おことわり
このブログには、エッチなことがたくさん書いてあります。まだ18歳になっていない人が見ていい所ではありません。今からこんな所を見ていると、将来ダメ人間になってしまいます。早くほかのページへ移動してください。 >googleでほかのページを検索する< なお、掲載している小説はすべて虚構であり、実在の人物・団体等とは一切の関係がございません。 |
お知らせ
「オナこもりの小説」は、エロ小説を気ままにアップしていくブログです。たまに、AV女優や、TVで見た巨乳のことなども書いています。左サイドにある「カテゴリ」から、それっぽい項目を選んでご覧ください。
小説には、連続作品と一話完結作品があります。連続作品は、左「カテゴリ」の各作品名より一話から順番に読むことができます。また「目次」には、各作品の概要などをまとめた記事が集められています。 ■連続作品 ◆長編作品 ▼「子宝混浴『湯けむ輪』~美肌効姦~」 ◆中編作品 ▼「大輪動会~友母姦戦記~」 ▼「青き山、揺れる」 ▼「師匠のお筆」 ◆オムニバス ▼「母を犯されて」 ◆短編作品 ▼「育てる夫」 ▼「最後の願い」 ▼「ママの枕」 ▼「ブラック&ワイフ」 ▼「夏のおばさん」 ▼「二回り三回り年下男」 ▼「兄と妻」 ■一話完結 ▼「ふんどし締めて」 ▼「旧居出し納め・新居出し初め」 ▼「牛方と嫁っこ」 ▼「ガンカケ」 ▼「祭りの声にまぎれて」 ▼「シーコイコイコイ!」 ▼「サルオナ」 ▼「母の独白」 ▼「童貞卒業式」 ▼「お昼寝おばさん」 ▼「上手くやりたい」 ▼「珍休さんと水あめ女」 ▼「栗の花匂う人」 ▼「乳搾りの手コキ」 ▼「妻つき餅」 ▼「いたずらの入り口」 ▼「学食のおばさん便器」 ▼「山姥今様」 ▼「おしっこ、ついてきて。」 ★作品一覧 |
子宝混浴 『湯けむ輪』 ~美肌効姦~ こだからこんよく ゆけむりん びはだこうかん ――午前二時四十二分 屋内に入ると、そこは玄関ホールと呼ぶにはあまりにも安っぽい、しかしながら一応は応接用らしきソファーは置いてある広間があって、その周囲の壁面をなんら統一性のない調度品、すなわち妙に大きい動物の置物や、埃をかぶった民芸品、さらには曇って中が見えない水槽などが取り巻いている。流行らない店には流行らないだけの理由があるもので、その雑然とした情景たるや、とても客を迎えようという気概など見えないのであった。 ペニスによって運ばれてきた倫子は、そこのソファーの上に放り出された。そうして、顔面からもんどりうって突っ伏す。 一方、放り出した方はそのまま後をも見ずに奥へ立ち去っていく。まったくもって、客に対する態度ではない。しかし、そのことを誰一人として注意する者などいないのである。倫子が突っ込んだ席の隣には、榊原が座ってスポーツ新聞を広げていたが、ちょっと見て微笑んだだけで、さしたる反応をすら示さなかった。 向かい側の席には、さっき表へ出ていた宇川と吉野が腰を下ろした。彼らの手には、マムシの絵のラベルのついた茶色いビンが握られている。 「これから頑張らなあかんさかいな」 にっこりとして宇川が言う。テーブルの上には同じ柄のビンがいずれも開栓済みで置いてあった。 程なくして、奥からやはり同じビンを抱えた藪塚が戻ってくる。彼は袋田に命じられてこれを取りに行っていたのであった。 「おっ、用意ええやん」 牛滝が嬉しそうに言って、それを受け取る。その上一気に飲み干して言うよう、 「どや、元気になったやろ」 と、前をはだけて倫子に近づくと、ソファーのへりから彼女の腰を引っ張り起こして、そのままドッキングした。身をもって“中で”確認しろというのである。 「ンァ……ン……!」 倫子は満足げに鳴いた。彼のものは“元気”のようである。 「わしのもどうや」 今度は吉野が牛滝にとって代わり、倫子に“確認”を命ずる。 「アァン……!」 倫子は鳴く。これもOKであった。 続いて、俺も俺もと次々に男たちが彼女の穴に挿していく。まるでこれが通過儀礼ででもあるかのように。 最後は松倉が挿した。タクシー運転手の彼だが、送ってきた後もそのまま居残り、儀式への参加を表明したものである。結果は、皆々合格であった。 こうして倫子は、またも複数本の男根を、しかも玄関フロアという公共の場において挿入されたのである。 さらにその上、玄関扉の真ん前まで引っ張り出されて、 「明日からこないしてお客さん迎えたらええねん」 と、牛滝の指示でそこの地べたで開脚させられた。開ききった淫門から、ダラダラと粘液が流れる。そこは度重なる酷使にもくたびれた色を見せず、いよいよみずみずしく艶めいては、この宿屋で唯一客人のもてなしをわきまえた情を示していた。 その入り口とともに、倫子の口が開く。 「いらっしゃいませぇ」 前で構える須賀谷のカメラが、ばっちりとその様を撮った。旅館のPRビデオの出来上がりと言わんばかりに。 客人達はゲラゲラと笑った。そしてその笑いに包まれて、一行は大浴場へと向かった。 ただ、倫子の歩みだけは牛並に遅かった。なぜなら途中彼女は四つ足で這わされ、後ろから男に操縦されながら進まなければならなかったからである。しかも道々立ち止まっては激しいピストン運動にさらされた。休止中の売店に踏み込んだり、自動販売機に手をつかされたり、わざわざトイレに立ち入ったり……。まるで随所にマーキングでもするように、数々の位置で交配を繰り返した。 「おいおい、はよしいや。主役が来な始まらへんで」 先に入っていた宇川が暖簾をめくって顔を出す。 「すまんすまん」 牛滝が頭をかいて小走りに急ぐ。これに、藪塚、矢板、鎌先、松倉も続き、彼らに伴われて、ようやっと倫子は風呂場に着くことができた。 脱衣所は全員男の方に入った。女の倫子も男の方に入らされた。もっとも、彼女には脱衣するものが何もない。そこで、入り口からそのまま浴場へと直行した。先に着いて真っ裸になっていた宇川に肩を抱かれて。 ――ガラガラと扉を開ける。と、そこで目に飛び込んできた光景は、改めて倫子を圧倒した。 浴槽の縁にズラリと居並ぶのは、いずれも雄々しき男々、男々……。今到着した者達を加え、総勢二十八名の男が彼女を出迎えたものだ。 彼らは一斉に倫子に視線を向けた。否、向けたのは視線だけではない。気合十分とばかりに勢い込む男性シンボルも同様である。すなわち、総数二十八本の男根がたった一つの女体に向いていた。 「さあ、頑張ろか」 隣で宇川がささやく。彼のモノもまた持ち上がり、ピクピクと動いてはよだれを垂らしていた。 <つづく> (001)19:53~(010)20:15、(011)20:18~(020)20:44 (021)20:47~(030)21:07、(031)21:09~(040)22:03 (041)22:22~(050)23:53、(051)23:54~(060)00:20 (061)00:24~(070)00:50、(071)00:24~(080)01:36 (081)01:45~(090)03:59、(091)04:12~(100)05:46 目次へ |
子宝混浴 『湯けむ輪』 ~美肌効姦~ こだからこんよく ゆけむりん びはだこうかん ――午前一時五十九分 パンパンパンパンパン……―― 途切れることのない音の響き、何となれば以前にも増して大音量で街の中に響き渡る。 「おおっ、気持ちいい!」 「乳でけえな!」 「あっ、イくイくっ! 中に出すぞっ! うっ!」 いつもいつも似たり寄ったりのセリフを発しながら、しかし人格は異なる男達が、続々と連なっては一人の妻と繋がっていく。やむことのない男女の営みが道路の真ん中で繰り広げられる。初めて会ったばかりの男達によって今夜一晩の内に幾度も子種を植えられてきた彼女だが、またぞろこのわずか十数分の内に、新人五人もと立て続けに性を交わしていったものだ。 「アアーッン! アヒィーッン!」 虚ろな目でいななきのけぞり、髪を振り乱して絶頂を極める狂乱妻。目も口も、さらには陰門も菊門も開きっぱなしで、皆々一丸となって性欲一辺倒である。 彼女にとっては、我が孕むべき子の父親が誰であるかなどもはや判別する必要もないようで、松倉・鎌先に次いで急遽参戦してきた男達三人の個性にも、一切目をくれようとしなかった。まるで性玩具ともいうべき無人格な人形を相手にしているような、そんな感じである。 だがそれは、男性側にこそ言えることだった。相手を人形と言うならば、この目の前にいる、誰にでも股を開くこの女こそが、肉人形と呼ぶべきだろうと思われた。 「いやあ、ほんとにいるもんすねえ、痴女って」 新人の一人が屈託のない笑顔で言った。羽根沢(はねさわ)という男だ。いかに倫子が関心なかろうとも、男らには男らで素性があるもので。 新入り三人は矢板の知り合いで、この土地の人間だった。いずれも大層酒に酔っている。 「たまんねえよな、こんな変態女がいるなんて」 同じく森岳(もりたけ)という男、ヘラヘラ笑いながら続く。 「結構いい女なのに、すごいよね」 最後の一人は沼尻(ぬまじり)という男だ。彼らを含めいずれの男も確かに倫子を好ましい女と、さらには犯したいという願望の対象たりえるものと認めてはいたが、だからといって特別な情熱を注ぐ相手ほどには到底なりえないのが実情である。そもそも、出会ってまだ五分とは経っていない相手なのだ。 それでも、女は性悦を謳歌しうる。 「アンッ! アイィッ、アヘェッ、ウヒィッ……!」 “痴女”呼ばわりされても、昇天しきった蕩け顔でよがり啼く女・倫子。出会いがしらの男とのセックスももう慣れっこになってしまって、テレビ番組のドッキリ企画としても不成立な程である。快楽の最高峰に登りつめたら最後、そこから下ることは許されず、ずっとその頂きに乗ったままだ。だから酩酊よりも甚だしく、狂酔の体で我をも忘れている。 普通、女ならば“量より質”、すなわち繁殖の相手には殊更こだわって吟味するものだが、その本能すら全うできないでいる。一度に我が身で孕みうるのは一人の子種のみというのに、その辺りの判断が完全につかないでいるのである。 「アンッ、イくっぅ、イきまっひゅ……っ!」 ひたすら性の快楽のみ追求するその姿からは、自身が本来受け入れるべき男が誰なのかという基準を彼女が完全に見失っている様子が、傍目にもありありと認められた。 男はただ己が性の捌け口として相応しき女を求め、女はただ肉棒を求める。その構図がまるでこの天地に唯一の真実とでもいうように、夜のしじまに浮き彫りである。 倫子は引き続きタクシーのボンネットに寝かされ、次々と襲いくる男どもに肉チューブを接続されていった。羽根沢、森岳、沼尻、皆一様に管から肉汁を送り込んでいった。それは排泄に等しかった。いかに“いい女”でも恋の相手とは見なしえないのが、男根で思考する男という生き物だ。 片や倫子、そうと知ってか知らずか、一々男の腿に足を絡めてがっしりと相手を引き寄せる。おかげでその猥口は、ずっぽりと含んだ肉棒の、その根元からさえ溜まった汁を搾り出す。 「ううっ、吸い込まれる!」 羽根沢はその時、尻を痙攣させながらつぶやいた。同様の感想は同行二人も抱いていた。 倫子は彼らの背に腕さえ回しながら、その熱いたぎりを抱きとめていった。硬く熱い男性器からほとばしるものが、淫穴深く叩き付けられるのだ。 「イィアハェアェアヘエェ……」 三連発の膣奥ぶっかけが、彼女を頂きから下ろそうとしない。どちらも人倫を見失っていた男女だったが、やはりここは多勢に無勢、意思の制御を保った男側に比して、女はそうはいかなかった。 果ては、彼女の股間から生温かい液が溢れ出す。それはまるで、彼女の敗北の証のようだった。 <つづく> (001)19:53~(010)20:15、(011)20:18~(020)20:44 (021)20:47~(030)21:07、(031)21:09~(040)22:03 (041)22:22~(050)23:53、(051)23:54~(060)00:20 (061)00:24~(070)00:50、(071)00:24~(080)01:36 (081)01:45~(090)03:59、(091)04:12~(100)05:46 目次へ |
子宝混浴 『湯けむ輪』 ~美肌効姦~ こだからこんよく ゆけむりん びはだこうかん ――午前一時四十五分 「ン、ホオォォ~……ッ!」 倫子は高らかに雄叫びを上げた。明るく開けた街路のど真ん中で。 「オォッ、オッ、オッ、ホッ、フォッ、フオォッ、フォーッ……!」 車のボンネットに手をつき、後ろから交尾をされ。 「ンウ~ン、アン、アンッ、アアンッ、アハァ~ン……!」 子作りペニスが勇んで躍動する度、四方八方に暴れ散らす牛並みの乳房。メス牛は恥も外聞もなく、繁殖の悦びを謳歌して止まない。 その様子を見て牛滝が言う。 「ハッハッハ、やる気満々なったなあ奥さん。――ほれ、いっぱいパンパンして体ではろてや」 彼は当事者ではない、横から見ているだけだ。今彼女の中にいるのは松倉(まつくら)という男、タクシーの運転手である。ここに来る往路で、倫子らの後から来ていた方のだ。すなわち、行きと入れ替わりで乗り換えたわけである。 「ハハ、パンパンだってさ。この人ほんとに素人なの? 意味分かってんのかな」 鎌先が向こうの角の方を何気なく見やりながら言った。その視線の先には、信号待ちをしているタクシーの姿があった。浪岡の運転するものである。倫子は彼にしたのと同様、今度は帰りの運賃を体で支払わされているのである。 「旦那さんも災難だねえ。まさかカミさんが売春婦だったなんて」 鎌先は鼻で笑いながら倫子を見下した。その目前で、倫子は媚びへつらいつつ喘ぎ狂う。 「アァヘエェ~……ぼっとぉ……パンパン、してへえぇ……くりゃひゃぁい……」 よだれを垂らしながら、宙空を見つめて。その姿を後に、先を行くタクシーは角を曲がっていった。後を追うはずの松倉ドライバーは、しかし何ら焦るでもなく、女の操縦に専念する。既に浪岡の前例を見て段取りをわきまえている彼だ。 「おおぉふ、よく締まる……」 彼はそう呟きつつ、発情の腰を繰り出し続けた。すると、深夜の街に性交の音が轟く。 「ウァハァ~ン……きぼちイ~……ッ、イッ、ヘ…ッ、イぐ……イッ、ヒぐ……っ!」 肉の音に混じって、女の情念がこだまする。配偶者という社会制度をも乗り越えた彼女にとって、もはや怖いものなどなかった。その世間離れした表情を、須賀谷の持つビデオカメラが捉える。倫子はそのレンズに向かって言った。 「出ひて、くりゃさいぃ……中に……中に出してへェ~っ!」 無論、男どもに入れ知恵されなければ思いつかないセリフではあるが、それは本心と何ら乖離したものでもなかった。 彼女の願いに従い、松倉は“中に出し”た。 「オゥーラ、入ってるか?」 牛滝は訊いた。女の顎をつかみ、いつの間にか露わにした肉茎をその唇にあてがいながら。倫子はそれを口から迎えに行きつつ、コクコクと肯いて答えた。その反応を一応見届けて、彼は念を押すように言った。 「これで支払いは完了やで」 言われた松倉は、笑顔で合図を返す。本当に、これで弁済は終了したわけだ。倫子は確かに売春によってタクシー代を支払ったのである。その身の中に、今出た子種が熱い。 だが、“支払い”はこれだけで完了したのではなかった。 「よオーし、じゃあ今度はこっちを支払ってもらおうか」 そう言いながら出てきたのは、『リング』の店長、鎌先である。彼への債務とは、すなわち先ほどまで居た客達のプレイ料金、及び、今宵倫子がらみの特別の趣向を設けたことへの世話料であった。もちろん、これは本来倫子の関知せぬものである。しかし、なぜか倫子が体で弁済することになっていた。 鎌先はさも当たり前の調子で、剛直を後背位から侵入させる。 「ほウーら、しっかり払ってよオー」 取立人はじわじわと肉棒を挿し込み、そうしてまた抜き出し、段々とそれの繰り返しを早くしていった。片や一方的に債務を負わされた人妻は、しかしそんな理不尽な要求にもかかわらず、馬鹿正直に相手を務める。実は、彼の店で唯一金を出したのは板橋であったが、二人揃って律儀に支払いに応じる板橋夫妻なのである。 「ああいいねえ、中々の名器かもしれないよ、倫子ちゃん」 彼は堂々と本名すら呼び、人妻の産道を犯しぬいた。彼のものは妙に黒光りして、その茎には真珠のような玉が無数に浮いていた。そのヌラヌラと出入りするまがまがしさに、倫子は虚ろな目で啼いた。 「ンンッ! ンヒイィ~……ッ!」 その目はもはや焦点も合っていず、今の境遇さえ確かには分からないのである。ただ、えもいわれぬ快楽の園に遊んでいることだけは実感できていた。須賀谷のカメラは、その蕩けきった表情もしっかりと押さえている。 「ヒぐぅ、イヒくぅ、イく、イぐ、ヒく、ウゥ……ッ!」 馬鹿の一つ覚えの如く昇天を連呼して報告するメス牛。まさしく家畜の如く、理性のかけらもなく無知蒙昧の体である。そのあられもない姿は、またぞろ見も知らぬ新参人に対しても変化はなかった。 「エー、なんだこりゃ!」 「え? え?」 「あ……矢板さん……?」 口々にそう言いながらじわじわと近付いてきたのは、これまた倫子の預かり知らぬ男三人組であった。もっとも、矢板は知っていたようである。 「おっ、オー、いいところに来た」 彼もさすがに思いがけない様子でびっくりはしたものの、すぐに笑顔で彼らに応じた。しかし、彼らの会話はそこで中断を余儀なくされた。なぜなら、見境なしの淫乱女が、己の発情ぶりを大声で喧伝しだしたからである。 「見でえェ~ッ! おバンコ見てぇへェ~。マンコイくぅふゥ~。マンコイくの見てェ~……ッ!」 その言葉に応じ、鎌先は彼女を後ろから抱え上げる。おかげで、観客には結合部が丸見えとなった。女の裂け目に男の垂直棒が割り込んでいる所である。その継ぎ目からは、白濁液が泡立って溢れ返っていた。 口を占領していた牛滝は流れ上やむなく脇によける。その横には藪塚がいた。いつのまにか彼も股間を露出していた。性を営む男女、その傍で股間を露出する男達、となれば、この女一人、どんな目に遭っているか想像は容易である。 新参者達は、しばし絶句して凝視していた。その前で公然たる猥褻行為は続く。 「気おちヒイィ~……ッ、イッイッ! ヒぐっ! おチンボ、お、おチンプォいいのぉっ!」 ブッチャブッチャと音を立て、肉棒はいよいよ加速していく。その身は青筋を浮き立たせ、メスへの必死のパフォーマンスである。受け入れる側も悦んでいる。淫肉は赤くめくれ上がって泣いていた。その潤んだ瞳へ、パートナーから白い涙が贈られる。 「出て、アッ、中出て……アッ、ンッ気持ちいい! 中出し……中出し、もっと、もっとしてェ~」 倫子はもうどこを見ているのか、明後日の方向を向いて懇願していた。鎌先はぐっと腕に力を込めて彼女の肉体を引きよせ、男気を見せんとばかりに男根を根本までねじ込む。その姿は、オスの生殖本能に訴えかけるものがあった。共鳴した三本達が、無言の下に見事に持ち上がっていく。 やがて鎌先の太い栓が抜かれると、その後には、亀頭型にくり抜かれた膣穴がポッカリと口を開け放っていた。そこからつと白い蜜を滴らせながら、倫子は男の腕の上から艶めかしく所望する。 「どうぞ、皆さん順番に……おチンポ入れて、パンパンしてぇっ!」 <つづく> (001)19:53~(010)20:15、(011)20:18~(020)20:44 (021)20:47~(030)21:07、(031)21:09~(040)22:03 (041)22:22~(050)23:53、(051)23:54~(060)00:20 (061)00:24~(070)00:50、(071)00:24~(080)01:36 (081)01:45~(090)03:59、(091)04:12~(100)05:46 目次へ |
子宝混浴 『湯けむ輪』 ~美肌効姦~ こだからこんよく ゆけむりん びはだこうかん ――午前一時三十六分 かつては自分の下で弟子のように働いていた男が、時に母親代わりのようですらあった我が妻に対して欲情するなどとは微塵も考えつかない彼だから、亀山がこの場でわざわざ彼女のことを想像するような発言をすることが全く不思議でならなかった。 しかし、当の亀山ときたら、それどころか板橋の前で彼の妻を寝取ることを想定し興奮している位なのである。 そんな二人の前に割って入って、 「ほぅら、出てきますよ」 と、藪塚が倫子を抱え上げて目線を誘う。倫子は今後ろから大股開きで持ち上げられて、その股間を観客達に御開帳していた。 「うわぁ……!」 秘唇を目の当たりにして、亀山が感嘆の声を漏らす。 他方、板橋は再び冷淡である。事が一段落した今、改めてこの場を早く去りたいのだ。が、もはやここまでくればヤケとばかり、相方に引っ張られるまま、陰裂の前に座り込んだ。 そんな二人の鼻先で、割れ目からボタボタと白濁液が滴り落ちる。亀山だけのものではない。さっきまでいた彼の連れはもちろん、数多のオス達による無数の種汁のミックスジュースである。ただ一人、板橋の汁だけがそこに含まれていない。 「ンアアァ……」 繁殖妻は受精性器を開けっ広げにして、為す術もなく息を吐いている。いきまなくても勝手に白濁汁は出ていく。種付けにしても、これほどまでに沢山の種類と量を一遍に注がれる必然性はない。よってこれは、ただひたすらに精液を膣に注入してきたという遊戯の証なのだ。本来愛し合う間柄にのみ許されるはずの遊戯を、商売でもないのに一度に大量の男性と遊んできた、その証拠としての穴を、彼女はよりによって板橋の前にさらけ出したのである。 しかし、彼女はもはや拒絶しはしなかった。 (見てえェ~……!) 不可抗力によるものではなく、進んで開帳を受け入れていた。そうして、軽くイッた。羞恥心を解放する快感に酔った。 板橋も一応は見ていた。が、彼の脳裏には、眼前の女と我が妻を結び付ける線などやはり微塵も浮かばなかった。現に今見ている女陰は他人の精液を垂れ流しているし、それに形も知らないものなのだ。それもそのはず、何本も何本も男根で犯し抜かれた穴は、彼のベッドで見たそれよりもすっかり姿を変えていたのである。 変わったのはそこだけではない。 「こっちも入りますよ」 言い様、藪塚は後ろの穴に肉芯をねじ入れた。硬直はしていないが太ったままの海綿体が、アヌスにヌルヌルと埋まっていく。 「ほらご主人、見えますか? 奥さん、アナルもズッボズボ!」 こちらもまた、何本も何本も男根を突っ込まれ、拡張されてきた穴である。そこには既に排泄器としての面影はなく、もちろん板橋にも見覚えのないものだった。妻の股間はわずか数時間の内に、彼の知らぬ形に改造されてしまったのである。 「アア~、奥さんのアナル、いい締まりですよ。ご主人はなさらないんですか?」 妻の伴侶も知らない肛門の具合の良さを褒めながら、藪塚はズルズルと長い肉茎を引き出し、引き出してはまたズルズルと中に押し入れた。その度に腿をつかむ手が上下するので、タプタプと豊満な胸が揺れ動いた。 それにつれ、倫子は喘ぐ。もう男根が体に入るや否や、自動的に啼き出すようになっている。 「ア、オオホォ~……オ、オ、オホオォ~……」 板橋は顔をしかめながらそれを見ていた。目の前の者が誰かという問題ではない。ただ単にこの行為が趣味でないからである。 と、ここで助け舟が入った。店員の鎌先である。彼が傍に向かってきたのだ。 「おい、もう行くぞ」 板橋は焦りながら言った。この時ばかりは、さすがの亀山も素直に従った。何しろ店に内緒で勝手なことをしていると思っている彼らなのだ。 「ありがとうございました」 そんな二人に声をかけ、鎌先はともに出口へと向かい見送りに立つ。 少しほっとした板橋は、 「しかし、君があんなに積極的だったとは知らなかったよ――」 などと、亀山をからかいながら歩いていった。 「ありがとうございました!」 改めて礼を述べ、客を送り出す鎌先。その傍にはいつの間にか藪塚と、相変わらず彼とドッキングしたままの倫子が追いついていた。出口まで来れば、すぐそこに待つタクシーに、客達の乗り込むのが見える。 「気前いいね、あの旦那さん」 隣の藪塚に向かって、鎌先は手の中の紙幣を見せる。 「あ、金取ったんすか?」 藪塚は笑いながら応じた。 「ま、商売だからね。――二人分。おごりだってさ」 鎌先は淡々と言って、ふいに倫子の乳房を撫で上げた。 「この人の旦那さんなんだって? ほんとに?」 すぐ後に判明したことだが、この店で金を支払ったのは、板橋ただ一人だった。 「あの若い方の人は、この人が誰だか気づいてたんじゃないかな」 言いながら、鎌先は倫子のマスクを取った。閉じ込められていたロングヘアーが一気に広がり出る。彼らの視線の先で、タクシーのドアが閉まった。 「オーイ、いつまでヤッとんねんな。もう行くで」 牛滝が店の外から大音声で呼びかける。彼のもとにはもう一台のタクシー。 「次が控えてるよォー!」 横から矢板も呼ぶ。それに対して、鎌先が言った。 「オレもちょっとさぁ、ちょっといいかなぁ」 店内の三人は揃って外に出た。二人は靴を履き、一人は素足。異なる音を鳴らして夜の路面を踏み進む。ちょうど、前の客のタクシーが発車する直前のことだ。 「忙しいでぇ、これから」 走り去る車のすぐ後ろで、牛滝は倫子の左乳首をつまんで一旦引き寄せた。男から男へ引き渡されていく全裸の女。家畜同様にあしらわれる彼女の勤めは、まだまだ終わりそうもない。 <つづく> 現在時刻01:40(5時間47分経過) 挿入された男根=30本 発射された精液=64発(膣37・尻12・口6・顔2・胸5・手2) (001)19:53~(010)20:15、(011)20:18~(020)20:44 (021)20:47~(030)21:07、(031)21:09~(040)22:03 (041)22:22~(050)23:53、(051)23:54~(060)00:20 (061)00:24~(070)00:50、(071)00:24~(080)01:36 (081)01:45~(090)03:59、(091)04:12~(100)05:46 (101)05:52~(110)07:07、(111)07:15~(120)08:35 目次へ |
子宝混浴 『湯けむ輪』 ~美肌効姦~ こだからこんよく ゆけむりん びはだこうかん ――午前一時二十七分 間もなくして、次のセックスが始まる。 「ふう……」 と溜息ついて肉茎を抜き出した藪塚の方へ近寄って、 「もう一回しちゃおうかな」 と言いつつ進み出た男がある。亀山だ。 「おいおい……」 板橋はやや焦り気味に後方を窺う。他の男達もそちらを見た。しかし、そこには誰もいなかった。従業員の鎌先も女達も皆いつしか下がっており、フロアには倫子ら四人以外に誰一人残っている者はなかった。 その様子を受け、なぜか藪塚が、 「どうぞどうぞ、ヤッちゃって下さい」 と、勝手に代理して許可を出す。勝手知ったる他人の家といった状況である。 亀山ははやる気持ちを笑顔に表して、早速に覆面女の首を抱きよせ、自らの抜き身とそれを近づけていった。抜き身は隆々と勃起している。それへ、彼女の半開きの口をかぶせていく。 「奥さん、しゃぶって」 彼は言ったが、相手の首を抱え自ら腰をすり寄せるその態度は、フェラチオを待つというよりもイラマチオを促すというのに近かった。倫子は相変わらず藪塚の膝の上に乗ったままで、首だけ前へ伸ばして相手の股間に顔をうずめている。そのだらしなく開かれた口は、すっぽりと彼の陰茎を飲み込んでいた。 「ああ、奥さん、口も気持ちいい」 感動の声を上げる亀山。だが、行為自体はすぐにやめて、早くも次に移ろうとする。貪欲な彼は時間に追われながら、目いっぱいやりたいことをやってしまいたいのである。 「パイズリして」 今度の要求は胸であった。口から抜いた肉棒を、それにまとわりつく粘液ごと相手の喉から鎖骨辺りにずらしていく。 倫子は藪塚に促されて彼の上から降りた。そうして亀山の足元にひざまずく。求められた行為“パイズリ”をするためである。ところがこの行為、彼女にはついぞ習慣がなかった。 「い、板橋さんはパイズリするんですか」 ふいに亀山は振り返って尋ねた。 「え?」 問われた方は、後方をちらちら気にしながら聞き返す。同じことは亀山も気にしており、時折店内に気を配ってはいた。しかし、鎌先はまだ来ない。 「パ、パイズリですよ。――例えば……お、奥さんと、とか……」 妙に興奮した調子で亀山は重ねて訊いた。これに対し、板橋は気もそぞろに答える。 「ああ、ないない」 実に淡白な返答であった。これこそ倫子の無知の証左である。先ほどは宿で男からされたが、それまでは胸の谷間に男性器を挟むことの発想すらなかった彼女なのだ。“こんなに大きな胸なのに”とは、この時亀山も藪塚も同時に思ったことである。 そんなわけだから、倫子には経験がなかった。ただ、それがどういうことなのかの想像は薄々ついていた。あまつさえ、亀山は陰茎を彼女の乳房に押し付け始めたからだ。倫子は熱に浮かされた奉仕精神と探求意欲によって、自分から乳房を持ち上げてこすりつけていく。 黄やピンクのライトを照り返す汗ばんだ柔肌へ、暗がりの中一層黒味を増した剛直が突き刺さる。互いに濡れた表面の故にツルツルとよく滑る。硬直した突起は、右へ左へとあっちこっちにそれた。たまに乳房の下にはまって、ぐっとその垂れ肉を裏側から持ち上げることもあるが、やっぱり滑って、時には勢いづいたまま倫子の顎へぶつかることもあった。懸命に自身の乳房がペニスで弄ばれるのを見下ろしていた彼女である。 「ンフ……」 硬いものが乳輪を通過する時は、思わず熱っぽい息を吐いた。ピクピクと痙攣しもする。今まで知らなかった新世界の快感、かつ己の乳房の巨大さがやっと、しかも男を満足させるために役立たせられることを教えられて、望外の悦びが彼女の大きな胸の中を熱くさせる。 他方、亀山はややじれったそうに、さらに上位の技を要求した。 「挟んで、おっぱいで挟んで」 求められれば何でもしてやりたい倫子だ。その女性的包容力は、男のリビドーを優しく包み込んだ。すなわち、持ち上げて作った谷間に、いきり立つ男根を受け入れたのである。 「はあ、あったかい……」 恍惚として呟く亀山。その身はすっぽりと柔肉の内に埋まっていた。倫子の豊富な脂肪球は、繁殖準備満々の男性生殖器をも難なく覆い隠したのである。その上で、擬似性交にも対応する。亀山が前後に腰を振り出したのに応じて、肉棒が乳房の間を出入りして摩擦し始めたのである。 (ああ、熱い……) 倫子も思った。胸の中を行き来する肉棒に、生命の根源たる熱が充満しているのを感じる。他方で、そのエネルギーを擬似膣である乳房とのドッキングで感じてしまっている背徳感もある。考えるだに淫靡な行為だと思った。男性の前にひざまずき、自ら乳房を持ち上げて寄せて谷間を作り、そこへペニスを挿入させてセックスするなんて、と。 「もっときつく締めて」 亀山は、まるで膣に命じるように更なる指令を出す。倫子は従順に言われた通りにした。左右から押す力を倍加させて陰茎を圧迫する。すると前よりも一層男根の感触が分かった。それに、別なことも。 「ンンフゥ……!」 下唇を噛んで、痙攣に耐える。より強く寄せたことで中央に寄った乳首の上を、硬直棒が往来するのである。その刺激は中々に強烈だった。発情して敏感になった勃起乳首を、同じく勃起した陰茎がダイレクトにこすり上げるというのは。では倫子はそれを避けるかというとそうではなく、むしろさりげなく乳首の中央寄せを怠らないのであった。 板橋に見られていようと無論お構いなしである。彼に教えられなかった行為を彼に延々見せつける。そもそも妻にとっては、夫婦の閨房でのみ仕込まれるはずのもの、それが性の技術であるが。 片や板橋は、業を煮やしてついに宣言を発した。 「じゃあ、もう先に出るからな」 これに焦ったのが亀山である。 「あ、待って。もうちょっと。最後は奥さんに入れさせて下さい!」 彼はそう言うと、すぐに倫子を立ち上がらせた。ところが、あまりに急いだため、彼女はバランスを崩してつんのめってしまう。と、それを抱きとめたのが、なんと板橋であった。 「あ、そのまま持ってて下さい」 亀山はこの状況をこれ幸いと利用し、倫子を板橋に受け止めさせたまま、その背後から結合を試みる。 「おいおい……」 板橋はあくび交じりに苦笑した。 <つづく> (001)19:53~(010)20:15、(011)20:18~(020)20:44 (021)20:47~(030)21:07、(031)21:09~(040)22:03 (041)22:22~(050)23:53、(051)23:54~(060)00:20 (061)00:24~(070)00:50、(071)00:24~(080)01:36 (081)01:45~(090)03:59、(091)04:12~(100)05:46 目次へ |
子宝混浴 『湯けむ輪』 ~美肌効姦~ こだからこんよく ゆけむりん びはだこうかん ――午前一時七分 「ンンム……」 二人は余韻に浸りながら唾液を交換する。 その様子を、横からじっとりと眺めている者があった。次の番を待つ、亀山(かめやま)である。彼もまた今回の旅行の参加者の一人だ。 倫子は例の段取りに沿って、今度はもう鎌先の介添えも要せずにそちらに向かった。次にさばくべき客、という認識である。その心には、些かの安堵と油断があった。 だが、その心境に到達するには、まだまだ時期尚早であった。 「あああぁ、リンさん……」 倫子が腿にまたがるなり、亀山はその背に腕を回して彼女をきつく抱き寄せてきた。この時彼女は、前二者の経験を踏まえて、彼もまたこの場限りの性欲にまい進し、そのはけ口としてリンという女性を見ているだけだと信じていた。そこには、高揚しきった心と体と、そして男らが己をメスとして選んでくれたことへの一種の驕りが作用していた。それ故、もはや彼らの秘められた本性を目の当たりにしても、一定の慈しみを覚えたほどである。 ただ、そう判断してみても、亀山の興奮ぶりは少しく異常であった。かなり呼吸が荒いし、何より目が笑っていない。鬼気迫るほど、真剣そのものなのだ。 間もなく倫子は、その衝撃的理由を知ることになる。その瞬間は、唐突に訪れた。抱きしめた手を緩めて、ちょっと間合いを置いた亀山が、うっとりとした眼差しで彼女の目を見つめ始めたその時だ。 「リン……さん……。あの……リン子さんって、呼んでいいですか……?」 にわかにそんなことを申し出たのである。 倫子はぎょっとして固まった。 (バレた!) 心臓を握りつぶされたようである。これまでのことは、ほんの短い夢に過ぎなかった。やはり見抜かれていたのだ。つい己の淫乱症にかまけて甘い見通しに酔っていたが、普通に考えて気付かれないはずはない。そんな暗い絶望感が、彼女を再び取り巻いていく。どんなに狂っても、やはりバレたくはなかった倫子なのである。 「すいません……。でも……リンって名前だし……」 亀山はやや照れながらも己が主張を述べ続ける。 「体だってこんなに……む、胸も……」 倫子はもはやうわの空だった。知られているのといないのとでは、雲泥の差なのだ。彼女はまだどこかで、この痴態を隠し通せる未来を信じていたのである。 「アソコも……ああ、すごい……」 亀山は倫子の体の一部始終へ、まんじりともせずに視線を這わせた。そして、まるで高価な芸術品を扱うかのように、おずおずとその輪郭を撫でていく。その様子は、半ば狂気じみても見えた。 「ずっと……好きだったんですよ……!」 彼は言った。その一言が、新たな波乱を現場に呼び起こす。 (え?) 倫子は困惑した。素性がバレた上に、わけの分からない告白まで始ったのだ。だが、話は悪い方向ばかりにも進まなかった。 「――“その人”のこと。……だから、リン子さんって、呼んでいいですか?」 勢いのままに、心にため込んできたものを遂に吐き出したという態の亀山。その余勢をかって、彼は男根を陰裂にあてがった。 「入れていいですか?」 許可を欲しているのではない、それは確定事項だった。肉竿は、早くも割れ目の道へと潜り込んでいく。 「あっ、やっ……!」 (ま、待って!) 倫子は戸惑いを隠せない。一つ一つの事実を整理していく暇もないのだ。そんな中でも、男根の突入は止まらない。すぐに根本まで入って、二人は一体化した。本当なら、倫子は拒みたかった。二つのことをだ。一つは、“リン子”という名で呼ばれること、もう一つは、合体である。彼女の中で、ドキドキが治まらない。 「リン子さん、好きです! 好きです、倫子さん!」 興奮した亀山はうわ言のようにそう繰り返しながら、倫子の腰をかき寄せて揺さぶる。 (か、亀山君?) 段々落ち着いて考えてみると、彼が自分の正体に気づいたわけでないらしいことは、倫子にも何とか理解できた。彼は“その人”と確かに言ったのだ。だが、それ以外に打ち明けた内容は、一体どういうことなのだろうか。こちらは依然謎である。 すると、その問いに答えるかのように、亀山がひとりでに告白を続ける。 「初めて会った時から、ずっと好きだったんですよ! だから、ずっとこうしたいって……」 その言葉は、一々倫子をドギマギさせた。彼は確かに自分を同一人物だとは思っていないはずだが、妄想の空では既に同一視してしまっているらしい。彼の中では、完全に倫子を抱いていることになっているようだ。何とかそれを思いとどまらせたいが、理由が難しい。変に勘繰られては厄介である。それ故声も上げられずに、倫子は彼の述懐を聞くしかできなかった。 「ああっ、この胸! すごい……! いっつも谷間を覗いてた……ブラの線も……これ、このデカパイ!」 言いながら、亀山は彼女の乳房をブルブルと震わせた。両手でその周囲を包み小刻みに動かすと、柔い肉の表面はさざ波を作って振動する。 「お尻も……いつも見てた。パンツの線も。パンチラだってしょっちゅう。――そうだ、この前鍋した時、ずっとパンツ見えっぱなしでしたよね。倫子さん、いつも無防備だから。……それとも、わざと見せて誘ってたんですか?」 彼の口は、次第に滑らかになっていった。相手の尻を手の形がつく位ギュウッと握りしめて、己の性癖を続々と吐露していく。その偏愛ぶりは、一途というよりもむしろストーカー的だった。 (亀山君……わたしのこと、そんな風に……) 倫子は耳を赤くして彼の独白に耐えていた。その内容には驚きもし、同時に気恥ずかしさも感じた。彼の場合、常日頃から倫子その人を性の対象として狙い定めていたわけだ。これは、彼女にとり信じられない事実だった。 亀山は、以前夫の下で働いていた男である。いわばそこで修業し、後に独立したわけだ。年は新木よりも若い。下積み当時は一緒にいる時間も多く、倫子も女将さん的な立場で自然と彼をかわいがりもした。そんな若者が我が身を色気づいた目で見ていたなんて、想像もしないことだった。今では結婚して、可愛い奥さんと娘にも恵まれているのだから、なおさらである。 「いっつも倫子さんでヌいてたんですよ、このオッパイや、おマンコ想像して。――それから……フフッ……」 不敵な笑みまで浮かべる彼。その話の中身とも相まって、ぞっとする感じである。 「――奥さんの下着盗んだり、歯ブラシにぶっかけたこともありますよ」 (そ、そんなことまで!) 倫子の背筋を寒気が走る。自分の今の境遇を棚に上げて、今後の彼との距離の置き方などを思案しだす。しかも、彼は今“奥さん”と言った。それこそが、平生の彼の呼び方である。おかげで、一気に話が身近になった気がした。一方で、“倫子さん”とも呼ぶ彼。一人の女として見ている証である。 「倫子さんっ! 倫子ぉっ!」 ついには呼び捨てまでしだす始末。それに比例して、肉棒は益々凝り固まり、その摩擦はどんどん激しくなる。 (こんなことって……!) 煩悶する倫子。建前上は倫子と亀山ではないのに、これでは実質同然だ。まるで亀山に犯されているようである。その彼がまた、普段の爽やかな風貌とは打って変わって、屈折した性癖の持ち主だったからには、輪をかけて複雑な気分である。 ただ、彼の倫子への熱意は本物だった。肌を合わせると、はっきりとそれが分かる。彼は心から、倫子としたくてしたくてたまらなかったのだ。そういう一直線な求め方をされると、女の情は脆い。彼女の股間からは生暖かい汁が白く泡立って落ちた。 「おっ、おお、倫子、倫子! 好きだよ、倫子!」 いくら店内が騒々しいといったって、こんなに鮮明に名前を連呼しては、彼にとってもリスクが大き過ぎる。すぐ近くの席には、倫子の夫も控えているのである。そうでなくても、周囲の知人に聞かれるだけでまずいはずだ。だが、それでも彼はやめない。それほどの情熱を傾けているのである。 「ア……ン、ン……アッ……アフ……ッ!」 女体も次第に呼応していく。激しく求められるセックスは、やはりいいものだ。こんなに“好き、好き”連呼されて、現に逞しい態度で示されたら、既に燃え上がっている熱情の折も折、ほだされて股も緩んでくる。 「うああっ、イくぞ、倫子! 孕め! 俺の精子で孕めぇっ!」 「ンヒイィー……ッ!」 (亀山くぅ……んっ!) 亀山の掛け声とともに、彼の欲望の全ては、横恋慕する人妻の中へと一気に注ぎ込まれた。片や人妻、刹那は夫のことも忘れて、その歪んだ情熱に酔いしれる。 <つづく> (001)19:53~(010)20:15、(011)20:18~(020)20:44 (021)20:47~(030)21:07、(031)21:09~(040)22:03 (041)22:22~(050)23:53、(051)23:54~(060)00:20 (061)00:24~(070)00:50、(071)00:24~(080)01:36 (081)01:45~(090)03:59、(091)04:12~(100)05:46 目次へ |
子宝混浴 『湯けむ輪』 ~美肌効姦~ こだからこんよく ゆけむりん びはだこうかん ――午前一時一分 「よかったよ」 鶴巻は言った。ちょうど倫子が立ち上がった瞬間だ。彼女の身には、しっかりと親子の種が植え付けられている。 倫子はよろめきながらも、鎌先の介助によって次の相手のもとへと移動した。さりげなく振り返ってみると、どこかから現れた女が鶴巻の足元に近寄り、彼の股間をウェットティッシュやおしぼりで清めていた。 「お疲れ様」 などと、笑顔で語りかけてもいる。要するに、事後の世話を買って出ているわけである。見ていると不思議な感じがした。いわば、セックスがシステム化されているわけだ。男の世界ならではのものだと思った。 そのシステムに乗って、倫子は隣の客の上にやって来た。客は、おいでおいでをしている。先ほどとは違って、話はダイレクトだった。いきなりの挿入である。彼がおっぴろげている股の上にまたがって、何の前触れもなく交合するのだ。こうやって次から次へと客の上を移動して、ただただ精液を絞り出していく、これぞ職業的性交だ。そこに情は必要ないのである。 「中出しされたの?」 合体するなり、客は問うた。これまた普段の彼からは想像もつかないセリフだった。彼は新木(あらき)。風呂場で倫子と戯れ、彼女の乳を無心に吸っていた子達の父親である。鶴巻よりはずっと若い。倫子よりも年下である。その彼が、平生ならば敬語であるにもかかわらず、今は対等に話しかけてくる。もちろん、相手を倫子と知らないでのことだが。 「中出し、いいんだ?」 彼はややはしゃいだ様子で聞いた。ここでの会話は、皆こんなに露骨に猥褻な調子なのだろうか。即席のホステスである倫子には全く分からなかった。それもあって、彼女は相変わらず無言だった。沈黙が返って怪しさを増すかもしれないと一瞬は危ぶんだが、新木は特に意に介さない様子だった。 「ああ、すげえ。久しぶりのマンコ、すげえ気持ちいい――」 彼は言って、倫子の腰をつかみ、前後に揺さぶった。勢いのままにこうなったが、当たり前のように二人は男女の仲となっていた。無論、仮面なくしてはありえない構図であり、鶴巻の時と同様、改めて激しい抵抗感はある。やはり、これは裏切り行為であるからだ。 そういえば、彼は“久しぶり”などと話しているが、家では近頃ないのだろうか。倫子はふと疑問に思った。この辺りは、彼女が狂っている為というよりも、女ならではの厚かましい好奇心の故であった。さすがに聞いてみることはできないが、彼の妻を知っている手前、気にはなった。鶴巻の妻と同様、彼女とも倫子は親しくしているし、夫の愚痴なども互いに言い合っているのだ。 しかし、 「ンッ……ンッ、ンフ……ッ!」 そんな殊勝な考えはすぐさま雲散霧消した。ゴリゴリと硬いもので奥の壁を削られると、途端に浅ましいメスの姿となって快感に身悶える。折しも、先客のおかげで興奮しているさ中、またぞろ卑しい背徳感まで込み上げてきて、不徳の悦楽に拍車をかける。しかもその思いは、思わぬ形で飛び火した。 「ああっ、いいっ! うちの嫁よりいいよ!」 なんと新木からこんなセリフまで引き出してしまったのである。これには倫子も、少なからずショックを受けた。 だがよく思い合わせてみれば、新木の妻は、極めて子煩悩な上に気さくで話しやすい好人物であるが、髪型や着る物にはほとんど気を使わないし、体型も中肉中背で、いわゆる女らしさには些か欠ける印象を否めなかった。辛辣なものであるが、女はそういう値踏みをして常に生きている。倫子は刹那的にそれらを思い浮かべ、一人納得してしまった。 そして得た結論は、ズバリ、己の勝利であった。年は上だが、女としての優位は確実と思えた。いつの間に、彼女はこんな悪性になってしまったのだろうか。ここまでの価値観の解放は、女故ではなく、やはり狂ったが為であっただろう。 「アアン……ッ!」 彼女は勝ち誇ったように吠えた。現に今体内に新木の陰茎がある、これが勝利の証だと。 さっき隣を窺い見た時にはまだ眉をひそめたものだったが、あの後から急速に彼女の中で何かが変わっていた。性そのものを直視するようになったというのであろうか。要は、ここに集っている夫達も自分も、生活とは別個の所で性を発散しているのだと、それ自体が目的化しているのだと悟ったようである。 しかも、ここでの彼女の役割は職業的なセックス士である。次から次へと精子を抜き取っていく仕事だ。その中で倫子は、まるで花粉を運ぶ蝶のように柱頭から柱頭へと渡っていき、しかもそのことに一種の陶酔をすら感じるようになっていたのだった。 見渡せば、他の女達も順々に渡り歩いている。彼女らにとっては、これぞ本職である。よく見れば、今鶴巻の世話をしている女がどうやら先ほど新木の所にいた者であるようで、女達はこのように座席の前を巡回しているのだ。だが、やっている内容には、倫子との間に決定的な差があった。すなわち、彼女らは口で奉仕するのみであって、その中の誰一人として挿入行為にまでは及んでいなかったのである。 「本番ありだなんて、びっくりしたよ」 新木もそのことに触れて言った。 「穴場だねえ。こんな田舎でさあ。――あ、田舎だからかな」 彼にはよほどこのサービスがお気に召したらしい。ハイテンションで、言わなくてもいいことまでしゃべる。 「実はさ、ここ結構年齢層高いじゃん。で、“あ、まあ田舎だし、こんな流行らない店に、しかもいきなり来たんじゃしょうがないか”なんて思ってたんだけどね――」 他の者には聞こえないように一応気は使いつつ、ひそひそと彼は続ける。 「でもさ、リンさんみたいなお姉さんなら大歓迎だよ。後から出て来たの見てびっくりした。こんなナイスバディーとヤれるんだ、って。外人みたいな乳だよね。たまんねえ」 言いながら、彼は倫子の乳房を持ち上げ、そしてストンと落とし、また持ち上げてはストンと落とし、というのを何回か繰り返した。急降下した後に軽く弾んで揺れる脂肪の塊からは、説明不要の重量感がにじみ出ていた。 それにしても、鶴巻といい新木といい、その女の乳の扱い方に実際に接してみればみるほどに、どんどんと彼らの生々しい性の実態を目の当たりにしているようで、倫子はまた最初とは違った感想を抱くようになっていった。この時点では、もはや不快感よりもむしろ妙な高ぶりの方が先に立っていた。向こうは想像だにしないことだろうが、こちらは彼らが誰なのか知っているのであり、それが一種の覗き趣味のような気まりの悪さを生む。家で奥さんにどうやっているか、そんなことまで妄想が膨らんでしまうのだ。 「ンンッ! ンフゥ……ッ!」 舌をからめ合いながら、彼女は身悶えた。その身をたぎらせるのは、またしても背徳感。 さっき新木は、“年齢層”などという言葉を使ったが、倫子が誰かは知らずとも、相手がそこそこの年増であることを察してはいる風である。おそらく彼にとってこういう店に期待するのは、もっと若い相手なのであろう。だが、それでも倫子ならいいと言う。現に陰茎を激しく勃起させ、子供のように無邪気に乳房と戯れているではないか。 果たして妻との交渉でも、彼はこんなに愉しめるだろうか。彼女も倫子より年下である。それでも彼はリンの肉体を選んだ。オスの性欲は、もっと熟した女との繁殖をあえて望んだのだ。彼だけではない、彼の息子達だって倫子の裸を見て勃起していたではないか。まだ機能は未熟だというのに、一人前に彼女をメスと見定めて、これを孕ませようと反応していたのだ。 「なんか、リンさん、すげえエロい……」 新木は言った。それは気持ちを高ぶらせ、体を火照らせて、痴穴からバシャバシャと煮え立った汁をわき出させる熟女を見て、自然に出てきた表現だった。熟れた肉体は、今宵数々の男を経てさらに熟成し、その上タブー破りの連続によって精神的にもかせが取れて、オスの本能を刺激せずにはおかない作品にまで仕上がっていた。 新木の股間はいよいよヒートアップした。より角度をつけ、熱を帯びて突き上げる。倫子も負けじとこれを受け止め、さらには絞り上げさえする。 彼女はふと思った。翔太や修次もいずれこのようなことをするのだろうか、と。思えば、肇も昔は小さかった。彼のことは、ほんの幼い頃から知っている。そういう子と、あんなことをするようになるとは思わなかった。今では、父もろともに子作りをする仲だ。だから、ひょっとすると……。 「あっ、イく! イくイくイッ……うっ!」 倫子の邪まなる欲情に飲まれたのか、新木は急激な絶頂を迎えた。派手な宣言とともに、陰門内部へ怒涛の射出。 「ウッ……フウゥ~……ン!」 倫子は彼の肩を抱きしめて、その全てを迎え入れた。その脳裏を、今はまだ幼い兄弟達の、この父親のとよく似た形がよぎっていた。 <つづく> (001)19:53~(010)20:15、(011)20:18~(020)20:44 (021)20:47~(030)21:07、(031)21:09~(040)22:03 (041)22:22~(050)23:53、(051)23:54~(060)00:20 (061)00:24~(070)00:50、(071)00:24~(080)01:36 (081)01:45~(090)03:59、(091)04:12~(100)05:46 目次へ |
子宝混浴 『湯けむ輪』 ~美肌効姦~ こだからこんよく ゆけむりん びはだこうかん ――午前零時二十分 「大丈夫ですよ、奥さん。向こうからは見えませんから」 矢板はそう囁きながら、倫子の股の間に割って入る。普通ならば抗うはずの倫子であったが、ここでもやはり何もできなかった。そんな彼女を押さえつけて、矢板の男根がヌルリと侵入する。 「ほおら入った」 彼は倫子を正面から見つめながら言ったが、彼女は決してそちらを見なかった。せめてもの抵抗のつもりである。だが、そうやって視線をずらしたことで中空を見てしまい、慌ててまた眼を脇へとそらす。中空、すなわちテーブルの上には、ここから見えないとはいえ夫がいるのである。倫子はそのテーブルの淵を眺めることすら気が引けた。 「ご主人が寝てはったから店仕舞いが遅れたんですよ。ねえ、マスター」 頭上では、榊原がからかい気味に夫を責めている。 それを受け、夫は、 「すいませんね、どうも」 と、矢板に向かって謝った。ここでも軽々しい平謝りだ。しかも妻を犯している男に向かって。 だがさらに驚くべきは、これへの矢板の応対である。 「いやいや、いいんですよ。仕事ですから」 彼は倫子にペニスを突き刺しながら、彼女の夫に答えたのである。なんという大胆不敵だろうか。彼の場合、たとえ合体の最中であろうと、その冷静な会話術に変化はないのであった。 その上で彼は、倫子の唇を奪った。もうこれで、夫がなすべきことはすべて代理したというかのように。 途中、藪塚がカウンターの入り口から回り込んできたが、矢板はこれを手を振って退けた。しかしこれで、今何がなされているか、外の連中に確認されることとなる。 その間も倫子は、力無く股をおっ開げたままひたすら耐え忍び続けた。魔物の猛威は、初めゆるゆると、やがてじわじわと股間をすり寄せ回転するように動いて、次第に強い挿入で襲いくるようになった。その剛直はいよいよいきり立ち、まるでさっき入れたよりも膨張を増したかのようである。 一方で、その当人はこんなことを言った。 「あれ? 奥さん、さっきより締まりがいいんじゃない?」 相手の耳にだけ聞こえる声で囁く。 「もしかして、旦那さんの近くでヤることに興奮してるんですか?」 (そ、そんなことあるわけ……) 倫子は、その囁き声と共に耳元に吹き寄せる息にゾクゾクと総毛立ちながら、必死に唇を噛んだ。その時、かの膨張物が彼女の中の弱い部分を劇的にかすめる。 「ン……ッ!」 倫子は思わず呻いていた。 その表情を、ニヤニヤしながら矢板が見下ろしている。 「気持ちいいの? いいですよ、声出しても」 そうけしかけてもくる。 無論そう言われて、はいそうですかと開き直れるものでもなく、倫子は引き続き沈黙を守った。とはいえ、このまま倫子が黙って耐え続けても、ビデオの方は早晩素性が露見するかもしれない。これまでばれていないのがむしろ奇跡なのである。 『アッ、アッ、アンッ!』 映像の彼女は、相変わらず恥ずかしげもなく喘ぎ続けていた。その様子は、半ばやけくそ気味にも見える。彼女はいまだに、これが自分の姿だとは信じきれずにいた。 彼女自身がそうなのだから、夫にはなおさらなのかもしれない。彼は悪党どもと談笑しながら、再び酒を酌み交わしていた。いっそこのまま酔いつぶれてしまえばいいと、倫子は心ひそかに願う。それが最も現実的な助かる道ではないだろうかと。 「ああ、奥さん、奥さん……!」 矢板の腰の動きは、急速に激しくなっていった。男の道具と女の道具、二つの道具が隙間なく密着したままこすれ合って、そこに粘ついた泡を生み出す。もしビデオが流れていなかったら、その泡立つ音が夫の耳に入ったかもしれない。 こうなってくると、いよいよ最高潮である。そして、もちろん最後は…… 「旦那さんには悪いけど……」 こう言いざま、彼のわだかまりは噴射していた。これでとうとう夫の役を全うした彼である。 その瞬間、倫子はわずかに腰を浮かし、キュッと尻を締め、下唇を震わせていた。彼女の中に、熱々の子種汁が大量に流れ込んでくる。また一人、彼女の上を男が通り過ぎて行ったわけだ。受け身の倫子は仰臥したまま、男の種付けの終わるのを待つ。 だが彼は三波ほど脈打たせたら、すぐに立ち上がった。但し、起きる時には倫子の手を引いて。それでどうするかというと、再び彼女の頭をホールドし、その口へ向け事後のイラマチオである。 「いやあ、ハハ。腰が疲れますよ」 矢板はそう言って、爽やかに夫に笑いかけた。 「終わった?」 渡瀬が彼に問いかける。 「いや、まだ……」 矢板は答えた。 倫子はその時、喉の入り口に注ぎ込まれる残り汁を、懸命に飲み下していた。確かにまだ、彼女の仕事は終わっていない。 だが、矢板がまだだと言ったのは、実はそのことではなかった。ほどなくして彼女は解放されたが、代わりに袋田に押し倒されてしまう。矢板のセリフに従って。 「悪いけど、袋田さん、続きヤッてくれる?」 袋田のものはすぐに入ってきた。硬さは先ほど口で確かめた通り、完全な臨戦態勢である。 あっという間の矢板から袋田への交代。しかも二人とも初めての相手。それを当たり前に受け入れていく倫子。今夜の彼女の使命である。 「すいませんねえ」 また何か言われたのか、今度は袋田にも誤っている夫。一体どんな作業をしていると思っているのだろうか。 それに対して、袋田もまた、 「いえいえ……」 と軽く返事をしつつ、問題の作業に精を出す。 <つづく> (001)19:53~(010)20:15、(011)20:18~(020)20:44 (021)20:47~(030)21:07、(031)21:09~(040)22:03 (041)22:22~(050)23:53、(051)23:54~(060)00:20 (061)00:24~(070)00:50、(071)00:24~(080)01:36 (081)01:45~(090)03:59、(091)04:12~(100)05:46 (101)05:52~(110)07:07、(111)07:15~(120)08:35 目次へ |
子宝混浴 『湯けむ輪』 ~美肌効姦~ こだからこんよく ゆけむりん びはだこうかん ――午前零時八分 「ア~……」 藪塚はうっとりと息を吐き、つららのように白色透明な糸を引いて肉茎を抜き出した。 その瞬間、渡瀬の介助もむなしく倫子はどっとくず折れて、ソファーの角っこに頭からのめり込む。それはちょうど夫が眠るソファーの続きであった。ソファーは店の角に沿って、くの字形に設置してある。 「ウ、ウ~ン……」 夫は急に呻いた。これまで幾多の障害を乗り越えてきた酩酊も、振動にはさすがに反応したと見える。 「お、ぼちぼちお目覚めか」 榊原が言った。 しかし、夫は軽く寝相を直した程度で、目を覚ましはしなかった。 「かまへんがな。次しぃな」 渡瀬は我関せずといった態で、藪塚の“次”を促す。その視線は、袋田を指していた。 一方袋田は、その時夫の寝顔を覗き込んでいた。“この男が夫なのだろうか”と確かめる風である。ただいくら眺めようとも、誰と誰が夫婦かなんてところまで把握していなかった彼には、倫子の同行者であるという情報以外には確認のしようがなかった。 それで、彼はそのことを報告しつつ、渡瀬に指名されたのを受けて、マスターに話を振った。彼とマスターとは心やすい関係にあるらしい。 「矢板(やいた)さん、よかったらお先に」 勧められて、マスターこと矢板は、 「え、そうですか? いやしかし、旦那さんだったらねえ」 などと口では遠慮しつつも、自らカウンターの外へ出てきた。その上、 「いざとなると恥ずかしいですねえ」 と言いながら、結局ズボンを下ろしてしまう。この男も、どうやら悪性だ。 「いいんですかねえ、ほんとに」 誰の許可を求めているわけでもないのに白々しい物言いをしつつ、彼はいよいよ欲棒を取り出した。そうして、“よいしょ”と掛け声しつつ、倫子の尻を持ち上げる。 この間、倫子は終始無言である。何の意思表示もせずにうずくまっていた。本当なら逃げ出したいはずなのに、なす術もなくまた新しい男に侵入されようとしているのだ。 (あなた……) 頭の中で繰り返すうわ言もむなしいばかり。一体彼女の罪悪感は本心なのだろうか。今や彼女自身にすら心許ないことだった。ただ、彼女がどう思おうと、今からまた夫のそばで他の男に抱かれるというのは厳然たる事実である。 矢板の勃起した陰茎は、ダイレクトにゴールを狙い澄ます。グチャグチャに濡れたそこは以前より形すら変わったように思えて、倫子にはもはや恐ろしくて直視もできそうにない場所だ。逆にそれほどの故に、男からすれば狙いやすい。矢板はその淫猥のるつぼに、分身を一気に沈みこませていった。 「あ、あっ、ああ~……」 溜息ついて、腰を進ませる。するとそれに伴って、ジュプッ、ジュプッ、という粘り気のある汁の音が鳴る。それは、それまで乾いていた陰茎が、まるで湯につかるように急速に濡れていく過程を代弁していた。 「どないやマスター。ビデオで見た通りやろ」 榊原が言う。下劣な男どもには、たとえ他人の吐き散らかしで混ぜ返された陰裂を前にしても、ためらいの情など微塵もなかった。実にのん気なものである。 「ええ、でもやっぱり本物はいいですねえ」 矢板はそう話しながら、次第に局部の摩擦を激しくしていった。 「奥さん。奥さんとスるのは今が初めてですが、奥さんのアソコは先に知ってるんですよ。よっく見ましたからね。アップで見ましたからね」 彼は倫子に向けた体でありながら、その実観客の目を意識して話した。実際、観客達の反応は上々だ。 「そや! 奥さんのいやらしいオメコ、どアップで映ってたで。中に出されたザーメンもばっちり丸見えや」 渡瀬が喝采を送る。しかも彼は、興奮を満々にみなぎらせてこうも叫んだものだ。 「アー、なんやまたシたなってきた。――マスター、ちょっと悪いけど一緒に頼むわ。もう分かってるやろ?」 「ははあ、あれですか。あれやっちゃいますか」 阿吽の呼吸で矢板は動く。すでに段取りは重々承知の彼である。すなわち、一旦座って倫子を向かえ合わせに抱き直し、そのままの状態でソファーに仰向いた。 すると、浮き上がった彼女の尻めがけて渡瀬が覆いかぶさっていく。 「奥さん、ただいま。寂しかったやろ、一本では」 言いざま、彼は倫子のアヌスを深々と貫いた。 「ンヒイッ!」 これには、呆けていた倫子もさすがに声が出た。この感覚には慣れるものではない。もちろん、“寂しかった”なんてことありえない。だが、一度刻印されたものは消えず、永遠に体に刻みこまれる。しかもあれだけ何度もされたからには、体がもはやこの感覚を前提にしている節はあった。 「どや、よう締まるようになったやろ」 したり顔で渡瀬が問う。 「ええ。これが二本挿しですか! 初めてですよ」 嬉しそうに矢板が返す。 「実はワシかて今日初めてしてん。大体3P自体初めてやねん」 「そうですよね、普通そんな経験ないですよね」 二人は一つ女体を共有して、実に和気あいあいと語りあった。途中からは立ち上がり、二人して倫子を抱えあって揺さぶる。 やられ放題の倫子、この体勢に至りなば、もはや夫にばれるばれないの次元ではない。後は、体内の葛藤との闘いだ。 その様子を見ていた榊原は、袋田にしみじみと語っていた。 「あの人がもし旦那やったとしたら、あの奥さん、夫の横で二本もチンポ入れられて、ものすごいことしてんな。一本でも大ごとやのにやで。大体ケツにチンポ入れたことなんかあったんやろか」 何を今さら、といったようなことだが、彼はそれに頓着せず、袋田も純粋に感心して聞いている。 他方、倫子の耳にその声は届いていなかったが、これは幸いであった。こういう冷静な会話は、揶揄されるよりも一層惨めな気持ちを引き立たせるからだ。そうでなくても、二本一遍に男根を埋め込まれ、またぞろ衝撃的な混乱と恥辱を与えられているさ中である。 (こんな姿、あの人に見られたら……!) 当然にその懸念はちらつくが、それよりも今のこの肉の衝撃こそ喫緊の課題であった。 だがもし夫が本当にこの姿を見たらどうだろうか。そもそも長年連れ添ってきた間、妻の肛門にペニスを入れる発想すらなかった彼である。ところが妻は、今日会ってすぐの見ず知らずの男にその穴の処女を捧げ、引き続き何人もの男にそこを広げさせ、今ではすっかり性器にしてしまっているのだ。それだけでも信じられない光景に違いない。 「連れも言うとったけどなあ」 榊原は話を続ける。 「あの奥さん、もう旦那のチンポでは一生満足でけへんで」 そう話す彼の視線の先には、瞼を閉じようとして閉じ切れず、わずかに白目をむいたまま男達に寄りかかる倫子の姿があった。 <つづく> (001)19:53~(010)20:15、(011)20:18~(020)20:44 (021)20:47~(030)21:07、(031)21:09~(040)22:03 (041)22:22~(050)23:53、(051)23:54~(060)00:20 (061)00:24~(070)00:50、(071)00:24~(080)01:36 (081)01:45~(090)03:59、(091)04:12~(100)05:46 目次へ |
子宝混浴 『湯けむ輪』 ~美肌効姦~ こだからこんよく ゆけむりん びはだこうかん ――午後十一時五十三分 「おう、来た来た!」 扉を開けた瞬間から、早速に声がかかる。かけたのは榊原、正面のカウンター席に座ってこちらを振り返っていた。 テーブルの向こう側からは、この店のマスターらしき男が話しかけてくる。 「おっ! 主役の登場ですね!」 カウンターを挟んで対峙しているのは、この二人だけだ。店内はがらんとしていた。渡瀬が先ほど言っていた、“状況が変わった”というのはこういうことらしい。 それを見て、倫子は少しだけ安心した。が、それもつかの間、彼女にはそれ以上事態を冷静に把握する余裕など与えられなかった。すぐに、どうしても看過できない光景がその目に飛び込んできたからである。 それは、おそらく普段ならばカラオケに使われるのであろうモニターであった。マスターの頭上に置いてある。そこに、今は全く異質なもの、すなわち、裸の男女の絡み合う姿が映りこんでいたのである。まさかこんなカラオケビデオはあるまい。何しろ、勃起した陰茎が濡れた膣に入る様子を赤裸々に映しているのである。 倫子は急な胸騒ぎを覚えて、じっとその画面に見入った。モジャモジャと茂る縮れ毛、それをかき分けて現れる鮭肉色の小陰唇、そこに突きたてられるいきり立った陰茎……。大写しにされるとすごい迫力である。焦げ茶色の太い棒が唸りを上げて行き過ぎる度に、ヂャプヂャプという水の摩擦音がスピーカーから響く。 さらにアングルが下降すると、そこにもう一本肉棒が現れる。そう、男は一人でなかったのだ。しかもそのもう一本は、通常あらぬ所に挿入されている。肛門である。こういう場面はよく見なれていないととっさにはそれと分からないかもしれないが、陰唇のすぐ下にある穴は、確かに排泄の穴で間違いはなかった。そこが丸く広がって、大便よろしく男根をひり出しているのである。その脇で、男の腿に圧迫されて形を歪めている弛んだ尻がいかにも生々しかった。 倫子は頬を引きつらせながら、しかしまんじりともしないで、なおも画面を見続けた。元々アダルトビデオ位で顔をしかめるような性分でも、また年齢でもない彼女であるが、さすがにこれはアブノーマルに過ぎ、いつもなら目をそむけていたであろう代物である。が、今日はこれと同様のことを身をもって経験してきた彼女だ。また、そのせいで神経が麻痺しているきらいもある。だから、こんなもの見せられてもなんでもない、はずだった。 それなのに、今の彼女ときたらどうだ。妙に不安そうな面持ちで、ぐっと息をつめて見守っているではないか。そう、これと同じことを、ついさっきまで行っていたのだ、と、その事実が鮮明に意識されればされるほどに……。 カメラは素人が撮影したかのように、時折被写体から外れて布団や畳なぞを間に挟みながら、女優の体の様々な個所を次々と映していった。足の小指の爪の形、右脇腹にあるほくろの位置、かなり豊かだが垂れ気味の乳房の輪郭、後頭部から見るヘアースタイル……、倫子は知らず知らずの内に確認を始めていた。 画面は間もなく、後頭部から横顔へと移動する。もはや紛れもなかった。 「ああっ!」 たちまち悲鳴を上げて、彼女は前方に駆け出す。が、足元の頼りない彼女は、そのままつんのめってしまった。そこを助けたのが薮塚である。 「おおっと!」 彼はとっさに胴に手を回して、タイミングよく彼女を受け止めた。ちょうどその手の下に、ビデオの中の女と同じようなほくろがあったのだが、彼はまだそのことに気づいてはいない。しかし、それを知らずとも結論に大差はなかった。もちろん、彼もまたモニターを食い入るように見つめている。その目に、きっちりと女の顔が焼き付けられている。さっき見つけた全裸の女の、その顔を焼き付けたのと同じように。 「あ……あ……っ!」 倫子はテーブルに寄りかかって、しばし言葉を失っていた。画面の向こうの女は、ペニスを口いっぱいにくわえこんでいる。よく見る女だ。確か、鏡の中で見る。だが、いつも見ているのは、こんな顔ではない。見ず知らずの男のペニスをくわえて、相好を歪めて……。 その頬にも別のペニスがひっついている。さらにこめかみにも。引きの映像が映れば、なんのことはない、彼女の周囲一帯、隙間なくペニス、ペニス、ペニスだ。胸にも腹にも足にも、それらが擦りつけられている。なんという光景だろう。 この女はよく似ているが、知らない人に違いない、倫子はそう思うことにした。しかし、そんな彼女を周りの男達が現実に引き戻す。 「よう撮れてまっしゃろ。スガちゃんがビデオ回しといてくれたんや」 画面を凝視する倫子に向かって、榊原がまるで自分の手柄のように得意げに言った。 「おお、なんやもう見とったんかいな」 横から、渡瀬が口を挟む。 「今始まったとこや。マスターが見たいさかい言うて、線つないでくれて」 榊原が言うと、マスター、ヘヘヘッと下卑た笑みを浮かべた。榊原は話を続ける。 「今さっきまではあの子らがおったやん? ほれ、奥さんとこの――」 それを聞いて、にわかに倫子は耳をそばだてた。それまではぼんやりとして、彼らの会話も右から左に流れていたのである。 「娘さんら。今までここにおったんやで」 榊原は淡々と言い放った。刹那、倫子の背筋が凍りつく。 <つづく> (001)19:53~(010)20:15、(011)20:18~(020)20:44 (021)20:47~(030)21:07、(031)21:09~(040)22:03 (041)22:22~(050)23:53、(051)23:54~(060)00:20 (061)00:24~(070)00:50、(071)00:24~(080)01:36 (081)01:45~(090)03:59、(091)04:12~(100)05:46 (101)05:52~(110)07:07、(111)07:15~(120)08:35 目次へ |