おことわり
R18
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「オナこもりの小説」は、エロ小説を気ままにアップしていくブログです。たまに、AV女優や、TVで見た巨乳のことなども書いています。左サイドにある「カテゴリ」から、それっぽい項目を選んでご覧ください。



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妄想の座敷牢羞恥の風ましゅまろくらぶ



小説には、連続作品と一話完結作品があります。連続作品は、左「カテゴリ」の各作品名より一話から順番に読むことができます。また「目次」には、各作品の概要などをまとめた記事が集められています。

■連続作品
◆長編作品
「子宝混浴『湯けむ輪』~美肌効姦~」

◆中編作品
「大輪動会~友母姦戦記~」
「青き山、揺れる」 ▼「師匠のお筆」

◆オムニバス
「母を犯されて」

◆短編作品
「育てる夫」  ▼「最後の願い」  ▼「ママの枕」  ▼「ブラック&ワイフ」
「夏のおばさん」  ▼「二回り三回り年下男」  ▼「兄と妻」

■一話完結
「ふんどし締めて」
「旧居出し納め・新居出し初め」  ▼「牛方と嫁っこ」  ▼「ガンカケ」
「祭りの声にまぎれて」  ▼「シーコイコイコイ!」  ▼「サルオナ」  ▼「母の独白」
「童貞卒業式」 ▼「お昼寝おばさん」  ▼「上手くやりたい」 ▼「珍休さんと水あめ女」
「栗の花匂う人」「乳搾りの手コキ」 ▼「妻つき餅」 ▼「いたずらの入り口」
「学食のおばさん便器」 ▼「山姥今様」 ▼「おしっこ、ついてきて。」

作品一覧

育てる夫(4)ブラックホール
 ひとみは畳に転がりながら、一人自分を慰めていた。眉根を寄せ、切なげな表情で見悶える。

「アアァ……ン」

多少わざとらしくでも声を出すのは、行為を盛り上げる為である。このところ、前にも増してムラムラする日が多くなった。

 例えば、食の量を控えている者が少しでも食べると、逆に刺激を受けて余計に腹が減ったりする。まさにそんな感じで、理生を招き入れたことが仇となり、彼女の肉体はさらなる悦楽を求めだしていた。手の届く所にそれがあると思うのがよくない。

 簡単に濡れそぼってしまう痴穴を指でほじくり、いわゆるGスポットを責め立てる。一方ではクリトリスも可愛がった。作業の合間にちょっと休憩するつもりが、気が付くとこれだ。もう半時ばかりやっている。

「イく……またイく……」

情けない声で鳴きながら、目と膣を潤ませた。いくらやっても空しさは埋まらない。今度は本格的に裸になってみようかと考えた。

 だが、その企画は破られざるを得なかった。

「あっ!」

と思って急いで下りると、やっぱり理生である。庭に眩しい笑顔が咲いていた。

「あら、いらっしゃい、子ダヌキちゃん」

ここに来られるということは、彼の母もあの一件を知らないわけだ。もしも知っていたら、理生を止めるどころか、ひとみを今頃警察へ突き出しているだろう。あの夜の事は、彼女の思い出にだけとどまっていた。

 ひとみは理生を招じ入れると、

「クッキー焼いたんだけど食べる?」

と、早速おやつを振る舞った。餌付けはバッチリである。美味しい、美味しいといって食べる彼に、ひとみはいつしか夫の面影を重ねていた。彼もよく手料理を喜んでくれたものだ。

「おばちゃん、好き」

理生の懐きっぷりはどんどんエスカレートしている。一線を越えた経験は知らず知らず彼の身に刻まれていたようで、今はひとみの膝に乗り、彼女の胸にためらいもなく抱き着いている。男子特有の尖った尾てい骨が、コリコリと腿の上を動く。向い合わせの股間は下腹の肉に埋め込まれていた。

 近頃の陽気の所為もあり、彼はじんわりと汗ばんでいた。ひとみは艶っぽく微笑みながら誘った。

「一緒にお風呂入ろうか」

風呂は既に温めてある。願ってもないことと、理生に否やは無い。

 二人して裸になって、まずは理生の体を洗う。もう暴れることもなく、素直に彼は奉仕を受けた。聞かぬ所といえば性棒位だ。再び見られた女の裸体を眼下に、彼は憚りもなく勃起していた。いまだにその意味を理解していないから、遠慮も恥じらいもない。

 ひとみは素知らぬ風で、そこをゴチャゴチャと弄びながら、今日も元気な有り様を悦び愉しんだ。彼はもう童貞ではない。己も知らぬ間に子作りを経験した。そしてまた、彼という男を迎え入れたひとみにとっても、それはもう特別な道具だった。まさに男根である。

「はい」

完了の合図を送ると、今度は理生が言い出した。

「ぼくがおばちゃんを洗ったげる」

「エー、おばちゃん恥ずかしいわよ」

言いながら、ひとみは腰掛けに座った。男児の溌溂とした肌を前にすると、改めて自身の張りの無さが浮き彫りとなる。だが理生にそんな見立ては微塵もなかった。

 スポンジを泡立てて、まずは背中からゴシゴシとやる。幼い力のこととて、精一杯やっても痛いことはない。小さな手が、背骨の浮いた細く長い背を行き来する。見る人が見れば、そのスリムな形とシミ一つない白い肌を美しいと形容しただろう。海外でモデルの真似事をしていた頃は、背中のざっくり開いたドレスなども幾つか着せられたものだ。

「パパやママも洗ってあげるの?」

一転母性的な温かい気持ちが湧いてきて、ひとみは優しく問いかけた。親孝行される方とする方のような構図である。

「ウーン……パパは洗ったげたことあるかな」

考え考え理生は答えた。親のことよりも今は目の前の女に夢中だった。腕や脚も念入りにこする。股の間は少しいい加減にやった。オチンチンのないことがやはり不思議で、構造的によく分からないからどこまでどうやって洗っていいか分からず、躊躇の末誤魔化したのである。ここへきて自慰のことをうっかり思い出したひとみは、そこを詮索されずに助かったわけであった。

 彼がこんなに熱心に体を洗うのは、一つには大人の真似事をやって褒められたいというのもあったが、メインの場所へたどり着いた時に怪しまれないようにとの配慮だった。そのことは、既にひとみも薄々察している。

 やがて理生は、満を持して胸部に到達した。この膨らみこそが目的地だったのだ。背後から手を回し、まず脇の方から突っつくように押す。この時点でもう弾力が手に返ってきて愉しい。そのまま滑って乳首の上を通過する。プニプニする感触を手首に覚えて新鮮だった。戻ってもう一度スライドする。脂肪の玉が揺れて、乳房を生々しく実感させる。

 スポンジを持ち替え、左の乳に移動する。持ち上げるように乳の下側から上へこする。ズシンとくる躍動が衝撃的だ。両の谷間から弧を描くように、上から下、下から上へと輪郭を撫でてもみる。どれだけ遊んでも飽きない玩具だ。

「ウフフ」

ひとみは笑いを禁じ得なかった。乳房に興味があろうとは察していたが、ここまでとは思わなかった。一体に男子は皆そうなのか。新鮮に感じ、また微笑ましくも面はゆくなって、つい笑ってしまったのだ。しかし、お気に召して何よりではある。

 彼女の胸は従来薄い方だった。痩せ型の体格に似つかわしい小ぶりさだった。妊娠と出産を経て一時は膨らんだものの、基本的には変わらなかった。

 胸元がきついと感じ出したのは近年のことである。四十を超えて肉が落ちにくくなり、それでもスレンダーなスタイルは維持していたが、胸だけは中年らしく肥え、今ではDカップのブラジャーを付けている。谷間の出来たことは我ながら自慢で、夫にも見せびらかしたものだ。もっとも、それを愉しんでいた矢先に彼は逝ってしまったが。

 洗い終わって、共に湯船に入る。追い炊きをしない今日は向かい合わせの位置だ。

「おっぱいって浮くんやね」

余程感心したらしく、率直に理生が感想を述べた。実際、乳房はプカプカと水面に浮かんでいる。

「そうよ、初めて見た?」

ひとみは食い入るように見つめる彼がまた可笑しかった。自分でも意識しなかった発見を彼は与えてくれる。それもまた心地よい。

「触ってみる?」

からかうように言うと、理生は真に受けて大きく頷いた。許しを得て、今度は堂々と真正面から両の手を向ける。触診するような手つきでグニグニと乳房を挟み、その感触を確かめていく。表情は真剣そのものだ。

 それを見てクスクスと笑いながら、ひとみは訊いた。

「どう?」

「柔らかい」

真に迫った声で言下に理生は答えると、こうも付け加えた。

「ママのよりおっきい」

母しか比較対象を知らない彼であるが、なるほど、確かに彼女の体型では湯に浮かぶこともあるまい。ひとみはちょっとした優越感を味わった。

そんな儀式が終わると、例によってリサイタルが始まる。理生は首を振り振りよく歌った。あまりに盛り上がり過ぎて、折角温かかった湯も次第に冷めていった。それで、そろそろ上がろうとなるのが通常であるが、二人はそんな気にならなかった。

「少し冷えてきたわね」

そんなことを言いながら、ひとみは互いの体温で暖を取るように、何気なく相手の体を抱き寄せた。腿の間に細い腰を挟む格好で。

「うん」

理生はうっとりとしなだれかかり、彼女の腰に手を回した。無知ながらも、何となく気分を出しているように見える。ひとみの中で、またぞろ黒い欲求が急にざわめきだした。浴槽の底にあるまじき深海のような暗さの中、海藻のなびく秘貝からぬるい水が漂い出る。

「もうちょっとくっ付こうか」

「うん」

尻を引き寄せると、おあつらえ向きに彼の貝柱も直立していた。ひとみは自然と割れ目の位置を調節し始める。抱き合っている間に入ってしまうことならよくあるだろう。そんな甘い誘惑が脳裏にこだまする。

突起は行き先を求めて、ツンツンと恥丘をつつく。ひとみは、もうほとんど相手の尻を握るようにして掴み、遂に自ら誘導していった。理屈は脇へ置いて、この前の夜と同じ、ちょっとした事故、あるいはほんの出来心というつもりで。

「ン……ッ」

とうとう彼が帰ってきた。大した抵抗もなく、拍子抜けする程あっさり、ヌルリとペニスが割れ目に納まる。

「入った……」

正論を言っても始まらない。ひと度男女の契りを結んだ以上、いずれこうなる運命だったということ。ひとみの中に入った男根が、都合よくそう慰めてくれるようだ。

紛れもなく二度目の性交。しかも今日は起きている彼とである。理生にとっては実質これが初めてのセックスということになる。もっとも、彼はまだ陰茎が膣の中へ入っている事実に気付いてはいない。

「あったかい?」

耳に唇を付け、ひとみは微かに震える声で囁いた。顔を見られたくないから、相手の頭を胸元に抑えつけ、自身はその上へ覆いかぶさっている。

「うん……」

くぐもった声で理生は答えた。耳の中へ直接囁きかけられた時、ゾクゾクと脳が痺れた。それであやふやな気持ちになって、彼は念を押すように言い直した。

「おばちゃんのお股、あったかい」

「おばちゃんのお股……」

そのあどけない表現が妙に卑猥に思えて、ひとみは思わず復唱すると、その響きが益々意味を持って欲情を助長していく。

理生はまた、手にした感動を無邪気に述べ立てもする。

「なんかね、気持ちいい」

それはセックスに対する率直な感想だった。といっても、あくまで股の間に陰茎が挟まれているのだと思っている。ただとにかくオチンチンが気持ちいいことだけは確かだった。オナニーの経験もないのに、そこの快感は覚えた彼である。

「そう……」

平静を装いながら、ひとみは口元をだらしなく緩めた。

「気持ちいいでしょう? おばちゃんのお股」

気に入ったフレーズを今一度繰り返す。彼女の興奮はもう彼女でさえ否定出来ない。こうなると欲求は果てしなく高まるばかり。

 ひとみは背中からずり下がると、向かい合うというよりほとんど相手を上に乗せるといった姿勢になって、理生のことを羽交い絞めにした。

「おばちゃん……」

夢うつつの中で、当てもなく相手を呼ぶ理生。その顔からはいつしか日頃の快活さが薄れ、代わって艶めかしい色香が立ち昇っていた。およそ児童のそれではない。腰の使い方は心得ていないが、快感を求めてクネクネと回すように悶える。それを尻でコントロールするのがひとみだ。

「寒くない?」

「うん」

いまだ温め合う体裁を建前上続けながら、その実チャプチャプと水面が波立つ訳をどう説明するのか。肉びらの開口部で陰芯がモゾモゾとほじくり回す。ひとみは顎を伸べ恍惚と天を仰いだ。

「来そう……もっと……」

もう辛抱たまらぬと、尻を掴む手に力がこもる。もはや躊躇いもなく、その手は谷間に分け入って相手の肛門から袋の裏までギュウギュウと押した。

「ンウゥ……」

会陰を指圧された時、理生はか細い声で低く鳴いた。決して痛いのではなくて、ムズムズと切ないような快感が一気に押し寄せてきたのだ。彼は、余計にひとみへしがみついた。

 それを聖母のような大きさで抱き止めながら、その実魔女のような貪欲さで、彼女はおさな子の性具を押し込んでいく。痴れ穴は肉厚をおっ広げて、さながらブラックホールのように何もかも併呑する勢いだ。サイズの足らなさは仕方ないというのに、もっと、もっととバキュームしていく。とうとうそれは、陰嚢ごと内部に収納してしまった。

「カッ、ハアァ……ン!」

きつく眉根を寄せ、ひとみは大きく息を吸い込む。その脳裏に、口で彼を丸呑みにしたいつかの絵が浮かんだ。今は下の口で同じことをやっている。

「すごいことしてる」

己の変態性もここまで極まるとは我ながら予想だにしなかったこと。さすがの収縮穴も塊になった肉で押し拡がり、玄関ホールは満席である。彼女は瞬時に最高潮の幸福を得た。

 同じ時、ちょうど理生も絶頂に達した。再びの経験ながら今度は焦りを感じる暇もなく、何が何だか分からない衝撃の波に飲み込まれて、アップアップと溺れている。それで言葉を失って、女の熟れ肉に必死でしがみつく。もう甘えるの度を超越していた。

「イッてる」

呆けた悦楽の中でも、ひとみには分かった。尻の痙攣と内部のそれが連動している。アクメの膣中で男根は歓喜に躍動していた。同時に達せられることは、この上ない幸せを感じる瞬間だ。

 二人はしばし言葉もなく肌を合わせながら、絶頂の余韻に浸った。




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[2023/03/22 22:00] | 「育てる夫」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
育てる夫(3)筆おろし
 その日は例のルートではなく、理生は玄関から来た。母親を伴ってである。

「ごめんなさいね」

「いいえ、全然」

ひとみはひらひらと手を振りながら答えた。一両日家を空けることになるので、息子を預かってくれというのだ。

 理生の母親はいかにも勝気そうなきっぱりとした物言いで頼み込むと、キャスター付き旅行鞄の取っ手を気忙しそうに触った。

「おばさんの言うこと、ちゃんと聞くのよ」

「大丈夫よね。いつもいい子にしてるもんね」

ひとみは理生にニコリと微笑みかける。彼も満面の笑みで応える。二人が仲睦まじいことは、既に母も了解済みである。彼女は、息子の懐きぶりに軽く嫉妬を覚えつつも、自分の用件を優先して隣人の好意に甘えるのだった。

 晴れて二人きりになると、ひとみは言った。

「今日、ケーキ作ろうと思ってるんだけど、理生君も手伝ってくれる?」

「うん!」

 翻訳家を生業としている彼女は、ほとんど在宅ワークで時間の融通が利いた。夫の残した遺産によって金銭面では余裕があったから、趣味の延長みたいな生活である。夫は生前そこそこ名の通った写真家であった。

 その点、理生の家庭はシビアで、二人して働いても彼らの理想には達しない。この地区に越してきて一軒家を構える位だから、それなりに収入はあるはずだったが、特に母親は仕事好きという性格も相まって、例えば菓子作りなどにかまけている時間が惜しいのだった。

 初めてのケーキ作りに、理生は嬉々として取り組む。聞けば、両親は喧嘩が絶えないらしく、温かい食卓など皆無らしい。ひとみの家は憩いの場となっていたのだ。

 一時間ばかりドタバタと共同作業に励んだ後、ケーキが焼き上がるまでの間、理生はまるで母親へ甘えるように、目上の女の肩を揉んだ。

「優しいのね」

別に媚びるのではなく、これは彼の真心からである。だが、大真面目に揉んでいるかと思ったら、段々と馴れてくるのに従って、その小さな手の位置が前方へと下がっていった。

「ねえ、ぼく今どこ触ってる?」

極めて容易なクイズだった。ひとみは空とぼけて、あえて言わせようという単語を言わない。

「さあ、どこかしら」

「エー、分からへんの?」

理生は笑いをこらえきれないといった調子で、それまで胸の上部に当てていた手を、さらに貪欲に下ろしていった。遂には突先の辺りをムギュッと掴む。

「コラ! 理生君のエッチ!」

怒られて、彼はウフフフと笑いながら飛びすさった。こんなことをしてじゃれ合う内にケーキも焼き上がる。二人でいると時間を忘れる位だった。

 二人してよく遊び、よく寝て、よく食べて、風呂にもまた一緒に入った。

「ねえ、マッサージして」

理生は甘えてきたが、もういかがわしい事はしなかった。ひとみは決して小児性愛者ではない自覚がある。年少の者を性の対象と捉える嗜好はないし、それは一般の大人と何ら違わない。理生にだって、元来慈愛的に接している。ただでさえ、自身の孫より年下だ。

 早六つになる彼女の孫は、両親と共に遠く欧州で暮らしている。何だかんだ都合がつかないらしく、もう二年は会えていない。娘は高校を出て留学中に今の夫である現地の青年と出会い、そのまま結婚、出産した。その点、自分も同じ年頃で産んでいるから、特別反対はなかった。欧州を生活拠点に選んだのは、彼女の幼少期まで一家がそこで暮らしていたからで、そちらの生活の方が馴染むのだろうし、また仕事上も都合がいいからと思われた。

 ひとみとしては、娘らに会いたいと寂しく思う日もあるが、第一に彼らの生活を尊重したいし、また他者に依存しない自身の性格もあって、一人暮らしを気ままに謳歌していた。それに、まだ心配される程年寄りではない、とは娘によく言っていることである。

「カレシでも作っちゃえば?」

本気とも冗談ともつかぬ体で、彼女は言う。

「それも悪くないわね」

と、ひとみは返しておいた。といっても、本格的に男探しする気はない。年寄りのつもりはないが若いわけでもないし、何よりこれから新しい関係を背負い込むのは厄介だ。男とは、彼女にとってもはや面倒なのである。

 ただ、その年頃の故に、如何ともし難い肉欲の昂りだけはあったが。

 理生は夜になると益々ハイテンションになって、中々寝ようとはしなかった。盛んにじゃれついてきて、ひとみの体に触りたがった。灯りを消して、ベッドに入っても、クスクスと笑いながら何かと組み付いてくる。付き合いのいい彼女もようやく呆れながら、何とかなだめすかして寝かしつけるのだった。

 彼には彼で、やり場のない欲求と寂寥がある。その幼い体でひとみにしがみついて眠った。股は彼女の左腿をしっかりと挟み込んでいる。

「寝たの?」

スヤスヤと寝息を立てる以外に返事はない。あれ程騒ぎまくっていたのが急に大人しくなると、返って大人の方が寂しくもなるものだ。ひとみは彼の頭をよしよしと撫でて、その手を背中に回しそっと抱き寄せた。

 しばらくそうしていると、その股間の存在感が大きくなってきた。それは意識の内にとどまらず、実際に膨らんでいたのである。

「あら……」

男児の興奮は別の方向へ発露していた。ひとみは別段動揺もせず、そのままにしておく。これが単なる代謝的反応なのか、目的を持ったものなのか判別出来ない。もし後者だとすると、こちらを女として見ていることになる。

 理生の表情をそっと窺ってみる。あどけない顔で眠っている。夜這いを企むような邪悪な影は微塵も見えない。

 ひとみは目を閉じて、自分も早く寝ようと思った。が、眠れない。隣が恨めしく思う程、眠気が遠ざかる。それに、時間が経つにつれて、何やら汗ばんできた。こうなってくると、胸元に置かれた手も重みを増してくる。

 その脳裏に、先日はっきりと補足した形が浮かんでくる。それは今、腿の柔肌にきつく押し付けられており、鮮明な記憶と像を結んだ。我知らず、唾が湧いてくる。

 自身の体の変化を、彼女は既に察していた。それでもあえて確かめようと、さり気なく下着の上へ手を這わす。案の定、筋に沿って薄い染みが出来ていた。何より、指で触れた瞬間、ジンジンと身内に電気が走った。

「よくないわ、こんな時に」

決して隣の男児に興奮したのではない。彼女自身のバイオリズムとして、欲求が悶々と高まっているのである。体とは長い付き合いだからよく分かる。

「どうしよう」

独り身に戻ってからは、したい時にしたい事を誰憚ることなくやってきた。そのツケが回ってきて、こんなタイミングで我儘を唱える。

 とはいえ、彼女も分別のある一人の大人だ。欲情した体を持ちながら、今は耐えるのみ。

 夫とは亡くなる直前まで交渉があった。それこそ事故の当日も体を重ねていたのである。彼ら夫婦にセックスレスという懸案はなかった。彼は性欲の強い方で、それを受け入れていた妻もまた必然そうだと言えよう。元からそうだったのか今となっては分からないが、少なくとも夫のしつけによって、肉体は一層淫らに開発されたものだと彼女は信じている。

 そういう快楽の味を教え込まれた女が、熟れた体を放置されることこそ不幸だ。三十させ頃、四十し頃などと、誰が言い出したか分からない標語があるが、実際科学的にも言い得て妙らしく、この上あと何年生きるのか知らないが、五十ござむしりなどと女の性欲が尽きぬことを想像すると絶望的である。

 このまま朝まで眠れないのかと思うと、ひとみは焦った。その手が、意志弱く股間周りを這いずりだす。まるで、掻いてはいけないと分かっているのに、痒くて掻かずにはいられないといった心境だ。

「ダメなのに」

最初はパジャマの上から軽く表面を押さえるような感じ。それから撫でるような仕草となり、それでもはっきりと掴むことは避ける。紙一重の抵抗だ。しかし、そんなことをしても火照りは鎮まらぬばかりか、返って焦れた体がさらに求め始める。

 少しだけならと、意志薄弱に折れて服の中に手を入れる。建前上は、患部を落ち着かせる意図だ。手の平で下着の上を押さえるようにさする。もどかしい。夫と過ごした熱い夜が指の上にのしかかってくる。

「ダメよ」

指はひとりでに筋をなぞり始めた。もっと強く、何かの角に押し当てたい。物足りなく、寂しく涙する女陰を、彼女は次第に強く関節の骨でこすっていった。

「ア……」

陰核にぶつかり、ピクンと疼く。

「何してるの、わたし」

白々しく見下す理性を脇に除けて、ひとみはいよいよ本格的に自分を慰め始めた。指は肛門に近い位置までカバーし、行きつ戻りつしては恥部を摩擦する。腿の側面に当たる剛直が行為を励ますようだ。それを力強く感じながら、彼女は暗闇の中で息を吸い込んだ。

「ハアアァ……」

声こそ出さないが、呼吸は発情した雌の熱気をまとっていた。眠れぬまま、寂しい一人寝を慰める女は、実際には男児をその片手に抱きながらも、それの硬い所だけをおかずにしながら長い夜を超えようとするのだ。

 やがて、じんわりとした低い上り曲線ながらも、一応の感度の極致へ至ろうとしていた。

「イく……」

 ちょうどその時だった。

「おしっこ」

理生が唐突に目覚めたのである。ひとみは驚き焦って、咄嗟に右手を引き抜いた。彼に触れていたことすら後ろめたい気がして、思わずそちらの手も離してしまう。

「あ、おしっこ?」

尿意を催したのであった。一人では便所へ行けぬので、当然に付き添いを欲する。

 扉の前に着くと、ひとみは訊いた。

「一人で出来る?」

理生はちょっと考えた。出来るのであるが、そういう訊かれ方をすると、つい甘えたくなる。

「ううん」

彼は嘘をついて首を振った。実は以前にもこの家でトイレを済ます彼を見ていたはずのひとみだったが、この時はすっかり失念していた。それだけ動揺していたのである。

「じゃあ、お手伝いするね」

個室内に入る二人。といっても、ひとみには立ってすることも、補助といって何をすれば良いのかもよく分からなかった。おおよその見当から、やはり排尿の管を支えるべきなのだろうと思い、手を伸ばす。

 そこで、ハッとした。湿り気を帯びた方の手を出してしまったからである。だが、右サイドに立ってしまった都合上、今さら左手に変えるのも不自然だし窮屈だ。ひとみは人知れず頬を染めながら、オナニーした手でペニスを持った。心配しなくても、見た目に濡れているのが分かる程ではないと言い聞かせながら。

 陰茎は勃起したままだった。彼女はそれを押し下げて、便器に向ける。ほとんど色味のない水がシャーッと勢いよく迸り出る。手の中に奔流の振動が伝わってきた。終わると、トイレットペーペーで先端を拭う。理生にはそれが大人の仕草に感じられた。

 寝室へ帰ると彼はまた甘えてきて、今度は大胆にもひとみの上に乗っかった。

「コラコラ」

何となく気の抜けた声でたしなめつつ、またじゃれ合いが長くなるのかと、ひとみは苦笑を浮かべる。だが、案に反して彼はあっさりと眠りに落ちてしまった。

 困ったのは、ひとみである。彼を横へ下ろすことは訳ない。が、彼女の劣情がそれを押しとどめさせた。理生は今、胸へ顔をうずめるようにして寝ている。自然、その股間がちょうどひとみのそれと相対する位置にあった。依然として硬いままの棒が、彼女の割れ目にぴったりと押し付けられている。狙って出来ることではない。むしろ天然の奇跡だから心に響くものだ。

「理生君たら……」

イき損ねた肉体はまだ火照ったままだ。そこへきてのこの仕掛けは、もはやズルいとさえ思えた。大人の女をよくもここまで弄ぶと思うが、もちろん全ては彼女の独り相撲である。

 つい今しがた明るい場所で見たばかりの、そして自ら手で掴みもしたあれが、惨めに濡れた女の入り口で通せんぼしている。ひとみは抱っこするような手つきで、さり気なく幼い尻を持つと、ちょっとだけ強く抑えつけた。

「あぁ……」

言葉にならない充足感がある。鼻の奥がツーンとなって、懐かしい感触に彼女はしばし酔った。

「わたしったら何考えて……」

自分でも少し動いてみる。クリクリと陰核の上を、同じような精一杯の勃起がこすれた。紛れもない、これは男児を使ったオナニーだった。

「違うの……」

その空しい言い訳を、果たして誰が認めてくれるだろう。背徳的恥辱が彼女の心を暗く染めていく。

「このまま……」

性欲というのは人間の欲望の中でも原始的で強烈なものだ。それは簡単に、日頃の知性的な女性を一匹の雌に変えた。胸の上で寝息を立てる子を揺りかごのようになってあやしながら、その実快楽をむさぼっているのだ。

 だが、イけない。蛇の生殺しの如く、興奮に刺激が追いついてこない。もっと直接的な刺激が欲しい。いっそこのまま壊れてしまいたい。ない物ねだりは人間の十八番だ。女の理性はとうに破滅していた。

 ひとみは驚く程巧妙に、慎重に且つ迅速に、いとも大胆な挙動に出た。すなわち、己の下半身を剥くと、相手のそこもまた剥き出しにしたのである。露になった尻のもちもちとしたのを改めて抱き寄せ、自らの股間へあてがう。硬い肉棒が彼女の土手に食い込んだ。

「すごい」

紛れもない男。この五年忘れもしない感触が女陰を目覚めさせる。こうなると、もはや行き着く所まであと僅か。自分にこれ程の異常性が潜んでいようとは知らなかった。変質者に堕ちていく恐怖は確かにある。だがそれを欲望の波が押し流していく。

 ひとみは矢も楯もたまらず、その勃起を陰裂の内へ引き込んだ。

「ハアッ!」

軽く声を発し、慌てて口を覆う。とうとう彼女は男児の陰茎と合体してしまった。

 間違いなく初めてであろう彼の、初体験を奪ってしまったことについて、申し訳ない気持ちはある。だが一方で、彼が自分に好意を寄せており、また性的好奇心も旺盛であることを勝手に確信していた。所詮男と女は成り行きだ、などと高をくくってもみる。

「来る……!」

それは挿入してまだ僅かの内だった。既に仕上がっていた肉体は、極度の興奮を加え、絶頂を始めたのである。

「ハアァ……!」

甘ったるい息を吐いて、カッと目を見開くが、すぐにまた閉じた。現実を直視するのはさすがに怖かったからである。

 四十年の歳の差を軽く飛び越え、孫よりも年下の子と肉体関係を結ぶ。だが当人にはそんな意識はない。というより、欺瞞がそれをあえて意識に昇らせまいとする。

 ひとみは理生の尻を押し付けたまま、ジワリジワリと互いの性具を動かしていった。オーガズムの多幸感が完全に羽目を外させ、この一方的な猥褻を濃密なものにしようとする。妻の務めとして、夫にも絶頂させてやらなければならない。

 サイズは全然足りないが、入ってくれただけで今は満足だ。建物に例えるなら、精々玄関ホールでコチョコチョやっているばかりで、本当ならせめて能動的に出し入れしてほしいものの、さすがにそれは求め過ぎというもの。もはや犯してしまった罪ならばいっそ完遂させるべく、彼女は腰回りをクネクネと媚びるように自ら振った。

 その効果はてき面だった。理生は間もなく腰を痙攣させだした。寝ていても関係ないらしい。

「イッてる、この子」

今日は体の内側から、相手の振動が伝わってくる。体内に生命の波動を感じつつ、ひとみは愛おし気に理生を抱きしめるのだった。






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[2023/03/19 22:00] | 「育てる夫」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
育てる夫(2)丸呑み
 日を置かずに、理生はひとみの家を訪れた。相変わらず服に泥を付けている。

「ねえねえ、お風呂入らへんの?」

その一言で、年長者は意図を察した。幼いながらも快楽の味を占めたと見える。

「今日は入りません。おうちで入ってきなさい」

ひとみはきっぱりと断る。この間のことで少々懲りていた。

「エー、入ろうよ」

理生は庭から上がってきて廊下を駆け出すと、一目散に浴室へと向かった。勝手知ったる他人の家である。

「ぼくもう脱いじゃうよ」

付いてこない相手に向かって大声で呼びかける。ひとみは廊下の角から、

「じゃあ一人で入りなさいよ」

と呆れたように返事した。

「エー、いやや、おばちゃんも一緒に入ろ」

ひょっこりと顔だけ出して理生が食い下がる。ひとみは別の手に出た。

「ママに言おっかなあ、リオ君が裸になって、おばちゃんとお風呂に入りたいって我儘言ってますって、言っちゃおっかなあ」

すると、理生はタタタッとこちらに駆けてきた。半ズボンは本当にもう脱いでいる。

「今日ママいないもん」

「じゃあパパは?」

「パパもいない」

勝ち誇ったように言う。共働きとは聞いているが、こんな幼い子一人家に残して不安ではないのだろうかと、ひとみは訝しんだ。

「ねえ入ろうよ」

改めてねだり出した彼に、

「入りませんよだ」

と言いながら、ひとみは逃げ出した。後を追う理生。こうして追いかけっこが始まった。一階の中、キッチンとリビングを行ったり来たりしながら、二人はキャッキャと走り回る。理生の興味もいつしかこの戯れに比重を移していた。

 子供の体力は無尽蔵である。おまけに一つ楽しみを見つけるとしつこい。四十五の大人にはきつく、先にギブアップしたのは仕掛けた方のひとみだった。

 呼吸を整えて、別の提案をする。

「ホットケーキ食べる?」

「うん!」

風呂のことも忘れて、理生は無邪気に頷く。ひとみはいそいそと手際よく調理してそれを振る舞うと、嬉しそうに食べる彼を見て、自らも目を細めた。

 腹が膨れると、理生はウトウトとし始めた。昼寝の時間というわけである。しばらくソファーの上でまどろんでいた彼は、その内本格的に横になった。スヤスヤと寝息を立てだしたのを見ると、ひとみはその頬を愛し気に撫でた。

「そうだ」

見ればシャツも結構汚れているので、この間に洗濯しておいてやろうと思いつく。どうせならと、彼女は下着も含めて全部剥ぎ取ってしまう。心配せずとも、理生はすっかり眠りこけて起きなかった。風邪を引かぬように毛布を掛けてやる。

 洗濯機から戻ってくると、幼い下半身がこぼれ出ていた。

「あらあら」

ひとみは苦笑すると、毛布を掛け直してやる。と、その視線がふいに一点で止まった。例の利かん坊が今日は大人しく鎮座している。彼女の中で、またよこしまな好奇心がむくむくと頭をもたげてきた。

 何気ない体で、ちょこんとした出っ張りを指で弾いてみる。バネ仕掛け程の反発はないが、新感覚の確かな手応えがある。手慰みに弄ぶには適当と思われた。ひとみは面白くなって、チョンチョンと何度もそれを突っつき、跳ねまわる様子を楽しんだ。彼女にとって、それは玩具であった。

 だが、しばらく経つと様子が違ってきた。玩具は自ら意思を持つかのように起動し始めたのである。あっと思う間に、それは過日のような有り様へ変貌した。

 ひとみはこの際よく観察してみようと、理生がやはり起きぬのをいいことに、そっと顔を近づけてみた。竿は健気に直立し、袋はさっきより吊り上がったようである。彼女は、そこに陰毛の一本も生えていないことが、生々しさを感じさせない原因だと知った。色の沈着もなく、他所と変わらぬ明るい肌色である。

 息を吹きかけてみる。匂いは無く、ただ湿った生ぬるい風が漂い返ってきた。さらに顔を近づけてみる。精巧に刻まれた皺は、しかし大人より遥かに少ないようで、竿部分のツルリとした皮は亀頭先端まですっかり覆いかぶさっている。息子のいない彼女には何もかも新鮮だった。

「キレイ……」

思わずそう嘆じた。そして、吸い寄せられるように頬に肉竿を押し戴いた。生温かさが肌にしっとりと馴染む。ひとみは両手で大事そうに捧げ持つと、もう片方の頬にも押し当てた。硬さの中に尊さを感じる。彼女は、まるで御利益を念ずるかのように、順番に顔面の上へ勃起を当てていった。

「ああ……」

生命の根源みたいなものを感じる。それは神秘的で、畏敬の念に値するものだった。両手で抱いたペニスに、うっとりと頬ずりする。それにつれて包皮が伸び縮みした。

 顔中に押し当てていく中には、当然唇の上も滑った。彼女はその一瞬だけ、ふいにハッとして離れた。だが、僅かの逡巡の後にはあっさりと翻意して、唇を近づける。かつて愛する人へしたように、ひとみは久しぶりで男性器に口づけをした。

 一旦始めると一度では済まなくなる。初めは竿と袋の間位に口づけたものが、竿の裏表、袋回り、内腿、陰部の付け根の下腹部など、遠慮なくキスの雨を降らせていった。キスの最中も、竿の先がこめかみや額の生え際に潜り込むのが心地よい。

「ステキ……」

そんなことを思う頃には、もう好奇心というより下心に近かった。子供ではなく、そこに居るのは一本の男根なのである。

 ひとみは、それを頬と手でシコシコと揉みつつ、唇をスライドさせて、その間に軽く挟んだ。もしもこの時の己を俯瞰で見られたら、男子児童の股間に顔をうずめる熟女の、そのおぞましい光景に寒気がしただろう。しかし、今眼前は発情した男性器で埋め尽くされていた。

「ちょ、ちょっとだけ……」

彼女は理生が起きぬように願いながら、唇の間からチロリと舌を出し、肉竿に触れた。たちまちゾクゾクとした刺激が身中を焦がす。懐かしい熱! 止まらなくなって、舌でチロチロと弾いていく。後から後から唾液が湧いてきて、動かす度にヌチャヌチャと唾が鳴る。何と言う神々しい味だろうか。

 こうなると、もう辛抱堪らぬ。先端まで伸び上がると、ひとみは吸い込むように竿ごと口内へ飲み込んだ。

「ンンフゥ……」

開いた鼻腔から官能的な息が漏れる。目を閉じて、久しぶりの食感を味わう。恍惚となって、彼女はしばらく動かずにいた。

 だが、久々に愉しむにしては、それはあまりにも小さかった。舌の半分も満たさない。口の中でモゴモゴとしてみたって、もうそれ以上大きくはならない。それでも諦めきれず、ひとみは恨めしそうに舌先を陰嚢の方へ伸ばした。竿を口にくわえたままである。

 夫は、ひとみの口を愛してくれた。野太いものを口いっぱいに頬張らされ、彼女は目を白黒させながら、そのままよくアクメを迎えたものだ。

「もっと……」

ここにきて、彼女の欲求は爆発した。上あごに男根を押し付けながら、舌と下唇を使って、器用にも玉袋を吸い込んだのである。なんと、ひとみは陰茎も陰嚢も、一息に丸呑みしてしまったのだ。

「フォゴ……ッ」

子供のものとはいえ、さすがに窮屈ではある。今や彼女の唇は根元の繋ぎ目まで達し、大きくカパッと開いた口が寸分の隙もなく下腹部に貼り付いていた。まるで、男児の股間という果樹に彼女の頭が実ったようである。

「すごい……」

自身の思い付きもまた興奮の糧にしながら、口中を満たす息苦しさに、むしろひとみは幸福感を覚えていた。秘芯がカーッと熱くなり、ゴクリと生唾を飲み込む。口腔で、もはや形もよく分からない肉塊を、舌で輪郭を舐め回しながら捕食。存分に出汁を抽出する。

 思うように動きづらいながらも、少しずつ上下に頭を揺さぶってみる。これはもう、相手を喜ばせるというよりも、自身の欲求を満たす為だけの技だ。もしも理生が起きていたなら、確かにこの前以上の刺激的快楽を知ったのであるが、生憎と夢の中。それでも肉体の現象は休んでいない。

 またしても、彼女はやり過ぎた。理生は例によって、突発的に痙攣を始めたのだ。

「あっ……」

ブハッと丸呑みを一気に吐き出して、ひとみは顔を上げる。

「イッた……の……ね?」

先日の経験から、前より焦りはなかった。やはり精液は出ていず、ただただ唾液でベトベトに濡れた陰茎が残るのみ。自分のしでかした残骸だった。

「ごめんね……」

ひとみは心から恥じ入って、ティッシュペーパーを手に取った。そうして陰部を丁寧に拭き清めながら、しかし最後に、しつこくも名残惜しそうに、陰茎をチュッと吸うことを忘れなかった。






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[2023/03/18 22:00] | 「育てる夫」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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