おことわり
R18
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妄想の座敷牢羞恥の風ましゅまろくらぶ



小説には、連続作品と一話完結作品があります。連続作品は、左「カテゴリ」の各作品名より一話から順番に読むことができます。また「目次」には、各作品の概要などをまとめた記事が集められています。

■連続作品
◆長編作品
「子宝混浴『湯けむ輪』~美肌効姦~」

◆中編作品
「大輪動会~友母姦戦記~」
「青き山、揺れる」 ▼「師匠のお筆」

◆オムニバス
「母を犯されて」

◆短編作品
「育てる夫」  ▼「最後の願い」  ▼「ママの枕」  ▼「ブラック&ワイフ」
「夏のおばさん」  ▼「二回り三回り年下男」  ▼「兄と妻」

■一話完結
「ふんどし締めて」
「旧居出し納め・新居出し初め」  ▼「牛方と嫁っこ」  ▼「ガンカケ」
「祭りの声にまぎれて」  ▼「シーコイコイコイ!」  ▼「サルオナ」  ▼「母の独白」
「童貞卒業式」 ▼「お昼寝おばさん」  ▼「上手くやりたい」 ▼「珍休さんと水あめ女」
「栗の花匂う人」「乳搾りの手コキ」 ▼「妻つき餅」 ▼「いたずらの入り口」
「学食のおばさん便器」 ▼「山姥今様」 ▼「おしっこ、ついてきて。」

作品一覧

大輪動会-プログラム#39-


「ンヴォオアー……ッ!」

有紀は呻く、口かせである球体の隙間からダラダラ、ダラダラと唾を垂らして。身をよじってみるが、思い通りに体を制御できない。今更ながらに、彼女は両手を拘束されていることを意識した。

 縄目が手首に食い込んで肌を赤く染める。突き出さざるをえない乳房が肩を揺する度にプルンプルンと弾み、その稜線へ落ちたよだれを、突端からツーッと滴らせた。それが何滴にも及び、足元の床を濡らす。フラフラと不安定な足は、そのぬめりを何度も踏みしめた。

 金光がこちらを見ている。己の妻が全裸で縛られ、衆人の好奇の目にさらされているのを見ている。マスクのおかげでこちらの表情までは悟られないが、黒目をギョロリと覗かせれば、確かに彼の姿を捉えられた。彼女の目はまるでいきり立った暴れ馬のように粗野な印象を鑑賞者に与えるものだった。

 そういった印象は、彼と初めて会った時、それは見合いの席だったが、むしろ有紀の方が感じたものだ。当時四十を超えたばかりだったはずの彼だが、酒太りの出っ腹、黒ずんだ顔色、脂ぎった頭髪のせいで、実年齢以上に老けて見えた。おまけに無遠慮に大声で話す。威圧感。

 結婚前はОL勤めをしていた有紀。勤め先である会社の部長は、その頃五十代だったが、ちょうどそれ位な貫禄はあった。ただその上司と異なったのは、金光の方が自信に満ち満ちていた点である。

 それが何に裏打ちされたものかは、程なくして分かった。ひとえに財産だ。権力者としてこの町を支配し、幼少期からわがまま放題に育ってきた。彼の言い分が通らなかったことはなく、有紀の身も何らの支障なく手に入れた。見合いとは形式上のこと、実際には“指名”だったのである。

「さあ、御開帳です」

がっしりと両脇から抑えつけられ、床に尻もちをつかされてМ字型に開脚させられる。傍目には抵抗らしい抵抗もせずに従ったかに見えた。それ程彼女の腕力が弱まり、彼我の差が圧倒的だったからである。

「ほお」

じっとりと粘っこい目線を局部へ注ぐ客の中に、もちろん金光もいた。こんな対面の仕方を、あの見合いの席で一体誰が想像しえただろうか。花嫁がいずれ舞台上で股間の割れ目を見せびらかすようになるなんて。もし知っていたら、婚約は取りやめになったろうか。

 グッ、グッと一層の力が込められ、両腿がほとんど百八十度に近く広げられていく。いまや縮れ毛の茂みはおろか、それに守られるべき秘所も白日の下にさらされていく。

「フゥー……フゴォー……!」

このまま出産でもしそうな程に鼻息を荒げ、必死に視線だけは逃す有紀。正体がバレるのも時間の問題だ、そう思った。

 しかし、予期に反し、夫から異議の申し立ては出ない。まるでオークションに出品された商品の品定めでもするかのように、ただじっくりと肉体を凝視するのみだ。

「(ああ、そういえば、そういう人だった)」

心の片隅で有紀は思い出していた。初対面の時からそうだったと。相手に与える自分の印象には頓着せず、ただ一方的に相手だけを批評するような態度。それは、ただ相手の外観を値踏みするものであり、ちょうど今みたようなことで、彼の目線は、例えば檻の外から動物を眺めるようなデリカシーの無さであり、第一印象で直ちに嫌悪感を抱いたものだ。

 後に分かったことであるが、金光は有紀にというよりも、その肉体に興味があったのである。その意味で、実は有紀が結婚相手でなくてもよかった。彼女が眼鏡に適う容姿をしていたからたまたま合格だったのだ。

 無論、金光の当主に相応しい、最低限度の氏素性は必要とされる。有紀は、その点問題なかった。彼女の実家、高輪家は、かつてこの町を含む周辺一帯に影響を及ぼす程の名家であった。しかし、時代の流れには逆らえず、また事業の失敗も重なって没落の一途をたどっていた。そこへ救いの手を差し伸べたのが金光家で、その対価として彼女はいわば買われたのである。

 一方で、金光家は歴史が浅い。金光の初代、すなわち現当主の祖父は元々この国の生まれではなく、それが戦後のどさくさに紛れて居座り、ならず者を集めては徒党を組んで、闇市、賭博、違法薬物の売買などの裏稼業で荒稼ぎして闇のシンジケートを形成、いつの間にか地域で隠然たる勢力を築くに至った。その後は帰化し、一子は政界に進出。さらにその子が当代、すなわち三代目というわけである。要するに成り上がりだ。

 だからこそ地場の旧家と結びつきを強めて、という見立てが成り立たないではないが、潤沢に資金があり、地位も固めた今となってはその必要性は低い。よって、有紀を選んだのは、若さと美貌、なかんずくその豊満な乳房という、純粋に金光の趣味によるものである。

「おや、なんだい、もうビショビショじゃないか」

客席から目ざとい指摘が飛ぶ。開かれた股間はパックリと殻を開いた浜焼きのハマグリの如くにみずみずしかった。塩気と汁気をふんだんに湛え、ふっくらと盛り上がった身もジューシーで。そこへ舞台照明がテラテラと反射するものだから、なおさら湿り気が目立つ。湯気すら上がっていそうだ。

「おやおや、ほんとですねえ。マゾッ気があり過ぎて、感じちゃったのかな?」

司会者は一旦そう受けたが、男優の指によって貝の身の中まで押し広げられれば、さすがに不自然な程の汁が溢れ出たので誤魔化し切れず、

「いやあ、実はですね、ヒカルちゃん、今日も朝からお店に出ておりまして、つい先程までもサービスをしておりましたので――」

と、とうとう言い訳に出た。

 それを聞いた金光は皮肉ったらしく笑う。

「ガハハ、とんだ人妻だな、朝から風俗とは。旦那は何やってる」

 取り巻きの舛添と猪瀬も、“ほんとだ”と、手を打って同調した。

 事情を知っている者らは、別の意味でほくそ笑む。舞台上では高橋が、

「(旦那はオメーだよ、バーカ)」

と、勝ち誇って唇を歪めた。そうして、彼の妻の恥部を、その緩んだ恥肉のひだをさらに拡張するが如く引っ張って、グチョグチョと派手な音を鳴らして聞かせた。ほんの十分も経たぬ前に中出しされた精液が、その音の主たる成分なのは言うまでもない。

 ライトに照らされて、内部まであからさまにさらされた恥穴は、ジリジリと焼けるような熱を持つ。縮れ毛も焦げるかという程に。それは舞台照明のせいばかりではない。産婦人科でもあるまいに、ここまでまじまじと性器が他人に見つめられることはないわけだ。本来なら夫や恋人しか知らない部分なのである。

 ちなみに、金光はクンニリングスをしたことがないし、出産にも立ち会っていないから、妻のそこをここまで確認したのは初めてであった。

「当店きっての大人気嬢ヒカルちゃん。今夜はお客様達だけに特別サービスで急遽駆け付けたのでございます」

開き直った司会者が、逆に恩着せがましくアピールしだす。かかる“大人気”の実態は、真相を知らぬ者には到底想像し得ない内容だ。

 すると、その一端を垣間見せるが如く、高橋はさらに有紀をそっくり返した。股を開いたままで後ろへ倒れる姿勢となり、陰唇の下、すなわち尻の方まで見えるようになる。

「んん?」

客らはすぐにその部分の異変に気付いた。暗に想定していた形と違っていたからである、肛門が。それもそのはず、そこはもはや排泄口ではなく、精液の注入口に変貌しているのだ。かれこれ十本以上もの太い肉棒を突っ込まれれば、もう元の形には戻らない。

「フホオォ……」

尻性器の人妻は、観念してため息をついた。のけ反ったことで視線が天井を向く。顔を客席へ向けないだけ、心理的に楽だった。だが、その安堵を見透かしたように、高橋の手が後ろから頭を持ち上げる。結局、尻穴を見せながら顔も見せないといけなくなった。“これがわたしの犯され肛門です”とばかりに。

「なんとなんと、どスケベな奥様はお尻の方もイケる口でございまして――」

鎌先の解説を聞いて、驚きとも呆れともつかぬ感嘆の声が巻き起こる。

 そんな中、高橋が己の下着をずらしにかかった。たちまち隆々とした勃起が露わになる。彼には羞恥も遠慮もない。覆面の下でニヤニヤと笑っている。

 客からすれば男のヌードなどに興味はないが、この場合特別な展開があろうことは明らかなだけに、皆固唾を飲んで見守っていた。一瞬はシンと静まり返った程だ。

 覆面男高橋は女の背後からその両腿に手をかけて抱え上げた。ちょうど、いきり立った男根が彼女の股間下に位置する高さまで。後は彼の先端がどちらの穴に収まるか、それだけが問題だった。


〈つづく〉




〈現在の位置関係〉
▼大広間
有紀、金光、花村、猪瀬、舛添、村本、藪塚、前原、鎌先、高橋、慶介
▼舞台袖
島田、浩樹
▼控室
竜二、鈴木、小林
▼廊下
佳彦、比嘉、服部、祥吾、雅也、矢板、羽根沢、森岳、沼尻、浪岡、松倉、七里川、袋田
▼帰宅
俊之、克弘、恵太、優斗、豊、聡、翼、清美、瑞穂


〈輪姦記録〉
挿入男根:30本
射精回数:89発
(膣53・口16・尻12・乳5・顔1・髪1・外1)


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[2018/06/15 22:00] | 「大輪動会」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
大輪動会-プログラム#38-


 この企画は高橋と鎌先が立ち上げたものである。金光への憤懣いまだやるかたなき高橋は、なんとかしてこの憎き仇にもう一泡吹かせようと企んでいた。夫と同じ館内にて妻を寝取る、それだけでは飽き足らなかったのである。そこでまず考え付いたのが、金光のごく近くまで、例えば部屋の扉の前まで行って妻を犯すというものだった。

 この考えを聞いて、

「それだったら、こういうのはどうです?」

と更なる提案をしたのが鎌先である。彼が以前にローションを取り出したポシェットには、そのほかの遊び道具乃至は仕事道具が入っていたが、その中から、今度はレスラー向けのマスクを取り出したのだ。

 また、彼はオレンジ色のロープも取り出した。それが今、舞台上の女の腕を後ろ手に縛っているものである。

「おいおい、そんなことをして……」

トントン拍子に計画が進んでいくことに焦る島田。普通自分の妻が目の前に出てきて気づかないなんてことがあるだろうか、と。

「いやあ、意外と分からないもんですよ」

とは鎌先。酔っていればなおさらのこと、顔が見えないだけで同定出来ないものだと、何やら経験則から導き出した答えらしく言い切った。確かに、妻がそんなことになっているなんて、社会通念上予見し得る可能性はなさそうだが。

 他方、露見しても構わないじゃないか、というのが高橋の意見で、彼としては、その場合に金光がどう出るか見ものだという。むしろ、事実を知らしめてこそ復讐の完了だとの見解だ。

「そんな無茶苦茶な……」

島田はなおも戸惑ったが、彼に同調する者は生憎いなかった。腹心と思われた鈴木ですら高橋の意見に傾いている様子だ。長丁場に及び、さらには有紀に対する感情も変化していく中で、皆の思考が飽和状態になっていた為もあったろう。島田自体、何に拘って悩んでいるのか、段々分からなくなってきた。

「ヤベえ、それスゲーじゃん」

楽観論者の不良少年らには元より否やはない。計画が固まっていくに従って、どんどんと興奮の度を増していった。

 結局、松倉、七里川、浪岡がそれぞれの番を終えた段階で輪姦は一時休止となり、慰み女は件の覆面をかぶせられ、ボール状の口枷をはめられることとなった。口枷は万が一彼女が余計なことを口走った場合の保険であり、且つ鎌先のSM嗜好を満たす装置である。

 有紀はそのまま囚人よろしく護送されていく。この間、彼女の意見が聴取された機会は一度もない。今まで通り当然に、可否の権限はなかった。人格を顧みられないというその意味で、囚人というよりはむしろ家畜といった方が適切かもしれない。縄で引っ張られ、歩かされる様子は、実際競りに引き出される雌牛のようだった。その豊満な乳が余計にその見立てを助長する。

 一行は、先行した鎌先、それに呼び出された袋田の手引きで、ゾロゾロと揃って宴会場の外まで移動した。大広間はせいぜい五十名程が入れる規模のものだが、一丁前に舞台を備えており、下手のみとはいえ袖もある。さらには、その袖の奥に控室を想定した小部屋も付属していた。まずはそこへ入る。

「狭いなあ」

思わず高橋がそう呟いた程、小部屋は狭かった。本来の部屋の規模もさることながら、段ボール箱やら何やらが積み上げられている為、余計である。折角壁面に取り付けてある鏡も、その荷物の影となって覗き見ることが出来ない。

「全然使わないんでねえ」

袋田が小声で言い訳した。元々は先代オーナーの趣味でしつらえられた舞台だが、その存命中こそ素人芝居やカラオケ大会に利用されたものの、いつしか利用者もなくなり、控室に至っては今やすっかり物置と化していた。

 ここまで付いてきた者達も、到底全員入れないので、主役の有紀、司会進行の鎌先、そして高橋だけが入った。それでもギュウギュウ詰めである。他の者らは手持無沙汰に廊下に屯する。

 と、そこを割って、矢板が入って行った。入れ替わる形で高橋が押し出される。矢板はどこからか持ってきた濡れタオルで有紀の体を拭いていった。一応客前に出るのだから、と気を回したものだ。もっとも、あくまで簡略にであり、使い込まれた排泄穴なぞは奥まで綺麗に出来なかった。だから、直前に注がれた七里川や松倉の吐き散らかしは股間の奥に満たしたままで出演しなければならなかった。

 間もなくして、鎌先の呼び込みに続き、有紀は千鳥足で舞台へ上がった。ただ連れられるがまま、訳も分からずである。実のところ、舞台の上に乗せられてもまだ何が起こっているのか理解出来ないでいた。

「――さあ、まずは身体測定と参りましょう」

鎌先の進行に応じ、渡されたメジャーを高橋が助手らしく有紀の体にあてがっていく。

「ええ……バストが……101センチ!」

“おお~!”と感嘆とも呆れともとれるどよめきが客席で起こる。続けざまに、“ウエスト57センチ”“ヒップ99センチ”と発表されたが、やはり最初の反応が一番大きかった。

「AV女優かよ」

花村が例えると、周囲から笑いが漏れた。先程鎌先はグラビアアイドルを引き合いに出したが、裸で人前に立つ様を表現するには、花村の方がより現実に即していた。

 鎌先はアンダーバストも計測。その値は66センチであった為、形式的計算で“Kカップ”であると発表した。その時は再び客席がどよめいた。

「“K”っていうとなんだい、そんなサイズがあるのかい」

と猪瀬が口走れば、

「いやあ、でも実際あの大きさはただ事じゃありませんよ」

と舛添が応じる。二人に共通しているのは、その鼻の下がすっかり伸びている点だった。

「ほんとにAVみたいな体型ですよ、ねえ?」

手を打って、花村が金光に笑いかける。

「ああ」

金光はそれへ曖昧に応じながら、隣で藪塚が、“A、B、C……”と歌いながら指を折って数えているのを苦笑しながら見ていた。金光がさほど驚嘆しないのは、いつも身近に見ているものがあるからだった……

「なんとご立派なボディをお持ちの奥様でしょうか」

鎌先がそう語る中、高橋は“奥様”の背後に回って、その出っ張った塊をむんずと鷲掴んで持ち上げる。

「ああ、しかもなんということでしょう。Kカップの先から白いお汁が漏れております!」

「んん~?」

実況の声を聞き、金光が眉間に皺寄せて首を前に出す。

母乳です! ミルクです! これは驚きました。ミルクの出そうなお乳と言おうとしていたら、本当に出てしまいました」

確かに乳首からは母乳が出ていた。ただ、勢いよく前に飛んだというよりは、乳房の輪郭に沿って真下へ滴り落ちたと言った方が良く、その線もか細かったので客席からは見えづらかった。

 それを鋭敏に察知した司会者が、客へ呼びかける。

「さあさあ、どうぞ、皆様もっと前へいらして下さい。どうぞ、もっと近くで見て頂いて構いませんよ」

 誘いを受けて、皆膳を離れて舞台に近づく。中でも村本がいち早く動いた。彼はこのショーが始まってからというもの、それ以前とは一転して口数が少なくなっている。いつもなら、権力者を最優先で盛り立てる彼なのに。

 客が近づいてきたので、見えてはまずいと焦った島田が袖から控室まで下がった。それが急だったので、後ろにいた連中がもう少しで声を上げそうになる。出演者が舞台に出た後、後続の者らが順次控室から舞台袖へと進んでいたのである。

 高橋はそれに気づかず、マスクの中では別の意味でニヤニヤ笑いながら、夫へ妻の乳搾りを見せつけた。かなり力を込めて揉んだので、呆けた女も痛がる程だった。

「ウッ、ウウッ……」

辛そうにする覆面女。だがその声は空間に広がらず、ボールギャグの隙間からよだれを垂らすだけだった。

「おおっと、奥さん見られて興奮しているんでしょうか。乳首がビンビンに起っております」

鎌先は当人の本心を知ってか知らずか、勝手な実況を続ける。それは高橋が金光を横目で見ながら、乳頭を口いっぱい吸い込んだ際にも同様だった。

「“ボインは赤ちゃんの為にある”と先人は申しました。それがどうでしょう。今や、赤ちゃんの為のミルクが、よその男に吸われております。なんと破廉恥なママさんでしょうか」

客達はくさいセリフに苦笑いしながらも、男に乳房をなぶられる覆面母を身を乗り出して凝視した。

 と、ここで下手からもう一人の覆面男が登場した。覆面は三枚セットで用意されていたのである。今度の男も、やはりパンツ一丁。その正体は慶介だった。

「さあ、ここでタッグマッチです。いや競争でしょうか。Kカップの爆乳大玉転がしです」

今日の運動会が頭に残っていたのであろう、鎌先の口からとっさにそんな例えが出た。これは他の者にもイメージしやすいものだった。

「上手い事言うねえ」

「こんな大玉転がしだったらやりたいねえ」

と、概ね好評である。

 二人の頭を胸にぶら下げる有紀。まさに自分が“金光有紀”であるという自覚を取り戻したのはその時だった。彼女は心まで覆面をかぶったが如く、正体不明の境地だったのである。

「(これは……何?)」

ゆっくりと意識が頭をもたげてくる。ちょうど昂りの波が下降していくのと反比例していた。

「(何を……?)」

両の瞳が見知った顔を捉えて離さない。さっきから視界に収めてはいたし、それが誰かも認識はしていた。

「(これは……おかしい……)」

彼女はようやっと現実の異常さに気が付いた。さながらメモリを使い過ぎたコンピュータの如く、計算処理が遅くなっているのが今の彼女なのだ。

「(これは、おかしい!)」

遂に処理が追いついた。彼女は確信した。


〈つづく〉




〈現在の位置関係〉
▼大広間
有紀、金光、花村、猪瀬、舛添、村本、藪塚、前原、鎌先、高橋、慶介
▼舞台袖
島田、浩樹
▼控室
竜二、鈴木、小林
▼廊下
佳彦、比嘉、服部、祥吾、雅也、矢板、羽根沢、森岳、沼尻、浪岡、松倉、七里川、袋田
▼帰宅
俊之、克弘、恵太、優斗、豊、聡、翼、清美、瑞穂


〈輪姦記録〉
挿入男根:30本
射精回数:89発
(膣53・口16・尻12・乳5・顔1・髪1・外1)


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[2018/06/06 22:00] | 「大輪動会」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
大輪動会-プログラム#37-


 *

「おう、前原君も、もっとやりたまえ、やりたまえ」

と、金光にビールを注がれ、前原は無言でグラスをあおった。

 大浴場から出た所でバッタリと依頼主に再会し、そのまま宴会に参加させられている。断る選択肢はなかった。予想だにしない展開に接し続け、彼はもう疲れ過ぎていた。

「(まあ、この人と一緒の方が、まだマシか)」

僅かでも前向きな観測を導き、力なく口を歪める。作り笑いも楽ではない。

 本当なら、あのまま荷物を取りに行って逃走するつもりだった。たとえ電車が動いていなくとも、這ってでもこの町から出ようと決意したばかりだったのに。しかし、またこんなことになる。前原は己の運の悪さを呪った。

「温泉、良かったですか」

「貸し切りだったでしょう」

猪瀬や舛添といった取り巻きが口々に聞いてくる。前原は辛うじて愛想笑いを返しながら、適当に相槌を打った。この中にも例の一味が混じっているかもしれない、そう思うと戦々恐々となる。大体金光がここにいること自体が不可解なのだ。

 話題はしばし温泉のことに及んだ。そもそも“温泉に浸かりましょうか”という花村の誘い文句がここへ来る決定打になったのだが、主目的を後回しにして宴を続けている一同だ。

「しかし、なんだね――」

新加入者を巡る盛り上がりも一通り落ち着いた頃、焼酎の水割りグラスを傾けながら、ふいに金光が言い出した。

「こんなだだっ広いとこで車座になるなんざ、貧乏学生みたいだなあ」

そんな経験は実際無い癖に、思いつきを口に出す。嫌味を言わないと気が済まない性質である。

 もっとも、確かに六人で使用するには寒々しかった。世話係の袋田と藪塚を入れても八人ぽっちだ。

「女も居ないんじゃあなあ」

とうとう退屈そうにし始める。袋田はカラオケを勧めてみたが、金光は興味を示さなかった。代わりに、

「近くにスナックみたいのあっただろ。あそこ空いてないの? あれぐらいのとこでいいんだよ」

と、矢板が営んでいる店の名を出すが、当然それは否定される。すると今度は、“さっき居た店のままでも良かった”などと本末転倒なことを言いだした。

 気を回して、村本が話題を変える。

「そう言えば、この部屋のほかにも誰か居るんですか? さっきトイレに行った時、なんか声がしたような気がするんですけど」

「おいおい、変なこと言うなよ」

舛添が横で怖がって見せる。

 と、ちょうどそのタイミングで、入り口から袋田を呼ぶ声が聞こえた。一同、一斉に振り返る。そこに居たのは鎌先だった。

 袋田が手招きに応じて中座する。呼ばれていないのに、藪塚も後から付いてきた。三人は廊下に出てコソコソと何か打ち合わせていたが、間もなくして袋田と藪塚は席に戻ってきた。

“誰だ”“どうした”と問われる機先を制して、袋田が辞を低うして切り出す。

「実はですね――」

すると、それへ食い気味に藪塚が言い出した。

「コンパニオンをご用意してあるんですよ」

先走られて気を悪くした袋田、やんわりと言い直す。

「いや、コンパニオンと言いますかですね、ちょっと面白い趣向の――」

「ショーですよ、ショー! まな板ショーみたいな」

また藪塚がお株を奪う。この企画に大いに乗り気なのが見て取れる。

 すると、その前のめりさが功を奏したのか、金光が乗って来た。

「ストリップの?」

「そうそう」

満面の笑みでブンブン頷く藪塚。

 袋田は仕方なしに補足説明に回った。すなわち、町にある風俗店の選りすぐりの女をスタンバイさせており、許可が下り次第すぐにここへ呼ぶことが出来ること、さっきの男はその店の店長であること。

「そんな店あったか?」

金光が振り返って仲間に問う。

「ありますよ、一軒だけ。リングっていう名前だったかな」

村本が答えると、“そうです、そうです”と藪塚が応じた。猪瀬と舛添は澄ましていたが、実は行ったことがある。この場で知らないのは金光だけだった。

「やっていけるのかね、こんな町で」

彼は別な方向に興味を向けた。

 確かにこのさびれた町に性的サービスの需要がそれ程あるとは思われなかった。かつて温泉街を成していた当時は色町も多少はあったらしいが、現状で温泉客を当て込むにはリスクが大き過ぎる。鎌先の店の存在は町の七不思議の一つであった。

「いやあ、意外と流行ってるんですよ。まあ、お嬢は大体おばちゃんばっかですけど」

藪塚がそうフォローすると、それを知っている者らは同意して笑った。実際、金光以外の面々が通っている位だから、なんとか経営は成り立っているのであろう。あるいは、この町には好色者が多いのかもしれない。

「それで……、どうされますか?」

逸れてしまった話を、袋田が元へ戻す。

「おっ、そうだな。じゃあ、お願いしようか」

金光はそう言って、仲間を見渡す。誰にも異存はなく、頷き返している。

「承知しました」

袋田は言って、立ち上がった。藪塚がまた付いてこようとしたが、今度は居残るように命じた。

 彼が出て行って間もなく、宴会場の舞台に鎌先が登場した。白のカッターシャツに黒の蝶ネクタイを締め、黒のスラックスを履いている。実は自前ではなく、矢板の店から持ってきてもらったものだ。こういう演出に手間を惜しまない男である。

「レディース・エーン・ジェントルメン! お待たせ致しました。これより、本日のメイン・イベント、スペシャル・マッチを開始致します」

マイク片手に高らかと宣言する。

「本日の挑戦者は、なんと正真正銘の素人奥様! 夫の粗チンでは満足出来ず、夜の街に飛び出した不良ママさんは、それもそのはずグラドル顔負けのどスケベボディの持ち主。男を狂わす罪な体は、もはや歩く猥 褻物そのものと言っていいでしょう。その淫乱ミルクタンクに是非ともご注目下さい。それではご紹介致しましょう。皆様拍手でお迎え下さい。町のオナペットママドル、爆乳モンスターペアレンツ、当店が自信を持ってお送りする超大型新人、ヒカルさん!」

 仰々しい煽り文句に応えて、素直に拍手をする客達。その中から一様に、“おお~!”とどよめきが起こった。舞台上に肌も露わな婦人が一人、その実り過ぎた膨らみを揺らして引っ張り出されたからだ。

 しかし、次の瞬間、金光が素朴に疑問を述べた。

「なんだありゃ、マスクかぶっとるじゃないか」

 彼の指摘通り、女性は服を一切まとっていない代わりに、頭からプロレスラーのような覆面をすっぽりとかぶっていた。目と鼻の孔の所、それと口はあいているが、その口には丸い球体がくわえさせられている。その球の両端にはバンドが付いていて、それが頭の後ろに巻かれているらしい。

「あの店の企画じゃないですか。ああいう覆面レスラーみたいな格好させて、正体隠すっていう」

村本が早口に説明する。

「そうなのか」

金光がまだ納得しきれないでいると、藪塚も口を挟んだ。

「時々あるんですよ、イベントが」

「まあ、素人っていう設定ですから、バレちゃいけないっていう演出じゃないですか」

村本はさらに見解を足して、それで話を打ち切った。彼の興味は本格的に舞台上へ移りつつあったのだ。

 金光は“乳まで見せとるのに顔を隠すのはよう分からん”とか“もうストリップは終わっとるじゃないか”などとブツブツ言って周囲に面倒な相槌を強要していたが、クレームを入れるという程のことではないので、とりあえずは続きを楽しむことにした。

 舞台には、女を引っ張ってきた男も立っている。彼はボクサーパンツ一丁で、やはり覆面をかぶっていた。

 花村は身を乗り出して見入っている。そうして藪塚に目線を送り、さらにはパンツ一丁男にも曰くありげに笑いかけた。相手もその意図を承知していて、ニヤリと笑い返してくる。この趣向の開催を花村は聞かされていなかったが、覆面男の正体はすぐに分かった。高橋だと。女の方は言うまでもない。

「(ああ、ほんとにやりやがった)」

舞台袖では、島田が頭を抱えていた。


〈つづく〉




〈現在の位置関係〉
▼大広間
有紀、金光、花村、猪瀬、舛添、村本、藪塚、前原、鎌先、高橋
▼???
佳彦、慶介、浩樹、竜二、小林、比嘉、祥吾、雅也、服部、矢板、羽根沢、森岳、沼尻、島田、鈴木、浪岡、松倉、七里川、袋田
▼帰宅
俊之、克弘、恵太、優斗、豊、聡、翼、清美、瑞穂


〈輪姦記録〉
挿入男根:30本
射精回数:86発
(膣52・口15・尻11・乳5・顔1・髪1・外1)


ひとみの内緒話




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