おことわり
このブログには、エッチなことがたくさん書いてあります。まだ18歳になっていない人が見ていい所ではありません。今からこんな所を見ていると、将来ダメ人間になってしまいます。早くほかのページへ移動してください。 >googleでほかのページを検索する< なお、掲載している小説はすべて虚構であり、実在の人物・団体等とは一切の関係がございません。 |
お知らせ
「オナこもりの小説」は、エロ小説を気ままにアップしていくブログです。たまに、AV女優や、TVで見た巨乳のことなども書いています。左サイドにある「カテゴリ」から、それっぽい項目を選んでご覧ください。
小説には、連続作品と一話完結作品があります。連続作品は、左「カテゴリ」の各作品名より一話から順番に読むことができます。また「目次」には、各作品の概要などをまとめた記事が集められています。 ■連続作品 ◆長編作品 ▼「子宝混浴『湯けむ輪』~美肌効姦~」 ◆中編作品 ▼「大輪動会~友母姦戦記~」 ▼「青き山、揺れる」 ▼「師匠のお筆」 ◆オムニバス ▼「母を犯されて」 ◆短編作品 ▼「育てる夫」 ▼「最後の願い」 ▼「ママの枕」 ▼「ブラック&ワイフ」 ▼「夏のおばさん」 ▼「二回り三回り年下男」 ▼「兄と妻」 ■一話完結 ▼「ふんどし締めて」 ▼「旧居出し納め・新居出し初め」 ▼「牛方と嫁っこ」 ▼「ガンカケ」 ▼「祭りの声にまぎれて」 ▼「シーコイコイコイ!」 ▼「サルオナ」 ▼「母の独白」 ▼「童貞卒業式」 ▼「お昼寝おばさん」 ▼「上手くやりたい」 ▼「珍休さんと水あめ女」 ▼「栗の花匂う人」 ▼「乳搾りの手コキ」 ▼「妻つき餅」 ▼「いたずらの入り口」 ▼「学食のおばさん便器」 ▼「山姥今様」 ▼「おしっこ、ついてきて。」 ★作品一覧 |
〈登場人物〉
コウ /ミナミの一人息子。子役タレント。 ミナミ /コウの母。35歳。 [コウの所属事務所] ワダ /コウの所属芸能事務所社長。 ヒサキ /コウほか子役タレントの女マネージャー。 トモ /シズカの息子。コウと同い年。 シズカ /トモの母。31歳。 エリカ /カズエの娘。子役タレント。 カズエ /エリカの母。30歳。 ユイ /ギャルママ。21歳。 [他事務所] タイガ /売れっ子の子役タレント。 サオリ /タイガの母。大手企業の創業一族令嬢。 ジン /元子役のイケメン俳優。26歳。 レイコ /大物女優。48歳。 [TV関係者] キジマ /プロデューサー。38歳。 ヌマタ /AD。29歳。 [スポンサー] カトウ /コウが出演したCM会社の社長。42歳。 ニシナ /健康食品会社二代目若社長。 イツキ /介護用品会社経営。ニシナの友人。 エノモト /ニシナの部下。 「ママの枕」を読む |
* 母親が人前で失禁していた時、長女清美・次女瑞穂は我が事に没頭して、もはや運動会など一顧だにしていなかったから幸いであった。今までと何ら変わらぬ日常を過ごしていられた。 災難は、長男佳彦である。彼は、まんじりともせずに見てしまっていた。我が母がグラウンドのど真ん中、高校生らの肩の上で小便を漏らしている場面を。 咄嗟に父を見る。しかし、父はいまだ酩酊の中、またしてもうつらうつらと船を漕いでいた。ほんの少しほっとし、改めて前を見る。観衆が騒ぐ通り、もはや見紛うはずもない。母は漏らしたのだ。 「(……そんなことって)」 信じられなかった。あの格好つけの、少なくとも息子の目にはいつも隙の無かった母が、こんな大それた粗相をするなんて。 佳彦は、素早く周囲に気配を走らせた。幸い、自分を見て噂している者はいないらしい。彼がまず気にしたのは、なんと言っても己への中傷である。今や小便を漏らした母の子になってしまったのだから。 思えば、母は今日一日様子がおかしくはあった。開会当初こそいつも通りだったものの、その後程なくして姿を消すし、そうかと思えばやたらと競技に出るし、果ては、あのムカデ競争で…… 「(……お母さん?)」 ついぞ考えたことのなかった程、彼は今母親を意識していた。これまで思慕の情さえなかったのに、突如として違和感を感じ出したのだ。この感情は一体なんなのか。その答えを探し、彼は朱に染まった頬を俯かせながら、微熱を帯びていた。 そんな時だった。有無を言わせぬ鉄槌が、彼の脳天に振り下ろされたのは。 “ゴクリ”と生唾を飲み込む。迷いに沈んでいた彼の心が、ある方向へ傾き転がり出した。 * その馬は、怒涛の如く突っ込んできた。狙うは敵軍の将、有紀その人。ほかの敵には目もくれず、号砲一下突撃を決め込んできたものだ。 「落ちるなよお」 馬の“ハナ”、土産物屋の店主こと羽根沢が馬上に声を掛ける。彼と組む左後ろには喫茶店の森岳、右後ろには駅員の沼尻、三人は同級生の飲み仲間である。 「大丈夫っす。手はず通り頼んます」 騎手の藪塚は言った。馬達より年下だが、ある種の絆を有する彼らは親しい同志であった。 “手はず”とは、競技の直前にした打ち合わせに基づくもの。事前に、藪塚の勤め先、温泉宿泊施設の上司・袋田から指示を受けてのことである。馬達より筋骨逞しい彼が、あえて羽根沢と位置を交代したのもその為であった。 「上手くやれよ」 「思いっきりやってやろうぜ」 森岳・沼尻も口々に励ます。果たして、この四人のやる気が何に向けられたものか、やはり勝敗以外のものなのである。 ドドドッと突っ込む。人馬一体の体当たりだ。ちょうど失禁騒ぎのあった直後である。彼らは騒ぎを見ていなかった。ただただ自分達の目標一筋である。その勢いに、審判員の女性もひるんで後ずさる。 「ワアッ!」 ぶつかられ、バランスを崩して竜二が叫ぶ。それ以上に悲鳴を上げたのは有紀だ。彼女は馬上ながらうずくまるようにして身を守った。思いがけぬ速攻に防戦一方である。 藪塚はそれへ容赦なく攻撃を仕掛けた。本来、相手の帽子を取るか落馬させてしまえば勝ちであるが、彼はそれ以上のことを望んだ。すなわち、有紀の帽子のみならず、体操服にまで手を掛けたのだ。 「それそれ!」 「脱がせ脱がせ!」 羽根沢らが下から囃し立てる。すると、勘の冴えた慶介がすぐに企みに気付いた。慶介らとて否やはない戯れだ。要は、公衆の面前で白昼堂々有紀を裸にしてやろうというのだ。 「やれやれ!」 彼は隣の相棒にも語らって、積極的に協力を始めた。脱がしやすいように有紀の腿を固定し、さらに彼女の体を藪塚とは逆の方向へ引っ張ってみたりもした。 しかし、元々サイズの小さい体操服を着ていたもの、ただでさえ密着度の高いシャツは脱ぎにくいところ、着衣が脇から上へ容易に上がらない。もちろん、脇を閉めて固まる有紀もいる。 「ちょっ、おい、ヤバいって!」 竜二が緊急事態を訴える。四方八方から伸びた手ともがき回る騎手の所為で、自身に掛かる体重があまりにも負担となった為だ。結果、彼の膝が崩れるのは時間の問題だった。 「あっ!」 その場の皆が叫ぶ中、とうとう有紀号は倒れた。たちまち上がる砂ぼこり。戦場ゆえ、周囲の武者の足元から舞う煙も常にある。その渦中にあって、男達はいつしか敵味方団結して事に当たっていた。藪塚も既に自ら下馬している。あくまでも目的は一つ。 「イヤァーッ!」 当人の悲鳴も虚しく、その被服は無理矢理剥ぎ取られていった。藪塚組が上半身を剥けば、下半身は慶介らの担当。完全に地べたに引きずられながら、有紀は為す術もなくひん剥かれていった。折しも、好天に恵まれた空から、今日最大の陽光が力いっぱい降り注ぐ。それが汗と何かに濡れた白い肌へ反射し、この校内で一人だけの全裸女を際立たせた。 いや、正確には完全なる裸ではない。ご丁寧に靴まで脱がせてはいるが、他方で残されたものもあった。帽子である。それは、彼女の競技続行を企図したものだった。 「ギャハハ、ヤベえ!」 こらえ切れずに笑う慶介。裸の女一人を取り囲んで見下ろし、男六人の下品な笑いが止まらない。しかも、いたずらはこれにとどまらないのである。 たちまち場内が悲鳴に包まれた。砂煙と男達の輪が解けると、その中から有紀が素っ裸で高々と掲げられ現れたのである。なんと、彼女は肌も露わに再び騎乗の人にされたのだ。それを担ぐのは、慶介、浩樹、それに竜二に代わって藪塚の混成軍。もう所属など目茶苦茶である。 当然に近くの審判が警告を発する。何しろ一旦馬から落ちているわ、それ以前に騎乗者が裸だわ、到底競技の続行は不可である。だが、気後れした審判女性がか細い声でいくら注意しても、それに耳を貸す人間は生憎いなかった。仕方なしに助けを呼びに行く彼女。その隙を幸いと、有紀を乗せた馬は、まるで市中引き回しのように馬上を観衆に見せびらかし始めた。 「キャアーッ! キャーッ!」 観客の、殊に女性らは一様に不愉快極まるという表情でそれを非難した。もはや狂気の沙汰と言うほかないと。それらに見えやすいように、グラウンドのトラック外周まで行く人馬。近くを通ると、白日の下にさらされた女体の肌が艶めかしく濡れて光っている所や、荒い息に合わせて腹がうねる所、そして溢れる豊乳がしっかりと衆人に環視出来た。 それから目を逸らす者も少なからずいた。主として女性である。彼女らは苦々しい顔で、あるいは憤慨して、中にはその場から離れる者もいた。特に子供連れの場合は、先を争って客席から離脱した。これらの動きで一時騒然となり、会場はさながらパニックの様相を呈した。 会場と同じく、有紀の心中もパニックだ。今まで経験したことのない類の汗が全身から吹き出し、膝が覚えのない震えに苛まれている。ここまで追い詰められると、もはや思考も停止。ただただ固く閉じた腕を交差して、胸を覆い隠すしかできなかった。もっとも、彼女の乳房は豊満過ぎるが故に、その合間からこんもりとした肉をはみ出させてしまう。 父兄らはそこを見逃さなかった。婦女子らと違って興がる彼らは、あるいは遠慮がちに、あるいはまじまじと女体を目で追った。中には密かにカメラを向ける猛者もいた。そういう者共にとって、標的の腕の位置こそもどかしい。 すると、客の期待に応えるかのように障害物をどける手が横から伸びた。いつの間にか再建し追随してきた竜二らの馬である。騎手に竜二、馬に年配者三名の編成で挑みかかってきたものだ。彼らにとって、あくまで“競技”は続いている体である。帽子を狙ってたまたま相手の腕を掴んだだけだ。 プルンッ! と、まるでマンガの擬音が聞こえそうな程に分かりやすく天から地へと弾んで脂肪球は露わになった。屹立した乳首は、まるで巨大プリンの上に盛られたアメリカンチェリーのよう。揺れる土台の上で硬くなっている。よく観察する者は、そこにわずかにミルクのまぶさっているのが見えたはずだ。また、表面に塗り込まれた何かの汁が、乾いてバリバリに張り付いることにも。張り付くといえば、背中や腋腹、それにうなじにも、何かの縮れ毛が付いてなびいている。開会当初あんなに決め込んでいたのに、いつの間にか随分野暮になったものだ。 「やだあっ!」 観客の女性らから口々に不平の声が上がる。顔を手で覆いつつも、その隙間からこの期に及んでなお観察を続ける彼女らは、もはや状況を愉しんでいると言うべきである。他人の不幸は蜜の味というやつだ。 そういう好事家にとっての関心は有紀その人に向かう。就中批判の矛先もだ。第一に糾弾されるべきは担いでいる男共であるにもかかわらずである。 「あの露出狂、まだやる気?」 そんな風に舌鋒鋭く罵る者もいた。何しろ、有紀にはそもそも薄着で登場したという“前科”があるわけだ。もちろん、 「あいつら、絶対ヤッてるよな」 などと、慶介らを含めて噂する者もいたが。いずれにせよ、自分達に利害のないことだから、いくら言っても心は痛まない。 ところが、ここに我が事として看過できない面々も居た。清美と瑞穂である。失禁騒ぎの時は気づかずに過ぎた二人だが、今度の騒がしさはさすがに放置できなかった。そうして前に来てみると、自分達の母が裸で担がれていたわけだ。 とはいえ、二人には咄嗟に意味が分からなかった。裸だという異常さすら、そうと認識できなかったと言ってよい。姉妹はまるで有紀並に思考停止して、ただ漫然と母の乳房が人前で揺れ動くのを見送った。ただ、目撃したことは確かだった。なお、瑞穂は乳を見て口寂しく、チュパチュパと指を吸っていた。 娘らの存在を忘れて、大人達は身勝手に有紀を嘲る。ちなみに彼女達の面倒を見るべき家政婦もまた野次馬となって雇用主の婦人の痴態を隠し撮りし、後で彼氏に報告するつもりでいる。 「上手くやりやがったなあ、あいつ」 身勝手な大人の一人、この計画の発案者の一人というべき鎌先が袋田に言った。すると、袋田が返事をするより先に、 「いやあ、期待以上でしょう」 と、右隣に立つ矢板が相槌を打った。矢板は袋田の勤務する宿泊所の傍で、「ベル」という喫茶店兼バーを営んでおり、また鎌先はあまり大っぴらには言わないが、ピンクサロン「リング」の店長である。彼らは、先程まで藪塚と組んでいた羽根沢らも含めて、卑猥な結託同盟だ。 「にしても、すごいねえ、あの奥さんのおっぱい」 矢板が目を細めて評した。直接の交流はないが、町議金光の妻であることを彼らは皆知っている。 「藪塚のヤツ、勃起しとるんじゃないか」 袋田が額に手をかざしてつぶやいた。 「ありゃあ勃ってるね。――あ、今乳揉んだ」 鎌先が指摘すると、 「あ、ほんとだ、揉んだ揉んだ。あの野郎どさくさ紛れに」 と他の二人も手を打って笑い合った。この三人、実はムカデ競争の時から密かに有紀に目を付けていた。その様子にただならぬ気配を感じたのは、彼らに特有の経験が培った勘の所為である。 「これ以上暴走しなきゃいいけど」 袋田がそう部下を心配すると、鎌先がニヤニヤして、 「ま、その前に俺達が暴走するかもね」 と、冗談とも本気ともつかぬ態で言えば、 「ちょっと愉しませてもらいたいもんだね」 と、矢板も口を挟んだ。それ以上この場でははっきり言わなかったが、三人の胸には、これからの方針がなんとなく定まっていた。 さて、上司に心配されていた藪塚は、まさにその見立て通り、猥褻な気分満々であった。股間の隆起は隠すべくもない。 「ああ~、ヤりてえよ」 そう口に出しさえした。そのあまりの率直さに、浩樹が笑う。 「おっさん、心の声漏れてるよ」 「おっさんじゃねえ、オレはまだお兄さんだ」 三十路の藪塚は唇を尖がらせつつ後輩をたしなめると、 「お前ら、もうヤッたのか? なあ、正直に言えよ。ヤッただろ」 などと気さくに問い詰めた。女という共通のおもちゃを得て、一気に距離を縮めた感じだ。それには直接答えないで、慶介が言う。 「そんなにヤりたいんだったらさ、後で一緒にヤる?」 「お? マジか。マワしか~、久しぶりだな」 藪塚は嬉しそうに応じて、以前にも一人の女を大人数で一晩掛かって犯したと打ち明けた。二人は興味を引かれたが、まずはこれからの段取りをつけることが先決と、打ち合わせに興じだした。 この間、話の中心になるべき主役は一切ないがしろだ。一度も意見を聞かれることなく、交尾相手達の予定を勝手に決められていく。彼女は家畜か、はたまた精液を回収する試験管か。もはや意思能力もないものか。人の親である面影をその身に見出すことは難しかった。 現に息子の目に映っていたのは、いつもの母親ではない何かだった。それが、朝から休みなく子作りされ続け、父以外のペニスを何本も何本も、時には自分の同級生や息子である自分より年下の子のものまでねじ込まれてきたことを彼は知らない。風にそよぐアンダーヘアーの割れ目から、下腹がよじれる度に白濁液の垂れ出ている様までは見えていない。それでも感じ取る処が確かにあるのだろう。 彼は今、呆れる位眠りこけている父の下を少し離れた所で、携帯ゲーム機を掲げて立っていた。ゲームをプレイしているのではない。画面に映っているのは、ほかならぬ母の現状である。撮影しているのだ、羞恥する母の裸体を。 共に風呂に入ったこともない彼は、母親の裸をほとんど初めて見たと言ってよい。母の乳輪の大きさや色、母の性毛の整えられ方、そして母の生尻。その尻の乗っている青年の肩が肉に食い込んでいる。彼はその柔らかさを知らない。と、見ている間に誰かの手が母の豊乳を揉んだ。その瞬間、彼はビクリと痙攣し、腰を引いた。 息子の見ていたもの、それは母親ではなく一人の女、いやメスだった。精子の匂いをプンプン振り撒く、種付け盛りの犯されたがり。股間の膨張がもう止まらない。 〈つづく〉 |
* 「なんだか面白そうなことになってるねえ」 ある男がぼそりと呟いた。そして隣の男と目を見合わせる。そこへ、少し離れた所から小男が寄ってきた。集まった三人は、自分達だけに聞こえる声でボソボソとしばし話し合っていたが、やがて小男が、 「おおい、藪塚!」 と、騎馬戦出場準備者の方へ手を振った。呼ばれて来たのは、短髪の筋骨逞しい壮年男である。その彼に、小男は上司めいた態度で偉そうに何やら耳打ちした。藪塚と呼ばれた男は、その命を受け大きく肯き返す。そうして、意気揚々と持ち場に戻った。三人の男達は怪しげに輝かせた目でそれを見送った。 * 「いくよ、おばさん」 慶介の号令で、左にいる浩樹と二人立ち上がる。しかし、先頭にいる竜二のタイミングが合わずによろめいた為、すぐさま元通りしゃがみ込んだ。 「おいしっかりしろよ」 浩樹が唇を尖らせれば、 「いや、いきなり過ぎだって」 と、竜二が言い返す。男子達はケラケラと笑った。ここだけ取って見れば、高校生三人組の爽やかなスポーツのようである。しかし、彼らの肩に戴くのは露出狂と化した慰み者なわけで。 「(何これ……この状況……)」 当の本人は今なお現状に付いてゆけず呆然としていた。気を失いそうで失わない、狂いそうで狂わない。一体彼女の心身に何者が同調出来るであろうか。わずか半日足らずの間に、休みなく一斉に強制交尾される女の心身だ。同じ境遇にならずば分かるまい。 肉体的衝動ならとっくに麻痺するべき処だ。同じ快感が与えられ続けることなどあり得ない。ところが、本件の特殊なのは衆人の下へと断続的にさらされる点である。犯されては連れ出され、連れ込まれては犯され、また表に出され、挙句我が子を前に愚弄され辱められさえして…… 「ちょっと、ほんとに出るのあの女」 「サイテー、マジサイテー」 「正気じゃないよねえ」 観衆のざわめきが大波となって押し寄せる。 「グッ……ウッ……」 今しも侮蔑の情を一身に浴びせられて、彼女はその身を縮こまらせた。かつてなかったことだ、こんなに身をすくませるなんて。いつも堂々として、厚顔無恥に世にはばかってきた。誰よりも強く、誰よりも偉く、我が身の美貌と若さと権力と財産と…… 「(どうしてこんな……!)」 屈辱に次ぐ屈辱、否、全身をすべからく支配するもの、それはもはや恐怖だった。彼女はもう知っているのだ、布地のほとんどない服を着て、へそも尻の割れ目までも見られていることを? いや、そんな表面的なことだけではない。この世に、自分の味方なんて居ないことをだ! 「ヒイィッ!」 突然持ち上げられて、有紀は悲鳴を上げた。 「変な声出すなよ」 後ろから慶介が文句を言った。騎乗する騎手が持ち上げられるのは当然のことで、馬達は“よいしょ”と掛け声さえしていたのだから、責められるべきは身構えていなかった有紀である。 だが物思いに沈んでいた者には唐突な出来事だった。その上、地に足のつかない態勢程不安なものはない。しかも、我が身を預ける相手が信用ならないとなればなおさらだ。有紀は、反射的に暴れ出した。手足をジタバタと振り回す。 「お、おい暴れんなって」 前を担当する竜二が迷惑がりつつ、なんとか後頭部で騎手の下腹部を押さえつける。その反動で、膣穴に残っていた白濁汁がジワリと漏れ出し、紺の半ズボンをさらに色濃く変えた。そんな股間を肩に乗せ、慶介がまた号令を掛ける。 「おい、いくぞ」 競技開始の合図はもう掛かっていた。馬は走り出す。 「いやっ、いやっ!」 有紀は冠りを振って抵抗するも、もう逃げられない。そのまま運動場の真っただ中へと運ばれた。 「(怖い! 怖い! 怖い!)」 只でさえ人に担がれるのは怖い。それが、朝からひと時も休まることのない不安心理を一気に爆発させたものだ。 「助けて!」 ついに彼女は叫んだ。もはやなんの自衛装甲も持たない、ありのまま生身の人間として。心を占めるのは恐怖、ひたすらそれのみ。 だが、ここは戦場だ。 「やめて! もうやめて!」 何度も叫んだ。 「許して! 許してぇ!」 何度も何度も。幼い子供のように。ついには、温かいものが頬を伝いだした。それは決して悔し涙ではなかった。 「おい泣くなよ」 隣に来た騎馬武者が声をかけてくる。花村だ。彼が肩に手を置くのは小林。二人してニヤニヤ笑っている。有紀にとっては、自軍にも敵がいるのだ。 小林の左後ろには服部という、同じ町内の者がいた。花村の言葉を耳にして有紀を見上げている。事情を知らない第三者。だが男なれば、卑猥な視線は禁じ得なかった。なんとなれば今朝から有紀の胸の躍動を凝視し、妻の顰蹙を買っていたものである。 と、その時、 「ちょっと、あっち!」 服部の右隣りにいる馬役が言った。彼からは左が見えないこともあり、右前方の敵に照準を絞っていた。運動会を心から楽しんでいる善意の人である。 「あいよっ!」 花村は景気よく返事しながら、慶介へ目配せして去った。 「ウッ、ウッ……」 有紀は相変わらず泣いている。嗚咽、過呼吸、本来ならリタイヤを促されてもよいはずだった、が、周囲の同情は皆無。いとも珍しいことだが、へそを見せながら高い所で恐れおののく熟女の姿は、遠目になぜか滑稽だった。観客は残酷なつもりもなく、ただただ肩を揺らしている。 「泣くなよ、おばさん。後でまたチンポやるからさあ」 子供に飴をやるような言い方で、慶介は肩を上げ下げしてあやした。もちろん、優しさなどない。その証拠に、小器用にも彼は、巧みに片手を移動させて、騎手の秘穴へと中指を突き立てた。 「ウグゥェ……!」 有紀は悶絶した。 「オレも、オレも」 浩樹も見習って中指を入れる。すると、さすがに体勢が崩れそうになって竜二が怒鳴った。 「お、おい、何やってんだよ」 「うるせえ、お前しっかり持てよ」 浩樹はゲラゲラ笑って、なお指遊びを止めようとしない。公の場で二人の指を産道へねじ込まれた女は、今やほとんど竜二のみにおぶさるような格好だ。 「ちょ、重いんだよ、ババア」 堪りかねて竜二が叫ぶ。後ろの二人は爆笑だ。面白がって、半ズボンの脇からねじ込んだそれぞれの指を、グチョグチョ、グチョグチョと前後左右にかき回す。 「ヤ、メ、テェー……!」 そう有紀が絶叫するのと、ほとんど同時だった、馬達の肩に水しぶきが舞ったのは。 「オ、オ、オ……」 号泣する有紀。涙と鼻水、そして失禁。 「潮だよな、なあ、これ潮だよな」 思わず動揺した浩樹が慶介に問う。 「いや、これ……違うんじゃね?」 慶介は何とも言えない形に口を歪めて苦笑した。 「何? なんかあったの?」 状況の分からない竜二。 砂ぼこりの濛々と立ち込める乱戦の中とはいえ、馬の肩が瞬く間にびしょ濡れになるとなれば、あまつさえ彼らの足を伝って滝のように水が流れるとなれば気づく者も出る。 「おいおい、マジかぁ」 高橋、これは端から目で追っていたものだから気づくも何もない。先程の花村、小林も同様だ。問題は、その余の者。 「だ、大丈夫ですか」 審判の一人が寄ってきた。心細そうな表情の女性だ。本音を言うと、面倒なことに巻き込まれるのは嫌だった。しかし、近くにいたのがたまたま自分だったので、行かないのは不自然だと思ったのだ。 「リタイヤします?」 さすがに指入れまでは見ていなかったものの、ただならぬ状況から、これは続行不能だ、そう彼女は判断した。すると、竜二が意外そうに言った。 「え、いやいや全然大丈夫っすよ、な?」 彼は、後ろの仲間に声を掛けたつもりだったが、返事する者はなかった。 と、その時だった。 「どけどけぃっ!」 敵軍の騎馬武者がもの凄い勢いで突っ込んできたのだ。 * 「ねえ! ねえねえねえ!」 「な、何?」 夫を応援していた主婦は、隣人に勢いよく肩を叩かれてびっくりした。 「ちょっと、あれ、あれ見て!」 隣人は興奮して指をさす。主婦もその先を見る。 「何?」 目線の先には騎乗の有紀が居た。 「何よ」 主婦は少しぶっきらぼうに言った。有紀の露出度の話ならさっきしたところだ。彼女は、有紀の態度が不愉快だった。あんなふしだらな女、視界に収めるのも真っ平だった。だからあえて視線を外していたのだ。 隣人は、しかしお構いなしに続ける。 「あれ、ほら」 と、ここで、彼女は声を殺し、口だけで言った。 「お・しっ・こ」 「え?」 怪訝な表情で聞き返す主婦。本当に意味が分からなかった。そこで隣人は、唇を相手の耳に近寄せて囁いた。 「お、お漏らししてるの」 「ええっ!?」 素っ頓狂な声を上げた主婦に、周囲の者達が驚く。彼女は恥らって、声量を落とした。 「な、何言ってるの?」 「だから、あれよ、あれ。見て、ほら」 言われて目を凝らす。次第に目が慣れてくると、確かに、馬役の男子高生の服が二人とも濡れて…… 「うっそぉ!」 主婦は口元を手で覆い隣人を見た。 噂はたちまち広まった。何もその二人だけが気付いたのではない。独自に見つけた人間はほかにいくらでもいたのだ。方々から様々な感想が漏れ聞こえ、ざわざわとし始める。 「あのババア、ションベン漏らしてやんの」 「アハハ、バッカじゃない」 ストレートに笑い合う者。 「信じらんない、嘘でしょ」 そう批難しながら、口元を緩ませる者。 「最低……」 心底軽蔑した目を向け、真剣に怒る者。 「ちょっと、早く退場させなさいよ」 批判の矛先を運営に向ける者。 「あいつらも最悪だな。ていうか、なんであいつらあのおばさん担いでんの」 馬役に注目する者。反応は様々だが、同情する者はない。 かくしてにわかに大騒動となったその失禁騒ぎだが、それはその直後に起きる事件の前触れに過ぎないのだった。 〈つづく〉 |