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なお、掲載している小説はすべて虚構であり、実在の人物・団体等とは一切の関係がございません。

    
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小説には、連続作品と一話完結作品があります。連続作品は、左「カテゴリ」の各作品名より一話から順番に読むことができます。また「目次」には、各作品の概要などをまとめた記事が集められています。

■連続作品
◆長編作品
「子宝混浴『湯けむ輪』~美肌効姦~」

◆中編作品
「大輪動会~友母姦戦記~」
「青き山、揺れる」 ▼「師匠のお筆」

◆オムニバス
「母を犯されて」

◆短編作品
「育てる夫」  ▼「最後の願い」  ▼「ママの枕」  ▼「ブラック&ワイフ」
「夏のおばさん」  ▼「二回り三回り年下男」  ▼「兄と妻」

■一話完結
「ふんどし締めて」
「旧居出し納め・新居出し初め」  ▼「牛方と嫁っこ」  ▼「ガンカケ」
「祭りの声にまぎれて」  ▼「シーコイコイコイ!」  ▼「サルオナ」  ▼「母の独白」
「童貞卒業式」 ▼「お昼寝おばさん」  ▼「上手くやりたい」 ▼「珍休さんと水あめ女」
「栗の花匂う人」「乳搾りの手コキ」 ▼「妻つき餅」 ▼「いたずらの入り口」
「学食のおばさん便器」 ▼「山姥今様」 ▼「おしっこ、ついてきて。」

作品一覧

「師匠のお筆」 3-1

<登場人物>
須美恵(すみえ)……書道教室を経営。
神雄(かみお) ……須美恵の生徒。
鈴美(すずみ) ……神雄の母。
瑞夫(みずお) ……神雄の父。

※この小説はフィクションであり、実在の人物・団体等とは一切の関係がございません。



『師匠のお筆』


3-1


教室へ通う度に息子が居残りをさせられていることに、鈴美は母として心配よりもむしろ喜びを感じていた。

第一に神雄が熱中することを見つけてくれたことが嬉しかった。神雄はあまり感情を表に出さない、いわゆるおとなしい子であったが、鈴美は彼が口数も少なく、閉鎖的に過ぎはしないかと常々心配していた。

だから、何かに熱中するという姿勢を見せてくれたことが嬉しかったのだ。

第二に、その対象に自分がかつて熱心に取り組んでいたものを選んでくれたことが嬉しかった。

鈴美もかつて書道をやっていた。有段者である。神雄を書道教室に通わせることに決めたのも鈴美だった。自分の経験上、情操教育にきっと良い効果をもたらすものと考えてのことだった。

そうしてさせてみると、思いのほか熱心に教室通いをしている。きっと筋がいいに違いない、などと、鈴美の心は一気に舞い上がった。

「このまま書道家になったりして」

と、半分冗談で夫に言ったりもした。

すると夫は、

「あるわけないだろ、ちょっと通ったぐらいで。大体書道だけで食っていける人なんて、そうはいないよ」

と、いかにも面白みのない返答であったので、鈴美とて丸っきり本気で言ったことではないにしても、大いに気分を害した。

そもそも、神雄を書道教室に通わせることについても、夫の瑞夫は初め乗り気でなかった。

彼は、自分のプランにないことをよそから持ち込まれた予定で汚されることを好まなかった。

ほかならぬ息子のことなのであるから汚されるなどという価値観自体がおかしいし、むしろ自分のことよりも優先して息子の予定を組むべきであると鈴美は思うのだが、自分からは休みの日にどこかへ連れて行ってやる位の計画しか立てないのである。

本当に神雄のことを考えているのだろうか、と鈴美にすれば疑いたくもなる。

それはともかく、習字をさせたことが正解であったことを鈴美はとにかく喜んだ。

にしても、毎回の補習はさすがに気になる。そこで鈴美はある日、神雄の習字風景を見たい気持ちもありつつ、神雄を教室へ迎えに行くことにした。


<つづく>



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<3章目次>
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[2009/09/28 00:00] | 「師匠のお筆」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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