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小説には、連続作品と一話完結作品があります。連続作品は、左「カテゴリ」の各作品名より一話から順番に読むことができます。また「目次」には、各作品の概要などをまとめた記事が集められています。

■連続作品
◆長編作品
「子宝混浴『湯けむ輪』~美肌効姦~」

◆中編作品
「大輪動会~友母姦戦記~」
「青き山、揺れる」 ▼「師匠のお筆」

◆オムニバス
「母を犯されて」

◆短編作品
「育てる夫」  ▼「最後の願い」  ▼「ママの枕」  ▼「ブラック&ワイフ」
「夏のおばさん」  ▼「二回り三回り年下男」  ▼「兄と妻」

■一話完結
「ふんどし締めて」
「旧居出し納め・新居出し初め」  ▼「牛方と嫁っこ」  ▼「ガンカケ」
「祭りの声にまぎれて」  ▼「シーコイコイコイ!」  ▼「サルオナ」  ▼「母の独白」
「童貞卒業式」 ▼「お昼寝おばさん」  ▼「上手くやりたい」 ▼「珍休さんと水あめ女」
「栗の花匂う人」「乳搾りの手コキ」 ▼「妻つき餅」 ▼「いたずらの入り口」
「学食のおばさん便器」 ▼「山姥今様」 ▼「おしっこ、ついてきて。」

作品一覧

「師匠のお筆」5-2-3
『師匠のお筆』


5-2-3


それからどれくらいの時間が経ったのか。神雄が気が付くと、そこには見覚えのない天井が広がっていた。いや、覚えがないと思ったのは一瞬のことで、その後すぐにそこがどこなのか、今どういう状況だったのかを順々に思い出した。

(……ここは、須美恵先生の家で……)

今日は習字の日ではなかったが、先生から特別の指導があるということで、個人的に須美恵の家へと招かれたのである。そして例によって、指導とは名ばかりの淫らな時間を過ごしたのだった。
神雄はそうやって一つ一つ記憶をたどっていき、それが最後まで行き着いた時、はっとして股間を見た。

「ん……んふ……」

そこには、自身の陰茎をぱっくりと口の中に収めた須美恵の顔があった。須美恵は、唇から顎、さらには鼻の頭まで濡らし光らせながら、ペチャペチャと陰茎をなめしゃぶっていた。
だが神雄には、舐められていてももう気持ちいいという感覚はなかった。それどころか、勃起しているのかどうかすら分からなかった。

「ウーン、もう勃たないかなあ。いっぱい出ちゃったもんね……」

そう話す須美恵の口からポロリとこぼれ出た陰茎は、もうすっかりしぼんでいた。神雄が意識を失った後も彼女は執拗にいじくっていたのだが、どんどんとそれはしおれるばかり。そうはさせじと須美恵は口唇愛撫まで持ち出したが、さすがにもう手遅れだったらしい。
実は神雄の意識が飛んでいたのはごくわずかの間だけで、彼女が口淫をし始めた時に、ちょうど目が覚めたのだった。

「ダメね、もう」

ようやく諦めて、須美恵は最後に口づけをし、陰茎を手放した。

「シャワーしよっか。いっぱい汚しちゃったし」

彼女はそう言うとすぐに立ち上がって、さらに神雄の手を取り彼を助け起こした。

「ねえ、見て、ほら。こんななっちゃって」

言われて、神雄は後ろを振り返った。すると、今自分がいた辺りのシーツがぐっしょりと濡れていた。それを見て、彼は考えた。最後は、射精したのだろうか、それとも放尿したのだろうかと。だがいくら考えても判然としなかった。肝心の陰茎の感覚でも、どちらだか分からなかった。

「このスケベなおちんちんがいけないのよ」

神雄の疑問も知らず、須美恵はふざけた調子でそう言うと、彼の陰茎を手のひらに乗せポンポンと跳ね上げた。そうして、そのままそれをつかむと、まるで手を引くようにそれを引っ張って、彼を浴室まで案内した。

浴室は、神雄が見たところ、彼の家のそれよりも広いように思われた。いずれもマンション住まい、しかも、かたや家族と同居、かたや一人暮らしであるにもかかわらずである。須美恵の暮らしぶりが富裕であるらしいことは、子供である神雄にも何となく理解できた。

「熱くない? 大丈夫?」

シャワーの温度について、須美恵は訊いた。

「うん……」

神雄は二度頷きながら答えた。緊張して声が出にくく、一回で返事が伝わったかどうか不安だった。相手は既に肉体関係を結んだ女でありながら、まだ彼の緊張は取れなかった。彼にとって、肉体がどうのという事情は何ら関係なかった。日頃教室にいるときから、彼女の前では常に動揺気味だったし、そうして、彼女にはいつも従順だった。

「座って」

須美恵に勧められ、今も従順に彼は腰かけに座った。
その後ろで、彼女はスポンジを泡立て、うきうきと神雄の体をこすり始める。背中、腕、前へ回って、胸、腹……。

と、唐突に須美恵は言った。

「チュウしよ」

嫌も応もなかった。神雄は唇を奪われた。
そして、しばらくくっついて、やがて、チュッ、と音を立てて離れた。
唇を離した須美恵は、真っ直ぐに神雄の目を見た。神雄も、この時ばかりは真正面から須美恵の目を見返した。
そうして見つめあった後、須美恵は彼の頭を撫でながら言った。

「好き……」

彼女の手に付いていた泡が、神雄の髪にも付いた。


<つづく>



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