おことわり
R18
このブログには、エッチなことがたくさん書いてあります。まだ18歳になっていない人が見ていい所ではありません。今からこんな所を見ていると、将来ダメ人間になってしまいます。早くほかのページへ移動してください。

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なお、掲載している小説はすべて虚構であり、実在の人物・団体等とは一切の関係がございません。

    
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「オナこもりの小説」は、エロ小説を気ままにアップしていくブログです。たまに、AV女優や、TVで見た巨乳のことなども書いています。左サイドにある「カテゴリ」から、それっぽい項目を選んでご覧ください。



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妄想の座敷牢羞恥の風ましゅまろくらぶ



小説には、連続作品と一話完結作品があります。連続作品は、左「カテゴリ」の各作品名より一話から順番に読むことができます。また「目次」には、各作品の概要などをまとめた記事が集められています。

■連続作品
◆長編作品
「子宝混浴『湯けむ輪』~美肌効姦~」

◆中編作品
「大輪動会~友母姦戦記~」
「青き山、揺れる」 ▼「師匠のお筆」

◆オムニバス
「母を犯されて」

◆短編作品
「育てる夫」  ▼「最後の願い」  ▼「ママの枕」  ▼「ブラック&ワイフ」
「夏のおばさん」  ▼「二回り三回り年下男」  ▼「兄と妻」

■一話完結
「ふんどし締めて」
「旧居出し納め・新居出し初め」  ▼「牛方と嫁っこ」  ▼「ガンカケ」
「祭りの声にまぎれて」  ▼「シーコイコイコイ!」  ▼「サルオナ」  ▼「母の独白」
「童貞卒業式」 ▼「お昼寝おばさん」  ▼「上手くやりたい」 ▼「珍休さんと水あめ女」
「栗の花匂う人」「乳搾りの手コキ」 ▼「妻つき餅」 ▼「いたずらの入り口」
「学食のおばさん便器」 ▼「山姥今様」 ▼「おしっこ、ついてきて。」

作品一覧

湯けむ輪(68) 00:42

子宝混浴
『湯けむ
~美肌効


こだからこんよく
ゆけむりん
びはだこうかん






――午前零時四十二分


間髪入れず、二人は男女の仲となった。浪岡に断る選択肢は用意されていなかった。

「どや、エエ具合やろ」

渡瀬が背もたれの後ろからささやきかける。

「あ、ええ……」

浪岡は少し声を震わせながら答えた。ピクリ、ピクリと尻を痙攣させながら。

倫子にはその震えが体の内側から直接感じられていた。彼女は今、運転席にいる彼の股間の上にまたがっているのである。

ふいに話し声が聞こえて、彼女は横目で窓の外を窺った。やや離れた所を、榊原、矢板、そして夫が談笑して通り過ぎて行く。少し身を低くして彼らをやり過ごす。そんなことをしても結果に大差はないのだが。

「料金分、しっかりサービスしぃや、奥さん」

渡瀬はそう言いながら、煙草に火をつける。“料金分”といっても、ワンメーター。深夜の割増し料金でも、紙幣を必要としない金額である。随分安い額で売られた体だ。

もっとも、彼女にとって額面の多寡はこの際問題でない。ただ犯されるという事実が存在するだけだ。どういう状況であろうと、この期に及んで関係ないのである。

倫子は、相手の肩に手を引っかけつつ肘をそのシャツにくっつけて体を密着させ、べったりと彼に覆いかぶさっていた。無論男は仕事着のままであるので、一つ行為に共に励んでいても、傍目には素っ裸の彼女だけが恥ずべきことをしているように見える。もっとも、彼も我慢できなくなったのか、中途から下半身の被服をずり下ろしはしたが。

浪岡はいざことが始まると積極的であった。つかんだ尻を揉みくちゃにした上、ペッタンペッタンと餅つきのようにその肉を弄んだ。そうして結合部の摩擦を激しくするのである。一種の開き直りであろう。元来が規範意識の低い人物であったのだ。初めから性的好奇心を隠しおおせていなかった。そこへ来て吹っ切れたようである。

彼にせがまれて、倫子は口づけを交わした。端から拒む意思はなかった。肩に置いていた手を、徐々に首の後ろに回していく。自然とそうなった。互いの唇の膨らみが、こすれる度にツヤツヤと濡れそぼっていく。それもそのはず、二人の唾液や、先ほど吸着した浪岡のペニスの汁が盛んに混ぜ合わされているからである。クッチャクッチャと、食事中に立てれば眉をひそめられるような下品極まりない音が口辺から漏れる。濃厚という表現がまさに適切なベーゼだった。

「妬けるなあ、おい」

二人の様を見た渡瀬が、隣に向かって話す。すると、藪塚がそれに答えようとした時だった。

“コンコン”と、窓を叩く音がした。車中の皆が見れば、そこにいたのは榊原と矢板である。渡瀬は窓を開けた。

「中々来ぇへんから見に来たら……そういうことかいな」

榊原は言った。

「はよしぃや。今さっき電話あってな、ウーちゃんから。“まだか”いうて――」

彼の話では、先発隊の同志から催促の連絡があったということである。先方はこれから行く店に入っているらしい。しかも、そこに何やら趣向が用意されているということだ。それはやはり、倫子抜きには語りえないというからには、彼女にとっては喜ばしくない趣向に違いなかった。

この辺の事情には、既に渡瀬も矢板も通じているようだ。だがそれを踏まえた上で、渡瀬は言った。

「ちょっとだけ待ってぇな。今この女にタクシー代清算させてるから」

この言葉に車外の二人が興味を示す。渡瀬は事情を説明した。それを受けて矢板、

「だったら、こっちの運転手にもそうすりゃよかったな」

と、悪びれもせずに意見を述べる。

「そやな。そやけど今時間ないから、帰りにそうしょうか」

榊原もうなずいて、ちらりと後ろを見た。連られて他の者もそちらを見る。すると、慌てて目をそらすドライバーの姿が見えた。彼はその場に停車したまま、前方の様子を密かに窺っていたものである。

そこから思いついて、榊原が言った。

「しかしこれ、丸見えやで自分ら」

彼の指摘を受け、渡瀬も外に出てみる。見れば、確かにガラス越しに倫子の背中がよく見えた。何せ裸であるものだから、暗がりでも特にその白い肌が確認しやすい。しかもそれが妙に揺れ動いているのだから、現場での違和感は隠しようもなかった。

「自分ら、走ってる最中もヤッとったやろ。あれも丸バレやったで」

それを聞いて少し照れた振りをしながら、当事者であった藪塚も外に出てきた。彼はつい今しがたまで、自身の肉竿を密かにしごいていた。もし時間がないと言われなければ、次にまたやるつもりだったのである。

「でも、当の“本人”は気づきませんでしたよね」

矢板が横から口を挟む。榊原、それを聞いて笑いながら言った。

「そうや。ちょうどそん時や、今言うた電話があってやなぁ――」

「ついさっきも横を素通りでしたし――」

「なあ! 奥さんには悪いけど、あんたの旦那、あれちょっとアホやで」

二人は笑いながら倫子の夫を愚弄した。当の倫子はその会話をBGMに、浪岡の股間で裸踊りである。それを見つつ、榊原は言葉を続ける。

「ほんで奥さん、あんたまたわざわざこっち見ながら腰振ってたやん。ようやるでほんま――」

と、そこまで言って、彼はもっとすごいことを思いついたらしく、パチンと手を叩いた。

「そや! ほんであんた、途中で車停めて外出てきたやん! あれにはびっくりしたわ。無茶苦茶するでほんま」

これには渡瀬が応じた。

「この女もアホや。夫婦揃って、どうしようもないアホやわ」

男達は嬉々としてその時の感想を言い合った。後ろの車からも、当然に倫子の行動は確認できていた。但し、夫のみは気づかなかったという。いくら電話に気を取られていたといっても、また矢板が気を使ったといっても、いささか鈍感が過ぎはしないだろうか。倫子の頭の中で“アホ”という単語がグルグル渦巻いて、彼女はめまいを覚えた。

と、そこへ、下にいる浪岡からかすかな声が届く。

「ウゥ……ッ、出る……」

たちまちほとばしる熱いエキス。浪岡は彼女の尻を力いっぱい引きよせて、根本までしっかり埋め込んだ状態で射精した。その上で、引き続き濃厚なキスをお見舞いする。

「ンッ! ンンフッ!」

倫子は、目まいの中で脳天からしびれて啼いた。太りきった海綿体で押し広げられた内壁にその青筋の脈動が直接伝わったかと思うと、突き当たりに引っ付いた射出口から勢いのよい子種があふれ出てそこに跳ね返っていく。しかもそうされながら、隙間ない接吻で口を塞がれるのだ。

こんな強烈な子作りはいつぶりだろうか。もし日頃だったら、絶対に子供ができたと直感するレベルであると彼女は考えた。要するに、メスとして究極に満足を得られた状態、女体が喜んでしまう境遇に持っていかれたのである。いや確かに、今日は何度も膣内に注ぎ込まれてきた。だが、先ほどの袋田の時といい、ここへ来てさらに壁を越えたような、何かが取っ払われたような心境になってきたのである。そしてこのことは、倫子の精神にもはっきりと自覚できる段階にまで至っていた。

「ンフゥー……ンフンー……」

彼女は鼻息荒く、腰を微動させた。最後のご奉公だった。浪岡の尻はこそばそうに痙攣していたが、倫子の尻肉も細かく揺れていた。こうして彼女は、きっちりと清算を終えた。


<つづく>


現在時刻0:48(4時間55分経過)
挿入された男根=26本
発射された精液=58発(膣31・尻12・口6・胸5・顔2・手2)



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[2011/12/17 00:42] | 「湯けむ輪」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
湯けむ輪(67) 00:40

子宝混浴
『湯けむ
~美肌効


こだからこんよく
ゆけむりん
びはだこうかん






――午前零時四十分


次なる倫子の仕事は決まっている。彼女は運転席の方へと倒れ込むと、そこにある股間に顔をうずめていった。

「わ、危ないですよ」

ドライバーはそう言って、いかにも職務で手一杯な風を装って見せたが、その実期待満々であることは誰の目にも明らかであった。彼の名は浪岡(なみおか)と、助手席前のネームプレートには記してあった。

「こ、困りますよ……」

あくまで被害者の体を貫く彼の言葉をよそに、倫子は着々と作業を進めていく。後ろの席でやいやい言っている、渡瀬の指令に従ってである。間もなく現れたペニス。勃起していた。倫子は黙って唇をそれへかぶせていく。

「あ、危ないですから……」

浪岡はまた言った。倫子の乳房はギア類を押さえつける形になっており、確かに不安定この上なかった。しかも走行中に性交渉するというのだから、危険運転極まりない。

それについて渡瀬が、憶測で勝手なことを言う。

「いやあ、運ちゃんやったら慣れてるやろう。しょっちゅうこんなこと女にさせてんのちゃうん」

「あ、ありませんよ、そんなこと!」

浪岡は即座に否定した。

「うそやん? お金の代わりに体で払え、言うて、やらしいことしてんのちゃうのん」

「いや、ないですって」

渡瀬はなおもからかったが、やはり浪岡は真っ向からこれを退けた。いかにも酔っ払い客の言いそうな猥談ではあり、もしここに倫子がいなければ、ただ毒気のない話で済んだだろう。

だが実際には、猥褻そのものの行為を彼女が今まさに実行中なのである。こんなことは夫にもしたことがない。今日はそんなことばっかりだ。彼女が思いつきもしないこと、知らないことばかり。もちろんこの、運転中にフェラチオするなんてこともしかり。

浪岡ときたら、口では消極的なことを吹いていたくせに、その勃起たるや威勢隆々である。倫子は窮屈な姿勢で彼の腹の下に顔を寄せていたが、それの暴れん坊ぶりにはほとほと手を焼かされた。何しろ走行中の車内のことであるから、いかに些細な揺れとはいえ影響が甚大なのである。棒きれは己は気楽に快楽を要求するくせに憎々しいほどに安定せずグラグラ揺れるし、片や倫子も居場所が定まらないためにシートの端をつかみつつ肉棒をつかんでと右往左往の有様である。

ただ、その苦労も多少報われたことには、

「どや、奥さんおしゃぶり上手いやろ。気持ちエエやろ」

と渡瀬が問うたのに対して、

「はい」

と、浪岡が今度ばかりは素直に返答したことであった。

倫子の唇は、一層ぬめりを帯びて亀頭を締め上げていく。鼻息も荒く、乱れ髪を揺さぶって。肉棒はたちまちに全身濡れそぼった。初めてのことを初めての人にする、そういうことは確かに高揚感を生むものだ。今この瞬間、彼女は浪岡に従属し奉仕する心となったのであった。

その様を評して、別の観点から渡瀬が語る。

「えらい熱心にしゃぶっとるやないか。ほんまにマゾやで、この女」

顎でしゃくって、隣の藪塚を見る。藪塚もうなずき返す。

“マゾ”という単語の真意を、倫子ははっきりとは計りかねたが、それでもなぜかしっくりと自分に当てはまるように感じた。なんとなれば、渡瀬らが言うのだからそうに違いないとも思った。これだけひどい目に遭わされ続け、貶められ落ち切った底の底で、彼女は身分を確信したのである。いつぞやの境地はまだ最低ではなく、さっきの店で夫までも貶められ、すなわち彼女の日常に決別をさせられて、さらに下があることを悟らされたのであった。

改めて倫子は浪岡の下腹に頬を持たせかけながら、そそり立つ竿をうっとりと潤んだ瞳で見つめ、それを優しく握った手で慎重に上下に撫でさすった。粘液のおかげで、手はツルツルと滑る。

「そや、運ちゃん」

ふいに渡瀬が思いついて言った。

「さっきの話やけどな。これのタクシー代、こいつの体で払わすいうのはどうや」

それはなんと、最前の猥談で出た話題を現実化するという、なんとも突拍子もない申し出であった。元が元なだけに、例えようもなく下衆な提案である。

「え、え?」

浪岡、大いに困惑している。それもそのはずである。とてもまともな輩の言うことではない。こんなヤクザまがいの客には、できれば関わりたくないものである。が、一度でも旨味を享受してしまったら後の祭りだ。

「なあ、どやねんな。このまま口でええんか?」

渡瀬は巧妙に甘い誘いを並べる。

「どうせこんな短い距離やし、大して影響ないやろ」

折しも、車は目的地に到着していた。

「奥さんからも頼みぃや」

彼はそう命じると、例によって彼女に簡単なセリフをつける。

倫子、もうためらわなかった。肉竿をしごきながら、顎を上げて言う。

「タクシー代金……わたしの体で、払わせて下さい……。たくさん、がんばってサービスしますから……」


<つづく>



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[2011/12/10 00:40] | 「湯けむ輪」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
湯けむ輪(66) 00:39

子宝混浴
『湯けむ
~美肌効


こだからこんよく
ゆけむりん
びはだこうかん






――午前零時三十九分


「ほな奥さん、お次は運ちゃんにサービスしたってぇな」

藪塚が終えたのを見届けると、すぐに渡瀬は倫子を催促しにかかった。

「いえいえ、わたしは別に……」

運転手は“サービス”の相手として指名されていながら、まだ応じるとは言っていない。他方、はっきりと拒んでもいない。ただ、彼の心の弱さだけは明々白々であった。

もっとも、彼がどう逡巡していようとも、渡瀬が既に決定した事項である以上、それは絶対的方針にほかならなかった。倫子はいまだ藪塚の脈動とともに彼にしがみついていたが、やがて窮屈に体を折り曲げた態勢で、まだ直立して余韻に浸っている肉棒をズルリと抜き出させられた。

と、ここで一つの問題が持ち上がった。どうやって次の相手のもとへ移るかである。言うまでもなく相手は前方の座席にいるわけだが、そこに至る道にはタクシー故の障害があって、とても車内からスムーズに移動できそうもないのだった。渡瀬も普通の車の感覚でいたものだから、ついうっかりとこれがタクシーであることを失念していたものである。

「しゃあないなあ……」

彼は言ったが、しかしこれぐらいでめげたりはしない彼だ。次いでその口から飛び出したのは、倫子にも運転手にも思いがけない提案であった。

「外から回ろか」

なんと一旦車から降りて、助手席に乗り直せというのである。真っ裸の倫子にだ。

これにはさすがに渋る彼女だったが、渡瀬は問答無用で強行しようとする。

「大丈夫や、一瞬やからバレへんわ」

結局のところ彼の指示で、車は信号もない道で急遽停止することになった。繁華街でもない夜の街は暗く、また人っ子一人歩いていない。が、最大の難関は後続車である。それだけは彼の言うとおりに“大丈夫”ではない。既にこんな何もない場所で停車したこと自体、不審がられているであろう。

「ほれ、はよしなどっちみちバレんで。奥さんが行くまで動かへんからな」

これが最後通告となった。これ以上の時間のロスが、そのままゲームオーバーに直結するのである。もはや選択の余地はなかった。

とうとう倫子は走った。ドアをこじ開け、転がるように車外へ出る。そして、できるだけ身を低くして助手席のドアノブをつかんだ。確かに“一瞬”だった、ここまでは。

ところが、ここで小さなハプニングが起きた。なんとドアが開かないのである。運転手がカギをかけたままにして忘れていたのだ。

(開かない!)

ガチャガチャとノブを引っ張って、泣きそうになりながら倫子は焦った。それもまた一瞬のことだったろう。しかし、足裏に伝わる路面の冷たさが、この時間を永遠のように錯覚させた。無論、ドアはすぐに運転手によって開けられ、彼女はまた転がるように中に飛び込んだが、彼女の焦りようは、勢い余ってサイドブレーキのレバーに乳房をしたたか打ちつけたほどである。

「ハハハ――いや焦ったなあ!」

後ろでは渡瀬が大笑いである。この男は、人の人生をおもちゃにしてなんともないのである。

倫子は今日初めて大きな怒りを覚えた。これまでにも怒る機会は十分あったろうにおかしなものであるが、えてして自然の感情とはそういうものである。ただし、感情は靄のように移ろいやすく、彼女の心もすぐに恥ずかしさ、そして情けなさの方にシフトしていった。髪を振り乱し肩で息をして、真剣に馬鹿な試練に立ち向かっている自分……。

(終わった……)

何もかも、人生も全ておしまいだと、彼女は思った。犯された上に嬲られて、むしろどこに明日への光明があるだろうかと。そう思うと、さっきの行為が客観的に蘇ってくる。ひたすら精液を流し込まれた膣や肛門、恥ずかしげもなく出っ張り垂れた乳房、だぶついた尻や腰、くたびれきった四十路の肉体……、そういうものを公然とさらして、ガニ股でなりふり構わず走る女……。

男達は彼女の噂をする。

「さすがにバレたんじゃないっすか?」

と、藪塚。

「そうかもしれんな。そやけど、さっきもあんだけまともにビデオ見て、全然気づきよらへんかったからなあ――」

と、渡瀬。彼の言うのは、倫子らが店を出た直後の様子だった。トイレから出てきた倫子の夫は、まだ回っていた彼女の輪姦ビデオを見、しかもそこには彼女の顔まですっかり映っていたのに、まるっきり気がつかなかったというのである。

これを耳にした倫子の胸に、ほっと少し安堵の情が浮かんだ。彼女はそれに気付くと、また嫌な気持ちになった。だが希望とは容易に捨てきれぬものである。

やがて、車は再び走り始めた。


<つづく>



(001)19:53~(010)20:15(011)20:18~(020)20:44
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[2011/12/09 00:39] | 「湯けむ輪」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
湯けむ輪(65) 00:36

子宝混浴
『湯けむ
~美肌効


こだからこんよく
ゆけむりん
びはだこうかん






――午前零時三十六分


トイレの戸が開く。それとほとんど入れ替わりで、倫子は店から押し出された。すんでのところで、矢板と袋田の機転が勝ったのだった。

二人の指示を受けて、後ろから追うは藪塚。来る時はただ肩を貸しただけの関係だった女と、今度はがっちりと男根で合体しながら以前の道へと踏み出していく。榊原の終局から間髪入れぬ交代だった。

「アッ、ンッ、イヤッ!」

淫乱妻は錯乱したまま、再びの路上に出る。素足に感じる夜の路面が冷たい。彼女はそのまま猛進し、前方の車に激突する。肉厚な胸部が、その中央の突起からバチンと窓に当たってひしゃげた。密着したガラスが、これまた冷たい。

外に止まっていたタクシーは二台。倫子がくっついたのはその前の方。そして、それのドライバーが先ほど店内に呼びに来た方で、彼は倫子に先んじて外に押し出され、呆然と二人の勢いを見守って立ち尽くしていた。後ろに控えていた車の運転手も、これまたあっけにとられて固まっている。彼は車外に立って煙草を吸っていたが、全裸の女を見つけた瞬間、思わずそれを取り落としたほどだ。

「おい――」

後から出てきた袋田が、運転手達に呼びかける。それでやっと気がついた二人は、慌ててそれぞれの自車に乗り込んだ。すぐに前の車の後部座席の右側のドアが開く。

と、藪塚は倫子を押して、もろともに車内へとなだれ込んだ。そして、そのまま継続される後背位交尾。白いシートの上に倫子が押し倒され、その上から折り重なった藪塚が一心不乱に尻を打ち付ける。両者の足はいまだ車外に出たままで、一組は地面に着いているが、もう一組は宙に浮いていた。その浮いている生白い足が、上から振り落とされる赤銅色の尻の動きに合わせてブラブラと活発に動く。それを見た袋田が、すぐに寄って行って藪塚の背中をポンポンと叩きながら諌めた。

そうこうする内に、店からは残りの者たちが続々と連なって出てくる。

「ほな、我々は後ろのに乗りましょか」

前方の現場をちらりと見やりながら、冷静な榊原が倫子の夫に促す。夫はフラフラしながらも、にやけ顔でそちらに従った。それを脇から矢板が介助して進む。一方で矢板は、

「じゃあ、後で連絡入れると思うから」

と袋田に向かって言った。

言われた方は、背中で後ろの後部座席の入り口に壁を作りながら、片手を上げて返事をする。それを見届けて、矢板はほかの者達と共に、二号車に乗りこんでいった。

他方、一号車の方には渡瀬が寄って行った。

「ヤッとんのかいな?」

と、車内を覗き込む。その視線の先では、

「ンッ、ンッ、ンフ……ッ!」

座席に顔を押し付けたままの倫子が、くぐもった声で鳴かされていた。交わり合う二人は、渡瀬に促されてようやく中に納まる。これで、左後部座席に藪塚、その上に対面して倫子、彼らの右隣に渡瀬が座ることになった。

「あ、あのう……」

とりあえずドアを閉めながら、やっと運転手が口を開く。それに応えて渡瀬が、

「ああ、行き先は聞いてるやろ。わしらよう分からんけど、そこまで頼むわ」

と簡単に告げる。しかし、相手はそれだけでは納得しがたい様子で、

「いえ、そのう……」

と、改めて言葉を濁した。バックミラーの上で視線を右往左往させている。

もちろん彼の戸惑いに気付かぬ渡瀬ではないが、ここはあえて多言を弄しなかった。その間に、後継車のライトが一段と明るさを増す。

「ほれ、はよ出して。――まあ、構へんから」

前が動かねば後ろも動けない道である。そのことが渡瀬の言葉を後押しした。運転手はやむを得ない体で車を進発させた。乗車を拒んで正義を通すこともできたはずだが、彼はそうしなかった。

「ンッ、ンアーッ、イヤ……ッ!」

静かにうなり始めたエンジン音に、人妻の甘ったるい嘆きが混ざる。彼女は今、後方の窓より外を見つめていた。男と対面して座る位置からは、窓の外がよく見える。そして、否が応でも後続車が目に入る。すると、よせばいいのに、その中に親しい人の顔を探してしまうのである。

「アアッ!」

見えた! 暗がりの中でも、うっすらと。その瞬間、前方を遮る影に唇を奪われる。

「ンンッ……! ンフッ……ンフゥ……」

濃厚、というより乱痴気なキスだった。まるで格闘のように、文字通りの舌鋒を競い合い、歯と歯、時には歯茎までぶつけ合って、互いの口をむさぼりつくす。ダラダラ垂れた蜜が、突き出た乳房の上にとめどなく滴り落ちる。

倫子は、しかしそんな騒ぎの間も、視線を外すことができなかった。相手の顔越しに、後ろを見つめ続ける。こちらから見えている、ということは、向こうからも見えているわけだが……。そんな彼女の面を、時折ライトが直射して通る。

「アッアッ、アヒッ……!」

下の口からもヂュパヂュパと大量の蜜。それは藪塚の腰の上下が忙しくなるに従って大きな音を立てた。

「お、お客さん……」

気が気でないという様子で、ドライバーがたしなめようとする。あまりに激しくて、車まで揺れてしまうからである。ただし、本気で注意するまでには至らなかった。もはや彼の中に生じている葛藤は、隠しようもなかった。

それを見越して、渡瀬が言う。

「ごめんやでえ。ちょっとシートに染みるかも分からんけど」

彼は今、倫子のアヌスに深々と指を差しこみながら、そこにしげしげと見入っている最中であった。

「アアッ! アフンッ!」

二穴を弄ばれる倫子は、依然後続車に視線を置いている。と、その心に、妙な感慨が去来していた。

(あなた、わたし、今目の前でほかの男の人に犯されています……)

それは、さっきまで無理やり言わされていた、あの卑猥なセリフ集の名残であった。それがなぜか、ひとりでに心に浮かびゆくのである。

(“おマンコ”しています……。ハめられています……“おチンポ”です……。アナルも指でかき回されて……。ああ……ああ……あなた……わたし、ヘンタイ、デスカ……?)

その間に、白濁した愛液が恥部からあふれ落ちて、渡瀬が言った通りに座席シートに流れていく。

ふいに渡瀬が顔を上げて言った。

「どうや、運ちゃんもサービスしてほしいやろ」

返答に窮する運転手。すると、それに代わって藪塚が口を挟んだ。

「ああ、ちょっと待って……、もうちょっとでイきそうですから――」

その言葉の終わらぬ内に、車が後部を震源地としてガタンガタンと揺れる。

(アナタ、ワタシ、マタナカダシサレマシタ。シラナイヒトノオチンポニオカサレテ、オマンコニセイシイレラレマシタ。アナタ、ワタシ……わたし、イくっ! イきますっ!)

人妻は男の背中に回した手で、彼のことをぎゅうっと抱きしめた。男も彼女のことを抱きしめ返す。激しい揺れは止んでいた。代わりに女の体内で、膨れた海綿体が盛んに脈打っていた。


<つづく>



(001)19:53~(010)20:15(011)20:18~(020)20:44
(021)20:47~(030)21:07(031)21:09~(040)22:03
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(061)00:24~(070)00:50(071)00:24~(080)01:36
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[2011/12/05 00:36] | 「湯けむ輪」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
湯けむ輪(64) 00:34

子宝混浴
『湯けむ
~美肌効


こだからこんよく
ゆけむりん
びはだこうかん






――午前零時三十四分


時に、他の男達はこの様子をギラギラした目で見守っていたが、ルールを把握するや、自らもこの遊びに加わりだすのに時間はかからなかった。

「何本も……何本も、な、生のおチンポ……ぶっ込まれてっ! おメコも、おケ……ケ、ケ、ケツマンコもぉ……何発も何発も、中出しされてぇエェー……ッ!」

これは渡瀬からつけられたセリフだった。新たに脚本家に名乗りを上げた彼は、より一層下品な単語を言わせてやろうと躍起である。

「おメコもぉ、おケツもぉ、一斉におチンポ刺されてぇっ! く、口も、おメコにされて……もう……体中、わたし、体中おメコ……おメコォ……お、おメコのぉっ! おメコ女にぃっ、なりましたぁっ!」

彼の台本にも、倫子は忠実に従っていく。

すかさず藪塚もライター参入だ。さっき彼は、榊原に命じられて合体を解いた折、特に未練もなく素直にそれに従ったのは、実にこのような成り行きに期待感を持っていたからであった。

「わたし、肉便器です……。誰にでも……誰にでもおマンコさせる、変態です……!」

こうなってくるともう祭りである。三者こぞって彼女に猥褻な文句を言わせにかかる。

「うんと年下の男の子達にも、お、オオ、オホォッ! おチンポ入れさせて、あげましたぁ! ど、オッ、童貞の、こ、子供達に、はっ、初めての、マンコ……やらせて……みんな、中出しさせました!」

「い、いい歳こいた、おば、おばさんのくせに……ど、どスケベだから、おと、男の子達の精子、欲しくて、こっ、子供もいる、のに……あ、あの……こ……イヤァッ!」

娘を引き合いに出されるとさすがに拒絶したが、その抵抗もわずか一時的のことだった。

「あ、あの子よりも年下の……男の子の精子で……わたし、あ、赤ちゃん作りましたぁ……。さ、最低の母親です、わたし……」

タブーを乗り越えた母は、加速度的に壊れていく。

「お、おお、おチンポいいっ! 誰のおチンポでもいいのぉっ! あなたぁアー……もうあなたのじゃなくてもいい! おチンポならなんでも入れます!  わたしぃ、誰とでも寝る女ですぅ! 誰にでもおチンポ入れさせてぇ、誰とでも子供作って……許して、あなた……」

母は強しというが、その母性までかなぐり捨てた今、夫に対する貞節などというものがもとより機能するはずもなかった。そもそも夫への愛情自体、平生より存在したかどうか疑わしい。夫婦とは大いにそういうものであろう。彼らを結び付けるものとは愛ではなく、つながりや形そのものなのだから。その本質が今、如実に顕現したわけだ。

「あなたぁ、ごめんなさぁい! わたしぃ、淫乱な妻ですぅ! 家族と一緒に旅行に来たのにぃっ、あなたの傍でも我慢できない位ぃっ、たくさんおチンポ欲しいのぉっ! あなたぁん、ごめんなさいねぇっ! スケベな妻を許してね」

言葉ではしきりに“ごめんなさい”を繰り返すが、そこに真実味は一切なかった。素晴らしく虚ろなものとして、右から左に流れていく。それどころか、一種恍惚とした表情で語り出しさえしたのだから、もはや意図が変わってきつつもあった。チュパチュパとペニスにしゃぶりつくアヌスが、かえって彼女の本心をさらけ出しているかのようである。

「夫のじゃないのに……ダメなのに、感じちゃう! アァ……あなたのチンポより気持ちいい! あなたよりギンギンで太くて硬くて、逞しくてぇ! あなたより気持ちいいのいっぱいしてもらいました! 許してねぇん、あなたぁ。だってぇ、気持ちいいから仕方ないのぉ!」

そう、それは、確かに彼女の本性であった。なぜなら、その後急に玄関の扉が開いて、例のタクシーの運転手が顔を覗かせた時も、彼女はこの淫らな戯れに、逆らう意思さえ見せなかったのである。

「アアァ~……ッ!」

言葉にならない声を発して、それでも倫子は運転手の顔に嘆いては見せた。

無論のこと度肝を抜かれた運転手、とっさには身動きもままならない。と、そこへ矢板が回り込んで、この状況についてあえて説明はせず、ただ電話で依頼した旨を伝える。かわいそうに運転手はその間もそわそわして、心ここにあらずだ。

そんな彼をよそに、狂乱の宴は続く。折しも、榊原がフィニッシュを迎えようとしていた。かなり早いペースだが、急ピッチで肉棒をピストンした報いである。

「アッ! ヤァッ!」

何度も横眼で入り口の方を窺いながら、倫子はしかし、もはやお約束のごとくやはり拒みきれずに、彼と彼の最後の指令を受け入れるのであった。

「アアーンン! 中にぃ、また中に出してぇん! おケツにぃ、ケツの穴の中に出してぇっ!」

終わりの方はもう傍観者の存在など忘れてしまったかのように再び恍惚の表情に戻って、彼女は恥ずかしげもなく叫んでいた。それを見聞きする未知の他人、実は彼は、このセリフを聞くまでこの結合がアナルファックであることに気づいていなかったので、結局自らアブノーマルな状態を告白したことになってしまった。

当然の如く、傍観者は結合部を凝視する。そこは今しも、パンパンに膨らんだ亀頭の先から、これまでさんざっぱら雁首でえぐり広げられてきた直腸へと、オスの欲望が注ぎ込まれるところであった。その最後のとどめとして、猛烈な摩擦が炸裂する。

「アアアー……ッ! あなたぁっ! わたしまた中出しされますぅ……ケツ穴にザーメン……アッ! アアッ! 入って来ましたぁ……っ! アンッ、すごっ、すごぉい……!」

つながったままで榊原がプルプル震えると、それと一緒に倫子もプルプルと震える。熟れた男女二人、揃って小刻みに震えながら快感に酔い痴れる。

それが終わらぬ内に、待ちかねた次の順番の男が寄って来る。藪塚である。彼の到来に押されて、榊原はその場を譲った。

以降、倫子は店の入り口の方に向かって再起動である。

「イヤァ~……ン! 見てぇ……またぶっといおチンポ入れてもらうのぉ。おチンポ好きぃっ、大好きぃっ! いっぱいパンパンして!」

目と目が合った運転手、彼の股間も高くわだかまっていた。

“ジャー……”

その時、倫子らの背後で水洗の音がした。


<つづく>


現在時刻0:36(4時間43分経過)
挿入された男根=25本
発射された精液=56発(膣29・尻12・口6・胸5・顔2・手2)




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[2011/12/03 00:34] | 「湯けむ輪」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
湯けむ輪(63) 00:33

子宝混浴
『湯けむ
~美肌効


こだからこんよく
ゆけむりん
びはだこうかん






――午前零時三十三分


「ハーイ、ちょっと待って下さいよ」

中からは気楽な声が返ってくる。

倫子は顔面蒼白となった。やっぱり怖かった。そんな風だから、言えと言われたことも余計に言えなかった。

すると、またしても渡瀬がドアに拳を伸ばすような仕草を見せる。有無を言わせぬ脅し。いや、脅しではなく、彼なら平気でノブまで回しかねないことは先刻承知である。そうなればいよいよご対面……。

一瞬の内にそう考えた刹那、倫子はたまらずに口走っていた。

「……チン、チン……気持ちいい、です……!」

低い声だったが、自分でも驚くほど明瞭に発音していた。こんな境遇になって、もうまともな言葉はしゃべれないのではないかと薄々考えていたのである。

ともかくも、これで急場はしのげたはずだった。が、その見通しの甘いことは、ほかならぬ彼女自身いやというほど思い知らされていたのである。

案の定榊原は納得しなかった。彼は藪塚を一旦離脱させると、その上で倫子の耳元に唇を近づけ、改めて次に言うべきセリフを囁きだした。しかも彼女が、

「言えない……」

と突っぱねると、彼女を押して前進し、なんとその両手を扉に突っ張らしさえさせたのである。なおかつ、後ろの肉棒の動きを活発にして。

その脅迫に、いよいよ倫子は追い込まれた。男と扉、否、夫との板挟み。完全に逃げ場はなくなっていた。そのことは、今しがた扉に手を置いた瞬間、カタン、と音の鳴った時に全て悟らされたことだ。もう動けもしない。

倫子は、震える顎で話し出した。吹き込まれるままに修正もしない猥褻な言葉を。それは、前にも増して長文で下衆なものであった。

「あなたぁ……わたし……わたし、今……おし、お、お尻の、あ、穴、に……おチン、チン入れられています……」

所々つまづきながらも、やはり確実に発音していく。我ながら憎々しいほどにはっきりと。

アナル……広げられて……ズボズボ、ズボズボ……オォ……おかま、掘られました……アナル……アナ、ルゥー……」

額には汗、目には涙、心は寒々しい。一語一語吐き出す度に、心身ともに疲弊していく。いやもう信じられないほどの消耗ぶりだ。まるで熱病に侵されているかのようである。事実、顔が火照って仕方がない。

だがなぜだろう。一方で肩からスーッと力が抜けていくのである。まるで呪縛から解放されたかのような、ある意味心地よいほどの脱力感だ。その実体は、例えば我慢していた小便を漏らしてしまった後には、あらゆる抵抗が無駄と知った時の、あの投げやりな心境に酷似していたが、果たして、それだけで説明しつくせるとも思えない妙なものであった。

俗に言霊といい、口に出した言葉は真実味を帯びるというが、今の倫子もまさしくそれに引っ張られているような有様で、彼女は自分から屈辱的な語を発することによって、自分自身が暗示にかかりつつあったのである。こんなに幼稚で馬鹿馬鹿しいやり口といえども、侮れないものである。

それを無意識の内に察してか、自分を取り戻そうと内心では焦燥の懺悔である。

(ああ、あなたともアナ……したことないのに。あなた、ごめんなさい……。ごめんなさい!)

しかし、無情な言葉は止まらない。一言一句違えることなく、榊原の言葉を復唱していく。今はすなわち、現在の局部の実況解説である。

「アッ! ね、根本まで、勃起した、お、おチンチン入って……あ、は、はい……っ! 入ってますっ! お、おお、奥までぇ、お尻の中、アァー……埋まって……。はい……。あ、あなた……、わたし、い、犬みたいに、お尻の穴で、交尾してぇ……、パコパコ、ハ、ハめられて、ますぅ……っ!」

時折監督への返事を差し挟みながら喘ぎ喘ぎ言葉を発する内、いつしか周囲の酸素が欠乏してきたような気になり、そのことも相まって、一層暗示の効果は増していくようである。今はもう、目まいを感じてクラクラしながらも、口が前のめりに動いている感じだ。

その間も、現にペニスの猛攻は続いている。倫子のアヌスはパックリとペニスをくわえ込んで、まるで鶏の産卵のように無理やりに太いものをひり出している。温泉でふやけて以来ほとんど休みなく男根を入れっぱなしで、それによって拡張され続けてきた肛門だ。

「ふ、太い、お、おチンチン、太いぃ……ので、お尻っ、お尻の穴大きくな……って、お、おチンチンの形にひ、広がっちゃ……ってぇっ、あなた、わたし、わ、わたしの肛門……おチンチン入れの穴に、な、なりました……っ!」

不思議なもので、一度口火を切ったら後は途切れることなく台詞が出てくる。今の今まで沈黙を貫いていた、そして、嫌々言うことを聞かされていたとは思えない唐突な成り行きである。もしも冷静かつ客観的にこの場面を見ることができる者がいたならば、にわかにこんな猥俗な単語を連呼するようになったことを、いかにも白々しいことだといぶかしむであろう。

しかし、事実なのだから仕方がない。事実として、彼女は急に口数を増やした上に、次々と卑猥な言葉を口にするようになっていったのである。無論、命じられてということではあるにせよ。

「あなたの傍なのに……お、おチンチン、ハめられて……さっきからずっと……オォッ……ずっと隠れて……エハァッ、オッ、オッ……おマンコしていましたぁ……!」

話は夫を辱める方向に傾斜していった。人の妻を寝取るということは、彼らにとって無上の興奮材料であるらしい。

(あなた、聞かないで……)

倫子は切に願う。が、狂気の告白をやめるわけではない。

「ここにいる男の人達、ぜ、全員に……おチンチン、入れられました……あなたの横でぇっ!」

こんな恥知らずな発言も、あふれるように飛び出してくる。もちろん平気でというわけではなく、苦しみながらであるに違いない。強制されなければ、吐露することもなかったに違いない。だが外面的には、徐々に舌が滑らかになっていっている事実もあった。

自分の声が自分の耳に入る度、強烈な気恥ずかしさと、一方で独特な満足感が同時に襲いくる。それは、先ほど来の洗脳の理では包含しきれない、もっと根深く本質的な、あるいは性的な意味合いを持っていたようであった。

倫子はいつしか胸まで板に押し付け、その膨らみを揺り動かしながら後ろからの突きに腰を合わせていった。これではセリフのみならず、結合中の音まで聞こえてしまうかもしれないというのに。

「許してぇっ! ビ、ビデオも、わたし、ですぅっ! 全部、ぜっ、全部わたし!」

とうとう重大な秘密まで暴露してしまう。その口辺からはよだれが流れ落ち、虚ろな瞳は妖しいきらめきを見せていた。


<つづく>



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[2011/11/25 00:33] | 「湯けむ輪」 | トラックバック(0) | コメント(1) | page top
湯けむ輪(62) 00:30

子宝混浴
『湯けむ
~美肌効


こだからこんよく
ゆけむりん
びはだこうかん






――午前零時三十分


ほどなくして、その身から出ていく汁と入れ替わるように、彼の汁が入ってきた。熱いほとばしりが、同じく熱い洞穴にじわっと広がっていく。

(あなたぁ……)

倫子は心に呟いたが、それはただ夫がトイレに立つということを聞いて反射的に思いついたもので、もはや謝罪や後悔の意図なぞ微塵もないものだった。夫らしい者の足音は、次第に遠ざかっていく。

一方、射精を終えた袋田は立ち上がって、矢板同様に事後のものを倫子に世話させ始めた。但し、今度が前と違ったのは、イラマチオではなくフェラチオだった点だ。

彼女は最初こそ股間に導かれたものの、その趣旨を理解するや、任意で口を動かすようになった。優しく丁寧に亀頭を舌で丸めこんでその穢れを清めつつ、皺を寄せながら唇をすぼめ、尿道に残った精液を絞り出して嚥下していく。まるで仕事疲れを労わるような、実にまめまめしい世話である。女は偽りの多い生き物と自任しているが、実際には迂闊な素直さをも同時に持ち合わせているもので、彼女は袋田の手並みに降参するや、女の誠でもってそれに応じたのだった。

その様を見て渡瀬が言う。

「おう、よう吸いついとんなあ」

それは、トイレのドアが閉まるか閉まらないかの時だった。実はこの時、夫が席を立つや否や、その場にいる者全員が倫子の口淫ぶりを見守っていたのである。

それに気がついた倫子はまた赤面したが、もはや誠意の慣性は止めようもなかった。命じられるがままに袋田の玉袋まで舐め清めていく。舌先で球体の輪郭をなぞり、唾液で満遍なくベトベトにする。その際額に乗っけていた亀頭の先からは白濁汁がしつこくにじみ出て、彼女の眉頭をしっとりと濡らした。

「ええ顔でしゃぶるようになったやないか。いよいよ本領発揮やな?」

渡瀬はからかったが、倫子にはもうどうしようもなかった。それで、

「もっと広いとこ来てしいや」

と榊原に言われて、袋田がカウンター裏から出て行った時も、まるで餌に誘われる犬のように、ブラブラ揺れる肉棒に惹かれてそのまま付いていった。但し、その身はかすかに、傍目にはそれと分からぬほどかすかに震えていた。

(ああ……破滅する……)

終末の予感は刻々と迫っていたが、もう自分が何をしようとしているのか分からない。ただ、それでいて不思議な心地よさは否めないのである。

倫子は、袋田に続いて藪塚の陰茎もしゃぶった。彼のものは早くも復活していて、それをまた露出しては、我慢できないという風に近づけてきたのである。彼の加入に伴って、袋田は離れていく。

他方、背後からは榊原が寄ってきていた。

「もう一回位やっとこかな」

彼はまるで、仕方がないなとでもいう風に言って、これから固くなっていくであろう海綿体を、ボッテリと倫子の肩甲骨辺りに乗せた。それは、うなじから裾の毛の生え際を経て、後ろ髪の中で完全に勃起する。彼はしばしそこで、ペニスに毛髪をからめて遊んだ後、再び位置を下げ、背骨を通ってさらに下降。

「ええやろ奥さん、ケツの穴」

と、両方の親指を引っかけて強引に肛門を広げつつ、自身のわだかまりをその上にあてがった。洞穴は呼吸するようにヒクヒクしている。まるで返事しているようでもある。そしてその返事は、新装されたその穴の使い道を肯定するものに違いなかった。

間もなく榊原はそこへ入っていく。その上で藪塚まで誘う。

「兄ちゃん、挟み撃ちや」

それを聞いた藪塚、嬉しげに寄ってきて倫子の片腿を持ち上げた。そうして性毛を一旦ジャリジャリいわせながら、その中にある柔らかな膨らみの割れ目へと勃起を押し込みゆく。

「スゲ! 狭い」

入るなり感想を述べる彼。こうしてまた鮮やかに三人が一心同体となった。大の大人が揃いも揃って、いずれも分別なくして劣情一直線。皆々汗をかき肩寄せ合って、性の悦び一筋にまい進する。藪塚だけならばいざ知らず、他の二人は今さら情熱だけで動くでもないいい歳の大人である。それが稚拙にもセックスに没頭し、成熟した体を快楽のみに捧げているのだ。まさに淫乱極まれりである。

だがそれでもまだ、倫子にはぬぐい切れぬ恐怖心があった。藪塚の肩越しに便所の扉が見え隠れする度、胸の奥が締め付けられるような痛みを感じる。今に扉が開き、中から出てきた夫が自分を目の当たりにするであろう。男二人に挟まれて前後同時に男根を挿入され、その間でよがり狂う変わり果てた妻の姿を。

「イヤ……ッ!」

倫子は首を振った。まだそう易々とは人生を捨てきれない。

「あれマジで旦那さんなんですよね?」

藪塚が後ろのドアを指して尋ねる。それは倫子を通り越して榊原に向けられた問いだった。

榊原、ニヤッと笑って、

「さあ、どうなんや?」

と倫子に質しつつ、盛んな腰振りで彼女を煽りだす。

「もっと声出しいな奥さん。愛する旦那にスケベな声聞かしたれ」

「イヤァ……!」

ビクンビクンと二度三度熟れた体を痙攣させ、何とか意志の力で持ちこたえる倫子。しかし、彼らの太い存在感が、その腰を甘えさせる。いきおい、“スケベな声”にも近くなる。

榊原は、“ほんまの声”とも言いなおした。それはつまり、“本当に気持ちいい時の声”という意味であった。今晩に至って初めて思い知らされた性の深奥、そこで見た性的快楽の極み、その時に心の底から自然ににじみ出てきた声。夫には聞かせたことのなかった、すなわち彼には出させることのできなかった声、本当にセックスで感じた時にだけ出す声である。彼女はまさに今日、セックスの本当の気持ちよさを知ったのであった。

それでも、いざ意識してその声を出せと言われると、この場ではまだ思い切れなかった。もしも便所に誰もいなければ、すんなりと流されていたかもしれないが。

そんな彼女の逡巡を知って、榊原はなおも無理強いをする。

「ほら奥さん、“チンポ気持ちいい”て言うてみ」

「そうっすよ。ご主人に報告しなきゃ。“今チンポ二本入ってます”って」

藪塚も調子に乗って煽り立てる。

しかし、倫子は取り合わない。ただ局部に精神を集中し、必死の葛藤を繰り返すだけだ。

すると、渡瀬が気を利かせて、とんでもない暴挙に出た。便所のドアに近づくやいな、“コンコンコン”とノックしたのである。


<つづく>



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[2011/11/15 00:30] | 「湯けむ輪」 | トラックバック(0) | コメント(1) | page top
湯けむ輪(61) 00:24

子宝混浴
『湯けむ
~美肌効


こだからこんよく
ゆけむりん
びはだこうかん






――午前零時二十四分


彼を見ていると、倫子はやはり平穏無事だった頃のことを思い出してしまう。バスから降りた時、玄関で出迎えてくれた従業員の中に彼の姿はあった。まだほんの数時間前のことである。まさか男女の仲になるなんて思いもしない。

あの時、倫子は休暇の楽しみに浮き浮きとして娘や他の奥さん連中としゃべりながら、彼の前を素通りし、入り口を通りぬけた。その後は温泉。夕食。宴。本当に気楽なものだった。そしてまた温泉へ。そして……。

「ああ……」

袋田は熱っぽい息を吐きながら、倫子の入り口を出たり入ったりした。唇を重ね、その中へ舌を挿入したりもする。彼の心にはもう、客に仕えるという気持ちなどなくなっているのだろう。何のためらいもなく性具をこすり合わせていく。その上己の欲望に忠実に、厚かましい要求までしだす。

それによって、倫子は床に四つん這いにさせられることになった。カウンター裏の床といえば客の視線を浴びることもないわけで、店内でも余計にきれいとは言い難い場所である。そこに寝転がらされるのも当然嫌だったが、今度手をついて目の当たりにしてみると、一層惨めな気持ちが助長された。

袋田は、そんな彼女に後ろから挑みかかっていく。背筋を伸ばすとさすがに頭が台より上に出る虞があるので、前かがみになって、対象の背中に重なりながらである。彼はそうしておいて、眼下に広がる白い素肌に、マッサージよろしく手のひらを這わせていった。指の腹でその滑らかさを確認し、時には指先を立てて柔らかい皮膚をくぼませたりもする。

「ン……ッ!」

倫子の口から不覚にも声が漏れた。全身の産毛が逆立ち、首から上へ向かってゾクゾクする感じが上ってくる。フェザータッチはあくまで補助的な性技であるが、この場面での効果は絶大であった。

その様子を目ざとく見つけた矢板、そして藪塚は、彼女を見下ろしてほくそ笑む。藪塚はまたこちらに回り込んできて覗き見していたのだ。ばれるかばれないかの瀬戸際で危なっかしい奴である。

折しもビデオの映像は、局所の拡大から遠景へと移り変わりつつあった。この分では、女優の顔が映るのも時間の問題である。

そのことは、倫子の位置からも一応確認することができた。体の向きを変えたことで、見上げればちょうどの所に画面がきていたのである。ただ、彼女にはもう怖くて直視などできなかった。加えて、そちらの動向を知ったところで、もはやどうにもできないという諦めもあり、彼女としては目下今の相手に集注するしかないのであった。幸いというべきか、今の相手の手腕は彼女をこちらに専念させるに十分であった。

袋田の手はさわさわと弧を描くように行き来して、彼女の背中を優しく摩擦していった。撫でられた皮膚は次第に温まっていく。他方で、肩から背骨に沿って、筋肉を揉み解すような動きもあり、ある種これらは性的な快感とは別個の心地よさを与えていた。もっとも、そのような間接的な愛撫こそ、えてしてセックスを盛り上げるのに必要だったりする。そのことは、倫子が吐息を我慢できない所によく表れていた。

「ンン……ハァ……」

彼女はまた息を吐いていた。それは一種の生暖かさを帯びたものだった。肩もみをされて気持ちいいのと、男のものに満たされて気持ちいいのとが同時に押し寄せてくるが、どちらかというと、前者の方が新鮮で大きな印象を放っていた。考えてみれば、これまで何度も何度も男根によってごりごりと直接的な刺激はされてきたが、女体のテンションを高ぶらせるような愛撫はほぼなかった。袋田のそれは、まさに愛撫であった。

そんな彼の手つきも、やがては核心に迫っていく。優しく爪を立てて腰から尻にかけてなぞった後、下腹から陰毛地帯、そして陰核へと指先は移行していった。かつ一方で、もう片方の手は尻の谷間に向かう。それは、彼女を悶絶に導く、黄金の配置であった。

「ンクゥ……ッ!」

思わず喉の奥から泣き声が絞り出てきて、倫子は慌てて右手で口を覆う。そのせいで、ガクリと右斜めにバランスを崩した。すると、それがために余計に彼の指が角度をつけて局部に当たる。おかげで倫子は左も崩れて肘をつき、とうとう乳房の垂れが地べたにこすれるようになってしまった。と、今度は地面の冷たさが乳首に一種の印象を与えて……。連鎖的に襲いくる快感である。

袋田は両手をフル活用して、一方ではクリトリスをはじき、もう一方ではアヌスをかき回していた。ただ、彼が巧みだったのは、ある程度の長さそれらを続けたら、途中でやめて、また背中や腿など中心地から離れた場所を撫でさする点である。このゲリラ作戦は見事に功を奏した。

「ンンッ……ハアァ……ンフゥッ……アアァ……!」

やむことのない切なさにさいなまれて、倫子はこらえ切れずに啼いた。こんなことは今日の中でも初めてだった。ペニス三穴刺しの強烈さとはまた一味違った快感である。しかもこれは、たった一人の手でなされているというのだから驚きだ。

(この人……)

倫子は喉を伸べて息を吸った。その視界に、彼女の全景が収まった映像が入る。下半身側からの撮影のため奥にある顔はまだ遠かったが、見ようによっては被写体の同定も既に可能である。だが、今の彼女にはそのことの切迫感はもう遠かった。ただその耳に、榊原らと酒を交わす夫の談笑が入る。

(この人、あなたより……)

何気なく恨めしい言葉が心に移りゆく。その刹那、彼女ははっとして慄いた。まだ良心は死に耐えていなかった。狼狽してその感想をかき消そうとする。例えば、袋田一人の力ではない、などと思い直してみる。しかしそれは、危険な方針転換であった。途端にその心へ、さっきの矢板のセリフが再来する。

『旦那さんの近くでヤることに興奮してるんですか?』

「ンムウゥフウゥ……ッ!」

倫子はくぐもった声で悶えた。その瞬間、彼女の股間からピューピューと透明な汁が勢いよくほとばしる。

(やめて、やめて!)

苦し紛れに必死の祈りの言葉を念ずる。今や彼女は肘をつくことさえ放棄して、地べたの上に伸びていた。自慢の豊乳も広がってつぶれ、後ろから突かれる度に床をモップがけしている。

と、ここで袋田に、

「気持ちいいでしょう?」

と囁かれた気がした。否、実際には何も言われてなぞいない。が、彼の腰つきにそういう声を勝手に聞いたのである。

他方、袋田は彼女の腰をつかんで上に持ち上げる。倫子は焦った。これまた実際には体勢を整えるだけのことであった。が、彼女は彼が焦れているのだと勝手に解釈した。

「き、ひ持ちいいでふぅ……!」

倫子は手の中で告白していた。それと同時に割れ目からは、再び大量の液体がほとばしり出る。倫子は深呼吸するようにゆったりと昇天した。

「ウウゥ……フウゥ……」

顔を真っ赤にして身悶える。良心は、これを恥と教えていた。一体何度目の恥か。倫子はまた恥をかいてしまった。だが今日に限って言えば、恥のかき収めということはないのである。


<つづく>



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[2011/11/12 00:24] | 「湯けむ輪」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
湯けむ輪(60) 00:20

子宝混浴
『湯けむ
~美肌効


こだからこんよく
ゆけむりん
びはだこうかん






――午前零時二十分


「大丈夫ですよ、奥さん。向こうからは見えませんから」

矢板はそう囁きながら、倫子の股の間に割って入る。普通ならば抗うはずの倫子であったが、ここでもやはり何もできなかった。そんな彼女を押さえつけて、矢板の男根がヌルリと侵入する。

「ほおら入った」

彼は倫子を正面から見つめながら言ったが、彼女は決してそちらを見なかった。せめてもの抵抗のつもりである。だが、そうやって視線をずらしたことで中空を見てしまい、慌ててまた眼を脇へとそらす。中空、すなわちテーブルの上には、ここから見えないとはいえ夫がいるのである。倫子はそのテーブルの淵を眺めることすら気が引けた。

「ご主人が寝てはったから店仕舞いが遅れたんですよ。ねえ、マスター」

頭上では、榊原がからかい気味に夫を責めている。

それを受け、夫は、

「すいませんね、どうも」

と、矢板に向かって謝った。ここでも軽々しい平謝りだ。しかも妻を犯している男に向かって。

だがさらに驚くべきは、これへの矢板の応対である。

「いやいや、いいんですよ。仕事ですから」

彼は倫子にペニスを突き刺しながら、彼女の夫に答えたのである。なんという大胆不敵だろうか。彼の場合、たとえ合体の最中であろうと、その冷静な会話術に変化はないのであった。

その上で彼は、倫子の唇を奪った。もうこれで、夫がなすべきことはすべて代理したというかのように。

途中、藪塚がカウンターの入り口から回り込んできたが、矢板はこれを手を振って退けた。しかしこれで、今何がなされているか、外の連中に確認されることとなる。

その間も倫子は、力無く股をおっ開げたままひたすら耐え忍び続けた。魔物の猛威は、初めゆるゆると、やがてじわじわと股間をすり寄せ回転するように動いて、次第に強い挿入で襲いくるようになった。その剛直はいよいよいきり立ち、まるでさっき入れたよりも膨張を増したかのようである。

一方で、その当人はこんなことを言った。

「あれ? 奥さん、さっきより締まりがいいんじゃない?」

相手の耳にだけ聞こえる声で囁く。

「もしかして、旦那さんの近くでヤることに興奮してるんですか?」

(そ、そんなことあるわけ……)

倫子は、その囁き声と共に耳元に吹き寄せる息にゾクゾクと総毛立ちながら、必死に唇を噛んだ。その時、かの膨張物が彼女の中の弱い部分を劇的にかすめる。

「ン……ッ!」

倫子は思わず呻いていた。

その表情を、ニヤニヤしながら矢板が見下ろしている。

「気持ちいいの? いいですよ、声出しても」

そうけしかけてもくる。

無論そう言われて、はいそうですかと開き直れるものでもなく、倫子は引き続き沈黙を守った。とはいえ、このまま倫子が黙って耐え続けても、ビデオの方は早晩素性が露見するかもしれない。これまでばれていないのがむしろ奇跡なのである。

『アッ、アッ、アンッ!』

映像の彼女は、相変わらず恥ずかしげもなく喘ぎ続けていた。その様子は、半ばやけくそ気味にも見える。彼女はいまだに、これが自分の姿だとは信じきれずにいた。

彼女自身がそうなのだから、夫にはなおさらなのかもしれない。彼は悪党どもと談笑しながら、再び酒を酌み交わしていた。いっそこのまま酔いつぶれてしまえばいいと、倫子は心ひそかに願う。それが最も現実的な助かる道ではないだろうかと。

「ああ、奥さん、奥さん……!」

矢板の腰の動きは、急速に激しくなっていった。男の道具と女の道具、二つの道具が隙間なく密着したままこすれ合って、そこに粘ついた泡を生み出す。もしビデオが流れていなかったら、その泡立つ音が夫の耳に入ったかもしれない。

こうなってくると、いよいよ最高潮である。そして、もちろん最後は……

「旦那さんには悪いけど……」

こう言いざま、彼のわだかまりは噴射していた。これでとうとう夫の役を全うした彼である。

その瞬間、倫子はわずかに腰を浮かし、キュッと尻を締め、下唇を震わせていた。彼女の中に、熱々の子種汁が大量に流れ込んでくる。また一人、彼女の上を男が通り過ぎて行ったわけだ。受け身の倫子は仰臥したまま、男の種付けの終わるのを待つ。

だが彼は三波ほど脈打たせたら、すぐに立ち上がった。但し、起きる時には倫子の手を引いて。それでどうするかというと、再び彼女の頭をホールドし、その口へ向け事後のイラマチオである。

「いやあ、ハハ。腰が疲れますよ」

矢板はそう言って、爽やかに夫に笑いかけた。

「終わった?」

渡瀬が彼に問いかける。

「いや、まだ……」

矢板は答えた。

倫子はその時、喉の入り口に注ぎ込まれる残り汁を、懸命に飲み下していた。確かにまだ、彼女の仕事は終わっていない。

だが、矢板がまだだと言ったのは、実はそのことではなかった。ほどなくして彼女は解放されたが、代わりに袋田に押し倒されてしまう。矢板のセリフに従って。

「悪いけど、袋田さん、続きヤッてくれる?」

袋田のものはすぐに入ってきた。硬さは先ほど口で確かめた通り、完全な臨戦態勢である。

あっという間の矢板から袋田への交代。しかも二人とも初めての相手。それを当たり前に受け入れていく倫子。今夜の彼女の使命である。

「すいませんねえ」

また何か言われたのか、今度は袋田にも誤っている夫。一体どんな作業をしていると思っているのだろうか。

それに対して、袋田もまた、

「いえいえ……」

と軽く返事をしつつ、問題の作業に精を出す。


<つづく>



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[2011/11/11 00:20] | 「湯けむ輪」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
湯けむ輪(59) 00:18

子宝混浴
『湯けむ
~美肌効


こだからこんよく
ゆけむりん
びはだこうかん






――午前零時十八分


その視線の先へと一同振り返る。皆は既に当たり前の感覚になって忘れていたが、そこのテレビモニターに放映中のものこそ、ほかならぬ倫子の凄絶なる痴態なのであった。

倫子は愕然としてまた慄いたが、その恐怖に引きつる顔に向かってトロトロに濡れた肉棒を押し付けながら、矢板は平然と言い放つ。

「ああ、夜だけの特別サービスですよ。大人のビデオ鑑賞会。秘密のお楽しみです」

言いながら、倫子にはペニスに頬ずりさせ、それのまとった粘液を塗りたくる。と、そこへ、横手から袋田のものも伸びてきて、倫子は次にそちらの方をしゃぶらされることになった。ただしこの間、矢板のものも手でしごき続けなければならない。これぞまさしく、ビデオの中の一場面のようであった。

「うわあ、すごいなあ!」

夫はまだ何も知らずに、映像を見て感心している。いかに酔っているとはいえ女優の顔を見ればさすがにその正体に気づくだろうが、いまだ異変は見えなかった。

そんな彼に向かって、榊原が悪魔のように囁く。

「もっと近くで見はったらどうでっか?」

「おう、そやそや!」

渡瀬が横から相の手を入れる。

無力な倫子は、お願いだからもうそれ以上余計なことは言わないでくれ、とひたすら祈ることしかできなかった。

そんな彼女をよそに、夫は誘いに乗って近づいてくる。そして、ついにカウンター席に陣取った。そのテーブルの向こう側には、台を背にしてしゃがんでいる妻がいるとも知らずに。

倫子は、もうこれで終わったと思った。こんな状態で気付かれないわけなどないと。

ところが、夫は相変わらずのん気に感嘆の声を上げている。

「わあっ! すごいことしてる」

画面には、二本の肉茎に串刺しにされる二つ並んだ穴の様子がアップで映し出されていた。それを見る彼は、ほとんどはしゃいですらいるように見えた。

それは、妻の知らぬ顔であった。男同士の会話とはこういうものなのか、と彼女は思ってもみる。だがそれにしても、彼の様子はまるで先ほど来の藪塚や矢板の様子に似通っていた。彼もまた多聞に洩れず、他の男どもと同様の猥雑な輩にほかならないのだろうか。殊更期待していたわけでないとはいえ、妻にはあまり知りたくもない情報であった。

そんな彼女の気も知らず、夫は憚りもなく叫ぶ。

「うわっ! 丸見えですよ、これ」

それを聞き、周囲の男達は下品な声で大笑い。

倫子は男根を頬張りながら、情けなくて恥ずかしくて、その顔を赤くしたり青くしたりした。ばれるばれないの問題もさることながら、この凌辱は精神的にこたえた。

何が“丸見え”だと言うのか。それは妻の股間であろう。夫はそれに気付かずに笑っているのである。まんまと出し抜かれて、己が妻の輪姦ビデオを見せられているのだ。なぜ気楽に笑っていられるのか。伴侶の恥部に見覚えはないのか。自分以外の男のペニスが、避妊もせずに妻を犯しているというのに! さらに、自分さえ使ったことのない性器、尻の穴まで知らぬ間に貫通させられているというのに!

男達はそれを承知の上で、彼を愚弄しているのだ。度を越した悪趣味である。彼らこそ稀代の悪党であることは言うまでもない。しかし、夫もまたあまりにも間抜け、あまりにも不用心である。そしてまた、この夫にしてこの妻ありで、彼女こそある種諸悪の元凶といって過言ではないだろう。要するにこの空間には狂気だけが渦巻いており、ここにはまともな人間など一人も存在しないのである。

それを象徴するかのように、ビデオの中の倫子が狂おしく喘ぐ。

『アァハアァ~……ァンン! アアッ! アッ! アッ! ハッ! イヤッ! イヤァッ……イ、イイィ~……ィヒイッ!』

その声を耳にしても、夫はまだ無邪気に見入っていた。なんとなれば、興奮すらしている様子だ。

そんな彼に、榊原がまた囁きかける。

「どうです? こういうの見てたら、おさまりつかへんようになってくるのとちゃいますか」

彼はそうして次の店への移動を勧めるのであったが、今までの流れからして、それが健全な提案であるはずなどないのであった。

「いい店あるんですか?」

夫は乗り気である、情けないことに。

「そういう話でっせ? ねえ、マスター」

榊原は向きを変えて矢板に尋ねた。

「ええ。お連れさんはもう行ってらっしゃると思いますよ」

矢板はそう答えながら、電話を取って番号をプッシュしだす。タクシーを呼ぶのである。彼はその間も、倫子に男根をしゃぶらせることに余念がなかった。現在の番は彼であった。もちろんのごとく、空いた袋田の竿をしごきながら、倫子は彼らの肉棒に奉仕し続ける。

冷静に会話を運びながら淫らな行為に及ぶことは、矢板にとって朝飯前である。とうとう最後までその状態のまま通話を終えた。すると、彼は口淫中の倫子の髪を撫でながら、おもむろにこんなことを言いだした。

「わたしもちょっと行ってみようかな。――じゃ、準備するか」

それは言わずもがなの独り言、特に後半の一文はそうに違いなかったが、その折に際して、彼は袋田、榊原、そして倫子に向けて素早く目配せをした。果たして、これは意味のあることであった。

突然その場にしゃがみ込んだ彼は、やおら倫子の体を組み敷いたのである。


<つづく>



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