おことわり
R18
このブログには、エッチなことがたくさん書いてあります。まだ18歳になっていない人が見ていい所ではありません。今からこんな所を見ていると、将来ダメ人間になってしまいます。早くほかのページへ移動してください。

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なお、掲載している小説はすべて虚構であり、実在の人物・団体等とは一切の関係がございません。

    
お知らせ
「オナこもりの小説」は、エロ小説を気ままにアップしていくブログです。たまに、AV女優や、TVで見た巨乳のことなども書いています。左サイドにある「カテゴリ」から、それっぽい項目を選んでご覧ください。



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妄想の座敷牢羞恥の風ましゅまろくらぶ



小説には、連続作品と一話完結作品があります。連続作品は、左「カテゴリ」の各作品名より一話から順番に読むことができます。また「目次」には、各作品の概要などをまとめた記事が集められています。

■連続作品
◆長編作品
「子宝混浴『湯けむ輪』~美肌効姦~」

◆中編作品
「大輪動会~友母姦戦記~」
「青き山、揺れる」 ▼「師匠のお筆」

◆オムニバス
「母を犯されて」

◆短編作品
「育てる夫」  ▼「最後の願い」  ▼「ママの枕」  ▼「ブラック&ワイフ」
「夏のおばさん」  ▼「二回り三回り年下男」  ▼「兄と妻」

■一話完結
「ふんどし締めて」
「旧居出し納め・新居出し初め」  ▼「牛方と嫁っこ」  ▼「ガンカケ」
「祭りの声にまぎれて」  ▼「シーコイコイコイ!」  ▼「サルオナ」  ▼「母の独白」
「童貞卒業式」 ▼「お昼寝おばさん」  ▼「上手くやりたい」 ▼「珍休さんと水あめ女」
「栗の花匂う人」「乳搾りの手コキ」 ▼「妻つき餅」 ▼「いたずらの入り口」
「学食のおばさん便器」 ▼「山姥今様」 ▼「おしっこ、ついてきて。」

作品一覧

ママの枕 ~ステージ11~


〈登場人物紹介〉




「お前まだ童貞だろ」

それがタイガに話しかけられた最初の言葉だった。彼と共演するドラマの撮影現場にて、二人っきりになった折のことだ。

「ドーテイ?」

コウは意味が分からずに目をパチクリさせた。これまでの仕事現場とは格段にスケールの違うスタッフの数、緊張感。そういったものに囲まれて、硬くなっていた時だった。

 そんな新参者を値踏みするかのように、タイガは冷めた目を向ける。

「悪りぃ、当然だよな」

コウの返答を聞いて形式的に笑いはしたが、彼の態度はあくまで高圧的だった。己の居る高みへ這い上がろうとする者へ、決して心を許しはしないとばかりに。その態度は、高学年生が未就学児へ対するものではなく、むしろ同業ライバルに対するそれだった。

 続いて彼の矛先は、ミナミへと移る。

「あれさ、あのおっぱいのデカい人、あれ、お前のママ?」

「う、うん」

コウは、“おっぱい”と言われて妙な気恥ずかしさを覚えながら肯いた。

 その母親がプロデューサーらと談笑するのを見ながら、タイガは、

「フーン、なるほどね……そういうことか……」

と、曰くありげに呟く。

 コウは、なんとなくこの年長者に恐れを抱いた。ただ、今回の仕事について母親から、その大きさ、大切さを散々聞かされてきた中で、とりわけ念入りに指図されたことがあった。それは、“タイガと友達になるように”ということだ。息子にとり、母の指令は絶対である。

 彼はタイガの横顔へおずおずと尋ねた。

「ねえ……ドーテイって何?」

「あ? セックスしたことない奴のことだよ」

タイガは、いかにも面倒くさそうに答えた。その剣呑な態度に恐れをなし、コウはセックスの意味まで質すことが出来なかった。

「あ、そうだ」

立ち去り際にタイガが言った。

「一応聞いとくけどさ、お前のママとセックスしていい?」

コウは意味が分からないながらも、とにかくブンブンと夢中で肯いてみせた。すると、この時ばかりはタイガも心からの大笑いを見せて、

「マジで? ……ま、ダメって言われても落とすけどさ」

と、嬉しそうに去って行った。

――次の収録の時、またタイガがコウへ話しかけてきた。

「よお、童貞

 この日の彼は機嫌が良さそうだった。そこでコウの方から先日の続きを切り出してみた。

「タイガ君、セックスしたの? ぼくのママと」

「お?」

タイガは先方から思いがけず言いだされ、一瞬面食らった様子だったが、相手が相変わらず無邪気なのを知って、今度はニヤニヤと満面の笑みを浮かべながら身を乗り出してきた。

「ああ、したよ。お前のママとセックスした。お前のママ、チョーよかったぜ。マジエロかったわ」

“エロ”という聞き慣れない言葉がまた出てきたが、なんとなく褒められているらしいことは分かり、コウはひとまず安心した。

 タイガは続ける。

「フェラも慣れてるしさ、さすが人妻って感じ? ていうか、枕でやりまくってるおかげかな」

続々と知らない単語が出てくる。コウは、それらを流暢に使いこなす先輩を見て、その大人っぽさに憧れを抱いた。

 それにしても、“セックス”の実体は相変わらずつかめない。それからというもの会う度ごとにそれについての話を聞かされて、おかげで二人の距離は縮まったが、タイガの話からは、結局どういうことをするものなのか、具体的にイメージすることができなかった。

 タイガもタイガで、コウが頭を悩ませている様子を面白がり、あえて順序立てて説明しようとはしてくれない。むしろ彼にとっては、一種のゲームのような感覚なのである。

「オマンコだよ、オ・マ・ン・コ。言ってみな」

「オマンコ?」

「そうそう、お前のママとオマンコしてるの」

「ママとオマンコ?」

首をかしげるコウを見て、タイガはゲラゲラ笑う。事情を知らない大人達には、子供同士ただただ仲良く遊んでいるようにしか見えなかった。

「まあ、マンコはゆるゆるだけどな。枕のやり過ぎなんだよ」

「ゆるゆる? マクラ?」

「ああ、お前のママ、ヤリマンだからガバマンなんだよ」

「ぼくのママ、ヤリマンで……ガバマン?」

コウの無知さ加減に、タイガはもはや笑いが止まらない。

「そうそう、多分その辺の男みんなにオマンコさせてるから」

 タイガの言い分によれば、知らないのはほとんど自分だけなのではないかという気になる。コウは少なからず焦りを覚えた。それでなくても、母とタイガが自分の知らない所で度々逢っているということに嫉妬を感じだした矢先だ。初めの頃こそ二人が仲良くなったことを喜びもしたが、除け者にされているようで段々と面白くなくなってきた。

 その上、

「ああ気持ちよかった。今ママに中出ししてきたぜ。お前のママエロいからさ、アヘ顔で“イく~イく~”ってオレにしがみついてさ、中出しされてイきまくってたぜ」

などと事後報告を聞かされ、一方で母からは何も聞かされず、素っ気ないとさえ取れる態度を見せられては、なおさらである。

「ねえねえ、なんなの? オマンコって何? マクラってなんなの?」

大分打ち解けて、近頃では兄に対するように甘えながらコウが迫っても、今一つ納得のいく説明はなく、返って問題は混迷を深めるばかり。

「ガバマンだけどさ、乳はいいんだよな。オレも色んな母親とヤッたけど、あのパイズリは中々……」

益々調子に乗って、年長者の揶揄は続く。

 だが、さすがにそれが繰り返されていくと、幼い者の心にもおぼろげながら感じるものが出来始めた。というのも、“おっぱい”とか、時には“ちんちん”などという単語が紛れ込みだしたからだ。コウは、まだ何かはっきりとはしないながらも、ただなんとなく胸騒ぎを覚えるようになった。

 それで次第に遊びではなく真面目に食い下がるようになった。そのしつこさが面倒になったタイガは、逆に尋ねた。

「ていうかさ、お前ネットとか見ないの?」

「うん、ママが見ちゃダメって」

それを聞いて、タイガは呆れた。自分ならインターネット検索でとっくに答えを出している所だからだ。仕方なしに質問を変える。

「ほかのヤツに聞かねえのかよ」

「え? なんで?」

コウは目を丸くした。今まで思いつかないことだった。タイガと二人だけのやり取りの中で、自然と彼から答えを貰うのが当然だと思い込んでいたのである。

 ヒントを貰ったコウは、早速ヒサキの所へ向かった。

「ねえ、オマンコって何?」

 突然のことに、ヒサキはギョッとした。コウはそれと気づかずに詳しく語り出す。

「あのね、タイガ君がね、ママと……」

 すると、後ろから駆けてきたタイガが、それを途中で遮った。

「ちょ、待てって。やっぱ教えてやる」

 彼は元の場所へコウを連れて戻ると、こんな提案をした。

「見てみるか? オレらのセックス」

「ほんと?」

コウは目をキラキラさせて身を乗り出す。

「ああ……」

タイガはニヤリと口の端を上げて、

「今度さ、オレの友達と二人でお前のママ、マワすから、それ見に来いよ」

と、約束の日を伝えた。だが、その日は平日で、コウは生憎幼稚園に行っている。

「なんだよ、お前、幼稚園なんか行ってんのかよ」

タイガは舌打ちした。バカにされたようで、しゅんとなるコウ。だが、次の案が出て、また一気に元気を取り戻した。

「分かったよ、どうせ次の撮影の時にまたヤるから、その時に見せてやるよ」

「ほんと? やった!」

コウは小躍りして喜んだ、自分の母親による“セックス”なるものが見られることを。その様子を見て、タイガは念を押した。

「マジで見たいんだよな? いいんだな?」

 コウにもちろん否やはない。大きく肯いて満面の笑みだ。その反応を見ると、こちらは逆にあえて笑うことなく、タイガはこう付け加えた。

「あと、このことはオレら二人だけの秘密な。誰にも言うなよ。ママにも」

 コウは、嬉しそうに二回肯き返した。


〈つづく〉


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[2015/02/11 22:00] | 「ママの枕」 | トラックバック(0) | コメント(1) | page top
ママの枕 ~ステージ12~


 その日は間もなく訪れた。いつものように母とスタジオ入りしたコウ。先日の約束を期待し、母と繋いだ手にも力がこもる。一方、母はというと、平生と何ら変わらぬ態で、これからするであろうことにも別段思い入れはないようである。

 一体どんなことをするのか、コウはワクワクしながら母と別れ、タイガの指示通りの場所へ先回りすると、そこの物陰にこっそりと身をひそめた。大道具・小道具が折り重なったその一角は人通りも絶え、また薄暗い。幼い者には大変心細かったが、真実を知りたい彼は頑張ってかくれんぼに耐えた。

 どれ位待ったろう。先程の母の態度を思い出すにつけ、本当にこれからそれが行われるのかどうかを疑い出した頃、ようやっと件の二人がやって来た。コウの緊張が一気に高まる。

「早く済ませてちょうだい……」

ミナミが言った。それは紛れもなくコウの母親だった。彼女は言うが早いか、ブラウスのボタンを外し始めた。

 それを見たコウは、途端に胸騒ぎを感じだした。なぜかは分からないが、心臓の鼓動が早くなって、急に恐ろしくなってきたのだ。

 そんな息子の前で、母はみるみる服を脱いでいった。たちまちの内に、豊満な胸まで露わになる。さらにタイガの指示で、下半身の被服まで瞬く間に脱ぎ去った。

 他方のタイガはタイガで、自分も下半身を露出していた。但し彼の方はズボンとパンツを足元まで下ろしただけで、ほかの服は脱がない。

「じゃあ、しゃぶってよ」

タイガが言った。その時、確かにコウと目が合った。そして彼はニヤリとした。

 途端にコウは背筋に寒いものが走った気がして、視線を脇へ逸らした。ちょうどミナミが行動を起こし、そちらに気を取られた為もある。母はタイガの足元にしゃがみ込んだ。そこから先の行為は、息子の想像を遥かに超えたものだった。

「あっ……!」

コウは息を飲んだ。母がタイガの“おちんちん”を食べ始めたのである。彼はギクリとして固まった。訳が分からなかった。

 そんな彼を尻目に、タイガは気持ちよさそうである。

「相変わらずフェラ上手いね、おばさん。ひょっとしてこのままイかせるつもり?」

少年は笑いながら、後輩の母の頭を撫でる。自分の母親と同い年の女だ。そして、勝ち誇ったように彼女の息子を見やる。

 コウは益々困惑し、タイガとミナミをせわしなく交互に見比べながら、この先の成り行きをただ見守ることしかできなかった。果たして見て良かったのだろうかという思いが、この時生まれた。覗きという行為が、名状出来ない背徳感を助長したものだ。

 ミナミは左手を地につき、それで己の体を支えながら、右手で少年のペニスを持ち上げ、それをひたすら舐めしゃぶる。背の低い相手のこと故、正座の姿勢からさらに腰を折って前屈みになり、髪をぐしゃぐしゃにされながら実にみっともない格好だ。

 タイガのペニスは最初しぼんでいたものが、急速に立ち上がって大きくなっていった。赤黒いそれは、ミナミの唾液によって全身を照り輝かせている。その存在感は薄暗い中でも強烈な印象を放っていた。

 コウは、自分のペニスも硬くなることを知ってはいる。だが何故だか、タイガのそれとは随分違う気がした。そしてもっと言えば、どうして硬くなったのか、また母が何をしているのかに至っては全く理解できなかった。

 さらにミナミは、陰茎にぶら下がった玉袋へと唇を移動させる。その際は主の指令によって右手を離し、口だけでの奉仕を強いられた。すると自然、勃起が顔に乗っかる形となる。

「いい眺め。おばさん、今日も顔エロいよ」

タイガのにやけた表情の下、勃起を鼻に乗せたミナミは、睾丸を舐め、あるいは吸う。時には主の方を見上げる。

「こっち見ながらしゃぶって」

と、彼に求められるからだ。それに絶対逆らわないミナミである。さらに所望は続く。

「じゃ、今度は挟んでよ」

それによって、ミナミは両の乳房を抱え上げた。そして、その見事な量の脂肪球で、すっかりとタイガの陰部を覆い尽くした。

 この目まぐるしい未知の展開を、コウはまんじりともせずに見つめ続けた。とにかくこれが“セックス”というものなんだ、今はただそう片付けるしかない。どうやら“おちんちん”と“おっぱい”がセックスには必要らしく、また“エロい”状態が関係するらしい。少しずつこれまで聞いた単語が線で繋がってはいく。

 それにしても、どうして自分にはしてくれなかったんだろう。コウはふと思った。一緒に風呂に入っても、タイガみたいに舐められたり、胸で挟まれたりしたことがない。その時、ふいにタイガの言葉が思い出された。

『セックスしたことない奴のことだよ』

「そっか……」

ここにきて、コウは肌で理解した。これをする意義はいまだに分からない。しかし、自分は間違いなく“童貞”ではあると。そう実感すると同時に、激しい落胆と、そしてまた嫉妬を感じ始めた。タイガに、且つはまた、ミナミにもだ。

 彼の知らない光景は続く。タイガはミナミを四つん這いにさせると、彼女の恥部を息子の方へと向けさせたのだ。おかげでコウからは、我が母の陰唇が丸見えになった。そこが己の生れ出てきた穴だとは、まだ知らない。

「なんだよ、おばさん。やっぱりもう濡れてるじゃん」

タイガはゲラゲラ笑いながら、今やもうあからさまに見物人の方を見ながら、彼によく見えるように陰門を大きく広げてみせた。縮れ毛に縁取られた肉は、サーモンピンクの具を潤わせ、見物の凝視に耐えている。

 コウは初めて知った。そこに穴があって、そしてそれがそんなに広がるなんて。さらに度肝を抜かれることが起きた。タイガがその中へ、指を、ひいては拳までねじ込んだのだ。

「あ~あ、おばさんのマンコ、ガバガバだから、手が全部入っちゃったよ」

その言葉通り、ミナミの膣には少年の手がすっぽりと隠れ、まるでそこから腕が生えているような状態になった。

「マンコ……ガバガバ……」

実体験によって、少しずつ知識を会得していくコウ。だがどうしてか素直に喜べない。むしろ喪失感こそ強くなる。今思えば、事前にタイガが、

『いいんだな?』

と、念押ししたのも肯ける。今のこの刺激的な不安感は、後悔と呼んで差し支えないものかもしれなかった。

 そんな幼子の懊悩をよそに、母親は次第に女の顔で喘ぎ始める。

「ヒャッ、ア、アア、アアアァァー……ッ!」

タイガに膣をかき回され、淫汁を撒き散らして。

 コウは震えた、見たことのない顔、聞いたことのない声に接して。彼女は本当に自分の母親だろうか。いつも厳しく自分を叱り、また時には抱きしめてくれる優しい母なのだろうか。もはや彼は根本的なことさえ疑い出した。その境地に至りなば、恐怖はピークに達し、じんわりと涙がにじみ出た。

 片や、母の方も別なピークを迎えていた。

「イッ、アッ、ンンンー……ッ!」

女の鳴き声を発するや、ブルブルと尻肉を震わし、瞬間、手を滑らせてその場に伸びた。

「なに、もうイッたのかよ、おばさん」

タイガは笑いつつ、ちょっと緩めた手を、またすぐに容赦なく動かしだした。

 堪りかねて、ミナミがストップをかける。

「も、アッ! もも、もういいから……早く、シ、シなさい、よ」

「あ? うるせえ」

タイガは構わずにかき回す。と、そこからジャージャーと小水が漏れた。コウは言葉を失って、母の失禁を見守った。

「は、早く、もう戻らないと……ねえ、早く終わらせて」

恥をさらしきったミナミは、気だるそうに言った。

「どうせ、スることスるんでしょ? だったら早く」

「早くなんだよ。入れてほしいのかよ、おばさん」

タイガは彼女の口元へペニスを持って行った。すると、ミナミは黙ってそれを頬張った。

「欲しいんだったら欲しいって言いなよ、“チンポ欲しい”って」

「……うるさいわね。入れたいんだったら、とっとと入れなさいよ」

どこまでも平行線な議論に、タイガは別の手を講じた。

「あっそ。別にオレいいわ。代わりにさ、コウの奴呼んできて入れさせようか」

それを聞き、縮み上がったのはコウだ。変な昂揚感が胸に迫ってきて、これ以上ない位に心臓の拍動が速まる。覚悟も何もなかったが、唐突に今から童貞でなくなるかもしれないのだ。タイガと同じように、母と、セックスを!

 が、彼の心は母の言葉によって一瞬で凍りつかせられた。

「嫌よ! やめて!」

「え……」

この時、コウの全てが止まった。それこそ、心臓すら止まったように感じた。彼は自分が母に拒絶されたと思ったのである。

 ミナミは実際に立ちあがってみせるタイガの足にすがって、彼を制止した。

「チンポ入れて。ねえ、チンポ欲しい!」

彼女は必死だった。それを受け、タイガも思い直し、

「分かってんじゃん」

と薄ら笑いを浮かべて言い放つと、ミナミの尻の方へ回り、コウから見えるようにと気を遣いながら、彼女の淫肉を再びよく広げた。

 暗澹たる気持ちに沈むコウ。彼の目に、また驚くべき光景が飛び込んできた。これ以上ないと思っていたところへ、まだ新鮮な驚きがあったのである。

 彼は見た、母の割れ目に“おちんちん”が入っていくのを。

「え……!」

そこにそれが入るなんて、あまりに突飛なことで、もはや付いていけなかった。彼の脳みそはもうとっくに飽和状態だ。

 タイガはその小柄さ故、相手の巨大な尻に乗っかかって腰を振る。まるで小兵力士の相撲を見ているようである。敵との体格差は歴然だ。ところがどうだ、弱っているのはむしろ大きな方で、

「……ア、ア、アッ!」

と、次第にまた喘ぎ始めたのである。若くして戦上手な少年は、硬化した肉棒で彼女のスイートスポットを絶妙にほじくるのだ。

 これには、たとえ彼の三倍以上生きているメスとて脱帽である。彼をオスと認め、性悦に浸るを得ない。心を置き去りにしても、体が悦んでしまうのだ。折しも、既に高潮した肉体である。

「イッ、イ、ヒィ……オオォー……ッ!」

「ハハ、またイくんだ。おばさん、すぐイくね」

男は得意気に笑った。そしてまた、意地悪く言った。

「こんなにエロかったらさ、コウのチンポでも興奮するでしょ? 実は家でヤッてたりして」

再び耳をそばだてるコウ。そこへ、ミナミがダメを押した。

「バ、バカなこと言わないで。するわけないでしょ」

 これでコウは確信した、自分は母とセックスできないのだと。彼は寂しさのあまり涙を流した。もう嫉妬すらも薄らいできた。生まれて初めて知った孤独。

 彼の前で、仲の良い両人はそろそろ共同作業に締めを迎えようとしていた。

中出しするよ」

そう言うと、タイガはにわかにブルブル痙攣し、一層強くミナミにしがみついた。今、息子の眼前で、母は父以外の男の精子を注ぎ込まれていた。

 終わると、白濁した陰茎を、タイガはまたミナミにしゃぶらせた。相変わらず従順な彼女。その膣内から、白い汁がスーッと滴り落ちた。

 コウは膝を抱いて固まったまま動けなかった。と、そこへ別の方面から事件が訪れた。それも一度に二つだ。

「おお、遅かったじゃん、ヌマちゃん」

と、タイガが呼びかける方から一人のむさくるしい男が現れた。知らない大人の登場に驚かされたのは、どうやらコウだけらしい。タイガも、いやミナミすらも見知っているようだ。

 これが衝撃の一つ目。そして、二つ目はコウの背後からやって来た。

「よっ! 何してんの?」

小声でささやく男の声。コウが危うく声を出しそうにするのを、その端正な口元に人差し指を添えて止める。

「シー!」

どうやら積み上げられた機材の下をほふく前進でくぐり抜けてきたらしい。それなん、ジンであった。


〈つづく〉


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[2015/02/14 22:00] | 「ママの枕」 | トラックバック(0) | コメント(1) | page top
ママの枕 ~ステージ13~

 増えた観客の前で、新しいキャストは早くも演戯を始めた。登場、即挿入。それはわずか五秒と経たない内に。

「ンアアーアァ……ッ!」

二本目のペニスも軽く飲み込んで、ミナミは惰性で喘いでいる。
 
 当初二人は対面して合体していたが、タイガが気を利かせて指示したので、すぐに男が背面に回る格好になった。彼の膝の上で大股開きする母。息子からは彼らの結合部が丸見えというわけである。

「うわあ、派手にヤッてんなあ」

ジンがぼそりと言った。そしてまた、

「おっ、アイツは……」

と、タイガに目を止めてつぶやいた。タイガは合体中のミナミに口淫をさせ始めていた。

「こんなとこで3Pかよ。よくやるよな、誰が見てるかも分からないのにさ」

ジンはそう言ってコウの共感を誘ったが、生憎相手は無反応であった。そればかりか彼の横顔が妙に深刻そうであったので、ジンは方針を改めた。彼としては、少年のマセた覗き趣味をからかってやるつもりだったのである。

「そういえば君は……」

まじまじとコウを見つめていて、ジンは少年の素性を思い出した。コウはちょっとビクッとして振り向き、その時やっとジンが、テレビでよく見る有名人だということに気が付いた。二人は以前、既に一度挨拶を交わしていた。その際は、ミナミも同席である。

 ジンはコウのことを覚えていたが、その母親の顔までは記憶していなかった。ただ、この子役のただならぬ気配に接し、目の前の状況と見比べて、なんとなくの推測を立てた。

「知ってる人?」

と、ミナミを指して尋ねてみる。コウは無言で肯いた。ジンはそれを受け、さらに踏み込む。

「……お母さん?」

すると、少年はまた素直に肯いた。ジンは彼の目をじっと覗き込んだ。相手は視線を逸らし、あくまでも母の方が気にかかる様子である。彼にとって今は、スターとの会話にも価値がないらしい。

「いいのかい?」

ジンは訊いた。それは、目の前の状況をこのままにしておいていいのか、という意図であったが、コウには通じなかったようだ。そこで彼は、別な提案に変えた。

「止めてやろうか」

コウはちょっと考え、そして困ったような顔をした。まだよく意図が伝わっていないようだ。そう判断したジンは、少し訊き方を改めた。

「嫌ではないの? その、お母さんが、アイツらとセックスして」

慎重に、しかし核心を突く形で尋ねる。コウはこれでも答えに窮していた。ウーンと考え込む風で、何も言わない。ジンはまだ色々訊きたかったが、あまり質問攻めにするのもかわいそうだと思い直した。ただそれとなく感じたのは、この幼い者が、ひょっとしたらこの現状に関して明確な判断材料を持っていないのではないかということである。

 その頃、眼前の痴態には動きがあった。挿入を解いた男が、射精を始めたのである。それもミナミの顔面に向けてだ。

「うわあ、ひでえことしやがる……」

ジンは、横目でチラチラとコウを見ながらつぶやいた。コウは相変わらず無言である。その表情からは、怒りも悔しさも読み取れなかった。ただ、まんじりともせずに、ザーメンのシャワーを浴びる母の顔を凝視していた。

 ペニスから噴射するこってりとした白濁液は、容赦なく彼女の顔面に降り注ぐ。働きづめの男の、溜まりに溜まった欲棒汁、それは濃かった。プルンとした形のままで、容易に流れ落ちもしない。それが、綺麗に塗られたアイシャドーや頬紅に上塗りしていく。

「ヌマちゃん、はえ~よ。ていうか、すんげえ出たな」

タイガは、ヌマタの挿入から射精までの時間の短さと、それに比して精液の量の多いことを揶揄して、ゲラゲラと笑った。顔面への射精は、彼の指示である。観客へのサービスであった。

 ミナミは彼の陰茎に加えて、今射精を終えた陰茎も同時にしゃぶらされた。片方を口に入れている間はもう片方を手でしごき、時には舌を伸ばして二本同時に舐めさせられもし、またあるいは頬ずりもさせられた。

「AVの見過ぎだっての」

ジンは呆れて苦笑いである。

 片や、コウは汚されていく淫母の顔を真剣な眼差しで見つめていた。二人の男と一遍にセックスしてしまう母。タイガはおろか、見ず知らずの、しかも小汚いオヤジの“おちんちん”までもあっという間に、タイガが使った後のあの穴に入れさせてしまう母。そして、“おしっこ”のようでそれとは違う白い汁を顔に浴び、その後“おちんちん”をまた食べて……。

『多分その辺の男みんなにオマンコさせてるから』

以前タイガから聞いた断片的な情報が脳裏をよぎる。“ママはいつもこれをみんなとやっていたんだ”と、コウは判断を抜きにして、ただただ理解だけした。それにしても、息子である自分とは、したくないと言うのに!

 再びタイガが挿入する。仰向けに寝かせたミナミの尻を高く持ち上げ、ほとんど自分は真下へ垂直に入れるような角度で。その入った瞬間に、母の目が一瞬裏返ったのを息子は見逃さなかった。

「アアウッ、ア、アハアァ……!」

彼女の声は艶めかしく、明らかにヌマタの時とは違った。彼女にとって、男性器の大きさだけで判定するものでないらしい。その意味で反応は正直だった。小さき男の背に手を回し、

「きぼちいひぃ~……」

と、露骨にメスの悦びを謳歌しさえしてみせる。

それを見たジンは、

「言っちゃなんだけど……」

と、ちょっと遠慮しながらも、

「君のお母さん、結構スケベだね……」

と、コウを試すように言った。息子の立場ならば、既に激昂、下手をすると発狂していてもおかしくない場面。しかしコウは、やはり静かだった。ジンはそっと、彼の股間を窺った。

 他方ミナミは、ヌマタにフェラチオしながら、タイガの肉棒に女陰を掘削されていたが、やがてタイガがまた膣内に子種汁を注入し始めると、その状況説明を彼の命でやり出した。

「あぁ……出てるわぁ、タイガ君の精子、オマンコの中、入ってくるわぁ~……」

彼女はそれが、無知な息子に向けた解説だとはつゆ知らない。

 タイガが離れると、すかさずヌマタが代わって交尾を始めた。すると、先程よりもミナミの反応は薄くなった。やはり、タイガの技巧には届かないらしい。歳は上でも、ヌマタとタイガでは経験数が違うのだ。こうなると、もはやヌマタの性欲解消にミナミが一方的に使われているようなものである。

 一方タイガは、今日は二発で満足したらしく、つと立ち上がるとコウの方を見て言った。ジンはすぐさま身を隠す。

「オレ、もう行くわ。後は好きなようにヤッてよ」

それは、表向きヌマタに言ったようであったが、その実コウに向けての合図だったことを、コウは知っていた。コウは肯き返して応じた。それを見ると、タイガは実際去って行った。

 二人のやり取りを、これまた鋭く見抜いたジンは、彼らが知り合いであるらしいことを察知し、その上で、ヌマタを指して訊いた。

「あの男も知り合いかい?」

 コウは首を振った。結局ヌマタだけを二人とも知らないのだった。

 その知らない男が一番厚かましくミナミを抱く。彼は二発目を膣内に注ぎ入れると、またしゃぶらせたり、乳房に挟ませたりした挙句、三回目、そして四回目と挿入をやった。ミナミはダッチワイフだ。ひたすら精液の排泄を受け止める。

 その様子を見守りながら、ジンはまたコウに話しかけた。

「君は、ヤらないのかい?」

すると、コウはまた困った顔でジンを見返した。今度はさらに悲しみを帯びた目だったので、慌ててジンはフォローした。

「ごめんごめん、スるわけないよな、自分の母親なんかと」

この一言はコウにとって衝撃的だった。彼は目を見開いた。ジンの問いかけに対して、初めて示した反応らしい反応だった。

 相手が急に身を乗り出したのでちょっとびっくりしつつも、ジンは丁寧に言葉を付けたした。

「いや、だって、母親と普通シないもんな。君は、シて……るの? まあ、シてるんだったらそれはそれだけど」

コウはブンブンと首を横に振った。その表情は、パッと明るいものに変わった。それを見て、ジンは悟った。彼が本当に性に対して無知らしいことを。

「そう、よかった。近親相姦になっちゃうからね」

「キン……?」

「要するに、親子でセックスは出来ないよってこと」

 やっと打ち解けられた喜びから、愛おしそうに目を細めるジン。コウもコウで、急に射し込んだ希望の光に、眩しそうに笑った。彼はもう、全ての悩みから解放されたのである。

 そこへ、ジンが新たな課題を投げかけた。

「君は、セックスしたことあるの?」

 コウは恥ずかしそうに首を振った。母に嫌われていないと分かった今、童貞であることに落ち込みはしなかったが、ただなんとなしに照れを感じていた。それこそ、性の目覚めだった。

「タイガともまだヤッてないんだ?」

意外な質問に、“ん?”という感じで、見つめ返すコウ。タイガとセックスする、その発想はなかった。

「じゃあさ……」

ジンはコウの耳元にグッと近寄った。

 その時、ヌマタに向けてミナミが言った。

「いつまでヤッてんのよ、この早漏」

 下手なセックスのおかげで次第に体が冷めてきた彼女、しつこくも五回目の合体を始めた彼を咎めたものである。これにはヌマタも恐れをなした。

 それでも、

「これで最後にしなさいよ」

と、ラストの一発を許すあたり、彼女自身も弱さがあった。ミナミはもはや喘ぎもせず、口をへの字に結んで横を向きながら、ただただ射精を待つ。まるで職業的な性交である。

 ヌマタはそこへガシガシと腰を振るが、さすがに五発目の連射である上に、怒られて面食らった所為もあり、今度はイくのが遅かった。

 これにイラついたのがミナミである。

「さっさと出しなさいよ」

と急かすが、そう言われると余計にプレッシャーを感じて萎縮するのが男心というもの。そこでやめさせるのは簡単だが、そうはさせないのもミナミである。彼女は相手の尻を掴んで、グッと手前に引き寄せてやった。すると、たまたまその際にタイガが開発したスポットにヌマタが当たったものだ。

「ンッ……!」

思わず、久しぶりのメスの声が漏れた。その反応に興奮を覚えたヌマタ、ここぞとばかりにラストスパートをかけた。

「ちょっ、待っ……!」

弱い所に当たったままで突かれ、にわかにミナミは焦りを覚えたが、二人の交尾はもう止まらない。結果、同着で昇天した。その後ミナミは、正気であれば絶対に拒絶するはずの接吻を交わし、汗みどろの出っ腹や胸毛と密着して抱き合いながら、彼の鎮まるのを待った。そして、

「はい、もういいでしょ」

と言うのがやっとだった。それを聞くと、ヌマタはいともあっさりと身支度をして帰っていった。

 残されたミナミは気だるそうに起きると、ポケットティッシュを取り出して陰唇を拭う。二人計六発の精液を自らの指で掻き出す。続いて、ハンカチで胸を中心に拭き、コンパクトを取り出して顔を確認。そしていそいそと服を着ると、トイレに向かって去って行った。

 後に残ったのは彼らの汁と、そして傍観者一人。ジンはもう居ない。

 コウは高潮した頬で、ぼうっとさっきジンにささやかれた一言を考えていた。

「ボクと、セックスしてみない?」

幼い股間は密かに温もりを帯びていた。


〈つづく〉


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[2015/03/22 22:00] | 「ママの枕」 | トラックバック(0) | コメント(1) | page top
ママの枕 ~ステージ14~


 レイコの主演映画がクランクアップした。その記念に彼女主催でホームパーティーを開くという。ミナミはそれに招かれた。但し、キャストであるコウはほかの出演者達と一緒に会場入りするので、母親とは別行動である。

 この所のコウは単独で仕事に向かうことが多い。現場入りや打ち合わせすら一人で呼ばれ、事務所の人と参加する。無論、保護者の同意を得てではあるが。

 ミナミにはやはり心配と、また自身色々な現場に顔を出してみたいとの好奇心もあったが、親があまり出しゃばるとロクなことがないとの考えもようやく芽生え、我慢して送り出した。だから、撮影自体に全て同席したとはいえ、以前ほどべったりくっついていたわけでは無かった為に、ややもすると、近頃息子が急に大人に成長したような錯覚さえ覚えていた。

 そんな彼女にジンは腕枕をしながら優しく言ったものだ。

「大丈夫。コウ君のことも、きみのことも、ぼくが守るから」

実際その言葉通りだった。ジンの影響力は強い。コウの仕事が順調なのも、その辺りが有形無形に作用していると思われた。ミナミは、いわば恋人と当代最強のコネクションを同時に手中にしたわけだ。

 彼女はうっとりと幸福感に目を細めながら、ヒサキの運転する車で会場となる屋敷に向かった。そこは、まるで迎賓館といった佇まいの大きな洋館だった。ここがレイコの持ち物かどうかは、ヒサキにもミナミにも分からなかった。

「ありがとう」

ミナミは言って車を降りると、石畳の道を屋敷の入り口へと歩いていった。それを見送って、ヒサキは車をUターンさせる。と、その先に立ちふさがる者があった。

「やあ」

そこに立っていたのは、ゆったりとした薄手のセーターと、足の長さが際立つジーンズを着た細身の男性。ジンだった。ヒサキは礼儀として車を降りて挨拶した。すると、ジンはそれへ近づきながら、

「キミもどう?」

と、唐突に彼女をパーティーに誘った。ヒサキは丁重に断る。

「いえ、私はお見送りに来ただけで、招かれてはおりませんので」

至極当然の答えだった。が、当たり前でない言動に出たのはジンだった。

「構わないよ、オレから紹介するし。大体、キミだって関係者じゃないか。それに……」

彼は話しかけながら、どんどんと間を詰めてくる。

「世話になりっぱなしのキミに、まだなんのお礼も出来ていないしさ」

「お礼、ですか?」

解せないといった面持ちで、真っ直ぐに相手を見返すヒサキ。探るように、皮肉っぽく言い足す。

「ミナミさんなら……コウ君のお母様なら、今入られましたよ」

 それを聞くと、ジンは寂しげに微笑んだ。一度立ち止まった歩を進めて、一メートルを切る距離にまで近寄る。

「そうじゃなくてさ。キミに、話があるんだ」

彼は柔らかな表情の中、真剣な目で語る。

「こうしよう、一緒にここを抜け出して、どこか場所を移そう」

「お仕事の話でしょうか? うちのタレントの?」

「だから、そうじゃなくて。キミに――」

「いえ、それなら、すみませんが、私には仕事がありますのでこれで失礼させて頂きます。それに、あなたがパーティーを抜けられるわけにはいかないと思います」

ヒサキは無表情に言い放つと、車のドアを手早く開けた。その背へ向けて、ジンが叫ぶ。

「あの日、キミが道案内してくれなかったら、オレは今、ここに居なかった!」

ヒサキの動きが止まった。

「初めは分からなかったよ、キミがあの時の子だって。だけどこの前、やっと気がついたんだ。キミが、その……彼女を、迎えに来た時に」

“彼女”と言う前に、彼は少し言葉を探した。名前を出されなくても、ヒサキには誰の事か分かっている。その胸が微かにチクリとした。

「ずっと探してた」

そう言うと、ジンはいきなりヒサキを後ろから抱いた。

「え」

立ちすくむヒサキ。その耳の後ろから、ジンのささやきが襲う。

「今のオレの地位も成功も、みんなあの日から始まった。感謝してる、本当に。キミの……キミの、導きのおかげだよ」

彼は饒舌だった。相手の返事も待たずに独り語りを続ける。

「ねえ、キミはあの日のことを覚えてる? 覚えていないかな。オレは、忘れたことなんて一度もないよ」

ヒサキは黙っていた。その目元にハラリと垂れた前髪が影を作る。

「キミがこの業界に居ると知った時、運命だと思った。ねえ、ひょっとして、キミはオレを――」

「離して」

ヒサキの口がようやく動いた。しかし、その声は小さすぎて、興奮した相手には届かなかった。

「オレを追って、芸能界に――」

「バカにしないで!」

急にヒサキは叫んだ。と同時に、ジンの手を振りほどくや、振り返り様に彼の頬をしたたかに打った。しかし、すぐにハッとして謝る。

「すみません」

 この仕事に就いて以来、いや、彼女の人生において、ほとんど初めて人に示した激昂だった。己自身びっくりした位だ。ジンも面食らった。しかし、彼は怒らなかった。

「ううん、悪いのはオレの方さ。ごめん、こっちこそ」

むしろ、今度は悲しげな表情になって、別な話をし始めた。

「……白状するよ。オレ……本当はオレ、辛いんだ」

彼は肩を落とし、日頃のスターなオーラなど見る影もない程だった。

「オレは売れた。けど、それと引き換えに、沢山のものを失ってきた。この世界は、辛いことが多過ぎるよ――」

ジンは再びヒサキの両肩を抱いた。ヒサキはビクリと驚き硬直しながら、赤くなった目で相手を見返す。

「助けてくれ、あの日のように。キミが、キミだけがオレを救える。オレには誰も居ない。キミは特別なんだ。オレと行こう。何もかも捨てて、このまま」

ジンはそこまで一気にしゃべると、口をつぐんでじっとヒサキの目をjじっと見つめた。ヒサキも黙って、見つめ返す。まだ平生の冷静さは取り戻せていない。だが、その動揺を必死に押し殺して、彼女は口を開いた。

「それで……あの人はどうするんですか。……人妻に飽きたから、今度は私ですか?」

その声は微かに揺れていた。ジンは目力を込めて、なお一層相手の目を見つめる。片時も逸らさない。

「違う。……いや、そうだね。ひどいことしてる。オレはもう普通じゃないよ。いつの間にか、すっかり狂っちゃった。この商売、正気でなんかいられないよね……」

「この業界の所為、ですか?」

ヒサキは鋭い目で訊いた。顎を引き、胸の奥に込み上げてくる熱さをぐっとこらえながら。信じていたもの、信じたいものを傷つけること、それは自己否定に繋がりかねない。だが、信念は成長するもの。かつての憧憬からずっと大きくなり、今や独り立ちするまでになった。これは、彼女にとって試練の闘いである。

 ジンはすっと手を降ろした。その表情は相変わらず悲しげでありながら、少し冷めた風に言う。

「じゃあ、逆に訊くが、今度の映画にコウ君を斡旋したのはキミだろう?」

それを聞くと、急にキッとなってヒサキは反論した。

「斡旋じゃありません。オーディションの機会を紹介しただけで……」

「同じことだよ。レイコさんの趣味は、キミだってよく知ってるだろうに。そういうの“未必の故意”って言うんじゃない?」

「そんな……! 私は知りません。私はただ……」

「良かれと思って? キミもオレも、特殊な常識にもう呑まれてしまってるんだよ。ねえ、だから……」

議論の果てに、ジンはまたヒサキの肩を抱いた。

「もう抜け出そう、こんな所。オレはもう疲れたんだ。二人でどこか遠い所へ――」

「すみませんが――」

ヒサキは再度彼の手を振り払って言い切った。

「私には大事な仕事がありますので、これで」

彼女は言うと、一気に運転席に乗り込んでドアを閉めた。ジンはその窓をコツコツと叩いて、最後の戦術に出る。

「そうか、一人で逃げ出すんだね。キミが導いた彼の結末を見なくていいのかい」

ヒサキはエンジンをかけた。今はもうジンの方に一瞥もくれなかった。彼もまたこれ以上は止めず、外から寂しそうに声を掛けた。

「……残念だよ。強いね、キミは」

走り去っていく車。それを見送ろうともせず、早々とジンは踵を返していた。その乾いた目は何も語らない。

 ヒサキに語ったこと、それはそれで本心だった。同じように、ミナミやコウに約束したこともだ。その時その時で、彼は本気なのである。その刹那的情緒に悪意も策略もなく、自身あくまで純粋だと信じて疑わない。

 彼の人格は、幼き頃より注目を浴び、大人に交じって働き、そして性的に嬲られ、慰み者として生きてきたアイドルとしての境遇が、分裂させ破綻させていた。

 ヒサキと出会ったあの日も、彼はさる婦人の寝所に入った帰りだった。金と暇を持て余した、還暦過ぎの脂肪の塊である。ジンは“仕事”が済むと、彼女が車を手配している隙をついて逃げ出したものである。その時の彼はもう限界だった。

 彼は男娼として、選べない相手と散々交わってきた。女のみならず、男ともだ。垢にまみれた陰唇、きつい臭いのする陰茎、そういうものを舐めしゃぶり、そして肛門を掘られてきた。彼の心と体は、タイガ位の年頃にはもうボロボロだった。

 それでも外に出ればキャーキャーと騒がれる人気者で、陰惨な裏稼業など誰も想像だにしない。少年は、メディア上だけの生き物と本当の自分の狭間で行き場を失った。朝から晩まで期待されるままに動き、学校でも“メディアのジン”を演じ続けた。

 そんな時である、ヒサキと出会ったのは。彼女は自分を特別視せず、極めて淡々と助けだけをくれた。とはいえ正直な所、この時さほど彼女に感動したわけでもない。ただ、後から思い返した時、その時間だけ全てから解放されたような自由なものであったことに、一縷の希望を見出したのだ。今でも彼は、狂った自分から脱却したい夢と、それを冷笑する現実との軋轢に心を閉ざしているのである。

 ミナミと出会って間もなくの頃、母親が死んだ。彼が体をすり減らしてきたのは、全てこの母の命令によるものであった。息子にとり、母は絶対だ。それが死んだ。やっと呪縛から解放されたのだ。

 そのタイミングでヒサキを思い出し、助けを求めたのである。あるいは、母親の代わりを彼女に求めたのかもしれない。新しい絶対的指導者を。

 本当の所は、ジン自身にすら分からない。彼はもはや無感情の域で、その時その時だけを記号的に演じる役者であり続けるしか生きていけないのだった。

 彼の足は規則正しく屋敷へと向かった。そして、表玄関ではなく、別の入り口の方へと回り込んでいった。

 その頃、ミナミはその邸内で、狂乱の宴に翻弄されていた。

「なんなの、これは……!」


〈つづく〉


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[2015/07/05 22:00] | 「ママの枕」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
ママの枕 ~ステージ15~


 そこには沢山の男女が入り乱れていた。しかも、そのほとんどが裸同然に肌を露出している。かくいうミナミもご同様。ブラジャーとショーツの上にキャミソールを着ただけだ。

「アアン! ヤダァ~」

あちらこちらで上がる嬌声。この格好で男女同室となれば自然な流れだった。

 すぐ傍で若い女性が背後から男根を仕込まれている。彼女もやはり控室で着替えてきたのだろう。あそこには様々なランジェリーが用意されていたが、彼女の選んだのはベビードールだった。

 同じように正面のカフェテーブルの横では、ガーターベルトの女性が両腿を抱え上げられて性交していた。彼女はもはや上半身裸で、そのピンクに染まった背中の線が生々しい。

 左の壁際に設置されたソファーでは、一人のマダム風な女性が口と後ろを男性から同時に責められ四つん這いで鳴いている。

 その隣にも、その奥にも、どこまで視線を動かしても男と女の絡み合い。一体どれ位の人間が集まっているのだろうか。大広間の中は、人でごった返していた。

「ああ、奥さん、イイよ」

豊乳をむんずと鷲掴みにしながら、キジマが後ろの髪の毛越しに囁く。その欲棒は、ショーツの隙間から肉ひだの奥へとめり込んでいた。

「(痛い……)」

ミナミは愁眉を寄せた。もっとも、その縦じわは外見上分からない。なぜなら目の周りを覆い隠す仮面を着けているからだ。それが参加者のルールだった。

 キジマも着けている。が、顔下半分が出ている仮面では、知った仲でほとんど意味を為さない。彼は紛れもなく、タイガのドラマ現場で遭った、某局のプロデューサー・キジマであったし、現に彼もまたミナミをコウの母親と認識していた。

「相変わらずスケベな体だ」

そう言いながら、キジマは濡れた陰茎を出し入れする。彼のものは、ミナミに入る前から淫汁にまみれていた。彼女の前に早一戦交えてきたものらしい。

 片や、ミナミはなんのウォーミングアップもしていなかった。出会い頭、会場の入り口で眼前の光景に圧倒されていた時に、キジマからいきなり挿された。むしろ、くっついてから相手の素性に気が付いた位である。

「ああん、激しいわ」

彼女はそれとなく相手をいなしながら、腰をずらして当たる位置を変える。今日まだ潤いのない陰肉では、いかにほぐれた年増女とて不快を禁じ得なかった。それでも拒みきれないのは、やはり立場故の弱さである。

 そもそも、前室で着替えをさせられた段階で、ある程度察していなかったと言えば嘘になる。あからさまに卑猥な衣装を選ばされ、その上仮面を着けて参加するパーティーだ。まるで空想じみた話ながら、どこまでも世間ずれした芸能界のこと、さもありなんと納得もできる。ミナミもいよいよ判断力が麻痺してきた。

 着替えをしている時、スラリと足の長いスレンダーな女二人が、クスクスと陰で笑いながら出て行った。モデル然としたその佇まいから推すに、彼女らにもこのパーティーに賭けるものがあるのだろう。いずれにせよ、参観日風のジャケットに身を包んだ保護者は、些か恥をかいた格好になった。

 だが、それでも自分には武器がある。さっきのモデルにはない強みが。

「おやぁ、いい乳マンコちゃん見ぃつけた」

そう言いながら近づいてきたのは、裸に蝶ネクタイの出っ腹中年男性。やはり仮面で顔を隠しているが、そもそもそれがなくてもミナミには彼が誰だか分からない。恐らく初対面だ。その会ったばかりの男に乳房を引っ張られ、隙間に男根を挟まれる。

 他方、体内には熱い汁があふれてきた。キジマが終わったのだ。すると、すかさず別の者が入ってくる。

「デヘヘ、デカパイたまんねえな」

他人の受精行為後とてもなんらためらいなく、ドロドロに濡れそぼった穴へ新しい男は肉棒を突っ込んでくる。それが誰かはやはり分からない。だが、キジマクラスの有力者が居るのだ。侮ることはできない。第一、その覚悟で臨んでいるわけだから。

「(コウ、ママ頑張るわ)」

欲どしいミナミは、虫のいい名分を心に謳いながら、ほくそ笑んだ。コウの打ち上げと聞いていたが、蓋を開けれてみれば、いわゆる“乱交パーティー”。ここに子供がいるはずもない。騙されたのだ。

 それでも、彼女は前向きだった。元々枕営業が功を奏して他を出し抜いてきたわけであるし、それにこれは彼女自身の存在が業界人から認知された結果とも言いうる。たとえ、セックス要員としてここに送り込まれたにしてもだ。

 よく見渡せば、ヴァギナよりペニスの数が圧倒的に多い。結果として、一人のメスに複数のオスが常に群がることとなる。

「アンアンアン!」

さっき見かけたモデルの一人が、両手にペニスを握りながら犯されている。その周囲には、グラスワイン片手に談笑する男らが順番を待っている。

 一方、ミナミもその点負けてはいない。周りには続々と男が集まってきている。若さや細さでは劣っても、その豊満な胸、熟れた女体は、この広い会場でも確かに男心をくるぐるものだった。

「おおっ、爆乳熟女発見!」

少し若めの茶髪の男二人が両方から乳肉を揉みしだく。先ほどの蝶ネクタイ男はいつしか去っていた。後ろの男の方は早三人目に代わっている。ミナミもようやく濡れ始めていた。純然と陰茎だけで仕上がっていく膣だ。

 それにしても、あの大女優レイコが主催というが、彼女もこの中にいるのだろうか。いや、それ自体が嘘なのか。ミナミは今更ながら思い惑った。

 と、そこへ、以前コウがCMに出させてもらった会社の社長、カトウがやって来た。

「久しぶり、ミナミちゃん」

彼は他人に聞かれぬようにそっと耳元でささやいた。ミナミは返事の代わりに彼の肉茎を一気にくわえ込んだ。

「積極的だね」

カトウは笑いながら相手の頭を撫でまわす。

 ミナミは思った。たとえこの会の主催自体が嘘でも、メリットはあると。彼女はドライだ。そして諦めてもいる。もはや汚れた体であることを。悪魔に魂を売って、栄光を得たのだと。

 恋人・ジンに対しても悪びれない。こういう女である以上仕方のないことだと思っている。あまつさえ、彼はそれを知っての上で付き合っているはずだと、甘えてさえいる。なんとなれば、ジン以前に夫という存在だってあるわけで。

 女は外づらの自分を過剰に偽りだと断ずる傾向があるが、彼女の場合なまじっか肉欲を行動に伴わせるから露骨である。まるで頭の線が何本か切れているかのような短絡的判断で男らに身を任せていく。愛するジンも、決して貞操帯にはならない。
 
「アゥ……イく……」

四人目、五人目と矢継ぎ早に挿される中で、ミナミは最初の絶頂を感じた。気持ちがなくても、丁寧でなかろうとも、男性器との生殖摩擦だけで形式的に最後までいくものだ。

 二人同時に相手にしたことはある。タイガとヌマタだ。彼らには正気を失くす程散々弄ばれた。期せずして、その経験と重なる。ただ、こう次から次へと果てしなく相手が出てくると勝手が違う。不安がないはずもない。

「ア、アア……アハアァ……」

人目の中、いつもより控えめな声。終始圧倒されている。あくまで一介の主婦なのだ。どれだけ大胆な裏の手に長けていようとも。

 盛り上がった陰唇から、白いあぶくが湧いて出る。そこへドスドスと硬直棒が叩き込まれる。まるでスポーツのように交尾だけを飽きずに続けていく男女。まさにフリーセックスの現場だ。

 こんな所、大スターのジンには無縁だろう、と彼女は思う。彼の居るのも芸能界、ここも芸能界。落差はあるが、そのダイナミズムこそ似つかわしい世界とも思える。それはまるで、汚れ切った肉体とその内にある純真さへの信仰という倒錯した己そのもののようでもある。

 いずれにせよ、ひと度足を踏み出したからには、とことんまで突き詰めるしかない。転がる石に苔は付かないという。ミナミにもう引く気はなかった。

「そういえば――」

一旦離れたキジマが、水割りを片手に戻ってきて言った。

「タイガとは近頃ヤッてないの?」

ミナミは一瞬ギョッとした。だが、すぐにそれを隠すべく、彼の陰茎をしゃぶりだす。その頃カトウは、六人目の挿入者となっていた。

 考えてみれば、大人びているとはいえ子供のやっていたこと、バれていない保証はなかった。おまけに、彼は有名人でもある。あるいは、彼流の酔狂で、自ら吹聴したのかもしれないし、ヌマタがしゃべった可能性だって否定できない。

 もっとも、ミナミには今更どうということもなかった。ある程度は覚悟していたことだ。大事なのは結果である。その苦労の報酬は既に得ているのだ。

 だがそれでも、キジマの次の一言は彼女を焦らせた。

「今日アイツ来てるからさ、久々にヤらしてやったら?」

そう言い残すと、彼はペニスを引き剥がして若い女の方へ去って行った。

「(あいつが……タイガが来てる?)」

ミナミの心に嫌な予感が走る。

「(だって、あの子はまだ子ど……)」

「お集まりの皆様――」

彼女の思考を遮って、伸びやかな女性のアナウンスが流れた。

「お待たせ致しました。アトラクションのお時間です。ステージにご注目下さい」

その声に釣られて、客人達はしばし手を止め、ライトの集まる方へ首を向ける。ミナミも見た。

 司会は続ける。

「今日の為に、かわいい子役ちゃん達が――」


〈つづく〉


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[2015/07/19 22:00] | 「ママの枕」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
ママの枕 ~ステージ16~


 一瞬で、ミナミの頭は真っ白になった。聴覚も失われたようで、何も耳に入ってこない。まるでただ一人、世界から取り残されたようだ。

 円形ステージの上には、小さな人影がぞろぞろと二十人ばかり並んでいた。男も女もないまぜに、体格の差こそあれ、ある一定の年齢層に属する範囲の者達。それを見た瞬間に彼女はハッとした。まだ“確認”する前から、直覚的に“確信”していたのである。

「ちょっとおばさん、どこ行くのさ」

我知らずよろよろと歩み出したミナミの尻を、若者が引き寄せて止めた。彼と今繋がっているのであった。ところが、ミナミにはそれが感じられない。体内に陰茎がはまっているのに、それさえ忘れているのである。

 彼女は人の頭の間から目を凝らした。認めたくないという気持ちはあった。が、探さざるを得なかった。見つけてどうしようということは決めていない。というより、何も考えられない。それでも彼女は探した。

 そんな中、先の若者がブルブルッと震えたかと思うとさっと離れて去っていった。用足しを終えたのだ。すぐさま別の紳士が取って代わる。心ここにあらずの女は、まさに穴を開放して使用させるのみ。男達はただそれへ排泄するのみだ。

 女というより便器は、しかし自走式らしく前進をし出した。肉茎を離した両手で空を泳ぎ、前へ前へと歩みを進める。

「ハッハ、どこ行くんだい、お嬢さん」

今度の紳士はそれを止めさせず、面白がってむしろ彼女を後ろから押して進む。二人は交尾したままでステージの方へと寄っていった。

 視線の先では、“子役”と紹介された者達がダンスを踊っていた。妙な振り付けの踊りである。腰を回し、尻を振り、なんとなく卑猥である。彼らは皆短いスカートを履いていた。男の子もである。そして、ミナミは気が付いた。彼らは下着を履いていなかった。彼女の心臓が、いよいよ早鐘を打ち出した。

 手前にいる女子は発育が良かった。Tシャツと一緒にプルプルと胸が揺れている。太もももピチピチで張り裂けそうだ。一方、その横の女の子は、平べったい胸にお下げ髪で、さっきの子よりずっと幼く見える。その横の男の子は、さらに幼くて……

 ここでミナミは一気に胸が締め付けられるように苦しくなった。が、彼は“違った”。振りをこなすのに精いっぱいらしく、難しい顔をして必死に踊っていた。知らない顔だった。その横も男の子。だが彼はずっと背が高い。胸を撫で下ろす暇もなく、彼女は視線を移していった。

 舞台を眺めまわせる位置で彼女が止まると、また男達が群がりだした。いつしか体内のペニスも別人のに交代している。豊乳は両脇から鷲掴みにされ、手に手に男根を握らされる。口にもねじ込まれそうになったが、これは拒絶した。前が見えなくなるからだ。すると、その男は強引に彼女の頭を押さえつけた。

「しゃぶれって」

乱暴な彼は、無理矢理に口内へ挿入すると、自ら腰を振った。腕力では敵わない。やむを得ず口腔膣を開放した。ゴリゴリと舌の上を喉の方まで剛直が滑る。彼のものは一際太かった。

 と、その時、頭上でダンス音楽が止んだ。すると、視界の端にさっき見たピチピチの太ももが横切った。スカートの色にも見覚えがある、間違いない。舞台から下りたようだが……?

「オラ、飲め」

男の声がして、太いパイプから臭い汁が溢れ出てきた。それが一気に喉へぶち当たったものだから、ミナミは思わずむせ返った。

「イテッ、歯立てんじゃねえよ」

頭をはたかれる。ミナミは白目を剥いて耐えた。喉奥一杯にゼロ距離射精。苦しくて息もできない。

「オ、オエ、オエー……!」

口の端から粘液を垂らして悶えるが、男は許してくれない。おまけに、今度は放尿まで始めた。但し、それは一遍の放射でなく、小刻みである。要は、飲み下すことを前提に加減しているのだ。ミナミに選択権はなかった。

「ゴブッ、ンンッ……!」

尿の味はタイガやヌマタの所為で知っていた。といって慣れるはずもない。一体に、この世に男性の尿を飲むことを生業にしている女が何人いるだろうか。とはいえ、彼女は少しずつ供給されるそれを着実に胃袋へ収めてはいく。

 他方また、これらの苦悶の所為で僅かに感覚が戻り、膣内射精も思い出すようになった。途端に女体の反応が蘇る。彼女は再び目を裏返した。今度の絶頂はとりわけ大きかった。不感症の間もアクメは続いていたらしいが、意識が戻って一気に来た。飲尿しながら種付けされ、そして絶頂。一瞬、記憶が飛んだ。

 その間入れ替わった次の交尾相手は、

「疲れた」

と言って、ちょうど傍にあったソファーに座った。繋がったままでミナミも座るが、無論これは男の膝の上である。その頃には飲尿も終わっていたが、口内には別の肉棒を入れておかねばならなかった。

 彼女は先程よりややぐったりとしながら、改めて前方を見た。体位のおかげで見やすかった。見れば、先の少女が今までのミナミと同じように前後から男に挟まれていた。そればかりではない。その周囲のあちらこちら、あるいは舞台上でも乱交が繰り広げられていた。そう、彼ら、あのダンサー達のだ。

 記憶を飛ばした為に焦点の定まらぬ目で、ぼんやりとミナミはそれらを眺めていた。にわかには目の前の状況が理解できなかった。やがてその中に、よく見知ったような人影を見つけた。彼女の瞳孔が急速に開いていく。とうとう見つけてしまった、ずっと探していた者を! 彼女は静止した。

“彼”はまな板ショーよろしくステージ上で横向けに寝そべり、ちょうどこちらの方へ見える角度で股を開いていた。スカートはめくれ、その中身が丸見えだ。するとその露わな恥部を隣に寝る男性がまさぐっている。主に中枢で屹立する生殖器をだ。いつかのCМ撮影時のように、それはあられもなく勃起していた。男性はそれをコリコリと手の中で転がしている。

 それだけでも目を覆いたくなるような光景だったが、母をさらに戦慄させたのは、彼の行為であった。なんと、股間をいじくる男性の陰茎を口に含み、舐めしゃぶっていたのである。言うまでもなく、している方もされている方も男である。

 ミナミの呼吸が止まった。心臓も止まるかと思われた。再び彼女を孤独な静寂が包む。

 その眼前でフェラチオは続く。頭を押さえつけられ無理矢理に、という気配は微塵もなく、明らかに彼が自発的に行っているようだ。それも、舌をチロチロと小刻みに動かすなど、極めて技巧的に。そういう風に仕込まれたのだろう。誰にだ?

 ミナミは気づいてしまった。仮面こそ着けているが見紛うはずもない。彼だ。ジンだ! あのジンが口淫奉仕の相手だ。途端に、ガツンと頭をぶん殴られたような絶望感を覚える。

 ふいに目が合う。そう、明らかに彼と目が合った。自分には分かる、彼が微笑んだことも。それは、いつも笑いかけてくれるのと同じだったから。彼の声はよく通った。まるで、世界には今彼の声しか音がないかのように、ミナミの耳に直接届いた。

「出すよ、おチンポミルク。飲んでくれる? コウ君」

コウが上目使いにはっきりと頷き返すのが見えた。直後、その小さな口の中へ何が流し込まれたか、ミナミには分かり過ぎる程分かってしまった。ちょうど時を同じくして、母の口内にもそれがあふれていた。期せずして、二人揃って口内射精を受けた母子である。


〈つづく〉


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[2015/10/04 22:00] | 「ママの枕」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
ママの枕 ~ステージ17~

「ブファッ!」

多量の粘液と共に陰茎を吐き出すと、ミナミはもう走り出していた。

「おいおい、どこ行くの」

下にいた男性が慌てて腰を捕まえようとしたが一歩及ばず、その手は空を切る。彼の屹立した肉棒だけが後に残された。

「コウ!」

ミナミは思わず叫んでいた。しかし、為す術もなくステージ前で止まる。

 コウはちらりとこちらを一瞥した。が、その目にはなんの親しみも宿っていない。そればかりか、精を吐き出した男根の方をむしろ愛おしそうに舌で清めるのに夢中だ。

 そんな彼の髪をこれまた優しく撫でながら、奉仕される男が、こちらは極めて親しげに話しかけてきた。

「やあ、ミナミ。君も来てたんだ」

仮面の甲斐もなく、いつも通りの調子で。

「ジン……」

ミナミは何か言おうとしたが、言葉が続かなかった。愛しいはずの恋人が目の前にいる。それなのに全く嬉しくない。というより、心が追いつかない。

 代わりに、ジンの方から口を開く。

「ほら、コウ。ママ来たよ」

そう言ってコウの柔らかな前髪をかき上げるが、当の本人は相変わらず、もう母を見ようともしないで奉仕に専念している。

「おいおいコウ、そんなにしたらまた勃っちゃうよ」

サれている方はくすぐったそうに笑った。

 ちょうどそこへ発情した男達がまた群がってきた。立ち止まったら最後、容赦なく食い尽くされるのが定め。ある者は乳を、またある者は尻を、ミナミの体に狩人達の手が伸びる。

「やめてっ!」

ミナミはそう言って、手を振り払った。それは周囲に言ったのでありながら、同時にジンに向けて言ったのでもあった。

 しかし、ジンは意図を解さず、逆にコウの幼い恥部を、竿の先から根元へ、そして玉袋からその下へとねちっこくこね回す。その都度硬直しっぱなしのペニスが、いじらしくフルフルと震え、ステージライトを照り返す。

「やめて……」

同じく震えるミナミ。そこへしつこくも男が、まるで亡者のようにまとわりついてくる。その男根が尻の間に迫るのを身悶えして避けながら、彼女は息子へと近づこうとした。

 と、その時、頭上から威圧的な声が届いた。

「感動のご対面ってとこかしら?」

見れば、“大女優”の呼び声高い、当会の主催者だった。なんと仮面すら着けていず、堂々たる面持ちだ。いや、そればかりか、衣服すらなんら身にまとっていないのである。ただ下腹部の前に抱えた“装飾物”を除いて。

「レイコ、さん……」

ミナミは息を飲んだ。彼女が抱えているもの、それは後ろ姿ながら明らかに男児だった。全裸のその子はレイコに両の尻を鷲掴みにされて、彼女の胴にしがみついている。ちょうどその顔が胸の谷間に挟まり、また股間と股間がくっつく位置。彼がその女体の内部にまで“装着”されているのは想像に難くなかった。

「よいしょ……」

レイコは抱っこの姿勢を崩さずに、その子を床に寝かせた。すると、待ってましたとばかりに彼女の尻へまたがる者がある。これもまた、か細い線の男の子。彼は前方の巨大な山にしがみつくや、うっとりと目を細めながら、クネクネと腰を振り出した。彼もまたなんらかの穴と“繋がった”のだろう。

「あらあら、ウフフ」

動じることなくレイコは嬉しそうに目を細めると、前後の子に気を遣いながら前方へ這って行った。その先にはコウがいる。

 ハッとしてミナミは見た。ちょっと目を逸らした隙に、また事態は動いていた。自分への奉仕を止めさせたジンは、代わってコウの生殖具を口淫していたのだ。あのさっきまで照り輝いていた勃起が、今や端正な頬の奥にズッポリと隠れている。

 レイコはそこへ顔を寄せると、彼に一旦吐き出させたソレを指でつまんで言った。

「まあまあ、さっきまであんなに頑張ってくれたのに、もうこんなに大きくして。頑張り屋さんのスケベおチンポ」

そしてそのまま真っ赤なルージュの唇で先端から吸い上げた。ジンも相変わらず竿から玉へと唇を這わせていたので、その未成熟な股間は二人の大人の顔にすっかり占拠されることとなった。

“未成熟”――果たしてそうだろうか。性毛こそ生えていないとはいえ、包皮は既に剥けている。亀頭の先から伸びる粘り汁は、もはや唾液ばかりではあるまい。蠕動する睾丸、拍動する青筋。見紛う事なきそれは、完熟たる種付け道具で……。

「イヤァ……ッ!」

とうとうミナミは悲鳴を上げ、口元を覆った。

 かつて見た“アイツ”のモノは、まるっきり年齢と不釣り合いな程ふてぶてしく、かつ熟練していた。まさか、アレと同じ道程を早くもたどり始めているのだろうか。アイツよりもまだずっと年若い我が子なのに! さもありなん、何しろ現にレイコとまぐわっている二匹の小さきオスは、オスの顔してすっかりその気なのだから! 

「イヤ! イヤッ!」

ミナミは激しい嫌悪感に逆上した。認められない、どうしても。

 すると、脇からまるでタイミングを計ったかのように“ソイツ”が現れた。

「よお、デカパイママン、久しぶり」

タイガだった。キジマの話通り、やはり居たのだ。だが、コウを目の当たりにした今、ミナミに新鮮な驚きはない。

「あ、コウ。そっか、ついに親子で枕か」

少年はステージに目を向けてニヤリと口角を上げた。もっともその目には、いつになく疲労の色が見て取れた。彼もまた全裸で、そしてやはり子役として仮面を着けていなかった。その額が、妙にねっとりした汗で濡れている。

 そんな彼を、ステージ上から目ざとく見つけたジンが手招きした。

「タイガ、来いよ!」

「チッ……」

呼ばれた方は、顔を歪めて舌打ちした。それでも逆らわず、素直に足を向ける。

 彼が来るのを見て、付け加えるようにジンはミナミも呼んだ。

「ミナミも来なよ。一緒にヤろう」

屈託なく、優しげな声音。何も後ろめたい所がない人の声だ。

「イヤ、イヤ、イヤ、イヤ……」

ミナミは口の中で繰り返しながら、小刻みに首を振った。それでも前へ前へと歩を進めだす。ジンも、この状況も受け入れられない。それでもコウの下へ。

 が、しかし、彼女は行かせられなかった。左右から手が伸びて、見ず知らずの男共に阻まれる。

「イヤ、イヤッ、イヤァッ!」

ミナミは絶叫した。もうビジネスやコネクションがどうとかいう次元ではなかった。

「コウッ!」

必死で手足を振り廻し、周りを傷つけるのも構わずに前進する。それを押さえつけけようとする男達との乱闘の中で、ベビードールは破れ、仮面も取れ、いつしかありのままのミナミが現れた。

「騒がしいわねえ」

レイコはちらりと顔を上げ眉をひそめた。そして、つと立ち上がると、その前後に、まるでコアラのように小動物をしがみつかせたままで降壇した。そのままミナミの前まで行く。彼女の前を塞ぐ人垣が割れた。と、次の瞬間。

「キャッ!」

ミナミは軽く呻いて頬をそむけた。レイコの平手が飛んだのだった。

「ここは、私の、パーティーよ」

彼女はそう言い放つと、相手の髪を掴んで元の場所へと戻り出した。

「イタッ!」

掴まれた方が言ったが、レイコは意に介しない。代わりに周囲を気遣った。

「ごめんなさいね、お騒がせして。この人、ちょっと借りるわよ」

ミナミは彼女によって舞台まで、いや、コウの傍まで連れて行かれ、そこでやっと解放された。

「痛いッ……!」

地べたへと身を投げ出すミナミ。その上へ、レイコがあざけりの言葉を投げた。

「散々ヤることヤッてるくせに、意外とウブなのねえ。見なさいよ、あんたの息子の方がよっぽど大人よ」

 その時、ちょうど時を同じくして、二人の子供が彼女の前後ろからはがれた。するとレイコは、打って変わって柔和な表情で彼らの頭を撫でてやる。二人は用が済むや否や、物も言わずに去って行った。彼らが去った跡から、すなわち大女優の股の間にある二つの穴から、下痢便のような音が鳴って白濁汁が床に垂れた。彼女はそれを足の裏で伸ばし、また跡地の肉びらを“ブリブリ”と大袈裟な音で鳴らしてかき回し、どことなく得意げな表情で語りを続けた。

「コウくんはねえ、もうオ・ト・ナ、なの」

ミナミはただ見上げるしかなかった。聞く前からそれが恐ろしい話に違いないと思いながらも。

「あなたのうちは親子でシないんですってね。でもそのおかげで“初めて”は私が……」

ここで、レイコはぐっとミナミへと顔を近づけた。

「ごちそうさまでした。お母さん」

「ヒッ……!」

ミナミの背筋を悪寒が走り抜けた。“この女何を言っているのか”分からない。分からない、が、分かる。分かる、が、分かりたくない。年齢は自分より一回り以上も上のはずだ。そんな女と、否、そんな“ババア”とかわいい息子が……。

 目じりに皺をたたえ、レイコは話を続ける。いくら美容に金をかけ、年より若く見えるとはいえ、年齢が帳消しになるものではない。

「手取り足取り教えてあげて。撮影の度に愛し合って。彼が初めてのこと、なんでもシてあげたのよ。フフ、体の隅々まで開発してあげた。ねえ、知ってる? 彼が感じる場所」

“彼”という単語が出る度、ミナミは果てしない気持ち悪さを感じた。本当に、果てしなく、それは止まらない。

「すごく勉強熱心な子よね。覚えが早いのよ。クンニだって絶品よ、私をイかせるほど。あなたもシてもらいなさいよ。あ、ヤらないんだっけ、息子とは。かわいそうに」

まるで呪文のように、ミナミの耳朶に痴女の告白がこだましていく。

「もう私なしではいられない体なのね。彼、切なそうな顔でこう言うの“レイコさん、オマンコ入れさせてください。早くイかせてください。お願いします。お願いします”って、土下座」

悪魔のようにけたたましく笑うレイコ。

「小っちゃなおチンポパンパンに腫らして。目なんかギラギラさせて。あの歳でもうオッサン並にスケベさん。かわいそうだから入れさせてあげるでしょ。そしたらすごいのよ、あいつ。何度も何度もせがんできて、休ませてくれないのよ」

少しでも想像が及びそうになるのを、母は必死でこらえた。これも子役の宿命なのか、芸能界の常識なのか。彼女は甘かったのか。後悔の念が浮かび上がる。喪失感、そして敗北感もやってくる。

「見て、あんなにズリ剥けに育てたのも私」

彼女が指さす先を呆然自失のミナミも自然と見た。が、そこに息子の勃起があると気付くや、すぐに目を逸らした。

「お母さん、ごめんなさいね、息子さん獲っちゃって。お宅の息子さん、ううん、お宅のどスケベなコウくん、すっかり私の虜みたい。今日もねえ、実はさっきまで――」

レイコは滔々とまくし立てたが、途中からミナミの耳には入っていなかった。一度は目を逸らした彼女だったが、すぐにまた視線を戻したのだ。なぜなら、コウがまた新たな挙動に移っていたから。

「い、いいよ、オレ。汚ねえな。勃たねえよ。オレ、そっちの趣味ないんだからさ。ジンさん、頼むよ」

タイガが懇願しているが、事態は変わらない。少年の足元にコウの姿があり、彼の今度の相手がタイガなのだった。コウは親しい兄貴分を上目使いで見つつ、その勃起にしゃぶりついていた。そう、かつて母がしていたように。

「そうそう、あの子って――」

レイコの次の言葉は、ミナミの、すなわちコウの母親にとっての、最悪の予期を呼び起こすものだった。

「もう“処女”でもないのよね」

同意を求めるように、彼女はジンの方へ小首をかしげる。ジンは、笑った。


〈つづく〉


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[2016/02/13 22:00] | 「ママの枕」 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top
ママの枕 ~ステージ18~


 その光景は、母親にとって一つの地獄にほかならなかった。

「いや、オレいいですって」

タイガは拒んだが、先輩の圧力には敵いそうもない。他方のコウは、むしろ期待満々といった感じで受け入れ態勢を取っている。すなわち、四つん這いとなり、尻をタイガの方へ向けて。

「やめて……」

ミナミは蚊の啼くような声でつぶやいた。無論、その意思は誰にも通じない。

 タイガが密着すると、こちらに向いているコウの表情が一瞬苦悶に歪んだ。

「ンンッ……!」

眉を山型に垂れさせて、切なそうに喘ぎを漏らす。その様を見たレイコが、ニンマリと笑みを浮かべながら嘲った。

「あらあら、女の子みたいな声出すのねえ」

 すると、それを聞いたコウがますます表現をあからさまにしていく。

「ン、ンフゥ……アン、アン、アァー……ッ!」

レイコの形容通りだった。まだ声変わり前の彼は、女子のように甲高い声で啼いていた。それは、母親の知らない声、そして表情だった。

 ミナミの頬を涙がひと筋伝った。

「イヤ……」

届かない言葉を漏らす。もう母の願いが届かない場所へ、彼は行ってしまった。目を背けたい眼前の現実ながら、しかし、ミナミは片時も目を離せないでいる。その目の前で、レイコの問いかけにコウが答えている。

「ボクのケツマンコに、ア……タイガ君のおチンポが、ア……入って、ア……います」

「気持ちいいの?」

「気持ちいい! アン……おチンポ気持ちいいですぅ……」

それを聞いたタイガが、背後から文句を言う。

「おい、気持ち悪いこと言うなよ。オ、オレはホモじゃないんだからな」

コウの尻をつかみ、それへ腰を打ち付けながらだ。するとその口、ならぬその尻の穴を、ジンが塞いだ。

「ン、ンブッ! ジ、ジンさ……」

 ジンの――かつてミナミが愛した男の道具が、今明らかにタイガの体内に埋まっていた。いつかミナミが受け入れた時と同じように。これで三人の男が繋がった。

「もうイヤ、もうイヤ! もうイヤ、もうイヤ……!」

ミナミは激しく頭を振った。金縛りのような状態からようやく解き放たれ、今度は錯乱状態となって駆け出す。

 と、その後ろから現れた男達が彼女を制止した。

「お、なんだ、この前のデカ乳母ちゃんじゃん」

「あ、ハハ、勃起くんも居る。てか、勃起くん犯されてんじゃん。何? そっち系だったの? ハハ」

そう口々に言うのは、以前にCM撮影で知り合ったニシナとイツキだ。

「もうイヤもうイヤ……」

ミナミは彼らを顧みることなく、コウへ飛び掛かろうとする。

「おい、待てって。息子ちゃんもヤッてんだからさ。オレらもヤろうぜ」

イツキはそう言うと、強引にかつスムーズにミナミの背後から合体した。そしてそのまま床に腰を下ろすと、彼女の腿をつかんで開脚させ、結合部をコウへと見せつけた。

「ほら勃起くん、見たまえ。君が産まれてきた穴に、オレのチンポ入ってるぞ!」

コウはそれを聞いても理解しているのかしていないのか、虚ろな目でただただ幸せそうに口元を緩ませているだけだ。その横からニシナが、ある箇所に気付いて指摘した。

「ていうか、君今日もすげえ勃起してるなあ」

それは既にミナミも薄々感づいていたことだ、タイガに尻穴を犯されながら、息子の陰茎が急角度で硬直していることには。それは、あのCM撮影時、我が肌で感じた時の比ではなかった。ほとんど腹と平行になる位勃っているのだ。

「もうイヤもうイヤもうイヤ……」

ミナミの顔を涙と鼻水が埋め尽くす。息子が同性愛者になると、母親は自分を責めるようになる。ここに至って、彼女は初めて後悔を覚えた。自分の育て方が間違っていたと。

 そんな彼女の中へ、イツキの精子が垂れ流される。

「おお、出る出る。まだ結構出るわ。勃起くん、弟と妹どっちが欲しい?」

「バーカ、こんだけマワされた後で、お前が父親なわけねえだろ」

ニシナは友人にそう指摘しながら、彼が使い終わった穴へすぐさま自身も挿し込んだ。

「そうだよなあ」

イツキは思案顔で、今しがた種付けを終えたばかりの男根をぶら下げて、射精相手の息子へ近づいていった。

「君の母ちゃんはヤリマンだからなあ、輪姦大好きっ子さ。……ヤリマンの子は、やっぱりヤリマンか?」

そう言って、コウの頭を撫でてやる。コウは熱に浮かされたように頬を紅潮させ、艶っぽい息を吐いていた。その顔の先で、彼の母は性交渉中だ。今度は組み敷かれて、上から下へと肉棒で掘削されている。

「タイガも、ミナミのこと輪姦したんだよな?」

ジンが彼を犯しながら問いかけた。

「うん……」

タイガはしおらしく肯く。その表情は以前と一変していた。

「しかも、コウの目の前で。コウのママだって知ってて、わざわざ見せつけたんだよね」

「うん……」

「ひどいね。自分は肛門におチンチン入れられてイきまくるマゾのくせにさ」

「ウゥ……い、言わないでよ、ジンさん。ぼ、ぼく違……」

ジンは相手を優しく責め立てながら、ねちっこく腰を回した。それにつれ、タイガは目を裏返しつつ、どんどん呼吸を荒くしていく。

「何が違うのさ。謝んなよ、ほら」

「ご、ごめんなさい。コウのママ輪姦してごめんなさい」

「ちゃんと、ミナミにも」

「ごめんなさい、おばさん。ひどいことして、ごめんなさい。……ああ、もう」

謝罪する彼の口元からダラダラとよだれがこぼれ落ちた。肛門交尾の快楽に、名子役もすっかり完敗だ。

 先輩は、しかし容易に堕落を認めない。

「そんなんじゃダメだよ。ほら、ちゃんと今の自分が何されてるか言って。変態だって認めて謝らなきゃ」

「うう、ジンさん、もう許して。お、おかしくなる……チンポが、チンポがいいっ! アッ、ヘ……アナル気持ちいいよぉ」

そこには、視聴者に愛される姿も、天狗になって高慢ちきに振る舞った面影も、全く見えなかった。もっとも、ミナミが彼を見て溜飲を下げることはなかった。この期に及んで、彼の変貌ぶりなど、もうどうでもよかったし、そもそも眼中に入らなかった。

「アッ、ヒッ、もダメ。おばさんも、コウもごめん。ア、イく、中出す、オレ、コウ、オレ、コウの中にぃ、アアァー、ジンさん、ア、ア、ア、イヒュゥ~、イ、イ、イ、イく、イくッ、イぐぅ~…っ!」

タイガは悶絶してコウの背中にきつくしがみついた。瞳を潤ませて、コウが彼を受け止める。期せずして、ちょうど同じ時にミナミも射精を受けていた。二人揃って体内に精液を注がれた親子である。

「アー……」

天井を見上げて、ミナミは呻いた。その目に智慧の光は見えなかった。股は開きっぱなし。使われた穴もまた開きっぱなし。

 ふと、イツキが言った。

「そうだ。折角だから、親子でヤッちゃえば? 勃起くん、ほら、それ母ちゃんに入れてやれよ」

「おいおいマジか? 近親相姦か?」

面白そうに囃し立てながら、ニシナはしかし、タイガの方に興味津々だ。

「君って、テレビでよく見る子だよね。へえ~そういう趣味なんだ」

「あら、あなた、興味あるの? どう、よかったらヤッてみない?」

横合いからレイコが口を挟む。それを受けて、ジンが合体を解いた。

「ア……」

引き抜かれる時の刺激と、名残惜しいという感情からタイガが切なげに喘ぐ。その後、レイコに促されるままに仰向けとなって、ニシナに言った。

「よ、良かったら、ぼくのマンコを使って下さい。ぼくは、変態肉便器です」

それまで渋っていたニシナだったが、好奇心が勝った。彼はタイガに入った。

「アアアーッ! ぶっとい!」

目を白黒させてのけ反るタイガ。挿入されるや、途端に彼のクリトリスも硬さを帯び始めた。

「ウフフ、こっちはわたしが」

レイコは素早く彼に跨ると、それを陰裂にくわえ込む。食い物にするとはまさにこのこと。大人達は少年をおもちゃにして愉しんだ。

 一方、もう一人の子役は、イツキの介添えでステージママの傍へ来ていた。彼女は気だるそうに股の間へ彼を招き寄せる。

「アー……お、おいで……コウ。もう……もういいのよ。お母さんんの中においで。お母さんと、お、オマンコ、して?」

 コウはその前で立ち尽くしていた。彼の目は冷たかった。さっきまでジンやタイガと交わっていた時とは真逆の、冷めきった表情だった。そして、まるで汚いものでも見る様な目で、母を黙って見下ろしていた。

「コウ、来て。いいのよ、ほら」

ミナミは手を伸ばしかけた。と、それとコウが歩みを始めるのとほぼ同時だった。但し彼は、母ではなく、ジンの方へと駆け寄っていた。

「ジンさん、ヤらして」

 ジンはミナミの方を向いて苦笑しながらも、コウの為に四つん這いになってやった。コウは嬉々として彼の尻に、あのいきり立った肉棒を突き刺す。

 ミナミは状況が呑み込めなかった。バタンと床に後頭部を落とした。再び天井を見る。

「あ……? あ、あ、あああああぁ~……!」

彼女は発狂した。精液まみれの股間から、ジャージャーと小便があふれた。

「あらやだ。汚いわねえ」

レイコが嘲り笑う。ジンは無感情に微笑む。タイガは快楽に酔ってだらしなく口を開け、コウは獣のようにギラギラと口角を上げた。

 いつしか、ミナミの周りに男達がまた群がり出す。ハイエナよろしく、女肉をまた貪るつもりだ。ミナミは呆けたまま、彼らに消費され続けた。


〈つづく〉

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[2016/05/15 22:00] | 「ママの枕」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
ママの枕 ~ラスト・ステージ~


 男は新聞を読みながら、コーヒーカップを手に取った。紙面には、人気俳優の三回忌を伝える記事が小さく出ていた。一般紙に載る位に知名度のあった役者であり、三年前は大騒ぎだった。しかし、時は残酷なもの。僅か三年で人々の関心は移ろいゆく。

 ジンの死は一般に原因不明とされていた。謎の死であることが、一層スキャンダラスに祭り上げられもした。しかしその真実は、違法薬物の過剰摂取によるもので、確信的にやったそれは、ある種の自殺であった。

 男は、新聞を畳み、テレビに目を移した。新しい人気俳優がそこに映っていた。世代は交代していく。“実力派若手俳優”として紹介されている彼は二枚目顔でなく、どちらかというと脇役で光る役者で、近頃テレビドラマに出る機会もすっかり増えていた。

「そうですね、やっぱり母ですかね」

“一番感謝している人は?”の質問に、彼ははにかみながら答えていた。映画の賞の受賞会見である。

 男はコーヒーを飲みつつ、その映像を見るともなしに見ていたが、すぐに興味を失った。というのも、部屋に青年が入ってきたからである。彼の息子だ。

「大学か?」

尋ねると、

「うん」

と、息子は短く答えた。

「朝めし食わないのか」

「うん、いい。時間ないから」

「そうか」

二人の会話はそれで途切れるかに見えたが、玄関に向かう息子がもう一言付け足した。

「今日、母さんの所に行ってくる」

彼は背中を向けたまま少し返事を待った。

「そうか」

父はそっけなく答えた。それを聞くと、青年は無表情にそのまま出て行った。

 父子は二人暮らし。だがそれももうすぐ終わりだ。息子が家を離れるのである。大学に入ったら一人暮らしをすると、随分前から約束していた。男手ひとつで育ててきた父にとって一抹の寂しさはあったが、男とはいずれそういう定め、仲違いしていないだけまだましと思って、彼は自分を納得させていた。

 テレビのスイッチを切る。芸能ニュースに彼は関心がない。かつて我が子がその業界の片隅に身を置いていた時さえ冷めていた。必死でマネジメントしていた妻と、その点温度差は歴然と言えた。あまつさえ、彼女はその活動の末に……
 
 狂った芸能界において、素人が生半可に出しゃばるものではない。先程の会見で称えられた母シズカはその考えを徹底した人だ。過去にプロダクションの社長ワダから関係を迫られ、泣いて退散した思い出もある。爾来彼女は、一切誰に媚びることもなく、息子の成長を陰ながら見守ってきた。

「あら、トモくんのお母様!」

そんな彼女が久しぶりに来社したのを、現在の所属事務所の女社長が満面の笑みで出迎えた。

「この度は受賞おめでとうございます。“お母様に感謝”って、会見で言っていましたね」

「いえいえ、私なんて何も。全てヒサキさんのお蔭ですから。本当に、いつもありがとうございます」

シズカは深々と頭を下げた。言葉通り、ヒサキには心から恩を感じていた。一度は芸能界から去っていたヒサキ、それに無理を言って連れ戻したのはトモである。思えば、トモが唯一言ったわがままだったかもしれない。

 もっとも、当初ヒサキは彼の要請を何度も拒絶した。これまで数々の子役が不本意な形で消えていくのを見てきた彼女。開けっ広げに枕営業に走ったカズエの娘で自らも幼い身空でそれにつき合わされたエリカも、打算的なギャルママ・ユイの子も、今や行方すら掴めない。それらに対する自責の念が、コウの失敗をきっかけとしてついに爆発したのだ。結果、彼女は事務所を退社し、畑違いの仕事に就いた。

 他方、その間もトモは、コツコツと活動を続けていた。特別目立った出世作にこそ縁がなかったが、それが返って功を奏した。

 例えば、かつての売れっ子タイガは、子役時代に売れ過ぎてその後のイメージ形成に失敗し、学業専念を言い訳に引退に追い込まれていた。世間とのずれに苦しむ彼は、今や大学そっちのけでパチンコ屋に入り浸る毎日という。

 その点、トモは知名度がなかった故に助かった。地味だが、しかし“継続は力なり”を地で行く姿勢で、確実に仕事をこなしていった。それがじわじわと業界内で認められ、芸歴の長さ故に自然と知己も増え、今回海外出品の作品に起用され注目を集めたのも、そうした必然性の上の実績である。習い事感覚で始めたのが、よく実を結んだものだ。

 振り返ってみて、彼ら親子程世間的常識と乖離せず、コネにも頼らずにコツコツとやってきた人達を知らない、とヒサキは思う。頼ると言えば、自分にだけだ。本当に、よく自分の方針に耳を傾けてくれ、信頼してくれた。だから彼らの為には一生懸命動いた。そこがコウ親子の場合とは大きく違った。

 何回目かのトモからの説得の折、ワダの急逝を聞かされた。とある子役の母親と例によって情事中、腹上死したという。彼の死は、そのプロダクションの経営を揺るがした。老舗とはいえ、あるいはその為余計に、彼の顔で食い繋いできた部分も大きかったのである。ワダとのしがらみも無くなった上、トモがピンチにして今なお己を頼ってきた。ヒサキは業界への復帰を遂に決意した。

 今では、他の大手事務所と業務提携をしながら、自ら代表を務める芸能事務所でトモをマネージメントする。トモの人望は想像以上に高まっており、舞台系の大御所役者が助け舟を出してくれたり、他の若手俳優が彼に追随したりと、いつしか実力で人脈を勝ち取っていた。

「ごめん、呼び出して」

トモが母の下へ爽やかにやって来た。事務所で待ち合わせをしていたのである。外では、父親が車で待っている。

「いいの、仕事は?」

「うん、オフ貰ったから」

そう言うと、彼は社長にウインクする。

「ええ、ごゆっくり楽しんでらして」

ヒサキは笑って、これから家族水入らずの食事会に向かう親子を送り出した。その顔はとても自然で晴れやかな笑顔に包まれていた。タレントを支え、導ける素直な喜びに、ようやっとたどり着いたのだった。

 その頃、もう一方の親子も久々の対面を果たしていた。

「調子どう?」

病室に入ったコウは、母のベッドの傍へ立った。母から返事はなかった。ただ薄ぼんやりとした目で、テレビ画面を見ていた。そこにも、たまたまトモの会見が映し出されていた。かつての同僚との間には、挽回しようもない差が開いていた。もっとも、もう一般人である彼にとって、それは気に病む材料ではない。

 コウはテレビの電源を切った。

「どう、元気?」

もう一度、今度は相手の目を覗き込んで尋ねる。母は煩わしそうに答えた。

「ええ、ぼちぼちね」

目を合わせようとはしない。その化粧気のないやつれた頬に、ほつれ毛がぱらりと落ちた。

「そっか」

二人は黙った。息子は窓の外を見、母親はシーツの一点に目を落としている。

 あの日、レイコのパーティーで失神したミナミは、そのまま病院へ担ぎ込まれた。夫には過労だと告げられた。彼が駆け付ける前に予め体は綺麗に清められており、且つレイコに意を含められた周囲が口裏を合わせ通した。入院は一週間程度だった。

 家に帰った彼女は、しばらく大人しくしていた。もう芸能界のことは一切言わなかった。ちなみに、入院中を含め、ジンとはそれから一度も会うことがなかった。

 異常な行動が見られるようになったのは、約一年程経った頃からである。突如奇声を上げ、意味不明なことを口走るようになった。最初の内は夜中にうわ言を発する程度だったのが、昼間でも寝ぼけているような状態になった。そして、段々と家事を放棄するようになった。洗濯もせず、買い物にも行かず、夫が帰宅すると、朝家を出た時のままの姿勢で、彼女は居間に座っていた。

 ストレスだと診断された。夫は、やむなく妻を実家に帰した。だが、これが良くなかった。田舎では世間体を気にし、とりわけ妹夫婦が彼女を煙たがった。他方、ミナミも鬱屈する気持ちを発散する為に飲み歩き始めた。すぐに良くない噂が立った。中には男がらみのふしだらなものもあった。やがて、彼女は返却されてきた。

 夫が離婚を決意したのは、彼女がコウに暴力を振るいだしたからである。それは、しつけの域を超えていた。虐待、それだけは彼に耐えられるものではなかった。

 独り身になったミナミは、夜の仕事を転々としつつ、心身共に疲弊して入退院を繰り返した。自暴自棄という病は、治る見込みがない。

「今度、一人暮らしするんだ」

コウはぼそりと言った。それに対する反応はない。まるで独り言を言ったように、ただ壁に反響しただけだった。

 彼は、母親の堕落に少なからぬ責任を感じている。その当否はともかく、それが彼のトラウマには違いなかった。しかし、同時に彼女が憎くもあった。だから、憐みの情は無かった。自分でも嫌になる位、冷たい感情がそこに冴え渡っていた。

「(もうここへ来ることもないな)」

コウは、僅か十分足らずの見舞いを終えて、そう思った。家を出るのは彼なりの決別である。もう背負っているもの全てを降ろして、新しい人生を始めたかった。

 そんな青年が、病院を出た足で向かった先は、ラブホテルである。ここで彼は、今日初めて会う男性会社員に体を売る。それが、学生である彼の副業だ。

 因果は絶てない。


〈おわり〉


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