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このブログには、エッチなことがたくさん書いてあります。まだ18歳になっていない人が見ていい所ではありません。今からこんな所を見ていると、将来ダメ人間になってしまいます。早くほかのページへ移動してください。 >googleでほかのページを検索する< なお、掲載している小説はすべて虚構であり、実在の人物・団体等とは一切の関係がございません。 |
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「オナこもりの小説」は、エロ小説を気ままにアップしていくブログです。たまに、AV女優や、TVで見た巨乳のことなども書いています。左サイドにある「カテゴリ」から、それっぽい項目を選んでご覧ください。
小説には、連続作品と一話完結作品があります。連続作品は、左「カテゴリ」の各作品名より一話から順番に読むことができます。また「目次」には、各作品の概要などをまとめた記事が集められています。 ■連続作品 ◆長編作品 ▼「子宝混浴『湯けむ輪』~美肌効姦~」 ◆中編作品 ▼「大輪動会~友母姦戦記~」 ▼「青き山、揺れる」 ▼「師匠のお筆」 ◆オムニバス ▼「母を犯されて」 ◆短編作品 ▼「育てる夫」 ▼「最後の願い」 ▼「ママの枕」 ▼「ブラック&ワイフ」 ▼「夏のおばさん」 ▼「二回り三回り年下男」 ▼「兄と妻」 ■一話完結 ▼「ふんどし締めて」 ▼「旧居出し納め・新居出し初め」 ▼「牛方と嫁っこ」 ▼「ガンカケ」 ▼「祭りの声にまぎれて」 ▼「シーコイコイコイ!」 ▼「サルオナ」 ▼「母の独白」 ▼「童貞卒業式」 ▼「お昼寝おばさん」 ▼「上手くやりたい」 ▼「珍休さんと水あめ女」 ▼「栗の花匂う人」 ▼「乳搾りの手コキ」 ▼「妻つき餅」 ▼「いたずらの入り口」 ▼「学食のおばさん便器」 ▼「山姥今様」 ▼「おしっこ、ついてきて。」 ★作品一覧 |
子宝混浴 『湯けむ輪』 ~美肌効姦~ こだからこんよく ゆけむりん びはだこうかん ――午後十時三分 「これで自分らも、今日から晴れて男やで」 浪花節よろしく、牛滝が豪快に笑いながら少年らをねぎらう。果たして彼の言葉通り、倫子の体を経て、続々と“男”が誕生していった。 三人目は大牧(おおまき)、四人目は関(せき)、そういう名前だったが、名前どころか、彼らの特徴すら倫子にはもう特定できなかったし、またする気もなかった。ただ自分を刹那的に通り過ぎていく男達、そういう自覚が辛うじてあっただけである。 それは、まさしく“通過”であり、間違っても本来の子作りではなかった。そこに目的などはなく、たまたま陰茎が勃起していて、それを手近な女穴に挿し込んだという、たったそれだけの行為の繰り返しであった。倫子がこれまで営んできた、どのセックスとも違う。 もっとも、おかげで少年らは性を学ぶことができたので、その意味では、生産的側面も否定はできなかった。性的に成長した男性が、膣を経て産み出されるという訳で。倫子は自らの性器から、こうして次々と機械的に“男性”を産み落としていったのである。 「どうや、女の体は最高やろ」 宇川が、終わった者達に話しかけている。問われた方は、それぞれ熱に浮かされた表情で頷き返す。誰しもまだ興奮冷めやらない。股間を中心にして熱く血をたぎらせ、また来たるべき時に備えている。 生産の過程は、二年生から一年生へと移り変わっていった。二年生と一年生とでは、年は一つしか違わないのに、体格には不思議と大きな隔たりがあるもので、一年生の外見には、やはりまだランドセルを背負うイメージこそ似つかわしかった。 このことは、今さらながらに一種衝撃的な情景を現出させた。巨大な胸のせいもあり大柄に見える倫子に、いかにも未完成で華奢な骨格の、これはもうはっきり言って子供にしか見えない者が、挑みかかっているのである。情を知らない者の目には、子供が母親に甘えているように見えたであろう。しかし、実はペニスで繋がっているのだから尋常ではない。 思えば彼らは、人間の長い一生からすれば、まだ本来の意味でのこの世への誕生から幾ばくもない年齢の者たちである。言うなれば、つい先日その穴から産声を上げて出てきた子が、早くも繁殖のためにそこへ里帰りしたようなわけだ。 「オ、オオゥ……!」 立派になって帰ってきた息子達の姿に、母親は泣かされる。大きく、逞しく成長した彼らは、もうすっかり男であった。たといその腰回りが、まだ彼女の太もも程しかなかろうとも、男は男、生殖に不都合はない。むしろ、大女とも見まごう相手に小人のようななりでセックスを挑む様子は、勇壮にすら見えた。 「ウンッ……ウゥッ……!」 山椒は小粒でピリリと辛い、小人の肉棒でも確かな硬度でグリグリとえぐられれば、否応なしにメスの感度は反応してしまう。年齢はもちろん身長も体重も自分に及ばない相手なのに、それにのしかかられてペニスをハめられてしばうと、倫子はもう彼に仕える者、すなわち妻として服従を誓ってしまうのだった。女の哀しい性である。 とはいえ、年が年だけに、そもそも相手の子たちは自慰すらまだ経験していないのかもしれず、だとすれば、倫子はまさしく性の性たるものを、いきなり実技をもって伝授したことになる。もちろん、自慰とは性の擬態であるのだから、性交こそが本来なのではあるが、これが果たして現代社会の通念上許容されうるかどうかとなると、話は別である。 それでも性交は続く。真実親子程に歳の離れた者同士の生殖行為である。さらに厳密に言えば、倫子にとっては、実は自分の子供よりも年下の男子との性交なのだ。 「ウゥフゥ……ン……!」 彼女は我が子よりも若い子を夫として認め、彼とセックスし、女の声で媚びている。彼女の冷静な部分が、相手の素性に気づかないわけはない。それでも受容できるのは、気づかないふりをしているからだ。ちょっと油断すれば、娘の顔が頭をよぎりかねない所を、わざと自らを煙に巻いて、混乱を継続させているのである。 確かに、立て続けの性器の酷使で、意識が朦朧としているのは真実だ。だが、ふとした瞬間に、ぽっと気分的落ち着きが生まれて、その間に我が甦ることはあるのである。 もっとも、肉竿を現にハめ込まれている彼女の乱れようからは、果たしてそういう受容的な立場だけで説明がつくものか、傍目に疑問視されかねない所があった。 「ウッ、ンッ、ンッ……!」 少年と腰をすり合わせながらも、明らかに彼女は性的に喜悦の体であった。たとえ相手が我が子以下の年齢であっても、れっきとした固さと膨らみがある限り、そうしてそれで女穴を埋めてくれる限り、不足はないとでも言う風に。 おそらく、肉体的に常に欲情のピーク状態にある彼女には、もはや選択の余地などないのであろう。少年達が“おばさん”倫子のことを一転“ヤれる女”と認識し、ただただ欲望のままに彼女の膣へ勃起したペニスを挿していったように、倫子もまた彼らのことを、女としての満足を与えてくれる道具のごとく、いわばペニス単位で把握するようになっていたわけである。 そんな彼女に向かって、一年生達も続々と精を放出していく。まずは一人目、西浦(にしうら)。その後、二人目、伊東(いとう)。こうして、この部屋で最後の“男性生産”が終わった。 しかし、まだまだ男根は控えている。何しろ全十六本だ。一旦終わったものも、誰かの番の間にはまた復活している。そういうものが倫子を取り巻いて林立しているのだ。現場は異様なムードである。その中にあってまばゆく輝いて見える熟女の淫肉が、また男根達を奮い立たせてしまう。 この豊富で絶倫なる男達に対して、女体はたった一つ、いわば多夫一妻である。妻はその身一つで、彼ら夫達の飽くことなきセックスに、まだまだ応え続けなければならないのである。 <つづく> (001)19:53~(010)20:15、(011)20:18~(020)20:44 (021)20:47~(030)21:07、(031)21:09~(040)22:03 (041)22:22~(050)23:53、(051)23:54~(060)00:20 (061)00:24~(070)00:50、(071)00:24~(080)01:36 (081)01:45~(090)03:59、(091)04:12~(100)05:46 (101)05:52~(110)07:07、(111)07:15~(120)08:35 目次へ |
子宝混浴 『湯けむ輪』 ~美肌効姦~ こだからこんよく ゆけむりん びはだこうかん ――午後十時二十二分 ワイワイガヤガヤと、男達は寄ってたかって倫子の体にむさぼりつく。儀式、すなわち、童貞少年達の初体験授業が終われば後はもうルール無用と、宇川が音頭を取って、またあの浴場での輪姦遊戯が再現される。 「空いてるとこつこて、好きにしたらええねんで」 「そやそや、女の体は全身オメコやさかいな」 宇川の差配に、牛滝が乗っかって下品に煽る。 すると、もはやそれに気圧される少年達ではなかった。特に年長学年の者が積極的に動けば、それに従って後輩達もその隙間へと押し寄せていく。もはや遠慮をしていても損するばかりだということに気がついた模様である。 たった一人の女の体に、所狭しと肉棒が喰らいつく。割れた先からよだれを垂らしながら、まるでそれ自体生き物のように熟した白肌へと突き進んでいく。そうして各自がその持ち場持ち場で愉しみを見つけていくうち、中にはあらぬ所で本懐を遂げる者も現れた。 いや、本懐というよりも、むしろ自失と言った方がいいだろうか。本来の性交渉とはあからさまに無関係な場所で、半ば一人でセックスを行い果ててしまうのだ。 例えば、乳房と格闘して精を吐く者がある。二年生の大牧や白峰がそうだ。二人は、己が亀頭を倫子の肉厚な乳に突き立てて、そのままそこに白濁汁をまぶしたのである。 また、西浦と伊東の一年生コンビは、揃って倫子の手の中に射精した。倫子はもう握力もなく、自ら握ることはなかったが、二人は彼女の指を無理やり自分達の陰茎に絡ませて、手淫を行ったのである。やっていることは自慰と変わらなかったが、女の指でしごくというだけで興奮の材料にはなるのであった。 彼らがこうして、ほとんど一方的にセックスを完結させてしまう背景には、興奮の故もあったが、単純に挿入機会が回ってきそうにないからというのもあった。現に今“穴”は三つとも塞がっている。最大限に利用できる箇所の全てが。 口には吉野、膣には湊山、尻穴には渡瀬。さらに交代して、膣には須賀谷、口には三国、続いて関。尻穴は、牛滝の宣伝もあり人気で、渡瀬に次いで榊原、さらに赤石、栃尾、別所までもが入った。まさに、肉食獣が寄ってたかって獲物をむさぼるという感じで、中年・少年入り乱れての突き合いである。 その上、中年はいつも少年のお手本となるので、先輩がやったことは必ず後輩も真似をしていく。例えば、吉野が口の中で射精すれば、三国も関も同じように口内で漏らす。赤石、栃尾、別所に至っては、牛滝から直接レクチャーを受けての腸内射精であった。 「ンッ、ウッ、ンヒイィー……ッ!」 天国の空を突き抜け、さらにさらに上の国まで飛び上がっていく感覚に、倫子のエロスは行き場を失って爆発し、彼女は我を忘れて喘ぎ狂った。絶頂に次ぐ絶頂は既に何度も味わわされてきたが、幾度エクスタシーに達しても、必ず強烈な大波というのが時々やって来るのである。さっき三穴同時に肉棒を突っ込まれた瞬間などが、ちょうどそうだった。 「ング、フェ、ハ、ア、ア、ア、ア……ッ!」 倫子はもう完全に正体を失って、目を裏返していた。表門と裏門と両方から侵入され、グリグリと同時に通路をえぐられれば、誰だって正気を保っているのは至難の業だが、それを休みなくされ続けるのだからもってのほかである。 殊に裏の門はもはや閉めようもない様子で、門番であるはずの筋肉も職場放棄したらしく、そこは終始開きっぱなしで、パックリと黒く深い闇をのぞかせていた。もっとも、門内にはひっきりなしに来客があるので、その闇の奥は常に明らかとならない。 「ングオォー……ッ!」 肛門の奥を深々と突かれ、倫子の咆哮がこだまする。ついさっき失った処女なのに、もう早くも、彼女の人生で普通に膣で交わった男根以上の本数をそこに受け入れていた。こうなると、そこはもう排泄の器官ではなく、完全に交尾の穴として完成した感じだ。心なしか、入れやすいように潤滑液が出て濡れているようですらあった。 とはいえ、本来そういう構造になっていない所へペニスを入れるというのは、やはり相当に無理があるらしく、受け入れる当人には息もできないような苦しさがあった。そこへ持ってきての、口腔への挿入である。 「グッ、フォッ!」 完全なる呼吸困難であった。こちらも陰裂よろしく、勝手に陰茎を挿入され、出し入れされるのである。男達の腰振りは容赦ない。自分の気持ちよさに夢中になって、人の口であることなどお構いなしに、腰を唇に向かって打ち付ける。パンパンと肌のぶつかる音が聞こえる程だ。 硬直した肉茎が入っているのだから、される方はたまったものではない。長い得物は喉の奥まで刺さる。倫子は度々胃液を吐いたが、それでも出し入れは止まないので、口の周りはいつしかネバネバの汁だらけになった。 「アガ……アグァガァ……ッ!」 獣の声で息を吐く。ここは地獄か極楽か、少なくともこの世とは思われなかった。右を見ても左を見ても、立ち並ぶのはペニス、ペニス、ペニス……。オスの本能むき出しで、倫子に種付けしようと勃起するペニス達ばかり。穴に入っている以外にも、胸や手や、さらに腕や腹、背中、脚にまで、隙あらばこすりつけられるペニス。 (こ、こんなことが……) 頭の中は真っ白になり、もうアヌスもヴァギナも、何もかもよく分からない。彼女はただただペニスに使われるマシーン、セックスマシーンだった。 そういう状況に至りなば、たとえ今以上に男根の本数が増えようとも、この際新たな感慨はないというものである。そして実際、本数はまたしても追加されたのであった。 <つづく> (001)19:53~(010)20:15、(011)20:18~(020)20:44 (021)20:47~(030)21:07、(031)21:09~(040)22:03 (041)22:22~(050)23:53 目次へ |
子宝混浴 『湯けむ輪』 ~美肌効姦~ こだからこんよく ゆけむりん びはだこうかん ――午後十時五十一分 「お、お前ら……?」 「え……何これ……?」 口々に戸惑いの言葉を口にしながら現れたのは、青年の三人連れだった。彼らは、赤石ら卓球部のOB。今度の合宿の指導者、ないしは引率者として同行していたものである。 折しも、後輩別所が腸内に射精を終え、それに牛滝が入れ替わろうという時だった。牛滝が言う。 「おっ、なんやなんや、まだ仲間がおったんか。自分らもこっちきいな」 彼の言葉は、青年らの煩悩を強烈に揺さぶった。本当なら、力づくでもこの状況を阻止して、後輩達には説教をし、その上で顧問の教師らに報告するべき所なのであるが、すっかり鋭気をくじかれた。 今の彼らの内に湧きあがっていたのは、むしろ後輩らに対する羨望の情だった。どうひいき目に見てもいかがわしいこの状況下で、三人は、自分達年長者よりも下の者らがうまくやっているらしい点に、嫉みに近いものを感じたのである。 そこへきて、宇川がダメを押す、倫子の口に陰茎を放り込みながら。 「風呂場でこの子らと仲良なってなあ。ほんで、この奥さん囲んで、さらに親睦を深めよかいうことで――」 相変わらず巧みな雰囲気作りで、論理を丸めこんでいく。 三人は、もはや皆まで聞いていなかった。彼らは、やや媚びを含む乾いた笑みを頬に張り付けて、そろそろと集団に近づいていった。わずかにあった葛藤も、この部屋の内に充満する淫らな気風の前では無力だったようだ。 となると、後はもういずこも同じ男女の営み、早くも新参の一人・玉造(たまつくり)が女陰に挿し、これが終わると続けざまに同志・川棚(かわたな)も挿して、淫猥の宴に染まっていく。 「おっ、自分はアナルかいな」 射精を終えた牛滝が声をかけたのは、東郷(とうごう)。彼は、牛滝が放出したのを見て、それに肌をすり寄せんばかりに次の番を取ったものだ。 「ええアナルやでこれ、よう締まりよる」 さすがの牛滝もいささか押され気味に避けながら、しかし同好の士の登場は嬉しいらしく、快く次を譲った。 譲られた東郷、どうやらアナルには目が無いらしい。なんと一々抜き出しもせず、立て続けに三発も放出したものだ。 「ケツマンコ最高!」 思う存分に尻穴を一人占めして、大満足の彼である。金で買った女では、常々これだけ満喫できたためしがなかったという。 一方、その間も他の新規二人の活躍は続いている。玉造は宇川の後を受けて口内に突っ込み、そこで果てるや、そのまま、やはりこちらも仕事を終えてきた川棚と持ち場を交換した。つまり、口に川棚、膣に玉造、尻に東郷というフォーメーション。彼らもまた、強欲絶倫この上ない男達であった。 こうなってくると、少し可哀想なのは若手達だ。日頃からのタテ関係というものがある以上、どうしてもOB達に道を譲らなければならない。したがって、ますます主要三ヶ所に当たる率が低くなってしまった。 それでも周りを取り巻いて何とか想いを遂げようとし、また新たな指導者の出現で、これまでにないやり方を取り入れたりもする。例えば、膣を出た玉造が、今度は胸の谷間に挟んで精液を搾り出してみせると、それをすぐさま赤石と栃尾が真似る。 「パイズリ」 そう教えられたこの行為は、少年達に夢を与えた。女性の豊満な胸の間に陰茎を挟み、その圧力でズリズリとやる、これほど象徴的な猥褻行為はない、そう思われたのだ。 赤石も栃尾も、歓喜に浮かされてパイズリを愉しんだ。先輩がやったように、汗と精液まみれの柔肉をかき集めて己が前方に固定すると、直立した肉棒は密着した脂肪の中にすっかり隠れてしまう。その状態で腰を前後する。少年らの心には、ちょうど余裕が出てきていたこともあって、その行為がとてつもないエロスに感じられるのだった。 こうして二人が乳房の狭間に発射している頃、別所はまた別な新境地を開拓していた。これもやはり先輩に倣ったもので、顔面への射精である。 これまで、男らは随所に陰茎をこすりつけて女体を感じてきたが、不思議と顔周りだけは遠慮していた。中年親爺達もそこは特に重視せず、何となくそれは無粋なことのように少年らも感じていたのである。 川棚の行動は、いわばそのタブーを破ったようなわけだ。 「顔コキからの……顔射!」 彼はいと楽しげに、自らのペニスを倫子の顔面にこすりつけると、そのままそこでフィニッシュまで迎えてしまったのだ。 「わたあ……えらいことしよった」 「現代っ子やなあ」 「ビデオの見過ぎやで、しかし」 親爺達は口々に評価を発する。それは非難のようでもあり、一方で歓迎のようでもあった。 別所はそれを見て、心踊らされたわけだ。彼もその歳で既に“ビデオ”なるものを見ていた。そこでは、“顔射”が日常茶飯事だ。そこで、早速に自分もやってみたのである。 既に数度の放出を経ている二人の量は決して多くはなかったが、それでも倫子の鼻柱から頬にかけて、白く濁った粘液は流れ伝った。 OB三人組は、年を喰っているだけに少年らよりも性的知識が豊富であり、一方で若いだけに中年らよりも行動が積極果敢であった。爆発した彼らの欲望は、落ち着くことを知らない。これを受け、後輩らは押しやられてしまうし、他方中年らは体が付いて行かないしで、両者ちょっと後ろに下がり気味で応対せざるを得なくなった。 そうなったとき若者たちが何をしだすかというと、携帯電話を出して“パシャリ”、である。まさに“現代っ子”の振る舞いだ。目の前の犯され女の像を手元に保存して、いずれ自慰のお供に、という稚拙な考えである。 もっとも、こういう傾向は何も若者に限ったことではなく、男に共通したものであるらしい。なぜなら、この部屋に来てからすぐに自室にとって返し、用意よくカメラを持ち込んでいる男が、実は中年の中にいたからである。そのレンズは、輪姦妻の狂乱ぶりを余すところなくストーキングしていた……。 ところで、攻め手がこうして偏ってしまった点や、射精一巡以上で少しく心にゆとりが出来た点などから、折しも顔射で倫子の顔が汚れたのを契機として、ここで宇川がタイミングよく一つの提案を行った。 「もう一遍温泉に降りよか」 <つづく> 現在時刻23:20(3時間27分経過) 挿入された男根=20本 発射された精液=49発(膣24・尻10・口6・胸5・顔2・手2) (001)19:53~(010)20:15、(011)20:18~(020)20:44 (021)20:47~(030)21:07、(031)21:09~(040)22:03 (041)22:22~(050)23:53 目次へ |
『いたずらの入り口』 “いたずら”――。各種報道においては、“暴行”と並んで便利使いされる言葉だ。法的には、それぞれ“強制猥褻”“ごうかん”という用語があるのにもかかわらず、慣習的にそうは呼ばれない。一つには、被害者に対する配慮といった面もあるのだろうが、実際には、臭いものには蓋をしたがる社会の風潮に、合わせたと言った方が適当なようである。 確かに、“強制”とか“ごうかん”とか言った単語はいかにも仰々しく、上品なる家庭の日常において不釣り合いな刺激性を伴ってはいる。そこで、それら直接的表現を緩和し、さらには“分かりやすい”という追加理由まで挙げて、濁した言葉が好まれるようになった。 しかし、その副作用として、返ってことの迫真性までが薄らいでしまうことになったというのは、当然の帰結だろうか、はたまた皮肉な結末だろうか。ともかくも、その結果として下卑た好奇心の介在する余地が生まれたのは確かだと思うのである。殊に、加害者予備軍の者にとっては、小さからざる要素ではないだろか。 “暴行”については、いまだ理性の障壁が機能しやすいといえども、“いたずら”については、ほんのちょっとのきっかけで踏み込んでしまうほどに、その入り口は足元近くに広がっていると思う。いわゆる“魔が差す”というやつだ。 エスカレーターに乗った時、何の気なしに見上げればミニスカートの女性が上を行っている。そこで、ふいに首の角度を傾けて……。 前かがみになって作業をしている女性。その緩いシャツの襟元からは、丸い双丘、さらにはそれを覆う布地、いや、もっと角度を変えれば、その浮いた布地の奥の干し葡萄まで……。 満員電車の中。たまたま前には女性がいて、彼女の髪がちょうど鼻先に触れ合う位置に。甘い香りが鼻腔をくすぐる。密着する服を通して、彼女の体温までが伝わってくる。ちかんする気はない、ちかんする気はないが、前に捧げた鞄を少し脇に逸らす位は……。 危険因子は、身の回りにゴロゴロ転がっている。どれ一つ取っても命取りだ。法律には違反せずとも、条例違反ということがある。よくよく自戒せねばなるまい。 かく言う私も、気をつけねばならないと思っている。いな、私こそ最も反省せねばならない男の一人である。というのも、既に幼少のみぎりより、“いたずら”嗜好があったからだ。 “いたずら”というと、多くの報道を見る限りおさない女相手に行うのが一般なようであるが、私の場合は違っていて、相手は成熟した女性であった。私がまだランドセルを背負っていた頃であるから、彼女はその当時三十代半ば位だったろうか。それは、同級生の母親であった。 我が母と同じ位か、ひょっとしたらそれ以上の歳だったかもしれず、平生他の子がそうするように“おばさん、おばさん”と呼んでいたが、私は彼女のことを“女”として見ていた。いつ頃からそうだったかは分からない。ただ、彼女がキャミソールやホットパンツ姿で、大きな胸や尻をタプタプ揺らしながらジュースやお菓子を持ってきてくれるのを鮮明に覚えているので、そういうのを見ている内に意識するようになったものであろう。 元来、私は早熟な方であった。幼稚園に通う頃には、既に意図的に手淫することを覚えていた。だから、クラスメイトや先生はもちろん、友人の姉妹や母に至るまで、その頃もう性の対象となり得たのである。 とはいえ、まだまだ子どものことだ。知識は無いし、何をするといって出来ることもない。もしも、現在の知識を有したままで体だけ子どもに戻れたなら、その地位を利用して散々に悪行もできそうなものであるが、その当時の私は、例えば女湯に入ることすら恥ずかしくてできなかった。まったく、人生とはよく設計されたものである。 そんな私が、やっとの思いで冒険した行いが、前述の友人の母に対する悪さであった。あれは、男子が子供らしく女性と戯れられる、ちょうどギリギリの年齢の頃であったろう。彼女がまた、そういう無邪気な戯れを喜ぶ性質で、よく取っ組みあいなどに応じてくれたものだから、ああいう願望も果たしやすかったのである。 私は他の子らがそうするように、彼女に組み付いて暴れた。その過程で胸や尻にも触った。他の子も触っていた。そういう時、彼らにも性的好奇心がないとは言い切れなかったであろうが、私ほど明確に淫らな気持ちを抱いていた者は無かったであろうと、はっきり断言できる。 私は、子どもながらに淫乱であった。乳房を揉んだ時、これを“おかず”に家に帰ってから自慰に耽ろうと考えていたのである。“家に帰って”――そう、確かに最初はそういうつもりだった。だが、そう思った時、さらに淫らな思いつきが心に閃いたのだった。げに恐ろしき“魔が差した”のである。私は、幼くしてあまりに淫らであった。 思うが早いか、私は彼女の広く大きな背中に組み付いていた、きっちりと股間を密着させて。そして、さすがに乳房をつかむことまでは出来ずに、肩の辺りに手をひっかけて、極めてさりげなく、じわりじわりと腰を動かしだした。 彼女は前方の子に向かって何か言っていた。どういう遊びだったのかは忘れたが、前の子への攻撃を、自分は後ろから止めるという位置取りに収まれたのだと思う。とにかく私は、そんな遊びとは無関係に、初めは慎重に、しかし徐々に大胆に半ズボンの前をこすりつけ続けた。 信じられない程の快感が全身を貫いていた。生身の女の体で自慰をしているということが、前代未聞の興奮を身内に呼び込んでいた。女の体は想像以上に柔らかく、また良いにおいがし、そして何より、熱かった。その熱さこそが、本物の女を教えてくれるようだった。 ちらりと友人の顔を窺う。この女の息子の顔だ。もしもう少し大人であったならば、何かしらの心の動きがその後あったのであろうが、その辺り、まだいびつな成長しか遂げていなかった私には、背徳心も何もなかった。悪びれもせず、ただ“田村君のおばさんでおチンチンこすって気持ちいい”とだけ思っていた。そもそも日頃から、“田村君のおばさん”には“オナペット”として、“おチンチン”の“お世話”をして頂いていたのだ。 私はこすった。パンツの中では、パンパンに膨れ上がった陰茎が、卑猥な粘液をまぶして踊っている。同級生の誰も、まだこんな仕業があることを知るまい、そう確信していた。彼らは本当に無邪気だった。本当に純粋で子供らしく輝いていた。私は、時に、そういう彼らが羨ましくも思えたものである。 しかし、ひと度劣情に流された男には、そんな憧憬何の歯止めにもならない。ただただ獲物を狙うような目で周囲の様子を窺い、時折は動きを止めたりと気を使いながら、何とか最後まで持っていこうと必死なのである。 心にもない台詞も吐いた。黙っていて怪しまれてはいけないからだ。そうして、そういう台詞を五回ばかり吐いた時だろうか。終焉の時はあっという間に訪れた。最後の三回ばかりは、本当のセックスのように大袈裟に腰をグラインドさせ、そして最後には思い切り腰を前に押し出して、果てた。 その瞬間、じっと股間を見つめたが、半ズボンを通しては、何らの変化も認められなかった。私は、それを幸いとしてオナペットから身を離した、ついにばれることなく目的を達成したのだと満足して……。 それから後も、田村の家には度々通った。“チャンスがあれば、また”そういう思惑は当然にあってのことだ。だが、もう二度とそんな機会は巡ってこなかった。“もっと以前なら、ボディータッチの機会なんていくらもあったのに、どうしてもっと早くあのオナニーを思いつかなかったのか”と、後悔さえしたものだ。 だが、改めて考えてみると、当然の結果なのかもしれない。そもそも、あれが本当にばれなかったのかどうか、怪しいものである。相手は大人だったのだ。こちらがいかに細心の注意を払っていたつもりでも、所詮は子どもの思いつき、何をやっているか位、お見通しだったのではないだろうか。いかに小さなものでも背中に勃起を押し付けられて、気づかないと計算する方が、浅はかだったのではないだろうか。 そう考えてみると、紙一重の結末に、思わず背筋が寒くなる。あれが子どもの頃の過ちで本当に良かった。ああいういたずらの入り口は、今もすぐそこに転がっているのかもしれず、ついフラフラとそこに迷い込んでしまえば、行先は地獄、大人の今なら人生を棒に振る話なのだ。 彼女には、よく見逃してくれたものだと、その寛容さに感謝するばかりである。やはり、気づかれていたのだろうと思うから。 <おわり> |
子宝混浴 『湯けむ輪』 ~美肌効姦~ こだからこんよく ゆけむりん びはだこうかん ――午後十一時二十分 宇川の提案には賛否両論であった。 年若い者達には、これから移動をすることによって、折角出来上がった空気が冷め、何となく続きがしづらい雰囲気になってしまうのではないかと危惧されたのである。とことん惰性でやり尽くしたい彼らなのだ。 一方、 「いやいや、温泉でヤんのも乙なもんやで」 との吉野の言葉に代表されるように、中年達は概ね宇川に賛成の意見であった。彼らとて少年達の気持ちが分からないではなかったが、年を喰っている分些か冷静ではあり、別な角度からもっと獲物をむしゃぶり尽くしたいとの考えに傾いていた。 もっとも、いずれにせよ倫子をこれからも輪姦し続けるという点では争いがなかったわけで、両者の歩み寄りにはそれほどの時間はかからなかった。また、年功序列という縦の規律が現場には貫かれており、宇川らが特にOB達を重点的に説き伏せることによって、その下の赤石ら部員も自然になびくことになったのだった。 かくして、一行は倫子を担いで部屋の外へと出た。担ぐといっても普通にではなく、当たり前のように男根で貫きながらである。 東郷は、先程三発も立て続けに精を出したのにかかわらず、またしても肛門に肉棒をねじ込み、そのまま倫子を抱え上げた。大柄な彼にとって、女一人犯しながら持ちあげる位訳はない。 といっても、今は彼一人の力で持ちあげたのではなかったので、なおさらのことであった。倫子の前面にはもう一人、玉造がいた。彼は、膣に男根を挿し入れつつ、東郷と共同して倫子の腿を抱えていた。 こうして、前後の穴を塞がれながら、二人の男によって持ち運ばれていく倫子である。まるで神輿さながらに、その周囲には彼女を祭り上げる他の男達が付いて行く。 そのまま後はエレベーターで降りていくわけだが、一つしかないエレベーターには同時に全員が乗ることは不可能であるので、まず先に中年グループが乗り、次の便で残りの者が行くことになった。OB達に運ばれている倫子は、後の便である。 「ほなな」 ガヤガヤと雑談を始めた中年連中の中、榊原がコミカルに手を振って別れを告げた所で扉が閉まる。 残された一同は、右から左へと移動していく数字を見上げて待った。 と、その時だった。 「おい、お前ら、どこ行くんだ!」 突如いかめしい声が廊下に響いた。 「やっべ!」 東郷がつぶやくと、彼と玉造は顔を見合わせ、とっさに移動して、倫子を地面に下ろした。そこはエレベーターより向かって斜め右前、客室が並ぶ廊下から直角に曲がる壁によって、ちょうど向こうからは死角になる場所である。 「こんな時間にゾロゾロと、何やってる」 声の主はスリッパの音を鳴らし、団体の前へと近づいてくる。 「どこ行く、んん?」 彼は立ち止まると、部長である赤石に問うた。 「いや、あの……」 返答に窮す赤石。 と、その時、質問者の後方の部屋の戸が開いて、またもう一人の男が出てきた。 「なんだ、こんな時間に。――宮浜(みやはま)先生、どうしたんです」 彼もまた近づいてくる。 その彼の方を向いて、先に出てきた男が言った。 「奥津(おくつ)先生、こいつら連れだって、今頃から抜け出そうとしてるんですよ」 「何? こんな時間からか?」 奥津は、生徒達の顔をジロリと眺めまわした。 生徒達、慌てて視線を下に落とす。 「あっ、玉造! 東郷……川棚もいるじゃないか!」 奥津はちょっと驚いた風に声を上げる。 これには宮浜も驚いたようで、 「お前らまで一緒に何やってるんだよ」 と、こちらは少し呆れ顔も交えながら言った。 「いや、なんかもっかい風呂でも入ろうかな、なんて」 東郷が答える。 これに連携して玉造も、 「喉も渇いたし、飲み物も買いに行こうってなって、それでみんなで……」 と、言って補った。 これに対し、宮浜・奥津の両人は指導者として納得するはずもなく、 「明日にしろ明日に。こんな遅くにうろちょろしたら迷惑だし危ないだろ」 「喉渇いたんなら茶を飲め。部屋にあるだろ」 と、それぞれ渋い顔で言った。 結局、二人に叱られて、大浴場行きを取りやめにせざるを得ない一行であった。しょんぼりとして各部屋に戻る部員とOB達。取り残してきた倫子に後ろ髪を引かれる思いだった。 奥津は彼らの背中をポンポンと叩きながら、 「明日も朝練あるんだからな。よく寝ろよ」 と声をかけて部屋まで見送った。 その後、指導者の二人も自室に帰り、それでこの一件は終わりになるはずであった。ところが、奥津が玉造らを部屋に送った頃、ちょうどエレベーターが到着して扉が開いたのである。これが結果的に運命の分かれ道となった。 その時、宮浜はまだ生徒に注意した場所から動かずにいたので、開いた扉にも近く、自然とそちらの方を見た。中は空である。生徒達が呼んだものであろう、とは容易に想像できた。 それで納得すれば、事はそれまでで済んだ。が、彼は習性として、一応生徒らの屯していた場所を端まで見て回ってから帰ろうという気を起こしたのである。 で、彼は気づいてしまった。 <つづく> (001)19:53~(010)20:15、(011)20:18~(020)20:44 (021)20:47~(030)21:07、(031)21:09~(040)22:03 (041)22:22~(050)23:53 目次へ |
子宝混浴 『湯けむ輪』 ~美肌効姦~ こだからこんよく ゆけむりん びはだこうかん ――午後十一時二十二分 「あっ!」 想像だにしないものを視線の先に見とめ、宮浜は思わず息を飲んだ。 そのただならぬ様子に気づいた奥津も、すぐにやってくる。 「どうしたんです」 ひょいと、彼も角の向こうを覗き見る。そしてその刹那、びっくりして固まってしまった。 「これは……」 二人が驚くのも無理はない。誰だって全裸の女性が突然目の前に現れたら面食らうであろう。しかも、女性は体中濡れており、所々には白濁した汁が張り付いている。そんな状態で座り込んで、ぼんやりとしているのだ。一目見て、ある種の想像を禁じえない様子であった。 奥津はショックから、率直にその思いつきを口走っていた。 「まさか……あいつら……」 「そんな、まさか! しかし……いや……でも……」 宮浜は反射的に否定したが、状況から考えてそれが最も可能性のあることは明らかなので、たちまち自信を失くして口ごもってしまう。 もしこれが集団レイプの結果だとしたら、それこそ前代未聞の大事件だ。仮にそうでなかったとしても、生徒達による何らかの関与はほぼ疑いない。彼女がここにいるのに、生徒らが気づかないわけがないからだ。そして目の前の女は、どう見ても性交渉の事後の状態である。 二人はしばし考え込んでいたが、はっと気づいて女性に声をかけた。 「あの……もしもし? 大丈夫ですか」 口々に問いかけてみるが、女性からの応答はなかった。意識がないではないが、虚ろな目で不安そうに見返すだけである。そして、時折どこかうずくのか、 「ン……ッ」 と、軽く上まぶたを下げ加減で、こもった声を吐息と共に漏らす。 それを見て、奥津は密かにゴクリと生唾を飲み込んだ。 「こ、困りましたね。といって、このまま放っておくわけにもいかないし……」 困惑した様子で、宮浜が言う。その頬には少し赤みが差していた。 「し、下に行くみたいでしたよね」 奥津も動揺しながら言った。そして、急に気づいたようにさっと廊下の方を窺う。 つられて、宮浜も見た。しかし、そこは静まり返ったただの廊下であった。あれから誰も外には出ていないようだ。 二人は話しあった。そして、部屋に連れて行って誤解を生じてはいけないし、とりあえず一階まで連れて行こうという結論に達した。別に当てがあったわけでないし、これが最善の策とも思われなかったが、半ば混乱した彼らの中で一致していたのは、とにかく証拠を現場から遠ざけようということであった。 かかる相談は主として二人の男の間で行われたが、連れられる当の本人が全く無視されていたわけではない。ただ、彼女が何らの意思表示も行わなかっただけである。 実のところ、倫子は腰が抜けて一人では立てなかった。といって、助けを求めるのも億劫だった。自分は裸で、しかもあからさまに性交の事後の格好であり、こんな恥さらしな姿でまともに振る舞うのが何だか馬鹿らしいと思われたのである。 そうでなくても、絶え間ないオーガズムに曝され続けて、体力は限界を迎えていたのだ。彼女はもう何もかも失ったつもりで、そうしてまた知らない人達に見つかったことで、すっかり自暴自棄になっていた。あるいは、狂気の一歩手前だったのかもしれない。 男達は、そんな倫子を両脇から介助して立ち上がらせた。するとその瞬間、ブブッ、と放屁のような音を立てて、彼女の股の間から白い汁がドロッと流れ落ちた。宮浜も奥津も目ざとくそれを見つけたが、あえて何も言わなかった。 三人はエレベーターの前を過ぎ、階段の方へ向かった。エレベーターでは人と出くわした時に逃げ場がないと危ぶまれたからである。 事前に宮浜は、倫子に着る物の在り処を問うたが、相変わらず彼女は無返答であった。そのため、倫子は全裸のままの移動である。宮浜らもそれ以上追及して、例えば玉造らの部屋にあると分かっても今さら取りには行けないと、諦めた。自分達の着物、あるいはタオル位貸せばいいのに、気の利かない者達である。 それだけ動揺の程度が大きかったというのもあるが、実は、それ以外にも心に引っかかりがあってのことでもあった。 ゆっくりと階段を降りながら、奥津が言う。 「思うんですけどね、先生。あいつらが、その……無理やり……ということはないんじゃないでしょうかね」 「いや、わたしもね、それは、そうじゃないかと……」 宮浜は応じながら、倫子の顔色を窺い見た。 彼女はただ疲れた表情をしているだけで、一切顔色を変えはしなかった。何もかもが気だるい彼女には、自分が受けた辱めの真相を、自らの口で説明しようなどという気はさらさらないのだった。 「それでね……」 奥津は自身の推論を続ける。 「ひょっとしたら東郷あたりが、その……呼んだんじゃないか……って、こう思ったりするんですよ。ほら、あの……温泉と言えば、その……芸者とか、そういう人があるじゃないですか……」 「ああ、枕……何とかとか、エー……コンパニオンとかですね」 宮浜はすぐに意を察し、倫子に気を使いつつ相槌を打つ。 「そうそう、コンパニオンっていうんですか。そういう女性をね、あいつら、その……電話か何かで呼んで、ね」 奥津は言いきってから、倫子の方を見た。すると、奇跡的なことに、たまたまその時彼女がフラフラとよろめいて、ガクリと首を突き出したのが、希望を持って見ていた奥津の目には、ちょうど彼女が頷いたように見えたのである。 「そ、そうでしょ! ああ、やっぱり!」 奥津は小躍りせんばかりに喜んで、相棒と顔を見合わせた。 この結論は、宮浜にとっても同様に喜ばしいことであった。確かに、指導的立場であるOBらのすることとして、決して望ましいことではなく、まして部員らもそれに巻き込まれていたとすれば、それはそれで結局問題なのであるが、そのきっかけが強引なものでなかったというだけで、今の彼らにとっては少しでも明るい話題なのであった。何しろ、自分らの可愛い部員達が、そんな凶悪なことを出来るはずないという思いがあったのだ。 もちろん根拠のない早とちりであるが、さっきから始終ドキドキとして不安だった彼らは、ほんの僅かでも安心できる理由が欲しかったのである。 「そうか、そうですか……」 宮浜も少しほっとした表情になって、一人頷いていた。 今の彼らには、娼婦とはいえ一人で複数の男と関係を持つに至ったことへの疑問ないし心配とか、また生徒達に対する怒りなどは全く無いのだった。特に後者については、初めから思いつかず、どちらかといえば、彼らの罪をいかに隠すかという方に思考が傾いていたきらいがある。教育者の適性としていかがなものであろうか。 その上に、彼らの適性を疑う要素はまだあった。倫子に体を覆うものを強いて用意しなかったのにも、彼女の素性に対する仮説があったことと、もう一つ、男らのいわゆる未必の故意が作用していたのであった。 <つづく> (001)19:53~(010)20:15、(011)20:18~(020)20:44 (021)20:47~(030)21:07、(031)21:09~(040)22:03 (041)22:22~(050)23:53 目次へ |
子宝混浴 『湯けむ輪』 ~美肌効姦~ こだからこんよく ゆけむりん びはだこうかん ――午後十一時二十五分 三人は、先の話題の後、すっかり黙って進んでいた。大人を一人介助しながら階段を降りるのは中々に難しいもので、その歩みは遅々としたものである。 やがて、一歩一歩と段差を降りる度、出っ張った脂肪の球体が右へ左へと揺れながら波打ってはずむ様子が、静寂の中で一際目立つようになった。その表面からは、汗ばかりともつかぬ粘ついた汁が滴となって落ち、履物もない倫子は裸足で、その滴を直に踏みつけて歩いていく。 宮浜と奥津は注意深く、そんな彼女の一挙手一投足を常に目で追っていた。むっつりと黙りこくって放つ視線が、女体の上を絡みつくように這っていく。憔悴した倫子はそれを意識する余裕も無く、ただ肩で息をするばかりであったが、それに男達の“ハア、ハア”という荒い呼吸が次第に混ざり込んでいった。 それに比例して、彼らの手はどんどんと柔肌を浸食していく。重い荷物を抱えて進む都合上、時々に手や腕の位置を修正するのは仕方がないとしても、だからといって、いくらなんでも乳房を掴まなければ体を支え切れないなんて法はないだろう。まして相手が女性であるからには、本来もっと慎重に接触すべきところである。 ところが二人ときたら、腰に置いていた手を乳房の下部に、あるいは尻の肉にと、それらの肉を持ち上げるような位置にそれぞれ段々と回して、平気でいるのである。初めの内遠慮をしていたのは、さすがに常識をわきまえていたからのようだが、相手がとがめないものだから、それをいいことに徐々に図に乗っていったものらしい。ついには指先を折って、その先に触れる肉の感触をおずおずと確かめすらし始めたものだ。 初め偶然当たっていた手がなぜか度々当たるようになり、仕舞いには確信的としか言い様のない当たり方をしだしたともなれば、これはもう痴漢の典型例である。あろうことか、四つ目の踊り場を通過する頃には、股ぐらにまで指が滑り込んでいた。とんだ介助があったものだ。それでもなお男達が黙して語らぬ上は、あくまでも建前は人助けである。 もっとも、彼らがいかにとぼけようとも、男というのは本音を隠せない生き物、哀しいかな体は正直に変化を見せていた。すなわち、帯の下の浴衣が、唐突に突っ張り出していたのである。しかも二人揃ってだ。 ここまでくると、男どもが誘惑に流されること、増水した川に漂う木の葉以上に速かった。ほかに誰もいない状況下で、裸の女に触れているだけでも心が揺らぐのに、しかもこれが体を売っている女であり、大いに軽んじ得る存在と認識した時、二人の良心は脆くも崩れ去るのだった。 たとえ自分達の指導監督すべき未成年者が女を買うという過ちを犯していたと前提し、その上で、彼らの実際買った女のおこぼれに預かることになるのだと頭の片隅では思っていても、男の激しい衝動の前でそんなものは何の歯止めにもなり得なかった。 まず奥津が動いた。彼は開き直ったように、膣に指を突っこんだ右手を激しく動かし、そうしながら自身の浴衣の前を開け、中で窮屈にしていた突起を引っ張り出した。突起は、ピーンと直立してブレもしない。 行動あるのみ、相方に対する言葉はなかった。ただ瞬間的に相手の方を見やっただけである。しかし、それで十分であったことは、宮浜が負けじと女の乳首を露骨に愛撫しだしたことで証明されていた。彼は、その裾野からプックリと膨張して見える乳首を指先でつまんで弄び、そうしてそれに負けず劣らず膨張している男根を露出してみせた。 すっかり血が上った彼らの頭は、それら勃起が解消されない限り冷める当てもない。女・倫子は、当たり前のようにその相手を強いられていく。そこに居合わせた女の定めとして当然に。 倫子は拒もうとしない。声も出さない。ただされるがままに、二人の男の勃起したペニスの間に挟まれる。七つ目の踊り場であった。そこで、彼女はレイプされることになった。 “犯されたいわけがない”そう心では誰かに反駁してもみる。だが駄目だ。それ以上に大いなる諦めの情が、曇天のように心を覆い尽くしていて、彼女の本心がどこにあるのか、もう今となっては本人にも見つけられないのだ。 今日一体何人目、いな何本目のペニスか、それをわきまえているのかいないのか、倫子の意思とは無関係に、彼女の穴は寛容に新規参入者を迎え入れていく。まずは奥津、次いですかさず宮浜。いずれもすぐ済む。穴肉は、ゴリゴリと荒々しく突かれながらも、肉棒を慣れた仕事でいなし、吐き散らかしを搾り出してはその身に収めていく。全く上手いものだ。 女の機能の優秀さに、男一同は新鮮な思いで感心した。宮浜と奥津のみならず、本当はその場にもう一人いた男もまた……。 <つづく> 現在時刻23:40(3時間47分経過) 挿入された男根=22本 発射された精液=51発(膣26・尻10・口6・胸5・顔2・手2) (001)19:53~(010)20:15、(011)20:18~(020)20:44 (021)20:47~(030)21:07、(031)21:09~(040)22:03 (041)22:22~(050)23:53 目次へ |
『夏のおばさん』 「スイマセン」 ふいに声をかけられて、郁恵はまぶしい空を振り仰いだ。見れば、日に焼けた若者が、こちらに笑いかけている。 「一人っすか」 「よかったら一緒に遊びませんか」 矢継ぎ早に質問を浴びせてくる彼の目的は、一見して明白な、ナンパだ。 「エー、どうしようかなぁ……」 郁恵はまんざらでもなさそうに、にこやかな困り顔を作ってみせた。 それを見て、好感触と受け取った若者は、さらに押しの一手を打つべくパラソルの影に足を踏み入れる。 が、それ以上の交渉は、断念せざるを得なかった。 「オーイ」 「お母さん」 口々に呼びながら駆けてくる者達がある。子どもと大人とが入り交じった一群、どう見ても家族の体である。 それを見た若者、 「あ……失礼しました……」 きまり悪そうに言葉を濁し、たちまち去っていった。 それと入れ違いに、パラソルの下に入ってきたのは夫、 「イヤー、暑い暑い」 と、すっかり日焼けした贅肉をブルブル揺らしながら、バッグの方にしゃがみ込んだ。これからビールでも買いに行こうというのであろう、中から財布をつまみ出す。 「今ねえ、ナンパされちゃった」 彼に向かって、妻は今さっきの出来事を報告する。 「え?」 夫、特に気も無く聞き返す。 「サーファーみたいな男の子。結構イケメンだったなあ……」 妻は、格好のネタとばかりに、嬉々として話を続ける。 これを珍事と判断したのは夫も同様で、彼も少しだけ話に乗った。 「お前みたいな子連れのおばちゃんをか?」 皮肉っぽく口辺を歪めて尋ねる。 「あん、子ども連れとは思わなかったのよ。でもビックリでしょ、ウフフ」 「大方傘で顔まで見えなかったんだろうよ。それか、暑さでおかしくなっちゃったか……」 夫婦は軽口を言いあって、このちょっとしたアクシデントを笑った。 「――お前もそれ脱いで、泳いでこいよ。イケメンがまた寄ってくるぜ」 夫は妻のシャツを指さしてそう言うと、自分は海の家の方へと歩いていった。 「んもう」 妻は、少しく不満そうであったが、続々と戻って来た子どもたちが口々にせがむので、 「はいはい、分かった分かった」 と、一転快活に、軽い足取りで海へと向かった。 シャツを脱げば下はビキニ、なるほど、男の目に留まるのも不思議ではないたっぷりとした盛り上がりが際立っている。この豊満さにしてこの露出ぶり、ナンパは笑い飛ばしてみても、あながち色気がないではないのだ。 ところが、この色気があだになった。海に入って間もなくのこと、ふいの高い波にさらわれて、なんと胸の水着が外れてしまったのである。 「キャッ!」 慌ててこぼれた胸を覆い隠す。だが水着は見当たらない。郁恵は、しかし狼狽するほどのこともなく、愛嬌たっぷり、余裕たっぷりに子ども達に向かって救援を申し出た。 「ねえっ」 一言呼びかけ、次いで水着の捜索を依頼しようとする。が、それより僅かに先んじて、後ろから肩を突っつく者があり、とっさに振りかえった。 「どうも、さっきは」 笑顔の青年。波間からへそより上を出して、こちらに笑いかけている。どうして忘れようか、これなんつい先程声を掛けてきた、ナンパ青年であった。 「あら……」 郁恵は胸元に置いた腕を前よりきつく締めると、ちょっと膝を折って、首まで波の下に隠れた。 「オレも交ぜてもらえませんか」 「え?」 「ボール遊び。なんか楽しそうだなあって」 彼は言った。見ず知らずの青年ながら、郁恵ら家族が興じていた海中バレーに飛び入りで加わりたいという。 郁恵は、時が時だけに困惑した。 「ええっと……」 すると、彼女がためらう中、青年は急にくすくすと笑いだした。 「ひょっとして、何か探し物っすか?」 そう言って、さらに肩を震わせて笑う。 「え、あ、まさか……」 郁恵は不審そうに眉根を寄せた。 果たして、そのまさかだった。青年が海中からスーッと出した手に、オレンジ色の布と紐が握られている。 「あっ!」 郁恵は、思わず眉を上げて叫んだ。 「さっき見つけたんすよ」 彼は手に持ったそれをひらひらと振ってみせる。 郁恵はさすがに決まりが悪くなって、 「あの……ごめん、それ……」 と、ややしょんぼり首を前に出しながら、 「それ、あたし……おばさんの……なの。あの、ありがとう……」 何となく言葉を選び選び言って手を差し出した。 「へえ、おばさ……つうか、お姉さんのっすか」 青年は悪びれもせず、あっけらかんと驚いてみせた。だが、その後の行動は、到底無邪気なものとは言えなかった。 「けど、これデカ過ぎません? こんなあるんすか、お姉さん」 そう言いざま、彼はその布地を自らの胸に当ててみせる。 「ちょ、ちょっと、何するの!」 びっくりして、郁恵はそれを取り上げようと手を伸ばす。が、生憎なことに結果は空振りであった。 「ねえ、さっきのナンパの返事、まだ聞いてないんだけど」 青年は、彼女をかわしながら、地面を蹴って後ろに下がっていく。 「は? 返事?」 強い語調で聞き返す郁恵。相手を追うその指先は、依然空をかすめるばかり。 「このままさあ、一緒に泳ごうよ」 ナンパ男は言った。その顔には満面の笑みが広がっていた。 片や、追う郁恵、このまま行けば、実際そういうことになりかねないと、ちょっと冷静になるべく一瞬立ち止まってみる。その表情は険しい。 既に些かの距離を沖の側へと移動していた。浜の方を振り返ってみる。波打ち際に近い所で、我が子とその従兄弟らが夢中で遊んでいる。現金なもので、向こうから誘っておいて、もう今は母のことなどお構いなしの様子である。その向こうでは夫が、ビールをたらふく飲んで、すっかり昼寝を決め込んでいる。 「んもうっ!」 郁恵は頭にきた様子で、沖の方に向き直りきっとそちらをにらむと、大胆な動作で青年の方へと踊りかかった。 「返しなさいよ!」 今や完全に立腹した彼女である。なり振り構わずに水着に向かって猛進していく。 「おおっと、こっちこっち」 青年は軽快にそれをかわして後ろへ飛んでいく。すっかり彼のペースだ。たまに追跡者が息切れして立ち止まると、 「どうしたの? いらないの、このでっかくて恥ずかしい水着」 と、頭上でオレンジ色をブンブン回して煽りたてる。もう丸っきり幼稚な、例えば、幼馴染の学生などなら絵になりそうな追いかけっこだ。 この陽気で間の抜けた展開に、覚えず郁恵の頬にも少女の頃の面影が蘇りそうになる。が、それを自覚したのかすぐさま、 「もうっ! いい加減にしなさいよ!」 と、苦虫をかみつぶしたような表情に戻る。そうして、必死で彼を追いまわしていく。 ただ、僅かな気の緩みが、時に致命的な失点にもつながるもので。いつしか郁恵の足が砂地から離れるような地点まで来た時、ちょうどそのタイミングで、ようやっと彼女は相手に追いついたのだが……。 思わずギュッとつかんだのは、水着というよりも彼の腕、そして肩。細身のイメージに合わないがっちりとした筋肉だった。 「アーア、つかまっちゃった」 彼は嘆きながら、両手をおもむろにそのまま彼女の背中に回す。 「ちょ、ちょっと、早く返して!」 うすら寒いものが背筋を走ったのか、ふいに身震いし、郁恵は強硬にもがいた。ところが、細い割に腕力のある彼の腕はびくともしない。それどころか、彼女の腕の自由をさらに狭めようとすらしてくる。 「ねえ、もうちょっと遊んでよ」 青年は妖しく囁きながら、郁恵を羽交い絞めに抱き寄せた。ボリュームのある水風船が圧迫されて形を崩す。 「なっ! ちょっ、やめて!」 額から流れた汗が、見開いた目の横を落ちた。郁恵は肘を突っ張って、狼藉者の罠から逃れようともがく。 「ヤベ、チョーかわいいよ、お姉さん。近くで見たら、マジオレ好みだわ」 男は、舐めんばかりに顔を近づけて、安っぽい口説き文句を並べ立てる。 郁恵は顔をそむけ、 「嫌……だ、誰か……!」 と、宙を見上げて助けを求めた。これはもう緊急事態だと早くも判断したらしく。 そんな彼女に、男は冷然と言い放つ。 「無理無理、来ねえよ。てか、誰も見てねえし。人少ねえじゃん? ここ」 確かにその言葉通り、この海水浴場の人口密度は低かった。かつて郁恵と夫は、そのことを喜んだりしたものだったが。 「誰か……!」 それでも諦めず、郁恵は助けを呼ぶ。 「無駄だってば。――けど、そうだね、変に邪魔されてもウザいし、あっちの岩場の方でも行ってみる? 二人っきりでさ」 不埒者はそう言って、不敵に笑った。彼の頭が近づいて、その茶髪が郁恵の頬に触れる。力づくで、本当に実行しそうな勢いであった。 「嫌っ! 嫌っ!」 必死で暴れまわる郁恵。海水と汗で乱れた髪の毛が、額に張り付く。 「いいじゃん、遊ぼうよ! てかさ、もうマジかわいいんだけど。人妻とかさ、子どもいるとか、もう関係ないわ。マジヤベえ」 浮ついた台詞を連発し、ナンパ男は剛柔取り混ぜて目の前の獲物を籠絡する構えである。もっとも、そのいずれもとどめを刺すには至らない。 「離してよっ! なんなの、もう!」 頑なに抵抗を続ける郁恵。その声音にはヒステリックに高い調子が混じっていた。 しかし、男は一向頓着しない。 「アーもうヤバい。チューしていい? チューしよ、チュー」 まるで酒に酔ってでもいるような強引な絡み方をする。ナンパとは飛び込み営業も同様、いささか下品な位食い下がって、己が主張を押し通すのが鉄則であるところ、ある意味、既定通りではあろうが、 「ちょっ、あっ、嫌っ! 嫌って!」 受ける方にすれば不快極まりないこともしばしばであり、現にこの場合も、郁恵は思い切り嫌がって顔を右左へと激しく振り向けた。 男は、しかし、それをものともせずに目的を遂行していく。嫌がる相手の頬に唇を押し付け、さらには舌で耳から首筋を舐めまわす。まるで、蛇のように不気味な絡みつきである。彼は舌先に女体の鳥肌を感じながら、ピチャピチャと唾液の音を立て、ついにはいとも奇抜なことを囁いた。 「ねえ、もうヤッちゃおっか、ここで」 彼にとり本懐の、とどめの一言であった。 それを聞いた瞬間、郁恵の瞳孔はさっと開いた。ビクリと肩には力が入り、体の芯まで硬直する。 「な、何言ってんの? バカじゃないの、あなた……」 切羽詰まった表情で、しまいにはカタカタと顎を震わせながら拒絶する。 「そんなにビビんなくてもいいって」 男は余裕で諭した。優しげですらあった。 「大丈夫、バレないって。二人だけの秘密ってことでさあ」 「い、いい加減にして!」 「いいじゃん! せっかくなんだしさあ、楽しもうよ!」 「やめてっ! 離して!」 二人の議論は平行線をたどる。一瞬はたじろいだ郁恵も、いよいよ最後の力を振り絞って激しい反抗を繰り返す。ここが、ナンパとレイプの分かれ道である。 「今さら何言ってんのさ。あんたも結構期待してたんでしょ?」 男は言いながら、ぐっと下腹部を相手の腹に押し付ける。かつ一方で、背中に回していた手をゆるゆるずらし、下方の双丘にまとわりつかせた。 たまりかねて、郁恵は叫ぶ。 「け、警察……」 それを途中で遮って男はせせら笑う。 「呼べよ。携帯持ってんの?」 彼は手の中の肉を握りしめてその感触を味わうと、そのまま谷間に沿わせて後ろから前へと、指を揃えて潜り込ませていった。 「うわぁ、ケツもチョーたまんねぇ」 さらには、 「お姉さん、Tバックも似合うんじゃない?」 などとからかいながら、ビキニを尻の谷間に無理やり引き寄せて、そこに挟んだりした。両の山が丸出しになる。そうして露出した尻をむんずとつかむ。丸々と膨らんだ尻だ。表面の柔肉に指が食い込んでいく。また、間の水着をズリズリと上下に引っ張って、股間を摩擦したりもする。 「うぅっ……くっ……! やめなさいよ……っ!」 不快感と悔しさに歯がみしつつ、郁恵はのけぞるようにして浜を窺う。頼みの綱は夫であるが……。 「いいじゃん、お姉さん。ひと夏の恋ってことでさあ、思い出作ろうよ。家族とかちょっと忘れてさ、今だけ一人の女に戻るってことで」 男はややトーンを下げ、柔らかな物腰になって相手を誘いにかかった。 「今日だけだぜ? それって悪いことじゃないと思うけどなあ。ちょっとだけ、今だけ気持ちよくなってさ、秘密でさ。ねえ、楽しまないと損だよ」 盛んに“ちょっと”“ちょっと”と言い、とかく人妻の心を揺さぶるべく、ナンパ師は面目躍如とばかりに御託を並べたてる。 しかし、郁恵もさすがに人妻であるからには、にわかには受け入れられようわけもない。 「い、嫌だって、言ってるでしょうっ!」 腕の輪から逃れようと、地面に着かない足をバタバタさせる。 一方のナンパ師、長身の彼は地面に立ってなお悠々と波から首を出している。 「頼むよぉ、お姉さぁん。もうこんななってんの、分かるだろ?」 目尻を下げて生温かい息を吐きながら、彼は尻ごと引き寄せた相手の体に、自身の肉体をこすりつけだした。海水パンツごしにも明らかな固い突起、人妻の柔らかい腹をえぐる。 「ヤバ、もう我慢できない。いいよね、ヤッちゃって。ね? ヤらして。ね?」 彼は息を荒げて言いながら、今度は手前から奥へと、相手の股の間に腕を通し始めた。 「な、何考えて……っ! 嘘、やめてっ!」 郁恵はもちろん抗うが、先程の尻同様、股間の前面も“Tフロント”とばかりに水着を細められ、それを中央の割れ目に集められた挙句に、ズリズリと上下にこすられてしまう。海中にはみ出した陰毛と陰唇、それらが水着の食い込みの筋を境に土手のように脇へと盛り上がる。 「いいよね、このまま入れても。海で濡れてるから入ると思う。てか、それ以前に中から濡れてたりして」 男は、暴れる女をがっしりと抱え込み、揃えた指の数本の間接をクイクイと器用に動かして割れ目をまさぐると、そこに挟まっていた布地を引っ張って横へずらした。 「な、何すんのよ! 嘘っ! 嘘でしょ? 冗談でしょ? こんなとこで。ねえ、お願い!」 郁恵は絶叫した。断末魔を思わせる痛々しさだった。ここが正念場なのだ。これまでの戯れとこれからの過ちは次元が違うのだ。 しかし、その悲愴な叫びも、結局幾千幾万の波のざわめきと、底抜けに青く広がる空に吸い込まれるだけだった。それどころか、発声そのものも遮られてしまう。 男が、必死に声を上げる彼女の、その唇を奪ったからであった。彼女の口が大きく開いた一瞬の隙を見澄ましてのことである。 「ンッ! ンッンッ……!」 パニックに陥る郁恵。首の後ろを押さえつけられ、唇の裏側や前歯の表面を舌で舐めまわされる。 「アイスクリームの味がする」 僅かに開いた隙間から、男は早口で言って、また夢中で接吻を続行した。 郁恵の歯には、アイスクリームのコーンのかけらが付着していた。さっき浜辺で食べたものだ。それが、相手の舌にこそげ取られていく。 「見てたんすよ、さっき、ビーチパラソルの下でアイスクリーム食べてるとこ。あん時から狙ってたんすよね、絶対ヤりてえって」 男はいつの間にか、自身の海水パンツもずり下ろしていた。飛び出した抜き身のものが、郁恵のへその下からなぞって、縮れ毛の群生に早くも合流する。彼はそうしながら、同時に接吻の継続も怠らなかった。 「ング……ッ、ウゥフ……ウグッ……!」 途切れ途切れの呼吸の狭間で、時折嘔吐感を露わにする郁恵。唇の貞操を奪われたという事実が、重圧となって精神をさいなむのであろう。接吻とは、多くの女性にとり貞操に関わる重要な儀式なのである。 「ウッ……グッ……!」 その瞳が暗く濁っていく。 そんな彼女の右膝を、粛々と持ち上げる男。本気で、公然とここで性交を始めるつもりなのである。 「やめ……っ!」 彼との間に両手を突っ張る郁恵。 しかし、それをものともせず、とがった亀の頭は早肉びらの割れ目に先端を隠していた。 (つづく) |
「入れるよ」 男は宣言した。まるでここが二人だけの世界とでも言うような、傍若無人な通告である。 「ヒィッ!」 郁恵は頬を引きつらせた。同時に眉間の皺が深くなる。それら表情筋の動きは一気に深刻さを窺わせる程度まで進んで、やがてかっちりと固定した。 その時水面下では、先の割れた赤い頭が沈み、その続きの段差が沈み、さらにその続きのずず黒い竿が沈んで見えなくなる過程であった。 「……グッ……!」 刹那は言葉もなく、郁恵はただただ歯を食いしばる。 「入った」 真っ直ぐに視線を相手の顔の上に落として、男はまた一方的に宣言を発した。その顔はさすがに緊張のためか、一見怒ったようである。 「入ったよ」 念を押すようにもう一度言う。 郁恵はいたたまれない風で、顎を引いたり横へそらしたりした。その身を貫かれる理不尽さに、耐えて耐えてという風に。その悔しい忍耐の渦中で、彼女は言った。 「やめなさい……」 先程までとは一転、低い声だった。そして、どこか子どもを叱るような厳粛な口調でもあった。ただ、その声は震え、弱々しかった。 もちろん、そんな声は悪童の耳に届かない。若者は段々と表情をほころばせながら、さらに深く交わるべく、女の尻をきつく引き寄せて、 「ヤベェ……海でスんのチョー気持ちイー……」 と、ぼそりと一言つぶやくと、その自分の発した言葉で余計に確信を得たのか、 「ウワ、ヤッベ、マンコ止まんねえ!」 などと言って、相手の腿を抱え上げながら、いよいよ激しい腰振り運動を始めた。海中では当然、挿入された肉棒の出し入れが同時に行わている。 「やめなさい……!」 再び郁恵は言った。さっきの反省を踏まえてのことか、その中途までは力強い声音であった。が、語尾の方にかけては、一気に勢いを失っていた。 その時、彼らから少し離れた所、その波間に漂っていた人が、こんなことを言ったのが聞こえたからである。 「ヤダ、ちょっとあの人達、怪しくない?」 若い女性の声だった。郁恵が恐る恐る窺うと、同じ位の年格好の女性が並んでいる。いくら人が少ないといっても、やはりほかに客が全くないわけではないのだ。 「ウワッ! ちょ、マジびっくりした……!」 連れに言われて気づいた方の女性は、大きな声を出して驚いた後、笑いながら慌てて口元を両手で隠した。 後は二人、ヒソヒソと噂し合い、キャッキャと笑い合っている。 「アーア、見つかっちゃったね」 男は、さも残念そうに囁いた。ただし、行為はやめず、むしろ腰の運動は激しさを増すばかりだ。 二人の体は首から下が水に隠れており、その水は暗く底を見通せないので、決して性交が露見したとばかりは言いきれなかったが、男女が向かい合ってくっついている様を見れば、それだけでも十分大胆な振る舞いではあった。 若い女性達は、自分達で遊んでいる風を装いながらも、ちらちらと郁恵らを盗み見ては噂を続け、もうすっかりギャラリーと化している。 「けどまあ、バレてもいっか」 男はあっけらかんと言った。 「オレらもうラブラブだし。それに――」 郁恵の頬ににやけた彼の息が吹きかかる。郁恵は反射的に顔をそむけた。 「お姉さんとおマンコできたからさあ、もういいわ、なんか。もう捕まってもいいわ」 彼は言いながら、郁恵の左の腿まで持ち上げ、ついに彼女の肉体をすっかり海中で抱き上げてしまうと、そのまま、一歩、二歩と浜の方へ向かって歩き始めた。 「もう見せようぜ、オレらのラブラブセックス」 「なっ! 嫌っ!」 郁恵はうろたえて、しかしまだ女性達の存在を視界の端で窺って、抑え気味の声で否定した。 「いいじゃん。――じゃあ代わりにチューして、チュー」 男はまるで駄々っ子のように甘えて、唇を尖らせ相手に覆いかぶさる。 郁恵は顔をしかめた。が、避けることはしなかった。その口に、またレイプ魔の口が重なる。 「キャッ!」 瞬間、見物の女性らから、嬌声が上がった。彼女らにすれば、恰好の娯楽材料なわけである。場合によっては、そのいずれかがこの男の餌食として郁恵の代わりになっていたのかもしれないが、そんなことを知る由も無い。 生贄となった郁恵は奥歯を噛み、心底情けなさそうに俯いた。男が離れたその下唇から、彼の唾液がつららのようにぶら下がる。 と、ここで、今度は別の方角からも声が聞こえてきた。男性の声だ。 「……おい、見ろよ。あいつらヤッてんじゃね?」 見れば、若い男女の二人連れである。 彼氏の指摘を受けて、女性が応じた。 「エー、なわけないじゃん!」 女性は、しかし言葉とは裏腹に半信半疑の様子で、興味津々と郁恵らを窺っている。 その彼女に向かい、 「オレ達もヤッてみる?」 と言いながら、男性は彼女に後ろから抱きついた。 「バーカ!」 女性はそう言ってそれを振りほどくと、彼に向かってバシャバシャと水を浴びせかけた。 それを機に、水の掛け合いや、体の掴み合いをしだす二人。恋人同士の甘い時間を過ごしている様子である。 先程郁恵が助けを求めた時は、誰ひとり気づかなかったというのに、確実に周囲に人が増えていた。今なら絶対に助けてもらえる、だが、郁恵はもう声を上げなかった。 その間も、性器と性器は間断なく摩擦を続けている。 「ねえ、ちょっとエロい声出してよ」 男は囁いた。 しかし、郁恵は相変わらず無言で差し俯いている。 「出さないの、いつも。旦那さんとスる時」 男は重ねて呼びかけた。 しかし、やはり郁恵は無反応を決め込んでいる。 すると、彼は方針を変えて、別なことを申し出た。 「じゃあ、今度後ろからヤらしてよ」 言うが早いか、すぐにその体勢に入る。すなわち、両手で抱え上げていた郁恵の両腿をぱっと離し、彼女を裏向けた。 「ウッ、ウッ、ブッ……!」 急に投げ出されて、海水に鼻まで沈む郁恵。その上、目が回るような速さで浜辺の方を向かせられ、鼻と口に海水が入ったために彼女は焦って、海中で腕をバタバタさせた。 「バック。好き? 奥さん」 男はマイペースである。悠々と相手の尻を抱き寄せる。誰に見つかろうと恐れることもなく、彼女をまだ散々に弄ぶつもりだ。 「好きそうだよね。でっかいケツしてるし」 彼は、また水着を尻の谷間から右に引っ張って陰裂を露出させると、思い切りそこに男根をねじ込んでいった。肉棒は、何の抵抗もなく穴の中に吸い込まれていく。 「旦那さんともバックすんの?」 男は言いながら、乳房を鷲づかみにして彼女を助け起こした。これで外面的には、女と男が立って前後に列をなす格好になる。彼はそうしておいて、ビーチの方を顎でしゃくった。 「あれ旦那さんでしょ? あそこの傘の下にいるの」 それは、確かに郁恵の夫であった。さっき男が彼女をナンパした場所で、仰向けになって眠っている。 「起きればいいのにね。奥さんとおマンコしてるとこ見てもらいたいのに」 男はそう言って明るく笑った。 郁恵の視界にも夫は入っていた。が、彼女は決してそちらを正視することなく、といって全く見ないわけでもなくて、まさに目を泳がせている状態であった。その額から、幾筋もの汗が流れ落ちる。 「なあ、あれ、絶対入ってるって」 先程のカップルの男が、また恋人に声をかけた。一時ちょっと離れていたのだが、また近くまで回ってきたようだ。 「いいよ、もう。あっち行こうよ」 恋人の方はやや不快な調子で、彼氏の肘を引っ張った。 一方、左の方角にいた女性連中は、いまだ一定の距離を保って、郁恵らを肴にヒソヒソ話を続けている。 そんな中、別の方からは、母親らしき口調で、 「そっちは行ったらダメ。あっちで遊びましょう、あっちで」 と、我が子であろう男の子にきっぱりと言っているのが聞こえた。どうやら、郁恵らの様子に不穏なものを感じ取ったらしいのである。もはや、恋人がいちゃついている、との認識以上の違和感が漂い出しているのだろう。砂浜の監視員が注意をしに来るのも時間の問題かもしれない。 そんな切迫した環境の中、男はますます興に乗って、 「アー、バックもヤバい」 などと浮かれながら、ガンガン女穴を突きまくる。折しも、男の欲求にとり、そろそろピークが訪れる頃合いらしかった。 「アーヤベ、マジイきそう! マジで!」 彼らの周りの海面が細かく波打つ。無論、自然のためばかりではない。男は強く激しく腰を押し出していく。 「嫌……! や、やめて!」 今まで黙っていた郁恵がふいに口を開いた。それは、男が腰を突き出しながら、彼女のことを前進させたからであった。 「旦那のとこまで行こうよ」 男は悪びれもせずに言う。 「見せようぜ、中出しするとこ」 興奮しきっている彼の、卑猥な発言も腰の運動も加速して止まらない。 「スンマセーン、旦那さん。奥さん孕ませます!」 相手の耳の裏で囁きながら、彼は浜辺の傘の方をじっと見据え、だらしなく口元を緩ませた。 郁恵の足の裏に、サラサラした砂の中に埋まった何だかわからない固い角や、海藻の付着しているらしいヌルヌルした石などが通過していく。いつしか、彼女の足が海底に接着しうる地点まで戻っていた。 「やめて、もう……!」 必死に足指を地面に突っ張りつつ、郁恵は切に願った。そこには、切羽詰まった恐怖がみなぎっていた。その恐怖は、間もなく実体を伴って眼前に現れる。 「あ! あれ、息子さんじゃないっすか?」 男の指摘に、郁恵は絶句した。男の子が浮き輪と共にこちらに向かって来ていた。 「お母さん」 そう呼びかけながら近づいてくる。紛れもない、郁恵の息子だった。よその家の母親が己の子に近づくなとすら注意していた所へ、また幾人かの人間が好奇の目を注ぐ輪の中へ、郁恵の息子は無邪気に寄って来る。 「じゃあ息子さんに見てもらいましょっか。妊娠するとこ」 男は囁いた。恥知らずな彼は、子供を前にしてもその母親を犯し続ける。 「……クッ!」 郁恵は力を振り絞って抵抗した。息子の存在が、彼女に再び力を与えていた。が、それは悪あがきにすらならなかった。 「お母さん」 少年は、とうとうすぐ傍まで来て止まった。知らない男のペニスが入っている母親の傍まで来て。そうして、物問いた気な表情で、母の後ろの男を見つめる。 「さっきお母さんと仲良くなってさあ――」 強姦魔は優しい笑顔でそれに応えた。さらには、 「一緒に遊ぼっか」 とまで抜けぬけと言った。明るい表情で、子供に親しみを与えるように。しかし真実は海の中、ますます勢いを増した腰振りによって、目の前の少年がかつて産まれ出でてきた膣の内壁を、硬直した肉の突起でグリグリと摩擦してえぐっている。 少年は何も知らない。彼はただ、知らない相手に声をかけられたので、とりあえず母親の顔を見て、彼女の判断を仰いだ。 「イイっすよね、お母さん」 いまだ言葉を失っている母親に、男が迫る。 しかし、彼女は答えない。卑劣な男根は、いよいよ苛烈に股間を暴れ回り、まさしく暴力の様相を呈している。彼女は今、闘いの最中なのだ。 男は、彼女が返答しないのをいいことに、勝手に話を進め、 「じゃあさ、向こうまで競争しよっか?」 と、浜の方を顎で指した。 少年は、再び母の顔を窺う。 母は何も言わなかった。ただ笑顔だけで応えた。もっとも、それは明らかな作り笑顔であった。 平生ならば、それに違和感を覚えたかもしれない息子だ。が、今は特に追及もしなかった。男の勢いに呑まれた観があった。 「イきますよ、お母さん」 勢いのままに、男は郁恵に問うた。 とっさに作り笑顔を凍りつかせる郁恵。それが、スタートを知らせる合図でないことが、明白であったのだ。 「イイ? イくよ?」 男は息子にも問うた。ニコニコしながらだが、一方でちょっとした凄味も混じらせて。 「うん」 少年は頷いた。 その瞬間だった。少年の返答が引き金となって、郁恵にぶち込まれていた暴力的な銃口が、白い火花を吐いていた。 男は勝ち誇って満面の笑みを浮かべる。彼にしてみれば、息子の許諾の下で、その母親に種付けを完了したというわけである。その頬は上気し、興奮の極地といった感じを表していた。 他方、郁恵の頬も上気していた。しかし、その興奮は喜びの故ではなく、緊迫する場面に遭遇したためと形容した方が適当なようであった。 憐れ、彼女の息子は、目の前で母が強姦されたことも、その犯人の策に踊らされて、母への膣内射精の許可を出してしまったことも知らず、早くも浜に向かって泳ぎ出していた。 少し遅れて、男が続く。彼はわざと出遅れて、ギリギリまで郁恵の膣内に精液を搾り出していたのである。 最後に残ったのは郁恵だ。彼女はすぐに動き出さなかった。 そのじっとしている僅かの間に、息子と男は見る見る遠ざかり、一気に波打ち際まで到達してしまう。そうして、そのままその辺りで戯れ始める。犯された女の息子と、彼の母を犯した張本人の男とがだ。 遠目にそれを目の当たりにした郁恵は、女陰に右人差し指を突っ込んで応急的に精液を掻き出しつつ、胸まで水に浸かっていられる限界の所まで急いで歩いていった。 その後、一番近くにいた親戚の子を何とか手招いて、彼にタオルを持ってきてもらい、それで胸を押さえてやっと陸に上がった。もちろん、めくりあげられていた股間の水着を元通りに伸ばすことも忘れてはいない。ただ、いかにも歩きにくそうな足の運びだけは隠しきれなかった。 「エー? 水着流された?」 やっとの思いで帰って来た妻に、呑気な夫は呆れ顔で言った。 妻はそれに詳しい説明をするのももどかしく、イライラしながらシャツを着る。 と、その時だった。 「スイマセン」 呼びかけられて、彼女は振りかえった。そして、目を見張った。 あの男が立っていた。なんと、自ら堂々と訪ねてきたのだ。郁恵が息子のことを連れ戻しに行こうとしていた矢先である。 「これ、水着……落としたんじゃないっすか……?」 男はオレンジ色のビキニを、いかにも遠慮がちの体を装って差しだしていた。 郁恵は何も言えなかった。 すると、 「あ、そうだ、それですよ。どうもありがとう!」 と、代わりに夫が礼を言って、水着を受け取った。人のいい夫はニコニコ顔である。 男も笑顔を返し、さらに振りかえって後ろから来ていた郁恵の息子に手を振ると、自分は海の家の方を向いて去っていった。 彼を見送った夫は、 「あれ、ひょっとしてナンパされた男か?」 と、ちょっとからかう風で訊いた。 郁恵はそれに、 「ううん、違う」 と返事するのがやっとだった。 夫から手渡された水着には、茶色い髪の毛と細かい砂が付着していた。郁恵の股間に、ヒリヒリと激しい痛みが走る。 (おわり) |
子宝混浴 『湯けむ輪』 ~美肌効姦~ こだからこんよく ゆけむりん びはだこうかん ――午後十一時四十分 さて、そのもう一人という者の存在に、宮浜・奥津の両人揃ってからっきし気づかなかったのであるが、こういう時に限って不思議と勘の冴えるということはあるもので、倫子一人だけは不意にそいつの視線に感づいたのであった。そいつは、非常口の扉をちょっと開けて、その隙間から顔をのぞかせていたのである。 倫子らは階段を伝って下りること、かれこれ一階の手前の踊り場まで来ていたが、その一階の出口というのが非常扉であった。そこを開けるとエレベーターの横へ出て、そのままロビーへと行くことができる。ところが、もう夜も更けてきたというのと、そもそもあまり階段を利用する者がないというのであろう、早々に閉じられていたのであった。 そこから顔を出していたというのが、年の頃なら五十位、薄くなった前頭部、痩せこけた頬、そして何より、きれいに整えられたちょび髭が特徴的な、ちょっと見た感じ小ずるそうな印象の小柄な男である。実はこの男、倫子は既に見知っていたのであるが、果たして彼女がそれを思い出す前に姿を消してしまった。 もっとも、それでなくても二人がかりで犯されている最中だ。その上、今や己の醜態を他人に覗き見られたからといって、極端に狼狽するでもない。すっかり常識のマヒしてしまっている倫子である。そこで、男の顔が覗いていたことも、ついおろそかにしてしまった。 さて、そんなことがあったことすら知らない男達二人、もしも気づいていたならば、どのような挙に出たものか見ものであったが、結局知らないままに終わったものだから何ら取り乱すこともなく、粛々と事を進めて安心していた。 すなわち、倫子のことを一階の扉の外に運び出すと、なんとそのまま踵を返し、両人打ち揃って階段を駆け上がっていったのである。助けを呼ぶこともなく、また彼ら同士で言葉を掛け合うことすらなく、ただ黙って倫子を放置して帰っていったのだ。明らかに性的乱暴を受けたであろう様の、呆けきった全裸の倫子を残して。 おそらく、ここに置いておけば、この施設の誰かが処理してくれるだろうとか、彼女がコンパニオンというからには、いずれ迎えが来るだろうとか、そういう浅慮な考えに基づいたものであったのだろう。いかにも外道な、そしてまた愚かな考えである。 よしんば彼女が娼婦であったとしても、こそこそとそのおこぼれに与る姑息な行為、いわゆるタダ乗り、あまつさえ昏睡状態に乗じたそれはすなわちれっきとしたレイプであり、しかもこの後彼女が保護される態様によっては、早晩彼らの身が破滅する可能性は高いのである。例えば、コンパニオンの派遣会社から多額の請求を受けるとか、あるいは事件が公になって警察が出てくるとか、いずれにせよ無難に収束する見込みはなさそうなのだ。 おおよそ命脈の尽きた二人と言わねばならぬところである、が、運命のいたずらとは時に理不尽なる悪事にすら味方するもので、これほど浅はかな彼らにさえ幸運は訪れるのであった。あるいは、彼ら自身そのことを無意識に察知して行為に及んでいた、なんてことはさすがにあろうまいが、とにかく二人はあれだけ下劣な罪を犯していながら、どうやら助かりそうなのであった。 「こっち、こっち」 小声でそう叫びながらやって来るのは、先程顔をのぞかせていた小柄な男。後ろに続く者を急かしている。 「待って下さいよ」 少し遅れて付いてくるのは、ガタイのいい短髪の男である。前の男が小柄なのを差し引いても相当に背が高いことは間違いない。年齢は三十代から四十代の前半位。彼もやはり小声で応じていた。 程なくして、前を行く男が激しい身ぶりでもって後ろを手招きする。ちょうどロビーの柱を曲がった所、目的地の手前十メートルといった辺りだろうか。 「ほら! あれ見て、あれ!」 彼はその方を指さしもって、早小走りである。 「えっ……! ちょ、ちょっと……!」 すぐに後ろの男も気づいて、同じように駆け足になる。先へ行ったのは前の男であるのに、彼の大股のおかげで到着したのはほぼ同時であった。 「うわ……っ! ちょっと、これ……!」 言いながら、短髪の男は固まった。その見下ろす先には、真っ裸で非常扉の前に座り込んでいる倫子がいた。まるで、以前に宮浜と奥津が彼女を発見した時と同様の形である。男達は、しばし言葉を失って立ちつくした。 その時の倫子といえば、日頃客が土足で往来している絨毯にぺったりと尻もちをついて、力なく後ろにもたれかかっていた。肛門も陰唇もその絨毯にお構いなしに密着させ、彼女の身から落ちたのであろう汁が、早くもそこいらに染みを作り出している。 その目は虚ろで、口は半開き、濡れた髪は白い頬に張り付いて、少しくゾッとするような居ずまい。時間が時間だけに、この世のものならぬ存在かしらと疑われるほどだった。 しかし、そこは先だって最も生々しい人間的営みを見ている小男だ、これが幽霊だなんて勘ぐりは端から持っていない。 「な?」 と、連れの男を振りかえって言う。その様子から、ここへ来る前に自分の見たことをあらかじめ説明していたらしいことが窺えた。さらには、別な申し合わせもしていたらしいのである。 「間違いないだろ?」 小柄な男は、重ねて同意を求めた。 問われた男は、興奮気味に二度三度と首を縦に振って答える。 「うん、間違いない!」 そうして彼は、重大な事実を口にした。 「昼間見た奥さんだよ、この人……!」 それを聞き、呆けていたはずの倫子の肩が、ピクリと動く。 <つづく> (001)19:53~(010)20:15、(011)20:18~(020)20:44 (021)20:47~(030)21:07、(031)21:09~(040)22:03 (041)22:22~(050)23:53 目次へ |