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なお、掲載している小説はすべて虚構であり、実在の人物・団体等とは一切の関係がございません。

    
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妄想の座敷牢羞恥の風ましゅまろくらぶ



小説には、連続作品と一話完結作品があります。連続作品は、左「カテゴリ」の各作品名より一話から順番に読むことができます。また「目次」には、各作品の概要などをまとめた記事が集められています。

■連続作品
◆長編作品
「子宝混浴『湯けむ輪』~美肌効姦~」

◆中編作品
「大輪動会~友母姦戦記~」
「青き山、揺れる」 ▼「師匠のお筆」

◆オムニバス
「母を犯されて」

◆短編作品
「育てる夫」  ▼「最後の願い」  ▼「ママの枕」  ▼「ブラック&ワイフ」
「夏のおばさん」  ▼「二回り三回り年下男」  ▼「兄と妻」

■一話完結
「ふんどし締めて」
「旧居出し納め・新居出し初め」  ▼「牛方と嫁っこ」  ▼「ガンカケ」
「祭りの声にまぎれて」  ▼「シーコイコイコイ!」  ▼「サルオナ」  ▼「母の独白」
「童貞卒業式」 ▼「お昼寝おばさん」  ▼「上手くやりたい」 ▼「珍休さんと水あめ女」
「栗の花匂う人」「乳搾りの手コキ」 ▼「妻つき餅」 ▼「いたずらの入り口」
「学食のおばさん便器」 ▼「山姥今様」 ▼「おしっこ、ついてきて。」

作品一覧

「青き山、揺れる」(62)

黄本に悪気があったわけではない。彼はただ単純に、今日の汚れを落とそうと風呂に入りに来ただけのことだ。それが思いもかけない先客に遭ったもので、とばっちりにも彼はびっくりして扉に手を掛けたまま固まってしまった。

一方赤井はたじろぐ様子も無く、そんな彼に気さくに声をかける。

「いいよ、入ってこいよ」

彼はしばし動きを止めて、黄本の入ってくるのを待った。

祐子も動きをやめ、ぼうっと彼の通り過ぎるのを見ていた。彼女が静止したのは、珍客の到来に驚いたからというよりも、快楽の極致で解放されたことに、思考がついていかないからだった。

だが、赤井の次の台詞で、ようやく素の自分を取り戻す。決して冷静に戻りたいわけではなかったのだが。

「今入れたとこなんだよ」

彼は言って、後輩をちょっと招き寄せた。

「見えるか、どこ入ってるか」

「あ、え……」

黄本は戸惑っている。しかし、彼にははっきりと見えているはずだ、膣ではない穴に陰茎の入っている様子が。

その言わずもがなの所を、赤井ははきはきと口にする。

「ケツマンコ。ケツマンコしてんだよ、今。……お前ら、こっちは全然使ってないらしいな」

まるで世間話でもする態で、彼は言う。そうして、再び出し入れを始めた。ズブズブと獣まがいの交尾をわざわざ見物させるわけである。

祐子はかすかに顔をそむけながらそれに堪えた。少し冷静に戻ってしまったが故に、余計に恥ずかしかった。そこへ、更なる仕打ちが襲いくる。

「最近“前”の方がちょっと緩くなってきてるじゃん? だからケツの方が締まりよくてイイんだよね」

相変わらずの噂話口調で、本人の前もお構いなしの赤井の言動である。その上、バチン、と尻をぶつ。完全に家畜を相手にしているような振る舞いだ。

肝心の話の内容について、黄本が同意しているのかどうかは分からない。だがもし、“前が緩い”というのが男たちの共通認識となっているのだと考えると、祐子にはぞっとするほどショッキングな話である。セックスで男を喜ばせられないなんて、女としてのプライドはガタガタだ。

考えてみれば、緑川なら平気でそんな風に思っていそうだし、あの白木でも実は影で笑っているのかもしれない。ひょっとしたら、黒岩が尻穴ばかりに挿入したがるのもそれが理由だろうか……、心配しだすと一気に不安になってくる。しかも日頃大衆の視線を浴びている人間がそんな不具者では、全くいい笑いものだ。

そういう不安を助長するかのように、さらに赤井は提案する。

「お前も入れてみるか?」

不意に言って、彼は実際肉棒を抜き去った。この上、この性の家畜を譲り渡そうという魂胆である。とんだ見下し方だ。しかも、これに黄本が応じれば、やっぱり彼も膣の締まりの悪さを肯定していることになりかねないわけだ。

(あ……)

長い物を腹から引っぱり出される感覚に、祐子はゾクゾクとして震えた。ただ、引き抜かれる瞬間は、彼女の中から刹那的に不安が消えていた。代わって別な不安、すなわちそこから男の去ることに対する寂寞のようなものが彼女の心を占めていった。

だから、黄本が、

「いや、いいっすよ……」

と断った時は、正直ほっとしたものだ、とりあえず今の男をまだくわえていられるからと。そして、ここで彼女の本能は気づいたものだ、結局のところ今現在の肉欲さえ満たせられればそれでいいではないかと。男根が肛門から抜ける時、排便以上の快感がただただあったが故である。

「そうか。まあ、前後同時は無理だからな、俺らじゃ……」

元より何の気遣いもない赤井は、ぼそりと独り言を言って自分の考えに沈んでいた。彼の言いたいのは、力士ならではの出っ腹のために、“前後”すなわち一人の女の“前”と“後ろ”両方の穴を二人で同時に塞ぐのは無理だということである。できないにしても、彼には一応そういう妄想のあることは知れた。

「でももう勃たないわけじゃないんだろ?」

なおも、やや挑発的に彼は後輩へと問いかけてみる。

その言葉に、思わず祐子も黄本の股間に視線を走らせた。早関心はそちらに移っていた。しかし、

「はあ……」

苦笑いを浮かべて、黄本はそのまま湯船につかってしまった。結局、余人にこの件の真偽のほどは分からずじまいである。

「じゃあ、続きしようか」

赤井はそれ以上追及せず、再び祐子をまぐわいに誘った。今度は立ち上がり、祐子に浴槽のへりへ手をつくように指図する。

余談だが、座位による対面での結合というのも彼らの多くには不可能な体位である。位置的に、肛門なぞはなおさらだ。これもやはり体格の故であり、殊に赤井は部屋一番の巨漢であるため絶望的であった。

もっとも、今度の姿勢については、別な目論見もあったようだ。

「祐子さん、ケツマンコ気持ちいい?」

彼は言いながら、パンパンと肌をぶつけてくる。無論、アヌスにペニスは串刺しである。

「ア……ええ……」

祐子は恥じらいながら、俯き加減で答えた。何しろ、湯に浸かる黄本と面と向かう格好なのである。腹に顔を押し付けてごまかせた、いつかのあの稽古場の状況より性質が悪い。まるっきり表情が隠せないのだ。

とはいえ、まっしぐらに性を謳歌しだした女は強い。状況をわきまえた上での赤井のじゃれ合いにも、ついつられたという体で乗っかりだすようになる。

「ズボズボ入るようになったもんねえ。チンポ入れられるの好き?」

彼の甘い誘いに、

「やだぁ……」

などと照れ混じりに返してみせる。いわゆる男の前での女の処し方だ。

「ねえ言ってよ。好き? チンポ」

男は男で、恋人気どりでなおも絡んでくる。女をいじめる楽しさである。

こうして二人は、傍観者を差し置いていちゃいちゃと猥談に花を咲かせ始めた。

「ほら、どうなの」

赤井は言って、彼女の乳房から腹、背中などをさわさわと撫で回していった。柔らかな肌に粟粒が浮きだす。

「ア……うん……す、好き……」

あまつさえ肉棒の出し入れを活発にされると、女はもうメロメロになって、恥じらいも無く本音を吐露してしまうのだった。

さらに、ぬけぬけと暴露したことには、赤井からの、

「じゃあ、こいつと俺とどっちのチンポの方が好き?」

との問いかけに対し、

「あ、赤井さんのチンポの方が、好き」

と、明快に答えたことである。

「黄本君より太くてぇ……お腹いっぱいで……」

こうも言った。

さすがに黄本のものが小さいとまでは言わなかったものの、これは彼の心にチクリと刺さる台詞だった。ここ努素毛部屋での彼女は確かに皆の公衆精液便所とはいうものの、彼女のことを一番想っているのは自分だという自負は依然揺るいだことがなかったからだ。

ところが、彼女の方は彼を特別視することもなく、“チンポ”であればどれでもいいというのが本心なのである。実のところ、赤井と黄本のそれで彼女の中にランク分けなどなく、今入れているものがあればそれでいいという価値観なのだ。黄本もとんだ女に憧れたものだが、彼女は一途とは縁遠いそういう肉欲家なのである。

「ア……ア……黄本くぅん、ごめんなさぁい……あ、赤井さん……チ、チンポ……ケ、ケツマンコ……イイのぉ……!」

祐子は豊乳をブランブラン揺らしながら、全身から汗を飛び散らせて狂い悶えた。あっけなく開き直ったものだ。

「どうだ。お前も勃起したらこっち来て犯せよ」

赤井もためらいなく下世話な勧誘を行う。

しかし、黄本はまだもじもじとして躊躇する風であった。


<つづく>




<目次>
(1)~(10)(11)~(20)(21)~(30)(31)~(40)(41)~(50)
(51)~(60)



ひとみの内緒話
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