おことわり
このブログには、エッチなことがたくさん書いてあります。まだ18歳になっていない人が見ていい所ではありません。今からこんな所を見ていると、将来ダメ人間になってしまいます。早くほかのページへ移動してください。 >googleでほかのページを検索する< なお、掲載している小説はすべて虚構であり、実在の人物・団体等とは一切の関係がございません。 |
お知らせ
「オナこもりの小説」は、エロ小説を気ままにアップしていくブログです。たまに、AV女優や、TVで見た巨乳のことなども書いています。左サイドにある「カテゴリ」から、それっぽい項目を選んでご覧ください。
小説には、連続作品と一話完結作品があります。連続作品は、左「カテゴリ」の各作品名より一話から順番に読むことができます。また「目次」には、各作品の概要などをまとめた記事が集められています。 ■連続作品 ◆長編作品 ▼「子宝混浴『湯けむ輪』~美肌効姦~」 ◆中編作品 ▼「大輪動会~友母姦戦記~」 ▼「青き山、揺れる」 ▼「師匠のお筆」 ◆オムニバス ▼「母を犯されて」 ◆短編作品 ▼「育てる夫」 ▼「最後の願い」 ▼「ママの枕」 ▼「ブラック&ワイフ」 ▼「夏のおばさん」 ▼「二回り三回り年下男」 ▼「兄と妻」 ■一話完結 ▼「ふんどし締めて」 ▼「旧居出し納め・新居出し初め」 ▼「牛方と嫁っこ」 ▼「ガンカケ」 ▼「祭りの声にまぎれて」 ▼「シーコイコイコイ!」 ▼「サルオナ」 ▼「母の独白」 ▼「童貞卒業式」 ▼「お昼寝おばさん」 ▼「上手くやりたい」 ▼「珍休さんと水あめ女」 ▼「栗の花匂う人」 ▼「乳搾りの手コキ」 ▼「妻つき餅」 ▼「いたずらの入り口」 ▼「学食のおばさん便器」 ▼「山姥今様」 ▼「おしっこ、ついてきて。」 ★作品一覧 |
* さっきよりも遥かに窮屈な締め付けが欲棒全体をくるむ。慶介は快楽に休みなく邁進しながらも、横の会話に耳をそばだてていた。彼だけでなく、服部も小林も窓を開けて聞いていたし、浩樹に至ってはわざわざ車を降りていた。 その浩樹の肘を引き、こちらに関心を向かせるべく慶介が宣する。 「ヤベえ、イくわ。初アナル、ヤベえ」 その言葉通り、間もなく彼は肛門内深々と精を送り込んだ。つま先立ちして足をピンと伸ばした様は、まるで直腸の中のいきり立った接続具と同じだ。 「お、おう……」 気もそぞろに浩樹が応じる。この遊びを果たして続けていいのかという迷いがそこには見えた。 だが、タクシー運転手と後ろの仲間らとの会合は、そんな彼の杞憂をすぐに晴らしてくれた。間もなく、バスから矢板が降りてきて、浪岡と共にワンボックスカーへ近づいてきた。その後ろからは、竜二も出て来る。 「この人、よく知ってる人で、信用出来るからさ――」 運転席の方から車内を覗いて、矢板が話し出すと、皆まで言うなと、それを服部が制止した。 「うん、聞いてました。ま、あたしには断る権利なんかないですよ」 手放しで賛同する服部。小林にも否やはなく、 「あんたも好きねえ。わざわざ車停めたもんねえ。よく見逃さなかったもんだよ」 と、浪岡に語りかけた。言われた方は、頭を掻きながら下卑た笑いを返す。その彼を指して、 「この人、輪姦慣れしてんのよ」 と矢板が言うと、小林は「ヘー」と頬を緩め、大いに感心してみせた。 一方、慶介と浩樹も、竜二から経緯を聞いていた。 「大体聞こえてたけどさ、要は、ヤりたいんでしょ、あのオッサンも」 横目で浪岡を見ながら、慶介がズボンを上げる。 「いいんじゃね、別に。マワしたいヤツ、どんどん入ったら」 「ていうか、もう決まったんでしょ」 二人が比較的寛容にそう話すのを聞いて、竜二は密かに安堵していた。自分だけが賛成して、友人らが反対だったらどうしようという危惧が実はあったのである。 「……ということで」 浪岡が腰の低い感じで、三人の前にやって来る。 「うん、今すぐヤる?」 彼に慶介は余裕の笑みを返し、有紀の腕を取った。 「そうですね。すいません、じゃあ、ちょっとお借りしますよ」 浪岡は手刀を体の前でヒラヒラさせて近づき、慶介から女体を受け継ぐと、それを前にしてベルトを緩め始めた。するとその作業中に、あることに気付いて「おやあ?」と、有紀の臀部に顔を近づける。ある部分が、通常と様変わりしていたからだ。 「へへ、アナルも使えるぜ」 慶介は疑問に答え、つい今しがた使った時の温もりを股間に感じつつ、後輩に問うた。 「どっち使うの」 「ウ~ン……悩むなあ」 浪岡はちょっと考える振りをして、ためつすがめつしていたが、実際にはとうに決めているのだった。 「まあ、一発目はね」 彼が選んだのは、スタンダードの方だった。ただ、そちらに狙いを定めながらも、丸見えの尻性器を見下ろして、 「ご立派なもんですなあ」 と、興味津々な態ではあった。くり貫かれた窪みが、次に埋めてくれる肉栓を待っているように彼には見えていた。 「すぐ終わるからね」 そう言って、浪岡は早速に抜き身を挿していく。この間、有紀は微動だにせず、慶介に犯されたままの体勢で、車体に寄りかかっていたのである。 「すぐ終わんのかよ。おっちゃん、早漏?」 浩樹が口を挟む。すると、浪岡はそれを否定せず、 「でも、おじさん、こう見えて意外と回数出来るから」 と切り返したら、若者らはそれに親しみを感じたようだった。 そんな中、うずうずしていたのは竜二であったが、とうとう彼は辛抱しきれずに進み出た。 「なあ、オレ、空いてる方、いいかな?」 慶介に許しを請う。すなわち、二穴性交したいというのだ。すると、物分かりのいい浪岡が、すぐに気を利かせて体位を変えに掛かった。 「よし、おっちゃん、こっちにこうするから、後ろからおいで」 言うが早いか、彼は開いたサイドドアから後ろ向きに後部座席に腰掛けると、向かい合わせに有紀を迎えて膝の上に乗せ、交わリ始めた。仰向けの浪岡とうつ伏せの有紀、その二人の脚部が、ちょうど車外へはみ出る格好となる。そうして露わになった尻を、竜二に責めろというのであった。 「すんません」 竜二は途端に謙虚になって、すぐに作業に取り掛かった。地面に立ったままでは難しかったので、片足を車に乗せ、なんとか、挿入を試みる。入れるまでは難しい。しかし、一旦はめ込んでしまえば、案外楽だ。なぜなら、隙間なく密着した穴と棒の肉は、吸着力で固定されたようになるからである。 既に信号は、赤から青に変わっていた。しかし、車は進発しない。ただ、走行せずとも車体は揺れる。男二人が上に下にと、それぞれ女を犯しまくるからだ。また、走り出さない車に、警笛を鳴らす後続車もいない。代わりに、肌と肌、肉と肉の擦れる音が響くだけだった。 「ああ、気持ちいい! オレ、アナルハマりそうだわ」 本日二回目となるアナルファックに歓喜の声を漏らしながら、竜二は剛直を突き下ろす。尻性器は彼の硬いものをまんまと奥までくわえ込み、絞った入り口は輪ゴムのようにきつくその根元を圧迫した。出し入れの度にヌッチャヌッチャと汁の絡む音が鳴り、溜まった白い泡立ちが、その数センチ下のもう一つの結合部へと流れ落ちる。 上階の男の発した汁が竿や玉にかかっても、下階の男は一向気が付かない。彼の道具自体がすっかり濡れそぼっているからだ。それは己から出たものによってでなく、膣穴のみによって濡らされたものである。そもそもそこは散々なる精液の掃き溜めであり、浪岡の知らない男達だって何回も肉茎をぶち込んだ器だ。他人のがどうとか、そういうことを気にしていたらキリがない。およそ潔癖な男には向かないのが輪姦行為と言えるであろう。 この点、女にはそもそも事前の選択権がない。犯されてしまえば終わりだ。凸と凹の構造上、女は受け身。力づくであれ、ペニスを挿し込まれ、種付けされてしまえば、後手に回るほかないのである。複数人による連続姦において、潔癖なる概念が意味を持つ余地などあり得ないのである。 とはいえ、被輪姦自体には向き不向きがあるであろう。精神はもちろんのこと、まずもって肉体がもたない場合がある。その点において、有紀は恵まれていると言えた。いずれも破壊されることなく瑞々しさを保ち、発情した男根達の性欲処理器として、彼らの種付け要求を文字通り全て受け入れ、従順に且つ十二分に自分を使用させてきたのだ。オスの為に全身を解放し、自己の用よりもそちらを優先して、例えば排泄器官すら男の快楽玩具として提供するのは、まさにあるべき女の姿である。必ずしもそれを実践出来ない現実において、有紀の価値は高い。彼女が望まずとも、有紀は輪姦専用に生まれた女なのである。 それが証拠に、見よ、厚い乳房を顔面に乗せながら、頬を緩め切った浪岡の恍惚とした表情を。それこそ見ず知らずの男から男へと揉みつながれてきた脂肪球ながら、彼はいとも嬉しそうに揉みしだき、あまつさえ舐めしゃぶっているではないか。 「うほお、ボインちゃんとオマンコ。ウ~ン、たまらん!」 隠れて見えぬが、彼の亀頭の先からは、白く濁った我慢汁が湯水のごとく湧き出して、有紀の膣壁に染み込んでいた。さらにそれを塗り込むが如く、剛直棒が柔肉内部を我が物顔でかき乱す。 確かに、汚らわしいと遠ざける者はいるだろう。が、かの女が天性の輪姦専用体であることは紛れもない事実で、それが故に男達は勃起し、輪に連なってきた感はある。この浪岡のように、たとえ既に輪姦事後と知っていてもなお、新たに挑みたくなるのだ。こんなに犯されて、汗や汁まみれになって、全身からオスの匂いをプンプンさせている便器女であっても、まだ使いたいと思ってしまう。あるいはそう思わせることこそが、輪姦専用女の真価かもしれなかった。 「ウ、オォー……ン……」 当の本人は、そんな特性にも気づくことなく、ただ己の役割として、二人の男の使用に耐え、喉の奥から低く動物的な唸りを発していた。何かの反動で、ツーッと涙がこぼれ落ちる。さすがの彼女も、まだ両穴同時挿しには耐性がない。もはや思考する暇とてなく、膣と腸の間にある壁をゴリゴリ削られる拷問と必死の我慢比べだ。 「おうおう、気持ちいいねえ、気持ちいいだろう?」 ペロペロと有紀の喉から顎を舐めながら、下から浪岡が熱っぽく語りかける。その両の手はいつしか乳房から尻へと移動しており、そこをこれでもかと引き寄せて、女体を掻き抱いていた。本当は背中に腕を回して抱きしめたいのであるが、それは相方の都合で出来ないのだ。 相方竜二は今や完全に有紀の背に折り重なって、腰だけを微かに浮かし、ヘコヘコ上下させている。彼の胸板は隙間なく彼女の肌に接着しており、その温もりが直に感じられていた。 「ああ、たまんね。チョー気持ちいいよ」 鼻と口を彼女の後頭部にうずめて、地肌からの匂いと湿気を感じる。うっとりと目を閉じ、嗅覚と触覚を研ぎ澄ませ、体中で快楽を追求する。これがセックスかオナニーかなんて関係ない。愛のあるなしも興味ない。ただ彼には、“女のケツの穴でチン ポズボズボする”快感だけがあった。 「ウ、オ、オ……ン、ニ、イ、ギィ……ッ!」 悲壮な眉根で、虚空を睨む有紀。歯を食いしばり、への字にした口の端からはよだれがポトリ。目尻からはまた涙がポロリ。耐えに耐え、忘れに忘れても、彼女の身は所詮熟れた女。両穴と等しく性悦も掘り起こされ、惨めにもメスの極地を思い出さされてしまうのだ。 「(イヤ……もう、イヤ……お尻、やめて……やめて……やめて、やめて、やめて、お尻、お尻ぃ……っ!)」 ほんの心の隅っこから、怒涛の如く一気に広がりゆく曇天。その黒い影が、酒のように熱い胸騒ぎを伴って、彼女の視界を覆い尽くした。心も体も、すっかり消えゆく。彼女は諦めた。 「ユゥニィゥニュィ、イ、イ、イィ……!」 縦の筋を作って下唇を突き出し、声にならない声で啼いて、有紀は押し寄せる悦楽に溺れてしまった。出遅れた涙がまた、ポトリ、ポトリと落ちる。高波はこれからしばらく滞留することになり、既にそれを経験していた彼女は、対策の無意味を知って流されるままに流された。 人間、諦めると途端に楽になる。こだわりを捨ててみるのも一興だ。しかし、それは現に諦めた先の者が言えること。分かってはいても、自分を守ろうとするのもまた人間である。例えば、先程車中で転ばないようにと背もたれを支えにした有紀のように。どんなにすさんだ身の上となろうとも、防衛本能は機能してしまうのである。ただこれを乗り越えた時、そこに光はある。快楽などはまさにその典型だ。 「アア、アア、アア……!」 痴れ者のようにぼやっとした表情で、口を半開きにし、喘ぎ喘ぎ男らの肉布団の間で翻弄される有紀。悦んでしまっている。彼女の中の女が悦ばされてしまったのだ。理不尽だとかなんだとか、それは理屈が通用する次元でのこと。この瞬間にはそれが用をなさないことは、彼女の“マン コ”が雄弁に語っていた。 一方、彼女で愉しむ男二人は、相手がアクメに悶えようともお構いなしに欲求をぶつけ続けた。温かみのある肉人形に意思があろうとは元より想定していない。ちょうどいい射精器具がたまたま落ちていたから使用しているだけで、玩具は所詮玩具。それを喜ばせようと思う方がおかしい、そんなスタンスである。言うまでもなく、集団レイ プされている際の女に人格など必要ないであろう。 それを象徴するかのように、無理矢理拡げられた穴達。わずか数センチ離れて上下に並ぶそれらには、ぶっとい肉棒が収まって、それに連なる玉袋と共に、快感で跳ねていた。 そこを見るともなしに見ながら、呆れたように浩樹が口を挟む。 「あのぉ、先急ぐんで、そろそろイッてくんない?」 当初の思いのほか本格的に交わり出したので、いい加減催促したものだ。既に信号は、四度変わっている。 「そうだよ、こっちもヤりたくなっちゃうじゃん、ねえ?」 服部が振り返って笑い、隣に同意を求めた。小林も苦笑している。 「やあ、すんません、もうすぐイきますんで」 すっかり自分の世界に入ろうとしていた浪岡、我に返って照れ笑い。竜二も同様だ。二人は、狭間の女にしがみつきながら、ラストスパートをかけた。 「ウゥウゥウゥウゥ……ッ!」 有紀はこれまで以上にズンズンと前方に突き出され、その度にメス鳴きした。その動きが止まったのは、数十秒後である。彼女はまた、きちんと女本来の務めを果たしたわけだ。本日一発目の射精である浪岡のは、とりわけ沢山出て、有紀の産道をどっぷり潤した。 * 「なんだよぉ、折角競争中だったのにさ」 あくびしながら、慶介が軽く不満を述べた。バスに乗り換えさせられたからである。浩樹も同様だ。代わりに、ワンボックスカーには羽根沢と森岳が乗ることになった。両名は本日まだ、“口”にしか挿入しておらず、彼らの希望が優先されたのだ。 そのことには慶介も理解を示している。だからこそ、周囲の提案をすんなり受け入れたわけではある。が、 「それだったらさ、おばさんをこっちに乗せたらいいじゃんか。こっちの方が広い訳だし」 という至極最もな意見を思い付いたものだから、未練がましくなったのである。 実際問題、この名案は彼に指摘されるまで、迂闊にも誰も気づかなかった。有紀の乗って来た車だから有紀を乗せるのだ、という形式を自然と前提にしていたのである。そもそも当初の計画では、彼女を家に送り届けて終了、というものだったからなおさらだ。バスはむしろ、付け足しだったのである。 「まあ、でも、こっちには彼が居るから……」 親指で後ろを示し、比嘉が別の理由を挙げてみる。“彼”すなわち、有紀の息子だ。 これを聞くと、慶介は余計納得しかねた。元々そこまで議論する気でなかったのが、中途半端なことを言われ、返って立ち入らざるを得なくなったものだ。 「いやいや、だったらアイツをあっちに乗せりゃいいじゃん」 これまた説得力のある意見だった。とうとう周囲の者らも苦笑いを始めた。そうすれば良かったと、半ば惜しがる者もいた。 そんな中、議論を収拾したのは鎌先である。 「まあまあ、どうせもうすぐ着くんだし、それに、向こうに着けば嫌でも出来るんだし、いいじゃねえか」 穏やかに彼は言った。そうして、 「それに、信号待ちのたんびに悪さするヤツがいたら落ち着かないからな」 と、小突くような仕草で慶介を揶揄した。 慶介は、ちょっと嬉しそうに照れ笑いをして、もうそれ以上は食い下がらなかった。もし、先程射精を済ませたばかりでなかったら、もう少し駄々をこねたかもしれないが。 いずれにせよ、車はとっくに走り出している。もうあと五分もしない内に目的地に着くだろう。 一方、一発すっきりした浪岡のタクシーは、島田らの待つ店へ向かっていた。そこには、同業者の松倉も向かっているはずだ。そして、二台のタクシーは客を乗せ、やがて同じ所を目指すのである。 金光家の当主、その息子、その母、その愛人、そして、彼女を愉しむ男達。波乱の運命にとらわれた一行は、かくして男と女の運動会、その延長会場へと集結していくのであった。 〈つづく〉 〈現在の位置関係〉 ▼ワゴンカー車内 有紀、小林、服部、羽根沢、森岳 ▼マイクロバス車内 佳彦、前原、慶介、浩樹、竜二、比嘉、祥吾、雅也、藪塚、矢板、袋田、鎌先、沼尻 ▼タクシー移動中 浪岡、松倉 ▼打ち上げ会場 金光、島田、鈴木、花村 ▼帰宅 高橋、俊之、克弘、恵太、優斗、豊、聡、翼、清美、瑞穂 〈輪姦記録〉 挿入男根:28本 射精回数:75発 (膣48・口12・尻9・乳4・顔1・外1) |
* ――今を遡ること三十分前。有紀はまだ車中にいた。 「いやあ、いい体だね、奥さん。三人も子 供産んでるなんて思えないよ。こりゃ相当鍛えてるね」 腰のくびれをさすりながら森岳が言った。有紀は今、彼と対面し、その男根に刺さっている。彼女が何も返事しない代わりに、隣の羽根沢が答えた。 「頑張って体型維持してるんだ、偉いもんだよ。うちのカミさんに爪の垢煎じて飲ませてやりたいくらい」 言いながら、備え付けのティッシュペーパーを取って、濡れそぼった自分の陰茎を拭く。それは、本来子 供達が食べ物やら飲み物やらで付けた汚れを拭き取る用に置いてあったものだが、今はその設置者自身で付いた汚れを拭き取るのに使われていた。今友人が使うその穴の奥には、彼の排泄した白濁汁が残っているだろう。 「この引き締まったケツ!」 森岳はむんずと鷲掴みにして尻たぶを左右に開き、離して戻し、またつかんでは引っ張り、また離しを繰り返した。手を離した瞬間、重力に引かれて戻る際に一瞬上に跳ねてから元の形へ返るのを隣の羽根沢は見逃さなかった。自然と手を伸ばす、まるで赤ん坊が一々手で触って好奇心を満たすように。 「うん、いいケツだ。肉付きがちょうどいい」 やたらと褒めそやす両名である。これは世辞ではない。そのことは、有紀にも分かっていた。というより、こちらは過信からきている。こんな低俗な男共には過ぎた体だと思う。本当なら触れることさえままならない高貴な肉体。あろうことか、それを愉しめているのだ。こんな幸運はない。己が男だったら感涙していただろう。だから、男共がこぞって発情し、襲い掛かってくるのも無理はない。今日まで無かったのが不思議な位だ。つくづく罪な体だと思う。 一方で、ふと別な考えも思い浮かぶ。こんな男達の慰み者になる為に体を鍛えてきたわけではもちろんないが、では何の為にやってきたのか。夫の為ではない。確かに人前に立つ生業の彼にとって、妻のルックスはプラスになるだろう。だが、彼女にはそんな内助の功的な考えはさらさらないのだ。では夫以外の男性の目を引きたいからか。それも違う。前原との不倫は特別であって、それ以外の男性に興味はない。 結局は自分の為だ。成功者の証、羨望の眼差し、そういったものだけが自分を満たしてくれる。誰に望まれていなくとも。そう、彼女が綺麗になることを、一体世の誰が喜んでくれただろう。 「可愛い顔して……悪い評判ばっかり聞いてきたけど、なんだ、可愛い女じゃないの」 ほつれ毛を耳の後ろに流しながら、羽根沢が交尾中の女を覗き見る。 そこへ、バックミラー越しに小林が会話に加わった。 「女はね、チンポ入れて、自分の立場を分からせてやれば、素直に腰振るようになるの。チンポ入ってるときの女は、みんな可愛い顔。女が一番可愛い顔するのは、チンポ入ってる時よ」 「確かに一理あるね」 何を分かっているのか、妙に納得した様子で助手席の服部が相槌を打つ。 それに勢いを得た小林は、一層自説を展開した。 「女って奴はね、マンコで分からせるしかないの。話し合ったってムダムダ。嫁さんだってそうでしょ? セックスするから妻たりえる」 「じゃあ、あんた、奥さん抱いてるの?」 「ああ、わたしは抱いてますよ。今でも週に一回は抱く」 「偉いねえ」 「義務ですから、紳士の」 二人の掛け合いが耳を通り過ぎていく中、有紀はまだ先程の思考に捕らわれていた。誰にも求められず、ひたすら自己満足で磨いてきた美貌。ある種苦行ともいえるその活動を、思えば初めて褒められたのが今日ではなかったか。初めて必要とされ、あまつさえ役に立っているのではあるまいか。 と、ここまで連続的に考えが及んで、さすがに彼女は鼻白んだ。今の境遇に迎合出来ようはずはない。ただ、以前程には必死で否定しえない自分がいた。 「(ウウ……また、大きいの……来る……!)」 それは波のよう。大波小波。この性交漬けの一日で、彼女は性悦のバイオリズムをいつしか感じ取るようになっていた。 「アゥ~……グゥ……ク、ククゥ……ッ!」 必死になって男の肩の上で握り拳を作って俯く。 「おお、かわいい、かわいい」 森岳が泣いている子をあやすように言って、ただそんな場合には絶対にしないであろう、肛門に指を引っ掛けて、巨尻を上げ下げした。また、 「ほうら、おっぱいでちゅよ」 とも言って乳房を持ち上げ、有紀に自分の乳を含ませた。 「ンブ……ンベァ……」 有紀は一瞬己の乳首を吸い込んだが、支えが無くなるとたちまち口から離した。その時に自分のよだれで自分の乳輪を濡らすことになった。その際の緩みきった面そのまま、大きな波の後はまた呆けて頭が使い物にならなくなる。 「しかし、そんなに愛妻家のあんたが、よく人の妻まで抱く気になるね」 服部と小林のやり取りはまだ続いている。 「それは愚問でしょ」 「そうそう」 と、今度は羽根沢が割って入った。 「別腹だよ、人妻は。自分とこのカミさんとは全く違うね」 「まあ、そりゃそうだ。それに――」 服部は後ろを振り返りながら目を細めた。 「コレは別格の上物だからね。町の共有財産にしないと」 「そうだね、こんなに頑張って磨いてくれたボディだから、みんなで美味しく食べてあげないとね」 小林は言って、ハンドルを握る手に力を込めた。早く車を降りて、自分もまた彼女を味わいたい、そんな思いが迸る。だが競争者は多い。向こうに着いても、すぐに順番が来るかは微妙だ。 「ン……フー……ッ!」 つばを飲み込む有紀。と同時に、膣では森岳の種付け汁を飲んでいる。誰も知らないが、今朝から数えてちょうど五十発目の子種である。 こうして、彼女が愛でてきた虚栄の肉体は、まるで果実がちょうどその食べごろに、生産者の努力も知らぬ泥棒によってもぎ取られてしまうが如く、その育ち切って熟した美味しい所を、全く望まぬ形で男達に奪い尽くされてしまうのであった。 〈つづく〉 〈現在の位置関係〉 ▼中広間 有紀、佳彦、慶介、浩樹、竜二、小林、比嘉、祥吾、雅也、服部、藪塚、袋田、矢板、鎌先、羽根沢、森岳、沼尻 ▼別室 前原 ▼移動中 金光、花村、猪瀬、舛添、村本、島田、鈴木、浪岡、松倉、七里川 ▼帰宅 高橋、俊之、克弘、恵太、優斗、豊、聡、翼、清美、瑞穂 〈輪姦記録〉 挿入男根:28本 射精回数:77発 (膣50・口12・尻9・乳4・顔1・外1) |
「着いたぞ」 小林が言った。すぐ後から来ていたバスも停まり、その中からわらわらと乗客が降りてくる、皆々待ち切れぬといった風情。強奪者達はまだまだ果実の芯までもむしゃぶりつくすつもりだ。 「ほら奥さん、着いたよ。運んであげよう」 車を降りるなり、小林は飛び掛からんばかりに後部座席のドアを開けた。 「フェ……」 よだれと精液を垂らした有紀が引っ張り出される。まだ呆けたままだ。 小林が彼女を抱き上げようとした時、慌てて服部が駆け寄ってきた。 「ひとりじゃ危ないですよ。一緒に運びましょう」 「ああ、では、わたしは後ろを」 「わたしは前を」 二人は有紀の腿を開いて抱え上げ、小林はアナルに、服部はヴァギナに当たり前のようにスッと串刺しし、二人して女体の運搬を開始した。 「あっ、ズルい。もうヤッてんすか」 走ってきた竜二が妬むと、服部が、 「うるせえ、オレはまだ一発しかヤッてねえんだ。お前散々ヤッたんだろ」 と一喝。強引にこれを退けた。 「悪いね、おじさん達にも花持たせてよ。すぐ順番回ってくるからさ」 小林も同じく譲らず、二人とその荷物は後から追いついてきた男共に囲まれて玄関へ進む。急いで先回りした袋田が、鍵を開け屋内の照明を点けた。 「おっさんら、体力もつの?」 慶介が憎まれ口を叩く。 「うるせえ」 服部がやり返す。 「そのプレイ、今までやったことあんの?」 「初めてだよ!」 一行は談笑しながら輪姦移動していった。小林と服部は横歩きして有紀を運ぶ。率直な所、前進しながら腰を振るのには無理があった。一人ならまだしも二人挟み撃ちである。だから、結局彼らが本腰を入れたのは目的の部屋に着いてからであった。そして、その時には浩樹が素早くもう一つの穴、すなわち口腔へ挿入していた。 もはや有紀の定位置となった三穴挿入体位。輪姦経験者でも、誰もがこれ程迅速にこの体勢となれるものではないだろう。これもシェイプアップの賜物か。いずれにせよ、並み居る男根達を全て愉しませなければならない役回りから、精液便所らしく使える穴は常に開放しなければならないのだ。 「オッ、ゴッ、グゥ~……ッ」 有紀はキョロキョロジタバタしだした。不思議なもので、三穴挿入という過激な合体にも関わらず、快感度合の波は高いから低いに移ろう場合がある。要するに、波は波であって、一定高止まりすることはないのだ。水位そのものは高い所にあり続けるとしてもだ。そうして、波の落ちていく時にまた意識が戻ってくる。その時彼女は狼狽える。 欲しい欲しい、と彼女の肉を求める怨嗟の声。その心はある種純粋、すなわち劣情一辺倒だ。すると、その欲しがられていることが、“必要だ、必要だ”に変換されてくる。どこへ行ってもしっくりこなかった自分が必要とされていると錯覚しだす。 「アァ……」 目の周りにほんのりと赤みが差す。 「おぉ、おばさん、積極的じゃん」 今までになく吸引されているのを感じて、浩樹が誰に言うともなしにぼそりと呟いた。その思いがけぬ口撃に隙を突かれ、彼は我がペースを取り戻そうと腰を振る。されているのではない、しているのだと、女の口にペニスを出し入れする。その陰嚢が、彼女の顎で押されてムニャリと形を歪めた。 彼が頭を掴む逆側で、別の者が股間を彼女の後頭部にこすり付けだす。髪の毛にまみれた勃起から我慢汁が出て、地肌に染み通っては塗りつけられていく。 「ああ、気持ちいい……」 恍惚とする少年は祥吾だった。このまま射精しそうな勢いである。待ち切れなくて、女体を感じていたくて寄って来たものだ。 見渡せば所狭しと男が群がり寄っていた。ある者は亀頭で乳頭をめり込ませ、またある者は脇の下に挟み、背中、腿、ふくらはぎ、二の腕、手、いずれにも肉棒がこすりつけられていた。まさに全身性交の観。 気が付くと、有紀は一か所も地面に接着していなかった。完全に他人に支えられている状態。いわば、擬似的に宙に浮いている格好だ。その不安定かつ他者に依存しなければいられない境遇と、覚醒しきらない意識が、激しく迷妄を助長していく。日頃の彼女なら一笑のもとに否定する愚行。すなわち、男への奉仕に自己の価値を見出すということ。 もっとも、それの延長は幸か不幸かまた断絶させられることとなった。 「ンブホァッ!」 亀頭の隙間から悶絶する。一見むせたようであるが、その実アクメだ。それも複数同時姦にならではの、強烈なやつがバシンと叩き付けてくる感じの。 「(あが……また……またぁ!)」 揺り戻しの波に押し切られ、スーッとこだわりが抜けていく。洗い流されて、矮小な己という檻が去っていく。 「いい顔になったもんだ」 さも満足そうに鎌先がそれを見下ろして言った。 「悔しそうな顔も悪くなかったが、ようやく自分の立場を受け入れたね。ここまできたら折角なんだし、やっぱり輪姦の愉しさを満喫してもらわないと」 「チンポのハーレムだからね」 矢板が同調して続く。 「今この人が世界で一番気持ちいいんじゃない」 「ハハハ、いや全く。こういう輪姦体質の人は幸せだね」 「ちょ、“輪姦体質”ってなんすか」 と、ここで思わず疑問をぶつけてきたのが慶介だ。中々順番が回ってきそうにないからと、こちらの輪に入ってきた。 「ああ、それは――」 好奇心旺盛な生 徒を得て、鎌先は得意げに語り出す。 「向き不向きかな。あんだけ連チャンでパコパコやられりゃ、とうに体が参っちゃってもおかしくないだろ? 怪我したりとかさ。集団レイ プなんて、悲惨な結末がほとんどじゃん」 「でも、それがイイってヤツもいる」 「もちろんもちろん。ただ、それは男側の趣味の話でね。今問題にしてるのは女の方の資質のこと。輪姦を受けるに相応しいマンコ、輪姦受けが上手なね。あるいは、そこに悦びを感じられる体質ってこと」 「う~ん、能力者、みたいな話?」 慶介は振り返って、竜二と笑い合った。依然彼らの性欲は絶倫なるも、段々とその昂りは和やかになっていた。確実に性処理出来る安心から、焦りがいつしか失せている。 そこへ、もう一人の仲間、浩樹が合流した。アクメ息を吐く有紀の口へ、結局彼も早々に果てたものだ。 すると彼と入れ替わりで要領よくその後釜に座った者がいる。いつの間にか会話の輪をすり抜けて行った矢板である。彼はまず分身を有紀の口に収めてから、懇意の袋田を手招いた。次に空くいずれかの穴の跡を継げという意図である。 袋田は些か控えめな性分で、つい人に先を譲ってしまうことが多い。まして、己の職場であるここに来た場合なおさらで、奉仕精神が自然と出てしまうのだ。とはいえ、いずれ何かと用事に立ってもらうことも必然で、その辺の配慮から矢板は彼を気にしたものである。 一方、そんな気遣い無用なのが藪塚だ。袋田と同じ立場ながら、彼は厚かましさを隠そうともしない。 「早く代わってくれよぉ」 やる気満々で、服部にプレッシャーを掛けている。但し、掛けられている方は素知らぬ体で、己の快楽追求に没頭しているが。 矢板は横目でそういったやり取りを追いながら、他の二穴が空かないことに焦れだした。それで、とうとう袋田に言った。 「ここ、先に使っちゃってよ」 そうして、腰を引く。唇から糸を引いて、勃起が外気に触れた。 「いやいや、いいよいいよ」 慎み深く固辞する袋田。だが矢板も引かない。 「どうせさ、旦那達が来たらまた色々動いてもらわないといけないんだから。ね、それまでに。ほら、時間無いから先に」 また、こうも付け足した。 「なんかね、いい具合にこなれてきてるよ。おしゃぶりのコツをつかんできたみたい」 こうして肩を押さんばかりに勧められ、袋田も遂に折れた。無論、元来好き者ではある。いそいそと股間を露出して、肉茎を彼女の口元へ持っていった。 「お、おお、おお!」 途端に矢板を振り向き、納得した様子で肯いて見せる。蕩けた唇からのどの始まりまで、柔らかな温もりがトロトロと肉棒を包み込む、それも微かな蠢動を伴って。なるほど、これは美味だと、彼は得心した。そして、これなら果てるまでここで愉しめそうだとも。 「――運もあるけどなあ」 一方こちらでは鎌先の講義がまだ続いていた。不良少年らも面白そうに聞いている。猥談は世代間の溝を埋めるらしい。 「段々とアイドリングしていく、段階を踏んで育てていくっていうのが女体で、それもちょうどいい加減で出来上ったんじゃない、彼女の場合。それはまあ、運だよね」 「アナル作ってたもんね、おっちゃん」 「そうそう、あれもちょうどいい時だった」 竜二の言葉に目を細める鎌先。 「マジ気持ちいいよなアレ。オレ今まで全然興味なかったけど」 そう慶介も続けると、鎌先は益々気を良くした。 「ありゃ傑作の輪姦マンコだから、それに、まだまだ若いチンポも沢山あることだし、バンバンマワして愉しんであげようじゃない」 そうやって話している時、ちょうど小林が退いて、すぐさま別の者が取って代わった。それは、藪塚でも矢板でもなく、ここへきて初めて積極的に立候補して出た比嘉だった。 〈つづく〉 〈現在の位置関係〉 ▼中広間 有紀、佳彦、慶介、浩樹、竜二、小林、比嘉、祥吾、雅也、服部、藪塚、袋田、矢板、鎌先、羽根沢、森岳、沼尻 ▼別室 前原 ▼移動中 金光、花村、猪瀬、舛添、村本、島田、鈴木、浪岡、松倉、七里川 ▼帰宅 高橋、俊之、克弘、恵太、優斗、豊、聡、翼、清美、瑞穂 〈輪姦記録〉 挿入男根:28本 射精回数:79発 (膣50・口13・尻10・乳4・顔1・外1) |
彼をこれまで躊躇わせていた存在、それはまだそこに居る。何も語らない瞳で、しかし大いに熱気を迸らせて、じっとりとしつこい目線をこちらに送ってくる存在。佳彦だ。 バスからこの部屋まで、一団の最後尾に付いてきて、そのまま今も入り口付近に座っている。どうして佳彦が居残るのか、比嘉にはいまださっぱり分からない。狂気の沙汰だと思った、そう仕向けた人間も、素直に従っている彼自身も。 「ワッ、フゥ……」 有紀が軽い呻きを発して前に倒れる。服部が気を利かせて仰向けになってくれたのだ。おかげで比嘉は挿入しやすい位置に女体の背を眺め降ろすことが出来た。合体中の服部に覆いかぶさって、有紀の臀部から背中にかけての曲線が鮮烈に艶めかしく映える。もう辛抱堪らんと、比嘉はその尻に手を掛けた。 いつだったか、学校の階段で、彼女の尻を下から眺める機会があった。バレてはまずい、そうは知りながらも、彼は盗み見ないわけにいかなかった。網タイツの奥、ショッキングピンクに黒いラインの入ったテカテカした下着。そしてその脇からあり余る脂肪の丸み。鮮明に記憶している。これで彼の中のオカズは、さらにリアリティを増したのだ。 「ンウヴンンフ……ッ!」 排泄器官にまた硬いものが逆流してきて、有紀は口の中に居る同種のものをモゴモゴしながら呻った。 三つの内二つまで埋まっていたから、比嘉が選べるプレイスポットは一穴しかなかった。もっとも、彼にとっては端から望むところである。アナルファック、初めての体験。 熱い熱い圧迫が握り締めてくる。進ませると、思いのほかスムーズに入った。むしろ、あれよあれよと言う間に引き込まれていく感じ。気がついたら、根元までいっていた。モジャモジャした陰毛で、桜色に縁取られたおちょぼ口がすっかり隠れてしまう。今、彼の全部が彼女の中に居た。 「ああ……」 声が出ていた。廊下で幾度となく見送った、プリプリ揺れるあの尻。ハイヒールの靴音高く、その度左右に触れていたあの尻を、妄想ではなく現実に征服したのだ。 それは、これまでの躊躇が嘘みたいに小さく感じられる程の感動だった。息子の眼前で犯す禁忌の所業、いや、彼だけでなく、それ以外の生 徒だって居る前で、しかし踏み出したこの一歩は大きかった。きっと、何か大事なものを失っただろう。教師として、人間として。いずれ後悔する日が来るかもしれない。だが今は悩まない。素直にクズだと認めよう。性欲に支配された、ただの獣でいいじゃないか。 「ああ……くっ……」 されている方以上に気分を出して、比嘉は肛虐を愉しんだ。教え子らの前で、保護者を犯すことを。否、決して背徳が彼の心を昂らせているのではない。もっと純粋に、快楽への探求心が勝ったのだ。立場も理性も吹っ飛んだ。 「ンボヘ……エ……ッ!」 人並み以上にサイズの大きい剛直で、しかも遠慮なしに激しく摩擦を繰り返され、有紀は背筋をピーンと硬直させて震えた。ブベッ、ブボッ、と肛口の縁から粘り気を伴った空気が漏れる。 この激しさは、下で頑張っていた服部にも影響した。壁越しに伝わる振動と熱、さらには自分が使っている穴自身の悦び方にも圧倒されて、射精してしまったのだ。 「おほぉ……気持ちよかった……」 しばらく待って、全部出しきった後、服部は女肉の下から這い出た。 彼に代わってその場所を受け持つのは藪塚である。比嘉は服部がしてくれたように、今度は自分が仰向けに体勢を変えて、藪塚が入れやすいようにしてやった。 「ンンミイィー……ッ!」 前倒し状態から一気に反り返させられる有紀。この頭の遠心移動は地味に体力を消耗する。加えて、移動後にすぐ口を塞がれるのもこたえた。どんな体位になろうと、袋田はすぐ付いてきて口腔に収まるのだ。 「ンブッ、ンゴッ、ブヒッ、ウヒッ……!」 前よりもっと高い位置へ快感の水位が上がったのではないかと思われる程、有紀は意識を高みへ飛ばした。キーンと耳鳴りするような緊張感か、逆に一切の力みを失った弛緩か、まるで自覚出来ない体調。だがもやは混乱もしない。ただされるがまま。 「フン、フン、フン……ッ!」 上の藪塚は相手のふくらはぎを高々と肩に乗せて、一気呵成にリビドーをぶつける。下の比嘉といい、どうもこの二人は速くて大きなグラインドに方向を見出しているようだ。おまけに両者とも体格が良く、そうして剛直も並より太く長い。 「グフィイィー……ッ!」 有紀はすっかり正体を失って、宇宙を彷徨うかのよう。その下半身にて、発火しそうなまでにドスドスと叩き込まれる二本の肉棒。これらが発動機となって、彼女を果てまでぶち上げる。 彼らが剛だとすると、こちらは柔とも言うべき袋田、強い振動を受けながらも静かに我が事を終えた。 「可愛いもんだ」 頬に張り付いたほつれ毛を直してやりながら、自分の汁を飲む女を撫でてやる。ただその顔を見た何人の人が、彼同様に“可愛い”と讃えるかどうか。かつて傍若無人に取り澄ましていた彼女も今は昔、現在はあの世へ逝ったかのような目つきである。 袋田はすぐさま矢板にバトンタッチ。矢板は笑顔で友人の排泄し終えた口に性具を挿し入れた。まるで小便器の順番待ちをしていたかのようだった。有紀は呆けた口を開いたまま、勝手に男根を頬張らされる。外からは、くわえる相手の変わったことに気付いていないようにも見えた。 比嘉は下から乳房を鷲掴みにして揉み回した。ちょうど雅也がそこで淫ら遊びを終えた直後である。だから、乳房を握る手にも、青くさい吐き終わりが付着した。だがそれでも構うことはない。教え子の精液に触れようと、彼の目に己の痴態を焼き付けようと、もうどうでもよかった。それ程までに、良かった。 過去に“無能”とまで罵られた憎むべき敵。比嘉の歪んだ欲望は、彼女を否定しながらも妄想で凌辱することで調和を図ってきた。だが今はどうだろう。不思議と憎しみはなかった。逆に憐みもない。袋田ではないが、愛おしさのようなものだけが湧いてくる。 彼女のみならず、男達の方でも心境に些か変化が見られだしていた。一つには長丁場のせいであり、また一つには一体感のせいであり。情とは千変万化、流転し続けるものらしい。 ここに一人、新たな具体的行動に出る者も居た。すると、目ざとくそれに気づいた者達が傍へ寄ってくる。 「何してんの、金光君?」 佳彦はビクッと肩をこわばらせて、手の動きを止める。その手は股間の上にあった。被服越しではあるが、彼は初めての自慰を試みていたのである。誰に教えられたわけでもなく、本能的に、興奮を鎮めようと。 「オナニー、してたの?」 祥吾が言った。 「お母さん見ながら?」 雅也も言った。二人は立ったまま、床に座り込んでいた佳彦を見下ろしている。その表情に感情の起伏は見えなかった。 佳彦は答えない。ビクビクしながら尋問に耐えている。彼は初めての自慰を同級生に見つかったのだ。 「おばさん、レ イプされてるんだよ。いいの?」 「自分のママがセックスしてるの見て、興奮出来るんだ?」 同級生達は口々に言った。責めているようでもあり、尋ねているだけのようでもあった。またその顔は、笑っているようでもあり、軽蔑しているようでもあった。 わずか数分前にも、子種汁を女に発射した二人。雅也は乳に、祥吾は頭髪にそれぞれ擦り付けて発散した。そしてその足で、女の息子のもとへ来た。 佳彦は沈黙を守っている。 「変態だね、君」 「マザコンってさ、ほんとに母親とセックスしたいんだ」 普段と力関係が逆転した。顎で使ってきた二人に、何も言い返せない。虎であったはずの母から、もう借りられる威は無い。 祥吾と雅也は、佳彦を挟んで座った。 「金光君のおばさんさ、すっげえ気持ちよかったよ」 実のところ、二人にはまだ戸惑いがあった。急に力を得てしまって、まだ使いこなせている気がしないのだ。ただ彼らを支えていたのは、相手との圧倒的な経験の差、そしてそこから来る自信である。男と少年の違いだった。 彼らは自分達の実力を、一つ一つ確信していけるように、とつとつと言葉を紡ぎだす。 「金光君もさ、おばさんとヤりたい? ヤッてみたら?」 この時、もしこのまま何事もなければ、この審問会に何らかの結論が出たかもしれない。しかし実際には、最後の発言と、それを聞いて佳彦が顔を上げたのと、慶介が注進を告げたのとはほぼ同時であり、会話は中断されることになった。 「旦那さん来たよ」 〈つづく〉 〈現在の位置関係〉 ▼中広間 有紀、佳彦、慶介、浩樹、竜二、小林、比嘉、祥吾、雅也、服部、藪塚、矢板、鎌先、羽根沢、森岳、沼尻 ▼大浴場 前原 ▼廊下 金光、花村、猪瀬、舛添、村本、袋田 ▼玄関前 松倉、七里川 ▼移動中 島田、鈴木、浪岡 ▼帰宅 高橋、俊之、克弘、恵太、優斗、豊、聡、翼、清美、瑞穂 〈輪姦記録〉 挿入男根:28本 射精回数:83発 (膣51・口14・尻10・乳5・顔1・髪1・外1) |
* 「ふう……」 前原は湯船に浸かって溜め息をついた。大浴場が貸切だ。しかしちっとも嬉しくない。 宿に到着した当初、これからどうなるものかと身構えたが、部屋を与えられ、入浴を勧められ、なんだかんだで人並みの扱い。捕虜には礼を以て遇するということだろうか。 荷物は部屋に入れてきた。旅館的でも、ビジネスホテル的でもない、前時代の文化住宅みたいな垢抜けない部屋。とにかく造りが古い。土壁とか柱にはひっかき傷があちこち見られた。それでも鍵が掛かるだけ有り難く――とはいえ、奴らならば簡単に開けられるのだろう、などと考えると不安は尽きないが――今は文句をこらえてやり過ごすことにした。 実際、ここの宿泊料金は格安であり、日頃は学生らの合宿に利用されもする。あるいは温泉マニアがわざわざ探して当てて来るか、安さのみに惹かれて変わり者が来るか、外からの客はそんなもの。大体が期待もしていず、安いので文句も言わない。 「(それにしても――)」 前原は湯をすくって、バシャバシャと顔を洗った。先程嫌と言う程洗ったが、まだにおいが付いているような気がする。 「(あいつら……)」 彼が別行動をしている間も、鬼畜の所業は飽きずに続いているらしい。頭を振って、その事実を遠ざける。忘れてしまおうと思った。もうそれしか出来ることはないと。 だが思考は続く。結局、比嘉という熱血漢も、服部という刑事も、みんなグルだった。 「(そりゃまあ、そうだろうな)」 分かってみれば、なんら驚くに値しない。あるいは、後から仲間になったのかもしれないが、そんなことはどちらでもよかった。この分ではほかの二人、島田や鈴木も同類なのだろう。 「はあ……」 溜め息をついて湯に沈む。監視はされていないようだ。今の内に逃げ出せないか、ふと思った。来る時に車窓を見ていると、随分急な山道を走ってきたようだったが、あの暗い道を走って下り、行ける所まで行くか。それとも、鍵を閉めて部屋にこもり、朝一番で車を呼ぶか。 やがて、いずれかに決心した彼は、すっくと浴槽から立ち上がった。 * 「おお~っ!」 出会い頭に合体して、七里川は卑猥に歓喜した。組み合う相手とは縁もゆかりもない。顔も知らない。なんとなれば、彼女の夫、金光議員のことさえ知らなかった。そんな輩が、今しがた会ったばかりの女と子作りしている。 「初回からアナルとは、こりゃ参ったね」 松倉もその点同様。しかも彼は、肛門性交というイレギュラーなプレイを見ず知らずの人妻といきなり行っていた。二人は、比嘉と服部が折よく終わったのを見て、挨拶もそこそこに早速輪姦に連なったものだ。 「やれやれ……」 新人二人の悦びようを横目で追いながら、島田は呆れ顔を浮かべた。 「それで、首尾は」 向き直って小林に尋ねる。 「ああ、僕もさっきまた一発ヤッてね。なんとアナルですよ。それからまあ、ずうっとあんな風に、三つの穴を塞ぎっぱなしで……」 「いや、そんなことを訊いているんじゃない」 とぼけた答えに焦れる島田。 「分かってますよ」 小林は笑いながら現状を報告した。前原を別室に泊めていること、金光らは大広間に入ったこと、そして袋田と藪塚もそちらへ奉仕に回ったこと。 「それでまあ、こっちはこの通り、みんなで仲良くやってますよ」 それは聞かなくても分かる、と島田は応じ、とりあえず状況を把握して一息ついた。だが、落ち着くには至らない。そして、“こいつらには不安はないのだろうか”と訝しんだ。 その気を知ってか知らずか、慶介が寄ってきて、人懐っこく言う。 「おっちゃんもヤるんでしょ」 いかにも気楽そうな声音である。それを聞いて、彼らには後先の計算も何もない、というのがはっきりした。こんな所まで無理矢理引っ張ってきて、わざわざ延長戦をやろうというのも、結局は目先の欲望に駆られているだけだ。 金光を連れてきたのも場当たり的な対応だった。当初は、運動会の開催中にケリをつけ、旦那が帰宅する前に自宅へ送り届ける手はずだったのが、打ち上げに乗じて延長、挙句場所を移してまた延長。その上、金光までがこの同じ屋根の下に。 「(確かに、あいつがここにいる限り、妻の所在が問題になることはなかろうが、しかし――)」 ワイワイ騒ぐ一同を見回しては眉をひそめる。 「あんまり大きな声出すと、聞こえちゃうよ」 鈴木が大広間を意識してたしなめると、服部も、 「そうだそうだ」 と同調し、唇の前に人差し指を立てた。 七里川はわざとらしく照れを作りながら肩をすくめる。しかし、行為は止めず、むしろ激しさを増して、濡れそぼった勃起を肉穴でこすりまくった。尻の松倉、口の矢板も各々の悦楽壺を離そうとはしない。その奥に溜まった蜜を余さずこそげ取るようなつもりで、肉棒をねちっこく操った。 「ンア……カ、ハ……ッ!」 トロンとした目で明後日の方を見ている有紀。彼女の魂はここに無いようだ。首も座らず、一人ではもう用足しも出来ない状態。この部屋に来てからでも、小林、服部、浩樹、袋田、比嘉、藪塚、矢板と、常に三人同時の連続で凌辱され、またぞろ自然な流れで松倉、七里川を受け入れた。それが今朝から数えてちょうど三十本目のペニスだったことを彼女は自覚していない。 「いいペースだ」 鎌先は満足そうに言った。自分が開発した第三の穴によって、一度に参加出来るプレイヤーが増えたことを誇っているのである。曰く、“輪姦は回転率だ”とのこと。 もはや子 供をつくるというセックス本来の意義は無視され、さりとてなんの為かと再定義されもしない。どれだけ複数のオスと交わったところで、孕めるのは一人の種だけ。それなのに一日で三十人と交尾するなんて、交配としてなんの意味もなかった。そのなんの意味もない行為をしつこくやっているのが有紀という女である。 「ふうむ……」 どことなく以前と違う感想を抱いて、島田は腕を組んだ。今の有紀はいつもの毒々しい虚飾とは似ても似つかない、まるで憑き物が落ちたような、ある種の清々しささえ感じる風貌である。にっくき隣人、金光の妻であったのは本当に彼女だろうか。どことなくしおらくもあり、悩ましそうでもあり…… そんなことを考えていると、それを別な懸念のせいと捉え違えた慶介が、また明るく声を掛けてきた。 「大丈夫っすよ、こっちには警察も付いてるし。向こうより人数も多いし。いざとなったらなんとかなりますって」 あくまでも楽観論の彼である。 するとその時、その楽観路線をさらに助長しうる人物が入り口に現れた。 「よお、ヤッてるヤッてる、ハハ」 高橋である。既に帰宅したはずの彼が、なぜかそこに居た。高橋は、その疑問をぶつけられる前に自ら説明した。すなわち、鈴木から状況は聞かされており、居ても立っても居られなくなって、家族には飲みに行くと偽り出てきたとのことである。彼の後ろには鈴木が居た。いつの間に中座していたものか、玄関まで迎えに出ていたらしい。 「うわあ、しかし、狭い所にまあ大勢お揃いで」 高橋はニヤニヤしながら部屋の中央まで進んだ。大広間を金光用に確保した関係上、次に広い部屋が今の場所しかなかったのだが、それでも人数に比すると確かに圧迫感は否めなかった。 かつての仲間達が集まってきて旧交を温める。ちょうど矢板も終わって合流した。彼の跡は浪岡が継ぐ。 「チンポまみれで嬉しそうだな、この淫乱女」 大きく笑っている内に、高橋の股間は隆起しだしていた。次に空きが出れば、間違いなく入るだろう。 “また厄介な奴が戻ってきたな”という目で島田が見ていると、高橋がふいに振り向いて訊いた。 「あいつ、居るんでしょ?」 途中離れていた為もあってか、彼の怨恨はいまだ衰えていないらしい。それが今再び発露しようとしていた。 〈つづく〉 〈現在の位置関係〉 ▼中広間 有紀、佳彦、慶介、浩樹、竜二、小林、比嘉、祥吾、雅也、服部、矢板、鎌先、羽根沢、森岳、沼尻、島田、鈴木、浪岡、松倉、七里川、高橋 ▼大浴場 前原 ▼大広間 金光、花村、猪瀬、舛添、村本、袋田、藪塚 ▼帰宅 俊之、克弘、恵太、優斗、豊、聡、翼、清美、瑞穂 〈輪姦記録〉 挿入男根:30本 射精回数:86発 (膣52・口15・尻11・乳5・顔1・髪1・外1) |
この企画は高橋と鎌先が立ち上げたものである。金光への憤懣いまだやるかたなき高橋は、なんとかしてこの憎き仇にもう一泡吹かせようと企んでいた。夫と同じ館内にて妻を寝取る、それだけでは飽き足らなかったのである。そこでまず考え付いたのが、金光のごく近くまで、例えば部屋の扉の前まで行って妻を犯すというものだった。 この考えを聞いて、 「それだったら、こういうのはどうです?」 と更なる提案をしたのが鎌先である。彼が以前にローションを取り出したポシェットには、そのほかの遊び道具乃至は仕事道具が入っていたが、その中から、今度はレスラー向けのマスクを取り出したのだ。 また、彼はオレンジ色のロープも取り出した。それが今、舞台上の女の腕を後ろ手に縛っているものである。 「おいおい、そんなことをして……」 トントン拍子に計画が進んでいくことに焦る島田。普通自分の妻が目の前に出てきて気づかないなんてことがあるだろうか、と。 「いやあ、意外と分からないもんですよ」 とは鎌先。酔っていればなおさらのこと、顔が見えないだけで同定出来ないものだと、何やら経験則から導き出した答えらしく言い切った。確かに、妻がそんなことになっているなんて、社会通念上予見し得る可能性はなさそうだが。 他方、露見しても構わないじゃないか、というのが高橋の意見で、彼としては、その場合に金光がどう出るか見ものだという。むしろ、事実を知らしめてこそ復讐の完了だとの見解だ。 「そんな無茶苦茶な……」 島田はなおも戸惑ったが、彼に同調する者は生憎いなかった。腹心と思われた鈴木ですら高橋の意見に傾いている様子だ。長丁場に及び、さらには有紀に対する感情も変化していく中で、皆の思考が飽和状態になっていた為もあったろう。島田自体、何に拘って悩んでいるのか、段々分からなくなってきた。 「ヤベえ、それスゲーじゃん」 楽観論者の不良少年らには元より否やはない。計画が固まっていくに従って、どんどんと興奮の度を増していった。 結局、松倉、七里川、浪岡がそれぞれの番を終えた段階で輪姦は一時休止となり、慰み女は件の覆面をかぶせられ、ボール状の口枷をはめられることとなった。口枷は万が一彼女が余計なことを口走った場合の保険であり、且つ鎌先のSM嗜好を満たす装置である。 有紀はそのまま囚人よろしく護送されていく。この間、彼女の意見が聴取された機会は一度もない。今まで通り当然に、可否の権限はなかった。人格を顧みられないというその意味で、囚人というよりはむしろ家畜といった方が適切かもしれない。縄で引っ張られ、歩かされる様子は、実際競りに引き出される雌牛のようだった。その豊満な乳が余計にその見立てを助長する。 一行は、先行した鎌先、それに呼び出された袋田の手引きで、ゾロゾロと揃って宴会場の外まで移動した。大広間はせいぜい五十名程が入れる規模のものだが、一丁前に舞台を備えており、下手のみとはいえ袖もある。さらには、その袖の奥に控室を想定した小部屋も付属していた。まずはそこへ入る。 「狭いなあ」 思わず高橋がそう呟いた程、小部屋は狭かった。本来の部屋の規模もさることながら、段ボール箱やら何やらが積み上げられている為、余計である。折角壁面に取り付けてある鏡も、その荷物の影となって覗き見ることが出来ない。 「全然使わないんでねえ」 袋田が小声で言い訳した。元々は先代オーナーの趣味でしつらえられた舞台だが、その存命中こそ素人芝居やカラオケ大会に利用されたものの、いつしか利用者もなくなり、控室に至っては今やすっかり物置と化していた。 ここまで付いてきた者達も、到底全員入れないので、主役の有紀、司会進行の鎌先、そして高橋だけが入った。それでもギュウギュウ詰めである。他の者らは手持無沙汰に廊下に屯する。 と、そこを割って、矢板が入って行った。入れ替わる形で高橋が押し出される。矢板はどこからか持ってきた濡れタオルで有紀の体を拭いていった。一応客前に出るのだから、と気を回したものだ。もっとも、あくまで簡略にであり、使い込まれた排泄穴なぞは奥まで綺麗に出来なかった。だから、直前に注がれた七里川や松倉の吐き散らかしは股間の奥に満たしたままで出演しなければならなかった。 間もなくして、鎌先の呼び込みに続き、有紀は千鳥足で舞台へ上がった。ただ連れられるがまま、訳も分からずである。実のところ、舞台の上に乗せられてもまだ何が起こっているのか理解出来ないでいた。 「――さあ、まずは身体測定と参りましょう」 鎌先の進行に応じ、渡されたメジャーを高橋が助手らしく有紀の体にあてがっていく。 「ええ……バストが……101センチ!」 “おお~!”と感嘆とも呆れともとれるどよめきが客席で起こる。続けざまに、“ウエスト57センチ”“ヒップ99センチ”と発表されたが、やはり最初の反応が一番大きかった。 「AV女優かよ」 花村が例えると、周囲から笑いが漏れた。先程鎌先はグラビアアイドルを引き合いに出したが、裸で人前に立つ様を表現するには、花村の方がより現実に即していた。 鎌先はアンダーバストも計測。その値は66センチであった為、形式的計算で“Kカップ”であると発表した。その時は再び客席がどよめいた。 「“K”っていうとなんだい、そんなサイズがあるのかい」 と猪瀬が口走れば、 「いやあ、でも実際あの大きさはただ事じゃありませんよ」 と舛添が応じる。二人に共通しているのは、その鼻の下がすっかり伸びている点だった。 「ほんとにAVみたいな体型ですよ、ねえ?」 手を打って、花村が金光に笑いかける。 「ああ」 金光はそれへ曖昧に応じながら、隣で藪塚が、“A、B、C……”と歌いながら指を折って数えているのを苦笑しながら見ていた。金光がさほど驚嘆しないのは、いつも身近に見ているものがあるからだった…… 「なんとご立派なボディをお持ちの奥様でしょうか」 鎌先がそう語る中、高橋は“奥様”の背後に回って、その出っ張った塊をむんずと鷲掴んで持ち上げる。 「ああ、しかもなんということでしょう。Kカップの先から白いお汁が漏れております!」 「んん~?」 実況の声を聞き、金光が眉間に皺寄せて首を前に出す。 「母乳です! ミルクです! これは驚きました。ミルクの出そうなお乳と言おうとしていたら、本当に出てしまいました」 確かに乳首からは母乳が出ていた。ただ、勢いよく前に飛んだというよりは、乳房の輪郭に沿って真下へ滴り落ちたと言った方が良く、その線もか細かったので客席からは見えづらかった。 それを鋭敏に察知した司会者が、客へ呼びかける。 「さあさあ、どうぞ、皆様もっと前へいらして下さい。どうぞ、もっと近くで見て頂いて構いませんよ」 誘いを受けて、皆膳を離れて舞台に近づく。中でも村本がいち早く動いた。彼はこのショーが始まってからというもの、それ以前とは一転して口数が少なくなっている。いつもなら、権力者を最優先で盛り立てる彼なのに。 客が近づいてきたので、見えてはまずいと焦った島田が袖から控室まで下がった。それが急だったので、後ろにいた連中がもう少しで声を上げそうになる。出演者が舞台に出た後、後続の者らが順次控室から舞台袖へと進んでいたのである。 高橋はそれに気づかず、マスクの中では別の意味でニヤニヤ笑いながら、夫へ妻の乳搾りを見せつけた。かなり力を込めて揉んだので、呆けた女も痛がる程だった。 「ウッ、ウウッ……」 辛そうにする覆面女。だがその声は空間に広がらず、ボールギャグの隙間からよだれを垂らすだけだった。 「おおっと、奥さん見られて興奮しているんでしょうか。乳首がビンビンに起っております」 鎌先は当人の本心を知ってか知らずか、勝手な実況を続ける。それは高橋が金光を横目で見ながら、乳頭を口いっぱい吸い込んだ際にも同様だった。 「“ボインは赤ちゃんの為にある”と先人は申しました。それがどうでしょう。今や、赤ちゃんの為のミルクが、よその男に吸われております。なんと破廉恥なママさんでしょうか」 客達はくさいセリフに苦笑いしながらも、男に乳房をなぶられる覆面母を身を乗り出して凝視した。 と、ここで下手からもう一人の覆面男が登場した。覆面は三枚セットで用意されていたのである。今度の男も、やはりパンツ一丁。その正体は慶介だった。 「さあ、ここでタッグマッチです。いや競争でしょうか。Kカップの爆乳大玉転がしです」 今日の運動会が頭に残っていたのであろう、鎌先の口からとっさにそんな例えが出た。これは他の者にもイメージしやすいものだった。 「上手い事言うねえ」 「こんな大玉転がしだったらやりたいねえ」 と、概ね好評である。 二人の頭を胸にぶら下げる有紀。まさに自分が“金光有紀”であるという自覚を取り戻したのはその時だった。彼女は心まで覆面をかぶったが如く、正体不明の境地だったのである。 「(これは……何?)」 ゆっくりと意識が頭をもたげてくる。ちょうど昂りの波が下降していくのと反比例していた。 「(何を……?)」 両の瞳が見知った顔を捉えて離さない。さっきから視界に収めてはいたし、それが誰かも認識はしていた。 「(これは……おかしい……)」 彼女はようやっと現実の異常さに気が付いた。さながらメモリを使い過ぎたコンピュータの如く、計算処理が遅くなっているのが今の彼女なのだ。 「(これは、おかしい!)」 遂に処理が追いついた。彼女は確信した。 〈つづく〉 〈現在の位置関係〉 ▼大広間 有紀、金光、花村、猪瀬、舛添、村本、藪塚、前原、鎌先、高橋、慶介 ▼舞台袖 島田、浩樹 ▼控室 竜二、鈴木、小林 ▼廊下 佳彦、比嘉、服部、祥吾、雅也、矢板、羽根沢、森岳、沼尻、浪岡、松倉、七里川、袋田 ▼帰宅 俊之、克弘、恵太、優斗、豊、聡、翼、清美、瑞穂 〈輪姦記録〉 挿入男根:30本 射精回数:89発 (膣53・口16・尻12・乳5・顔1・髪1・外1) |
「ンヴォオアー……ッ!」 有紀は呻く、口かせである球体の隙間からダラダラ、ダラダラと唾を垂らして。身をよじってみるが、思い通りに体を制御できない。今更ながらに、彼女は両手を拘束されていることを意識した。 縄目が手首に食い込んで肌を赤く染める。突き出さざるをえない乳房が肩を揺する度にプルンプルンと弾み、その稜線へ落ちたよだれを、突端からツーッと滴らせた。それが何滴にも及び、足元の床を濡らす。フラフラと不安定な足は、そのぬめりを何度も踏みしめた。 金光がこちらを見ている。己の妻が全裸で縛られ、衆人の好奇の目にさらされているのを見ている。マスクのおかげでこちらの表情までは悟られないが、黒目をギョロリと覗かせれば、確かに彼の姿を捉えられた。彼女の目はまるでいきり立った暴れ馬のように粗野な印象を鑑賞者に与えるものだった。 そういった印象は、彼と初めて会った時、それは見合いの席だったが、むしろ有紀の方が感じたものだ。当時四十を超えたばかりだったはずの彼だが、酒太りの出っ腹、黒ずんだ顔色、脂ぎった頭髪のせいで、実年齢以上に老けて見えた。おまけに無遠慮に大声で話す。威圧感。 結婚前はОL勤めをしていた有紀。勤め先である会社の部長は、その頃五十代だったが、ちょうどそれ位な貫禄はあった。ただその上司と異なったのは、金光の方が自信に満ち満ちていた点である。 それが何に裏打ちされたものかは、程なくして分かった。ひとえに財産だ。権力者としてこの町を支配し、幼少期からわがまま放題に育ってきた。彼の言い分が通らなかったことはなく、有紀の身も何らの支障なく手に入れた。見合いとは形式上のこと、実際には“指名”だったのである。 「さあ、御開帳です」 がっしりと両脇から抑えつけられ、床に尻もちをつかされてМ字型に開脚させられる。傍目には抵抗らしい抵抗もせずに従ったかに見えた。それ程彼女の腕力が弱まり、彼我の差が圧倒的だったからである。 「ほお」 じっとりと粘っこい目線を局部へ注ぐ客の中に、もちろん金光もいた。こんな対面の仕方を、あの見合いの席で一体誰が想像しえただろうか。花嫁がいずれ舞台上で股間の割れ目を見せびらかすようになるなんて。もし知っていたら、婚約は取りやめになったろうか。 グッ、グッと一層の力が込められ、両腿がほとんど百八十度に近く広げられていく。いまや縮れ毛の茂みはおろか、それに守られるべき秘所も白日の下にさらされていく。 「フゥー……フゴォー……!」 このまま出産でもしそうな程に鼻息を荒げ、必死に視線だけは逃す有紀。正体がバレるのも時間の問題だ、そう思った。 しかし、予期に反し、夫から異議の申し立ては出ない。まるでオークションに出品された商品の品定めでもするかのように、ただじっくりと肉体を凝視するのみだ。 「(ああ、そういえば、そういう人だった)」 心の片隅で有紀は思い出していた。初対面の時からそうだったと。相手に与える自分の印象には頓着せず、ただ一方的に相手だけを批評するような態度。それは、ただ相手の外観を値踏みするものであり、ちょうど今みたようなことで、彼の目線は、例えば檻の外から動物を眺めるようなデリカシーの無さであり、第一印象で直ちに嫌悪感を抱いたものだ。 後に分かったことであるが、金光は有紀にというよりも、その肉体に興味があったのである。その意味で、実は有紀が結婚相手でなくてもよかった。彼女が眼鏡に適う容姿をしていたからたまたま合格だったのだ。 無論、金光の当主に相応しい、最低限度の氏素性は必要とされる。有紀は、その点問題なかった。彼女の実家、高輪家は、かつてこの町を含む周辺一帯に影響を及ぼす程の名家であった。しかし、時代の流れには逆らえず、また事業の失敗も重なって没落の一途をたどっていた。そこへ救いの手を差し伸べたのが金光家で、その対価として彼女はいわば買われたのである。 一方で、金光家は歴史が浅い。金光の初代、すなわち現当主の祖父は元々この国の生まれではなく、それが戦後のどさくさに紛れて居座り、ならず者を集めては徒党を組んで、闇市、賭博、違法薬物の売買などの裏稼業で荒稼ぎして闇のシンジケートを形成、いつの間にか地域で隠然たる勢力を築くに至った。その後は帰化し、一子は政界に進出。さらにその子が当代、すなわち三代目というわけである。要するに成り上がりだ。 だからこそ地場の旧家と結びつきを強めて、という見立てが成り立たないではないが、潤沢に資金があり、地位も固めた今となってはその必要性は低い。よって、有紀を選んだのは、若さと美貌、なかんずくその豊満な乳房という、純粋に金光の趣味によるものである。 「おや、なんだい、もうビショビショじゃないか」 客席から目ざとい指摘が飛ぶ。開かれた股間はパックリと殻を開いた浜焼きのハマグリの如くにみずみずしかった。塩気と汁気をふんだんに湛え、ふっくらと盛り上がった身もジューシーで。そこへ舞台照明がテラテラと反射するものだから、なおさら湿り気が目立つ。湯気すら上がっていそうだ。 「おやおや、ほんとですねえ。マゾッ気があり過ぎて、感じちゃったのかな?」 司会者は一旦そう受けたが、男優の指によって貝の身の中まで押し広げられれば、さすがに不自然な程の汁が溢れ出たので誤魔化し切れず、 「いやあ、実はですね、ヒカルちゃん、今日も朝からお店に出ておりまして、つい先程までもサービスをしておりましたので――」 と、とうとう言い訳に出た。 それを聞いた金光は皮肉ったらしく笑う。 「ガハハ、とんだ人妻だな、朝から風俗とは。旦那は何やってる」 取り巻きの舛添と猪瀬も、“ほんとだ”と、手を打って同調した。 事情を知っている者らは、別の意味でほくそ笑む。舞台上では高橋が、 「(旦那はオメーだよ、バーカ)」 と、勝ち誇って唇を歪めた。そうして、彼の妻の恥部を、その緩んだ恥肉のひだをさらに拡張するが如く引っ張って、グチョグチョと派手な音を鳴らして聞かせた。ほんの十分も経たぬ前に中出しされた精液が、その音の主たる成分なのは言うまでもない。 ライトに照らされて、内部まであからさまにさらされた恥穴は、ジリジリと焼けるような熱を持つ。縮れ毛も焦げるかという程に。それは舞台照明のせいばかりではない。産婦人科でもあるまいに、ここまでまじまじと性器が他人に見つめられることはないわけだ。本来なら夫や恋人しか知らない部分なのである。 ちなみに、金光はクンニリングスをしたことがないし、出産にも立ち会っていないから、妻のそこをここまで確認したのは初めてであった。 「当店きっての大人気嬢ヒカルちゃん。今夜はお客様達だけに特別サービスで急遽駆け付けたのでございます」 開き直った司会者が、逆に恩着せがましくアピールしだす。かかる“大人気”の実態は、真相を知らぬ者には到底想像し得ない内容だ。 すると、その一端を垣間見せるが如く、高橋はさらに有紀をそっくり返した。股を開いたままで後ろへ倒れる姿勢となり、陰唇の下、すなわち尻の方まで見えるようになる。 「んん?」 客らはすぐにその部分の異変に気付いた。暗に想定していた形と違っていたからである、肛門が。それもそのはず、そこはもはや排泄口ではなく、精液の注入口に変貌しているのだ。かれこれ十本以上もの太い肉棒を突っ込まれれば、もう元の形には戻らない。 「フホオォ……」 尻性器の人妻は、観念してため息をついた。のけ反ったことで視線が天井を向く。顔を客席へ向けないだけ、心理的に楽だった。だが、その安堵を見透かしたように、高橋の手が後ろから頭を持ち上げる。結局、尻穴を見せながら顔も見せないといけなくなった。“これがわたしの犯され肛門です”とばかりに。 「なんとなんと、どスケベな奥様はお尻の方もイケる口でございまして――」 鎌先の解説を聞いて、驚きとも呆れともつかぬ感嘆の声が巻き起こる。 そんな中、高橋が己の下着をずらしにかかった。たちまち隆々とした勃起が露わになる。彼には羞恥も遠慮もない。覆面の下でニヤニヤと笑っている。 客からすれば男のヌードなどに興味はないが、この場合特別な展開があろうことは明らかなだけに、皆固唾を飲んで見守っていた。一瞬はシンと静まり返った程だ。 覆面男高橋は女の背後からその両腿に手をかけて抱え上げた。ちょうど、いきり立った男根が彼女の股間下に位置する高さまで。後は彼の先端がどちらの穴に収まるか、それだけが問題だった。 〈つづく〉 〈現在の位置関係〉 ▼大広間 有紀、金光、花村、猪瀬、舛添、村本、藪塚、前原、鎌先、高橋、慶介 ▼舞台袖 島田、浩樹 ▼控室 竜二、鈴木、小林 ▼廊下 佳彦、比嘉、服部、祥吾、雅也、矢板、羽根沢、森岳、沼尻、浪岡、松倉、七里川、袋田 ▼帰宅 俊之、克弘、恵太、優斗、豊、聡、翼、清美、瑞穂 〈輪姦記録〉 挿入男根:30本 射精回数:89発 (膣53・口16・尻12・乳5・顔1・髪1・外1) |