲気だ。

彼の正体は依然として謎だったが、そう危惧するほどの人物ではないかもしれない、などと、本来抱くべき危機感がぼやけていくのを、倫子は感じだした。そして、実のところ、彼はただ下世話な好奇心でもって、自分と戯れたいだけで近づいたのではないか、と、彼女はようやくそこに思い至った。

果たして、それを裏付けるかのように、この機を逃さじとばかり男は大胆に倫子へ絡みだした。


<つづく>



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[2010/07/02 20:13] | 「湯けむ輪」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
「師匠のお筆」6-8(最終回)

『師匠のお筆』


6-8


「アア、いいわ! その固いので早く突いてっ!」

一層の硬度を体内に感知し、期待で膣壁をうずうずさせながら文子は言った。

確かに瑞夫の固さは、今日一番だった。はっきりそうと意識はせぬものの、妻が寝取られているかもしれぬとの可能性をちらりと閃いた影響から、そうなったのである。

かくもねじれた心理を、どうして彼が抱くにいたったのか。彼にとっては、もはや夫婦間の危機ですら肉欲のスパイスにしかなりえないのだろうか。とにかく瑞夫の陰茎は、ひと際固く、そして大きくなっていたのである。

「アンッ! そう、もっと、もっと!」

文子は、その発達した剛直を気に入っていた。それをずんずん突き入れられ、その腰つきに合わせて起こる快感の波を意識しながら、彼女は悦び喘ぐ。

もしこれを鈴美が味わっていたら、彼女はどう思っていただろう。どうしてそうなったかの経緯は置くとして、とりあえず大きく・固くなった瑞夫のそれに触れたとき、彼女の性欲が枕必から彼に向き直る可能性はあっただろうか。

答えは、否である。多くの女がそうであるように、鈴美にとっても、肉棒の質なぞ大した条件ではない。むしろ相手や、その人との関係が問題なのである。彼女の体が発情するのは、相手が枕必という憧れの存在であればこそなのだ。

もっとも、瑞夫のそれがいくら今のような大きさになろうとも、実際には枕必のものがそれをさらに上回るスケールだったので、いずれにせよ彼に勝ち目はないのであったが。

さてその枕必の立派な肉棒で、今しも鈴美は肉穴を突きまくられている。

「アッ、アッ、アッアッアッ……!」

外に夫のいることは知らないから仕方ないかもしれないが、隣の部屋に息子のいることは分かっているのに、それでも鈴美は大胆に喘いでしまう。だがもし夫の存在に気づいていても、結局結果は変わらなかっただろう。

彼女にとって、枕必、ないし彼によってもたらされる快楽は、もはやすべてに優先する事項というわけである。

それが証拠というべきか、鈴美は今、一糸まとわぬ生まれたままの姿を彼の前にさらけ出していた。息子にいつ見られてもおかしくない、この危機的状況下においてである。およそ破滅的志向と言わずばなるまい。

これを命じたのは、無論枕必だ。彼は、自分は服を少しも脱ぐ気がないくせに、鈴美には、有無を言わさぬ実力をもって、全裸になれと命じるのである。

彼がこんな無茶を言うのは、実は少々鈴美に飽き始めているからである。

恋愛でもなんでも、時を重ねるごとに要求がエスカレートしていくのが自然だから、枕必の求めは理に適っているし、実際鈴美もその順序に沿う形で彼に従っているのであるが、枕必にとって現在の段階は、既に退屈の始まりであった。

なぜなら、彼が鈴美との関係で楽しみにしていたのは、性のイメージからほど遠い良妻賢母をいかにして籠絡するかという、その一点であったからだ。

それが済んだ今、彼女は通常の愛人と同じであり、それなら彼には足りているし、もっと好みの女もいるのである。

(悪い玉じゃあない)

枕必は思った。

(これの恋心はそれなりに楽しめた)

思いながら、指の腹でフニャフニャと乳房をいじくる。

(だが、物足りないな)

彼の豊富な履歴に照らせば、彼女との今後を類推することは容易であった。彼は、いつしかこれまでに付き合った女の中に鈴美と似たタイプを見つけ、その所属するカテゴリに彼女を分類しようなどと思案していた。

と言っても、表向きはそんな素振りを一切見せないのが彼の信条である。鈴美の前で、あくまでも彼は紳士だった。

「どうだ? 筆よりも、やっぱりこっちの方がいいだろう」

紳士は言った。このセックスをより良いものにしてやろうとの彼なりの気遣いである。

「こういう筆の方が、気持ちいいんだろう?」

「はっ、うぅっ……、はいぃ、はひぃぃ……!」

鈴美は彼の問いかけに答えたつもりだった。だが、度の過ぎた快感のせいで狂ったように歪む口では、思いのほか鮮明に発音できないのであった。

「ひっいぃおち、いひ……、きひ、おち……いいでふぅ……!」

「ははっ、そうか、気持ちいいか」

彼は笑った。呂律の怪しい物言いも、彼にはちゃんと理解できているらしい。そうして言うよう、

「困ったなあ、こんな淫乱な弟子は」

憐れむような口ぶりだ、快楽に魂を売った、目の前の三十路女のことを。

「この前やった筆もだが、師匠のお筆は、みんなこっちに挿すのか君は」

(ああ……師匠のお筆……)

鈴美は思った。

(なんて素敵……!)

ちょうどそう思った瞬間だった。ガシャン! いくつかの置物が転げ落ちる。壁についていた手が滑って、傍の棚にぶつかったのだ。

「こらこら、あまり音を立てると、本当に聞こえるよ」

枕必がやんわりと叱る。隣室には神雄のみならず、枕必の娘・須美恵もいるのだから、彼としても、別に好き好んでそちらに知らせたいわけではない。

もっとも、彼はこれまでどんな女と付き合ってきたときも、殊更に娘にばれないように気遣ったりなど、何ら積極的な努力をしてはこなかったが。

「ダメじゃないか、しっかりしないと」

枕必は、鈴美のわき腹辺りを抱えて彼女を起き直らせると、自分の体ごと彼女を壁に押し付けた。そうして、彼女の髪に口をつけて囁く。

「ちゃんとしないと、神雄君に笑われるよ」

言いながら、密着した腰を前へ前へ押し出す。すると、鈴美の尻肉が枕必の下腹に圧迫されて歪んだ。

「“お母さん、ちゃんとセックスしてるのよ”って。“あなたの傍でも、ちゃんとセックスできるのよ”って。ほら」

枕必は、歪んだ尻肉をつまんで左右に引っ張った。おかげで、鈴美の肛門まで広げられ丸出しになる。

(神雄……神雄、ごめんね……。お母さん、枕必先生が好きなのぉ……!)

枕必の責め言葉で官能を掘り起こされ、肛門までさらされて鈴美はもだえ狂った。

「アアーッ! アッ、アヘェッ~!」

壁に半分口を押し付けたまま、鈴美は喘ぐ。枕必が後ろからくっついてくるので、自然とそんな格好になってしまうのだ。開けっぱなしの口からはだらだらとよだれが垂れ、舌は行き場なく壁を舐めている。

(気持ちいい! 気持ちいい!)

彼女はもう肉欲の虜だった。

そんな彼女に、枕必が畳みかける。

「先生のチンポが、好きで好きでどうしようもないんだな」

(ああ! 好きです! 先生のおチンポ! 先生のおチンポ!)

心で鈴美は応答する。もはや何を言われても無条件で受け入れてしまう境地だ。

「向こうの神雄君にも見せてやろう」

(おお! 神雄! お母さん、枕必先生のおチンポが、気持ちいいのぉっ!)

そして、鈴美は狂い啼く。

「オッ、オッ、ォアアッ! ァハァッ! ンッンッンッ……!」

と、その啼き声が終わらぬうちに、パシィィンッ! 彼女の背中を、したたかに打つものがあった。枕必が、言葉責めの効果をさらに倍加させるつもりで、彼女に平手打ちをくれてやったのである。

期せずして、この時、平手打ちの音は隣の教室にも響いていた。ちょうど同じ頃、ただし、音の出所は別で。

「アヒィッ!」

須美恵は、尻をぶたれて啼いた。ぶったのは神雄だ。つい先ほどまでとは立場が逆転したわけである。

別に、さっきやられた仕返しというのではない。彼女の尻を上から眺めているうち、何となく叩いてみたくなっただけである。

彼としては、いつになく大胆な行動だった。彼女と関係を結んでから数カ月、ようやく彼も慣れてきたということだろう。漠然と、“怒られはしない”、という勘も働いていた。

実際、須美恵は怒らなかった。むしろ好ましく感じていたほどだ。

(ああ、この子ったらこんなことするの?)

須美恵は、神雄の中に男性の力強さを見た気がした。それに彼女の中の女性の部分が惹かれ反応する。

「アハァッ!」

須美恵の口から、色っぽい吐息が漏れる。

神雄は一打では飽き足らず、二打、三打と平手打ちを浴びせかけた。手に当たる感触を面白がっている様子だ。

ペチッ! ペチッ! その的は、尻から背中にまで至る。打ちすえられたところは、ほのかに朱に染まっていった。

「ウフゥッ! アンッ! アハァン!」

打たれる度に、須美恵は熱っぽい声を吐く。

(ちょっと調子に乗ってるみたいだけれど……、でも……、悪くないわぁ)

鷹揚に彼の振る舞いを許しながら、彼女は感じていた。

神雄だってそうだ。元より、彼のペニスは須美恵のヴァギナに突き刺さっているのである。

ペチャン! ペチャン! ペチャン! 肉茎の出し入れの度に、肌のぶつかる音が鳴る。少年の体重に比例した軽い音である。

だがその軽い一撃でも、女を啼かせるには十分なようで、

「アッ、アッ、アンッ!」

肌の響きに合わせ、須美恵は満足そうに声を上げるのだった。

そうして彼女の濡れた肉穴が、神雄の未発達な肉茎をくるめば、ほどなく彼の性感は、限界近くまで高まるのだった。

(ああ! イきそうだ!)

そう心に叫んだのは、神雄ばかりではなく、教室の外にいる瑞夫もだった。息子と同じく、彼も今射精を身近に感じていたのである。

パンパンパンパン……! 肌の打ち合う音が鳴る。もう誰に知られることをも恐れずに、瑞夫は激しく腰を前後させて、文子の尻を揺さぶっていた。

「アア~ッ! アガァ~ッ! いいわぁ! いいわぁっ!」

文子も自分の世界に没頭して、ただただ快楽をむさぼる。そして、屹立した男根で、肉穴をほじくられる悦びに震えた。

「もっとぉっ! アブァァッ! もっとぉぉん!」

窓枠にしがみつき、豊かな乳肉をブルンブルン揺らす。乳房の反動は大きすぎて、時には壁にぶち当たり、激しくはじかれもした。

(ダメだ! 出る! このまま……このまま!)

精嚢から尿道にこみ上げてくる強烈な感覚、その快感に瑞夫の腰は止まらない。肉壁に亀頭がこすれる度にガクガクしながら、彼はハチャメチャに腰を振りまわした。

「来てぇっ! 来てぇぇっっ!」

射精が近いことを敏感に察知して、文子が叫ぶ。

勢いづいていた瑞夫は、それを聞き、なおさら肉棒を抜き去る努力を放棄した。

(うあっ! 中出し……! このまま! ううっ!)

快感が脳天を突きぬける! 瑞夫の腰は、ちょっと浮いたようだった。この瞬間、大量の精液が瑞夫の肉竿からほとばしり出たのである。

「はあっ! 出てる! 出てる出てる!」

ブルブルと尻の脂肪を震わせる文子。今彼女の膣内には、多量の精液が噴射されていた。その振動と、その熱さが、彼女の体内を躍動させる。

(出てる! 出てる!)

まだ惰性で腰を振る瑞夫。文子の大きな尻にしがみついたまま。

その時!

(出てるわぁ、神雄君の……)

と、須美恵。

(ああっ! 先生の! 先生のが流れてくる!)

同じく、鈴美。

この瞬間、まったく奇跡的なことながら、三本のペニスから、時を同じくして、一斉に三つのヴァギナへザーメンが放たれていたのである!

(熱い! 熱いわぁ! 先生の精液がいっぱい中に……!)

枕必の精液を膣内にあふれさせて、鈴美は窒息しそうなほどに興奮していた。彼の愛人に夫が射精していることも、彼の娘に息子が射精していることも知らないで、幸せそうである。

枕必だって、娘が、今自分が中出しした女の息子に、逆に中出しされているとは知らない。また、知ったところで大して驚きはしないが、自分の愛人が浮気していることも知らない。

娘も、父親の日頃の行状は知っていても、今しがた自分に射精した少年の母親に、彼が現に隣室で射精していようなどとは思いもしない。

(ああん、神雄君の、いっぱい出るようになったのね)

ただただ無邪気に須美恵は喜んでいた。

神雄は、彼女の悦びを知らない。そもそも彼は何も知らない。大人たちの思惑を何も。いや、知らない方が幸せかもしれない。

母親が隣で父親以外の男に膣内射精されたことや、父親が外で会ったばかりの女とセックスしたこと。父親については、自分のセックスを覗いたばかりか、それを見てオナニーすらしていたのだ。

もちろん、その父親は、覗いたセックスが息子のそれとは知らないのである。そればかりか彼は、ここに息子や妻がいることすら知らない。

その上、息子がまだほんの少年のくせに一人前にセックスしていることや、妻が他人にいつも中出しされていることも知らない。

中出し……気持ちいい……!)

瑞夫はのんきにも、ただ自分の射精に酔いしれているのみだった。

文子だけが、一部の関係を知っていたが、しかし彼女もやはり、今日の相手が誰なのかを知らないのである。

この卑猥なトライアングルの中で、彼らはただひたすらに肉欲をむさぼるだけの獣だった。


<おわり>




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<6章 目次>
1 2 3 4 5 6 7 8(終)

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妄想の座敷牢



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[2010/06/19 22:14] | 「師匠のお筆」 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top
「師匠のお筆」6-7
『師匠のお筆』


6-7


誘われていることは、瑞夫にもすぐに分かった。

(ああ、いよいよ……)

この流れで合体しない結末などありえない、という風に、アブノーマルに始まった行為にもかかわらず、いつしかそれは当然のことになっていた。

だが、いざそれに移る前に、二つのちょっとした不安が彼の脳裏をよぎっていた。

第一に、どういう形で結合したらいいか、という問題である。野外で、しかもこんな限られたスペースでなしうる体位を、瑞夫はまだ経験したことがなかった。

しかし、これについては、彼に選択の余地などなかった。

(立ちバック!)

それは、文子からの指定だった。彼女は後ろ向きになると、自らスカートをめくって尻を出し、パンティーラインを脇にずらして見せたのである。

(後ろから犯して!)

文子はこの体位を気に入っており、枕必にもよくせがむのだった。

瑞夫には経験がなかったが、こうなっては冒険するしかあるまい。向かい合ってする体位も予想していたが、それより簡単そうだったし、いずれにせよ新奇なことへの興味もあったので、もとより否やはなかった。

(生で……するんだな)

さていざ彼女の尻に手をおきながら、ほんの一瞬瑞夫は思った。それが第二の問題として浮かんだものだった。

瑞夫は、避妊具を付けずに性交したことが、これまでほとんどない。本当の子作りのためだけにしたばかりである。夫婦間の交渉も、いつもコンドームありだった。

彼が一瞬ためらったのは、それ故にいつもと勝手が違うからだった。

(いいのか? いいんだな?)

相手の何も言わないことが、それについての回答だった。彼女には、避妊する気など端からないらしい。それでも瑞夫は、何となく背徳的な気分になった。

(生挿入か……!)

妻にもほとんど試したことのないそれを、会ったばかりの見ず知らずの女にする、妊娠や病気の虞もあったが、それらはむしろ念頭になく、瑞夫はとにかく“生ですること”それ自体にこだわっていた。

普段それを習慣づけない彼にとって、それを許されて行うことは、それだけで興奮の材料であった。

(入れるぞ!)

瑞夫は、自らを奮い立たせるように、心に叫んだ。

すぐに、亀頭を小陰唇の襞に密着させる。暗がりで、挿入口の辺りはいまいちはっきり確認できない。感覚だけが頼りだ。彼は亀頭の先を、ビラビラした肉襞にくっつけたまま上下してみる。

それを感じた文子は、勘違い気味に思う。

(ああん、焦らすのね)

彼女はじれったく思ったが、悪い気はせず、早く肉棒で貫かれるのを待ち望んで耐えた。

瑞夫も、早く入れたいのは同じだ。彼は、結局穴の位置を曖昧に認識したまま、ごり押しで挿入することにした。

相手の腰をつかみ、自分の腰を前方に押し出していく。すると、少し位置が高かったようで、直立した肉棒は先端から下に押さえつけられる形となり、結果斜め下方に肉を割って進んでいくことになった。

(ああ! あったかい!)

亀頭の表面では分かりづらかったが、幹部まで埋めると、女の体の熱が一遍に感じられた。

女の方でも同じである。

「アアッ!」

思わず文子は、少し大きめのボリュームで声を上げていた。歓喜の声だった。

(来たわ、来たわ!)

肉棒のぬくもりが嬉しかった。体の中に男を迎え入れられる喜びに、彼女の心は沸いた。それは、女としての本能的な喜びだった。体内に男が存在する、その間こそ、女に生まれてよかったと感じられる、至福の時という。

(いいわぁ! これ!)

肉穴を突き入ってくるそれの存在感に、文子は満足していた。彼のモノと枕必のそれを比べてどうのこうのという考えは、彼女にはない。ただ男が入ってきさえすれば、とりあえず良いのである。

だから、いつもと違うモノ、という実感はあまりなかった。この点は、瑞夫と大いに異なる。

(入れたんだ! ついに!)

妻以外の女とセックスできたことは、彼の気分を高揚させていた。その高揚感が大きすぎて、妻への申し訳なさなどは、さしあたり思い浮かばなかった。

そればかりか、妻の穴を思い出して、それと今の感触とを比較するのも難しかった。なんといっても、忘れかけていた生挿入の快感と感動が、彼の心には充満していたのである。

(うわぁ……なんだこれ!)

穴の中は熱い。密着する肉から、その熱が伝わってくる。決して肌を触れ合わせただけでは分からない、相手の本当の体温といった感じだ。

肉は濡れていて、それは肉竿の全方位に、ピッチリと余すところなく密着している。その表面は柔らかいのだが、柔らかいながらも、ギュウッと押し出して圧迫してくるので、どこか固いようでもある。

肉壁の当たり方が、コンドーム装着時とは明らかに違うことに、とにかく瑞夫はびっくりしていた。

ところで、こういう感動というのは、何も男に限ったことではない。女の方でも、男と感じ方は違うとはいえ、一定の心理的影響を受けるものである。

彼の妻である鈴美も、やはり日頃しつけないせいから、生身での挿入には少なからぬ感慨を抱いたものであった。彼女の場合、それを夫よりも早く経験していたわけだ。すなわち、枕必との不倫の中で。

現に鈴美は今も、外に夫がいるとも知らず、枕必のペニスを何の障壁もなしに体内へと受け入れていた。

「アェアア~ッ……!」

ゴリゴリと野太い男根が膣内を行き来する度、鈴美は気の遠くなるような快感を覚え、だらしなく口を広げ、よだれまで垂らして喘ぐのだった。

むき身のままの生殖器官を後ろから膣に挿入されるその有り様は、まるっきり動物の交尾と同じである。

薄布一つないだけで、肉棒の肌がぴっちり肉襞と接着するように感じられ、それは、男女の結合の生々しさ、あるいは真の姿を鈴美に教えてくれるような気がした。

彼女は、そもそもセックスそのものの流儀を枕必から習ったつもりでいたが、その一環から、避妊をしない交渉の正当性めいたものまで、いつしか信じるようになっていた。

(アア~……ン……先生のが、いっぱいに……)

膣の中が、枕必の肉棒で隙間なく埋められている状態を夢想し、鈴美は喜んだ。避妊具を使用していないことも含めて、これが愛のあるセックスの証だと思った。

鈴美は、枕必との性交渉において、これまで避妊をしたことがない。彼による熟練のエスコートのままに、初回から何の違和感もなくそうしてきて、その後もその流れで今日まで来た。夫とのコントラストは鮮明だった。

と、彼女の胸の柔肉に指を喰い込ませながら、ふいに枕必が言った。

「旦那さんとは、最近どうなんだい?」

彼もやはり瑞夫が外にいようなどとは知らなかったので、そんな話題を持ち出したのは偶然だった。

「あ、あの人のことは……ア~……アァ~……!」

鈴美は頭を横に振ってみせた。神雄のこともそうだが、とにかく現実に引き戻されるようなことは言われたくなかった。まだ彼女には、こだわりが残っていたのである。

「何もそうむきになることはない。なあ?」

言いながら、枕必は彼女の頬を撫でる。

「こっちが気持ちいいんなら、それだけでいいじゃないか。んん?」

「アッ……! アフアァァ……」

具体的には説明できないものの、枕必の言わんとしていることを、鈴美は体で承知していた。今や彼によって与えられる肉の悦びは絶対で、夫のある身ということを前提にしてもなお、この悦びを否定しようとはしなかった。

下世話な話、もしも枕必が、

「夫のモノとどっちがいい?」

と聞けば、それに迷う鈴美ではなかった。彼女は堂々と、たとえ道義的にそれが許されぬことと自覚していても、あえて枕必の方を何のためらいもなく挙げただろう。妻であり母であることとそれは、決して矛盾しないのだと。

余談ながら、万が一、

「さっきの筆と、夫と比べたら、どうだ?」

と尋ねられても、彼女はほぼ迷いなく答えたであろう。“筆”であると。

憐れなのは夫・瑞夫であるが、筆よりも劣位に置かれたことはもちろん、妻がすぐそこで寝取られていることすら彼は知らない。彼は今、彼自身の不倫の性に夢中である。

そんな瑞夫に対して、ふいに文子が言った。

「ねえ」

言いながら後ろを振り返る。

「先生、見ながらしましょうか」

(先生?)

瑞夫は、ふいの提案にたじろぎながらも考えた。

(でも、この窓からじゃ見えなかったからなあ)

今の彼にとって、先生といえば枕必しか思いつかなかった。この教室本来の主のことを、彼は失念していた。

「うふっ、このまま動ける?」

文子は戸惑う瑞夫の手を後ろ手に取って、結合したままよちよちと歩き始めた。移動先は、最初の窓の前である。

「あら、見えないわね」

行き着いた先で、ひそひそと彼女は言う。

瑞夫も覗いてみる。確かに、そこに先ほどの女の姿は見えなかった。ただ声だけは時折聞こえてくる。どうやら窓の隙間からは見えない位置に移動したらしい。

もっとも、瑞夫にとってはそれよりも、枕必は奥の部屋にいると思っていたのに、手前の部屋にいると文子が指摘したことの方が疑問であった。彼は、思わずつぶやいていた。

「ん? 枕必は……」

すると、そのかすかな独り言を、文子は聞き逃さない。

「あら? 枕必先生をご存知だったの?」

彼女は意外そうに言った。そして、そのすぐ後に、彼女にはピーンとくるものがあった。またしても彼女は、勝手な情報をしゃべりだす。

「そうそう、つい最近も新しいお母さんを食べちゃったのよ。真面目でおとなしそうな人」

別に、瑞夫が鈴美の夫だと見抜いたわけではない。ただ、なぜかそういう話を今思いついたのである。言うなれば、女の直感というやつであろう。

「今あっちの部屋でやってるのも、その人とだと思うわ」

文子のこの情報で、瑞夫の疑問はとりあえず解消した。目の前の部屋にいるのは、枕必と別の師範であることが分かった。

だが、それと同時に、妙な胸騒ぎを感じずにはいられなかった。鈍感だった彼の心にも、ようやく危機感が芽生え始める。“最近” “新しい” “お母さん” “真面目” “おとなしい”これらのキーワードが示唆するものは何か。

ことごとく、鈴美を指し示すものではなかったか?

とはいえ、まだ彼は、それを具体的に推理していたのではない。ほんの一瞬、それも漠然とそんな不安が閃いたというにとどまる段階だ。けれど、その漠然とした不安が、彼の心に微妙な影を投げかけたのは事実だった。

そうして瑞夫の男根が一段と固くなったのを、文子だけがいち早く察知していた。


<つづく>




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[2010/06/15 22:00] | 「師匠のお筆」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
「師匠のお筆」6-2

『師匠のお筆』


6-2


教室には、その日、期せずして鈴美も訪れていた。ここに通う生徒の母親として、ごく自然な訪問だった、はずだが……。

「ああぁ……先生……、もう許してくださいませ……」

あえぎあえぎ、鈴美は言った。明らかに、ただの保護者らしからぬ様子だった。

「んん? どうして?」

そばにいた枕必が尋ねる。彼も教室に来ていたのだ。ここの経営者の父親、あるいは師匠として、それもやはり不自然なことではないのだが……。

「だって、先生……」

鈴美は口ごもる。

「何? 言ってごらん?」

「あぁん……いやぁ……」

身悶えて、ごまかす鈴美。二人は、恋人が情事にふけるように、彼らだけの世界でじゃれ合っているようだった。

二人が、初めてこの教室で出会ってから半年近く、初めて肉体関係を結んでから二か月余りの月日が流れていた。

(変われば変わるものだな)

と、枕必は思うことがある。初めて会った頃の鈴美からは、不倫に興じる様子など微塵も想像できなかった。まして、性を前向きに愉しむようになろうとは。

「せ、先生ぇぇ……」

彼女は今、膣に後ろから毛筆をねじ込まれていた。これも、性の戯れの一環である。彼女は、それを拒まないのだった。

それも、ここはラブホテルの一室ではなく、息子の通う書道教室の事務室である。鈴美はそこで、スカートをたくし上げ、壁に手をつき、尻を男に向かって突き出しているのだ。

「許してぇ……」

枕必のつかむ毛筆が、肉竿よろしく彼女の秘唇をかき乱すと、自然と鈴美は媚びた様な艶やかな仕草を見せる。そんな艶姿に説得力を持たせるがごとく、彼女のそこは濡れそぼち、筆が動く度にクチャクチャ言った。

「止した方がいいかい?」

枕必は訊いた。筆を持たぬ方の手で、鈴美の白い尻を撫で回しながら。

「さすがに、ここじゃ気が引けるかい?」

言いながら、尻肉をつかむ。元々肉は薄かったが、それでも近頃は女らしい色気が出てきたと彼は思う。おそらく、枕必になぶられたせいも、年齢的に肉体が果実のように熟してきたせいも、どっちのせいでもあるのだろう。

パチン、と、そこを軽く打って、その肌の反発を確かめながら、彼は言った。

「違うだろ? ここだから、余計に興奮するんだろ?」

「あ、いえ、ちが……」

鈴美はやや焦って、それ以上具体的なことを言わせないつもりで遮った。しかし、枕必は先を続けた。

「息子がすぐそこにいるのに、こうやっていけないことをしてしまうのが、いいんだろう?」

枕必の言う通り、彼女の息子・神雄は今、この部屋のすぐ隣にある教室で、習字の勉強をしているはずだった。例によって、須美恵とのマンツーマンによる補習である。

「おっしゃらないで」

違う、と鈴美は思った。息子は関係ないと。そもそも、枕必との逢瀬の時に、家庭を思い出させるようなことを言わないでほしかった。それは、逃げだった。

「ほら、神雄君がそこに……」

「言わないでください!」

痛いところをあえて突く枕必、それを必死にかわそうとする鈴美。このつばぜり合いを押し切ったのは、やはり枕必だった。

「違やしないだろう! こんなになっておいて!」

彼は少し声を荒げて、そうして、激しく膣内の筆を上下させた。ジュバジュバと聞こえるような汁の音が、けたたましいほどにそこから鳴る。

「あぁぁ……、それは、だって……」

理不尽な話だった。この体の状況にしても、こういう関係になるに至ったのにしても、全部枕必のせいではないかと鈴美は思った。だが、彼だけを責められるものではない。

(それは、わたしだって……)

鈴美は心にごちた。自分にも責任があることは分かっている。枕必に抱かれることを気持ちいいと思うのだから。そして、彼に抱かれたいと思うのも真実なのだから。

(だけど……だけど……)

女には理由が要る。単純に肉欲だけを欲しがれたら、どんなにかいいだろう、と彼女は思うこともある。しかし、現実にそんなことはあり得ない。だから、許しが欲しい。逃げの口実が。

「ああぁっ……いやぁっ……!」

千々に乱れる心そのままに、鈴美はあえいだ。

「ア~ア、ビッチョビチョだ」

呆れて見せて、枕必は筆を一旦抜いた。ポタリポタリと愛液の雫が、筆の柄、秘穴、両方からこぼれ落ちる。

「ほら、この筆」

彼は、抜いた筆を鈴美の顔の前に持って行った。それは、つい先日枕必から彼女にプレゼントした筆だった。

「こんなことに使っちまって」

「あぁ……」

鈴美は羞恥にゾクゾクと震えた。なんて情けないことをしてしまっているのかと。唯一ともいえるプライドの書道の道具を、そして、敬愛の対象である師・枕必を、自分は淫乱な背徳の渦中に貶めてしまっているのだ。

「いやぁ……」

誇りと痴情が倒錯し、彼女は混乱した。

枕必は、そんな内心を知ってか知らずか何も言わず、唐突に鈴美の肉穴に中指をぐっと挿し入れた。筆で空洞が作られていたおかげで、穴はわけもなく指を奥まですっぽりと飲み込む。その中で彼は、クイクイと関節を動かした。

「ひゃぁああ……!」

「気持ちいいんだろう? 鈴美」

枕必は、彼女の耳元に寄ってささやく。

「気持ちいいのは、いけないことじゃないよ」

肉穴に刺さる指が二本に増えた。薬指だった。

「神雄君が居たって……」

枕必は、二本の指を穴の中で折り曲げた。そして、それを自在鉤のように見立てて膣穴をひっかけ、そのまま彼女の体を持ち上げんばかりに引っ張り上げた。指の腹が上の壁に食い込み、排泄のための経路まで歪める。

「うぅっ……! うふぅぅっ……」

うめく鈴美。

枕必はそれに構わず、膣壁をこそばすように指先を振動させる。そうした上で、語りを続けた。

「いや……、神雄君が居た方がいいんだ! 何もかも受け入れて、気持ちよくなるために」

言いながら、人差し指までその穴に追加する。

「お母さんだって、気持ちよくなるのは当たり前のことだよ。神雄君が――、息子が居る場所で、素直にそれを認めなさい」

鈴美には、彼の理論が理解できたわけではなかった。だが、言葉以上に心に響くものはあった。彼女は、何もかも枕必の言う通りなのだと、いつしか暗示にかかっていた。

そんな鈴美の痴穴を、三本の指がかき混ぜる。枕必は、指を三本ねじ込んだまま、手首を右、左に返して回転させた。それにつれて愛液の卑猥な音が、クチャッ、クチャッ、クチャッ、クチャッ、と響く。

「何もかも受け入れたいんだろう? 何もかも、一緒くたに。母としての自分も……、セックスも……」

「あ、あ、あ、あ……」

枕必のささやきにより、体の芯を何か熱い物が鋭く貫いていく気がして、鈴美は鳥肌を立てた。やがて、混乱した彼女の心には、肉欲だけが残るのだった。


<つづく>



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[2010/06/04 20:30] | 「師匠のお筆」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
乳吉久美子考
最近になってハマっているというわけではありませんが(むしろブームとしては下火ですが)、熟女優といえば、どうしてもこの人が早い段階で思い浮かびます。要は、そういう思考ルートになっているみたいです。

元々はあまり知りませんで、ちゃんと真正面から見たのは、「はなまるマーケット」にレギュラー出演されるようになってからでした。
中途からレギュラー入りした彼女は、当初その元気さ、前向きさが番組内で空回りしていたように記憶しています。ほら、あのメインの二人っていつ見ても気だるい感じじゃないですか。それで余計に浮いて見えたんですよね。そして藤吉さんの方でも、確かしばらく休んでらしたか、あるいはああいう系のポジションをなさったことがなかったとかで、それで気合いが入ってたんじゃなかったかと思います。

まあ、あの元気良さというのは、その後他の番組出演でも発揮されていますから、そういう人ではあるんでしょうね、健康的というか。少なくともそれがチャームポイントではあるようです。
で、その健康的という件なんですが、これは比較的良く言った方のもので、もう少しざっくばらんに言うと、“雑”ってことになるんだと思います。あんまり構わない感じですよね、顔も体も。女優なのに。

その傾向が如実に現れているのが、ずばり体型です。顔はまだいいんです、大して気を使わなくても。そんなに変わらないんです。何せ、元がいいですから。やっぱりきれいです。
問題は、その肉体美……。まあそれこそ健康的でいらっしゃる。ふくよかというか、ぽっちゃりというか、中年太りというか……。見よ! あの胴回り!

……素晴らしい。いや、実際素晴らしいですよ! 理想の奥さん像です。ま、確かに顔がいいっていうのは大きいですよ。でもね、あの自然に無理に逆らわない感じ、のびのびと楽しそうな感じ、いいじゃないですかっ! ほんと“かわいいおばさん”を地で行く人だと思います。素敵です。

よく藤吉さん、谷間が見えることや、横乳が結構出っ張って映ることがあるんですが、上記のように全体的にふくよかな人ですから(言い忘れたけど二の腕も健康的)、お乳だけがとりわけ大きいってわけではないと思うんですよね。視聴者の目はそこに行きがちですけどね。ま、せいぜいそこそこ位でしょう。ぽちゃっと、こう、底辺が持ち上げられた形だと思います。

ところで、こういう風に特徴を見ていきますと、私の中でもう一人、彼女とイメージのダブる女優さんが頭に浮かびます。原乳出子さんです。
原さんの胴回りたるや、……貫禄です。年々ほったらかしの度が過ぎて行く感じです。キットカットのCMなんかすごかった。でもでも! かわいい! とにかくかわいい。あんな人が同級生のお母さんだったら……、とか、そんな妄想にぴったり。
原さんの方が藤吉さんよりもややしっとりと落ち着いた雰囲気はありますが、色気とはまた違うんですよね。色っぽくはなくて、やっぱり健康的なんですよ。まさに良妻賢母って具合で。

それにしても、この二人の構わなさ加減は異常です。藤吉さんに至っては、近くにいたらきっと、胸チラなんかは日常茶飯事、ブラジャーなんかもその辺に普通に吊ってあったりとか、ひょっとしたら、腕に胸が当たっていても全然気付かずにいるかもしれません。要するに、無防備なんですよ。
あの人たちは、自分の体がエロいっていう自覚が、全然ないんでしょうかね。

<参考資料>
乳吉久美子さん
入浴する豊満妻を元祖巨乳アイドルが見守るの図
(この画像は拾い物です)

余談ですが、藤吉さんと原さんには、もう一つ大きな共通点がありました。それは、旦那が二枚目系俳優で、しかもいい人っぽいということ。やっぱり、ああいう理想形の奥さんを育てるには、いい旦那の存在が不可欠なのかもしれませんね……






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[2010/05/28 00:00] | 巨乳 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
「師匠のお筆」 5-1-8
『師匠のお筆』


5-1-8



文子は、硯から紙面へとのっそりのっそり移動していった。右足、左足を交互に少しずつずらし前進していく。
両手を組んで頭の後ろに添えたままなので、陰裂に挿した筆を上手く気遣うことができず、房に付けた墨汁がぼたりぼたりと滴り落ちてしまうのをどうすることもできない。結果、足を進める度に黒い斑点が床の上にできていった。
さらには、柄を伝わって流れ出る白濁液もまたその雫に混ざる。墨汁の色の変化はちょっと見では分からぬが、そこには確実に精液と愛液がミックスされているはずだった。
その液で、文字を書いていくのだ。文子は、既に画面をいくらも汚しながらその上端に移動し、がに股の足を踏ん張って立った。膝はプルプルと震え、それは彼女の豊かな乳房をもかすかに振動させている。胸元の肌は鮮やかに紅潮していた。と、その紅潮が引くか引かないかの直後だった。

「ふっ! はぁっ……!」

文子は顎を上向け、目を閉じて大きく息を吸い込んだ。エクスタシーに達したのだった。
彼女はこの一連の行為のさ中で、性的興奮を高めていたのである。そしてこれが、彼女がこの屈辱的な仕打ちを拒まなかった最大の理由であった。文子は肉棒による満足を求めていながら、それとは別な、この理不尽な毛筆挿入行為によっても性的欲求を満たしていたのだ。これこそ、彼女の持つ被虐嗜好の現れである。

枕必はそんな文子の様子を見て、自然と口元をニヤニヤさせていた。
元来、本質的に女性には受容的な傾向がある、とは彼の持論である。性器の形状、つまり男性器を外から挿入されて初めて成立する仕組みに、その理由が求められるという。文子はその例のモデルケースということになる。

枕必は、今にも尻もちをつきそうな文子を支えるべく、彼女の脇腹を後ろから持った。肌に食い込んだ彼の手に、じっとりと汗が染みる。エクスタシーに達した文子は、体中に汗をかいていた。

「自分で立ちなさい、ほら」

文子の肩口に頬を寄せて、枕必は言った。相手は、しかし極度の興奮状態で容易に反応を返さない。それでも、彼にはこの趣向をやめるつもりはなかった。

「できないのかい? やめるかい?」

心にもないことながら、枕必は訊いた。

「欲しいんじゃなかったの?」

彼は続けてささやいた。まさに悪魔のささやきのようだった。これにつられて、文子は言った。

「欲しい……、です……ぅ……」

「だったら、ほら、ここに」

枕必は紙面を手で叩く。

「欲しい物書きなさい」

それは、ここでの絶対的な命令であった。これをやらなければ終われないのである。文子の方でも、それは重々承知している。

「はい……ぃ……」

少しずつ気分が落ち着いてきた文子は、意識して息を整えた。
その様子を見て、枕必は手を離し立ち上がる。そして、作業の全体を一遍に視界に収められる位置まで離れていき、彼女の周囲をゆっくりと歩いたり、時に立ち止まったりした。久々に眺めるこの光景を、彼は最大限満喫するつもりでいるのだった。


<つづく>




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[2010/05/24 00:00] | 「師匠のお筆」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
「師匠のお筆」 5-1-7
『師匠のお筆』


5-1-7



バチンッ! また一つ響く。それは、枕必の平手が文子の尻をしたたかに打つ音だった。

「いっ! ああっ!」

思わず前のめりになって、文子の腰が沈む。と、膣に刺さった毛筆が硯の底に突き立った。

「いつっ!」

文子は短く悲鳴を上げる。股間に生やした筆が、膣奥の壁に深く衝突したのだ。筆は、ちょうど膣と硯の間でつっかえ棒になった形である。耐えきれず、文子は前方に手をつく。すると筆は斜め後ろへの傾斜となり、その先が硯の底をひっかいて墨汁の雫がちらほらと後ろに飛んだ。

そんな文子の尻を、枕必はまた引っぱたいた。 

「ううっ!」

さらに前かがみになった文子は、このまま四つん這いになりそうな勢いで尻を後ろに突き上げる。その尻の表面には、枕必の手形が赤く浮き出ていた。
彼女の尻は、脂肪が豊富で丸々としている。その脂肪の多さもあり、また年齢的なこともあって、尻肉は少しく垂れ気味であった。その垂れた肉に圧迫されながら、その狭間からピンと真っ直ぐに毛筆が生えている。まるで尻尾のようだ。

「抜けそうじゃないか」

言って、枕必は筆をグリグリと回しながらめり込ませた。

「おおうっ!」

文子は、折りたたんだ膝を一瞬震わせる。肉壁を弄ばれる快さと、角ばった筆の尾が当たる時の軟い痛さを感じたせいだった。

「背筋を正して!」

枕必は命じて、文子の肩と背を相反する方向に押しながら、彼女を垂直に起き上がらせた。こうして再び筆を墨にひたす態勢ができあがる。
文子は恐々足のクッションで間合いを測った。その姿は、中腰と和式便器にまたがる格好のちょうど中間位の姿勢だった。

「手はここ」

さらに命令して、枕必は彼女の両手を後頭部に添えさせた。おかげで文子は、両の腋を広げ、和式便器で用を足す姿勢を取りながら、しかも膣に筆を差し込んで、おまけにそれに墨をつけようとしているという、どうにも間抜けな格好となってしまった。こんな四十路女の姿は、そうそう世間で見られたものではない。実際、彼女を知る誰も、彼女のこんな有り様を普段の姿からは想像できないだろう。

そういう情けないことになるのだから、文子がこの趣向を始める前にためらっていたのもうなずけるというものである。ところが文子はこの状況を、実は嫌がっているわけではない。そもそも本当に嫌なら、最初から拒否すればいいのである。いくら師弟の間柄とはいえ、あるいはいくら彼のことの運びようが巧みであれ、断れないほどの強制力はないのだ。つまり彼女は、自らこの状態を望んだのである。
確かに、これを始める以前に文子は躊躇していた。しかしそれは、このプレイが激しい羞恥心を煽るものであるために、しばらくやっていないと、それが多少の恐怖に変貌して彼女にプレッシャーを与え、結果独特の不安や緊張感を生じさせてナーバスになっていたものだ。一方いざ始めてみれば、のど元過ぎれば熱さ忘れるがごとく、それらが快感に変じていくことを彼女自身分かっていた。でも何度やってもナーバスになる。そういうものである。

では、なぜこんな情けない状況に追い込まれて、彼女は快感を感じるのだろうか。つい少し前まで積極的に男の肉棒を弄んでいた女とは相容れない性格のように見えるのに。
彼女の目的はあくまで肉欲を満足させることにあるから、そのために入用な肉棒は、いわば質に取られているようなもので、それがためいいなりになっている、それは一つある。だがそれは一番の理由ではない。では、何が最も強く彼女を突き動かしているのだろうか。

さて、そうこうするうちに墨をつけ終えた文子は、ようやく紙の方へと筆を移動させる段となった。足を抱けば、文子がごろんと横になっても十分お釣りがくるほどの大判の画面だ。

頼りない表情を浮かべて、文子は枕必をうかがう。その様を見て、彼はほくそ笑んだ。


<つづく>




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[2010/05/23 06:27] | 「師匠のお筆」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
「師匠のお筆」5-1-5
『師匠のお筆』


5-1-5


鈴美があの教室で出会った、文子と年が近いと思われたあの二人の女も、ギャル風の容姿をしていたあの女も、みんな枕必と肉体関係を持っていた。そして、あの教室に通う限り、現在もその関係は続いているのである。いわば、あそこは彼にとってのハーレムなのだった。

どうしてそんなことが可能かというと、別に弱みを握って脅迫しているとかではなくて、ひとえに彼の行動力による賜物なのである。

彼が女を口説く際の積極さと手際の良さは、実に並々ならぬものであったし、あまつさえ、財産と地位を有してもおり、女好きのする風貌でもある。枕必は、そういう引き出しを各女の需要に合わせて出し入れすること巧みで、それを実地に適用し目的をやり遂げてしまうのであった。

それほど女を落とすことにバイタリティ溢れる彼であるから、鈴美のことも端から肉体を攻略する対象であった。

しかし鈴美は、枕必がこれまで付き合ってきたどの女に比しても、顔といい胸や尻いいとりたてて特徴のない女である。性格についても、これまでの女にも見られたいずれかのパターンに容易に分類できた。

それでも彼女に興味を持ったのは、先述の通り、色恋とまるで無縁そうな地味な母親を自身の手で性に目覚めさせることが彼にとって快感だからで、出会った瞬間の彼女が、その実現に年齢・容姿・雰囲気ともにまさにちょうどいい頃合いだったからである。

ところで、そういう風にいかに枕必が恋とは違う動機で鈴美に近づいたとはいえ、恋に燃える彼女をまったく愚弄し、その気持ちを傷つけようと企んでいたかというと、それは違う。

確かに、彼の中には鈴美のように一途で澄み切った恋心はなかった。だからこそ彼女の気持ちを冷静に受け止められ、そしてそれを利用したことは事実である。

しかし、だからといってただただ感情を介在させずに遊んでいただけというわけではなく、また影で彼女を嘲笑っていたわけでもない。彼は、彼女の気持ちに当意即妙な相槌を打ちながら、その都度彼女をいたわる気持ちでいたのである。

要するに、枕必は鈴美のことを可愛い女だと思っていたのだが、それはまるでペットを見るような、絶対的力関係から生まれる憐みの情を彼女に対して抱いていたということであった。

ある種、それはそれで残酷な感情であろうが、数々の女と相前後して同衾しておきながら、それについて何らの拘りも持たない彼に、もし誰かがそのことを責めてみたところで、まったくの梨のつぶてに終わったでろう。

「ね」

文子が言った。

「鈴美さんもいいけど、ね?」

文子は、勃起した肉竿を握りしめた。

「どうせまたできるんでしょう? 絶倫だもの」

後半は半分笑いながら文子は言った。彼女にとって絶倫という単語は、冗談の部類に入るものだった。

だが実際のところ、枕必はいわゆる絶倫と呼んでしかるべき男であったろう。数々の女と寝て、しかもそれらを一様に満足させるのは並大抵のことではないが、彼はいつもそれを成し遂げてきたのである。

今それを体現するかのように、彼の陰茎は大樹のようにどっしりと佇み、大いなる幹を張ってどんな風雨にも動じない構えを見せていた。

文子には垂涎ものだった。一度でもその絶倫を知れば病みつきになるという。彼女は今やその依存症であった。

我慢の限界という様子で、文子は彼の行く手を遮るべく部屋の戸に手をついて尻を突き出すと、後ろ手に枕必の勃起を自身の肉穴へと導いた。

「ねえ、ちょっとだけ。ねえ、ちょっと、ね?」

文子はひとり言のように言った。肉棒依存症の女の、あさましい願望のほとばしりであった。肉棒は、今にもその手によって彼女の穴へとその身を埋めようとしていた。

が、そうはいかなかった。枕必が腰を引いたからである。

「ねえぇ」

不満を露わに、文子は眉を寄せた。秘穴からは涙のように、愛液と精液がツーっと滴り落ちる。やはりもうやる気がないのか、と文子は大いに落胆した。

しかし、枕必の目は先ほど来の冷めたものではなくなっていた。彼女の執拗な誘いと、全身性欲の塊のような体が枕必の気まぐれに火を付け、彼はある趣向を思いついていたのである。


<つづく>



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テーマ:官能小説 - ジャンル:アダルト

[2010/05/21 00:00] | 「師匠のお筆」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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