おことわり
このブログには、エッチなことがたくさん書いてあります。まだ18歳になっていない人が見ていい所ではありません。今からこんな所を見ていると、将来ダメ人間になってしまいます。早くほかのページへ移動してください。 >googleでほかのページを検索する< なお、掲載している小説はすべて虚構であり、実在の人物・団体等とは一切の関係がございません。 |
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「オナこもりの小説」は、エロ小説を気ままにアップしていくブログです。たまに、AV女優や、TVで見た巨乳のことなども書いています。左サイドにある「カテゴリ」から、それっぽい項目を選んでご覧ください。
小説には、連続作品と一話完結作品があります。連続作品は、左「カテゴリ」の各作品名より一話から順番に読むことができます。また「目次」には、各作品の概要などをまとめた記事が集められています。 ■連続作品 ◆長編作品 ▼「子宝混浴『湯けむ輪』~美肌効姦~」 ◆中編作品 ▼「大輪動会~友母姦戦記~」 ▼「青き山、揺れる」 ▼「師匠のお筆」 ◆オムニバス ▼「母を犯されて」 ◆短編作品 ▼「育てる夫」 ▼「最後の願い」 ▼「ママの枕」 ▼「ブラック&ワイフ」 ▼「夏のおばさん」 ▼「二回り三回り年下男」 ▼「兄と妻」 ■一話完結 ▼「ふんどし締めて」 ▼「旧居出し納め・新居出し初め」 ▼「牛方と嫁っこ」 ▼「ガンカケ」 ▼「祭りの声にまぎれて」 ▼「シーコイコイコイ!」 ▼「サルオナ」 ▼「母の独白」 ▼「童貞卒業式」 ▼「お昼寝おばさん」 ▼「上手くやりたい」 ▼「珍休さんと水あめ女」 ▼「栗の花匂う人」 ▼「乳搾りの手コキ」 ▼「妻つき餅」 ▼「いたずらの入り口」 ▼「学食のおばさん便器」 ▼「山姥今様」 ▼「おしっこ、ついてきて。」 ★作品一覧 |
「じゃあ、して……みよっか……」 祐子は消極的な調子で言った。もっと自信を持って言えばいいのであるが、どうしてもまだ気恥ずかしくてできない。 そういう態度は、余計に白木をためらわせる。彼から見れば、相手は大人の女性であり、片や自分は年下、しかも童貞。リードしてもらうのが当たり前だと思っている。 そんな彼の内心に気づかず、しかし彼を気遣っているつもりではありながら、祐子は、 「ちょっと待ってね」 と言いつつ、枕元のピンクのかごの方へと這っていった。中から、四センチ四方ほどの小袋を一枚取り出す。 自分への口唇愛撫は、もう略するつもりだった。これ以上股間に顔を寄せられるのは耐えられない。それにまた、肉棒のおあずけを喰うのにも耐えられない。 彼女は小袋の端を破きながら、正座するような姿勢で待つ白木と相対した。 (これも、わたし、着けるのよね) 何から何まで世話が焼ける白木である。祐子は袋から、ブルーのゴムの円盤をつまみ出した。自分に入るペニスのために、彼女はこれを今から装着しなければならない。自ら積極的にやるのは、初めての経験だった。普通は男の仕事だと思っていた。 (仕方ないわね……。きっと着けるの初めてよね) 祐子は、白木のことを思いやった。そして、肉茎を手に取る。それは、持つ瞬間にピクピクと跳ねた。まるで新鮮な魚を手にしたようだった。 (すごく元気) 祐子は頬笑みを禁じえない。固さもすっかり申し分なかった。これが若さというものかと、彼女は一つ学んだ気がした。 次にその先端にゴムを付け、輪っかを下に転がしていく。だが、慣れない手つきはどうにも危なっかしい。彼女としても探り探りである。ちゃんと出来ているものか、いまいち自信がもてない。 (意外と難しい……) 途中で皺が出来たり、空気が入ったりするのが気になってしまう。簡単にできると思っていたが、いざやってみると、普段どういう風に着けられていたかの記憶さえ曖昧に感じられだす。それでも、引っ張ったりひねったりして、何とか装着を終えた。 と、その時である。ふいに白木が、背中を伸ばし加減で一声喘いだのだ。 「んっ……!」 「ん?」 出来るだけ優しい調子を作って小首をかしげながら、祐子は彼の顔を覗き見る。と、その瞬間だった。コンドームに包まれた手の中の肉棒が、急に激しく脈動を始める。それは活発に動いて、彼女の手のひらから何度も離陸したほどだ。 「え? うそ……!」 今回ばかりは、祐子も思わず声に出してつぶやいてしまった。ブルーのゴムの中に白濁液が溜まっていた。 「すいません……」 白木は弱々しく呟きながら俯いた。 (あ……) それを見て、祐子は何か悪いことをしたような気になった。彼は、見るからに恥ずかしそうにしょげていた。彼にとって、今日一番の失敗だったらしい。祐子の一言もこたえたのかもしれない。 「うん、いいのよ」 彼を勇気づけようと、祐子はなるべく明るく言った。何だか彼が憐れに思えてきた。コンドームを着けて、さあこれからという時に漏らすのは、それはショッキングなことだろう。それも女の前でだ。きっと無念であり、男のプライドが傷つくことに違いない、祐子は彼に同情した。そして、自身の言動を反省した。 「全然大丈夫よ」 気まずい空気になることを恐れて、間髪をいれずに会話を続ける。 「何回でもしたらいいから」 我ながら破廉恥な言葉が、勢いにまかせて口を出る。だがこれが功を奏した。その日初めて、白木が嬉しそうな顔をしたのだ。思わず祐子もほほ笑む。 「フフフ――」 その場は前よりも返って和やかなムードとなった。時間が経過して、その上三回も射精して、少しずつ白木の緊張も取れてきたのであろう。祐子はほっと安堵した。 「ずっと出そうなの我慢してた?」 尋ねると、白木は素直にうなずく。 (かわいい) 祐子は目を細める。と同時に、改めて彼の射精の早さについて思いを巡らせた。それは、十代という若さの故なのか、それとも、女性経験のなさ故なのか、彼女には分からない。少なくとも、包皮を剥いただけとか、コンドームをはめただけでイッた人を彼女は知らなかった。白木の扱いにはさらなる慎重さが必要なことを、彼女は肝に銘じた。 他方、彼の回復の早さには舌を巻いた。確かに射精の頻度は高いが、その分すぐに起き直るし、ピークの固さにも戻っている。本当に“何回でも”できそうな勢いだ。 「全部出たかしら。よいしょ――」 祐子は彼のゴムをゆっくりとはずした、中の汁がこぼれないように慎重に。外すのは容易だった。陰茎は、やや柔らかくなっていた。ふと、白木がその様子を見ているのに気づく。そんな彼に彼女は、自分でも思いがけない大胆さで、外したコンドームを目線の高さに持ち上げてみせる。 「ほら、いっぱい出てる」 白濁液の入ったブルーのゴムが、それ自体雫のような形に伸びてブラブラと揺れた。 「あ……」 それを見て、白木は照れ笑いを浮かべる。祐子も笑った。 「立って」 彼女は言って、立ち上がった彼の足もとに近寄る。そして、その肉茎をまた口内に収めた。 <つづく> <目次> (1)~(10)、(11)~(20)、(21)~(30)、(31)~(40)、(41)~(50) (51)~(60) |
性を働いた陰茎をくわえるのは、早くもこれで三回目。祐子の舌には、すっかり白木のザーメンの味がしみ込んでしまった。まったく怒涛のごとき連射である。 にもかかわらず、相変わらずの素晴らしき回復力、すぐさまその固さは臨戦態勢に戻った。ほとんど休まる暇もない。常時勃起しているようなものだ。 「もう大きくなった」 嬉しげにほほ笑みながら言って、祐子は再び避妊具を取りにいく。こうやって卑猥な文句を何気なく言えるのも、ようやく二人が打ち解けて、性という共通の目的を追う立場となったからである。白木も言葉はないながら照れ笑いを浮かべ、祐子に甘えるようなそぶりを見せていた。 「もう一回着けるね」 言いながら、彼女はそれを今一度亀頭にかぶせていく。今度は前よりもいくらか早くできた。新品のゴムの中に、早くも白い液が染みる。ゴムの輪っかが肉茎を絞ったがためであろう。それを見て、祐子は気を付けねばならないことを思い出した。 (また出ちゃったら大変) 白木の性感が敏感であることは、既に嫌というほど思い知らされている。ここでまた漏らされたら、本当にきりがない。普通、一度出したらすぐ、ということはないのだろうが、彼の場合は油断ができない。ちょっとのことで漏らすかもしれない、祐子は警戒した。 その甲斐あってか、今回は無事着けおおせることができた。とりあえずは一安心である。 (ふう――) まったく、避妊具一つ取り付けるだけで一苦労である。祐子は苦笑した。この分では、この相手とセックスを愉しむ境地には永遠に至らないだろうと思った。 とはいえ乗りかかった船だ。たとえ自分が愉しめなくとも、とりあえずこの子には初めてを達成させてやろう、そう改めて心に誓い、彼女は彼の手を取った。そして、自分が仰向けになっていくのと同時に、彼を己の股の間にしゃがみ込ませる。 「ここ、さっきの……ここに……」 先刻レクチャーした部位を自ら押し広げながら示して、祐子はそこに白木を導く。カッと発した熱で、耳の辺りまで熱くなる。やはり、こうして痴女めいた振る舞いをするのは恥ずかしい。ペニスを入れさせるために、自らヴァギナを開くなどとは。 白木はそこに、いきり立った男根を押し当てていく。だが思うようにいかない。先端が壁にぶつかるばかりで、一向にすんなりと入っていかないのだ。 祐子は後ろ手をついて上体を起こしながらそれを見守っていたが、余りにも不器用な彼のやり様に、次第にじれったくなってきた。 (もう、早くしてよぉ) 入らないという現象が彼女には理解できない。陰茎は膣に収まるものだと思っているし、入らない訳を思いつかない。経験がないと、こんな簡単なことすら難しいものなのかと、彼女は首をひねった。 それに、彼は狙ってやっているわけではないのだろうが、固い男根が陰唇の筋の上を逸れる度に、祐子としては切なくなってくるのである。かゆい所に手が届きそうで届かない感じというか、もうちょっとで満足が得られるのに、それが叶えられず焦らされている感じなのだ。また、時折陰核にぶつかったりすると、それが刺激にもなる。 (は、早くぅ……) 祐子の腰は、いつしかヒクヒクと浮きだした。自分から、肉棒を突き刺そうとするかのように。 ところが、これが良くなかった。焦っていることは祐子以上の白木にとって、的に動かれると返って厄介なのである。おまけに、陰裂との摩擦が陰茎に刺激をもたらしてくる。となれば、これが彼にとってどういう結果をもたらすか、もはやお察しの通りである。 「お、落ち着いて、落ち着いて」 まだ膣に入ってもいないのに、クイクイと腰を動かし、襞の上で肉棒をスライドさせる白木を見て、祐子はそれをなだめるように声をかけた。これが陰核への意図的な愛撫なら中々のものだが、決してそうではないのが残念である。太いペニスで割れ目をこすられるのは、彼女としてもそれなりに気持ちのいいものだ。 「し、白木君」 彼女は相手の尻をつかんで、ひとまず動きを治めようとした。今はとにかく挿入を果たさないことには、目的達成といえないのだ。たとえ気持ちがよくても、これで終わったのでは相手のためにならない。 しかし、白木は言うことを聞かなかった。そればかりか、思いのほかの力で股間を押し付けてくる。日頃の鍛錬を見せつけるかのようなぶつかり方である。 (白木君たら……) 祐子は呆れた。ただ、そのこれまでにない強引な腰使いは、やぶさかでなかった。初めて感じた、彼の男らしさだった。 だが、これでは早晩結果が見えている。 「白木君、待って。まだ入っていないから。……ここよ。ここにおチンチン入れてから……」 祐子はとうとう彼の男根を握って、己の穴に導こうとした。しかし、時すでに遅かった。 「あぁっ!」 言わんこっちゃないといった風で、祐子は嘆息する。その時白木は、両腕を地面に突っ張り、背筋をピンとのけぞらせて、まるでオオカミの遠吠えのような姿勢を取りながら、恍惚と快感にのぼせていた。祐子に引っ付けた股間を、ヒクヒク動かして。 <つづく> <目次> (1)~(10)、(11)~(20)、(21)~(30)、(31)~(40)、(41)~(50) (51)~(60) |
(またイッちゃったの?) 祐子はすっかり呆れた。童貞の筆おろしというのは、まったくもってボランティアの精神でなければ務まるものではないと思った。 「出ちゃったねぇ」 別に腹は立たないながら、今度はちょっとからかい気味に声をかけてみる。 「はい」 白木は、頭でもかきそうな調子で照れ笑いを返してきた。その顔にはいささか充実感が見える。よほど気持ちよかったらしい。 「しょうがないなあ」 祐子は言って、彼からゴムを抜き取る。体の熱はまだ冷めやらないが、さすがに気は緩んでしまった。ところが、ブルーの覆いから現れた彼自身は、まだまだ気力充実、すぐにでも復帰しそうな勢いである。彼女はそれに励まされ、気合いを入れ直して新しいコンドームを取りに行った。 と、その帰路で、 「そうだ」 彼女はあることを思いついて提案した。 「今度は自分で着けてみようか」 言いながら、持ってきたそれを手渡す。決して面倒になったわけではなく、これも相手のためを思えばこそである。白木は素直にそれを受け取った。そして装着し始める。二度も見ているので、難なくできた。結果的に祐子よりも手際がよかったほどだ。 それにしても、彼の回復力はすごい。今回はほとんど間を置くことなく、祐子の助けさえ借りずに、淡々と立ててしまった。祐子は、彼がコンドームを着け始めた時、“固くなってからよ”と注意を促そうとしたのだが、いらぬ心配であった。 (どういう体の構造してるんだろ) 不思議に思えてくる。あるいは、他の男たちでもやったらできるのだが、あえてやらないだけなのだろうか、祐子は考え込んでしまった。 「もう出来る?」 彼女が聞くと、白木はうなずいて答えた。そこで、さっきの続きである。二人は再び、先刻の体勢に戻った。ただし、最善の失敗があるので、祐子は肉茎の先端を握り、穴に入れるところまでは補助をすることにした。 「いい? ここに……」 さすがにここまで誘導されては、しくじる方が難しい。こうしてついに白木は、祐子の中へと入った。これに感動したのは、白木よりもむしろ祐子だ。 「ああ、入った!」 男の侵入が体に分かる。待ちに待った感覚だ。ここまで来るのに、随分と手間取ってしまった。その分達成感がすごい。 「分かる? 分かる? 入ったの分かる?」 やや興奮して相手に尋ねる。その調子につられて、白木も、 「は、はい!」 と、何やらすごいことをしたのだという感じで、夢見心地ながらも力んで応答した。その反応に、祐子は満足した、彼もついに男になったのだと。思えば、一人の少年を男にすることの、なんと大変なことだろう。 「偉い偉い」 祐子は白木の頭を撫でてやった。自分の体を使って、大人へと巣立っていく彼を。そう、男として生まれた彼に、初めてオスの仕事をさせたのは、ほかならぬ自分なのだ。自分の体で、この少年は女の肉を覚えたのだ。祐子は思った、ああこれが童貞と交わることの面白さなのかと。彼女の心には、彼への母性愛めいたものが生じた。 と同時に、新たな欲求も覚え出す。 (わたしの、おチンポ……) 彼は彼を男にした自分の物であるとの認識から、その肉の処遇にも己の裁量が及ぶと考えたのである。これからは、彼を自分好みの肉玩具に育てていけるのではないか、そんな企みが頭をよぎった。その手始めに、相手の腰へ手を回していく。 「動かしてみて。さっきみたいに、パン、パンって……」 もう逃がさない、完全に獲物をとらえた肉食獣のごとく、彼女は白木を抱え込んだ。こうなれば、もう後は欲望の赴くままに相手をむさぼるだけだ。それまでは白木の初体験のための儀式だったのが、これで完全に年増女の性欲発散の場となったのである。 ところが、何事も彼女の思い通りにいくわけではなかった。 「ア、アン……?」 ペチンペチンと腰を使い始めたと思いきや、白木は唐突にそれをやめ、なんと肉棒まで抜き去ってしまったのだ。これには祐子も戸惑わされた。 「あ、どうしたの?」 「いえ……」 言葉を濁す白木。祐子は一瞬、またイッたのかと思った。だが、そうでないことがすぐに判明した。どうやら、イきそうだったので、堪えるために抜いたらしい。一安心する祐子。 「うん、いいのよ、ゆっくりやって」 内心はじりじりしている癖に、大人の余裕を演じて彼女は応対した。 一呼吸置き、すぐに彼は帰ってきた。そして、じわりじわりと腰を動かしだす。しかし、肉棒の出入りは、真っ直ぐに行われなかった。 (まだ慣れないみたい……) 不慣れな彼は、思うようにピストン運動ができないらしく、それはまるで、飛び立とうともがくひな鳥のようだった。もどかしくて、祐子は声をかけてやる。 「ゆっくりでいいよ」 言いながら、彼の尻に手を這わせる。尻といい腰といい厚い肉が付いて、もう早くも力士の風格が漂い始めていた。このまま順調に育てば、きっと黄本のような豪快な腰振りができるようになるだろう。祐子は舌舐めずりした。 と、急に白木が呻く。 「うぅ……」 「どうしたの?」 聞くと、こちらを真っ向から見下ろしながら、彼は小さく言った。 「う……あの……」 「ん? イきそう?」 気を回して聞いてやる。すると彼は、素直にうなずいた。彼からの申告は初めてである。祐子は微笑ましく感じた。 「どうする? 一回抜く?」 と、提案してみる。だが、白木にそれを聞くゆとりはなかった。 「イく――」 言いざま彼は果てた。あっけないということはない。これまでの彼にすれば努力した方だ。とにかく、ようやくにして所期の目的通り、女と交わって射精できたわけだ。 祐子は、よしよしと彼の頭を撫でてやる。肩の荷が下りた思いだ。これで彼の初体験の儀式は完成した。 <つづく> <目次> (1)~(10)、(11)~(20)、(21)~(30)、(31)~(40)、(41)~(50) (51)~(60) |
が、彼も祐子も、これで終わる気はさらさらなかった。しばらくすると、避妊具を取り替えてまた当たり前のようにまぐわいを始める。 「上手ぅ、上手よ」 祐子は言って、彼の運動を褒める。実際にはそんなにすぐに上達するものではないが、相手と自分の気持ちを高めるためである。それに乗せられたのかどうかは分からないが、白木はカクンカクンと不器用な動きながらも尻を振っていく。 “何回でもしよう”ふと前に言った言葉が、祐子の頭を巡った。 (そうだ、回数をこなして……) そう彼女は画策した。と、その刹那だった。白木はあっさりとまた果てた。 (……何回でも) 祐子はちょっと自信を失くしながら、改めて念を押すように心に言い聞かせた。ペタペタと、彼女は相手の背中を叩いて労わってやる。彼はまだまだ頑張る様子だ。 今度は体位を変えて行うことを、祐子は申し出る。白木を寝かせ、自分は彼の上へ。正直なところ、この体位に自信があるわけではなかったが、白木の慣れない動きよりは上手くやれるだろうと思った。その裏には、自分も愉しみたいという欲がある。 「入れるね」 一声かけて、直立した肉棒を秘裂に割りこませていく。段々と積極的な振る舞いにも慣れてきた。 「ウフゥン!」 一息に全部入れる。ゾワゾワと腿が総毛立つ (おっきいわ) 進入角度が変わると、感じ方も変わる。これも騎乗位の魅力の一つだ。祐子は彼の腹の上に手を置いて、ゆっくりと尻を縦に振り始めた、初めの内こそ、相手を慮りつつ。 しかし、彼女が自分の世界に没頭しだすのに、それほど時間はかからなかった。たちまち激しい腰使いに変わる。和式便器のように踏ん張って、尻を上げ下げする。この摩擦に、初心者の白木が付いていけるわけはなかった。すぐに彼は暴発した。 「アッ、ヤンッ!」 祐子は残念がる。肉棒から熱が上昇する様子が膣に伝わる。それはそれで快感だが、今はもっと固い棒でゴリゴリと突かれたかった。そこで彼女は、あえてすぐには抜かず、ただゆっくりと彼の腹の上に倒れ込んだ。 (このままで立つかも) これまでの経験から、彼の復帰が早いことは承知している。ならば、このまま抜かずの連発も可能ではないか、彼女の浅はかな目論見だった。祐子は彼に密着したまま、尻をじんわりと水平に回転させ、合わせて乳房を相手の胸に擦りつけた。 するとどうだ、彼のエンジンが再び掛かり始めたではないか。白木は自分から腰を微動させだしたばかりか、思い切って眼前に垂れ下がった祐子の乳にも手を出してきたのだ。 「アン、そう、おっぱいも揉んで」 祐子は悦んで許可を出してやる。彼女の作戦は図に当たったわけだ。コンドームを取り替えなかったことにも、一応の計算があった。さっきのを外した時、もう既に精液の量が減っていたのを確認済みだったのである。 とはいえ、その回が終わり、また新たな体位になると、白木は新しいコンドームに交換するのだったが。彼の中では、イくのと交換とは、一連の手続きであった。もっとも、もう祐子の指示は待たず、自分から勝手に新品を取りにいくようになっていた。 彼は次々に性交を行った。それをし続けなければいけないと、思い込んでいるようだった。いや、実際にはもう理性は飛んでいて、何も考えず獣のようにただ男根の抜き差しを行うだけだったのかもしれない。突いて終わって交換して、突いて終わって交換して、ただただその連続。 「アッアッ――」 断続的に侵入し続ける肉棒によって、ようやく祐子は感じ始めていた。彼女は気づいていなかったが、白木の持続力が次第に長くなっていたことも、彼女に影響を与えていた。 また、入れられては出されての繰り返しの中で、いつしか膣肉が射精の感覚を覚え、それを察知すると痙攣するようになっていた。その瞬間、キュンと陰裂が締まるのだ。 「ンッ、アッ、そこ……!」 ついに女の声を上げて、祐子は彼にしがみつく。もはやセックスマシーンと化した白木は、言われなくても肉棒の挿入を繰り返し続ける。今日初めてセックスを経験した者とは思われぬほど、その腰使いは飛躍的に上達していた。 「アアウ! そう、そうそう! アァ、いい……」 祐子にも意外なことながら、なんと彼によって絶頂に導かれそうな自分がいた。一時はほとんど気持ちよくなることを諦めてすらいたというのに。 「アン! イく! すごっ! 白木君、すごい! イくっ! イくぅっ!」 とうとう彼女はオーガズムに達した。少年の成長は実に早い。祐子は彼を誉めてやろうとした。が、彼の方がその間を与えてはくれなかった。続けざまにピストンを送り込んでくる。 「ヒッ! ヒイィッ……!」 思わずメスの啼き声を上げて、祐子は寝返りを打った。その肘に、使用済みのコンドームがくっつく。彼女の周りには、だらしなく伸びきったそれらが、肉欲の形跡を証明するものとしていくつも散乱していた。既に一ダースは超えている。だが、まだ増える予定だ。 この情事を始めたのはまだ朝方であったが、いつしか辺りには夕闇が迫り、電灯が欲しい時刻となっていた。それでもまだ終わらない。白木は機械的に祐子の肉を突きさし続ける。次第に大胆になり、体位の変更も率先して行うようになっていた。 「アウ……アウゥ……!」 祐子はイき狂った。完全に力関係は逆転していた。もう白木は、頼りない童貞ではない。立派な男だ、女を犯す男だ。祐子はただ彼の欲望のはけ口として、ペニスに酷使されるだけである。 彼女はついにその日一日、白木のダッチワイフだった。 <つづく> <目次> (1)~(10)、(11)~(20)、(21)~(30)、(31)~(40)、(41)~(50) (51)~(60) |
――と、以上が祐子と白木の初体験の顛末である。その日以来、二人は何度も体を重ねてきた。白木もまた、黄本と同じように、祐子の肉欲メイトとなったわけである。 彼の性のテクニックは、めきめきと上達していった。それはちょうど、彼が角界になじんでいき、体が相撲取りとして出来上がっていくのと同じく、目に見えて分かる成長ぶりであった。 祐子は、そうやって一人の男が逞しくなっていく過程を段階的に追うことによって、これまでに経験のない感覚、保護者的な感覚で彼との交尾を愉しむようになった。矛盾しているようではあるが、母親ないし姉的目線で彼の成長を悦びながらも、性的に彼の肉体を貪っていたのである。 それは、彼の初めての女になったという意識のほかに、二回り以上も離れた年齢差というものからも生じるものだった。いくら祐子が今をときめくキャスターであり、若々しいイメージであっても、事実として白木とは親子であってもおかしくない年齢差なのだ。 それは、実際に彼女の立場に位置してみないと味わえない独特の感慨であろう。息子でもおかしくない世代の男と、子作りにいそしむというのは。たとえまだギリギリ三十代で、決して年寄りだという自覚はなくとも、相手が十代で、しかも中学を出たばかりとなれば話は別である。 だが、いくら歳が離れていようとも、いざセックスとなれば男女は対等であるのもまた現実だ。相手が十代であろうと口づけを交わすし、彼のペニスも受け入れる。セックスの前で男女は平等であり、祐子もまた白木の前では、彼の愛人として、そして一人のメスとして、純粋に交尾に酔いしれていた。 「アウアウアウ――」 獣じみた声で、彼女は啼く。いや、近頃は啼かされてしまう。白木は性交にすっかり慣れ、また祐子の体にも慣れて、もういつぞやのように、やみくもに暴発することは全くなくなっていた。その結果、彼は祐子を弄び、彼女を男根でよがり狂わせる術を身につけたのである。 これは、祐子の側にも原因のあることだった。彼女の肉体もまた、白木の男根を覚えてしまったのである。そうして一度覚えてしまうと、そのペニスに仕込まれた女の体は、次から条件反射的にそれで感じやすい体になってしまうのだ。 おかげで祐子は、彼のペニスに散々イかされることになった。それはもう、初めの日にダッチワイフよろしく使われてしまったことで決定づけられていた。膣がもう、彼を常連として歓迎するようになっていた。中の肉が、彼の侵入とともに、彼用の形に整うのだ。 結果、彼女は白木に屈服させられた。もはやイかされるのは当たり前、最近ではすっかり彼のいいようにされ放題である。アクメの回数は、会うたびごとに増えた。完全なる彼女の敗北である。 (すごい、すごいわ、この子……!) 今や諸手を上げて、祐子は彼を称えるようになっていた。そのペニスは確実に満足をもたらしてくれたし、頼もしくすらある。彼女は甘んじて女として啼かされることを選んだ。肉体が白木のペニス入れとなることを望んだ。自分の人生の半分も世の中を知らないペニスだということを忘れて。 もっとも、彼女が認めたそれは、決して彼女のためだけに使用されるものではなかった。それは、祐子以外の女を既に知っていたのである。 いづ美だ。なんとなれば、いづ美の方が圧倒的に使用頻度が高いぐらいだった。日常一緒にいるのだから当然ではある。たまに来るだけの祐子とは違い、普段の性処理は専らいづ美の仕事なのだ。彼の技術が向上したのも、実は彼女の指導によるところが大きい。 それに気づかぬ祐子ではないが、とりあえずは、自分を負かすまでに立派になり、これからもますます育っていくであろう白木の様子が、今はただただ嬉しいのであった。 ――今日ここへ来る時も、黄本とは違った視点から、すなわち白木の成長ぶりを確認するところから、期待が高かったものである。 そして、黄本に愉しませてもらった後、続いて彼の番を迎えたのであった。 <つづく> <目次> (1)~(10)、(11)~(20)、(21)~(30)、(31)~(40)、(41)~(50) (51)~(60) |
「ア……アフ……ンン……」 祐子は唇を奪われ、彼と舌をからめ合う。床の上で白木の振る舞いは、今やすっかり堂に入ったものだ。乳房を握る力加減一つとっても、強弱申し分ない。 ただちょっと融通が効かない所もあった。必ず前戯を丹念に行うことである。初めての時に祐子が教授したことを忠実に守っているのだろうが、今日のように黄本と交わった後で、とっくに膣が温まっているときは、そんなにこだわらなくてもよいものだった。祐子は、彼への指導を些か後悔した。 しかも、いづ美に教えられたのだろう、近頃は口唇愛撫まで行うのだ。祐子としては、よせばいいのにと思う。それも今は、さっきまで他人の肉茎が入っていた所を舐めるわけだが、知っていてよくできるものだとどうしても思ってしまうし、それに肉棒形にパックリ開いた穴を間近で見られるのも辟易だった。 だが、技術度は高い。それに熱心だ。祐子は敷布団をつかんで、恥と快感の狭間で身悶えた。舌と指で、陰裂がグチャグチャにかき混ぜられる。 (ああ、ダメ、ダメ……) ただでさえ、黄本との交合で感じやすくなっている体にこれはまずい。簡単に気をやってしまいそうだ。祐子はやむなく待ったをかけた。 「し、白木君、白木君」 すると、それに従順に従うのが白木である。素直さはまだまだ健在だ。 「じょ、上手になったわね」 実際にはやり込められていながら、祐子はこうして褒めることで、なんとか上位者としてのメンツを保とうとするのだった。 「今度はわたしがしてあげる」 イニシアチブを発揮して、彼女は白木の股ぐらに入っていった。対白木戦ならではの積極的な言動である。 (ああ、立派になって) 下から見上げる肉の塔は、畏怖を感じさせんばかりにそびえ立っていた。気のせいか、先端の張りが先日よりも大きくなっているようにも見える。もうすっかり男の顔になったそれだ。初性交から付き合ってきた祐子としては、非常に愛着のある男根である。 下から上へ、上から下へと舌でなぞっていく。舌先に感じる固さと熱が、女には心地いい。内側に充満するエネルギーが、弾けんばかりに伝わってくるのだ。 祐子は、心をこめて口淫した。さっき、危うくイかされそうになった手前、そのお返しの意味もある。タコのように吸いついて肉棒をすっぽりほおばり、かなり激しめに弄んでみる。が、以前と異なり、泰然自若としている男根だ。 (雄々しい……) 祐子はそれを見るとうっとりして、余計に夢中で激しく摩擦を行った。すると、さすがに白木ももたなくなってくる。彼は眉根を寄せ、口を真一文字に結びだした。こらえている表情だ。 それに気づくと、祐子は、なんだか彼が健気に我慢している様子が気の毒に思えてきた。彼は第一発を自分との合体で放とうと、楽しみにしてきたのではないだろうか。 (やり過ぎたかしら) と思うと同時に、彼女は迷った。“一発先にヌいておく?”そんな卑猥な言葉をかけながら、一度口の中に出させて楽にしてあげようかと。何しろ、彼の勃起回復力は折り紙つきだ。 だが、それに決定を下すより先に、白木の方が行動に出ていた。以前からは想像できない、大胆な行動だ。彼は突然倒れ込んでくると、祐子に指示出し、彼女にある姿勢を取らせたのである。 (これって……) 祐子は頬を染めた。彼女は今、仰向けに寝る白木の上に逆さまに、すなわち顔を彼の股間に、股間を彼の顔に向けて覆いかぶさっていた。互いの性器を舐め合う格好である。 早速白木は彼女の秘唇を舐め始めた。祐子も負けてはいられない。垂れた乳房を相手の腹の上で押しつぶしながら、直立棒に口をかぶせていく。ベチャベチャ、ブッブッ――室内に猥褻な液状音が響きわたる。 こうしてしばし互いの性器を慰め合った二人だが、先にダウンしたのは祐子の方だった。既に黄本と先にやり終えた後の彼女にはハンデがあった。彼女はついに肉棒に集中できなくなって、それを口から吐き出した。 「オゥファー……!」 はらりと髪を揺らして、彼女は喉を伸べる。だが、肉棒をまだ諦めきれない。執念でそれを口内に戻そうとした。その格好はちょうど、砂漠で倒れた人が目の前のオアシスに向かって手を伸ばすのに似ていた。だが、手は届かなかった。 「ウゥフッ!」 キュンと膣が引きつり、祐子は事切れた。白木の顔の上で、彼女はエクスタシーに達してしまったのである。 <つづく> <目次> (1)~(10)、(11)~(20)、(21)~(30)、(31)~(40)、(41)~(50) (51)~(60) |
大人の女としての威厳を保っていられたのも、その時までだった。アクメの膣を鼻先で観察されて、もうこれ以上秘密にすべきものなど何もない。眼前で愛液をダラダラ垂れ流し、その間、口はパクパク開いてよだれを滴らせている。 その顔も見られてしまった。腑抜けたアクメ顔をである。今日に限ったことではない。もうとっくの昔から、そういうあられもない姿を知られてしまっているのである。指導教官も形無しであった。 そのせいでもあろう、白木があけすけにリクエストをしてくるようになったのは。今も彼は、例によってさっさとコンドームを装着すると、ぐったりとした祐子をそのまま四つん這いにさせて、後ろからバコバコと突きまくりだしたものだ。 「オッ! オォーンッ!」 バックから犯されて、切なげに祐子は吠えた。かわいがりなどと称していたのも今は昔、現在はひたすら肉棒によっていいようにあしらわれる発情したメスである。 白木の腰つきもすっかり板について、体重をかけながら、ズバンズバンと最奥へ連続ストライクを決めてくる。今日も祐子をダッチワイフにする気満々だ。 「いいっ! イヒィッ!」 感想を伝えることで、まだ対等以上の地位を守ろうともがきながら、しかし実際には、白木によってただただこき使われつつ、祐子は狂おしく啼いた。 白木のリクエストは続く。彼はバックで一度果てると、交差位でさらに一発、続いて肉人形と化した彼女を自分の上にまたがらせ、騎乗位をさせた。 祐子はその求めに応えて上にはなったが、もうとても自発的に腰は使えない。気を失ったまま乗馬する人のようだ。ゆらゆら揺れて、しまいに相手の胸へとへたり込んだ。 しかし白木はそれを許さず、彼女の乳を押さえて起き直らせると、それをグニャグニャ揉み回しながら、肉棒で彼女をゆさゆさ揺さぶった。 「オッ、オッ、オンッ、オンッ――!」 激しい波の上で、祐子は何度も絶頂した。 (気持ちよすぎる……!) 肉欲に翻弄されて、彼女にはもうそれしかなかった。幸せな時間である。 白木はその後も、彼女の穴で数発を搾り出した。そして、最後に極め付きとも言えるリクエストをしてきた。 「ゆ、祐子さん……顔……か、顔に……かけ……させて……」 なんと、彼が願い出たのは、祐子の顔面への射精であった。初めての日、偶然ながら行ったことが、それから彼の中で大きな地位を占めるに至ったらしい。 「はあ……へ……」 それに対し、祐子はいいとも悪いとも応じられなかったが、白木は半ば独り決めして、膣から抜いた陰茎のコンドームをはずし、早々と彼女の顔の上に移動していた。そして彼女の唇に押しつけながら、シコシコとそれをしごきだす。後はもう出すだけだ。 実は、白木の祐子への顔面射精はこれが初めてではない。以前には彼女がはっきり許可を出してやらせたこともある。彼女としては、白木の所望にはなるべく応えてやりたいのだ。 しかしそれにしても、彼女はアナウンサーであり、顔はいわば商品である。そういう所まで捧げるというのは、以下に彼女が性に没頭しているかということの証左であろう。 ほどなくして、白木はイッた。もう何発も出しているのに、このためにセーブしていたのではないかというぐらい、それなりの量が出た。あるいは、よっぽど気持ちよかったのかもしれない。 祐子は、その顔の下半分にかけて、ポタポタと白濁汁の雫を受け取った。受精するはずのない場所に受ける子種、いや、彼女としては、もはや顔面までが性器の感覚なのかもしれない。 その日は後続が控えていることもあり、白木はそれで退散した。 祐子はしばらく呆けていたが、 (そうだ――) と、次が来ることを思い出し、気だるい動きでやっとタオルに手を伸ばした。 だが、それで顔を拭う暇はなかった。次の来客が、思いがけない早さでやって来たからだ。 <つづく> <目次> (1)~(10)、(11)~(20)、(21)~(30)、(31)~(40)、(41)~(50) (51)~(60) |
男は入り口で停止することなく、ズカズカと中に入ってきた。今さらながらに慌てる祐子だが、そんな彼女から、 「待てよ」 と言いざま、彼はタオルをむしり取ってしまう。そうして彼女に向けて構えたのは、なんと携帯電話だった。 カシャッ! シャッター音が鳴る。 「スクープ! 顔射された女子アナ!」 男は言った。 「ちょ、ちょっと!」 焦って彼の方へ手を伸べた祐子だが、彼にさっとかわされ、その手をただ布団の上に落とす。 さっきまでの快感でいまだ夢うつつではありながら、何をされたのか、そしてそれがどれほど大変なことかはすぐに理解できた。なぜなら、彼がそういう挙動に出るのは、今が初めてではないからだ。 男はやはり努素毛部屋の弟子で、緑川(みどりかわ)という。大卒で入門し、序列は部屋で上から三番目、黄本と白木の間である。小兵な方で、年下の白木と並んでも見劣りするほどだ。 さてこの男、少々癖がある。 「白木にかけられたのかよ。あいつも好きだねえ」 緑川は笑いながら、続けてシャッターを切った。光の反射で、その眼鏡がキラリと光る。彼は普段眼鏡をかけているのだ。 「しかしよく顔に出させるよな。うわ、きったねえ」 彼が祐子にかける言葉、それはすべて嘲りの言葉だった。いつもそうだ。祐子にとって悩みの種である。 「やめて!」 彼女は叫んで、彼から携帯電話を取り上げようとする。しかし彼はひょいと逃げて、捕まりそうもない。今の彼女の緩慢な動きでは永遠に無理だろう。 と、ここで祐子は諦めて方針を転換した。とりあえず顔についた精液だけでも拭いてしまおうと。彼女は新しいタオルを取りに向かう。 しかしそれは緑川によって阻まれてしまった。彼は祐子の前に立ちはだかると、その両頬を片手でつかんでへこませ彼女の相好を歪め、さらにその様子を撮影する。 「すっげえ顔」 笑う彼。 祐子の頬の肉や唇は中央に盛り上がり、鼻を圧迫して上に押し上げる。屈辱的な境遇だ。だが、その屈辱はまだ序の口だった。 彼女が相手を振りほどこうともがき、それが難しいと知ると、精液だけでも手で取り去ろうと試みた時だ。 パチンッ! 急に左頬に衝撃が走った。ビンタだった。祐子はその反動でカッとなり、相手に立ち向かおうとする。すると、すぐさまもう一打、パチンッ! 再び左頬。 「静かにしろよ! 今撮ってんだろうが」 まるでレイプ犯のように冷徹な物言いの緑川だ。彼は撮影を続ける。そのモデルの頬は、手形に赤く染まっていた。力士のビンタといえば張り手も同然、加減はしたのだろうがかなりの衝撃ではあったろう。 祐子の目に、痛みと悔しさから涙がにじみだす。そうやってこみ上げる涙がまた悔しい。彼女の職場でいえば、緑川はまだADぐらいの年齢と格である。そんな男に体罰を受けて叱責されるなどあり得ない話だ。 だがどうしようもなかった。どうしようもないことは、これまでの経験から分かっていた。彼女にはトラウマがあった。 <つづく> <目次> (1)~(10)、(11)~(20)、(21)~(30)、(31)~(40)、(41)~(50) (51)~(60) |
――以前の話、今日と同じように努素毛部屋に来た時の話だ。その日はあいにく親方と上二人の弟子がおらず、女将のいづ美も来客中で、祐子の応対をしてくれるのが緑川と白木の二人しかいなかった。 例によってやりたい盛りの彼女は、それでもこの二人を相手に満喫するつもりで、早くも股間をむずむずとさせていた、が、緑川が一向興味を示さず、こちらの気持ちを見透かしていながら、あえて誘ってこない。彼がそんなだから、先輩には絶対服従の白木もやはり、後輩として何もできない。 祐子は彼ら二人の部屋――彼らは相部屋であった――に、いわば押しかけてまでいたのだが、やることは決まっているのにそれができず、もどかしい気持ちで手持無沙汰であった。なんとかきっかけをつかみたいが、相手が二人いる状態で仕掛けるのはさすがに勇気が要った。 と、そんな時だ、緑川が白木をけしかけたのは。 「ここでやんなよ」 緑川は、読んでいた漫画から目を離すことなく、そっけない調子で言った。 困ったのは白木だ。彼は祐子と目を見合わせた。やりたいのは山々だが、彼としては緑川にも祐子にも気を使う立場なのである。 一方、祐子も祐子で迷った。やむをえない、とも思い始めていたが、やっぱり傍観者のいる前では始めづらかった。結局、二人はお見合い状態で、しばしの沈黙が流れた。すると、緑川が顔を上げて、白木に向かって言った。 「なんだよ。この人、どうせやりに来てるんだぜ」 それは、祐子を侮る言葉であった。しかし事実ではある。彼女としては反論の余地がない。ただ、そんなにあからさまに指摘しなくてもいいのに、とは思った。こういう嫌味なところが、緑川にはあるのだ。だから付き合いにくい。 祐子は彼と、既に他の弟子と同じように肉体関係を持っていたが、彼はいつもこうやって、言葉で辱めるようなことを言ってくるので、どうにもとっつきにくいのである。性交にまで至れば十二分に満足は得られるのに、そこへいくまでが大変なのだ。だからどうしても、彼と会う前は苦手意識を持ってしまうのである。 「なんだよ、ほら。とっとと脱げよ」 二人がまだもじもじしているのを見て、緑川は白木に今度はやや強く迫った。そうこられると、白木は断れない。黙々と脱衣し始める。そこへ、緑川は重ねて指令を下す。 「とりあえず、しゃぶってもらえ」 彼は白木に向けて言っていたが、それは間接的に祐子に対する指示でもあった。祐子はそれに従い、膝を進めていく。彼の言いなりになるのは悔しいが、プライドを曲げてでも肉欲に忠実な彼女なのである。 白木はほとんど全裸となり、後は下半身の下着のみとなっていた。祐子はその足元に膝立ち、その最後の布を脱がしてやる。ここまでくれば、もはや迷っている場合ではない。彼女は覚悟を決めて、白木の陰茎を口に含んだ。 他方、緑川はそれ以降黙りこくり、何の指示もしてこなくなった。そればかりか、つと立って、部屋を出ていったのである。これは意外なことではあったが、祐子にとっては幸運なことだった。ほっと肩の力を抜く。 さて、それからは二人の時間だ。祐子も白木も、誰気兼ねなく全力で愛し合った。いつもの通り、互いの性器を舐め合い、合体し、体位を変え、くんずほぐれつを繰り返す。そうする内、次第にけだもののごとく本能剥き出しで乱れていく二人。 ちょうどそんな頃だった、彼女が異変に気付いたのは。そこは二人だけの空間、誰にもはばかることなく本性をさらけ出して淫らになれる場所のはずだった。ところが、である。 (誰か……いる……) 急に祐子は背筋に寒気を感じた。と同時に、頭を巡らせて周囲を見渡す。その時の彼女は、白木の上にまたがって、下から激しく突き上げられていた。 (み、見られて……る……?) 視界の端にきらりと光るもの。部屋の入り口の襖の間。祐子の背筋にゾクゾクと寒気が走る。思えば、かつて祐子があの位置で、いづ美と黄本の情事を覗いたことがあったが。 「し、白木君」 ペチペチと白木の胸を叩いて、ストップをかける。快感の波は全身を巡っていたが、緊急事態に接して思考する力はまだ残っていた。 彼女の警戒を受けて、白木もそれに気がついた。相変わらず合体したままながら、瞬時に体を固まらせて、じっとそちらの方を窺いだす。 <つづく> <目次> (1)~(10)、(11)~(20)、(21)~(30)、(31)~(40)、(41)~(50) (51)~(60) |
と、その時だった。 「なんだ、ばれたか」 ガラリ、と襖が開いて、男が一人入ってきた。なんと緑川である。さっき出ていったと思ったら、外から覗いていたのだ。驚いたのはそれだけではない。 (カメラ!) 祐子は戦慄した。彼の手には、ビデオカメラが握られていたのだ。つまり彼は、覗きをしていただけでなく、盗撮までしていたわけだ。いや、今もなお二人がつながっている所を撮り続けているのである。 「キャッ!」 思わず悲鳴を上げて、祐子は立ち上がろうとした。しかし、緑川がそれを強引に押しとどめて言うよう、 「おい、白木、しっかり捕まえとけ」 白木は先輩の指図に、反射的に祐子の尻を押さえつける。緑川はそれに満足して、 「よし、いいぞ。そのまま続けろ」 と、不気味な笑みを浮かべながら、カメラを彼女の尻の方へと近づけていく。 (な、な、なんなの!) 祐子はパニックに陥った。セックスしているところを録画されてしまった、しかもまだ彼は、カメラの前で白木に続きをやれと言っている、一体これはどういう状況なのか、まったくもって意味が分からない。 白木は緑川に命じられるままに、腰の上下運動を再開させた。 「ちょ、ちょっと!」 祐子は焦って、彼の腹に手を突っ張る。だが、彼はやめようとしない。上に乗せた彼女を、下から突き上げて揺さぶり続ける。彼は撮られても恥ずかしくないのだろうか、それとも、やめられないほど緑川が怖いのだろうか、祐子は不安になった。カメラの前でセックスを演じるなんて、これではまるっきりアダルトビデオではないか。 「おお、おお、入ってる入ってる」 結合部を接写しながら、緑川が囃したてる。レンズには今、祐子の陰唇の肉がぱっくりと割れて脇に盛り上がり、その狭間に白木の肉茎がブスリとめり込んでいる様子がくっきりと映し出されているのだ。 緑川はさらに揶揄を重ねる。 「ケツの穴も丸見えだ。ほら、パクパクいってる」 「いやっ!」 恐怖にかられて、祐子は暴れ出した。だが、尻を抱く白木の頑丈な腕に挟まれて、彼女の両手はびくともしない。この時ばかりは、相手が力強い力士であることを恨みに思った。最大の恥部を間近でカメラに収められ、屈辱と羞恥から、もはや生きた心地もしない。 しかし、緑川は、そんな彼女をなおもいたぶり続ける。 「しっかし、相変わらず剛毛だよねえ。ケツ穴までボーボーじゃん」 (やめてぇ……) 祐子の目に涙が滲んできた。余りにも惨めだ。彼の言葉は、祐子のコンプレックスを的確に突いてくる。 「いくら親方が剃るなっつったてもねえ。これ生え過ぎでしょ。パンツ履いても、毛がはみ出るんじゃねえの」 緑川の毒舌は止まらない。 「よくそんなかっこでテレビ出られるよね。ていうか、もう放送で映ってんじゃね。苦情くるだろこれ、マン毛がボーボー過ぎって」 次々と浴びせられる嘲りの台詞が、祐子の意識をぐるぐると占拠していく。耳の奥がキーンと鳴り、冷たい汗が全身に噴き出してくる。ひどく気だるい。熱病に侵されたような感覚だ。 彼が言うように、まさか本当に陰毛がテレビに映っているとは思わない。思わないのに、彼女は著しく不安になり、ちゃんと毛が収まるように下着を履いていることなどを、真面目に思い出すのだった。もう完全に気が動転してしまっていた。 緑川は、そんな様子をニヤニヤしながら見ていたが、まだ飽き足らないらしく、とうとう決定的に残酷な言葉を放ってきた。それは、彼女を絶望の淵に引きずり込む一言だった。 「この映像、ネットにばらまいてやる」 祐子は耳を疑った。緑川は、いとも楽しげに語る。 「もう苦情どころじゃねえな、こんだけはっきり映ってたら。完全にチンポ入ってるもんなあ」 言いながら、彼は大笑いする。 「クビかもね。あ、クビなる前に辞めるか。もう会社いられないっしょ、だってみんなあんたのマンコ知ってんだもん」 (え? え?) あまりの衝撃で、祐子は事態の推移についていけない。ただもう、どうやら人生の土壇場に追いつめられたらしいことだけは理解できた。 「どうする? テレビもさすがに厳しいんじゃね? それともキャラチェンジする? マンコ見られて、もう真面目な顔とか無理っしょ」 実に饒舌に語る緑川だ。彼は憎たらしい言葉を、次から次へと並べ立てる。 「女子アナからAVとか、結構イケんじゃね? ああっ、でもダメか。このビデオで先にマンコ見られてるもんな。あんま金にならねえかもな。じゃあ……後は風俗かな。ま、あんたみたいなババア雇ってくれるか分かんないけど」 心配してもいないくせに、彼は勝手に祐子の進路を決めていく。祐子は、腹を立てるのも忘れて呆然としていた。彼女の顔からは、血の気が失せていた。 <つづく> <目次> (1)~(10)、(11)~(20)、(21)~(30)、(31)~(40)、(41)~(50) (51)~(60) |