おことわり
R18
このブログには、エッチなことがたくさん書いてあります。まだ18歳になっていない人が見ていい所ではありません。今からこんな所を見ていると、将来ダメ人間になってしまいます。早くほかのページへ移動してください。

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「オナこもりの小説」は、エロ小説を気ままにアップしていくブログです。たまに、AV女優や、TVで見た巨乳のことなども書いています。左サイドにある「カテゴリ」から、それっぽい項目を選んでご覧ください。



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妄想の座敷牢羞恥の風ましゅまろくらぶ



小説には、連続作品と一話完結作品があります。連続作品は、左「カテゴリ」の各作品名より一話から順番に読むことができます。また「目次」には、各作品の概要などをまとめた記事が集められています。

■連続作品
◆長編作品
「子宝混浴『湯けむ輪』~美肌効姦~」

◆中編作品
「大輪動会~友母姦戦記~」
「青き山、揺れる」 ▼「師匠のお筆」

◆オムニバス
「母を犯されて」

◆短編作品
「育てる夫」  ▼「最後の願い」  ▼「ママの枕」  ▼「ブラック&ワイフ」
「夏のおばさん」  ▼「二回り三回り年下男」  ▼「兄と妻」

■一話完結
「ふんどし締めて」
「旧居出し納め・新居出し初め」  ▼「牛方と嫁っこ」  ▼「ガンカケ」
「祭りの声にまぎれて」  ▼「シーコイコイコイ!」  ▼「サルオナ」  ▼「母の独白」
「童貞卒業式」 ▼「お昼寝おばさん」  ▼「上手くやりたい」 ▼「珍休さんと水あめ女」
「栗の花匂う人」「乳搾りの手コキ」 ▼「妻つき餅」 ▼「いたずらの入り口」
「学食のおばさん便器」 ▼「山姥今様」 ▼「おしっこ、ついてきて。」

作品一覧

ブラック&ワイフ(12)無間[終]

「じゃあ、その日はロクンと二人だけになるな」

数日前、夫が言った。彼が出張に出る日、息子はお泊り保育に行く。たまたま重なったのだ。

二人きりになれば、ヤることは決まっている。その日、朝から晩、さらには翌日の夕方まで、性悦の声が途切れることはなかった。

「オオォー……オホオォォー……ッ!」

野獣の如く吠えるメス。息子を送り出した後帰宅し恐らく一分も経っていまい、いきり立つペニスの突き立てられたのは。両者一糸まとわぬ姿となり、互いの肉を貪り合う。

あの日再開してからというもの、二人の関係は一層ただれたものとなっていた。家族の目を盗んで繰り返される交尾。その間婦人科に世話になったこともある。それでも止められない。今や積極的に仕掛けるようになった陽子は、ロクンを欲して半ば強引に彼を傍置くようにすらなった。

ある時はトイレに連れ込んだ。実のところ、前みたいに回数を減らされたり放置されたりするのが怖かった。ロクンは相変わらず精勤に講義を受けに行っている。また、交流の幅も広がっている。それら留学生活の邪魔をする気はない。しかし、体は欲するばかり。となれば、僅かの間でも独占するほかなかった。

夫や息子が居間でくつろぐ中、そっと抜け出して便所へ。ロクンも拒みはしない。まるで静志になつかれる時のように従順だ。発情妻が股を開けば、鷹揚にペニスを挿してやる。まぐわいの最中に夫が扉を叩き、

「長いトイレだなあ」

と外から声を掛ければ、妻は重ねていた唇を離し、

「ごめんなさい、ついでにお掃除してるから」

などと言い放ち、夫をそっちのけにして膣を締め、そこへ子種の入れられた体で悠々と皆の元に戻った。背徳とかなんとかいうより、とにかく時間が惜しかったのだ。

ロクンが朝から一日帰ってこない予定だと分かっているときは、夜這いならぬ朝這いを仕掛けもする。すなわち起床前の彼の部屋へ押しかけていって、朝立ちの精子を搾り取るのだ。彼はやはり拒まないし、それにやはり勃起した。その前の晩にも搾られているのに。

というのは、夕食前のほんのわずかな時間、料理中に何気ない風で抜け出した陽子が彼の部屋で尻を突き出してせがんだものだ。外には腹を空かせた家族が待っている。にもかかわらず彼女は己の欲求を優先した。下の口で肉棒を食し、オスのミルクで腹をパンパンに満たす。終わると、実に上機嫌で家事に戻るのだ。

そしてそのあくる日の朝にはもう飢えている。まるで薬物依存症かアルコール中毒者のようだ。今度は上の口から搾りとる。寝起きの肉茎にうっとりと頬ずりし、その重みを額に感じながら玉袋の皺を舐め、唇を陰唇よろしくすぼめては喉奥でザーメンを受ける。

ロクンが尿意まで催すと、なんとそれすらも甘んじて受け入れる。すなわち、飲む、そして浴びる。未経験のことだったのに、当たり前のようにできた。強き男にマーキングされて、誇らしさすら感じた。

「なんだ、おい、顔洗ったんなら拭けよ」

呆れて注意した夫や寝ぼけ眼をこする息子が見た彼女の顔は、男の小便で濡れていたものである。メスとしては誰のものとなったのか、周囲に知らしめたものだ。もはや鬼畜と言われようと外道と呼ばれようと、己の道を邁進するのみ。

夫が友人を家に呼んだ時も、料理を並べ、酒をついだら間もなく中座した。しばらくして、

「あれ、奥さんもう寝ちゃったの?」

「息子を寝かしてるんじゃないかなあ」

こんな会話が交わされた時には、すっかり子作りの真っ最中であった。忙しい彼女に代わって、仕方なしに夫が新しい酒を用意する。夫らが酒盛りの最中、妻は肉棒を喰らい、精液を飲んで酔い、彼女は彼女で"盛り"の最中なのであった。

再び顔を見せたのは、結局客人を送り出す時になってやっとだ。

「すみません、お構いもしませんで」

オーガズムする肉体でそう頭を下げた時、変形した子宮の中で白濁液が躍った。羞恥心などない。

果ては、子供らの前でも堂々と。今度は、息子が友人を招いた時だ。幼子達はロクンも交えて遊んでいた。ロクンは他の子達にも人気だ。その膝に乗ったり、背中に乗ったりする。この輪に、母・陽子も加わった。

夫の酒盛りのように、別の部屋へ抜け出すことは難しい。となれば、と……

「(分かってる。バカだって)」

陽子は心で泣いた。それはそれで本心だった。だが、実際には、スカートに隠しながらペニスを挿入していた。ちょうど椅子に座るように、皆の方を向いて。

「(これ! これ、我慢できない!)」

深々と座ると、唇を噛み締めて、早くもエクスタシーに酔う母。それへ子供達が圧し掛かってくる。すなわち、彼女も遊びに加わったと見たのだ。それは、ロクンの上へどれだけ乗れるかという遊びだった。

椅子と化したロクン。それへ串刺しで掛ける彼女の右腿、左腿へそれぞれ男の子が乗る。さらに、静志は左肩の上にまたがってきた。彼の股間が左の頬に迫る。それを見たもう一人の子も逆の肩に乗ってきた。心なしか彼らの股間も熱を帯びているようなのは、成熟した女のフェロモンに中てられた所為だろうか。膝の上も肩の上もじんわりと温かい。

もっとも、周囲の状況など彼女にはどうでもいいことだった。別にスリルを求めているわけではない。心を占めるのは、体内の芯棒のみだ。それ故、純朴なる子供達すらも、単なる重石のようにしか感じない。

「ワー!」

膝上の"重石"につかまろうとした瞬間、体勢が崩れてタワーは崩壊した。すると覚えず前のめりになって、つながったままに彼女は床に手を突く。と、今度はその四つん這いの背中へ、子供達はまたがりだした。ひどい奴は頭にまで乗る。普通なら怒り出すであろう保護者が一向に怒らないものだから、大いに調子に乗る。

一方、保護者も調子に乗りっぱなしだ。実の子を始め幼子達を背に乗せて"お馬さんごっこ"の態で下劣な姦通に勤しむ。ばれないと踏むや尻まで丸出しにして、本格的にパンパンやる。

「イィ、ヒヒイィー……!」

我慢もそこそこにいななく肌馬。ロクンの鞭は益々激しさを増す。騎手達は暴れ馬の上で大はしゃぎ。その暴れたる所以は、胎内にて猛り狂う男根と軌を一にしてのことだ。勃起の入った母がしきりに悶絶する上で、息子達は至って無邪気に愉快だった。

それは結局種付けが終了し、勢いで肌馬が突っ伏すまで続いた。雪崩を打って倒れ込む一同。その最下層で、子種汁が静かにこぼれ出た。やがて皆起き直った時、

「わっ、濡れてる!」

足を滑らせて、静志が言った。そこにあったのは、母の穴から漏れた精液だった。

鬼畜外道に成り果てた。妻としても母としても。いや、もはやそういう境涯と次元を異にする今、彼女はただ自由なのだ。彼女はただ純粋にひたむきに肉欲に従った。ロクンとの性、というよりも、もはやロクンを使って。

日がな一日ペニスを入れていても飽き足らない。ここに至りなば、ロクンの意思など介在しなかった。彼はただの肉人形。ある一定の体積を有し、抱くに足る手ごたえさえあれば事足りる存在だった。

「オ、オ、オ、オグヒヤアァー……ッ!」

なんの歯止めもなく本気でイきまくる主婦。醜い年増女のサガと自嘲することもない。肉人形は、相変わらず優秀だった。必ず肉チューブを硬化させ、また逆らうことなく鷹揚に応えてやる。

二人の立場は完全に逆転していた。ロクンは、陽子の性欲処理の為に居た。それはまるで、元来野獣だった男が知性を身に着けていったのと、知識偏重の女が野蛮化していくのと、二つの異なる世界が中和していくような格好だった。

「ガヘェ……ロ、ツゥリヤ、ダッ、ハッ……!」

全く意味を成さない音を口から発して、泡を飛ばしながら、陽子はもう在りし日の面影もない。

そこへ、電話が鳴った。当然のように、彼女らは出ない。すると、留守番電話に切り替わって、伝言が流れた。その声はお泊り保育に行っている静志だった。

「もしもし、ママ? ロッくんと仲良くしてますか――」

劣情に満ちた暗がりへ、清廉な声が通る。しかし今は、それに耳を貸す者はいない。当のママの耳にすら届かなかった。だが落胆することはない。彼の望みは叶っているのだから。

「アヴヘー……ダッ、ツァッ……グカ……!」

まるで彼に聞かせようとでもいうかのように、肉の悦びを吠えて仲の良さをアピールするママ。もし意識があったなら、こんな風に語っているだろう。

「ママ、ロッくんと仲良しよ。セーくんが大好きなロッくんのおチンチン、ママも大好き。セーくんより大好き」

だが生憎、今の彼女には言語の認識がなかった。脳内に何もない状態。トランス状態。まさに野生に帰ったのだった――。



――半年後、彼女はカデラマにあった。身一つでの渡航。離婚し、親権も放棄した。

ロクンと共に居るのか。そうでもない。強き男共なら、ここには幾らでもいるからだ。寡黙で、逞しく、大きな大きな男達。あのロクンですら霞む程の。

肩書は日本語教師ということになっているが、それも名ばかりだ。ここに来た目的は言うまでもない。今しも、路地裏で交尾に励んでいる。

「オッ、オッ、オゥウォホ……ッ!」

ひび割れた壁に手を突き、後ろから極太で突き刺される。相手は、教え子の祖父の使用人の家の隣に住んでいるチンピラが昨日喧嘩した変わり者のじじいである。住所不定で定職にも就いていない、近所の鼻つまみ者だ。陽子とは昨夜初めて会った。そして昨夜からこの状況である。

陽子は誰とでも寝た。教え子、その祖父、その使用人、その隣家のチンピラ、いずれも一度ならず男根を受け入れたオスである。

これら全て、彼女が望んだ結末だ。名誉も愛も捨て去ってまで欲しかった悦びだ。そうだ、そのはずだ。なのに、彼女はまだ真に満たされてはいない。

初めてロクンに蹂躙されて知らしめられた獣の強さ、あれこそ真実だと悟ったはずだった。だからこそここまで来た。それなのに、あの強さへの確信がどんどん遠ざかっていく気がしてならないのである。

そして、それに代わって浮き彫りになるのが、失った生活の尊かったこと。今更認めてはいけないことだった、が、この構図に彼女は次第に囚われ始めていた。

それを打ち消すように、あるいは試すようにカデラマでもロクンとプレイした。それどころか、彼の父親、祖父、兄弟、親類縁者にも犯してもらい、果ては、級友らに三日三晩輪姦されさえした。だがそこから得られる衝撃も一瞬のことで、すぐにまた虚しさがやってくる。

先が見えた気がした。かつての平穏だった日常と同様に。全く、欲望とは無間の闇である。

変わり者じじいの奇行に、近所の学生らが足を止め、路地を指さして嗤っている。彼に犬のように犯されている陽子も同様に嗤われている。あまつさえ、子宮に亀頭をめり込まされ、白目を向いてニヤけているのだからなおさらだ。

陽子は思う。次はあの学生らに輪姦されよう。今後の人生、もう後戻りの道はない。


〈おわり〉



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[2014/03/01 22:00] | 「ブラック&ワイフ」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
ブラック&ワイフ(11)解脱

二か月余りが過ぎて、ようやくロクンは戻ってきた。遂に彼は、長期休暇のほとんどを故郷で費やしたのである。すると、出立前のあの知性の萌芽はどこへやら、改めて獣のような野蛮さを醸し出していた。

「なんだかしばらく見ない内に逞しくなったなあ」

夫はロクンの雰囲気をそう評価した。しかし、中学生でもあるまいし、たかが二か月でそう急成長することもあるまい。これは、元の彼に回帰したのである。陽子はすぐさまそう分析した。

彼女は冷静だった。二か月という時間は、彼女にとってそれ程長かったのである。この間、ようやくにして元の自分を取り戻していた。ひと月前の逆上せ方が嘘のようである。

反省はまだ十分でない。そこはまだ観念的の範疇を出ない。つまりは、自分を信じ切れていない部分がある。だが、体はすっかり冷えた。だから、最初の頃のように自然に応対することは出来る。それはまるで、リセットされたような具合に。

ロクンもまた等しく距離を置いているようだった。あるいは、再び獲物を狙う段階から始めているのかもしれない。とはいえ、いずれにしろ彼が何かしようとしても、それは難しかった。

「ロッくん、ロッくん!」

はしゃぎ回る静志。ロクンが帰ってきてからずっとだ。ずっと傍にくっついて離れない。ロクンは一人になる暇がない。

「おいおい。セー君はロッくん大好きだな」

頬を緩める夫。和気あいあいとしたムード。これこそ留学生とホストファミリーの理想的な交流であった。陽子も共に笑い、食卓は和やかに過ぎた。

しかし、本当のリセットなどありはしない。陽子は再び見た。

「あっ、ママだ」

慌てて取り繕う息子。それは、二人の風呂から上がるのがあまりに遅いので脱衣所を覗いた時だ。まるであの日の再現か。眼前に屹立する男根。陽子の心臓が"ドキン"と大きく打った。

恐らくはまた叱られると思ったのであろう、何もしていなかったかのような素振りの静志だが、彼がまた戯れていたことは明らかだった。あの巨大な黒棒とだ。

母は、しかし何も言わなかった。

「風邪引いちゃうわよ」

そう言いながら、息子の体をタオルで拭いてやった。その間も、背後にゆらりと大きなペニス。

「"逞しくなったな"」

あの評価は確かだったかもしれない。久々に見ると、ただでさえ大きかったものが、よもやこれ程までと驚く位の迫力を備えていた。赤と黒のコントラストも仰々しい。息子はきっと、またこの図太い幹にぶら下がって遊んでいたのだろう。

男が女の裸を見るのと違って、女が陰茎を見たって欲情などしはしない。この前同じ状況になった時の陽子もまさにそうだった。それなのに、今は……。

タオルを握る手に力がこもる。

「(来る……!)」

敵に後ろを向けたまま、彼女は覚悟を決めた。背後からだ。間違いなくまた一撃で落とされる。キュウッと菊穴がすぼむ。肉ビラに汗をかく。

だが、彼は来なかった。黙って出ていく。

「あ……」

脱力して背中を見送る陽子。その足元から、

「待ってよぉ」

と静志が駆けて行った。陽子は微かに頬を染めた。取り戻したはずの冷静がメッキだったと、彼女は自覚せざるを得なかった。

動揺しだすと脆い。ロクンの真意を測りかねる。静志の寝室での出来事。いつかと同じように陽子とロクン、二人で静志を寝かしつけることになった折も、やはり彼女は覚悟をした。が、彼は何もしでかさなかった。肩透かしを食らった、そう感じる自分に気付く。

次第に陽子は落ち着かなくなった。寝付かれもしない。単純に考えれば、獣のロクンのこと、欲すれば奪い、要らざれば捨て置くだけだと分かるのだが、彼女にはもうそれが見えていなかった。今は終始、かの人の顔色を窺うのみである。

ある朝、彼女はスカートを履いた。ひと月以上履いていなかったものだ。それは彼女にとりたまたまのことだった。そして、早起きした静志と共にロクンの部屋へ彼を起こしに行った。それもたまたまのことだった。

「ロッくん!」

戸を開けるなり、ベッドへ向かってダッシュする静志。苦笑しながら陽子は後から付いていった。そして、にわかにハッとした。

ロクンの胸板にまたがる幼子の背後に、それと並行して立っている影がある。暑いので布団を払いのけたものか、スウェットの前が高く盛り上がっているのが一目瞭然だった。

「あ……」

目が離せない。刹那より、陽子の足は独りでに歩んだ。吸い寄せられるように進む。そこは約束の地。そこは優しく、また頼りがいのある安息の地だと、そんな確信が急速に広がっていく。全くいきなり得た確信、急転直下の悟り。もはや理屈ではなかった。

「(何をしようと、わたし……)」

理性の判断が追いつかない。そんなに性に飢えているのか、そんなつもりはないのである。そうではなくて、何かすがりつきたいような、救いを求めているような感覚だ。

ズボンをめくる。途端に弾け出るペニス。ロクンは抗わない。彼と面と向かって無邪気に遊ぶ静志。全く気付いていない。陽子はそれに悟られぬよう、彼の後ろに並行して、ロクンの下腹部に静かにまたがった。

恐ろしいという気持ちは不思議と無かった。あるいは、それを上回っているのが、もはや人倫の地平で常識を見通さず、それから解脱して救われんと欲する悟り。まるで極楽に咲く蓮の葉のように、ロクンの股間は眩かった。

陽子は思考の決断より先に動いていた。スカートに手を入れて陰裂を覆う布地を脇へめくる。肉茎を握る。そして、その位置を定め、その上へ一思いに座った!

「ンフゥッ!」

途端に口を覆い、悲鳴をかみ殺す。加減をするつもりが奥までいってしまった。ズブズブズブっと、重力に任せて一気に滑り落ちる。体もよくしたもの、完全にくわえた。直ちに脳天へ電撃が直撃。芯棒は子宮の奥壁まで。今や女体をそれのみで支える。もちろん、絶頂した。

「あっ、ママも来た!」

背後に気付いた息子がそう言って嬉しそうにのけ反るのを、母はその頭上に顎を乗せつつ、思い切り抱きすくめた。愛ゆえの抱擁でも戯れでもない。息子は知るまいが、母はそれを息子ではなく、もはや手すりか何かの物体としてしか認識していなかった。

「ンッ! ンンン……ッ!」

歯を食いしばって耐えるその表情は、一種おどろおどろしい程の凄みをたたえている。目をひん剥き、眉間に深い皺をつくり、耳まで真っ赤にした様は、丸っきり狂気に満ちていた。こんな母を、息子は知らない。見たら泣き出すかもしれなかった。

その表情の裏では、今しも天国と地獄が一遍に蘇っている。何もかも思い出したのだ。元通りに、二か月の空白などなかったかのように。

「(しまった!)」

とっさにそう思う。忘れていたわけではないが甘く見ていた。ここは極楽でもなんでもない、そんな疑いも湧いてくる。

だが一方で、解脱のいざないは強固でもあった。後悔は過程として、しておかなければならないもの。過程は女に必要な儀式である。そしてまた、"もう済んでしまったことは仕方がない"のでもある。

"手すり"にしがみついて、女は小刻みに震えた。口辺から垂れた涎が、それの柔らかな髪の毛の上に落ちる。かの小さき背に、凝り固まった乳首が刺さる。

ロクンは腰を使い始めた。たちまち起こる地盤の起伏に、静志は大声上げて喜ぶ。

「地震だ、地震だ!」

それに同調して尻肉をプルプル震わせる陽子。貪欲な海溝は、たとえ大ナマズだろうとたらふくくわえ込む。震源地は性のダイナミズム。たちの悪い地震だ、一向に止まない。

と、そこへ、

「おいなんだ。朝から賑やかだな」

子供の声を聞きつけ、夫が起きてきた。あくびをしながら部屋を覗き込む。ビクリ、と陽子の肩がいかった。この世とのつながりは、まだ絶たれていない。彼女は呼び戻されたのだ。

しかし、子はかすがい。母は紙一重で命を繋いだ。

「あっ、パパも!」

静志がたちまち忙しく手招きして、近寄った父を手繰り寄せる。

「おっとっと!」

父は全体を確認する間もなく、よろめきながら妻の肩にすがった。その手の下で、妻は今まさにアクメに達している。我が子を抱きしめながら、黒人青年との交尾でイき続けている。

夫は疑いもしない、今触れている妻の体の中に留学生のペニスが入っているなんて。彼女の体温が、オーガズムの所為で熱くなっているなんて。常識から考えて、我が子と並んで騎乗位セックスする母親なんているわけがないのだ。起き抜けにそんなバカげた空想をする程、彼は妻と違って猟奇的な人間ではなかった。

そんな父に、静志は同じく後ろにまたがるようにと指示する。

「いや、さすがのロッくんも無理だろう」

困り顔で夫は妻へ視線を向けた。すると、彼女は、

「大丈夫よ」

と、力強く答えた。不思議なもので、この期に及んで難なく受け答えができた。これを魔性と言うのだろうか。彼女はそんなことすら考えた。

「よおし、じゃあロッくん、覚悟しろよ」

夫はおどけながら、息子と妻の間に腰を下ろした。大はしゃぎの静志。彼の腋を抱えて戯れる父。それに、さっき息子にしたのと同じようにしがみつく母。家族三人仲良く乗る、バナナボートだ。

ボートはよく揺れる。三人乗せてもまだ揺れる。

「おうおう、ロッくん、やるな!」

夫はロクンを讃えた。さすがに頑丈だ。ロクンは強き男である。その強さで人妻を獲得した。妻を犯す彼を夫は楽しげに褒める。

その陽気な背中へ、陽子はすがりつく。だが真実頼っているのは、もちろん下半身の方。旧主は体の支えに利用するのみである。真実の主との交尾で、狂い倒れてしまわないようにと。

「イヤァ……!」

時折漏れる女の悲鳴。激しい揺れの故家族は疑わない。が、夫と息子の上げるそれとは意味が違う。彼らの感じている楽しみと、母と留学生が感じている愉しみが全然別種だということは、世界で二人のみが知ることである。

ボートごっこと生交尾。ロクンの強さは、いわば一つの家族全員を同時に喜ばせることに成功していた。

「ハアァ……!」

夫の背中を涎で濡らしながら、陽子は悦楽にむせんだ。二人の背中を前にしても、淫肉の収縮が止まらない。二か月のお預けを喰らった後でのいきなりの一発だ。この衝撃は大きかった。たとえそれが家族と一緒の騎乗位セックスであろうともう腰が止まらない。白く泡立つ愛液をほとばしらせ、めくれた柔肉は極太の黒棒を一心不乱に摩擦する。家族の知らぬところで二人は大盛り上がりだ。

陽子はいよいよ正体を失って、最前列の息子にまで手を伸ばして引き寄せた。彼はそれを、母親がふざけていると思って、これまた大喜びで歓迎する。

「キャハハ、ママー!」

息子、父親、母親、と三人並んで座る光景は、横から見ると何と微笑ましく幸せそうな光景だろう。その輪に遠国からの留学生も加わって、これほど理想的な交流はない。ただ母親の膣に、留学生の陰茎さえ入っていなければ。

「"ママはボートごっこしているんじゃないよ。お腹の中にロッくんのおチンチンを入れて、気持ちよくなっているんだよ"」

もしそう耳打ちされても、幼子にはまだ分かるまい。他方、夫はどうか。逆上して引き剥がすか。

だがもはや遅きに失する。これから妻の胎内への子種発射まで、もう幾何の猶予もないのだ。静志にプレゼントされる弟か妹は、お父さんではなく、ロッくんに似て、肌の黒い子になるだろう。

「おいおい、そんなにくっつくなよ」

噴き出す夫。それ位、陽子の腕の締め付けはきつかった。それと同時に、彼女は膣肉も締め付けていた。

「ウフ……ッ!」

涙を流して、彼女は吐息を漏らす。それは喜悦の涙だ。胎内に熱が広がりだす。射精が始まった。陽子は家族を抱きしめながら、膣内射精されたのである。

その後、頃合いで切り上げて夫が立ち、それを引きとめた息子もいずれ飽きて去り、最後に男女だけが残ると、女は犬のように這いつくばってもう一発、今度は思い切りの腰振りから精液を子宮へとたらふく注いで貰い、ようやく朝の家事に立った。


〈つづく〉


人妻官能小説【蕩蕩】






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[2014/02/10 22:00] | 「ブラック&ワイフ」 | トラックバック(0) | コメント(1) | page top
ブラック&ワイフ(7)沈黙

やがて、嵐はあっけなく去った。終わり方もまた唐突。しかも、ロクンの勃起は全く収まっていない。にも関わらずの終了だった。彼はそのまま自室に引き取った。

ややあって、陽子はもぞもぞと動き出した。彼女には目的があった。静志を保育園に迎えに行くことだ。ロクンもまた、ちょうど図ったようにこの時間に終わった節がある。

「うぅっ……」

惨めに呻きながら、よろよろと這って浴室に向かう。それは執念だった。満身創痍のような重たい体ながら、意地で動かした。一体どれほどの深手を負っているものか、考えるだに恐ろしい。

しかし、シャワーを浴びた彼女が知ったのは、裂傷ひとつない体だった。あれ程の巨体に苛め抜かれてさぞかし痛んだろうと思いのほか、意外にも陰唇にすら傷がなかったのである。ただ、酷使された恥穴だけが、黒い口を閉じぬままになっていた。そこから溢れ出た白濁液が、湯に混じって排水口に流れる。

「んくっ……」

下唇を噛んでうずきに耐える陽子。開け放った女性器とそこから漏れる子種汁。それに伴ってジンジンと体内から響くうずきは、後遺症のように彼女の肉体と精神を苛んだ。

「ガッ……アッ……!」

時折力なくよろめくと、尖りきった乳首がはずみで壁にぶち当たり、陽子は啼いた。白い粘液がドロリと股の間からこぼれ落ちる。まだ入っていた。それは最後まで硬いままだった彼のペニスと同様に、際限を知らないようだった。

しかし、無論一滴も残しておくわけにいかず、そのためには穴の中からかき出すような作業が必要となる。が、それがどうしても彼女にはできなかった。いまだそこをよく確認するのが怖かったし、それにそこに触れることで、またぞろあの妙な感覚が過敏に蘇りはしまいかと危惧したのである。彼女の精神は、今なお奥まで開きっぱなしの穴ぼこ同様、いまだ冷めることのない女体の昂りに揺れていたのだ。

「ンンウゥ……」

微かに力んで、性器から精液を吐きだそうとする。あるいは恐る恐るシャワーを陰部に当てたりもする。だが、やはりいつまでもあからさまにはできないでいた。結局陽子は、拭い去れない不安を残したままで、浴室を後にせざるを得なかった。

しかし、どんなに不安を抱えていようとも、日常は待ったなしで帰ってくる。何より、執念で自らそこに戻ろうと求めた限りは、なおさらであった。

「ロッくん、ロッくん!」

帰宅した息子は、早速ロクンに飛びついた。ロクンは相変わらずの無愛想。しかし、その応対は以前となんら変わりがなかった。母の貞操を奪っておいて、その息子と応対するのになんの感慨も持たないようだ。無論、静志もなんの違和感もなく母のレイプ魔にじゃれついている。

陽子は黙って、それを見ていた。やがて夫も帰ってきた。彼女はそれにも黙って応じた。いつも通りの反応。彼女もまた、ロクンと同様に平常運転を演じたのだ。夫には打ち明けない。確固たる決意があったわけではないが、言えないというよりは、言わないという選択肢を確かに選んでいた。

そして、その夜の誘いも当然に断った。これも平常の態度の一環として処理された。

ただ、自分自身は偽りきれるものでもない。ロクンが平然としている以上、この家でまともでないのは陽子一人である。彼女は眠れなかった。気を抜くと、あの黒い像がフラッシュバックする。そして体の芯がうずいて熱くなる。これを恐怖と呼ぶべきなのか、彼女には分からない。その心中は著しく混乱しており、懊悩は飽和状態にあった。

考えることはたくさんある。が、方針を絞りきれない。明日からどうすればいいかとか、そういう建設的な方向へ向かう前に思考力が散漫となる。ただ一点はっきりと自覚できていたのは、股間に感じる気持ち悪さである。目下の結論として、彼女はこれに従うほかなかった。

陽子はそっと寝室を抜け出すと、その足で再び浴室へと向かった。まとまらない頭で、とりあえずこの懸念だけは今日中に払拭してしまおうとの判断に至った。

冷たい浴室でうずくまり、じっと股間を見る。その時ようやくにしてちゃんと見ることができた。穴は、やはり開いていた。緩んで、閉じない。彼女は知るまいが、その貫通は子宮まで続いているのである。ロクンの形にくり貫かれて。

陽子は思い切って、そこにシャワーを当てた。

「ううぅ……」

踏ん張る足が痙攣し、たとえようもない切なさが心臓を押し上げる。夜中に独り、股間を洗う女。その背中を、彼女は俯瞰の目で意識した。

涙はない。感情すらない。むしろ持ちたくない。あらゆる評価を回避して、事実をただ淡々と並べ過去に追いやるだけ。今はそれだけで足りた。先のことなどどうでもよかった。

この彼女の無気力な結論は、時を待たずして状況に相応しいものとなる。そもそもが考えることなど無意味なのだとばかりに。

今度はフラッシュバックではない。ロクンが現れた。


〈つづく〉


リアル官能小説






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[2013/12/08 22:00] | 「ブラック&ワイフ」 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top
湯けむ輪(125) 10:22 完結

子宝混浴
『湯けむ
~美肌効


こだからこんよく
ゆけむりん
びはだこうかん






――午前十時二十二分


一行は駅に着いた。中年男組とは帰る方向が違うので、ここでお別れだ。

「ほなこれで。奥さんおおきに」

男達は帰り際、皆々倫子に一言かけていった。それは自然なようであり、不自然でもあった。倫子ら一行に挨拶をする中、特に倫子にだけ別個に声を掛けていくのである。

「なんだ、お前いつの間に知り合いになったんだ?」

朴念仁の板橋も、ようやく倫子と彼らの間柄に着目しだす。そんな彼に向かい男達は破廉恥にも、

「いやあ、奥さんにはお世話になりまして」

「気持ちのええ奥さんですわ」

「ほんまほんま、気持ちよかった」

などと調子づいて畳み掛けた。極め付きには、

「またヤりまひょな、倫子はん」

と、名指しの誘惑まで飛び出す始末。

「やる?」

娘は首をかしげた。とはいえ何かを察知したのではなく、酒を飲むことだと後にも知った程度である。とことんまでコケにされるお人よしの父と娘。母を散々輪姦した犯人達を笑顔で送り出す。他の者もそうだ。

「随分仲良くなったんですねえ」

亀山の妻は、倫子の社交性に目を丸くした。こうして特殊な"仲の良さ"をアピールすることとなった倫子である。アピールはそれだけに留まらなかった。

中年男達が先に去った後、倫子達の方はまだ電車まで時間があるということで駅前を散策することになったのだが、その折である。

町の個人商店に入って買い物をしていると、

「奥さんにはこれおまけ」

と言って、店主が土産物をサービスしてくれた。ひょいと見れば、羽根沢だ。昨日最後に合流した酔っ払い三人組の一人である。実をいうと、倫子には彼の顔に見覚えがなかった。相手が誰かも分からずに子作りしていたのである。

「え? お母さん、なんで?」

一緒に買い物をしていた娘が、母への優遇ぶりを見て驚いていた。

また、喫茶店へ行けば、

「これ、よかったらどうぞ」

と言いながらケーキを出してくれた主人が、彼こそ森岳であった。やはり酔っ払いの一人である。

「きれいな奥様方にはサービス」

などと軽口っぽく言った彼だが、その目が明らかに自分を見ていることを倫子は知っていた。こうしていく先々で、いわゆる"昔の男"と鉢合わせしていく彼女なのであった。

そんなこんなの冷や冷や続きですっかり疲労困憊の倫子は、喫茶店を出る頃にはもうフラフラであった。だから、まだ発車までかなり間があると聞かされても停車中の電車にいち早く乗り、重たい体をどっかとシートに預けた。

しかし、まだ彼女が油断するには早かったのである。この町から早く出たいという思い、そして電車まで来れば後はひとりでに家まで帰してくれるという思いが彼女をそうさせたのだが、彼女の昨日の経験人数を思えば、これからまだ昔の男に出会うことだってあっても不思議はないわけで。

初め、例によって彼女はそれが誰だか分からなかった。ただの駅員だと思っていた。が、彼が股間のジッパーを下げて窓越しに近づいてきた時、ようやくにして気づいたのである。それは、沼尻であった。

倫子は荷物を手繰り寄せて席を立ち、慌てて車内の後方に向かう。だが、扉まで行くことは出来なかった。なんと前方にさっきの羽根沢が立ちふさがったからである。仕方なく踵を返す。しかし、そちらからは既に沼尻が迫っていた。

あっという間に虜となる倫子。すると、揉み合う時間も束の間、当たり前のようにまた集団レイプが始まった。

「ンッンッ!」

唇を強引に奪われて、声も立てられない倫子。折角の口紅も剥げてしまう。そうする間に、羽根沢のペニスが一瞬で膣内に入ってきた。

「欲しかったんだろ、こいつが。入れる前からビショビショじゃないか」

彼の剛直は今朝にしてなお健在であった。唸りを上げて、濡れそぼった穴を突く。

「ノーパン・ノーブラでうろちょろしてさあ。この変態女」

片や沼尻は言いながら、ブラウスをまくり上げて乳房をこぼれさせる。倫子は慌てて胸を隠そうとするが、その隙に彼は肛門へと肉茎を侵入させた。こちらも当然と言わんばかりにすんなり入る。

「ンハアァッン!」

誰もいない電車内に、性悦の声が響く。そして、肉の音と匂いが広がっていく。挟み撃ちで責め上げる二本のペニス。長時間大量の本数に馴染まされてきた体にとり、その姿勢はむしろ定位置だ。前後の穴を塞いでもらって、初めて完全体となるのが女体だ。

絶頂はすぐに来た。浅いものから、細かいもの、連続した波となり、やがて深いもの、大きいものと襲いくる。飽きるほど犯しぬかれ、疲労しかないはずなのに、しつけられた肉体はすぐに反応する。これこそ、想像を絶する大輪姦の作用である。

「オッ、オッ、オオォ……ン!」

今はむしろ素直な声が漏れた。ずっと合体し続けてきた穴は、ここしばらくまとまった空白時間を与えられたことである種の飢餓症状を覚え、性交に対する抵抗感を減退させていた。つまり男が体内に刺さっている状態がもはや普通なのである。彼女の肉体は輪姦専用に生まれ変わっていた。

(違う……ああ、違う……)

虚ろな目の中に、沢山のペニスが映る。周囲から自分目がけて迫ってくる。実在の二本以上の本数を彼女は見ている。

(ダメよ、ダメだったら……)

倫子は中空を泳いだ。その手は迫りくる敵を退けるためか。否や、それらを捕捉しようという風だ。男二人ごとき相手にしても、輪姦専用女は満足しない。自然と大量レイプを予定している。

「そら、お土産だ」

羽根沢が言って、膣奥に白濁汁をプレゼントした。続いて沼尻も腸内に出す。二人はその後何か言って去って行ったが、倫子の耳には届かなかった。

(こんなに勃起して……ああ、また……)

気だるそうに服装の乱れを直しはするが、彼女を取り囲む残像は消えない。ほとんど隙間もない位に迫ってくる。

(待って……許して……もう……)

続々と自分を目当てに発情するペニス達。それらの相手をこれからも引き受けなければならないという、それはもはや義務感が彼女の心を苛んだ。

「ああっ! お母さん、いたいた!」

パラパラと仲間達が合流してくる。倫子はその時既にぐったりと眠り込んでいた。

「もう寝てる。すっかりお疲れさんね」

返事もしない彼女を見て、一同は呆れて笑った。

そんな彼らの前で、倫子は間断のないオーガズムを密かに引きずっていた。今なお体中に勃起ペニスが接している。体中にペニスの感触がある。

膣も肛門もペニス型に開きっぱなしなのは、くり貫かれたからではなく、現に今も入っているからだ。口を開けているのも呼吸のためではなく、ペニスをしゃぶっているからだ。

乳房はペニスを挟んでいるし、これからもそのために存在していく。揉まれ吸われて、豊満な上にもどんどん肥大化していくだろう。乳首は歯で引っ張られて伸び、乳輪には陰茎の黒さが染みつくかもしれない。

手すらも生活のためでなく、かの太さを抱擁するためにある。硬さはもちろん、握りの強さ加減も覚え込んだ。

彼女の肌からは精液の臭いの絶えることがないし、全身のキスマークは増え続けていく。誰とでも寝る。誰の子でも妊娠する。

人生の第一義は男に従うことで、頼まれるまでもなくいつでも射精せてやる。何十人何百人、何千人何万人でも構わない。一生休む間もなくペニスを入れさせ続けよう。体中セックスに使わせてやろう。

(おお……おチンポが……わたしに……わたしの!)

この身を輪姦に捧げ、輪姦の為に生きる。倫子は絶望と安らぎの中で、深い眠りに落ちた。


<おわり>




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[2013/08/12 10:22] | 「湯けむ輪」 | トラックバック(0) | コメント(3) | page top
湯けむ輪(123) 09:27

子宝混浴
『湯けむ
~美肌効


こだからこんよく
ゆけむりん
びはだこうかん






――午前九時二十七分


「あら、倫子さん、今までどこに――」

部屋に入ると連れの女達が口々に問いかけてきた。彼女らは、倫子に手提げの紙袋を示されて、

「あっ、お土産買ってたんだ? ヘー、いっぱい入ってる」

「これどこで? 下にあった?」

「え、なかったんじゃない? 外まで行ってたの?」

などとさらに質問攻めだ。倫子はそれらに曖昧に応えながら、ひとまず化粧と着替えをするためにバッグを持って洗面所に逃げ込んだ。

「忙しい人ねえ」

残された者の中には少し機嫌を損ねる者もいた。倫子はその声に焦りを覚えたが、致し方のないことである。彼女は室内で浴衣をはだけると、大急ぎで体を濡れタオルで拭った。本当は隅々まで洗いたいところだが、さすがにここでそこまではできなかった。

それに続いては化粧である。久しぶりに女としてのたしなみである。今まで長時間嫌というほどメスでいさせられてはきたが、人間の女性としての活動は実に久しぶりの感覚だった。いまだその矜持は保っていた彼女である。

ヘアメイクもなんとかしたかったが、それは難しかった。精液のこびりつきは中々取れそうもない。とりあえずドライヤーを掛けはしたが、誤魔化すのがやっとだった。

髪だけではない。体中にまとわりついている男の臭いを、これからどうして消していけばいいだろうか。どうあがいても消せないような気がした。

ふと鏡の中の自分に見入る。怖いもの見たさの感覚だった。本当は目を逸らしたかった。見ていると、体中にキスマークがある。乳輪の形も変形しているようだ。変形といえば股間の方はまともに見るのも怖かった。変わり果てた肉体。セックス専用に作り替えられた体である。

たちまち、脳裏に昨日からの出来事がフラッシュバックする。続々と群がりくる男達。彼らに体中凌辱される自分。次々と場所を変え、何時間も休みなく。家族を裏切るとか、もうそういうレベルではない。娘を想えば心が痛むが、そんな中でも肉欲の頂点を限りなく味わってきた。

それが目の前にいる自分、板橋倫子という女だ。彼女は強くかぶりを振った。しかし、記憶は確実に残っていた。記憶だけではない。倫子は腹を押さえた。きっとその中にも残されているだろう。それはどの父親の子でもない。輪姦の子だ。片や確かに言えるのは、一晩で大人数の父親と子作りをした、ふしだらな母親の子供であるということ。

「ハアー……」

倫子は深いため息をついた。ここにこうして生きていること自体が信じられないような実感の無さだった。今の彼女を動かしているのは、ただひたすら気力のみであった。

彼女はいつもよりかなり多めの香水をつけ、その上ありったけの笑顔を作って表に出て行った。

他の者は皆ほぼ支度を終わっていた。後はチェックアウトするだけである。帰りは来た時と同じく、バスに乗って最寄りの駅まで行く。バスは玄関前に止まっており、客達は続々とそれに乗っていった。

ところが、これにまた乗り遅れる者があった。肝心の運転手と、

「お母さんったら、また――」

またしても倫子である。娘が唇を尖らせる。

「しょうがないなあ、あいつは」

夫は苦笑して周囲に気を使った。その時彼女が何をしていたのかというと、もちろん……

「イッ、ヤッア、ア、アァ……」

セックスの最中であった。リネン室に押し込まれた彼女は、藪塚によって折角着けた下着を上下ともはぎ取られ、バックから勃起棒をねじ込まれていた。わずかほんの一瞬の隙を突いたレイプだった。もし昨日からのことがなければ、ここまであっさりとはやられなかったかもしれないが。

「キャッ!」

背後で若い女の悲鳴が聞こえ、バタンと戸が閉まった。外で会話が聞こえる。

「えっ! うそ、マジで?」

新しい客らしかった。藪塚は、しかし構わずに抜き差しを続ける。そこへ、彼の上司がやってきた。

「おいおい、またこんな所で! もうお客さん乗っているぞ」

そう叱責されても藪塚はやめない。

「もうちょっと、もうちょっとですから」

その上、首を曲げながら言った。

「袋田さんもヤッたらどうですか。もう最後ですよ」

袋田は黙り込んで顔をしかめた。ついさっき己が大人げないことをした手前があった。彼は仕方なしに、眼前の強姦の済むのを待った。もう散々見慣れた光景だ。本当によく犯され慣れた女だとは、彼ならずとも思うところだった。

豊満な乳房と尻をブルブル揺らして、倫子はこの期に及んでもセックスから逃れられなかった。口では拒んでも抗いきれない。当たり前のようにペニスの言いなりだ。

「かわいいよ、倫子。化粧した顔もやっぱりいいね」

藪塚は、客、しかも目上の婦人に接する態度をすっかり忘れていた。口紅の引かれた唇を思い切り吸う。さらには、役目を終えた陰茎を取りだし、折角きれいにメイクした顔にべったりとなすり付けた。

「もういいだろ、行くぞ」

袋田は言い、先に立って戸を開ける。その横を倫子、藪塚が出て行った。彼女の下着は、上下とも藪塚のズボンのポケットに収められた。ブラウスの中で、勃起した乳首が擦れる。腿の付け根は、奥から湧き出した汁で濡れた。

玄関を出ると、見送りの従業員が数人立っていた。その中には、袋田や、あの売店の女店員もいた。倫子は彼らに見送られながら、今の今まで自分を犯していた男と共にバスに向かった。バスの窓には見知った顔が呆れたような笑顔を並べていたが、生憎そちらを正視することはできない彼女であった。


<つづく>




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[2013/07/15 09:27] | 「湯けむ輪」 | トラックバック(0) | コメント(1) | page top
湯けむ輪(121) 09:01

子宝混浴
『湯けむ
~美肌効


こだからこんよく
ゆけむりん
びはだこうかん






――午前九時一分


時刻は刻一刻と迫る。午前の練習は九時半からだという。幾人かは既に移動を始めた。

「これ、どうしようか」

己の仕事を終えた後で、倫子を指さし"これ"呼ばわりで事後処置を議題に上げる玉造。今度という今度は引き継げる相手がなかった。

「鍵かけとけば大丈夫だろ」

川棚が軽く言ってのける。

「大丈夫か」

東郷が疑問を口にした。川棚は答える。

「大丈夫だろ。逃げないって。軽く縛っときゃいいじゃん」

それに対し、玉造が東郷の不安を代弁した。

「いや、それ以前にさ、死んだりしたらヤバいじゃん」

その不安は、今しがた行為を終えた関や大牧の表情にも表れていた。実際倫子は、最後の一人になった別所からサンドバックのようにアナルファックを叩きつけられながら、声も上げることなく伸びていた。

「じゃあ、またオッサンら探して預けるか?」

川棚が神妙な顔で尋ね返す。東郷はそれに応えず、

「大体この人、どっから来たんだ?」

と今更ながらの問いを発した。事の発端については聞いていたが、具体的に彼女の出自を問うたことはなかった。これに答えうる可能性があるのはこの場で最古参の別所である、と、一同は彼に視線を向ける。ちょうどその時、ようやく別所が合体を解いた。

「いや、オレもはっきりとは知らないんですけど……」

愛想笑いをしながら頭をかく別所。

「あのオッサン達なら知ってるかもしれませんね」

結局のところ、例の中年親爺達に"返却"するしかないという話になった。

「あ、そうだ。旅館のオッサンに報告しなきゃいけないんだっけ」

ふと思い出して玉造が言った。

「ああ、じゃあ、あのオッサン呼んで来た方が早いかもしれないな」

川棚も思い出して言う。練習場所へ向かう前に、にわかに用事が増えた。それら用事はOB三人が担うことになって、後輩部員らは皆部屋から去っていく。

「じゃあ呼んでくるわ」

仲間に声を掛け、玉造も出ていく。倫子を連れていくより、袋田をこちらに呼んでこようという段取りであった。

だがしかし、彼が部屋を出てすぐに計画は狂った。

「なんだ?」

外から聞こえだした話し声に、東郷は川棚の方を見る。川棚もそれを見返し、そして即座に答えた。

「宮浜じゃね?」

顔を見合わせた二人はとっさに立ち上がる。互いに"ヤベエ、ヤベエ"と言いながら、とりあえず身支度をする。倫子のことは、結局浴衣の帯で両手両足を縛ることしかできなかった。そうして打ち合わせたことには、途中で何とか袋田にコンタクトを取って"回収"に来てもらおうというのであった。

「おう、お前らまだいたのか」

二人が部屋を出ると、もう扉までほんの二メートル程の距離に宮浜が立っていた。その後ろからは奥津も来ている。

「すんません、今行くところです」

川棚がヘラヘラ笑いながら鍵を閉める。そうして、こちらを振り返っている玉造に、顧問らに知れぬように目配せを送った。

三人はぞろぞろと連なってエレベーターの方へ向かう。他方、宮浜と奥津はそれに付いていかなかった。

「あれ、先生達は乗らないんですか」

東郷が尋ねる。ほかの二人は"余計なことを訊くな"という視線を彼に送った。

「うん、ちょっと部屋戻って、後から行く」

奥津が答える。これは東郷らにとって好都合だった。袋田に接触するためには、別々の方がいいと。だが、果たして本当にそうだろうか。

エレベーターを見送ると、二人はOBらの部屋の前で止まった。確信があったわけではない、が、ここでもやはりまた妙な勘繰りを起こしたものである。宮浜は何気ない様子で、さっき川棚が閉めた鍵を開けた。

「あっ!」

途端に短く叫ぶ。一方で、"やっぱりな"という風な表情も見せた。それは、後から覗いた奥津も同様である。二人の視線の先には言わずもがな、布団の上に転がる骸のような女体があった。

「あいつらまた……」

奥津が口の中でつぶやく。二人は部屋の中に入っていった。彼らの足元を、女は芋虫のようにゆっくりゆっくりと這っていく。その途上で一瞬乱れ髪の間から見上げられた目に、男達はぞっとするような感覚に襲われた。二人は思わず顔を見合わせた。視線を逸らすためでもあった。女の意思の強固さに、ある種の凄みが見て取れたのである。

だが、前を行き過ぎる肉体のふしだらさ加減はどうあっても隠しおおせようがない。後ろ手に縛られた両手の下にこんもり盛り上がる尻肉。その下にパックリと開いた大きな黒い穴と穴。教え子達が今まで何をしていたのかを示して余りある証拠である。

眼下にそれを見ていた男達。彼らはほぼ同時に行動に出ていた。奥津が彼女の背後から迫る。彼女を助け起こす為か。否、それよりもむしろ尻穴を塞ぐ為に。宮浜は彼女の肩を抱く。奥津の行為を遮るためか。否、前の穴を犯す為だ。両者は無言の連携で女体を挟み撃ちした。

そうなると、あれほどきつい目で訴えていた女なのにたちまちしおらしくなって、されるがままに体を預けてしまう。こうなってはもう仕方がない、とりあえずやり過ごそう、とでもいう風に。犯され癖、あるいは被輪姦耐性のようなものが彼女には備わっていた。

男達は無言で犯し続ける。欲望に開き直ったハイエナどもには、もはや言葉なぞ必要なかった。あるのは行為のみ。そこに真意もない。それがいけないことだという認識すらもうなかった。何もない彼らは、ただそこに穴があるから犯した。

穴はさすがにもう緩い。緩みきって開ききってガバガバである。肛門ですらそうだ。何しろ二本のペニスが入るほどなのだから。それでもズボズボやるのは、そこに一種の使命感があるからである。

そこへ袋田が到着した。宮浜と奥津はそちらを見ながら、

「あ、ああ、アハハハ……」

と、訳の分からない笑いを浮かべて男の使命を終えた。


<つづく>




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湯けむ輪(116) 07:48

子宝混浴
『湯けむ
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こだからこんよく
ゆけむりん
びはだこうかん






――午前七時四十八分


女性は我が目を疑った。平穏な日常、平凡な田舎町の朝に、予想だにしない光景だったからだ。だが見紛うこともない、それが何をする姿か彼女は一瞬で理解していた。

とっさに目を逸らす。が、すぐにまたもう一度見る。そしてまた逸らす。これを三遍程繰り返した。その間、件の物体は緩々と通過していく。一向急ぐ気配がない。

「あ、どうも……」

見られていることに気付いて、玉造が作り笑いで挨拶する。女性はそれからも目を逸らした。

「ほら、見つかったじゃねえかよ」

玉造は仲間を叱りつける。そうして付け加えた。

「奥津と宮浜もすぐ来んだろうが。先に部屋まで行こうぜ」

同じく朝練を終えた監督と顧問の到来を懸念する彼である。この指導者二人組も既に同じ穴のムジナだとは、やはりまだ知らない彼らであった。

この彼の言葉はようやくにして功を奏した。東郷が接続を解除したのである。ところが、一方の川棚はまだやめなかった。それどころか、繋がったままで店の方に歩き出したのである。

「買いもんしてから行くわ」

そう言い放つ彼に、

「おい、お前マジか」

と東郷は戸惑いを隠せない。玉造も今や怒りを露わにしようとしていた。するとその機先を制して、川棚が独自の策を披露し始めた。

彼はまず、朝食会場の席次はランダムだが、ある程度の人数が集まっていなければ顧問らが怪しむこと、よってそこから同時に抜け出せるのは一度に数人程度であると指摘した上で、折角倫子を自分達の部屋に持ち帰っても、一部の人間だけでは長々と輪姦が楽しめないと語った。

「だから、俺が先に済ませて後の奴に伝えるわ」

つまり、玉造と東郷が上の部屋で愉しんでいる間に、後輩の何人かに次に上へ行くように指示する。そして彼らが上がると、それと入れ替わりで玉造と東郷が食堂に現れる。以後、別の後輩が順次少しずつ抜けていく。それでどうかというのだった。

「そんなに上手くいくかぁ?」

東郷は半信半疑だったが、その実乗り気だった。というより、もうそれしか採る策がないように思われていた。そうでもしないと自分達だけが居ないことを疑われてしまうと。

「まあ、それで行くか」

怒りの矛先を収め、玉造もひとまず納得する。突如流暢にまくし立てだした川棚の勢いに、いささか呑まれた感もあった。

「で、とりあえずお前ここでヤるんだろ。じゃあさっさと終わらせろよ」

半ば投げやりな調子で言う彼に、言われるまでもないと川棚、売店の中に突進した。店員、オロオロとして困惑至極である。傍若無人な若者どもが、開店前の店内でセックスを始めたのだ。こんな時の対応方法なんて今まで考えたこともない。

川棚は無人の境を行くが如く、店の奥に紛れていく。店員女性は、商品棚に目を落としたまま中腰でしばし固まっていた。恐怖を覚えて当然である。ほかにも男が二人控えているのだ。うち一人は、

「すいませんねえ」

などと声を掛けてくるが、その度に、ビクリと肩を震わせて、彼女は一層縮こまった。警察に通報すべきと思いついたが、生憎電話はカウンターの奥にある。そして、盛り中のカップルはちょうどその傍のショーケースの前に陣取っていた。彼女は逡巡し、結局動けないでいる。その様は、傍で見ている玉造らからも手に取るように分かった。

そうして彼女が震えていると、逆に奥の川棚の方から声が掛かった。

「すいません!」

商品を台に置いて店員を呼んでいる。女性は仕方なく、冷や汗をかきながらそちらに向かった。すると、相変わらず後背位で結合したままの二人が、縦列で会計を待っていた。前にいる女がカウンターに手を突き、その後ろから男が彼女を犯している。

女性店員は目のやり場に困りながらも商品を手に取った。栄養ドリンクが三本だった。本当はまだ開店前だったが、彼女はレジを叩いた。

男は財布から金を出す。が、それを店員に渡さずに、なんと接合中の女に渡した。わざわざ彼女の手から支払いをさせる魂胆なのである。その時店員は思わず目前の全裸女を見た。

「ン……ッ、ンハァ……ンッ!」

女は虚ろな目にうっすら涙を浮かべながら情けなさそうに息を吐いている。それを後ろの男が意地悪く腰でつついた。手元が狂って小銭がこぼれ落ちそうになる。店員は慌てて彼女の手を握った。その瞬間、

「ああっ、ヤベえ」

と男が叫び、一層の激しさで腰を乱打しだす。店員は握った手を離せずに、他人の姦淫の振動をその手から受け続けた。

「ア、ハ……アアアァァ……!」

犯される女とその手を握る店員、二人の女性がしばし視線を合わせる。互いの目の奥には、同性でありながらまるで共感できない、さながら異次元のような隔たりが見られた。

「すいません、俺イッちゃって。中出し。ヘヘッ」

あっけらかんと川棚は言って笑いかける。店員は何も言えない。その間、倫子は彼に促されて、

「すみません……」

そう謝罪しながら、金を支払った。体を支えきれず、台の上に豊かな乳房を乗せる。それに当たって、ドリンクのビンが二本転んだ。店員はとっさにそれを立て直す。

そこへ残りの二人が合流し、川棚に勧められてそのドリンクを飲んだ。彼らもいつしか川棚のやり方を面白がっていた。そこで自らも調子に乗って、

「ヤベえ、これ飲んだらまたギンギンになるわ」

などと口々に言いながら、店の中で次々に勃起を露出しだしたものだ。さらに川棚は、

「ちょっとティッシュ貰えます?」

と言って、店員にそれを出させ、その目の前で抜き身を拭い、それをまた店員に返す無法ぶりまでみせた。

じっとり濡れたそれを持って、彼女は改めて恐怖に凍りついた、次は自分の番ではないかと。だが、幸か不幸かそういう日は永遠に来ないのである。彼女はあらゆる点で倫子と真逆の印象を成していた。

「俺はアナルでヤりながら行きますわ」

そう言わなくてもいいことを言いながら、東郷が肉茎を肛門に挿して倫子を抱き上げると、一行は嵐のように店から去って行った。


<つづく>




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湯けむ輪(114) 07:32

子宝混浴
『湯けむ
~美肌効


こだからこんよく
ゆけむりん
びはだこうかん






――午前七時三十二分


やがて、劇的な瞬間は刹那にして起き、そして去った。ひんやりとした空気が昂った一同の精神を押し包んでいく。

「ヒャー、危機一髪やな」

廊下の向こうを覗きながら、牛滝が汗を拭った。ガヤガヤとしたざわめきが遠くに去っていく。すんでのところで現場を移動した彼らだった。今は浴場入り口前の廊下から進んで、角を左折した所にいる。まるでこの日の為に用意されたかのような、小さなデッドスペースである。

倫子は辛うじて命拾いした。といって、本当の意味で助かったと言える程ではない。

「さあ、続き続き」

湊山は一旦解いていた合体を再び始める、息も絶え絶えにへたり込んでいる倫子を強引に助け起こし、壁に押し付け、後ろから。この境遇からはまだ抜け出せない。

だが、一応ことが露見せずに済んだのは、気まぐれかもしれないが湊山の配慮によるものだった。暖簾の外にいても、中の様子は手に取るように分かった。何しろ会話は筒抜けであったのだ。だから、機微を見て逃げ出すことも訳はなかった。後は、男らの心持ち次第であったわけだ。

といって、彼らに感謝する倫子であるはずもない。それに彼女は疲れ過ぎていた。極度の緊張状態からの突発的なダッシュ、そしてとりあえずの無事。しかしまだ不安定な状況は続くわけで、心も体も休まる暇がない。

片や、"まるで若い頃に戻ったようだ"と、宇川は呑気に自虐的に笑った。今の一連の行動が、丸っきり悪ガキのそれだと評したのである。そう話す彼の表情には、いささか安堵の色が浮かんでいた。所詮はただ一人慰み者の女と立場が違い、心配の度が比較にならない。彼の突起はまた膨らんでいた。

それを見て、

「またムラムラしてきたなあ」

と、牛滝が笑う。彼のものも同じく膨張していた。本当に温泉の力によるものなのか、少なくとも彼らの絶倫ぶりはその根拠を強めることにはなりそうだった。

願い通り種付けを終えた湊山と入れ替わりで、宇川と牛滝が前後に同時に挿す。が、これは長く続かなかった。いかに絶倫の二人でも、体力がついていかなかったのだ。倫子の体を持ち上げて三位一体の結合を試みた両名だったが、互いに腕の筋持久力がもたなかった。

「ハハハア、あかんわ、年やなあ」

そう言って、牛滝は離脱した。そこで、残された宇川一人、壁に手をつかせた倫子に後ろから突き刺していく。

と、そこへ袋田がやって来た。角から見切れていた藪塚を目ざとく見つけたものである。

「こんな所にいたのか」

上司らしくそう咎めながら近づいてきた彼は、そこに客人らもいることに気付いてすぐに態度を改めた。

「あっ、まだ……」

「へへ、まだヤッてまんねん」

袋田が遠慮した言葉を、牛滝が受け継ぐ。袋田は頭をかきながら、

「もう朝食の用意ができてますよ」

と下卑た笑いを浮かべた。

「あ、もう朝飯か。えらい早いなあ」

牛滝が言うと、袋田が朝食会場の広間を案内する。それを聞きながら、宇川が腰を進める。

「ちょっと待ってや、用足してから行くから」

便所でも済ませるような調子で彼は言い、膨張した肉塊を摩擦した。女は黙って犯されるのみ。壁に手をつき、ただ男が終わるのを待つ。

袋田も素直に待った。男三人、宇川の用足しを見守る。やがて、彼は恍惚と目を細めながら、溜まっていたものを排出した。

「ふぅ、この瞬間がやっぱり一番気持ちええな」

がっちり引き寄せた尻の脂肪が波打っている。深々と刺さっているのが傍目にも分かる。それは同時に、当事者の満足度をも感じさせた。しかし、彼は次の瞬間、

「ほな、行こか」

と、あっさりと次の行動に移った、用済みの女はいらぬという風に。ただこれは、牛滝の目を意識しての半分冗談だった。

「ちょ、ちょっと待ってえな。わしもするで」

その趣旨に乗っかって、牛滝が焦り気味に声を上げる。そして、女の尻を抱え上げる。倫子は宇川に手放されるや否や、壁伝いにズルズルと落下していたのだ。もはや体を支えることさえできないでいる。極度の緊張と落胆を味わった彼女は、希望と自信をすっかり喪失し、いつしかのようにまた無気力に陥っていた。

そんな彼女に、牛滝はアヌスで接続する。ふしだらに開いた肛門は、硬直した海綿体をズルリと丸呑みした。

こうして開始された二人の尻交尾だったが、今度は前二者のように周りが見守ってはくれなかった。

「なんや、見ててほしいんかいな」

そう宇川に揶揄されると、

「いや、別に見られたないけどやな」

と牛滝。結局傍観者達は、先に食事に向かうことになった。

「ええ大丈夫です。後は上手くやりますから」

倫子の処置に一応の心配をする宇川へ、袋田は力強く答えた。やるだけのことをやっておいて後片付けは人任せ。それでも任せるだけ任せたのは、後味の悪さを払拭するためだ。自らの所為で骸と化したこの女だが、ゴミのように放置するには忍びない。偽善にも及ばない自己満足である。男らしい優柔不断を発揮した宇川である。

さて、二人の連れが去り、さらに藪塚も袋田の指示で仕事に戻ってしまうと、牛滝はやや手持無沙汰を感じた。

「あんたもヤらへんか」

袋田に問うてみるが、

「いやあ、わたしは仕事中ですから」

と断られた。仕方なしに黙々と腰をふってみるが、しばらくすると、それもやめてしまった。そうして思いついたように、

「そや、ちょっと場所変えてみよか」

そう言うが早いか、女を連れて廊下を歩きだす。袋田は慌てて傍へ付いていった。


<つづく>




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[2013/05/26 07:32] | 「湯けむ輪」 | トラックバック(0) | コメント(1) | page top
湯けむ輪(113) 07:26

子宝混浴
『湯けむ
~美肌効


こだからこんよく
ゆけむりん
びはだこうかん






――午前七時二十六分


しかし次の瞬間には、一転して大爆笑が巻き起こっていた。

「倫子さんが? 倫子さんが?」

「カップル? 旦那さんと?」

二人は倫子をダシにして笑いあった。それはちょっと小馬鹿にしているようでもあったが、同時に揺るぎない信頼を表すものとも取れた。

「でもさ――」

新木の妻が話題を広げる。

「昨日は倫子さん、結構羽伸ばしたらしいよ」

妙な方向に話が進むものだ。倫子は気が気でない。肉棒はいよいよいきり立ち、体の芯をえぐる。こちらにも気が気でない。彼女はべったりと棚にもたれかかりながら、一心に耳を澄ました。

「え! 浮気ですか?」

「んなわけないじゃん。じゃなくて、こっちの方」

「あ、お酒。強いですもんね、倫子さん」

「そうそう。なんか、お店の人が言ってた」

「あ、昨日の。そっか、あの後行ったんだ、倫子さん」

どうやら矢板が何かを吹き込んだものらしい。一種の情報攪乱である。おかげで、昨夜の秘密は辛くも守られた。

しかし、ほっとする間もなく、倫子は依然災難の渦中だ。

「イくね。中に出すね、倫子さん」

藪塚は赤い耳に唇を付けてそれを震わすと、つま先立ちで剛直を突っ張った。その強引な勢いで、女体は思い切り棚に押し付けられる。乳房はつぶれ、その柔肌に板の角が食い込んだ。

「……ンッ、ヒィ……ッ!」

棚の面が熱気で曇り、そこへよだれが滴り落ちる。倫子は半開きの目で許しを請うた。

(ごめんなさい……)

女の恥をかかされる惨めさ、そして未だに抜け出せない昨夜来の奴隷気質が彼女に謝罪を要求する。一度堕ちた女が社会復帰することなどありえないと、運命が嘲笑っているかのようだ。

向こうの二人は早くも堕落女のことなど忘れて、新たな話題に花を咲かせだしていた。その声を後ろに、倫子は地べたに座って三方からくる陰茎を代わる代わる口淫していく。股から漏れ出た粘っこい汁によって、床と尻の接着時にヌチャヌチャという音が鳴る。

宇川も牛滝も湊山も仁王立ちになってしゃぶらせながら、各々タオルで頭や体を拭きだした。やがて彼らが浴衣を羽織ると、この場で裸は倫子一人になった。

「お母さん、タオルあったのかなあ」

向こう側の脱衣場には、どうやら娘が合流したらしい。かわいそうに、また母の心配をしている。だが生憎母は忙しいのである。我が子に構っていられない位、やらねばならぬ仕事が待ったなしなのである。だからまだ裸一貫でがんばっている。男性達の性欲の暴走を、その細腕で全て受け止めなければならぬが故に、服を着ている暇もない。母親とは家族の知らぬ所で苦労をしているものなのである。

「ン、ンブェア……」

娘の声は聞こえている。だが手が離せない。唾液まみれの口で陰茎三本を舐めしゃぶる大仕事だ。熱っぽい肉棒を頬や額に押し付けられ、顔中汁だらけにして縮れ毛を随所に張り付けて……。家族の目の届かぬギリギリの場所で、今朝も早朝から男根様に無償で体を捧げる。食事より先にペニスを頬張る。実に優秀なボランティアなのである。

「気持ちええわ、お母ちゃん」

ゲラゲラ笑いながら牛滝が奉仕者の濡れ髪を撫でる。娘は想像だにしまい、が、母はフェラチオが上手い。一晩中みっちり仕込まれて、今では無意識にすらしゃぶれるようになっていた。

「そない美味しいか、んん?」

宇川が尋ねる。しかし、味を好んで彼女が奉仕を買って出ているわけではない。ペニスを覚え尽くした口はひとりでに動くものだ。口腔そのものが陰茎型に象られたかのようで、もはや性器である。

「おおう、そんな所まで」

陰茎から陰嚢へと舌を這わせ、そのまま股の下に潜って肛門までも舐めほじる倫子に、宇川はこそばゆそうに喘いだ。とっかえひっかえこんなことをやる彼女だ。こういう身分なのだ。決してやりたいわけではないのに、この場ではもうこうするしかないのだ。

だから仕方がない、たとえ愛娘の傍であっても、男性器の傍にいるのだとしたら。どちらを優先すべきかなんて、自明の理であるから。

「どスケベママはチンポ大好きやもんな」

湊山が下を見て目を細める。その肉竿はいち早く膨張を取り戻しつつあった。それは、口性器によって万遍なくとろみのある粘液に覆われて光っている。

そのまま彼に暖簾の外へと引きずり出される。裸のままでだ。が、"約束が違う"だなんて口にしない。さっきの肉棒刻印が、己の身分を再確認させていた。これからも輪姦されるだけの玩具なのに、いっぱしに着る物など必要ないではないか、という風に。

だが全く諦めたわけではない。プルプルと震えながら、涙目で訴えかける。性も根も尽きて、これがやっとの意思表示だった。

「大丈夫大丈夫。ちょっとだけ」

湊山はあっけらかんと言い放った。期待はしていなかったが、案の定の答えに倫子は俯いた。廊下に引き出された奴隷女は、大浴場の入り口の暖簾に対面して後ろから犯されようとしていた。中から出てくる者があれば、即対面、即破滅である。

(仕方がないのだ。仕方がない。男の腕力から逃げられるものではないし、それに本を糺せば自分に非のあることで……)

いくら考えても納得できるものではない。それでも納得せざるを得ない力が圧し掛かってくる。

湊山が入ってきた。不敵に勃起している。暖簾の向こうからはキャッキャキャッキャと楽しげな笑い声が間近に。倫子は歯を食いしばった。

「ンッ……フンッ……ン……」

入られて反応する体が憎らしい。それが本当なのかどうか、自分でも分からない。

「ヘヘエ、えらい大胆やな、自分」

額に汗を流して、牛滝が湊山に声をかける。宇川も藪塚も横に立って見ている。藪塚は下品に笑っているが、宇川は無言である。

「ここでバラしてまうんか?」

何気なく垂れ乳を揉みながら、牛滝が尋ねた。湊山はそれには曖昧に応じながら、

「どうしても、ここでヤッときたかってん」

と鼻息荒く言った。混浴風呂を後にするに際し、さらには娘を中に置いて、どうしてもここで彼女を孕ませたいという意向なのである。彼のこだわりであった。

勢い込んで、一歩前に出る。倫子の鼻の頭が暖簾をこする。彼女の全身から汗が噴き出した。心臓に急激な負担を感じる。次第に視界が揺らぎ始め、気分も悪くなってきた。ここまでの重圧に苛まれたことはない。

他方、それと同時に、

「おおっ、ものすご締まる!」

との湊山の評にある通り、膣肉は異様な収縮を繰り返していた。そこに女肉による快感追求心はまだあったのである。

「ヘー……やっぱりスリルがあると興奮するか」

それまで黙っていた宇川がふと気のない風につぶやいた。彼の面持ちはやや緊張に包まれていた。牛滝も少々表情をこわばらせている。一方、藪塚だけは相も変らず無責任な笑みを浮かべていた。


<つづく>




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[2013/05/23 07:26] | 「湯けむ輪」 | トラックバック(0) | コメント(1) | page top
珍休さんと水あめ女

昔々ある所に、小さなお寺がありました。お寺には和尚さんと四人の小坊主さんが住んでおりました。ある日のこと、和尚さんは隣村までお出かけをすることになりました。小坊主さん達はお留守番です。

「じゃあ行ってくるからな」

山門の前で振り返って、和尚さんは言いました。

「はい、行ってらっしゃいませ!」

小坊主さん達は元気よくお見送りをします。和尚さんはその声に頷いて階段を下りて行きました。が、ちょっと進んでまた戻って来ました。そうして言うには、

「よいか、分かっておると思うが、くれぐれもあの壺に近づいてはならぬぞ。あれは危険な猛毒じゃからて……」

「はい、分かっております!」

もう何度も聞かされていた四人は、その言葉を途中で遮って言いました。そして改めて、

「行ってらっしゃいませ!」

と、背中を押さんばかりにして和尚さんを送り出しました。和尚さんはまだ何か言い足りない様子でしたが、一人ひとりの顔にしっかりと頷き返しながら、やっとのことで出かけていきました。

「ふう、やっと出ていったよ」

和尚さんの姿が見えなくなった途端、珍長(ちんちょう)が伸びをしながら言いました。珍長は小坊主さん達の中で一番ノッポです。

「隣村だから、今日はきっと遅くなるね」

そう言ったのは珍太(ちんたい)。四人の中で一番太っちょです。

「うん、まず夕方までは大丈夫だよ。ひょっとしたら夜になるかも」

一番のおチビさんである珍堅(ちんけん)が言いました。小坊主さん達は和尚さんの前でこそきちんと畏まっていましたが、居なくなった途端になんだか伸び伸びしています。

ところが、この中で一人だけ和尚さんの消えた先を見て考えに耽っている者がおりました。

「おい、どうした珍休(ちんきゅう)。難しい顔して」

珍長が気になって尋ねます。

「ん、いや……ちょっと引っかかってな、おっさんの言ってたことがよ」

珍休が答えると、珍太が笑って言いました。

「ああ、壺のことかい? どうだっていいよ、そんなの。それよりさ、もう飯にしようよ、飯に」

「おいおい、もう飯か? さっき朝飯食ったばっかりだろ?」

珍長が言うと、みんなどっと笑ってお堂の方に帰っていきました。珍休はまだ何か考え込む様子でしたが、壺の話は結局それっきりで、自分もお堂に帰りました。

お堂に入った四人はみんなやりたい放題です。絵を描いたり歌ったり、木登りをしたり駆けっこをしたり、昼寝をしたりつまみ食いをしたり……。普段なら掃除と修行に明け暮れるのですが、叱る人がいないのをいいことに、すっかり怠けてしまっています。

そんなこんなで、すっかり日が暮れてしまいました。和尚さんはまだ戻ってきません。

「帰ってこないね」

珍堅が隣にいる珍休に言いました。

「ああ……」

珍休は柱に寄りかかって、また考え込む風です。

「どうした?」

珍長が尋ねました。珍休はしばらく答えませんでしたが、やがて意を決した様子で言いました。

「おっさんの部屋にさ……行ってみないか」

それを聞いて、珍長は笑って言いました。

「なんだ、まだ気にしていたのか。たかが壺だろ? どうせ大したもんじゃないよ」

が、珍休は真剣です。

「いや、壺そのものも気になるが、問題はその中身さ。――珍堅、お前この間の晩なんか見たんだろ?」

珍休は珍堅に問いかけました。

「う、うん……和尚さんがね、部屋でうずくまって、何かを舐めていたような……」

「食いもんか!」

珍堅の答えに、珍太がすかさず飛びつきます。

「そういえば、おいら聞いたことがある。水あめは壺に入れて売っているんだって」

食べ物の話となると興味津々な珍太なのです。彼の言葉を受け、珍長も納得しました。

「そうか、和尚のやつ、夜な夜な水あめを舐めてやがったんだな。それで、そいつを知られないように毒だなんて嘘つきやがったんだな」

珍長が言うと、珍太も珍堅も大きく頷きました。ただ、珍休一人はまだ何か引っかかる様子です。ともあれ、四人は打ち揃って和尚さんの部屋へと忍び込むことにしました。

和尚さんの部屋は、庫裡の中でも最も奥にあります。四人は一つの燭台の周りに肩寄せあって、廊下を進みました。

「声がさ……」

歩いている途中で、ふと珍休がつぶやきました。

「声が、時々聞こえるんだよ、真夜中にな」

ふいの言葉に、三人は黙ってその続きを待ちます。

「高い声で、何か呻いているような……」

その時、灯りが急に小さくなりました。途端に珍太が咎めます。

「や、やめろよ、変なこと言うの」

廊下に伸びた影がぼやっと揺らめきました。

「それさ……俺も聞いたことあるぜ……」

珍長が珍休に同調します。すると、それをどうあっても否定したい珍太、

「鳥かなんかの鳴き声だろ。な? 珍堅」

と、自分より小さな珍堅の肩をぎゅっと握って呼びかけます。珍堅は仕方なく話を合わせてやることにしました。

「そ、そうだね。風の音かもしれないし」

それを聞き、珍長は言い返そうとしました、が、彼はその言葉を飲み込まざるをえませんでした。ほかの者達も同様です。

なぜなら、妙な声がその時本当に聞こえたからです。それは、初めの内途切れ途切れでしたが、次第に大きくはっきりと聞こえるようになりました。すなわち、和尚さんの部屋に近づくにつれてです。

ついに四人は和尚さんの部屋の前に到着しました。するとどうでしょう。誰もいないはずの部屋の中から、かすかな物音と吐息のような声が聞こえるではありませんか。明らかに部屋の中に何者かがいるようです。

四人は顔を見合わせました。

「開けるぞ」

珍休が言いました。




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[2013/05/05 22:00] | 一話完結 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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