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妄想の座敷牢羞恥の風ましゅまろくらぶ



小説には、連続作品と一話完結作品があります。連続作品は、左「カテゴリ」の各作品名より一話から順番に読むことができます。また「目次」には、各作品の概要などをまとめた記事が集められています。

■連続作品
◆長編作品
「子宝混浴『湯けむ輪』~美肌効姦~」

◆中編作品
「大輪動会~友母姦戦記~」
「青き山、揺れる」 ▼「師匠のお筆」

◆オムニバス
「母を犯されて」

◆短編作品
「育てる夫」  ▼「最後の願い」  ▼「ママの枕」  ▼「ブラック&ワイフ」
「夏のおばさん」  ▼「二回り三回り年下男」  ▼「兄と妻」

■一話完結
「ふんどし締めて」
「旧居出し納め・新居出し初め」  ▼「牛方と嫁っこ」  ▼「ガンカケ」
「祭りの声にまぎれて」  ▼「シーコイコイコイ!」  ▼「サルオナ」  ▼「母の独白」
「童貞卒業式」 ▼「お昼寝おばさん」  ▼「上手くやりたい」 ▼「珍休さんと水あめ女」
「栗の花匂う人」「乳搾りの手コキ」 ▼「妻つき餅」 ▼「いたずらの入り口」
「学食のおばさん便器」 ▼「山姥今様」 ▼「おしっこ、ついてきて。」

作品一覧

「兄と妻」(序)

『兄と妻』



   序



底抜けに晴れ渡った空に入道雲が湧いている。それに絡まんとでもするように、朝顔の蔓が懸命に伸びる。対して、庭の砂地はカラカラで死んだようだ。岩も地面も黄色くなって、疲労感を隠そうともしない。

塀の外では、近所のおばさんが打ち水をして、それらを癒しているのだろう。通りすがりの挨拶から発展した井戸端会議が、彼女の活躍を賑々しく伝えている。蝉よりもやかましいその声は、テレビの音すらかき消しそうだ。

「夏だなあ」

ふと外の方へと目を移して、賢次は言った。休日のこととて彼は着の身着のままにごろりと横になりテレビを見ていた。その足元には扇風機が首を振っている。いずれも最新式で、近来普及目覚ましい電化製品である。

「夕立でも来ればいいのにねえ」

そう言いながら近づいてきたのは彼の妻である。見れば、手に盆を捧げ持っている。

「おっ! 西瓜か!」

賢次は歓声を上げた。西瓜は彼の好物である。これを食べたいがために子供の頃は夏が待ち切れなかったものだ。西瓜を見るといつも彼は田舎の夏を思い出す。

そういえば、もうすぐ盆休みで帰省するから、いずれたらふく食べられるだろう、と彼は話した。

それを聞き、妻は複雑な顔をする。今の西瓜を前にして、田舎のそれを懐かしむことばかりが不快なのではない。帰省後に避けては通れないある事情が頭に浮かんだためである。

それは、夫の親類と顔を合わせること、とりわけ、彼の兄と会うことだった。元来人見知りな彼女は親戚筋との付き合いを苦手としていたが、義兄に至ってはそれ以上に彼の人となりが嫌いなのだった。

義兄は夫とは正反対の人物である。夫が真面目に会社勤めをし、結婚もし、家も持ち、着実に人生を築き上げていく一方、義兄はいまだ定職にも就かず、やれ文学だ、やれ活動だのと騒ぐばかりで、夢を追っていると言えば聞こえは良いが、要するにその日暮らしの風来坊みたいなものなのである。

彼女は彼のこういういい加減な所を常から軽蔑していたのだ。

賢次はそれを知ってはいる。世間一般の見方もそれとほとんど同調していることまで分かっている。しかし、いかに愛妻家を自認する彼とて、こと兄のこととなると譲るわけにはいかなかった。

彼は今幸せであるが、それは兄のおかげによるものと信じて疑わないのである。こういう話をすると、妻は決まって否定的に言う。兄よりも賢次の方が何倍も優れた人物なのにと。

しかし、それは違うと彼は思う。彼は妻の言葉を聞いて別に怒ったりはしないが、兄の名誉を守るため、やんわりと諭すように語るのだった。

自分が今の生活を送れるのも、東京で就職したいという希望に兄がいち早く賛成してくれたからだし、そのおかげでお前とも出会えた、それに、幼少の頃より兄は何くれとなく自分をかばってくれたし、悪ガキにいじめられればすぐさま駆けつけて助けてくれた、などなど。

彼はさらに、兄の性格上の美徳を数え上げ、現在の自分があるのは全て兄のおかげだとまで言い切った。

そうまで言われてしまうと、妻としても黙るほかない。彼女は夫の兄思いの揺るぎなさに、軽い嫉妬すら感じるのだった。実際、この話をする時、賢次はこの世で自分だけが兄の価値を認めていることに、一種の優越感すら覚えていた。

夫婦は、今はこの点について立ち入らず、ブラウン管に映る白黒の画面を見やりながら、黙々と西瓜をかじっていた。気だるくも平和な夏の日の午後だった。

だが、今日の平穏な時間は、もうそれ以上長く続かなかった。


<つづく>[全三回]




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[2010/09/12 22:00] | 「兄と妻」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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