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小説には、連続作品と一話完結作品があります。連続作品は、左「カテゴリ」の各作品名より一話から順番に読むことができます。また「目次」には、各作品の概要などをまとめた記事が集められています。

■連続作品
◆長編作品
「子宝混浴『湯けむ輪』~美肌効姦~」

◆中編作品
「大輪動会~友母姦戦記~」
「青き山、揺れる」 ▼「師匠のお筆」

◆オムニバス
「母を犯されて」

◆短編作品
「育てる夫」  ▼「最後の願い」  ▼「ママの枕」  ▼「ブラック&ワイフ」
「夏のおばさん」  ▼「二回り三回り年下男」  ▼「兄と妻」

■一話完結
「ふんどし締めて」
「旧居出し納め・新居出し初め」  ▼「牛方と嫁っこ」  ▼「ガンカケ」
「祭りの声にまぎれて」  ▼「シーコイコイコイ!」  ▼「サルオナ」  ▼「母の独白」
「童貞卒業式」 ▼「お昼寝おばさん」  ▼「上手くやりたい」 ▼「珍休さんと水あめ女」
「栗の花匂う人」「乳搾りの手コキ」 ▼「妻つき餅」 ▼「いたずらの入り口」
「学食のおばさん便器」 ▼「山姥今様」 ▼「おしっこ、ついてきて。」

作品一覧

「青き山、揺れる」(24)

(またイッちゃったの?)

祐子はすっかり呆れた。童貞の筆おろしというのは、まったくもってボランティアの精神でなければ務まるものではないと思った。

「出ちゃったねぇ」

別に腹は立たないながら、今度はちょっとからかい気味に声をかけてみる。

「はい」

白木は、頭でもかきそうな調子で照れ笑いを返してきた。その顔にはいささか充実感が見える。よほど気持ちよかったらしい。

「しょうがないなあ」

祐子は言って、彼からゴムを抜き取る。体の熱はまだ冷めやらないが、さすがに気は緩んでしまった。ところが、ブルーの覆いから現れた彼自身は、まだまだ気力充実、すぐにでも復帰しそうな勢いである。彼女はそれに励まされ、気合いを入れ直して新しいコンドームを取りに行った。

と、その帰路で、

「そうだ」

彼女はあることを思いついて提案した。

「今度は自分で着けてみようか」

言いながら、持ってきたそれを手渡す。決して面倒になったわけではなく、これも相手のためを思えばこそである。白木は素直にそれを受け取った。そして装着し始める。二度も見ているので、難なくできた。結果的に祐子よりも手際がよかったほどだ。

それにしても、彼の回復力はすごい。今回はほとんど間を置くことなく、祐子の助けさえ借りずに、淡々と立ててしまった。祐子は、彼がコンドームを着け始めた時、“固くなってからよ”と注意を促そうとしたのだが、いらぬ心配であった。

(どういう体の構造してるんだろ)

不思議に思えてくる。あるいは、他の男たちでもやったらできるのだが、あえてやらないだけなのだろうか、祐子は考え込んでしまった。

「もう出来る?」

彼女が聞くと、白木はうなずいて答えた。そこで、さっきの続きである。二人は再び、先刻の体勢に戻った。ただし、最善の失敗があるので、祐子は肉茎の先端を握り、穴に入れるところまでは補助をすることにした。

「いい? ここに……」

さすがにここまで誘導されては、しくじる方が難しい。こうしてついに白木は、祐子の中へと入った。これに感動したのは、白木よりもむしろ祐子だ。

「ああ、入った!」

男の侵入が体に分かる。待ちに待った感覚だ。ここまで来るのに、随分と手間取ってしまった。その分達成感がすごい。

「分かる? 分かる? 入ったの分かる?」

やや興奮して相手に尋ねる。その調子につられて、白木も、

「は、はい!」

と、何やらすごいことをしたのだという感じで、夢見心地ながらも力んで応答した。その反応に、祐子は満足した、彼もついに男になったのだと。思えば、一人の少年を男にすることの、なんと大変なことだろう。

「偉い偉い」

祐子は白木の頭を撫でてやった。自分の体を使って、大人へと巣立っていく彼を。そう、男として生まれた彼に、初めてオスの仕事をさせたのは、ほかならぬ自分なのだ。自分の体で、この少年は女の肉を覚えたのだ。祐子は思った、ああこれが童貞と交わることの面白さなのかと。彼女の心には、彼への母性愛めいたものが生じた。

と同時に、新たな欲求も覚え出す。

(わたしの、おチンポ……)

彼は彼を男にした自分の物であるとの認識から、その肉の処遇にも己の裁量が及ぶと考えたのである。これからは、彼を自分好みの肉玩具に育てていけるのではないか、そんな企みが頭をよぎった。その手始めに、相手の腰へ手を回していく。

「動かしてみて。さっきみたいに、パン、パンって……」

もう逃がさない、完全に獲物をとらえた肉食獣のごとく、彼女は白木を抱え込んだ。こうなれば、もう後は欲望の赴くままに相手をむさぼるだけだ。それまでは白木の初体験のための儀式だったのが、これで完全に年増女の性欲発散の場となったのである。

ところが、何事も彼女の思い通りにいくわけではなかった。

「ア、アン……?」

ペチンペチンと腰を使い始めたと思いきや、白木は唐突にそれをやめ、なんと肉棒まで抜き去ってしまったのだ。これには祐子も戸惑わされた。

「あ、どうしたの?」

「いえ……」

言葉を濁す白木。祐子は一瞬、またイッたのかと思った。だが、そうでないことがすぐに判明した。どうやら、イきそうだったので、堪えるために抜いたらしい。一安心する祐子。

「うん、いいのよ、ゆっくりやって」

内心はじりじりしている癖に、大人の余裕を演じて彼女は応対した。

一呼吸置き、すぐに彼は帰ってきた。そして、じわりじわりと腰を動かしだす。しかし、肉棒の出入りは、真っ直ぐに行われなかった。

(まだ慣れないみたい……)

不慣れな彼は、思うようにピストン運動ができないらしく、それはまるで、飛び立とうともがくひな鳥のようだった。もどかしくて、祐子は声をかけてやる。

「ゆっくりでいいよ」

言いながら、彼の尻に手を這わせる。尻といい腰といい厚い肉が付いて、もう早くも力士の風格が漂い始めていた。このまま順調に育てば、きっと黄本のような豪快な腰振りができるようになるだろう。祐子は舌舐めずりした。

と、急に白木が呻く。

「うぅ……」

「どうしたの?」

聞くと、こちらを真っ向から見下ろしながら、彼は小さく言った。

「う……あの……」

「ん? イきそう?」

気を回して聞いてやる。すると彼は、素直にうなずいた。彼からの申告は初めてである。祐子は微笑ましく感じた。

「どうする? 一回抜く?」

と、提案してみる。だが、白木にそれを聞くゆとりはなかった。

「イく――」

言いざま彼は果てた。あっけないということはない。これまでの彼にすれば努力した方だ。とにかく、ようやくにして所期の目的通り、女と交わって射精できたわけだ。

祐子は、よしよしと彼の頭を撫でてやる。肩の荷が下りた思いだ。これで彼の初体験の儀式は完成した。


<つづく>




<目次>
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(51)~(60)

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