おことわり
R18
このブログには、エッチなことがたくさん書いてあります。まだ18歳になっていない人が見ていい所ではありません。今からこんな所を見ていると、将来ダメ人間になってしまいます。早くほかのページへ移動してください。

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なお、掲載している小説はすべて虚構であり、実在の人物・団体等とは一切の関係がございません。

    
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「オナこもりの小説」は、エロ小説を気ままにアップしていくブログです。たまに、AV女優や、TVで見た巨乳のことなども書いています。左サイドにある「カテゴリ」から、それっぽい項目を選んでご覧ください。



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妄想の座敷牢羞恥の風ましゅまろくらぶ



小説には、連続作品と一話完結作品があります。連続作品は、左「カテゴリ」の各作品名より一話から順番に読むことができます。また「目次」には、各作品の概要などをまとめた記事が集められています。

■連続作品
◆長編作品
「子宝混浴『湯けむ輪』~美肌効姦~」

◆中編作品
「大輪動会~友母姦戦記~」
「青き山、揺れる」 ▼「師匠のお筆」

◆オムニバス
「母を犯されて」

◆短編作品
「育てる夫」  ▼「最後の願い」  ▼「ママの枕」  ▼「ブラック&ワイフ」
「夏のおばさん」  ▼「二回り三回り年下男」  ▼「兄と妻」

■一話完結
「ふんどし締めて」
「旧居出し納め・新居出し初め」  ▼「牛方と嫁っこ」  ▼「ガンカケ」
「祭りの声にまぎれて」  ▼「シーコイコイコイ!」  ▼「サルオナ」  ▼「母の独白」
「童貞卒業式」 ▼「お昼寝おばさん」  ▼「上手くやりたい」 ▼「珍休さんと水あめ女」
「栗の花匂う人」「乳搾りの手コキ」 ▼「妻つき餅」 ▼「いたずらの入り口」
「学食のおばさん便器」 ▼「山姥今様」 ▼「おしっこ、ついてきて。」

作品一覧

大輪動会-プログラム#37-


 *

「おう、前原君も、もっとやりたまえ、やりたまえ」

と、金光にビールを注がれ、前原は無言でグラスをあおった。

 大浴場から出た所でバッタリと依頼主に再会し、そのまま宴会に参加させられている。断る選択肢はなかった。予想だにしない展開に接し続け、彼はもう疲れ過ぎていた。

「(まあ、この人と一緒の方が、まだマシか)」

僅かでも前向きな観測を導き、力なく口を歪める。作り笑いも楽ではない。

 本当なら、あのまま荷物を取りに行って逃走するつもりだった。たとえ電車が動いていなくとも、這ってでもこの町から出ようと決意したばかりだったのに。しかし、またこんなことになる。前原は己の運の悪さを呪った。

「温泉、良かったですか」

「貸し切りだったでしょう」

猪瀬や舛添といった取り巻きが口々に聞いてくる。前原は辛うじて愛想笑いを返しながら、適当に相槌を打った。この中にも例の一味が混じっているかもしれない、そう思うと戦々恐々となる。大体金光がここにいること自体が不可解なのだ。

 話題はしばし温泉のことに及んだ。そもそも“温泉に浸かりましょうか”という花村の誘い文句がここへ来る決定打になったのだが、主目的を後回しにして宴を続けている一同だ。

「しかし、なんだね――」

新加入者を巡る盛り上がりも一通り落ち着いた頃、焼酎の水割りグラスを傾けながら、ふいに金光が言い出した。

「こんなだだっ広いとこで車座になるなんざ、貧乏学生みたいだなあ」

そんな経験は実際無い癖に、思いつきを口に出す。嫌味を言わないと気が済まない性質である。

 もっとも、確かに六人で使用するには寒々しかった。世話係の袋田と藪塚を入れても八人ぽっちだ。

「女も居ないんじゃあなあ」

とうとう退屈そうにし始める。袋田はカラオケを勧めてみたが、金光は興味を示さなかった。代わりに、

「近くにスナックみたいのあっただろ。あそこ空いてないの? あれぐらいのとこでいいんだよ」

と、矢板が営んでいる店の名を出すが、当然それは否定される。すると今度は、“さっき居た店のままでも良かった”などと本末転倒なことを言いだした。

 気を回して、村本が話題を変える。

「そう言えば、この部屋のほかにも誰か居るんですか? さっきトイレに行った時、なんか声がしたような気がするんですけど」

「おいおい、変なこと言うなよ」

舛添が横で怖がって見せる。

 と、ちょうどそのタイミングで、入り口から袋田を呼ぶ声が聞こえた。一同、一斉に振り返る。そこに居たのは鎌先だった。

 袋田が手招きに応じて中座する。呼ばれていないのに、藪塚も後から付いてきた。三人は廊下に出てコソコソと何か打ち合わせていたが、間もなくして袋田と藪塚は席に戻ってきた。

“誰だ”“どうした”と問われる機先を制して、袋田が辞を低うして切り出す。

「実はですね――」

すると、それへ食い気味に藪塚が言い出した。

「コンパニオンをご用意してあるんですよ」

先走られて気を悪くした袋田、やんわりと言い直す。

「いや、コンパニオンと言いますかですね、ちょっと面白い趣向の――」

「ショーですよ、ショー! まな板ショーみたいな」

また藪塚がお株を奪う。この企画に大いに乗り気なのが見て取れる。

 すると、その前のめりさが功を奏したのか、金光が乗って来た。

「ストリップの?」

「そうそう」

満面の笑みでブンブン頷く藪塚。

 袋田は仕方なしに補足説明に回った。すなわち、町にある風俗店の選りすぐりの女をスタンバイさせており、許可が下り次第すぐにここへ呼ぶことが出来ること、さっきの男はその店の店長であること。

「そんな店あったか?」

金光が振り返って仲間に問う。

「ありますよ、一軒だけ。リングっていう名前だったかな」

村本が答えると、“そうです、そうです”と藪塚が応じた。猪瀬と舛添は澄ましていたが、実は行ったことがある。この場で知らないのは金光だけだった。

「やっていけるのかね、こんな町で」

彼は別な方向に興味を向けた。

 確かにこのさびれた町に性的サービスの需要がそれ程あるとは思われなかった。かつて温泉街を成していた当時は色町も多少はあったらしいが、現状で温泉客を当て込むにはリスクが大き過ぎる。鎌先の店の存在は町の七不思議の一つであった。

「いやあ、意外と流行ってるんですよ。まあ、お嬢は大体おばちゃんばっかですけど」

藪塚がそうフォローすると、それを知っている者らは同意して笑った。実際、金光以外の面々が通っている位だから、なんとか経営は成り立っているのであろう。あるいは、この町には好色者が多いのかもしれない。

「それで……、どうされますか?」

逸れてしまった話を、袋田が元へ戻す。

「おっ、そうだな。じゃあ、お願いしようか」

金光はそう言って、仲間を見渡す。誰にも異存はなく、頷き返している。

「承知しました」

袋田は言って、立ち上がった。藪塚がまた付いてこようとしたが、今度は居残るように命じた。

 彼が出て行って間もなく、宴会場の舞台に鎌先が登場した。白のカッターシャツに黒の蝶ネクタイを締め、黒のスラックスを履いている。実は自前ではなく、矢板の店から持ってきてもらったものだ。こういう演出に手間を惜しまない男である。

「レディース・エーン・ジェントルメン! お待たせ致しました。これより、本日のメイン・イベント、スペシャル・マッチを開始致します」

マイク片手に高らかと宣言する。

「本日の挑戦者は、なんと正真正銘の素人奥様! 夫の粗チンでは満足出来ず、夜の街に飛び出した不良ママさんは、それもそのはずグラドル顔負けのどスケベボディの持ち主。男を狂わす罪な体は、もはや歩く猥 褻物そのものと言っていいでしょう。その淫乱ミルクタンクに是非ともご注目下さい。それではご紹介致しましょう。皆様拍手でお迎え下さい。町のオナペットママドル、爆乳モンスターペアレンツ、当店が自信を持ってお送りする超大型新人、ヒカルさん!」

 仰々しい煽り文句に応えて、素直に拍手をする客達。その中から一様に、“おお~!”とどよめきが起こった。舞台上に肌も露わな婦人が一人、その実り過ぎた膨らみを揺らして引っ張り出されたからだ。

 しかし、次の瞬間、金光が素朴に疑問を述べた。

「なんだありゃ、マスクかぶっとるじゃないか」

 彼の指摘通り、女性は服を一切まとっていない代わりに、頭からプロレスラーのような覆面をすっぽりとかぶっていた。目と鼻の孔の所、それと口はあいているが、その口には丸い球体がくわえさせられている。その球の両端にはバンドが付いていて、それが頭の後ろに巻かれているらしい。

「あの店の企画じゃないですか。ああいう覆面レスラーみたいな格好させて、正体隠すっていう」

村本が早口に説明する。

「そうなのか」

金光がまだ納得しきれないでいると、藪塚も口を挟んだ。

「時々あるんですよ、イベントが」

「まあ、素人っていう設定ですから、バレちゃいけないっていう演出じゃないですか」

村本はさらに見解を足して、それで話を打ち切った。彼の興味は本格的に舞台上へ移りつつあったのだ。

 金光は“乳まで見せとるのに顔を隠すのはよう分からん”とか“もうストリップは終わっとるじゃないか”などとブツブツ言って周囲に面倒な相槌を強要していたが、クレームを入れるという程のことではないので、とりあえずは続きを楽しむことにした。

 舞台には、女を引っ張ってきた男も立っている。彼はボクサーパンツ一丁で、やはり覆面をかぶっていた。

 花村は身を乗り出して見入っている。そうして藪塚に目線を送り、さらにはパンツ一丁男にも曰くありげに笑いかけた。相手もその意図を承知していて、ニヤリと笑い返してくる。この趣向の開催を花村は聞かされていなかったが、覆面男の正体はすぐに分かった。高橋だと。女の方は言うまでもない。

「(ああ、ほんとにやりやがった)」

舞台袖では、島田が頭を抱えていた。


〈つづく〉




〈現在の位置関係〉
▼大広間
有紀、金光、花村、猪瀬、舛添、村本、藪塚、前原、鎌先、高橋
▼???
佳彦、慶介、浩樹、竜二、小林、比嘉、祥吾、雅也、服部、矢板、羽根沢、森岳、沼尻、島田、鈴木、浪岡、松倉、七里川、袋田
▼帰宅
俊之、克弘、恵太、優斗、豊、聡、翼、清美、瑞穂


〈輪姦記録〉
挿入男根:30本
射精回数:86発
(膣52・口15・尻11・乳5・顔1・髪1・外1)


ひとみの内緒話




テーマ:官能小説 - ジャンル:アダルト

[2018/06/03 22:00] | 「大輪動会」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
大輪動会-プログラム#35-


 彼をこれまで躊躇わせていた存在、それはまだそこに居る。何も語らない瞳で、しかし大いに熱気を迸らせて、じっとりとしつこい目線をこちらに送ってくる存在。佳彦だ。

 バスからこの部屋まで、一団の最後尾に付いてきて、そのまま今も入り口付近に座っている。どうして佳彦が居残るのか、比嘉にはいまださっぱり分からない。狂気の沙汰だと思った、そう仕向けた人間も、素直に従っている彼自身も。

「ワッ、フゥ……」

有紀が軽い呻きを発して前に倒れる。服部が気を利かせて仰向けになってくれたのだ。おかげで比嘉は挿入しやすい位置に女体の背を眺め降ろすことが出来た。合体中の服部に覆いかぶさって、有紀の臀部から背中にかけての曲線が鮮烈に艶めかしく映える。もう辛抱堪らんと、比嘉はその尻に手を掛けた。

 いつだったか、学校の階段で、彼女の尻を下から眺める機会があった。バレてはまずい、そうは知りながらも、彼は盗み見ないわけにいかなかった。網タイツの奥、ショッキングピンクに黒いラインの入ったテカテカした下着。そしてその脇からあり余る脂肪の丸み。鮮明に記憶している。これで彼の中のオカズは、さらにリアリティを増したのだ。

「ンウヴンンフ……ッ!」

排泄器官にまた硬いものが逆流してきて、有紀は口の中に居る同種のものをモゴモゴしながら呻った。

 三つの内二つまで埋まっていたから、比嘉が選べるプレイスポットは一穴しかなかった。もっとも、彼にとっては端から望むところである。アナルファック、初めての体験。

 熱い熱い圧迫が握り締めてくる。進ませると、思いのほかスムーズに入った。むしろ、あれよあれよと言う間に引き込まれていく感じ。気がついたら、根元までいっていた。モジャモジャした陰毛で、桜色に縁取られたおちょぼ口がすっかり隠れてしまう。今、彼の全部が彼女の中に居た。

「ああ……」

声が出ていた。廊下で幾度となく見送った、プリプリ揺れるあの尻。ハイヒールの靴音高く、その度左右に触れていたあの尻を、妄想ではなく現実に征服したのだ。

 それは、これまでの躊躇が嘘みたいに小さく感じられる程の感動だった。息子の眼前で犯す禁忌の所業、いや、彼だけでなく、それ以外の生 徒だって居る前で、しかし踏み出したこの一歩は大きかった。きっと、何か大事なものを失っただろう。教師として、人間として。いずれ後悔する日が来るかもしれない。だが今は悩まない。素直にクズだと認めよう。性欲に支配された、ただの獣でいいじゃないか。

「ああ……くっ……」

されている方以上に気分を出して、比嘉は肛虐を愉しんだ。教え子らの前で、保護者を犯すことを。否、決して背徳が彼の心を昂らせているのではない。もっと純粋に、快楽への探求心が勝ったのだ。立場も理性も吹っ飛んだ。

「ンボヘ……エ……ッ!」

人並み以上にサイズの大きい剛直で、しかも遠慮なしに激しく摩擦を繰り返され、有紀は背筋をピーンと硬直させて震えた。ブベッ、ブボッ、と肛口の縁から粘り気を伴った空気が漏れる。

 この激しさは、下で頑張っていた服部にも影響した。壁越しに伝わる振動と熱、さらには自分が使っている穴自身の悦び方にも圧倒されて、射精してしまったのだ。

「おほぉ……気持ちよかった……」

しばらく待って、全部出しきった後、服部は女肉の下から這い出た。

 彼に代わってその場所を受け持つのは藪塚である。比嘉は服部がしてくれたように、今度は自分が仰向けに体勢を変えて、藪塚が入れやすいようにしてやった。

「ンンミイィー……ッ!」

前倒し状態から一気に反り返させられる有紀。この頭の遠心移動は地味に体力を消耗する。加えて、移動後にすぐ口を塞がれるのもこたえた。どんな体位になろうと、袋田はすぐ付いてきて口腔に収まるのだ。

「ンブッ、ンゴッ、ブヒッ、ウヒッ……!」

前よりもっと高い位置へ快感の水位が上がったのではないかと思われる程、有紀は意識を高みへ飛ばした。キーンと耳鳴りするような緊張感か、逆に一切の力みを失った弛緩か、まるで自覚出来ない体調。だがもやは混乱もしない。ただされるがまま。

「フン、フン、フン……ッ!」

上の藪塚は相手のふくらはぎを高々と肩に乗せて、一気呵成にリビドーをぶつける。下の比嘉といい、どうもこの二人は速くて大きなグラインドに方向を見出しているようだ。おまけに両者とも体格が良く、そうして剛直も並より太く長い。

「グフィイィー……ッ!」

有紀はすっかり正体を失って、宇宙を彷徨うかのよう。その下半身にて、発火しそうなまでにドスドスと叩き込まれる二本の肉棒。これらが発動機となって、彼女を果てまでぶち上げる。

 彼らが剛だとすると、こちらは柔とも言うべき袋田、強い振動を受けながらも静かに我が事を終えた。

「可愛いもんだ」

頬に張り付いたほつれ毛を直してやりながら、自分の汁を飲む女を撫でてやる。ただその顔を見た何人の人が、彼同様に“可愛い”と讃えるかどうか。かつて傍若無人に取り澄ましていた彼女も今は昔、現在はあの世へ逝ったかのような目つきである。

 袋田はすぐさま矢板にバトンタッチ。矢板は笑顔で友人の排泄し終えた口に性具を挿し入れた。まるで小便器の順番待ちをしていたかのようだった。有紀は呆けた口を開いたまま、勝手に男根を頬張らされる。外からは、くわえる相手の変わったことに気付いていないようにも見えた。

 比嘉は下から乳房を鷲掴みにして揉み回した。ちょうど雅也がそこで淫ら遊びを終えた直後である。だから、乳房を握る手にも、青くさい吐き終わりが付着した。だがそれでも構うことはない。教え子の精液に触れようと、彼の目に己の痴態を焼き付けようと、もうどうでもよかった。それ程までに、良かった。

 過去に“無能”とまで罵られた憎むべき敵。比嘉の歪んだ欲望は、彼女を否定しながらも妄想で凌辱することで調和を図ってきた。だが今はどうだろう。不思議と憎しみはなかった。逆に憐みもない。袋田ではないが、愛おしさのようなものだけが湧いてくる。

 彼女のみならず、男達の方でも心境に些か変化が見られだしていた。一つには長丁場のせいであり、また一つには一体感のせいであり。情とは千変万化、流転し続けるものらしい。

 ここに一人、新たな具体的行動に出る者も居た。すると、目ざとくそれに気づいた者達が傍へ寄ってくる。

「何してんの、金光君?」

佳彦はビクッと肩をこわばらせて、手の動きを止める。その手は股間の上にあった。被服越しではあるが、彼は初めての自慰を試みていたのである。誰に教えられたわけでもなく、本能的に、興奮を鎮めようと。

「オナニー、してたの?」

祥吾が言った。

「お母さん見ながら?」

雅也も言った。二人は立ったまま、床に座り込んでいた佳彦を見下ろしている。その表情に感情の起伏は見えなかった。

 佳彦は答えない。ビクビクしながら尋問に耐えている。彼は初めての自慰を同級生に見つかったのだ。

「おばさん、レ イプされてるんだよ。いいの?」

「自分のママがセックスしてるの見て、興奮出来るんだ?」

同級生達は口々に言った。責めているようでもあり、尋ねているだけのようでもあった。またその顔は、笑っているようでもあり、軽蔑しているようでもあった。

 わずか数分前にも、子種汁を女に発射した二人。雅也は乳に、祥吾は頭髪にそれぞれ擦り付けて発散した。そしてその足で、女の息子のもとへ来た。

 佳彦は沈黙を守っている。

「変態だね、君」

「マザコンってさ、ほんとに母親とセックスしたいんだ」

普段と力関係が逆転した。顎で使ってきた二人に、何も言い返せない。虎であったはずの母から、もう借りられる威は無い。

 祥吾と雅也は、佳彦を挟んで座った。

「金光君のおばさんさ、すっげえ気持ちよかったよ」

 実のところ、二人にはまだ戸惑いがあった。急に力を得てしまって、まだ使いこなせている気がしないのだ。ただ彼らを支えていたのは、相手との圧倒的な経験の差、そしてそこから来る自信である。男と少年の違いだった。

 彼らは自分達の実力を、一つ一つ確信していけるように、とつとつと言葉を紡ぎだす。

「金光君もさ、おばさんとヤりたい? ヤッてみたら?」

 この時、もしこのまま何事もなければ、この審問会に何らかの結論が出たかもしれない。しかし実際には、最後の発言と、それを聞いて佳彦が顔を上げたのと、慶介が注進を告げたのとはほぼ同時であり、会話は中断されることになった。

「旦那さん来たよ」


〈つづく〉




〈現在の位置関係〉
▼中広間
有紀、佳彦、慶介、浩樹、竜二、小林、比嘉、祥吾、雅也、服部、藪塚、矢板、鎌先、羽根沢、森岳、沼尻
▼大浴場
前原
▼廊下
金光、花村、猪瀬、舛添、村本、袋田
▼玄関前
松倉、七里川
▼移動中
島田、鈴木、浪岡
▼帰宅
高橋、俊之、克弘、恵太、優斗、豊、聡、翼、清美、瑞穂


輪姦記録〉
挿入男根:28本
射精回数:83発
(膣51・口14・尻10・乳5・顔1・髪1・外1)


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テーマ:官能小説 - ジャンル:アダルト

[2018/05/26 22:00] | 「大輪動会」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
大輪動会-プログラム#28-


「(しまった!)」

と比嘉は思ったが、もう後の祭り。

「(バレた!)」

心をざわつかせる前原。

 名を呼ばれ、無表情で振り返る佳彦。

 そして、有紀は……

「ヒ……イ……ギイ……ギャアアァァァー……ッ!」

断末魔にも似た絶叫が、夜の校舎にこだました。

「え?」

「何?」

誰にとっても想像以上の叫び。皆々驚いて有紀を見、そうして、その視線の先を追う。そこに佇むのは、果たして悪魔の子か。

「誰?」

「そう言えば、こんな奴いたっけ?」

気味の悪い感情に包まれる男達。それをよそに、有紀がこれまでになく暴れ出す。

「お、おい、押さえろ」

周りにいた少年らが雲散霧消し、代わって大人達が組みかかる。

「ギャアッ、イヤッ、ヤッ!」

なりふり構わぬ態で逃げようとする有紀。ひどい狼狽え様である。これには、さすがの前原も呆気にとられた。

「(こんなになるとは……)」

 それは、想像以上の反応だった。凌辱の場を見られることは確かに悲劇ではあるが、平生の応対はむしろ淡々とした印象であっただけに、我が子に接してこれ程の動揺があるとは思いがけなかった。やはり、母性がなさせる嘆きなのであろうか。

「ヤッ、イヤッ、離せ、離せぇっ!」

いまやはっきりと拒絶の意思を示しながら、有紀はその場から逃れようとする。視線は出来るだけ逸らす、もはや禍々しいと言うべき、己の血を分けた遺伝子から。そこに、愛とか配慮は無いと断言して良い。では、有るのは何か。

「なんだ?」

面食らった様子で、小林が周囲を、就中比嘉の顔を見る。比嘉は答えなかった。己の迂闊を悔いて、これ以上の罪を重ねまいと自重していた。

 だが、有紀の狼狽を見、その眼前にいる少年の年恰好を見れば、誰の目にも容易い推理ゲームである。程なく、彼は身近な若輩を捕まえて問うた。

「おい、あれ……息子か……?」

面と向かって問われた克弘、仲間に助けを求めたい所だが、誰も目を合わせてくれない。進退窮まって、とうとう彼は白状せざるを得なくなった。きまり悪そうに浅く頷く。

「感動のご対面ってやつ……?」

慶介がボソリと呟いた、言葉面とは裏腹に、真に迫った声音で。だが、その控えめな感情も一瞬のこと、たちまち仲間らと色めきたった。

「マジか、おい!」

「最悪じゃん。ヒくわ~」

口々に言い合うのは、やはり事態を面白がる風潮だ。

「違う! 違うの!」

乱れ髪の端を口に張り付けながら、有紀が絶叫する。周囲に対しては親子関係の否定、且つ息子に対しては現状の否定、その両方の意味を含む“違う”だった。今度は血走った眼をギョロリと佳彦に向けている。その目には、半ば憎しみが溢れていた。

 有紀にとって、平生から佳彦は疎ましい存在だった。長じるに従って、その傾向は顕著になったと言っていい。小さい内はまだ気にする程でもなかった。しかし、中 学生ともなり、男の子から男性へと成長する様は、ある種不気味にも思え、己の理解が及ばなくなるようで不安だった。その点、同じ女である下の子二人はまだ感覚的に理解出来たものだ。

 もっとも、子 供らに対する愛情というものは、そもそもが希薄な人であった。お腹を痛めて産んだ子に対して、一体にそんな薄情な母親があるものかと疑問を呈する向きもあるだろうが、どこまでも自己愛の強い彼女にとって、子 供はペットと同格、しかも自分が構いたい時だけいればいいといった類のそれであって、その意味では装飾品と変わりないのである。

 三人も産んでおいて、傍から見れば理解に苦しむ所だが、その点も彼女の中で何ら矛盾はない。元々が政略結婚で、義務的に設けた子である。結果的に三人は多いが、産めと言われれば産んだだけのこと。そこに自らの意思はなく、ある意味、家畜のようなものだと自嘲したこともある。計画と無計画の狭間で誕生した産物、それらをただひたすら冷めた目で見つめる。それが彼女という生き物だったのである。

「おい、お前大丈夫か」

小林が佳彦の肩を叩いて尋ねる。その口辺には不穏な笑みがこびりついていた。

 佳彦は何も答えず、何も語らぬ目でしばし母と見つめ合う。その間、僅か十秒。有紀の方がまた視線を外すまで続いた。

「もう、いいでしょ……」

それまでと一転、一気に沈み込んだ口調で、有紀が呟いた。あまりに小さいその声は、押さえつけている男らにすら届かなかった。完膚なきまでに打ちのめされた彼女の脳天に、絶望の二文字が衝撃的に圧し掛かる。これまでと比較にならない真の絶望。彼女は、自分が最後まですがっていたものの正体を、今ははっきりと自覚することが出来た。それは、いずれ戻るつもりだった華々しい日常である。それへの執着が、その象徴的存在である登場人物との対面によって、脆くも崩れさったのだ。彼女はもう、以前の平穏に帰る道を、完全に失ったのである。

「オオアオォァ……」

低い唸りを吐いて、脱力していく。脇の男達が、すんでのところでそれを支えた。

 一方、普段の親子を知る者達には、軽いインタビューが行われていた。それによって、祥吾と雅也は佳彦の同級生、俊之と克弘は上級生であることが自白させられた。

「なるほど。それじゃ、知ってて犯してたわけだ、友達の前で、その母ちゃんを」

「そりゃなんと言うか……すごいな、最近の子は……」

 矢板と鎌先が顔を見合わせる。彼らとて、こんな場合は初めてだ。どんな反応をしたものか判断つかない。ただ、佳彦を助けようなどという意見は思いつかなかった。

 忸怩たる思いは、比嘉と前原。こんなことになる前になんとか出来なかったのかと、今更考える。だが相変わらず、何かしようとは今もって動かない。

 恵太と優斗は佳彦の下級生であったが、有紀との交流はほとんどなく、事前にその種の背徳感は持たなかった。今真相を知って驚いている。そして二人とも、もしも自分の母親だったら、という考えがチラリと閃くのを必死にかき消した。気持ちの悪い話だと思った。

「で、どうなんよ、ダチのママとヤんのは。興奮した?」

浩樹が興味津々で克弘の顔を覗き込む。克弘は苦笑いして誤魔化す。実際そういう感情はあったが、急に暴かれるのは恥ずかしい。

「ヤベえな、ガチで。同級生の母親マワすとか。しかも、息子にそれ見せるとか」

竜二は熱っぽく言った。彼には感動する要素があったようだ。

 他方、慶介は、今や時の人となった佳彦に、あっけらかんと呼びかけた。

「あんま落ち込むなよ。マワされたんだよ、お前のママ。けどもう、ヤられちゃったもんは仕方ねえじゃんよ」

「そうだそうだ。兄ちゃん、いいこと言うね」

小林が引き取って言う。

「ママはね、輪姦されたの。分かる? ここにいる奴全員、いや、もっと沢山の男とオマンコしてたの。今日の朝からずうっと、チンポ入れられっぱなしよ」

そうすると、それまで笑いをこらえていた沼尻や服部も、便乗してからかい始めた。

「セックスしてたんだよ、セックス。おじさん達と今朝からずっとね。セックス、習ったろ、学校で? 子供作ってたんだよ、おじさん達とママが」

「ボクは弟と妹、どっちが欲しい?」

「気持ちよかったぜ、お前の母ちゃん。なあ、良かったろ?」

再び口を開いた小林が、傍らにいる俊之に問うた。すると、俊之もとうとう悪ふざけに一歩踏み出した。

「き、気持ちよかったぜ、金光のおばさん」

大胆不敵にも、直接息子へ母親レイ プを告白したものだ。これを聞き、浩樹が彼の頭を軽くはたく。

「バーカ、さっきまで童貞だった癖によ」

と、そう言ってから思いついて、佳彦に向き直って言う。

「こいつら、お前の母ちゃんで童貞卒業したんだぜ。ていうか、今日だけで何人の筆おろししたんだろうな、このおばちゃん」

別に誰に訊くでもなく、また誰も応えるでもなく、ただ佳彦の母が性交の初体験を一日に何人も済ませてやったとの事実を伝えられたらよかった。ちなみに、真相は小中 学生九人である。

「まあ、こうやってさ――」

まとめるように、服部が語る。

「君のお母さんとみんなで仲良しして、みんな仲良くなったわけだよ」

それを聞くと、鎌先が妙に感動して、

「その言い方いいねえ。“仲良しして”っていいね」

と、しみじみと頷いた。

 その時、ふと慶介が気づいて佳彦に言った。

「あれ、お前……起ってんじゃね?」

「え? え? マジかマジか」

竜二が友人の指摘に色めき立つ。一同の視線が、少年のジャージズボンの前に自然と集まった。そこは確かにこんもりとして……

「お前も――」

そう慶介が言いかけた時だった。幾人かが耳をそばだてる。廊下に微かな足音が。

「ああ、お客さん来なすったな」

服部が思い出してつぶやいた。


〈つづく〉




〈現在の位置関係〉
▼教室D
有紀、前原、佳彦、慶介、浩樹、竜二、小林、比嘉、俊之、克弘、祥吾、雅也、恵太、優斗、服部、袋田、藪塚、矢板、鎌先、羽根沢、森岳、沼尻
▼打ち上げ会場
花村、島田、鈴木、金光
▼帰宅
高橋、豊、聡、翼、清美、瑞穂


ひとみの内緒話




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[2017/11/25 22:00] | 「大輪動会」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
大輪動会-プログラム#19-


 *

 閉会式が終わると後片付けを済ませ、皆三々五々散っていく、役に当たっている人間を除いて。

「ああ、それは向こうの倉庫の方に」

島田などは特に忙しく立ち回って働いた。本当に、今日は忙しい。大会でも、大会の裏でもだ。

「これってどこですか?」

同じく立ち働く女性が、島田に道具の片付け場所を尋ねた。

「それはね、体育館の倉庫です。鍵は開いていますから」

島田の指示を受け、女性らはその通りに運んでいく。灯りの点かない体育館の中は、残光では既に暗かった。そして、妙にすえた臭いがした。ガランとした中には、もちろん誰も居ない。

「じゃあ、お先に行ってきます」

今度は鈴木が声を掛ける。その目配せには言葉以上の意味があった。島田もそれに頷き返す。

 先に行く場所、それは打ち上げ会場である。後片付けになぞ当然加わらない金光。彼を監視する為、鈴木が送り込まれるのである。

 鈴木は少し小走りになって、金光の後を追った。彼の妻の尻穴につい今しがた注入してきた精液の残りが、下着の中ににじみ出る。

 *

「何? 移動?」

怪訝な顔で慶介が尋ねた。それは、閉会式の終了五分程前のことだ。

「ああ、式が終われば、ここにも人が来るからね」

鈴木は言った。そのことを告げに、単身現場へ駆け付けたものだ。前原糾弾の場に居た彼だが、閉会式参列の為に島田とグラウンドへ戻っていた。そこをさらに抜けて来たわけだ。

「別にいいじゃん」

そう言いかけた慶介を遮って、

「そうか、仕方ないな」

と言ったのは鎌先である。

「折角開発した所だけど、とりあえず場所を移すのが先か」

彼はそう言うと、率先して合体をほどいた。

 それを見て頷くと、鈴木が移動の段取りを説明する。それによると、大会参加者全員が式に集中しているこの間に、数人を先行させて見張りをさせつつ、裏の道を通って校舎裏から空き教室に潜入するというものだった。

「よし、任せとけ」

有紀を抱え上げ、藪塚が豪快に笑う。もちろん深々と接続してだ。

「おいおい、君、無茶は困るよ」

鈴木が慌てて諌めたが、藪塚はただ笑うのみ。それを周りも止めなかった。

「兄さんばっか、ずるいっすよ」

竜二は唇を尖らせたが、それ以上強くは批難しなかった。それ程藪塚の腕が逞しく、また絶倫ぶりが圧倒的だったからである。

 有紀はのけ反ってずり落ちそうになるが、藪塚の剛腕が腿を抱えている以上安定である。くり貫かれた尻穴がパクパクと丸と楕円の形を行き来した。

 やがて、彼ら十四人の男と一人の女は、密かに移動を開始した、細心の注意を払いつつ。

 だがしかし、ひと度外界に放たれるや、何物をも隠しおおせる保証はないのだ。この時一行を見つめる目が光っていたことを、彼らの誰も気づきはしなかった。

 *

「ねえねえ、お兄ちゃんは?」

家政婦に手を引かれながら、瑞穂が尋ねた。家政婦は無視して、何も答えない。

 行きは車に乗り合わせて来たが、帰りは徒歩である。元より車に乗るほどの距離ではない。とはいえ、あえて車を置いて帰るというのは、その運転者が行方不明だからである。有紀だ。鍵も彼女が持っている。父は元々別行動で来た。帰りも別である。

「ねえ、お兄ちゃんは?」

今度は姉に訊く。すると、姉もまた答えなかった。

 三人はそれぞれに苛々としながら、疲れた足取りで家路に着いた。

 *

「それ、入れたのかい?」

パックリ開いた暗い淵を指差して、鈴木が尋ねた。

「ああ、開通済みですよ。入れてみます?」

藪塚が誘う。自身は相変わらず抱え上げたまま、下から突き上げていた。一行は空き教室にたどり着き、早速に続きを始めている。

 鈴木はもじもじと照れていたが、その割にいそいそとズボンを下ろした。彼には急がねばならない理由があった。

「打ち上げに行くから」

そこで金光を監視し、あるいは引き留め、随時連絡をするから、とは道中で説明済みである。そのことを踏まえ、一同は彼を優先することにした。

 藪塚が女体を抱いたまま机に腰掛ける。そうして豊満尻を左右に引っ張ってやる。すると、見事に中央の窪みが露出した。そこを目がけて鈴木が、

「ふんぬっ」

と呻って押し込めば、いよいよ前後圧迫同時挿しの完成だ。

「キイイィー……ッ!」

顔中を引きつらせ、有紀が悲鳴を上げる。腹の中が満ち満つ。

「や、べ、で……!」

苦し紛れに空を掻けば、その手に触れるは肉棒の林。

「おい、行け」

鎌先が尻を小突き、竜二に行く先を顎で指し示す。

「お、おう」

竜二、心得たと机の上に乗った。三穴を塞ぐ。すなわち、彼の剛直が女の口に収まった。

「ムヒィー……ッ!」

悶絶して鼻水を垂らす有紀。三本男根体内に。このメス、一度に三人と交尾する。

「すんげ……」

目の前の光景に感服しながら、憑かれたように携帯端末を結合部へ向けて撮影する浩樹。それを見て、思い出したように慶介も、また別の学生共も自機を構えだした。

 彼らの凝視する先で、まるで鶏が卵をひり出すように、隙間の無い肉穴から、ズボズボ、ブチュブチュと太いモノが出入りする。それが二カ所。上下に並んでいる。

「いやあ、ようやく輪姦らしくなってきたねえ」

鎌先が我が功績に満足しつつほくそ笑む。

「ただ――」

と、しかし彼は少し困ったような目になって、上から鈴木の股間を眺めた。

「もうちょっとちゃんとほぐした方がスムーズかもなあ……」

 それは、今後もこの遊戯を続けることを前提とした悩みであった。

 *

「ハア……ハア……ハア……」

佳彦は肩で息をしつつ、心臓の辺りを押さえた。激しい拍動が収まらない。

「(ど、どういうことだ……?)」

自身の体調の事ではない。

「(どうして? あれは……何……)」

この疑問の答えを知りたい。

「(知りたい?)」

本当に知りたいのか。分からない。知って、良いものか。いや、知るべきか。

「(分からない)」

全身汗ぐっしょりだ。ガタガタと震える手の中で、携帯ゲーム機がカチャカチャと鳴っている。その中に収めた画と同じ画だった、確かに、あれは。

「(まだ、続いている……?)」

あの競技が、あの衝撃の事件がまだ? 

「(なぜ……?)」

確かに横切って行った。事実として通り過ぎて行ったのだ。

 彼が目にしたもの、それは、騎馬戦の時と同様、真っ裸で男に抱え上げられて運ばれる母と、それを取り囲むように付いてゆく男達の群れだった。


〈つづく〉




〈現在の位置関係〉
▼教室A
有紀、慶介、浩樹、竜二、俊之、克弘、祥吾、雅也、恵太、優斗、袋田、藪塚、矢板、鎌先
▼運動場
小林、島田、高橋、、比嘉、羽根沢、森岳、沼尻
▼教室B
前原、服部
▼体育館外
佳彦
▼打ち上げ会場
花村、鈴木、金光
▼帰宅
豊、聡、翼、清美、瑞穂


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[2017/05/26 22:00] | 「大輪動会」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
大輪動会-プログラム#13-


 *

「おい、よそ見すんじゃねえ。とっととしゃぶれよ」

口腔を占める花村が、有紀の髪を引っつかんで前後に揺すった。“しゃぶれ”とは命じているが、これはもはやイラマチオだった。陰茎をくわえさせ、ひたすらに自らの手で相手の頭を動かして勝手に口と交尾している。

 有紀はすっかり全裸だが、そのように被服を剥いだのが花村である。そもそも、体育館に入る寸前から彼は上下もろとも脱がせていた。そうして彼女を抱え上げ、すぐさま挿入に及んだのである。彼もまた、高橋の挑戦を見て奮い立ったのだ。

「オ、オゲ……」

白目を剥いて正体もなく、有紀はされるがままだ。床板へ直に尻をつく慶介の腿の上に半身を起こし、両の乳房を祥吾と雅也に弄ばれ、一つ体で四人相手の組体操である。一団は、もはや舞台の上に引っ込むことさえやめ、体育館に入ってすぐ横の床でおっ始めていた。

「――家族の後ろにいるのに、グチョグチョに濡らしてんだよ、コイツ」

高橋は武勇伝を続けている。相槌を打つのは浩樹だ。

「ていうか、家族の後ろでヤられるから、興奮してたんじゃないっすか」

「そういや、前に居てたの息子? だよな」

竜二が剛直をさすりながら、後輩に問うた。

「そ、そうっす」

応じたのは克弘。その“息子”佳彦の一学年先輩だ。彼は今、同級の俊之と共に、祥吾と雅也の後釜として乳遊戯に興じていた。底なしのミルクが、彼らのペニスにもまぶさっている。

 二人もまた、佳彦とは日頃からの付き合いがある関係上、その母親を辱めることには特別な感情があった。先程は、彼女と肉体関係を結んだ後、わざわざ息子に会いに行った程、青い性的趣向ながら一種の傾向を有している。それ故に、目の前の会話には独特の興奮を禁じ得なかった。勃起が益々隆々となる。

「うわぁ、息子の後ろでマンコかよ」

浩樹が呆れ顔で笑った。高橋がどんどんと調子に乗ってそれへ付け加えていく。

「しかも、そいつの背中にデカパイ押し付けてよお。思いっきりイきまくってやんの」

「マジで変態じゃん。最低っすね、この母ちゃん」

「そいで、なんか言ってたな。『お母さん、チンポ好きだから運動会中でも我慢できないの』とか、『あなたの背中で、お母さん今、ザーメン中出しされているの』とか」

「げえ……ヒくわ。ヤだわ、そんな母ちゃん」

言いながら、浩樹は慶介と交代した。

「どスケベっすね、この女。こんなマゾ、ほんとに居るんだ」

立ち上がった慶介は、会話に加わりつつ、使い終わった肉棒を花村同様口で清めさせる。有紀の口角から白いあぶくが垂れた。

 両乳房にも、新しいあぶくが白く粘だつ。乳交尾による精液が母乳と混濁したものだ。友母に射精しながら当人達は思った。

「(アイツ、背中越しに自分の母親が犯されてんのに気付かなかったのかよ)」

「(後でまた顔見に行ってやろ)」

そんなことを考えると、劣情汁がどんどん込み上げてくる。二人はプルプル震えながら、後輩の母にそれをぶっかけた。

 オートメーションで順繰り使用されていく肉便器女。克弘・俊之が終わった所へ、恵太・優斗が収まる。いずれ浩樹が済めば、竜二が引き継ぐだろう。当たり前のことだ、輪姦だから。

 しかし、その既定路線には時折修正が加えられる。もっとも、精液便女にとって結末が変わる話ではなく、なんとなれば更に悪い状況となるのであるが。


 *

「あ~運動した。運動したら疲れたなあ。なあ? 佳彦」

金光は自分の定位置であるテントに帰るや大きく伸びをした。彼の後を追って息子が来ている。

「う、うん……」

佳彦は全く同感せずに、曖昧に相槌を打った。頭の中では、先程の競技中に母が呪文のように詠じていたセリフが巡っている。

「――好き」

あの時、確かにそう聞いた。なぜ急に告白したのだろうか。いやいや、果たして自分のことだろうか、そうではないのではないか。改めて彼は考え込む。

 佳彦は母が嫌いではない。というより、彼女の存在を深く考えたことがなかった。叱られたことはない。勉強しろとも言われない。ただ、母自身の邪魔をしたり、彼女に恥をかかせるようなことをすると烈火のごとく怒られはしたが、欲しいと願ったものは何でも買ってくれたし、自分の部屋を始め、テリトリーには全然干渉されなかったから、まず都合のいい存在ではあった。

 母は、料理をしない。洗濯も掃除もしない。それらは全て外注に任せている。そもそも、子育てというものをしないと言っても過言ではない。母親の仕事は、三者面談と参観日に顔を出して文句を言う位だと思っている。そしてそれは、佳彦にとっても違和感のないことだった。

 母は、毎日のようにスポーツジムに通っている。いや、その内の何日かは別の習い事だったかもしれない。月に何回かは東京へも行く。何しに行っているのかは知らない。聞いてみようとも思わない。家に居る時は、通販で買った健康器具で運動している。器具は大量にある。小さい頃、興味本位でその一つに触れ、こっぴどく怒鳴られた。理由は分からなかったが、ともかく母の物に触ってはいけないことを学んだ。

 彼女が居ようが居まいが、佳彦としてはテレビゲームで遊べれば文句はない。自動的に供給される料理を食べていれば、餓えることもないわけで。余談だが、その料理は家政婦の誰かが作っているものだと思っていたが、つい最近になって、どこからか配達されてくるものだと知った。

「んん? なんだ? なんだか騒がしいな」

寝落ちする寸前だった金光が、寝ぼけ眼をこすって唐突に辺りを見回しだした。確かに、人垣が妙にざわめいている。

「ん? どうしたどうした」

面倒くさそうに彼は、パイプ椅子の上で背筋を伸ばした。佳彦はまだぼんやりとしたまま、その父を見た。

 父は多忙であり、家に居ない時間が長かった。家に居ても、来客を迎えていることが多い。そう言えば、その応対に出ていくのが母の主な仕事であった。

 父はたまに暇がある時だけ子供を構う。と言っても、三人いるから、特に年長である息子は後回しだ。気まぐれに、この本を読め、とか、明日どこそこへ来い、などと命じられる。命令は絶対だ。佳彦は、父の大声且つだみ声が怖かった。その声で、これまた気まぐれに、理不尽に怒鳴られるから尚更だった。

「あ……お母さん……?」

佳彦は、金光と同じ方に視線を向けて、ようやくその先に有紀がいることに気が付いた。彼女は、今誰かの肩に担ぎあげられようとしていた。

 その身には、さっき現れた時よりも一層小さなサイズのティーシャツを着ているようで、遠目にもそのピチピチと体に張り付いているのが見て取れた。運動の成果と見えて、体型はいい。我が母の容姿を他の女と比べたことはなかった息子は、この時初めてそれに好印象を持った。

 と、同時になんだか心がざらつくような、不可解な感情に彼は包まれていた。

 *

「騎馬戦に出る!?」

高橋の提案に、さすがの小林もひっくり返った。

 ムカデ競争で味を占めた高橋は、更なるスリルを求めた。すなわち、有紀を騎馬戦に担ぎ出すことである。

「おもしろそうっすね」

すぐさま慶介が賛同した。

「けど、騎馬戦じゃ、さすがにヤれないでしょ」

浩樹が問うと、

「ヤる? ああ、ヤんのは無理だけど、このマワされたマンコさらしもんには出来るだろ」

と、高橋はあっけらかんと答える。ここへ来て、とことん鬼畜と化した彼である。そこへ行くと、花村はまだ控えめだった。

「う~ん、すげえこと考えるな……」

賞賛とも批難とも取れる言い方で、結論にワンクッション置く。彼も妻子ある身。あまり露骨な形で人前に出るのは気が引けた。その点は、小林も同様で、卑猥な遊びに付き合いたい気持ちはありながらも、自らを危険にさらすまでの冒険心はなかった。

「なんだよ、煮え切らないなあ」

高橋が膨れる。すると、慶介が望み出た。

「俺らヤるっすよ。なあ?」

彼をリーダー格として、仲間二人も進み出る。竜二は浩樹の後を受け、五発目を発射したかったが、とりあえず後回しにして従った。

「おおっ、そうか。じゃあ、お前らに任せてみるか」

高橋は不敵な笑みで三人を馬に任命した。実際の所、彼にも花村らと同じ懸念が頭をよぎらなかったわけではないから好都合だった。

「けど、服どうします?」

有紀に着せる服のことを、浩樹は尋ねた。

「ワりぃ、どっかいっちゃったな、あれ」

花村が頭を掻く。それを受け、思案顔の高橋が、

「そうだな……おい、お前、ちょっと上脱げ」

と、突然豊かに命じた。その意図が明らかになるにつれ、慶介と浩樹が口々に驚きの声を上げる。

「え、マジっすか!? こんなガキのやつ入んないでしょ」

「このデカ乳は無理ですって」

 しかし、高橋は卑劣な笑みで返す。

「大丈夫だって。体操服は伸びるから。これ位がちょうどいいんだよ」

この議題の中心人物でありながら議論に全く参加させてもらえなかった有紀は、今しも口と胸と股間からブクブクと白濁泡を吹いていたが、着せ替え人形よろしく、男共の手によって勝手に着替えさせられるのだった。

 *

「エー!? ウソでしょ。見てあれ」

それを見た女が驚愕して叫んだ。彼女の仲間達とて、言われるまでもなく目を見張っていた。

 ざわめく人々の視線の先には、今日何度目かにグラウンドに帰ってきた噂のモンスター、有紀の姿があった。衆人が驚いたのは彼女がただ戻ってきたからではない。

「なに……あの格好……」

ある女は息を飲んだ。それは、有紀がピチピチの体操着に身を包んで、あろうことかへそを丸出しにしていたからである。へそだけではない。半ズボンもかなり小さく、あぶれた尻肉は垂れ漏れ、さらには割れ目の上部までもが背中続きに見えているのだ。ローライズどころではないし、大体体操服にローライズなどない。

「ちょっ……あれ、ダメでしょ」

ある者は出場の中止を検討すべきだと思ったが、果たしてそうはならなかった。何事もなかったかのように、競技は開始される見込みだ。

 噂は瞬く間に広まりゆく。それにつれ、群衆の視線はただ一か所に集中していった。“露出狂”“変態”“キチガイ”そう言った声が口々に漏れる。もちろん、女性からの非難が圧倒的だ。

 その内の一人は、

「信じられない」

と、半ば悲しげに口を手で覆った。それこそ、有紀が今着用し、衆目を一身に集めているあの体操着の本来の主、豊の母であった。彼女は無論知る由もない、我が子の服が露出プレイに利用され、あまつさえ我が子を含む十九人もの男から凌辱された女の恥部に密着しているとは。その布地には、下着をつけていないが故にダイレクトに、大量の輪姦汁が染み込んでおり、やがて豊の母が洗濯する際に、その顔をしかめさせることとなるのである。


〈つづく〉


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[2016/08/21 22:00] | 「大輪動会」 | トラックバック(0) | コメント(1) | page top
大輪動会-プログラム#12-


 *

「おい、ちょっとアンタ」

鞄を抱えて通り過ぎようとする前原を、島田が呼び止めた。

「な、なんでしょう」

不意な制止に動揺を隠せない前原。それを、島田は校舎内へ誘導する。

「い、急いでいるんですが」

前原は抵抗したが、ギロリと睨み付けられ、おまけに傍らに現れた鈴木にも退路を塞がれ、さらにまた見覚えあるような顔が後ろから現れて、不承不承ながら従った。元来後ろ暗い彼である。

 一行は校舎二階の部屋へ入った。教室ではなく、様々な教材が乱雑に押し込まれているが、一応会議テーブルとパイプ椅子のセットは用意してある部屋だ。

「なんなんですか一体」

席に着くなり、前原が語気を強めに言った。彼の最も気になるのは最後に現れた男である。淡い期待がまだあった。指標となる男の出方を彼は窺い構えた。

「何って、アンタ」

不審そうに島田が眉根を寄せる。それと同時に例の男を見た。そいつが言葉を引き取って言う。

「さっきの件ですよ。ほら、体育館の裏で」

「(ああ、やっぱり)」

見間違いではない、有紀の輪姦現場を目撃した時出くわしたあの男だ、と前原は確信した。地の人間ではない故に一度見ただけの人間の顔などあやふやだ。ひょっとしたら違うのではないかと、そうすれば知らぬ存ぜぬで通す道もあり得ると期待していたのだ。しかし、今その方針は消えた。

「ああ、やはりあの件で……」

「“あの件”ってあなたね、他人事みたいに」

比嘉がまくし立てる。これは前原の失策に見えた。だがまだ取り返せる範囲内だ、と彼は急いで計算した。

「大体あの時、“誰か呼んでくる”って――」

「い、いやあ、それがですね、旦那さんに捕まってしまいまして。――あ、わたくし金光さんの顧問弁護士をしているのですが――」

前原は語り出した。小賢しい男はあえて素性を隠さない。かつはまた、巧みに真実を織り交ぜて話す。嘘の上手い人間のやり口だ。

「確かに、奥様のことは、その……お気の毒とは存じますし、それにまた、事態を早く収拾、いや彼女を救出する必要はありましたが、さりとて金光さんに真相を告げるのが果たして良いものかどうか……やはり相当なショックをお受けになるでしょうし、それに彼のお立場から言っても――」

「ほお、弁護士様は冷静でいらっしゃる」

鈴木が、彼としては珍しくきつめの毒を吐いた。

「いえいえ! そうではありません。とにかく、金光さんをその場に留め置いて――現場には、そちらの方がいらっしゃったので……」

前原はチラリと比嘉を見た。比嘉は益々厳しい目つきで見返している。

「後はわたし一人に任せると? 随分都合のいい話だ。わたしだって危ない立場かもしれないのに」

「そうです、そうですよね。虫のいい話です。おっしゃる通り」

前原は方針を微修正した。

「ですが、雇われている都合上、どうしてもクライアントを第一に守らなければならない。さっき、そちらの方からご指摘頂いたように、職業柄どうしても冷酷な判断をしがちなのは――」

「いや――」

黙っていた島田が口を開く。

「すみませんね、お話を遮って。その前にまず、何よりも先にそちらからご質問すべきことがあるんじゃないですか?」

「え……?」

前原は焦った。その顔を三人が一斉に見つめている。しかし、解答は出てこない。

 やがて、島田が答えを出した。

「事件は起きてしまった。じゃあ、結果はどうなったのか。当然知りたいと思いませんか? いくら主人が大事だと言っても、そのお身内、しかもその動向が主人の今後に直結する問題となれば――いやいや、それ以前に人として彼女を心配すべきところとわたしなんかは思いますがね」

「あ、ああ、いや、その……」

前原は視線を落とした。こんな安っぽい探偵小説の犯人みたいな責められ方、とイライラしながら、一方で頭をフル回転させて論理構成を試みた。

「それはですね、ただ単純に、もうあなたがたが保護されたのだろうと推察しただけで。え? だってそうでしょ? でなかったら、あなた達こそどうしてそんなに落ち着いていらっしゃるんです? 早く助けて、犯人を――」

 しかし、それに耳を貸すことなく、島田は畳み掛ける。

「奥さん、先程の競技に出ていらしたんです」

ドキリとして、前原は固まった。ただ、周囲にはそれと悟られぬように、全神経を集中させて次の言葉を待つ。それ次第で採るべき方策が決まると。

「(どっちだ? どう出る?)」

「あんな目に遭われたのに、よく出場されたと思いますよ」

好意的とも否定的とも分からない抑揚のない声音で島田は話す。

「それに――」

「(――来るか!?)」

緊張が前原を取り巻いた。

「あなたも、出ていらしたんですね、さっき。だから聞かなくてもご存知だったんだ」

「(来た!)」

「名簿に無かったので、最初は分かりませんでした。弁護士さんだったのですね」

横から鈴木が追加情報をもたらす。

「どうして最初からそう言わないんです?」

比嘉が先程よりややトーンを押さえてなじる。

「ああ……」

前原はため息交じりに一気にうなだれた。作戦は決まった。ここからが彼一流の芝居の始まりである。

「……ええ、出ていました。それも、彼女と同じグループで。わたしは……わたしは……――すみません、さっき職務だなんだと言いましたが、実は――」

彼は、涙を流さんばかり真に迫って訴えた。

「……そう、怖かったんです。仕事という以前に……――白状します……巻き込まれたくなかった。わたしは、弱い人間――」

「“巻き込まれたくなかった”? ですって?」

前原の熱演も、しかし茶番とばかり一蹴し、比嘉が冷静に疑問を呈した。

「ある人がね、見ていたんですよ」

鈴木が静かに付け足す。

「(なんだ? どこまで知られている?)」

雲行きの怪しさに前原がまた身構える。もっとも、ムカデ競争中の一件を傍観していたことを責められるにしても、泣き落としで当面押すつもりではあるが。

「まさか、運動会中にあんなことを……」

鈴木が顔をしかめる。

「公衆の面前で白昼堂々よくもまあ……」

比嘉も侮蔑の表情を浮かべる。

「やっぱり、あなたですか」

島田が全てを引き取って言った。

「この一連の件の首謀者は」

「は?」

前原は耳を疑った。

「一連?」

伏せていた顔を一気に振り上げる。

「はあっ!?」

 *

「アハハ、爆笑もんだったな、さっきは」

高橋は狂気じみた笑いを上げた。彼の見下ろす傍で、骸のように伸びた女体が当たり前に性処理玩具にされている。今の担当はルーキー翼、二周目である。既に最若トリオのうち二人、豊と聡は終わり、それぞれ無事に二発目を彼女の掃き溜めに放出していた。

「ぱないっすよ」

「冒険がすげえ」

「チャレンジャーだなあ」

高橋をおだてるのは、こちら不良トリオ。先程の一件に接して新たに勢いを得た怒張を、手に手にしごいて次を待っている。

 一団は運動場を足早に去り、例の隠れ家へ戻っていた。

「すげえ度胸だなあ。あの発想はなかった。感心するわ」

交合中の女体を左向きへねじらせ、その肉乳球の谷間へ勃起を挟んでしごきながら、小林が浮かれて言った。汗と精液にヌルヌル濡れた脂肪肌が、孕ませる気満々の生殖棒をズリズリ摩擦する。その運動のさ中に、プシャップシャッとミルクが迸る。

「へへえ、フランクフルトのミルク和え」

肉茎から陰毛にかけて子育て汁を浴びながら、嬉しそうに彼はつぶやいた。それを聞き逃さず、

「すげ……」

と、感嘆した者がいる。傍らで見ていた祥吾だ。金光家には何度も出入りしているが、同級生の母がいまだ母乳を出すことをこの時になって初めて知った。実際には先の交わりの時からにじみ出ていたのだが、想像だにしなかったことで気づかなかったのだ。

「おう、どうだ、一杯やるか?」

酒でも勧める様な調子で、小林が気を利かす。祥吾はゴクリと生唾を飲み込み、隣に居る雅也を見た。

「エー? けど、汚いよ……」

雅也から見た有紀は、もう汚らしいものだった。濡れてテラテラ光っている乳房も、グラビアなどとは似ても似つかない程生々しく見えて、少年をして躊躇させた。

 他方、相方はもう踏み出していた。膣役から解放された柔球の内右の方を持ち上げて、両手でギュッと搾ってみる。

「ワッ!」

すると、噴き出した汁が顔面にぶち当たって、彼は悲鳴を上げた。

「ワハハ、顔射されたな」

見守る小林が笑う。

 祥吾は照れながら、今度は加減して下の方へ乳首を向けて、下へ下へとギュウギュウ搾った。スベスベとした皮膚はまるでウナギのように時につかみにくくもあったが、そこはボリュームがある為に、ちょっと力を込めると難なく鷲掴みに出来た。その根元から先端へ向けて、両の手で搾りに搾る。すると、出るわ出るわの新鮮なミルク。

「うっわ、スッゲー出る」

にわかに快活になって、少年は喜んだ。続々とミルクサーバーから噴射する乳汁は、腹を伝ってへそに水たまりを作った。それでもまだ止まらない。まるで、今朝から腹にたらふく呑まされた白濁汁がそこに溜まっていたのではないかという位に。

 今度は、左の乳房にも手を伸ばす。そうして乳輪近辺を片方ずつ握り、左右交互に引っ張って、ビュービュー母乳を飛ばす。

「ウワアー……!」

言葉にならない歓声が、後ろの少年達から漏れる。この遊びが羨ましいのだ。完全に玩具に対する憧れと同一である。

 現プレーヤーは、しかし観客に頓着することなく、メインの行動に出た。すなわち、飲乳である。ゴクリゴクリと喉が鳴る。

「吸い付いて。それから乳首を軽く噛んで引っ張ってみろ」

見届け人のアドバイスを得て、吸い付いた右乳首を甘噛みしてみる。

「ンヒッ!」

骸だったはずの母体から、軽く呻き声が鳴った。

「美味いか?」

「うん」

問われて、祥吾は迷わず答えた。本当は味などよく分からなかったが、女乳に吸い付いているだけで不思議と満足感があった。

 彼を見ていて、黙って追随したのが雅也だ。相棒の満足げな様子を見て、好奇心が勝ったのである。彼は、祥吾から左の乳房を奪うと、大口開けてそれへかぶりついた。

「ウィイヒッ!」

悲鳴を上げて、ビクッと痙攣したのは有紀だ。絶望の淵から生還し、泣きそうな顔で下を見た。そうして、また絶望に落ち込む。

「アァ……」

 またしても飼い犬に噛まれている、今は手ならぬ乳首だ。散々こき使ってきたガキ共が、各々我が左右の乳首を歯で引っ張っているのが目に飛び込んできたのだ。口腔を占める花村の所為で相好を歪ませながら、彼女は目を裏返した。

 雅也の参入と前後して、翼が終わり、慶介が取って代わる。彼は前方の後輩達に配慮し、背面から挿入して女体の半身を起こさせた。

「なあ、吸うのもいいが――」

小林は自身の勃起を弾いて、乳房の二人に語りかける。

「こっちでも味わってみな。さっき見てたろ。たまんないぜ?」

言われて、二人は弟子よろしく素直にすっくと立った。そして、柔らかな塊へ硬い塊を押し付けてみる。

「ハアァ……!」

裏筋に滑らかな感触を得て、雅也が震えた。ちょっと腰を引いて、再び押し出す。硬直した芯はどこまでもめり込んでいった。

 祥吾も面白がって、どんどん押し付ける。ツルリと滑って腋の方へ流れてしまう。今度は手で対象を持ち上げ、自身の上に乗っけてみた。すると、重みに耐えきれず、さしもの剛直も床を向いてしまう。下腹部に力を込めてみるが、やはり持ち上がらなかった。

 友人も同じことを試みた。巨大な乳房、片や小ぶりの陰茎なので、持ち上げた膨らみの下に二本ともすっぽりと覆い隠されてしまう。そこで各自ズリズリと動いて快感を探る。

「どうだ、楽しいだろうパイズリは。巨乳はな、こうやってチンポに遊んでもらうオモチャなんだよ」

師は持論を展開しだした。

「アイドルだの女優だのっても、要はおっぱいでチンポしごくのが仕事。乳のデカい女はみんなヤリマンだから、乳マンコする為にデカ乳ぶら下げて生きてるんだぜ」

ご高説を背景に、両名はその“デカ乳”一つ一つをそれぞれ相手にして、夢中で“乳マンコ”に勤しんでいた。女一人の両乳房に少年二人が腰を振って交尾する。小さな尻二つが並んで、女の上半身の前でヘコヘコ前後に揺れている。

 途中で思いついて、祥吾は乳首へ亀頭を押し付けた。コリコリに凝り固まって勃起した乳首。その赤は、初々しい亀頭の色よりもどぎつく赤黒く。

「(なんだ。偉そうに威張っていたって、おばさんは結局こんな恥ずかしいことされる乳マンコじゃないか)」

祥吾は心で有紀を嘲笑った。が、それは半ば強がりでもあった。ただでさえ敏感、経験不足、過剰な興奮の中で、局部をこするものあれば何でも性処理に使える年頃。まして、女の乳肉は刺激が強すぎた。もうずっとさっきからプルプル震えて昇天を我慢している。

 その点は、雅也もだ。同じく突起を突起でめり込ませて、そのまま動けずにいる。ちょっとでも動けば、すぐに漏らしてしまいそうだった。

「なんだ、お前ら、膝ガクガクじゃねえか」

気付いた小林がニヤニヤ笑った。

「よおし、イけ。乳マンコに中出ししてやれ。ぶっかけてやれ」

その許しを受けるのと、二人が漏らすのとほとんど同じだった。彼らは熟母の肩をがっしりつかみながら、二人して、胸板近くまで押し込んだ脂肪球の中央へ、母乳よろしくザーメンを噴射していた。

 陥没した乳首の皺の中へ、トロトロの子種汁が入り込む。子育ての為の汁と子作りの為の汁が混ざる。負けじとミルクタンクが、尿道の方へ母の汁を押し返す。まるで反抗期の息子へ、母の偉大さを思い出させようとするかのように。

 雅也は恍惚と射精しながら、女を見下ろして思った。

「(オレ、やっぱ嫌だな。こんな汚いやつ飲むの)」

 *

「ネー、お母さんは?」

そう尋ねようとして、瑞穂はセリフを飲み込んだ。もう何度も発しているその問いに、姉が納得のいく解答を返してくれたことはなかったからだ。彼女が、少し大人になった瞬間だった。

 とはいえ、まだまだ幼い瑞穂は、いまやシートに大の字に寝そべってチュパチュパ指を吸っている。もういい加減、母の乳が恋しい頃合いだった。いまだに乳を欲するのは、母の乳の出が止まないからか、それとも彼女が欲する故に乳の出が続くのか。あるいは、そのどちらもか。

 ただ、いずれにせよ確かなことは、娘の物であるべき母親の乳房は、男根の慰み物として交尾に使われる膣同様の生殖器へと変貌しており、あまつさえ娘の口ではなくオスの尿道に授乳している最中であるから、彼女がこの後すぐに飲むとしたら、そこには普段口にしているのとは違う味の、粘ついた白い液が混じっている確率が高かった。


〈つづく〉


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[2016/08/01 22:00] | 「大輪動会」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
ママの枕 ~ステージ18~


 その光景は、母親にとって一つの地獄にほかならなかった。

「いや、オレいいですって」

タイガは拒んだが、先輩の圧力には敵いそうもない。他方のコウは、むしろ期待満々といった感じで受け入れ態勢を取っている。すなわち、四つん這いとなり、尻をタイガの方へ向けて。

「やめて……」

ミナミは蚊の啼くような声でつぶやいた。無論、その意思は誰にも通じない。

 タイガが密着すると、こちらに向いているコウの表情が一瞬苦悶に歪んだ。

「ンンッ……!」

眉を山型に垂れさせて、切なそうに喘ぎを漏らす。その様を見たレイコが、ニンマリと笑みを浮かべながら嘲った。

「あらあら、女の子みたいな声出すのねえ」

 すると、それを聞いたコウがますます表現をあからさまにしていく。

「ン、ンフゥ……アン、アン、アァー……ッ!」

レイコの形容通りだった。まだ声変わり前の彼は、女子のように甲高い声で啼いていた。それは、母親の知らない声、そして表情だった。

 ミナミの頬を涙がひと筋伝った。

「イヤ……」

届かない言葉を漏らす。もう母の願いが届かない場所へ、彼は行ってしまった。目を背けたい眼前の現実ながら、しかし、ミナミは片時も目を離せないでいる。その目の前で、レイコの問いかけにコウが答えている。

「ボクのケツマンコに、ア……タイガ君のおチンポが、ア……入って、ア……います」

「気持ちいいの?」

「気持ちいい! アン……おチンポ気持ちいいですぅ……」

それを聞いたタイガが、背後から文句を言う。

「おい、気持ち悪いこと言うなよ。オ、オレはホモじゃないんだからな」

コウの尻をつかみ、それへ腰を打ち付けながらだ。するとその口、ならぬその尻の穴を、ジンが塞いだ。

「ン、ンブッ! ジ、ジンさ……」

 ジンの――かつてミナミが愛した男の道具が、今明らかにタイガの体内に埋まっていた。いつかミナミが受け入れた時と同じように。これで三人の男が繋がった。

「もうイヤ、もうイヤ! もうイヤ、もうイヤ……!」

ミナミは激しく頭を振った。金縛りのような状態からようやく解き放たれ、今度は錯乱状態となって駆け出す。

 と、その後ろから現れた男達が彼女を制止した。

「お、なんだ、この前のデカ乳母ちゃんじゃん」

「あ、ハハ、勃起くんも居る。てか、勃起くん犯されてんじゃん。何? そっち系だったの? ハハ」

そう口々に言うのは、以前にCM撮影で知り合ったニシナとイツキだ。

「もうイヤもうイヤ……」

ミナミは彼らを顧みることなく、コウへ飛び掛かろうとする。

「おい、待てって。息子ちゃんもヤッてんだからさ。オレらもヤろうぜ」

イツキはそう言うと、強引にかつスムーズにミナミの背後から合体した。そしてそのまま床に腰を下ろすと、彼女の腿をつかんで開脚させ、結合部をコウへと見せつけた。

「ほら勃起くん、見たまえ。君が産まれてきた穴に、オレのチンポ入ってるぞ!」

コウはそれを聞いても理解しているのかしていないのか、虚ろな目でただただ幸せそうに口元を緩ませているだけだ。その横からニシナが、ある箇所に気付いて指摘した。

「ていうか、君今日もすげえ勃起してるなあ」

それは既にミナミも薄々感づいていたことだ、タイガに尻穴を犯されながら、息子の陰茎が急角度で硬直していることには。それは、あのCM撮影時、我が肌で感じた時の比ではなかった。ほとんど腹と平行になる位勃っているのだ。

「もうイヤもうイヤもうイヤ……」

ミナミの顔を涙と鼻水が埋め尽くす。息子が同性愛者になると、母親は自分を責めるようになる。ここに至って、彼女は初めて後悔を覚えた。自分の育て方が間違っていたと。

 そんな彼女の中へ、イツキの精子が垂れ流される。

「おお、出る出る。まだ結構出るわ。勃起くん、弟と妹どっちが欲しい?」

「バーカ、こんだけマワされた後で、お前が父親なわけねえだろ」

ニシナは友人にそう指摘しながら、彼が使い終わった穴へすぐさま自身も挿し込んだ。

「そうだよなあ」

イツキは思案顔で、今しがた種付けを終えたばかりの男根をぶら下げて、射精相手の息子へ近づいていった。

「君の母ちゃんはヤリマンだからなあ、輪姦大好きっ子さ。……ヤリマンの子は、やっぱりヤリマンか?」

そう言って、コウの頭を撫でてやる。コウは熱に浮かされたように頬を紅潮させ、艶っぽい息を吐いていた。その顔の先で、彼の母は性交渉中だ。今度は組み敷かれて、上から下へと肉棒で掘削されている。

「タイガも、ミナミのこと輪姦したんだよな?」

ジンが彼を犯しながら問いかけた。

「うん……」

タイガはしおらしく肯く。その表情は以前と一変していた。

「しかも、コウの目の前で。コウのママだって知ってて、わざわざ見せつけたんだよね」

「うん……」

「ひどいね。自分は肛門におチンチン入れられてイきまくるマゾのくせにさ」

「ウゥ……い、言わないでよ、ジンさん。ぼ、ぼく違……」

ジンは相手を優しく責め立てながら、ねちっこく腰を回した。それにつれ、タイガは目を裏返しつつ、どんどん呼吸を荒くしていく。

「何が違うのさ。謝んなよ、ほら」

「ご、ごめんなさい。コウのママ輪姦してごめんなさい」

「ちゃんと、ミナミにも」

「ごめんなさい、おばさん。ひどいことして、ごめんなさい。……ああ、もう」

謝罪する彼の口元からダラダラとよだれがこぼれ落ちた。肛門交尾の快楽に、名子役もすっかり完敗だ。

 先輩は、しかし容易に堕落を認めない。

「そんなんじゃダメだよ。ほら、ちゃんと今の自分が何されてるか言って。変態だって認めて謝らなきゃ」

「うう、ジンさん、もう許して。お、おかしくなる……チンポが、チンポがいいっ! アッ、ヘ……アナル気持ちいいよぉ」

そこには、視聴者に愛される姿も、天狗になって高慢ちきに振る舞った面影も、全く見えなかった。もっとも、ミナミが彼を見て溜飲を下げることはなかった。この期に及んで、彼の変貌ぶりなど、もうどうでもよかったし、そもそも眼中に入らなかった。

「アッ、ヒッ、もダメ。おばさんも、コウもごめん。ア、イく、中出す、オレ、コウ、オレ、コウの中にぃ、アアァー、ジンさん、ア、ア、ア、イヒュゥ~、イ、イ、イ、イく、イくッ、イぐぅ~…っ!」

タイガは悶絶してコウの背中にきつくしがみついた。瞳を潤ませて、コウが彼を受け止める。期せずして、ちょうど同じ時にミナミも射精を受けていた。二人揃って体内に精液を注がれた親子である。

「アー……」

天井を見上げて、ミナミは呻いた。その目に智慧の光は見えなかった。股は開きっぱなし。使われた穴もまた開きっぱなし。

 ふと、イツキが言った。

「そうだ。折角だから、親子でヤッちゃえば? 勃起くん、ほら、それ母ちゃんに入れてやれよ」

「おいおいマジか? 近親相姦か?」

面白そうに囃し立てながら、ニシナはしかし、タイガの方に興味津々だ。

「君って、テレビでよく見る子だよね。へえ~そういう趣味なんだ」

「あら、あなた、興味あるの? どう、よかったらヤッてみない?」

横合いからレイコが口を挟む。それを受けて、ジンが合体を解いた。

「ア……」

引き抜かれる時の刺激と、名残惜しいという感情からタイガが切なげに喘ぐ。その後、レイコに促されるままに仰向けとなって、ニシナに言った。

「よ、良かったら、ぼくのマンコを使って下さい。ぼくは、変態肉便器です」

それまで渋っていたニシナだったが、好奇心が勝った。彼はタイガに入った。

「アアアーッ! ぶっとい!」

目を白黒させてのけ反るタイガ。挿入されるや、途端に彼のクリトリスも硬さを帯び始めた。

「ウフフ、こっちはわたしが」

レイコは素早く彼に跨ると、それを陰裂にくわえ込む。食い物にするとはまさにこのこと。大人達は少年をおもちゃにして愉しんだ。

 一方、もう一人の子役は、イツキの介添えでステージママの傍へ来ていた。彼女は気だるそうに股の間へ彼を招き寄せる。

「アー……お、おいで……コウ。もう……もういいのよ。お母さんんの中においで。お母さんと、お、オマンコ、して?」

 コウはその前で立ち尽くしていた。彼の目は冷たかった。さっきまでジンやタイガと交わっていた時とは真逆の、冷めきった表情だった。そして、まるで汚いものでも見る様な目で、母を黙って見下ろしていた。

「コウ、来て。いいのよ、ほら」

ミナミは手を伸ばしかけた。と、それとコウが歩みを始めるのとほぼ同時だった。但し彼は、母ではなく、ジンの方へと駆け寄っていた。

「ジンさん、ヤらして」

 ジンはミナミの方を向いて苦笑しながらも、コウの為に四つん這いになってやった。コウは嬉々として彼の尻に、あのいきり立った肉棒を突き刺す。

 ミナミは状況が呑み込めなかった。バタンと床に後頭部を落とした。再び天井を見る。

「あ……? あ、あ、あああああぁ~……!」

彼女は発狂した。精液まみれの股間から、ジャージャーと小便があふれた。

「あらやだ。汚いわねえ」

レイコが嘲り笑う。ジンは無感情に微笑む。タイガは快楽に酔ってだらしなく口を開け、コウは獣のようにギラギラと口角を上げた。

 いつしか、ミナミの周りに男達がまた群がり出す。ハイエナよろしく、女肉をまた貪るつもりだ。ミナミは呆けたまま、彼らに消費され続けた。


〈つづく〉

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[2016/05/15 22:00] | 「ママの枕」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
ママの枕 ~ステージ17~

「ブファッ!」

多量の粘液と共に陰茎を吐き出すと、ミナミはもう走り出していた。

「おいおい、どこ行くの」

下にいた男性が慌てて腰を捕まえようとしたが一歩及ばず、その手は空を切る。彼の屹立した肉棒だけが後に残された。

「コウ!」

ミナミは思わず叫んでいた。しかし、為す術もなくステージ前で止まる。

 コウはちらりとこちらを一瞥した。が、その目にはなんの親しみも宿っていない。そればかりか、精を吐き出した男根の方をむしろ愛おしそうに舌で清めるのに夢中だ。

 そんな彼の髪をこれまた優しく撫でながら、奉仕される男が、こちらは極めて親しげに話しかけてきた。

「やあ、ミナミ。君も来てたんだ」

仮面の甲斐もなく、いつも通りの調子で。

「ジン……」

ミナミは何か言おうとしたが、言葉が続かなかった。愛しいはずの恋人が目の前にいる。それなのに全く嬉しくない。というより、心が追いつかない。

 代わりに、ジンの方から口を開く。

「ほら、コウ。ママ来たよ」

そう言ってコウの柔らかな前髪をかき上げるが、当の本人は相変わらず、もう母を見ようともしないで奉仕に専念している。

「おいおいコウ、そんなにしたらまた勃っちゃうよ」

サれている方はくすぐったそうに笑った。

 ちょうどそこへ発情した男達がまた群がってきた。立ち止まったら最後、容赦なく食い尽くされるのが定め。ある者は乳を、またある者は尻を、ミナミの体に狩人達の手が伸びる。

「やめてっ!」

ミナミはそう言って、手を振り払った。それは周囲に言ったのでありながら、同時にジンに向けて言ったのでもあった。

 しかし、ジンは意図を解さず、逆にコウの幼い恥部を、竿の先から根元へ、そして玉袋からその下へとねちっこくこね回す。その都度硬直しっぱなしのペニスが、いじらしくフルフルと震え、ステージライトを照り返す。

「やめて……」

同じく震えるミナミ。そこへしつこくも男が、まるで亡者のようにまとわりついてくる。その男根が尻の間に迫るのを身悶えして避けながら、彼女は息子へと近づこうとした。

 と、その時、頭上から威圧的な声が届いた。

「感動のご対面ってとこかしら?」

見れば、“大女優”の呼び声高い、当会の主催者だった。なんと仮面すら着けていず、堂々たる面持ちだ。いや、そればかりか、衣服すらなんら身にまとっていないのである。ただ下腹部の前に抱えた“装飾物”を除いて。

「レイコ、さん……」

ミナミは息を飲んだ。彼女が抱えているもの、それは後ろ姿ながら明らかに男児だった。全裸のその子はレイコに両の尻を鷲掴みにされて、彼女の胴にしがみついている。ちょうどその顔が胸の谷間に挟まり、また股間と股間がくっつく位置。彼がその女体の内部にまで“装着”されているのは想像に難くなかった。

「よいしょ……」

レイコは抱っこの姿勢を崩さずに、その子を床に寝かせた。すると、待ってましたとばかりに彼女の尻へまたがる者がある。これもまた、か細い線の男の子。彼は前方の巨大な山にしがみつくや、うっとりと目を細めながら、クネクネと腰を振り出した。彼もまたなんらかの穴と“繋がった”のだろう。

「あらあら、ウフフ」

動じることなくレイコは嬉しそうに目を細めると、前後の子に気を遣いながら前方へ這って行った。その先にはコウがいる。

 ハッとしてミナミは見た。ちょっと目を逸らした隙に、また事態は動いていた。自分への奉仕を止めさせたジンは、代わってコウの生殖具を口淫していたのだ。あのさっきまで照り輝いていた勃起が、今や端正な頬の奥にズッポリと隠れている。

 レイコはそこへ顔を寄せると、彼に一旦吐き出させたソレを指でつまんで言った。

「まあまあ、さっきまであんなに頑張ってくれたのに、もうこんなに大きくして。頑張り屋さんのスケベおチンポ」

そしてそのまま真っ赤なルージュの唇で先端から吸い上げた。ジンも相変わらず竿から玉へと唇を這わせていたので、その未成熟な股間は二人の大人の顔にすっかり占拠されることとなった。

“未成熟”――果たしてそうだろうか。性毛こそ生えていないとはいえ、包皮は既に剥けている。亀頭の先から伸びる粘り汁は、もはや唾液ばかりではあるまい。蠕動する睾丸、拍動する青筋。見紛う事なきそれは、完熟たる種付け道具で……。

「イヤァ……ッ!」

とうとうミナミは悲鳴を上げ、口元を覆った。

 かつて見た“アイツ”のモノは、まるっきり年齢と不釣り合いな程ふてぶてしく、かつ熟練していた。まさか、アレと同じ道程を早くもたどり始めているのだろうか。アイツよりもまだずっと年若い我が子なのに! さもありなん、何しろ現にレイコとまぐわっている二匹の小さきオスは、オスの顔してすっかりその気なのだから! 

「イヤ! イヤッ!」

ミナミは激しい嫌悪感に逆上した。認められない、どうしても。

 すると、脇からまるでタイミングを計ったかのように“ソイツ”が現れた。

「よお、デカパイママン、久しぶり」

タイガだった。キジマの話通り、やはり居たのだ。だが、コウを目の当たりにした今、ミナミに新鮮な驚きはない。

「あ、コウ。そっか、ついに親子で枕か」

少年はステージに目を向けてニヤリと口角を上げた。もっともその目には、いつになく疲労の色が見て取れた。彼もまた全裸で、そしてやはり子役として仮面を着けていなかった。その額が、妙にねっとりした汗で濡れている。

 そんな彼を、ステージ上から目ざとく見つけたジンが手招きした。

「タイガ、来いよ!」

「チッ……」

呼ばれた方は、顔を歪めて舌打ちした。それでも逆らわず、素直に足を向ける。

 彼が来るのを見て、付け加えるようにジンはミナミも呼んだ。

「ミナミも来なよ。一緒にヤろう」

屈託なく、優しげな声音。何も後ろめたい所がない人の声だ。

「イヤ、イヤ、イヤ、イヤ……」

ミナミは口の中で繰り返しながら、小刻みに首を振った。それでも前へ前へと歩を進めだす。ジンも、この状況も受け入れられない。それでもコウの下へ。

 が、しかし、彼女は行かせられなかった。左右から手が伸びて、見ず知らずの男共に阻まれる。

「イヤ、イヤッ、イヤァッ!」

ミナミは絶叫した。もうビジネスやコネクションがどうとかいう次元ではなかった。

「コウッ!」

必死で手足を振り廻し、周りを傷つけるのも構わずに前進する。それを押さえつけけようとする男達との乱闘の中で、ベビードールは破れ、仮面も取れ、いつしかありのままのミナミが現れた。

「騒がしいわねえ」

レイコはちらりと顔を上げ眉をひそめた。そして、つと立ち上がると、その前後に、まるでコアラのように小動物をしがみつかせたままで降壇した。そのままミナミの前まで行く。彼女の前を塞ぐ人垣が割れた。と、次の瞬間。

「キャッ!」

ミナミは軽く呻いて頬をそむけた。レイコの平手が飛んだのだった。

「ここは、私の、パーティーよ」

彼女はそう言い放つと、相手の髪を掴んで元の場所へと戻り出した。

「イタッ!」

掴まれた方が言ったが、レイコは意に介しない。代わりに周囲を気遣った。

「ごめんなさいね、お騒がせして。この人、ちょっと借りるわよ」

ミナミは彼女によって舞台まで、いや、コウの傍まで連れて行かれ、そこでやっと解放された。

「痛いッ……!」

地べたへと身を投げ出すミナミ。その上へ、レイコがあざけりの言葉を投げた。

「散々ヤることヤッてるくせに、意外とウブなのねえ。見なさいよ、あんたの息子の方がよっぽど大人よ」

 その時、ちょうど時を同じくして、二人の子供が彼女の前後ろからはがれた。するとレイコは、打って変わって柔和な表情で彼らの頭を撫でてやる。二人は用が済むや否や、物も言わずに去って行った。彼らが去った跡から、すなわち大女優の股の間にある二つの穴から、下痢便のような音が鳴って白濁汁が床に垂れた。彼女はそれを足の裏で伸ばし、また跡地の肉びらを“ブリブリ”と大袈裟な音で鳴らしてかき回し、どことなく得意げな表情で語りを続けた。

「コウくんはねえ、もうオ・ト・ナ、なの」

ミナミはただ見上げるしかなかった。聞く前からそれが恐ろしい話に違いないと思いながらも。

「あなたのうちは親子でシないんですってね。でもそのおかげで“初めて”は私が……」

ここで、レイコはぐっとミナミへと顔を近づけた。

「ごちそうさまでした。お母さん」

「ヒッ……!」

ミナミの背筋を悪寒が走り抜けた。“この女何を言っているのか”分からない。分からない、が、分かる。分かる、が、分かりたくない。年齢は自分より一回り以上も上のはずだ。そんな女と、否、そんな“ババア”とかわいい息子が……。

 目じりに皺をたたえ、レイコは話を続ける。いくら美容に金をかけ、年より若く見えるとはいえ、年齢が帳消しになるものではない。

「手取り足取り教えてあげて。撮影の度に愛し合って。彼が初めてのこと、なんでもシてあげたのよ。フフ、体の隅々まで開発してあげた。ねえ、知ってる? 彼が感じる場所」

“彼”という単語が出る度、ミナミは果てしない気持ち悪さを感じた。本当に、果てしなく、それは止まらない。

「すごく勉強熱心な子よね。覚えが早いのよ。クンニだって絶品よ、私をイかせるほど。あなたもシてもらいなさいよ。あ、ヤらないんだっけ、息子とは。かわいそうに」

まるで呪文のように、ミナミの耳朶に痴女の告白がこだましていく。

「もう私なしではいられない体なのね。彼、切なそうな顔でこう言うの“レイコさん、オマンコ入れさせてください。早くイかせてください。お願いします。お願いします”って、土下座」

悪魔のようにけたたましく笑うレイコ。

「小っちゃなおチンポパンパンに腫らして。目なんかギラギラさせて。あの歳でもうオッサン並にスケベさん。かわいそうだから入れさせてあげるでしょ。そしたらすごいのよ、あいつ。何度も何度もせがんできて、休ませてくれないのよ」

少しでも想像が及びそうになるのを、母は必死でこらえた。これも子役の宿命なのか、芸能界の常識なのか。彼女は甘かったのか。後悔の念が浮かび上がる。喪失感、そして敗北感もやってくる。

「見て、あんなにズリ剥けに育てたのも私」

彼女が指さす先を呆然自失のミナミも自然と見た。が、そこに息子の勃起があると気付くや、すぐに目を逸らした。

「お母さん、ごめんなさいね、息子さん獲っちゃって。お宅の息子さん、ううん、お宅のどスケベなコウくん、すっかり私の虜みたい。今日もねえ、実はさっきまで――」

レイコは滔々とまくし立てたが、途中からミナミの耳には入っていなかった。一度は目を逸らした彼女だったが、すぐにまた視線を戻したのだ。なぜなら、コウがまた新たな挙動に移っていたから。

「い、いいよ、オレ。汚ねえな。勃たねえよ。オレ、そっちの趣味ないんだからさ。ジンさん、頼むよ」

タイガが懇願しているが、事態は変わらない。少年の足元にコウの姿があり、彼の今度の相手がタイガなのだった。コウは親しい兄貴分を上目使いで見つつ、その勃起にしゃぶりついていた。そう、かつて母がしていたように。

「そうそう、あの子って――」

レイコの次の言葉は、ミナミの、すなわちコウの母親にとっての、最悪の予期を呼び起こすものだった。

「もう“処女”でもないのよね」

同意を求めるように、彼女はジンの方へ小首をかしげる。ジンは、笑った。


〈つづく〉


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[2016/02/13 22:00] | 「ママの枕」 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top
大輪動会-プログラム#11-

 *

 前原は激しく後悔していた。どうして参加を断らなかったんだろうと。そもそもどうしてこの町に来たんだろうと。

「君も出たまえよ」

クライアントはそう言って、自身が参加する為に立ち上がった。それにノコノコついていったのが運のつきだ。

「(俺は何をしているんだ)」

前原は為す術もなく立ち尽くしていた。否、何をすべきかは知っていたが、行動に出なかったのだ。

 後から割って入ってきた男が、前の女の股の間に手を入れている。公然と、白日の下で。それをただ漫然と見ていた。女は、しかもかつて惚れた相手である。

 さっきちょっと目が合った。彼女の眼は虚ろで、またそこはかとなく暗かった。前原は知っている、その悲哀の訳を。彼はたちまち恐ろしくなって目を伏せた。自分の所為だと思った。だが認めたくもなかった。

 男の右腕の動きは、傍目にも不自然だった。小刻みなる上下運動は、貧乏ゆすりとしても異常である。痴漢は誰の目にも明白だ。

「ン……ン……」

咳払いに似せて、時折有紀の苦しそうな吐息が聞こえる。また、わずかに外股になった膝頭がプルプルと震えている。

 列が少し進んだ。すると、後方から愚痴をこぼす女の声が聞こえた。

「やだ、この辺なんか濡れてる」

前原も先程踏みしめた地面であり、その状況はよく分かった。運動場の乾いた土が、その辺りだけ水浸しになっていたのだ。そこは、つい今しがたまで有紀が立っていた場所である。

 男の動きはいよいよ激しさを増し、彼女は背骨までガクンガクンと痙攣するようであった。そして、そのまま前の者との間を詰めていく。彼女だけではない。後ろの男も、さらにまた前原も、居並ぶ人間は皆間を詰め、すっかり密着するようになった。そうして腰の辺りに縄を握る。この縄の輪の中に人間がすし詰めになって走るのが競技だ。スタートは間もなくだった。

 痴漢の背中から振動が伝わる。姦淫魔であり、一応のこと恋敵でもある間男だ。その背中に密着し、その体温、鼓動、そんなものを直に感じるとは不快極まりない。なんという屈辱的拷問か。

 彼はいたたまれなかった。今ほど善意の第三者を羨ましく感じたことはない。もしも自分に何ら後ろ暗い所なかりせば、一思いにこの強制猥褻の罪を糾弾できたものを。げに恐ろしきは連座である。この恐怖の集団婦女暴行事件に、自分も関係者、就中加害者として引っ張られることだ。金光一家には同情するが、所詮保身第一の彼である。

 痴漢は、そんな彼をせせら笑うかのように、露骨に愛人の股をまさぐり続ける。心なしか両脇の男達がそれとなく盾になっているようにも感じられた。係員らしく各ムカデ列の間に立つ彼らだが、どうも先程からこの周囲を離れない。列が進行した時にもだ。前原は彼らの顔を知らないが、輪姦があったのは知っている。だから、彼らもその一味ではないかと疑った。

 *

 鈴木は気が気でなかった。同僚の無茶には、ほとほと呆れ返ったものだ。もし自分が駆け付けてカバーしなかったら、横の列からは丸見えだった。いくら人口密度の極めて高い所で、人々の視線も下半身に届きづらいとはいえ、勿論全く見えないわけではない。

「ウゥック……ンゥ……」

人妻の喉を鳴らすのが聞こえる。情を知る者にとっては卑猥極まる鳴き声だ。鈴木は横目でそちらを盗み見る。すると、見るも憐れに汗だくの彼女が、明後日の方向を見つめて耐えに耐えていた。

「(いい気なもんだよ)」

スリルの中でよろしくやっている男女に対して、彼はやっかみ半分眉をひそめた。

 もとより高橋にしてみれば、この女の醜態を世人に曝して構わないとの考えだったかもしれないが、鈴木には迷惑な話だ。高橋にしたって困るだろうに、まして本大会には妻も子も出ていると聞くのに、全く解せない。この輪姦劇に関わって以来の彼の破れかぶれには首をかしげるものがあった。いずれにせよ、鈴木にはこうして仲間をかばい、さりげなく遮蔽役を引き受けるしかなかった。

 それは島田も同様だ。もしも事前に聞いていたら阻止していたところだが、既に始まってしまったものはしょうがない。周囲の目もあり注意もしにくい。仕方なしに鈴木と同じ役を担い、彼と反対側に立った。何しろ全員参加の競技であり、他の者は皆各列に入っている。自由に動けるのは役員の自分達だけなのだ。

 隣の列後方からこちらに目配せを送っている者がいる。花村だ。少し離れた所からは慶介が、やはりこちらを見てにやけているのが見えた。その一々へ、島田は微かに首を振って応じる。

「(バレたら一大事だというのに)」

彼は顔をしかめた。緊張感のない連中は、既に高橋に気付き、その挙動を窺って愉しんでいるのだ。やはり間合いを置いた所からでも、よく観察すれば分かることは分かるのである。

 高橋は仲間の懸念と期待をよそに、容赦なく有紀の秘穴をかき回した。土手も内壁も隈なく濡れそぼった所へ、小指を加えた四指でグチャグチャとやる。恥肉は蕩けそうな程に柔らかさを増し、自堕落な発情に拍車をかけた。

「ハ、ウッ……!」

有紀は思わず大きく息を飲み、そして口を押えた。二回目の潮吹きだった。ボタボタボタ、と水しぶきが地面を濡らす。それは、島田のズボンの裾にもかかった。彼は苦い顔をして、高橋へ自重を促したが、彼はそちらを見もせずにヘラヘラしていた。

 ただ、この問題児の直後が前原なのは僥倖だった。そもそもが今日の件のきっかけとなった彼であったれば、無闇に騒ぎ立てはしないだろうというのが島田の明察である。

 列の並び順は原則男女が交互であるが、高橋が割って入った為に男と男が続くことになっている。従って本隊は、先頭金光から順に、清美、佳彦、有紀、高橋、前原となっており、前原の後ろは無辜の女である。この女との間で壁の役割を果たすのが前原というわけだ。彼の責任は重かった。

 *

 罪を背負うとは、かくも重いものか。前原は痛感した。まるで刑罰を受けているようである。何が悲しくて愛人が辱められるのをかばわなければならぬのか。さりとて罪は暴けない。己もまた同じ穴のムジナだ。

 彼は必死で肩をいからせた。また体全体を硬直させて直立し、わずかなりとも後ろへ振動が伝わらぬように努めた。それが無駄なあがきとは知りつつも。

 後ろの女は、やはり気づいているのだろうか。もとより余所者の前原とは面識がないから、会話もない。彼よりもずっと背の低い彼女は、前の背にぎゅっとへばりつくような格好になって、ただただスタートを待っている。その頬の柔らかさだけが、背中越しに確かだった。

「ヒ……ッ!」

歯を食いしばって、有紀が天を仰ぐのが見える。またぞろ男の攻撃がヒットしたのだろう。ただ先程と違って今は男の背にくっついている為、彼女の下半身が実際何をされているのかまでは確認できなかった。

「(くそっ!)」

やるせない怒りが彼を焦らせる。不甲斐無い自分に苛立ちもする。さりとて行動には移せない。どうしようもないと居直れば、心が僅かに安らいだ。

 ほんの火遊びのつもりだったのだ。ちょっとした気晴らしに昔の女に手を出しただけだ。無論本気ではない。向こうだってそのつもりでホイホイと乗ってきたではないか。その代償がこれでは些か釣り合わない。とは思うものの、もう自分の手からは離れてしまったこと。

「(これが終わったら、すぐに逃げよう)」

彼は決めた。証拠映像が流出したところで、あんな小さな端末で撮った不鮮明なもの、白を切り通せばなんとかなる。人違いだと言い切ってしまえば立証不可能だ。彼は自分にそう言い聞かせた。

 それにしても不快なのは男の背中だ。と、こう感じて、前原はふと思った。痴漢は有紀に、有紀はその前の者にしがみついている。その者とは、彼女の息子だと。

「チッ」

彼は口の中で小さく舌打ちした。どこまでも下衆な野郎だ、と眼前の背中を蔑みながら。

 だが、下衆はその行動の故に下衆である。彼にとって、次へのエスカレートは当然だった。

 *

 佳彦はイライラしていた。運動会に飽き飽きしている彼は早く携帯ゲーム機で遊びたかった。通常なら自分の楽しみを最優先する彼だが、今は父親以下家族が居る。不承不承従って並んでいた。

 それにしても、妙なのは背後の母親だ。さっきからやたらと胸を押し付けてくるし、ハアハアと息も荒い。さらにそれへ、発走後は必要以上の振幅運動まで加わっている気がした。

「――ヨーイ、ドン!」

号砲一下、一斉にスタート。ちょうどその瞬間からだ、過剰な押しが顕著になったのは。

「ちょ、そんなに押さないでよ」

堪りかねて、佳彦が言った。

「ごめん、ごめん……」

いつになくしおらしい調子で母親は答えた。その声は苦しげであった。確かに、この窮屈な押し合いへし合いで駆けるのは困難な業だ。だが、それにしても弱り過ぎてはいないか。

「(どうかしたのかな?)」

佳彦の頭をちらりと心配がかすめる。が、それと同時にまたイライラとする感情が湧いてきた。

 従来家族と過ごすことの多い彼である。家族が友達と言ってもいい。そんな中、以前こんなことを耳にした。

「お前、家族でカラオケとか行くのかよ」

それはクラスメイトが放った言葉である。別に佳彦に向けたセリフではなかったが、なぜと分からず心に引っかかった。ぼつぼつ多感な年頃の彼ではある。そのことがあって、家族で揃うことにやや警戒心を抱き出した今日この頃である。

 様々な思いを胸に、隊列は走る、走る。運動場を端から端まで横切って、カラーコーンを折り返せば、後は元の場所へと一直線だ。どの列も実力伯仲。ほぼ横一線の折り返しである。

 と、その時、痛恨のミスが金光隊に起きた。他の者は気づくまいが、実の所有紀が原因であった。

「アアァー……ッ!」

バラバラと列が崩れ、皆が将棋倒しになる。有紀の悲鳴が一際息子の耳に響いた。彼女は倒れ込んだまま、しばしは起き上がれない。

「ちょっと、何やってんの」

母の体重を一身に受けながら、佳彦は文句を言った。と言ってもあまり親に向かって語気強くは言えない彼、いつも通り甘えた口調ではあったが。

「アゥン……ごめん、ね……」

また謝る有紀。その声は先程より一層頼りなかった。その上、起き上がろうともがいている所為なのかどうなのか、下敷きになった息子の背へ、ズンズンとリズミカルな振動をその身から響かせる。

「ちょ、ちょっと待って」

なおも立てず、我が子へしがみつくようにして激しく体を揺さぶりながら、有紀は誰ともなしに猶予を請うた。

「早く立ちなよ。もう行くよ」

振り向けないもどかしさを感じつつ、佳彦は中腰で急かした。母の後ろの男も何かボソボソと言っている。はっきり聞こえないが、大方似たようなことを言っているのだろう。

「(後ろは確かうちの弁護士の人だっけ)」

佳彦は高橋の乱入に気付いていなかった。そして、そんなことよりも、父も妹ももう立ち上がっていることに焦りを覚えていた。

「行くよ、ほら」

彼は後ろ手に母の手を引っ張った。すると、母が言った。

「やめて、もう……イ、イくから……イきます……アァ……」

息も絶え絶えに、まるでうわ言のようだ。“行く”というなら良し、と佳彦は手を離す。

 一同はようやく立ち上がり、再び走り出す。すると、以前にも増して変な前後運動が佳彦の背後から襲ってきた。走るのとは微妙に違うリズムが、母の突き出した胸からドンドン伝わってくる。

 おまけに彼女の口から途切れ途切れのつぶやきが、まるで呪文のように聞こえてきた。

「ごめんね、佳彦ちゃん、お母さん……好き……ガマ……きない……」

「(え? 好き……?)」

佳彦は困惑した。こんなにストレートに親から愛を伝えられたことはなかった。またそういうことが似合わない人だとも思っていた。そして、なぜこのタイミングなのか、あるいは独り言なのかも分からなかった。

 レースはいよいよ終盤。転倒が響いて、残念ながら一着は逃したが、金光まだ意気軒昂である。

「よしもうちょっとだ。佳彦、隣の奴ら蹴飛ばしてやれ」

と、無茶な注文を言う。言われた方は、今はそれよりも耳を澄ますのに必死だ。

 有紀の告白は、ちょうど彼らがゴールテープを切る瞬間まで続いた。

「佳彦ちゃんの、背中……お母さん今、中……」

そしてその後、レースのプレッシャーから解放された為か、

「アハァ~……ッ!」

と、やや派手な溜め息をついた。それと同時に、彼女の足元の土は、また色を濃くしていた。

 佳彦は到着と同時に急いで腰の輪から逃れた。すぐさま振り返れば、母が知らない男に肩を抱かれて立っている。満面の汗の中、呆けたような表情。ピチピチのティーシャツの大きく盛り上がった先端が、ほんのりと朱色だった。すぐにその周囲へ、ほかの者達が集まってきた。いずれも男だ。

 佳彦は声を掛けようと思った。だが、そこへ父が来て機先を制せられた。

「惜しかったなあ、佳彦。あそこでこけなけりゃなあ」

 佳彦は曖昧に応対し、また気になる方を見た。が、その時既に有紀の姿はなかった。いつの間にやら人ごみに紛れて移動したらしい。

「(お母さん、どこに行ったんだろう)」

 彼は今日一日の中で、ようやっと本気で不審がりだした。

 そんな不審をよそに、有紀は彼女のルーティンたる被輪姦女へと戻っていた。まるっきり精液の入れ物である。つい今しがた、我が息子の背中に身を預けながら白昼堂々交尾を果たし、痴漢に子種汁を注入された挙句気をやったばかりだというのに。


〈つづく〉


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[2015/12/05 22:22] | 「大輪動会」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
大輪動会-プログラム#10-

  *

 ムカデ競争――。

 それは、複数人が縦一列に結合して走り、他の隊列と勝敗を決する競技である。一般に足首を前後の者と結わえる形が多いが、本大会では数年前に怪我人の出たことが問題となり、腰を縛る形式が採用されることになった。つまり、一つの輪っかの中でぎゅうぎゅう詰めになって並ぶわけで、あるいは“電車ごっこ”と形容した方がイメージしやすいかもしれない。

 実際の所名称の変更も検討されたが、当地の風物詩ともいうべき代表的種目であるが故に、愛着を込めて“ムカデ”と相変わらず称している。というのも、これには原則として全員が参加し、出ないのは、乳幼児や足腰の弱った老人ほか体の不自由な者などごくわずかなのである。

「うん、分かった分かった」

係員から縄の先端を渡され、金光は隊列の先頭に収まった。本日唯一の出場競技である。酒臭い息で後ろを振り返れば、そこには清美がいる、佳彦がいる。そして有紀がいる。金光家が一チームに集合だ。

「お前、どこ行ってたんだ」

妻がひょっこり現れた時、金光は問うたものだ。当然であろう。人から行方は訊かれるし、電話を掛けても出ないしで。

「いたわよ、ずっと」

半ば呆れた風を作って、うるさそうに有紀は答えた。

 そう言われてしまうと、つい“そうかもしれん”という気になる酔っぱらい。実際あの後すぐに見つかったのかもしれないし、競技に出ていれば電話も取れないだろう。何より、相手は現に汗だくではないか。余程運動をしていたものとも見える。

 そこで質問を変えた。

「飯は食ったのか」

「ええ」

と、有紀は答えたものの、これには子供達が疑問を呈した。

「エー、お母さんどこで食べたの」

「なんでお弁当食べなかったの?」

 迂闊なことは言えないものである。夫も改めて怪訝な顔になる。もしここで係員からスタンバイを促されなかったら、ちょっと面倒なやり取りになっていただろう。

 話を中断して、前述の通り列を作る一家。その背後から、そっと有紀の耳元へ囁く者があった。

「大好物のフランクフルト沢山食べてたよなあ」

クスクスと笑いながら、男は彼女の後ろにぴったりとくっついた。

  *

「お母さん達、見えないよお」

椅子の上で背伸びしながら唇を尖らせる瑞穂。幼すぎる彼女は家政婦と見学だ。家政婦は相変わらずの無関心ぶりで、スマートホンばかりいじっている。

 観覧者より出場者の方が多いグラウンドはごった返しており、とても目当ての人物を見つけられそうにない。それでもしばらくはキョロキョロしていたが、見えないと知るや早々に諦めて、瑞穂は砂いじりを始めた。それでなくても、この運動会への興味はとっくに失われているのである。

 午後の部開始一番のお遊戯の発表。これが彼女の今日の仕事の九割だった。これ以外に年代別徒競走もあったが、それも午前の早い時間に終わっているし、後はやることがない。自分と関係ないことに対する好奇心など持ち合わせてはいない彼女である。それはたとえ、身内が出る種目だとしてもだ。

 姉の清美が組体操に出た時もそうだった。すごいなどという感動は全くない。

 組体操には、清美のほか、豊、聡、翼も出ていた。そう、彼女ら姉妹の母親とさっきまでくんずほぐれつしていた連中である。それが今度は娘と組み合う。とりわけ同級生の翼は、清美と体を接する位置にいた。もっとも、性的想像力の欠如した彼らには、娘――あまつさえ魅力的な容姿とは到底言い難い彼女と接しようが、日頃と同様特別な感慨はなかった。

 彼らは何食わぬ顔で決められた段取りをこなした。彼らに罪悪感は微塵もなく、その意味で純粋無垢に見える彼らの外観は一面真実であった。彼らはその行いの意味すら、いまだにはっきりとは理解していなかったのだから。

「がんばってね」

近くを通る時に、我が子・豊へ声援を送った母親。無論想像だにしない、このいたいけな男児が、母である自分よりも年上の女と子作りしただなんて。そして、集団レ○プをしてきたその足で、再び運動会に参加しているだなんて。

 彼女が特別ではない。ほかの子の親も、ひいては会場中の大人達だってそうだ。一体誰がそんな突飛な考えをするだろうか。それでも事実として、その小さな短パンの中には既にオスの務めを果たした生殖器が収まっているのである。

「お母さん!」

その生殖器を抱えて、競技後に母の下へと駆け寄る聡。その頭を撫でて活躍を讃える母。親の知らないところで子供は成長すると言うが、彼の場合、既にして彼自身が人の親になり得る肉体を有していた。

 それでも年の割に幼い所のある彼は、母の腿に跨って甘えた。布地越しにではあるが、膣内射精をした陰茎が己の母の体に触れる。

「あら甘えんぼさん。みんな笑ってるわよ」

そう言って彼女がたしなめると、聡は顔を赤くして離れた。と、そこへ豊がやってくる。

「なあ、もっかいヤりにいこうぜ」

彼はそう言って友人を誘った。翼も一緒だ。親達は無邪気な遊びの相談だと思って、なんの気なしに見送った、輪姦に行く我が子達を。

 その横、――母を犯しに行く同級生らの横を清美が通る。相変わらず愛されない彼女は、誰からも声を掛けられることなく、妹の下へ直行した。

「――お父さん出るって、ムカデ。あたしも行ってくる。お母さんも出るかな」

そう話す姉の言葉を聞き、出たいと駄々をこねる次女。しかし彼女は年齢上出場できないのである。

 結局妹を残し、姉はグラウンドに向かった。豊らの親達も出場する。そしてまた、有紀も。

  *

「瑞穂ったらさ、我がまま言って――」

振り返って清美が先程のことを報告する。弁当の件はさておき、久しぶりの母なのである。続けて彼女は、自身の活躍ぶりをかなり誇張して伝えた。それを、間に居る兄が遮る。

「おい、前向けよ。もう始まるんだからさ」

彼が不機嫌なのは、運動よりも、もっと携帯ゲームをしていたかったからだ。

 有紀はそんな我が子達の会話に曖昧な笑みを浮かべていた。その目はどこか虚ろで、かつはまた以前にも増して汗をかいている。

「アッ、ハッ……!」

急に痙攣して、前に居る佳彦に胸を押し付ける。

「押すなよお」

「ごめんごめん」

息子に怒られ、謝る母。だが、彼女の腿はまだ震えていた。閉じようとしても閉じられない。いや、閉じさせない何かがある。

 背後の男の右肩が僅かに上下していた。もしこの場が静寂に包まれていたなら、クチャクチャという音が聞こえただろう。それは、今日だけで二十八発も注がれた精液の音。それが聞こえるのは有紀の股の間からだ。

 最後に注がれたのは竜二のだった。つい今しがたまで彼に抱えられ精液を注入されていた。このグラウンドに出る直前まで。

「オラオラ、駅弁だぜオバサン」

彼はそう言って、宙に持ち上げた女体へと腰を打ちつけた。それが有紀にとっての“弁当”だったわけだ。具といえば“フランクフルト”という名の男根ばかり。家族との時間も惜しんで食し続けてきた。とんだ大飯喰らいではある。

 唇からは、雅也の“ミルク”が零れ落ちた。先程飲まされたものだ。新鮮なそれは粘っこく上下の唇の間で糸を引いた。その白い口から満腹の訴えが漏れる。

「ヒィ……イヤアァ~……!」

もう食べられないというのに、聞き入れられない。竜二は当たり前のようにまたミルクを下の口へ飲ませた。そこの唇もやはり間に糸を引く。有紀は彼の首にしがみついた。不安定な体位の為に仕方なかった。それを捉え違えて彼は、

「オバサン、そんなにしがみつくなよ。危ねえじゃんか」

とニヤニヤ笑いながら苦情を述べれば、横からは、

「中出し大好きなんだよな、奥さん」

「ようやく素直になってきたじゃん」

と花村と慶介が口々に囃し立て、皆で下品に笑い合う。

 竜二は、密着の心地よさをさらに強めるべく、抱え上げたままの有紀の背を壁に押し付け、そのまま最後の一滴まで彼女の肉唇の奥へと送り込んだ。さらに、それが済んで壁伝いにズルズルと落下した彼女の顔がちょうど自分の股間の前に来ると、汁まみれの肉棒をその口へとねじ込んだ。

「やっべ、今日何発でもイけるわ」

彼は恍惚となりながら独り言を言う。その言葉通り、確かに続きでもう一回やりそうな雰囲気だった。

 しかし、それは実現しなかった。急に島田が入ってきたのだ。

「こんな所に居たのか」

その後ろから比嘉も顔を見せる。彼の案内だった。島田は言う。

「もうすぐムカデだぞ」

 全員参加のムカデ競争。当然ここにいる連中もだった。組体操参加者は既に抜けている。残っているのは、それを除く男十人と女一人。そのいずれもがエントリーしている。

「なんだよ、出なくてもいいじゃん」

竜二が不平を言って、島田から叱られる。高橋、花村も、戻らざるを得ない点で一致していた。つまり、男達全員が去ることになる。

 有紀は光明を見出した。しかしそれは、たった一瞬でかき消された。

「金光さん、あんたもだよ」

島田が宣告したのだ。

「ご家族がお待ちですよ」

後から現れた鈴木もうそぶく。

 それからは、先刻の三人四脚と同じだ。有紀はまた白のティーシャツと赤いホットパンツを着させられ、ご丁寧に両脇から護送されて運動場に出た。

「(逃げられない……)」

トラウマ的絶望が彼女を覆う。もう何をしても助からないのだと。

 運動場には既に人が溢れていた。その中を一直線に進んで、自分の組へ向かう。家族の待つ組へ。

「どこ行ってたんだよ」

開口一番、夫も子供らも口々に母をなじった。彼女は、暗澹たる想いで誤魔化す。正直な所、取り繕うのも億劫だった。それでも真相は明かせない。そのジレンマに苛立ちを覚える。

「(人の気も知らないで)」

家族と言えど、他の者と同じだった。ここに居る大多数の連中と同じように、普通に運動会に参加し、半ば気だるく、半ば楽しみもし、今日というありふれた一日を過ごしている。有紀とは明確な温度差があった。かつはまた、彼らは自分のことばかり考えている。

「(わたしが何されてたと思ってんの)」

彼女は静かな怒りに震えた。

「(何されてたか教えてあげましょうか)」

今度は自嘲的に笑う。

「(輪姦よ、輪姦。お母さん輪姦されてたのよ!)」

そう言い切ってしまうと、返って清々しくもあった。もはや恥も外聞もなく全てをさらけ出して助けを求めよう。ここには数多の人間がいるではないか。そう思いつく。

 まずは家族。前方に並ぶ三人。夫は千鳥足、娘は自慢話、息子は不機嫌。母の悲劇に思い至らないのは当然としても、その姿を見ても、彼らは一様に何も感じないらしい。朝と服装が違うことや、そのほか何かと変化が見られるであろうに。

「(助けてよ!)」

 背後を見ると、前原が居た。金光から誘われて、同じ組にねじ込まれたのだ。彼と目が合う。すると彼はちょっと憐れむような表情になって、視線を落とした。有紀はたちまち不愉快になる。この時、恋慕の情は一気に吹き飛んだと言っていい。

 では誰が、一体誰が助けてくれるだろう。大会委員の中には実行犯がいる。教師も共犯。じゃあ女は。同性なら同情も。そう考えた時、かつて耳にした陰口が脳裏をよぎる。

『わざわざ着替えてきたのかしら。どんだけ目立ちたいのよ』

『それにしたって、あの短いズボン何?』

 有紀は今も履いているホットパンツの裾をギュッと引っ張った。信用は遠かった。

「(誰か……)」

頼るべき者などいない、ようやくそのことに気が付き始める。一緒にPTAをやっている保護者。それも望み薄だ。いつも邪険にしてきたし見下してきた。そもそも顔と名前すらほとんど一致しないではないか。もはや四面楚歌の心境である。

 と、そこへ後ろから声を掛けてくる者があった。

「どうした、キョロキョロして」

救世主、……などいるはずがない。振り返るまでもなく敵だと分かる。それは高橋だった。彼は有紀と前原の間に入り込む。そして、

「ここが寂しいか」

と囁くや、ホットパンツの隙間から陰唇の中まで躊躇うことなく中指と薬指を潜り込ませた。有紀の身に屈辱的な不快と、近頃慣れ親しんだ切なさがこみ上げる。

「言ったのかよ、旦那や子供らに。“レ○プされました”って」

高橋は問いかける、が、有紀は無反応だ。構わずに、高橋は続ける、相変わらず膣穴をほじくりながら。

「言ってやれよ、“朝から中出しされ放題です”って。“チンポ大好きお母さんなの”って」

人差し指が加わって、中の指は三本になった。ポタリポタリと粘液が地面に滴り落ちる。

“もう何もかも終わりだ”と有紀は思った。ここで全て白日の下にさらされて、自分から打ち明けなくても悲劇は結末を迎えるのだと。考えてみれば、子供らに自分の境遇を説明できるわけがない。だが遅かれ早かれ、彼らは知ることになるわけだ。彼女はまるで死に際したように、去私の境地を錯覚した。もはやなるようにしかならないのだと。


〈つづく〉


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[2015/11/04 22:00] | 「大輪動会」 | トラックバック(0) | コメント(1) | page top
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