おことわり
R18
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妄想の座敷牢羞恥の風ましゅまろくらぶ



小説には、連続作品と一話完結作品があります。連続作品は、左「カテゴリ」の各作品名より一話から順番に読むことができます。また「目次」には、各作品の概要などをまとめた記事が集められています。

■連続作品
◆長編作品
「子宝混浴『湯けむ輪』~美肌効姦~」

◆中編作品
「大輪動会~友母姦戦記~」
「青き山、揺れる」 ▼「師匠のお筆」

◆オムニバス
「母を犯されて」

◆短編作品
「育てる夫」  ▼「最後の願い」  ▼「ママの枕」  ▼「ブラック&ワイフ」
「夏のおばさん」  ▼「二回り三回り年下男」  ▼「兄と妻」

■一話完結
「ふんどし締めて」
「旧居出し納め・新居出し初め」  ▼「牛方と嫁っこ」  ▼「ガンカケ」
「祭りの声にまぎれて」  ▼「シーコイコイコイ!」  ▼「サルオナ」  ▼「母の独白」
「童貞卒業式」 ▼「お昼寝おばさん」  ▼「上手くやりたい」 ▼「珍休さんと水あめ女」
「栗の花匂う人」「乳搾りの手コキ」 ▼「妻つき餅」 ▼「いたずらの入り口」
「学食のおばさん便器」 ▼「山姥今様」 ▼「おしっこ、ついてきて。」

作品一覧

宴会途中の隣室で田舎のおっさんにハメられた母
ショートオムニバス・シリーズ 『母を犯されて』


ケース4
母・美菜子(みなこ) 27歳


 盆休み、茂生は家族三人で父の実家へ帰省した。祖父母共に健在で、孫のことを目に入れても痛くない程に可愛がっている。だから茂生には何の不自由もないわけで、ましてまだやっと物心付いた位な彼に、嫁である母の気苦労など推して知る術もなかった。

 地元は酒好きが多く、寄ると必ず酒宴となる。祖父は我が家に親戚一同をはじめ、近所の人間まで集めて宴会を開くが、その時も決まって皆の盃が進んだ。

 父も良く飲み、母も弱くはない。だが、その日は気疲れもあって、母は早々にダウンしてしまった。

「なんね、こらえしょうのない」

近くにいた男が指差して笑う。母は後ろの柱に頭をもたせて上を向き、大口開けて眠っていた。 

「疲れとるんやろ」

祖母は淡々と評するような調子で言うと、

「シン!」

と息子を呼んで、嫁を隣の部屋へ運ばせた。

「フルさん、あんまり調子に乗って飲ませるんやなか!」

「そない飲ませとらんばい」

フルと呼ばれたさっきの中年男は、祖母に注意されてもニタニタと笑うばかりで、ますます機嫌よく酒を飲み干している。祖母も別段説教する気はなく、ちょっとたしなめた程度で向こうへ行った。父は既に元の席へ帰って、旧友と昔話に興じている。茂生は一人、母の許へ向かった。

 母は豆電球の灯りの下で静かに横たわっていた。申し訳程度にタオルケットがかけてある。宴会の騒がしい音は聞こえるが、廊下一つ隔てただけで随分違うものである。茂生はその傍で畳の上にゴロンと横になり、持ってきた人形で遊ぶことにした。

 しばらくすると、祖母がやってきた。

「あれまあシゲちゃん、こんな暗いとこにおったと? 向こうでお友達と遊ばんね」

世話焼きの彼女はそう言ったが、茂生は素っ気なく首を振って、そこを離れなかった。

 入れ替わるようにして、今度は例のフルが通り掛かった。トイレに中座したものだ。

「なんや、えらい暗いとこで」

中には入ってこず、襖の間から顔を覗かせ、フフンと相変わらず上機嫌に笑って去っていった。

 またしばらくすると、今度は親類や近所の子らがやってきた。先程来気後れして輪に入れなかった茂生であるが、話してみるとこの年代ならではの簡便さで、すぐに打ち解けて友達になれた。やがて、向こうでゲームをしようという話になって、茂生は彼らに付いてゆくことにした。

 部屋を出ると、またしてもフルにバッタリと出くわした。

「おおっとっと」

ぶつかりそうになって、大げさによろめく中年男。茂生が思わずはにかんで「ヘヘッ」と笑うと、相手もだらしなく口元を緩ませて笑い返した。茂生はすぐに、先を行く子 供達を追ってドタドタと走りだす。が、すぐに何気なく振り返ってみた。すると、母の眠る部屋の襖が、中からスッと閉まるところだった。

「なんしようと?」

友達に呼ばれて、慌てて目的を思いだす茂生。彼らと一緒に、子 供だけが集まる部屋に行った。

 だが、遊び始めるとすぐに尿意を催した。誰かに付いてきてほしかったが言い出せず、一人で便所に向かう。その時頭に浮かんだのが、フルである。「あのオジサンもトイレに行った」その知識を頼りに目的地へ。

 他方、そこからの連想が彼の足を止めさせもした。「オジサンがママの部屋に入った」ことを確かめたい気持ちに駆られたからである。茂生は例の部屋の手前から歩みを緩め、ソーッと襖を開けた。

 隙間から覗くと、やはりフルは居た。母は相変わらず寝ており、その腿の間にフルが入って、彼女の上に覆いかぶさっていた。母は服をめくり上げられており、露になった白い乳房が薄明りにフルフルと揺れていた。

 母は犯されていた。

 しかし、茂生にはその状況が理解できない。子 供がどうして出来るかを彼はまだ知らない。それでも母が乳を放り出し、オジサンが何かしていることだけは見て取れた。

 しばし観察を続ける。オジサンは母の脚を抱えたり、腰の辺りを掴んだりしながら、一心不乱にカクカクと動いている。母は無反応だが、やはり胸だけは雄弁に語り、薄暗い中でも存在感を放っていた。

 これだけの情報では何も分からぬ。もっと近くに寄って、あるいは直接尋ねてみないと真相はつかめない。茂生はそう悟ったが、いかんせん当初の目的を忘れていた。目下、それを解決するのが先だ。

 彼は事件現場を放り出して、便所に去っていった。

 それを遡ること数分前、茂生と入れ替わりに室内に侵入したフルは、すぐに実行に移った。襖を後ろ手に締めるや、流れるように股間を露出。

「へ、へへへ……」

飛び出た陰茎は天を向く程硬く充実していた。そのまま獲物の股の間に飛び込むように座って、彼女の下着さえ脱がさずに、少しめくった程度で強引にねじ込んだ。蒸れた肉はまるで濡れているようである。剛直は抵抗を感じながらも、無理やりに押し広げて進んでいった。

「お、奥さん……」

小声で呼びかけてみる。例え大声を出されても止める気はない。もうここまで来たらば、本懐を遂げてしまいたかった。

 彼女とは長い付き合いではない。この家の血縁ではない彼にとって、「シンの嫁」だと言われてもピンとこなかった。ただ若い嫁だという認識しかなかった。酒席ではコンパニオンみたいなものだ。酒飲み男にとって、若い女との会話こそ格好の肴である。

 千鳥足で宴席を出る。ふと見るとあの女が薄着で横たわっている。俄然ムラムラと欲情してきた。彼は確かに酔っていた。その勢いで犯行に及んだのである。

「(し、締まるなあ)」

確かに若い母親の割れ目は適度にきつく、他方で頃合いに柔らかかったのだが、久しぶりにありついた女の肉だっただけに、彼には評論の資格がなかった。実は気持ちいいという感想しかない。それにまた時間もない。彼にとって幸いなことに、女は騒ぐ気配がなかったものの、いつ起きるとも、また誰かに見つかるとも限らない。

「うんっうんっ!」

鼻から荒い息を吐いて、汗だくになりながら男根をこすりまくる。途中、思い切ってシャツとブラジャーをまくし上げ、乳房を露出させた。これを拝まなければ、女を抱いた甲斐がない、と彼は思う。大ぶりではないものの、重量感のある、しっかりと中身の詰まった乳房だった。

「(あのボウズを育てた乳か)」

ふとそんなことを思いついて、目を上げる。瞬間、彼は息を呑んだ。

「(あっ!)」

締めたはずの襖が僅かに開いている。しかも何者かが覗いている。中年男の目は確認に時間が掛かった。

「(あ、あのボウズか……!)」

彼は動揺した。もはや止めて逃げるべきかとも思った。だが、「どうせ捕まるなら最後まで」とヤケになる気持ちの方が勝った。ほんの少しだけ良心が痛む。そういう人並な心情はある。しかし、快楽は優にそれを上回る。

「(ど、どうせ俺はクズだよ。お前の母ちゃん、レ イ プしてやる!)」

バッと倒れ込んで乳首に吸い付く。ペロペロやってちょっと噛む。肉棒はいよいよいきり立った。パンパンに膨れ上がって、産道をギュウギュウと押し広げている。

「(うおっ、ヤベえ)」

込み上げてきたものを回避する余裕はなかった。寸前で抜き去ると、その突先から溜まっていた白濁汁がボタボタと滴り落ちた。

 最後に彼は美菜子の唇を奪った。それは接吻というより一方的な、唇を吸い、あるいは舐める行為だった。酒臭い息と唾液が彼女の口中に雪崩れ込む。こうして女の征服は終わった。

 茂生が用を足して戻ってみると、フルもまた事を済ませた後だった。後ろ手に襖を締める彼の方へ、茂生は廊下の向こうから駆け寄った。

「よ、よお」

以前の明朗さとは打って変わって、フルは妙に余所余所しく、まともに目すら合わせない。そればかりか、

「か、母ちゃん、よう眠っとるよ。お、おっさんがまじないかけよったけん」

と、聞いてもいないことを勝手にしゃべって、足早に去っていった。

 茂生が部屋に入ってみると、母はきちんと服を着てタオルケットをかぶり、前と同じように静かに眠っていた。彼は気づかなかったが、諸々の汁も綺麗に拭き取られていたのだ。元通りの彼女を見て、息子は小首をかしげたが、今はそれ以上の追究に精を出すことはしなかった。

 その後は友達と思い切り遊び、祖母の切ったスイカを食べ、あくる日からは虫取り、花火と楽しい経験が目白押しで、茂生にとって田舎の思い出といえば、そんな楽しいことしかなく、母が犯されたことなどすぐに忘れてしまって思い出す事もなかった。


〈おわり〉


羞恥の風




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[2020/08/13 22:00] | 「母を犯されて」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
家庭教師に娘の部屋でハメ撮りされた母
ショートオムニバス・シリーズ 『母を犯されて』


ケース3
母・冴子(さえこ) 40歳


 中 学の頃、わたしは母を疎ましく感じていた。特別な事情はない。いわゆる反抗期というやつだ。例えば、ある日、顔に大きな湿布を貼っていても、「大丈夫か」の一言すらかけなかった。とはいえ、不良になるほど思い切った行動に出るわけでもなく、ただ家庭内で態度の悪い娘を演じているに過ぎなかった。

 わたしがKと付き合うようになったのも、そんな些細な反抗心がきっかけだったのかもしれない。Kは大学生で、母がわたしに付けた家庭教師だった。これと言って特徴のない、地味で冴えない男だったが、比較する材料の乏しかった当時のわたしにはちょうど良い選択肢だった。何より、恋に恋する少 女は盲目である。14歳のわたしは、Kに処女を捧げた。

 一人暮らしをしている彼のアパートにも通うようになった。時には学校をサボって彼の部屋で時間を潰し、何事もなかったかのように帰宅した。もちろん、セックスも回を重ねていった。母を出し抜き、同級生を出し抜いて、わたしは一人大人になった気でいた。

 その日も、わたしは彼の部屋にいた。彼が大学へ行っている間は、一人でゲームをして過ごす。爛れた生活も板についてきたと思っていた。そんな矢先のことである。いつもの通り、だらしなく寝そべっていたわたしの目の前で、突如テレビ画面がゲームから別の入力に切り替わったのだ。これはありがちなことで、何かの拍子にリモコンが動いたらしい。慌てて入力を戻そうとしたが、流れ出した映像が、わたしの手を不意に止めさせた。

 アダルトビデオだと思った。男女がベッドの上で行為に及んでいる。隠し撮りのようで、左斜め前からの二人の全身と部屋の背景がアングルの中に収まっている。女は四つん這いで顔をつんのめらせるような格好。それを男が後ろから突いている。それを見たわたしは、今さらセックス映像で動揺するわけもない、はじめはそう思っていた、が、程なくして、強烈な違和感に襲われ出した。

 暗くて分かりにくいが、部屋の壁紙や家具の感じが、どこか馴染みのあるもののようなのだ。そうして、男の顔が親しい人にそっくりなのである。

「K?」

 後になってみれば己の鈍感さに嫌気が差すが、この時は想像だにしないことだったから、事態を把握するまでに時間がかかった。他人の空似にしては似過ぎていた。でも確信は持てなかった。いや、持ちたくなかったのかもしれない。ともかく、これまで何度も抱かれながら、わたしはKの裸をよく見てこなかったことに気付いた。だが、もしKだったとして、彼はアダルトビデオに出演していたということだろうか。それともプライベートなものなのだろうか。だとしたら相手は前のカノジョか、あるいはほかに女がいるのか。いやいや、普通に考えて相手はわたしなんじゃないだろうか。様々な考えが一瞬のうちに脳内を駆け巡る。

 間もなく、ハッとすることに気が付く。壁のポスター、棚の置き物……

「わたしの部屋!」

 そうだ、わたしの部屋だと、馬鹿みたいに能天気な探偵が、ようやく証拠にたどり着いた。机の上に薄っすらと確認できる写真。それは父の生前に写した家族旅行の写真だった。となると、男はやはりKで、

「やっぱり相手はわたし?」

 当然、そういうことになる。はずだ、が、撮影した覚えは当人にない。そればかりか、自分の部屋でセックスしたことは、今までに一度もないのだ。さすがに母にバレてしまうから。

「じゃあ……誰と?」

 その時、今も耳について離れない、あのおぞましい、悔しさと怨みのこもったうめき声が、低く太く、まるで地獄から沸き上がってくるように響いた。ちょうど、男が女の髪を掴んで引っ張り上げた時である。

 わたしは、目と目が合うように、女の顔を見た。その瞬間、胃から急激に異物が込み上げてきて、とっさにトイレに駆け込んでいた。水洗ボタンを押しながら、何度も何度も吐いた。このまま血を吐いて、死んでしまうのではないかと思った。次第に体が震えだし、過呼吸にもなった。

 あの人のそんな姿を、わたしは知らなかった。いつも凛として、時に冷たくも見えるほど澄ましていて、厳しく、時に口うるさく、プライドが高くて、人に頼ろうともしない人だった。そんな人が、髪を振り乱し、涙で顔をグシャグシャにしながら、絶望したように苦悶の表情を浮かべていた。

 キレイなママね、とよく言われた。幼い頃はそれが自慢だった。いや、その思いは、きっと本当はその後も変わっていない。だが一方で、僻みも感じるようになっていった。わたしは母に勝てないと、勝手に思い込むようになった。それが思春期のせいだとか、そんなことは当の本人に分からない。だから、このモヤモヤした思いをぶつけることもできないまま、裏腹な態度に走ってしまった。父が死んで仕事に復帰し、それでも娘との時間をできるだけ作ろうと苦心惨憺している様は一番知っていたはずなのに、その優しさを押しつけがましく感じてしまっていた。

 やっと吐き気が治まって、わたしはヨロヨロと立ち上がった。先走ってしまったが、よくよく考えてみればあり得ない話ではないか。あれは勘違いかもしれない。ひょっとしたら幻を見たのかもしれない。そんな淡い期待を持って、わたしはトイレを出た。

 本当は分かっていた。途切れ途切れの呻きが聞こえる。わたしの足は、それでも歩みをやめなかった。ノソリノソリと進んでみれば、まだビデオは流れたままだ。しかも今度は、カメラを手に持っているらしく、顔が大写しになっていた、母の顔が。

 わたしは再びトイレに駆け戻った。そして、この気持ち悪さの正体におぼろげながら感づいた。わたしは母を遠く見上げているつもりだったが、二人はやはり親子だったのだ。血は水よりも濃い。犯されている母に、わたしはわたしを見た。同じ女なればこそ分かってしまう。わたしがアイツに抱かれている顔、体。わたしはそれを突き付けられたのだ、と。

 わたしは大きく息を吸って立ち上がると、一目散に家を飛び出した。だが、階段を駆け下りた所でふと思い返して部屋に戻ると、DVDをデッキから取り出し、それをカバンに押し込んで、再び家を出た。そこからどういうルートで帰ったのかは覚えていない。

 帰宅すると、ちょうど母は居た。目に焼きついていた映像で、頬を殴られていたのを思い出した。あの日、湿布を貼っていた母。その日、今日みたいに一人でアイツの部屋にいたわたし。帰ってきたアイツとセックスをしたわたし。帰宅して、湿布姿の母を見たわたし。つまり、そういうことだ。奴はわたし達母娘を……

 わたしの目から勝手に涙が流れていた。それはとめどなく溢れて、とどまることを知らない。その涙につられて、わたしは号泣し始めた。玄関に立ち止まって、ワンワン、ワンワン泣いた。母はそれを見て、全て悟ったのだろう。わたしを抱きしめ、自分も泣いた。

 その後、奴は逮捕されて有罪が確定し、大学を追われたと聞く。


〈おわり〉


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[2020/06/09 22:00] | 「母を犯されて」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
牛方と嫁っこ
昔々ある所に、清六という牛方がおったそうな。
清六は正直者で気の優しい男じゃったが、頭が鈍く、見た目も不格好だったので、皆から馬鹿にされておった。

「あらいやだ、牛六さんが来たわよ」
「見ちゃ駄目よ、おみつちゃん、あばたがうつるわよ」
「牛のくそを食べて生きているそうよ」
「怖いわ。化け物じゃない」

女達は姦しく噂し合い、清六のことを避けて通った。

幼い頃から大人には可愛がられず、孫次郎のおっかあなぞは“うじ虫”呼ばわりで水をかけた。
それでも子 供同士はまだ遊んでいたが、少し大きゅうなるとのけ者にし始め、幼馴染のお絹は、味方の振りをして清六をだまし、落とし穴に連れて行ったりした。
大人になったらなったで、今度は目下の者が侮りだす。
花の名前を教えてやったお弓坊も、少し色気づき出すとたちまち近寄らなくなって、ほかの者と指差して“くさいくさい”と罵った。

じゃが清六は、どんな仕打ちを受けても腹を立てず、ただ穏やかに笑っておった。
「おらがうすのろじゃから、仕方がない」

そんな有り様だから、当然嫁の来手もなかった。

「おっかあ、今日も無事に務めが果たせただ」

清六は家の裏手へ回って、墓石に手を合わせる。
清六のおっかあは物心ついて間もなく死んだ。
おっとうは初めからいない。

清六はおっかあの墓に続いて、横に並ぶ漬物石大の墓にも手を合わせた。

「べこ、あの世でみんなと仲良くしとるか」

それは世話していた牛の墓じゃった。
同じような石が、ほかにも幾つか並んでおる。
みんな、清六の牛じゃ。
中でも去年亡くなったべこは清六と一緒に大きゅうなってきた牛で、一等思い入れが深かった。
おっかあが死んだ時よりもわんわん泣いた位じゃ。

「おらの子が、みんな元気でいてくれたらええんじゃがのう」

立ち上がって見上げると暮れかけた空に一番星が輝いておる。
その横をスーッと流れ星が落ちた。

さて、その夜のことじゃ。
囲炉裏の前で草の根の汁をすすっておると、トン、トン、トンと、表の戸を叩く音がする。

「誰じゃ」
「清六さ、開けて下さいまし」

女の声じゃ。
清六は訝しみながらも扉を開けてみた。
すると、そこには浅黒い肌をした若い女が立っておった。
背丈は五尺五寸程もあり、清六より高い。
おまけに、着物がはち切れそうな程に恰幅が良く、大柄な女に見えた。

「あんた、どちらさんじゃ」
「へえ、わしゃあお前さまの嫁になりに来た、お福いうもんじゃ」
「なに、嫁?」

清六は目を丸くしてのけ反った。
するとお福という女はその脇を抜けてずけずけと家の中に入ってしもうた。

「ふつつかもんでごぜえますが、よろしゅうたのんますだ」
「ま、待て待て待て」

早くも囲炉裏の前に座って風呂敷包みを解き始めた女を、清六は大慌てで止めた。

「どうしたんじゃ」
「ど、ど、どうしたもこうしたも、嫁をとるなんて話、おら聞いとらん」
「そりゃあ、そうじゃ。誰も言うとらん」

澄ました顔で言ってのけると、お福は風呂敷の中を見せ、

「ほれ、魚と酒じゃ。夫婦の祝いに宴じゃ宴じゃ」

と、まるで勝手知ったる我が家とばかりに、テキパキと夕飯の準備を始めた。

「ほれ、いつまでそんなとこ、突っ立っとる。お前さまもはようこっち来んさい」

まだ呆気にとられたままの清六じゃったが、仕方なしに座る。

「だ、だ、だいたいあんた、どっから来たんじゃ」
「星の子村じゃ」
「なんじゃ、ほしのこ村? 聞いたこともない……」
「高い所にあるでよ」
「高い所? 向こうの山ぐらいか」
「いんや、もっと、もっとじゃ。うんと高い所じゃ」

お福は手際よく魚をさばく。
草の汁の残りは別へ移して、鍋には水を張り、徳利をつけ、囲炉裏に掛けた。
清六はその背中へ、気になることを問い続ける。

「そいで、ど、どうして、おらの、よ、嫁っこになるんじゃ」
「お前さまがよ、牛っこを大事に大事にして、真面目に働いとるんを知っとるからじゃ」
「知っとる? どうして知っとる」
「見とったんじゃ全部。高い所におるからのう」
「はあ、そないに高いか。高かったら全部見えるんか」
「そうじゃそうじゃ。そんでうちの長老も、よかろうちゅうて、わしを嫁に出したんじゃ」

そうこうする内に魚をさばき終えたお福が座に戻ってきた。
改めて明るい所で見ると、お福はクリクリと黒目が大きゅうて、福々しい丸顔の、美人とはまた違うが、愛嬌のある可愛らしい顔をしておった。

「ほれ、酒が温もった」

清六は勧められるがままに、飲みなれない酒を飲み干す。

「おお、温い酒じゃ」
「初めて飲んだんけ?」

ポオッと頬を染めながら、お猪口を片手にお福が笑う。こうして、さしつさされつする内に夜は更けていった。

さて、次の日の朝。

「なんじゃ、いつの間にか眠っておったんか」

目を覚ました清六が、大あくびをして辺りを見渡すと、ガランとした家の中にお福の姿はなく、昨日使った皿も茶碗も綺麗に片付いておる。

「はて、それにしても昨日は変な夢を見たわい。まだ頭がぼんやりするのう」

するとその時、ガラリと戸が開いた。

「お前さん、起きたかえ」

見れば、まごうことなき夕べのお福じゃ。

「や、おめえはゆんべの。夢やなかったんか」
「何寝ぼけとる」

呆気にとられる清六じゃったが、お福は一向気にも留めん。

「まだオラんとこにおったんか」
「そらぁおるで。わしゃお前さまの嫁じゃからのう。そんなことより、ほれ、はよう顔洗ってきんさい」

こうして清六は、何が何やら分らぬままに、お福と暮らすことになったそうな。

お福は働き者じゃった。
炊事洗濯掃除はもちろん、牛方の仕事もテキパキとこなす。
体は清六よりも丈夫な程で、大きな牛を相手にしても一向引けを取らない。
清六はお福の働きぶりと、また牛をよく可愛がる風を見て、すぐに心を許すようになった。




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[2020/05/05 22:00] | 一話完結 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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