おことわり
R18
このブログには、エッチなことがたくさん書いてあります。まだ18歳になっていない人が見ていい所ではありません。今からこんな所を見ていると、将来ダメ人間になってしまいます。早くほかのページへ移動してください。

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なお、掲載している小説はすべて虚構であり、実在の人物・団体等とは一切の関係がございません。

    
お知らせ
「オナこもりの小説」は、エロ小説を気ままにアップしていくブログです。たまに、AV女優や、TVで見た巨乳のことなども書いています。左サイドにある「カテゴリ」から、それっぽい項目を選んでご覧ください。



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妄想の座敷牢羞恥の風ましゅまろくらぶ



小説には、連続作品と一話完結作品があります。連続作品は、左「カテゴリ」の各作品名より一話から順番に読むことができます。また「目次」には、各作品の概要などをまとめた記事が集められています。

■連続作品
◆長編作品
「子宝混浴『湯けむ輪』~美肌効姦~」

◆中編作品
「大輪動会~友母姦戦記~」
「青き山、揺れる」 ▼「師匠のお筆」

◆オムニバス
「母を犯されて」

◆短編作品
「育てる夫」  ▼「最後の願い」  ▼「ママの枕」  ▼「ブラック&ワイフ」
「夏のおばさん」  ▼「二回り三回り年下男」  ▼「兄と妻」

■一話完結
「ふんどし締めて」
「旧居出し納め・新居出し初め」  ▼「牛方と嫁っこ」  ▼「ガンカケ」
「祭りの声にまぎれて」  ▼「シーコイコイコイ!」  ▼「サルオナ」  ▼「母の独白」
「童貞卒業式」 ▼「お昼寝おばさん」  ▼「上手くやりたい」 ▼「珍休さんと水あめ女」
「栗の花匂う人」「乳搾りの手コキ」 ▼「妻つき餅」 ▼「いたずらの入り口」
「学食のおばさん便器」 ▼「山姥今様」 ▼「おしっこ、ついてきて。」

作品一覧

「青き山、揺れる」(32)

「けどま、腐っても女子アナだからな。あんたみたいなババアでも、世間にはありがたがる奴が結構いるからなあ。なあ?」

緑川は、白木の方を見る。彼の意図は、黄本に対する皮肉であった。それを分からない白木ではなかったが、はっきりと相槌は打たなかった。先輩への配慮もあったが、それよりも、祐子のことが憐れに思われだしたからである。

彼は腰の動きも止めてしまった。すると、その少し緩んだ彼の腕の隙間から、祐子は逃げようともがきだした。しかし、すかさず、

「おい白木、しっかり捕まえとけよ!」

との緑川の怒号が飛び、白木は再び祐子の尻を抱え込んでしまう。祐子の企てはあっけなく失敗に終わった。もうどうあがいても、彼女には絶望しかなかった。

対して、緑川はあっけらかんと言い放つ。

「もっとさっきみたいにガンガン突いてやれよ。どうせこの女、それ目当てで来てるんだからさ」

先輩の命令は絶対だ。白木はまたしても腰の動きを開始した。

「ウ、ク……」

祐子は啼いた。精神が萎えても、肉体は反応を返してしまう。それが肉棒を刻印された女の宿命だ。加えて、彼女の体はもう出来上がってしまっている。体の火照りも、愛液も、もはや止まらない。彼女の心には、情けない気持ちが充満していった。

確かに彼の言うとおり、性交を目的に来ているのは事実である。考えてみれば、こういう危険とは常に隣り合わせだったわけだ。一つ所とはいえ、複数の男と関係を持てば、それだけ露見する可能性も高くなるというものである。これまでそれをわきまえていなかった祐子ではなかったが、いざこのような状況に追い込まれてみて、切実にその迂闊さを感じるのだった。

そんな彼女に、緑川は情け容赦もなく侮蔑の言葉を投げかける。

「ほら、お望み通りチンポ入れてもらえて満足だろうが。あ? もっと啼けよ、ほら。いつもみたいにすげえ声出してイけよ。そのイき顔撮ってやるからさ」

彼はカメラを近づけて、舐めるように祐子の顔を撮影する。祐子は思わず顔をそむけたが、緑川は彼女の髪をつかんでそれを引き戻す。

「いたっ!」

祐子は叫んだ。しかし、緑川はそれに構うことなく言葉のレイプを続ける。

「オラ、エロ顔こっち向けろ。カメラ見ろ、カメラ。チンポ気持ちいいって言ってみろ。お客さんが見てんだろうが」

お客さん、すなわち、このビデオを見る視聴者のことだろう。どうして彼はそのようなことをするのか、何の恨みがあるのか、祐子には理解できなかった。日頃いづ美と行う性欲処理を祐子が代役するという形で、お互いに利害が一致しているのではなかったのか。

女子アナのハメ撮り流出、大騒ぎになるだろうな。ていうか、どっかに売り込んだ方が儲かるかな。あんたの会社に売り付けるとか。でも、それじゃつまんないから、やっぱ雑誌社かな……」 

緑川は、気ままにプランを練っている。もし本当になれば、どのプランにしろ祐子は身の破滅だ。肉欲は強かろうがこれまで真面目に生きてきた彼女にとって――その不器用さ故に、こんな力士との邂逅という度外れた発散法に行き着いたわけだが――文字通り致命的な話である。もはや生きてはいけまいとすら思われた。

スキャンダルを恐れて、この努素毛部屋へ来るのも適当に間をおいてきたことはあったが、その際心配していた状況よりも、これはけた外れである。周囲の人間も仰天どころの騒ぎではないだろう。

それの何が面白いというのか、緑川は笑いながら話す。

「けどこんなヤリマンで、ショック受ける奴もいるかもな。やりまくりでマンコも汚ねえし、ケツ毛もボーボーだし。案外売れねえかもな」

「やめてぇ……!」

祐子は消え入りそうな声で言った。その頬には涙が伝っていた。混沌とした闇が将来に向けて横たわっていく中で、彼女の意識は朦朧とし始めていた。


<つづく>




<目次>
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[2010/11/19 22:00] | 「青き山、揺れる」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
「青き山、揺れる」(33)

そこへきて、白木の肉棒が彼女のウイークポイントへ直撃する。

「グッ、ヒイッ! イヒィッ……!」

祐子は振り絞るような声で喘いだ。とっさに膣奥が引きつり、剛直を握りしめる。成熟した女体として、やむを得ない反応だった。

それを見逃す緑川ではない。

「どうした、気持ちいいのかよ」

下品に笑いながら、レンズを向けてくる。その冷たい光を感知すると、祐子は必死で自我を奮い起こすのだった。撮られることには、職業柄デリケートな彼女である。

(気持ちいいわけない)

こんな状況下で、性を満喫できるはずなどないのだ。だが、体はどうしても反応してしまう。それは自覚していた。性に熟達した肉体ならではに、今感じているのが快感であることは。しかし、表立ってそれを認めるわけにはいかない。

(違う! 気持ちよくなんかない!)

そうなってはいけないと、彼女は自分に言い聞かせた。

そんな彼女の葛藤を知ってか知らずか、緑川は新たな指令を下す。

「おい、体位変えろよ」

これも彼の気まぐれによるものなのだろうか。ともかく、白木は彼の求めに従って、祐子を後ろから突きだした。

「へへっ、バックも気持ちいいだろ」

祐子の顎を持ち上げ、その顔を真正面から映す緑川。確かに彼の言うとおり、体位を変えたことによって、また別な快感スポットに届くことは事実だった。おまけに、想定外の窮地に追い込まれたショックで彼女の意識には霞がかかっており、それが、こらえようと気張る焦りと相まって、返って淫唇を潤ませていく。

「後ろから突かれると、たまんねえだろ」

まるで時代劇の悪役のような口ぶりで、緑川は挑発してくる。すると、それが暗示のように体内に響いてくるから不思議だ。

「ウウゥ……」

祐子は、自我と劣情の間で必死に歯を食いしばった。それを崩すべく、緑川が言う。

「もっと激しく突いてやれ!」

その一言で、白木は一層腰の動きを激しくした。バチンバチンと、肌と肌のぶつかり合う音が室内にはじける。相撲の稽古よろしく、激しいぶつかり合いだ。もはや白木は、祐子に対する憐憫の情を乗り越えて、ただもうがむしゃらに肉欲に向かって突っ走るだけのようである。

「ンッ……ンフゥッ……!」

剛直がこすり上げる絶妙な摩擦に、祐子はもう断崖に追い詰められた気分だった。後ひと押しで、彼女の理性は淫乱の奈落へと落っこちそうだった。そうなればもはや、性を心から謳歌するのと何ら変わらない状態である。

そんな場合ではない、それは承知している。だが果たして、我意を張ったからといって何になるのだろう、そうも思う。もう事ここに極まった現状において、これ以上何を守るべきものがあろうかと。

女とは、一度開き直ってしまえば、後は肝の据わった生き物である。祐子も女だ。そんな諦めが、彼女を後押しした。

「ウッ……ウッ……アッ、アアッ、アアハァッ、アハアァッ――!」

とうとう彼女は、メスの悦びを謳い出した。


<つづく>




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[2010/11/20 22:00] | 「青き山、揺れる」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
「青き山、揺れる」(34)

それを見て、緑川は有頂天である。

「ハハハ――気持ちいいか、チンポ」

結果的に彼の言いなりになったことは癪だが、そもそも、性欲を処理しにわざわざここへ危険を冒して来るほどの彼女であるから、その淫乱な体質において、こうなることは自明であった。

「ギッ……ィヒイィィ……ッ!」

まだ辛うじて残る理性が、抵抗のために歯を食いしばらせる。だが、その表情たるや、もはや盛りのついた獣そのものであった。

と、その羞恥を倍加すべく、緑川が雑言を吐く。

「とうとう本性現しやがった、この淫乱マンコ。カメラの前でも関係なしに喘いでやがる」

「グッ……ウゥ……ッ!」

祐子の視線の先に、冷たいレンズが光る。その刹那、今一度後悔が迸った。だがもう遅い。既にいつも通りの自分を、そしてありのままのセックスをさらけ出してしまっているのだ。自分はもう、ただの女だ。肉欲のみで動く、一人のメスだ。

「ンン……ンハアァァ……」

諦めの情が、眉をハの字に形作る。性の奴隷と化した、心底情けない顔だ。

その顔を映像に収めながら、調子に乗った緑川が言う。

「そんなにチンポが好きか。ハハッ――じゃあ、こっちもしゃぶるか」

言いながら出したのは、自身の陰茎である。

祐子はそちらを見た。そして、何のこだわりもなく、口を近寄せていった。まったく思考力ゼロの行動である。

すると、意地の悪い緑川は、彼女のすぐ目の前で腰を引いて、股間を遠ざけてしまう。

「へへっ、やらねえよ」

祐子は顔を赤らめた。彼女はアーンと口を開いて、すっかり陰茎をくわえる準備をしていたのである。その当てをはずされて、なんとも間抜けな感じであった。

他方、相手はそれに構うことなく撮影を続ける。アングルは、豊かに垂れた彼女の胸を狙い出していた。それは突かれる度に前後にブランブランと大きく揺れて、乳輪を布団にこすりつけていた。その揺れ方のせいで、ただでさえ特徴的なものが、より女らしさを強調して見える。男根のせいで揺れているのだ、これほど女に満ちた動きはない。女の膨らみは、男根によって真価を発揮すると言わんばかりであった。

バチン、バチン――白木は巧みに腰を打ちつけて、そうして乳房を揺らす。だが、ある時ふいにその動きが止まった。

「アン……?」

思わず祐子も切なげに啼く。彼女の淫らな赤貝は、空になった腹のためにキュンと縮むような心地だった。

「どうした」

緑川が聞く。

「いえ、すいません――」

白木は遠慮がちに答える。何のことはない。暴発しそうになったのをこらえるために、一度抜いたのであった。祐子とのまぐわいでは、ままあることだ。だが、いつものように二人だけなら牧歌的な空気で終わるのだが、今日はほかにもう一人いるということで、そうもいかなかった。

その“もう一人”が口を開く。またしても悪だくみを考えついたらしい。彼は白木に言って、彼を一旦離脱させると、祐子に向かって言った。

「どうする? 今日もう終わりにしようか」

(あ……)

祐子は呆然とした。まだ明らかに途中だと思っていた。確かに撮影は困る。だが、とりあえず白木が終わる所まではやらねばならないだろうと勝手に思い込んでいた。

緑川は白木にも声をかける。

「お前も、もういいだろ。さっきイッてるし」

白木は無言だった。彼もまだやるつもりだったのだろう。が、先輩に命令されれば、どのみちやめなければならない運命だ。

祐子は思わず床を見た。そこには、先ほど白木が脱ぎ散らかした避妊具が落ちていた。今日はまだ、一つしか落ちていない。初めの頃に比べれば随分一回が長くなったとはいえ、いつもならまだまだ数は増えるところである。

「祐子さん、お疲れ」

緑川の手が首の後ろにずしりと乗る。彼の浴衣の裾がめくれた所から、その陰部が丸見えだった。その中枢の棒は、少しだけ水を含んで太っている。

祐子は、それをぼんやりと見ながら思案した。既にビデオは撮られてしまっている。ここでやめたからといって、なんになるのだろうと。先ほど開き直って以来、彼女の肉は火照ってしまって、今さら引き返せない状態になっていた。

と、そんな時だ。絶妙のタイミングで甘い言葉が差しだされたのは。

「どうする? もうちょっとする? イくまでする?」

(ああ……)

その誘いに乗ることが、堕ちるところまで堕ちることだとは分かっていた。しかし――祐子は唇を震わせた。そして、そこからかすれた声を漏らした。

「はい……」


<つづく>




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[2010/11/21 22:00] | 「青き山、揺れる」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
「青き山、揺れる」(35)

それは、生来の淫乱である祐子ならではの解答だったろう。あまつさえ、欲情しきった体と、捨て身の覚悟を備えている折りも折りだ。

「イきたいのかよ?」

緑川は重ねて問うた。祐子は再び頷き返す。それを見ると、彼は相変わらずニヤニヤしながら、白木に向かって指図した。

「祐子さん、イきたいんだってさ」

それを聞くと、白木は今一度腰を前に進めた。が、緑川はなぜかそれをとどめてしまう。その上で言うには、

「指でイかせてやれよ」

祐子にとっては期待外れもいいところである。別にただオーガズムに達しればいいわけではない。むしろ男を迎え入れられれば、達しなくてもいいぐらいだ。

(うそ……)

残念がる彼女を尻眼に、白木は実際に指で彼女の陰唇をいじくっていく。

「ア……ンフ……」

快感的刺激は確かにある。しかし、欲しいのはそれではない。にもかかわらず、指の愛撫によって、刻々と絶頂に近づいていく。

(や……だ……ア……イ、く――)

彼女は、極めてしまった。静かに、そして不本意に。

しばらく見守ってから、緑川が声をかける。

「イッた?」

祐子は答えなかった。申告したくなかったし、不満でもあったから。すると、緑川がこんなことを言ってきた。

「ちなみにだけど、チンポまだ立ってるみたいだけど――」

一筋の光が雲間から見えた、気がした。祐子は耳を尖らせて、次の文句を待つ。

「あいつイくまでさ――」

祐子はゆっくりと顔をあげていく。返事の準備は万端だ。

「続ける? 撮影?」

――がっくりときた。“撮影”――まだ抵抗感は否めない。が、彼女は頷いていた。それは果たして彼女なのか、別人が勝手に下したような判断だった。言い訳にすがらざるをえない女という生き物は、時にそんな無茶な仮定までする。

「じゃあ、こっち向いて言って」

緑川は、そう言ってレンズを向けてきた。祐子は反射的にそちらを見、慌てて視線をずらして上目遣いに彼を窺う。

「カメラに向かって言いなよ」

彼は悪魔のように囁いた。

「“チンポ入れて下さい”って」

(あ……あ……)

なんとバカバカしく、なんと破廉恥な行為だろう。祐子はその愚かしさに呆れた。だが彼女は、彼に輪をかけて愚か者だった。

「お願いしないとやめるぜ?」

彼に急かされて、彼女の口はひとりでに動き出した。

「チ、チンポ、い、入れて……」

言った途端、カーッと顔中が熱くなった。自分の声が自分のものと思えない。なんて下らないことを言っているのだろうと、彼女は己に驚き呆れた。今の羞恥は、自分に対する嘲笑から生まれるものだった。

そんな彼女に、緑川はやけに優しげに、そして残酷に言い放った。

「え? なんて? もう一回言って。今度はカメラ目線でさあ」

性悪極まる台詞だった。だが、そうと分かっていながら挑戦するのが愚か者である。

「チン……ポ、入れ……て、く、くだ……さい……」

そう話す唇、眼差しが、フレーム一杯に収まった。インタビューに答えるように、祐子は今、男根の挿入をカメラに向かって宣言していた。

しかし、緑川はそれでも納得しない。

「声ちっちゃい。それに、カミカミじゃん。それでもアナウンサーなわけ?」

確かに、さっきの言い方では、アナウンサーとしては不適である。普段なら、到底あり得ない発声・発音だ。曲りなりにも、祐子はアナウンサーである。緑川は、意地悪くもそんな現実問題を突きつけてきた。

「チンポ……い、入れて下さい……」

結局また言わされた。別に職業上のプライドからではない。できれば言いたくなんかない、彼女はそう強く心に叫んだ。が、

「もう一回」

非常にもオーケーは出なかった。彼は監督にでもなったつもりであろうか。だとすれば、祐子は差し詰め、ポルノ映画の主演に抜擢された女優といったところか。

「チン、チンポッ……入れて、下さ、いっ……」

彼女は繰り返した。すると不思議なもので、声に出す度に、それが現実となって重くのしかかってき、まるで暗示にかかったように、気分が高揚してくるのである。羞恥は依然ある、が、それも含めて受け入れられるようになってくるのだ。彼女はますます、奴隷のような根性に染まってきた。


<つづく>




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[2010/11/22 22:00] | 「青き山、揺れる」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
「青き山、揺れる」(36)

「チンポォ、入れて下さいぃっ!」

しまいには悲壮な声で叫んで、彼女はカメラに哀願した。もしこの映像をいつもの番組出演時と比較したら、何も知らない人は、その落差を信じられないだろう。ニュース番組のレギュラーを務めている彼女は、日頃、いかにも落ち着き払った風で上品に振る舞っているからである。

ところが今はどうだ。必死の形相で、狂ったように“チンポ、チンポ”と叫んでいるではないか。なんと浅ましい姿だろう。よくそんな人間が社会情勢を口にできたものだ。確かに人には色々な顔があるが、彼女が秘めていた肉欲の顔が、これほど激しいものだとは、一体誰が想像できただろうか。

「ハッハ――! こいつバカだ!」

破顔一笑、それまで監督ぶっていた緑川は、祐子を指さしながら笑い転げた。

「もうカメラの前とか関係ないんだ? でかい声で“チンポ入れて”だって。どんだけ変態なんだよ」

「チンポ……チンポォ……」

うわ言のようになおも言って、祐子は破廉恥にねだった。その視界に、ふと白木が映る。彼はじっとこちらを見ていた。その目は、軽蔑しているようにも、また憐れんでいるようにも見えた。

(ああ……)

恥じらいと嘆きが、心から出ていく。それは、そこに残っていたそれら全てであった。もう彼女には、何も恐れるものなどない。白木の視線を浴びたことで、返って吹っ切れた。それを象徴するかのように、秘裂から透明な蜜がドロリとこぼれ落ちる。

「どうしようもない女だな――おい、してやれよ」

緑川は白木に合図を出した。すぐさま白木が祐子の中に入ってくる。

「ン、ア、ア、アア――!」

彼女にとっては、これ以上ない褒美である。何もかも捨てた甲斐があったというものだ。その快楽に緩みきった頬をペチペチと叩いて、緑川が尋ねる。

「おい、どうだ。チンポ入ったか」

祐子は答えられなかった。なぜなら、入ったと感じた瞬間に、彼女は軽いアクメに達していたからだ。そうとは知らず、重ねて彼は聞いてくる。そこで我に返って、ようやく彼女も答えた。

「は、入っ……た、チン……ポ……!」

「気持ちいいか」

「気持ち、いい……!」

本当にアダルトビデオよろしく、実に下らない問答を行う彼らである。祐子はしかし、それを下らないとは判別できず、まるっきり夢見心地のような腑抜けた発音で、破廉恥な答えを並べていくのだった。

「気持ちいいってよお」

緑川は白木に教えてやった。わざわざ教えられなくても、白木にも聞こえている。彼は、このお節介な先輩を持て余すように、曖昧に愛想笑いで返した。祐子からは、その表情は見えない。だが彼女にははっきり分かっていることがあった。

「固ぁい……!」

思わず口に出して、彼女は言っていた。白木の肉棒は、彼がどういう心境かは分からないが、とにかく無類の固さを発揮していた。膣にとって、固い陰茎ほど嬉しいものはない。

「アアッ! アアッ! かたっ! かたいぃぃ、ィイイ! イイッ!――」

祐子は、闇に閉ざされた将来も忘れて、ただやけくそのように身も世もなく喘いだ。それを見て、呆れた振りをした緑川、

「こいつどんだけ淫乱なんだよ。ちょっとひくわ」

と、笑う。その言葉は、もはや祐子にとって、罵りにも当たらなくなっていた。

「いいか? イくか?」

彼に問われて、

「イくっ! いぃ、イくっ!」

気の置けない友にでも言うように、彼女は素直に返事した。その言葉通り、たちまち尻から脳天へと、凄まじい快楽の稲妻が駆け抜ける。

「イヒィィー……ッ!」

刹那、口角を横に引きのばして、祐子は悶え狂った。


<つづく>




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[2010/11/26 22:00] | 「青き山、揺れる」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
「青き山、揺れる」(37)

そして、ゼエゼエと肺からの深い息を交えながら低い声で喘ぐ。

「アア……アア……アア……」

快感の向こう側で得られる、深い満足の時間だ。焦らされたせいか、追い詰められたせいか、いつも以上に満足の度は大きかった。しばしぐったりとなる。

緑川はその様子を見下ろしていた。

「イきやがった――白木、お前は?」

ふと後輩の方を見る。それを急かされたと感じたのだろう、白木は、

「あ、もうちょっとで……」

と言いざま、猛烈に肉棒のピストンを送り込みだした。

「アッ、ンッ、アッ――!」

オーガズムに達したとはいえ、男に突かれれば、惰性で悦んでしまうのが女の体だ。祐子は、こんもりと盛った尻肉を震わせながら、その悦びに酔いしれた。

それを一瞥しながら、緑川は、白木の思惑とは違って意外な注文をつける。

「お前、イく時、顔に出してやれよ。好きだろ、顔射

彼は、後輩がそういう趣味のあることを知っていた。

「あ、はい」

反射的に答える白木。それは、先輩の命令が絶対だったからだが、内心では少し照れていた。いつもねだってやらせてもらっているとはいうものの、改めて他人に指摘されると恥ずかしいものだ。とはいえ、結果として願ったりかなったりではある。

彼は、十遍ほど素早く腰を振ると、最後に三発、バチンというけたたましい音を響かせて相手の尻を引き寄せ、やがてそそくさとゴール地点へと向かった。そして、装着していたコンドームを引っ張って取り外す。

「おい、顔上げろ」

一方、緑川は祐子の後頭部をつかんで、白木のためにお膳立てをしてやる。

「今から顔にザーメンぶっかけてやるからな」

彼は言って、カメラをセットした。彼が撮りたいのは、女子アナが顔面に精液をかけられる映像だった。

「へっへ、やっぱ、この顔使わねえとな。この商売道具をさ」

彼の言う通り、テレビに出る人間にとって、顔は商売道具にほかならなかった。その美醜が多額の価値を生む。彼の目的は、その価値を貶めることにあった。

「もう散々かけられてるんだろ、な? 顔面まで精液便所だな」

その台詞には、性器は元より、という意味が前提として含まれていた。実際、男たちの性欲の受け皿になっているのだから、言われる通りかもしれない、そう思う彼女には、もはやからかわれることによって動く心の持ち合わせが何もなかった。

「そんな汚ねえ面でよくテレビ出るよ。ザーメン顔でさあ。なあ?」

緑川は、またしても祐子に、彼女の仕事と立場という現実を一々喚起させた。すると、それが肉欲で温まった肉体と相まって、彼女に一層自分を諦めさせていく。

「謝った方がいいんじゃねえの? これ見てる人にさあ」

彼は言った。まったく根拠のない理論である。相手が罪人であることを前提に、野次馬が調子に乗って無責任に非難する時の論調だ。

だが、祐子はうなだれて言った。

「すみません……」

あっさりと謝った。彼女にはもう何も考えがなかった。

それをいいことに、緑川はさらなる謝罪の言葉を要求する。と同時に、白木に合図して、彼にいよいよ射精を促す。

白木は肉茎をしごきながら待っていたが、指示を受けて、その先端を的へと向けて近づいていった。そして控え目に一歩前で止まる、と、緑川に、もっと近付けと言われ、さらに進み出る。結局、祐子の鼻柱の脇に、亀頭を押し付ける形になった。

一方の祐子は、それを拒みもせず、緑川に吹きこまれた謝罪の台詞を、ただひたすらしゃべっていた。例によって、何度も何度も言いなおさせられながら。

「番組中、不適切な顔がございました。大変失礼致しました」

職業柄慣れ親しんだ表現で、謂れのない謝罪をする祐子。その表現は、さらにエスカレートしていった。

「いつもお見苦しい顔をお見せして、誠に申し訳ございませんでした」

自分を捨てた彼女は、どんな台詞も求められるままに言った。

「わたくしの顔は、精液のお便所です。男の人に射精してもらうための場所です。マンコです。マンコ顔です」

下らない称号も難なく受け入れていく。

「今までこんな顔でテレビに出て、本当にすみませんでした。私の顔は猥褻物です。私の顔は放送禁止です……」

そう話す彼女の頬を、涸れていたはずの涙がはらはらと流れ落ちる。表の態度とは裏腹に、体に刻まれていた深い喪失感が、本人にも無自覚に発露したものだ。それと同時に、股間からは粘ついた汁が湧いて出る。

「私は顔で交尾します。顔でおチンポしてもらいます。おチンポの顔です。顔面性器です」

そう話す彼女の上を、実際に白木のペニスが行き来する。彼は自身でしごきながら、いつしか相手の顔でもそれをこするようになっていた。まさに、顔面との交尾だ。

この顔でそんなことをされるとは、日頃の視聴者の一体誰が想像できたろうか。アナウンサーといえば、ニュースを読む間一人で画面を占拠する場合が多いが、それが全面猥褻映像に変わるというのだから、彼女の顔が猥褻物だというのも、あながち見当違いではないのかもしれない。

今しもいきり立った男根は、ベトベトにまとわりついた粘液を泡立てさえしながら、柔らかい頬や小鼻、唇、時には髪の毛をも巻き込みつつ、縦横無尽に祐子の顔を犯す。ここぞとばかり無茶苦茶に彼女をいたぶる白木は、いつになく乱暴だ。

「フ、ンワ、ア……」

固い肉棒と粘液の圧迫で、祐子は息苦しくなる。それほどの凄まじさだ、白木ももちろん射精感を昂らせていた。

「かけて下さい。祐子のどスケベな顔マンコで、イッてください! お願いします。顔マンコでイッて……」

そう彼女が懇願した時だった。

――ビュッ! 勢いよく、鼻筋を右から左へと、熱いほとばしりが横断した。立て続けに、二波、三波が、頬や唇にこぼれ落ちる。たちまちのうちに祐子の顔は、ドロリとした白濁液で彩られていった。

白木はその吐き散らかしを、なおも塗りたくるように腰を動かし、ようやく離れた。離れる時には、白い糸をダラリと引いていた。

「ありがとうございました。おチンポに顔射してもらいました。祐子のザーメン顔を見て下さい」

祐子は言った。精液のついた顔をカメラに見せながら。その頬は上気していた。

「私の顔はザーメンくさい顔です。精液のにおいが取れません。私の顔は、おチンポのにおいです。私は……私の顔は、マンコです……」

鼻腔に強烈な男臭さが入り込んでくる。彼女はそれを嗅ぐと同時に、先ほど来の余韻の延長で、じんわりとエクスタシーに達した。精神と肉体が混然一体となったエクスタシーだった。

彼女は最後にこう言った。緑川に言わされたのでありながら、妙に真実味のある言い方で。

「こんな顔マンコですから、もうニュースは読めません。顔マンコの私には、もうニュースは読めません……」

こうして彼女のレポートは終わった。彼女のアナウンス人生も、終わった。


<つづく>




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[2010/11/27 22:00] | 「青き山、揺れる」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
「青き山、揺れる」(38)

「あぁあ、きったねえ。よく顔にザーメンなんかかけられるよね」

精液まみれの顔を撮影しながら、緑川は、あっちへ行けという風に、手をひらひらと振った。

祐子はそれに言い返すことなく、ただぼんやりと虚空を見つめていた、その股間から、ダラダラと愛液を垂れ流しながら。未来を失った彼女を支配していたのは、もはや肉の悦びのみだった。これからは、それをよすがに生きていくしかないのだ。

ところが、彼女がそう思った時だ。思いもかけぬ所から救世主が現れたのである。人生はまだまだ捨てたものではなかった。

「ただいま! あ! 祐子さん来てたんですか」

突然部屋の戸を開けたのは、黄本であった。彼はすぐに、その場のただならぬ空気に気づいた。

「おい、お前ら、どうしたんだ」

それが救いの言葉となった――。


――その後、結局緑川は黄本によってビデオを没収された。祐子としては、事なきを得たわけである。すると、のど元過ぎれば熱さ忘れるで、また性欲に負けて通い出すのが彼女だ。まったくもって懲りない。

ただ、さすがに緑川に対する苦手意識だけは払しょくできなかった。それ以来何度も顔を、のみならず肌をも合わせてきたが、いつも、彼が居ると分かった瞬間から憂鬱であったものである。

それでも、彼女が彼を拒みとおすことはなかった。理由は四つある。

第一に、たとい嫌な相手であっても、男、それも力士であるからには、その体を欲してしまうという、彼女の肉欲のあまりに旺盛であること。第二に、以前の脅迫体験が強烈な印象となって心に刻まれたがために、それがトラウマとなって、彼に逆らいづらくなってしまったことである。

以上は、それぞれ別方面からの理由づけではあれども、以前からの彼女の性質や、常識的な想定からいって、十分に考え得る話ではある。一方、残りの理由は、必ずしもそうとは言い切れない、少なくとも彼女にとっては意外なものであった。

それは、第二に挙げた“トラウマ”とも関連することなのだが、彼に理不尽を強いられていながら、その過程で、彼女が快感を得ているということである。

俗に、Sだ、Mだ、なととは軽々しく言うが、自他ともに豪快な気質と認める祐子にとって、自分がマゾ的性質を持っていると知ることは意外であったし、そもそもそんな状態が本当にあることすら初めて知ったことであった。

だが、現に彼女は虐げられていながら、肉体的にも精神的にも性的満足を覚えていたのである。これが第三の理由である。

そして、最後の理由は、彼、緑川に特有のものである。それは、彼の体、はっきり言うと、彼の男根が抜群に良いことであった。今や祐子は、破廉恥にもそのことを明らかに自覚していた。

もちろん、上述の通り、彼との間の主従関係めいた圧迫が作用している点は否めない。しかし、それだけでは語りおおせないのも事実なのだ。体の相性が良い、などと世間では言うことがあるが、ひょっとしたら、祐子と緑川もそういう間柄なのかもしれなかった。

緑川は、特別テクニックが優れているということもないし、第一愛撫をほぼやらない彼なので、それがあったとしても発揮されることなどない。だから、彼とのセックスで得られる快感は、専ら陰茎による直接の刺激であった。それが、良いというのである。

元来、男根そのもので気持ち良くさせられるのが、男らしく・好ましいことであると思っている祐子であるから、彼のセックスは望ましい形ではある。ただ、緑川の場合それだけではなく、男根自身が彼女にとり好みのタイプなのだ。

彼は、体格は小柄ながら、陰茎のサイズはかなり大きな方であった。太さも、また長さもある。しかし、女にとって、そういう事情はそれほど重要なことではない。では何がポイントかというと、強いて言えば、形ということになるが、結局のところ、それは入れてみないと分からないということで、実際祐子も、そうやって判断し彼に惹かれたのである。

という、以上の理由があって、初めはいつも抵抗を覚えるのに、最終的には必ず彼に従ってしまう祐子なのである。

今しも、彼に携帯電話のカメラを向けられて嫌な顔をしながら、彼女は命令に従って、またもやレンズの前に痴態をさらそうとしているのであった。


<つづく>




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[2010/12/01 22:00] | 「青き山、揺れる」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
学食のおばさん便器

『学食のおばさん便器』



“学食”――それは、淫靡な響きを持って心に響く単語だ。あの青春の日々は、今なお記憶の中で妖しい光沢を放っている。

そこが、食欲と同時に性欲をも満たす場であることは論を待たない。“男子校”“学食”“おばさん”とくれば、世間でも周知の事実であろう。実際に通った者でなければ、あるいは婦女子ならば知らぬこともありえようが。

私も、世話になった男の一人である。そうして、男子校出身者のおそらく大多数がそうであるように、彼女らによって“男”にしてもらった人間である。

「学食行ってくる」

それは、ある種の隠語であった。中には、

「便器行ってくる」

などと、ややあからさまに言う者もあった。もっとも、普段の会話の中で彼女らを指す言葉は、そのものズバリ“便器”であったが。

我が校には、便器が三つあった。私が在籍していた当時は、当初、谷田さん、長谷川さん、それともう一人、ひょろ長く地味な印象の人がいたが、この人の名前は失念してしまった。いずれも五十代以上、下手をすると六十代にまで手が届いていたのではないかという人たちである。母親よりも年上だったろう。

それでも私は精勤に通った。恥ずかしながら常連であった。しかし、弁解をするわけではないが、経験者ならば共感してもらえるだろう。あの年頃の男というものは、頭の中まで精液が詰まっていると揶揄される位、実際性欲旺盛なのだから。

だから、いきおい依存症にもなる。手近な快楽に甘えてしまう。たとえ、怪物じみた相手であっても、女であれば使ってしまうのだ。

女、いな、彼らは便器であった。明らかに恋愛の対象外のその容姿から、そう蔑んで(というより、実際には無邪気に、何の疑いもなく口にして)いたのであったが、加えて、相手の人格に関係なく、入れて、出すだけという観点からも、そう呼ぶのがふさわしかった。

我々にとっては、彼らの“穴”だけが興味の対象だったのである。それ以外の場所は関係なかった。穴さえあれば良かったのだ。そういう点から見ると、それは、セックスというよりオナニーと言うのが適切であったろう。相手を慮らないので、自分ひとりでやっているのと何ら変わらなかったからだ。

学食の棟へ行って、彼らの詰め所に入り、そこに並んだ三つの穴のうちの一つに男根を挿入、そして射精。この一連の流れが、単調な学生生活の中で最も代表的な日常として繰り返された。私は、授業の時間割や教室での振る舞いなどは一切覚えていないが、あの淫欲に染まった日常だけは今でも忘れることができない。

ほかの者もそうではないだろうか。男としては、やはり一番強烈な思い出ではないだろうか。卒業生が集まって、あの頃の思い出を語れ、と言われれば、必ず早い段階で“学食”という言葉が出るはずだ。それは、仲間意識を確認するのに欠かせない、共通のキーワードである。

今なお、あの時の感覚はまざまざと思い出される。そこへ行く日は、登校時からムラムラとして落ち着かなかった。行ける日は、前もって決まっていた。何しろ、在校生に対して三つしかない便器であるから、毎日大変に混みあう。それで、あらかじめ整理券が発行されて、何月何日の何時何分が自分の番だと指定されるのである。

この予約設定は結構シビアで、一分でも遅刻するともう受付られなかった。そういう場合は、次の者が即繰り上がる。大体数人、多い時で十数人は常に順番を待って控えていたものだ。といっても、控室のようなものはないので、部屋の戸の前から階段にかけて列をなすことになる。

室内にたむろすることは、便器が許さなかった。特に長谷川さんが恐く、彼女の剣幕には誰も逆らえなかった。私語もほぼ禁じられたし、外で待つ間でもやかましければ、その時他の者との最中であっても関係なく、注意しに出てきた。いわゆる鬼ババだった。

谷田さんにも似たような迫力があったが、この人の場合は時間にうるさかった。彼女が管理する帳面には、誰がいつ利用したか、そしていつ予約しているかが克明に記録されており、これは入り口に広げてあって、利用者はまずその内の自分の欄にチェックをしてから行為に及ぶことになるのだが、これにもたもたしていると、怒声が飛ぶのが常だった。

また、制限時間にはいずれの便器も厳しかった。持ち時間は一人五分である。これに例外はない。延長も許されない。時間が来れば、途中でも退出させられる。だから皆、タイマーを気にしながら必死で腰を振った。タイマーは、三十秒前になると音が鳴るようになっていた。こういうシステムの都合上、遅漏の者は大変だったろうと、他人事ながら思う。

ちなみに、私が学食の便器を使う時は、必ずバックを選択した。それが早く済ますのにうってつけだったのもあるが、むしろ、顔や体などの余計なパーツの情報をシャットアウトして、穴だけに気持ちを集中させるためという理由が主だった。まさにオナニーである。そういう意味では、私は特にドライな性質だったかもしれない。

もっとも、ヌきだけを追求していくと、結局そういう形に落ち着くものだ。挿入以外も行えはしたが、これは全くいらざるサービスであった。

フェラチオなぞは、普通だったら喜ばしいオプションであろうが、あれは多少なりと魅力を感じる女性にしてもらって、初めて興奮するものだと思う。不細工な顔たちに股間に寄ってこられても、しかも挿入よりはるかに劣る刺激でなされても、ちっとも気持ちよくなんかない。

ところで、時々、便器と自分たちとどっちの立場が上なのか分からなくなることもあった。こちらの性欲に従わせているのだから、自分たちの方が上のようであるが、ルールを作るのはあちらであって、それに従わなければならない制度であるからには、便器の方が上かもしれないのである。

おまけに、我々は流れ作業で、ただただ精液を消費させられるだけという面もある。初体験の時もそうだった。こちらが初めてであろうと、向こうは知ったことではない。他の者と同じように、淡々とあっという間に済まされた。思い出も何もあったものではない。まるで、ベルトコンベアーに乗せられた商品のような感じであった。

それでも、私たちは納得していた。たとえ管理された射精であっても、それでよかった。それは、私たち自身が自主的に行っていると信じていたためもあったが、何よりも、どんな膣であっても入りたいと言いきれるほど、あの頃の性的好奇心が強かったからである。

ただ、やはりセックスは、相手あってのものだということは間違いない。本当に、相手の顔かたちでどうしてあんなにも気持ちよさが違うのだろうと思う。というのも、現実にそう実感させられる出来事があったからである。




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[2010/12/10 22:00] | 一話完結 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
「青き山、揺れる」(39)

「けど、あんたさあ、テレビ出る人間のくせに、よく顔にザーメンぶっかけさせたりできるよね」

緑川は早速口撃を始める。彼が言わんとしていることは、例によって、日常の彼女の評判を貶めるものであった。

それにしても、確かに指摘の通り、顔面をセックスに使わせるというのは、相変わらずの彼女の迂闊さではある。彼女とて、自分のパーツの商品価値を把握していないわけはないはずだが、それでも求められれば受け入れてしまうのである。

あるいは、彼女のマゾヒズムが、返ってそうやって自分の大切な部分を穢させようとしているのかもしれない。顔に精液をかけられるというのは、一般の女性にも屈辱的なものに違いないが、この場合有名人として特別な価値のあるそれをさし出すことによって、より強烈な性的興奮を得ようとの精神の働きというわけである。

「なあ、顔マンコ」

今やすっかり定着した愛称で呼びかけながら、緑川は自身の陰茎を露出し、それを彼女の頬に乗せた。そして、その図をカメラに収める。

(あぁ……)

倒錯した感情が、祐子をよろめかせる。一つには、著名人としての自らの将来が、またもや奪われるかもしれないという危機感、かつ一方で、それほどまでに自分を追い込んでいるとの意識からくる理不尽な高揚感。

それらあらゆる感情は、最終的に、ズシリとのしかかってくる陰茎の重みによって、一つの自堕落な方向へと押し流されていく。

(重い……)

ペニスは重い。だがその重さが心地いい。白木の場合もそうだが、この重さがどれだけ女にとって憧れであり、安らぎを与えてくれることか。頬にそれを感じるだけで、一種恍惚となってしまうほどである。

さらに、それで顔面を犯されること、それはもはや幸せをすら感じさせるものだ。ただ、今日の場合、犯されるというのとは些か状況が異なるようだった。

「この顔使ってさ、勃たせてみろよ」

彼は言った。その趣意は、顔で男根を愛撫しろということである。

既に今日は二本の男根を経てきたこともあって、加速度的に性に開放的となっていた祐子は、もはやこんな破廉恥な命令にもたじろがなかった。つい先ほど、ビンタをされてショックを受けたこともあったが、逆にそれがトラウマと被虐嗜好を目覚めさせたものとも見える。

陰茎は、まだ平常の状態だった。挿入するには、いずれ勃起させなければならない。そういう合理的観測も背景にあった。

祐子は、ゴクリ、と生唾を飲み込むと、やがてズリズリとやりだした。両手でそれの根元を支え、頬にこすりつけ始める。“顔を使って”の意味を、瞬時に理解した彼女だ。顔面を性の道具に用うるという認識は、すっかり常識であるらしい。

だがその実行の仕方は、まだ緑川の気に染むものではなかった。

「手を使うな」

号令一下、祐子は両の手を背中に組まされた。まさに、顔だけで陰茎を愛撫しろというわけである。彼女は言われた通りにした。正座に近い姿勢で前のめりになって、股間に突っ伏していく。その格好は、傍から見ると異様で、かつ間の抜けたものだった。

陰茎は、顔の上を端へ端へと逃げ回る。勃起していないそれは、手で固定しない限り安定しないのだ。よって、中々しごくという動作にまで至れない。それでも彼女は、懸命にそれを行った。そうすることで彼への忠誠を示したかったし、他方、コリコリと感じるその感触が心地よかったからである。

しかし、祐子の満足がイコール緑川の満足とはならなかった。

「そんなんじゃ勃たねえよ。もっと考えろ」

彼は命じた。祐子は言われた通り考え、そして一つの結論を出した。口を開き、舌を伸ばす。チロチロと、それで肉茎を摩擦しだす。フェラチオの一環である。だが、相手はその営業努力のさらに上を要求してきた。

「よぉし、それやりながら顔でコけよ」

祐子は、舌で陰茎から陰嚢までを舐めつつ、顔にそれらを押し付けてこすることにした。たちまちのうちに、顔中唾液まみれになる。

「へっへ――あんたマジで顔マンコだな。チンポ専用の顔だわ」

緑川の、そんな意地悪な台詞も、今や彼女を辱めるには至らなかった。彼女はもう、夢中で男の股間を顔面愛撫していた。むせ返るような男のにおい、獣を思わせるそのにおいが鼻腔から肺に充満していく。唾液の海には、いつしか精液の先走りが混じりだしていた。それに伴って、柔らかかった突起が、次第に太り固さを増していく。

(素敵……)

みるみるオスのあるべき姿へと成長を遂げていくペニス、自分の顔で育て上げたペニスだ。祐子は、誇らしさと嬉しさを感じながら、立派になったそれを慈しんだ。

(あぁ、おチンポ……わたしの顔マンコで大きくなって……)

完全に顔面を膣に見立てた交尾を肯定し、祐子は狂おしく男根と戯れる。既に念願の勃起は達成されていた。となると、顔面交尾もいいが、やはりあるべき場所にそれを迎え入れたい。何しろ、絶頂は確約されている代物なのだ。

(欲しい、欲しい――)

お預けを食わされる犬のように、チラチラと主人の方を窺う祐子。精嚢に鼻を突っ込めば、そこはいかにも精液が詰まっていそうにズシリとして、否応なしに期待を煽られる。彼の体も、とうに準備万端のはずだ。もちろんメスの体は、いつでも合体オーケーである。

ところが、そんな彼女を待ち受けていたのは、緑川の非情な一言だった。

「やっぱ今日やめとくわ」


<つづく>




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[2010/12/11 22:00] | 「青き山、揺れる」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
「青き山、揺れる」(40)

祐子は耳を疑った。彼はその理由をこう説明する。

「なんかもうきったねえし、やる気なくすんだよね」

それは、彼女の顔が唾液まみれであることだけを指して言うのではなかった。つまり、既に二人の男に抱かれた後の祐子の体自体が、汚く見えるというのであった。

「だって嫌じゃん。ほかの奴の後とかさ」

いけしゃあしゃあと彼は語った。

(そ、そんな……)

祐子には、ぐさりと突き刺さる言葉だった。確かに、相手の男性からすれば、他の男と交わった後の女とやるのは気が引けるかもしれない、そのことは、元々容易に想像がついていたからである。ただ、あえて意識しないようにしてきた。自分の欲求を優先してきたわけだ。

しかし、とうとう緑川はそれを指摘してきた。痛い所を突いてきた。考えてみれば、これまで何の不満もなかった方が、奇跡だったのかもしれない。今日のような段取りは、既に何回も経ていたからである。

彼はさらに、別な視点からこんなことも言った。

「あんたも、もういいでしょ。散々やったんだしさ」

(それは違う!)

祐子は心に叫んだ。黄本や白木とは確かにまぐわった、が、美味しいものは別腹、目の前にペニスがあれば、やはりそれもくわえたいのだ。誠に欲張りな彼女である。

(だって勃起してるのに!)

眼前の陰茎は、種付の用意に勇んでいた。なのに、これを使わないとは、全く不可解な話である。だが、自分のことを汚いと言われた今、やはり諦めるしかないのであろうか。

祐子は悶々とした。その様子は、表情にもありありと現れていた。緑川はそれを察知すると、彼女を試すように言った。

「欲しい? やっぱり」

「欲しい!」

祐子は即答していた。

「おチンポ……ちょうだい?」

恥も外聞もなく媚びた。どんなにプライドを売ろうと、これで目当てのものが手に入るなら安いものだと思っていた。彼女はもうすっかり、緑川の術中に落ちていた。

「ハハ――やだね。だって汚ねえし」

彼は意地悪く笑った。ちょっと見た感じ、二人はじゃれ合っているように見えないこともなかった。だが、祐子は必死である。

「そんなにしたいんだったらさあ」

緑川は言った。すわ助け舟か、そう思って祐子は身を乗り出す。どんな条件でも飲むつもりだ。もうこうなったら、撮影でも顔面交尾でもなんでもありだ、と。だが、相手が持ち出したのは、またもや新しいアイデアだった。

「そんなにしたいんだったら、自分でしなよ」

「え?」

祐子は聞き返す。騎乗位のように、自分から入れればいいのだろうか、そう思った。しかし、

オナニーすればいいじゃんか」

ニヤニヤ笑いながら言い放つ緑川。

「ええっ?」

祐子は呆気にとられた。人前で自分を慰めるなんて、そんなオナニーがあるだろうか。もし一人きりだったら、やむを得ずそうして慰めたには違いないが。

「したいんだろ? でも俺はやる気ないからさあ、仕方ないじゃん。これオカズにしながらやんなよ」

彼は、そう言って腰を前に突き出す。依然勃起している肉茎が、目の前で微かに揺れた。

(ああっ、欲しい!)

鼻先に突き出されたそれを見て、祐子はもぞもぞと腿をすり合わせる。欲しい、だが入れてはもらえない。そんな気分を穴埋めするのは、いつもならもちろん“指チンポ”、彼女の旦那様だ。

(それはそうだけど……)

公開オナニーなんて前代未聞である。考えたこともない。だが、この切なさはどうしても埋め合わせたい。彼女はむずむずとした。

目の前では、緑川があえて揺らす肉棒が、ブオンブオンと空を切っている。それが欲しい。どうしようもなく欲しい。しかし、自分の体が汚いのだから、それを叶えてもらえないのは仕方がない。

(叶わない……叶わないなら……)

どうせ入れてもらえないことが分かっているなら、もはや致し方ない。祐子は股間に手を伸ばした。もう我慢の限界だった。早くいじりたくて仕方がなかった。何しろ、職場でも我慢ができなくなるほどの女なのだ。

それに、生の肉棒を、彼の言うごとく“オカズ”にするというのも、それはそれで興味深かった。ある意味、オナニーとしては豪華なものだ。どこまでも前向きな彼女である。

そうして彼女は、合体は諦めた代わりに、出来る限りそれに顔を近づけることにした。くんかくんかと鼻を鳴らして男根のにおいをかぐ。その時秘唇からは、例によって大量のよだれがあふれ出ていた。まるで祐子は、“待て”を命じられた飼い犬のようだった。


<つづく>




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ひとみの内緒話
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[2010/12/13 22:00] | 「青き山、揺れる」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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