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小説には、連続作品と一話完結作品があります。連続作品は、左「カテゴリ」の各作品名より一話から順番に読むことができます。また「目次」には、各作品の概要などをまとめた記事が集められています。

■連続作品
◆長編作品
「子宝混浴『湯けむ輪』~美肌効姦~」

◆中編作品
「大輪動会~友母姦戦記~」
「青き山、揺れる」 ▼「師匠のお筆」

◆オムニバス
「母を犯されて」

◆短編作品
「育てる夫」  ▼「最後の願い」  ▼「ママの枕」  ▼「ブラック&ワイフ」
「夏のおばさん」  ▼「二回り三回り年下男」  ▼「兄と妻」

■一話完結
「ふんどし締めて」
「旧居出し納め・新居出し初め」  ▼「牛方と嫁っこ」  ▼「ガンカケ」
「祭りの声にまぎれて」  ▼「シーコイコイコイ!」  ▼「サルオナ」  ▼「母の独白」
「童貞卒業式」 ▼「お昼寝おばさん」  ▼「上手くやりたい」 ▼「珍休さんと水あめ女」
「栗の花匂う人」「乳搾りの手コキ」 ▼「妻つき餅」 ▼「いたずらの入り口」
「学食のおばさん便器」 ▼「山姥今様」 ▼「おしっこ、ついてきて。」

作品一覧

湯けむ輪(34) 21:18

子宝混浴
『湯けむ
~美肌効


こだからこんよく
ゆけむりん
びはだこうかん






――午後九時十八分


その人物は、呆気にとられて固まっていた。だがそれも、宇川が声をかけるまでの一瞬の間だけだった。

「吉野はん! 吉野はんやないか!」

「お、おお……!」

長四角の顔には縦に深い皺が刻まれ、そのてっぺんに申し訳程度に髪の毛が乗っている、まるでそれが野菜のヘタのように見える、そんな男だ。やはり宇川らの一行の一人で、名を吉野(よしの)という。

「な、なんや……どういう……?」

だいぶ酔っているらしくそれは赤くなった顔にも明らかだったが、さすがに目の前の状況を見ては、酔いながらも戸惑わざるを得ないよう。

「いやあ、ここで知りおうた奥さんでな、ほんでこの子らもここでおうたんやけど、まあ折角やしみんなで仲良うしょうか、いうことで」

宇川が言えば、湊山も、

「そうですねん。混浴やさかいに、色々出会いがありますわ」

と、ほのぼのした調子で説明する。それを聞いて吉野は、

「へえ……そうか、混浴か……」

と、基本的なことに感心しつつもまだ心おさまらぬ様子で、しかし口元は明らかに俗な興味で緩ませながら、湯船の中へ入ってきた。

「えらい仲良なったもんやなあ」

言いながら、吉野はついに満面をほころばせた。それと同時に、彼の股間の肉棒は早くも持ちあがりだす。

「そやで。どスケベな奥さんでなあ、一人で混浴風呂にマワされに来とんねん」

牛滝がそう話す途中で、吉野はあることに気づいた。

「いやっ、牛ちゃん! エラいとこに入ってるやんか」

そう指摘したのは、牛滝のペニスが倫子のアナルに入っていることである。

「どこから声出してんのかと思たら」

吉野の指摘を受けて、牛滝は答える。

「へへ、ケツや。ケツでしてんねん。混浴に奥さん一人やさかいな、女手一つでは穴が間に合わんねや」

まるで、混浴風呂に入ったら女はペニスを入れられるのが当たり前といったような口ぶりである。さらに、

「この奥さんも、ケツの穴つこてくれ、言いよるさかいな。見てみぃ、後ろから前から挿されて、ずっとあの世に逝きっぱなしやわ」

相変わらず勝手なことを並べ立てていく。もっとも、倫子の気持ちが昇天し続けているのは事実だ。

そんな彼女を取り巻いてずらりと残りの男根が居並ぶ。彼女にとっては、もはや男たちというより男根たちといった方がイメージしやすい。彼らという存在を、男根だけで認識しているのである。その部分だけが意味を持つと。

ここは彼女にとって天国なのか地獄なのか。快楽が精神を凌駕した今となっては、彼女に聞いてみてもはっきりしないだろう。

さて、吉野は彼ら男根たちを見まわして言うよう、

「これ、みんな?」

全員が倫子とまぐわったのかという意図である。

「そや、兄弟や」

宇川がニヤニヤと言う。その上、

「この子らなんかもう二回したで」

と、赤石と別所を指した。

「そや、自分の番やんか」

牛滝が気づいて、栃尾に言う。栃尾は待ってましたとばかりに倫子に挿入した。再びの二本挿しである。

「次、しまっか?」

宇川が吉野に聞いた。

「へへっ」

吉野は笑ってはっきり言わなかったが、その意思はもう明白だった。

「あ、別に焦らんでもエエねんで」

次が控えていると知って慌てないようにと、宇川は栃尾を気遣った。だが、栃尾にはそう言われようが言われまいが関係なかった。彼はあまりにもあっけなく射精を終えてしまっていたからである。

引きさがる彼、それと入れ替わりに、吉野が前に進み出た。


<つづく>



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